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JP2003035231A - 密閉タンクシステムの給油制御装置 - Google Patents

密閉タンクシステムの給油制御装置

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Publication number
JP2003035231A
JP2003035231A JP2001220237A JP2001220237A JP2003035231A JP 2003035231 A JP2003035231 A JP 2003035231A JP 2001220237 A JP2001220237 A JP 2001220237A JP 2001220237 A JP2001220237 A JP 2001220237A JP 2003035231 A JP2003035231 A JP 2003035231A
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Japan
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tank
refueling
fuel
internal pressure
target
Prior art date
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JP2001220237A
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Yoshihiko Hyodo
義彦 兵道
衛 ▲吉▼岡
Mamoru Yoshioka
Masahiro Kimura
政弘 木村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 密閉式燃料タンク給油時の過剰給油を確実に
防止する。 【解決手段】 密閉式燃料タンク11内の液面上部空間
をキャニスタ10に接続するブリーザ配管13に電磁式
ベントバルブ131を設ける。電子制御ユニット(EC
U)30は、給油管111からタンクに給油する際に、
給油流量に基づいてタンク内圧上昇速度の目標値を設定
し、圧力センサ120で検出したタンク内圧上昇速度
が、目標速度に一致するようにベントバルブを開閉制御
する。目標圧力上昇速度は、タンク内燃料量が目標量に
到達したときにタンク内圧力給油ノズルのオートストッ
プ機構が作動する圧力になるように設定される。これに
より、タンク内燃料量が目標量に到達したときに確実に
給油が停止し過剰給油が確実に防止されるとともに、給
油終了時のタンク内圧が過大になって燃料の吹返しが生
じることが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉タンクシステ
ムの給油制御装置に関し、詳細には密閉タンクシステム
への過剰給油を防止する給油制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の燃料タンク、特に自動車用機
関の燃料タンクから蒸発燃料が大気に放散されることを
防止するために燃料タンクを密閉構造として蒸発燃料
(燃料ベーパ)がタンク外に洩出することを防止した、
いわゆる密閉燃料タンクシステムが知られている。
【0003】密閉燃料タンクシステムでは、給油時にタ
ンクに燃料が注入されるとタンク内液面の上昇により液
面上部空間の気体(燃料ベーパと空気との混合気)が圧
縮されタンク内圧が上昇する。タンク内圧がある程度高
くなると、タンクの給油管から供給される燃料がタンク
内に流入することができなくなり給油不能ととなる。こ
のため、密閉燃料タンクシステムでは、燃料タンク内液
面上部空間をブリーザ配管を介して燃料ベーパ吸着剤を
収納するキャニスタに接続し、このブリーザ配管上に電
磁開閉弁(ベントバルブ)を設け、給油時にベントバル
ブを開弁することによりタンク内の気体をキャニスタに
排気するようにしている。
【0004】このように、給油時にタンク内の気体をキ
ャニスタに排気する場合、過剰に給油が行われタンク内
に設計容量(いわゆる満タン燃料量)を大幅に越える量
の燃料が注入されると開弁中のベントバルブからブリー
ザ配管を介して燃料がキャニスタに侵入する場合があ
る。キャニスタに液状の燃料が到達するとキャニスタ内
の吸着剤が吸着した燃料で飽和してしまい燃料ベーパを
吸着できなくなるのみならず、キャニスタやブリーザ配
管中に侵入した燃料が外部に洩出する問題が生じる。
【0005】例えば、特開平6−235346号公報は
上記のようなタンクの設計容量を越える給油(過剰給
油)が行われることを防止する構成を開示している。同
公報の装置では、タンク内液面上部空間をキャニスタに
接続するベント通路(ブリーザ配管)上にベントバルブ
を配置し、給油時にはベントバルブを開弁してタンク内
の気体をベント通路を介してキャニスタに排気すること
により、給油時のタンク内圧上昇を防止している。ま
た、同公報の装置は、燃料タンク内の液面高さ(液位)
を検出する液位検出センサを備えており、給油中にタン
ク内液位が所定の高さ以上になった場合に、上記ベント
バルブを閉弁するものである。
【0006】通常、給油は燃料タンクの給油管に給油ノ
ズルを挿入して給油ノズルから給油管を介して燃料を注
入するが、給油ノズルにはオートストップ機構が設けら
れている。オートストップ機構は、給油管内の液面が上
昇し、ノズルに設けた液面検出孔に到達したときに給油
を停止する機構である。上記公報の装置では、燃料タン
ク内液位が所定高さ以上になるとベントバルブが閉弁さ
れるため、その後給油が継続されるとタンク内圧が上昇
する。このため、給油管内の液面もタンク内圧に応じて
上昇し、タンク内圧がある圧力になると上記オートスト
ップ機構が作動して給油が自動的に停止する。同公報の
装置では、これによりタンクへの過剰給油が防止され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
8−235346号公報の装置のように、単に検出した
液面が所定高さになったときにベントバルブを閉弁した
のでは、給油終了時に問題を生じる場合がある。例え
ば、上記公報の装置ではタンク内液面が所定高さに到達
してベントバルブが閉弁すると、給油ノズルから注入さ
れる燃料により液面が更に上昇を続け、タンク内圧がそ
れに応じて上昇する。この圧力上昇速度は液面の上昇速
度、すなわち給油ノズルからの給油流量に対応した速度
になる。
【0008】上記公報の装置では、ベントバルブ閉弁
後、タンク内圧が上昇して所定の圧力に到達すると給油
ノズルのオートストップが作動して給油が停止される
が、ノズルからの給油流量が大きい場合には内圧上昇速
度も大きくなる。一方、ベントバルブ開弁時には給油流
量により流入する燃料と同一の体積の気体がベントバル
ブからタンク外に流出するためベントバルブからブリー
ザ配管を通ってキャニスタに流れる気体流量は給油流量
とほぼ同一になる。
【0009】この場合、ベントバルブ開弁時のブリーザ
配管やキャニスタ通過時の気体の圧損は流量が大きいほ
ど大きくなる。すなわち給油流量が大きいほど排気され
る気体の圧損が大きくなりタンク内圧は大きくなる。こ
のため、給油流量が大きい場合にはベントバルブ閉弁時
のタンク内圧も高くなっている。しかも、上記のように
給油流量が大きい場合にはベントバルブ閉弁後のタンク
内圧上昇速度も大きくなる。このため、タンク内圧がオ
ートストップ機構が作動する圧力に到達して実際に給油
が停止された後にタンク内圧のオーバーシュートが生じ
てしまいタンク内圧が大きく上昇する場合がある。この
ように、給油終了後にタンク内圧が大きく上昇すると、
タンク内圧により給油管内の燃料が給油口から外部に押
出される、いわゆる吹返し(スピットバック)が生じる
問題がある。
【0010】また、この場合には給油停止時のタンク内
燃料液面高さもばらつくことになり、設計容量を越えて
燃料が注入される過剰給油が生じる場合がある。本発明
は上記問題に鑑み、給油終了時の吹返しや過剰給油を生
じることなく正確に給油量を制御することが可能な密閉
タンクシステムの給油制御装置をが提供することを目的
としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、密閉燃料タンクへの給油時にタンク内圧を調整
し、タンクへの過剰給油を防止する密閉燃料タンクシス
テムの給油制御装置であって、タンク内圧を検出する圧
力検出手段と、給油時にタンク内液面上部空間の気体を
タンク外の所定の場所に排気する排気手段と、給油時の
タンク内圧に基づいて給油流量を推定する給油流量推定
手段と、給油時に前記燃料タンク内の燃料量が予め定め
た基準量に到達したか否かを判定する燃料量検出手段
と、前記給油流量推定手段の推定した給油流量に基づい
てタンク内圧上昇速度の目標値を設定する目標圧力変化
設定手段と、前記燃料量検出手段によりタンク内燃料量
が前記基準量に到達したことが検出された後、前記圧力
検出手段により検出したタンク内圧の上昇速度が前記目
標値に一致するように前記排気手段の作動を制御する圧
力制御手段と、を備えた密閉タンクシステムの給油制御
装置が提供される。
【0012】すなわち、請求項1の発明では、給油によ
りタンク内燃料量が予め定めた基準量(すなわち基準液
面レベル)に到達した後は、圧力制御手段によりタンク
内圧上昇速度が目標値に制御される。この圧力制御は、
例えば排気手段としてベントバルブを備える場合にはベ
ントバルブを開閉操作してタンク内の気体をキャニスタ
に排気することにより行われる。また、タンク内圧上昇
速度の目標値は給油流量推定手段により推定された実際
の給油流量に基づいて設定される。これにより、タンク
内圧上昇速度は目標値に制御されるため内圧上昇速度が
過大になって給油終了時にタンク内圧オーバーシュート
が生じることが防止され、給油終了時に吹返しが生じる
ことが確実に防止される。また、実際の給油流量に応じ
てタンク内圧上昇速度の目標値を設定しているため、給
油停止時のタンク内液面高さを正確に制御することが可
能となる。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、前記目標
圧力変化設定手段は、前記給油流量推定手段により推定
された給油流量に基づいて算出される、タンク内燃料量
が前記基準量に到達してから予め定めた目標量に到達す
るまでの所要時間と、タンク内燃料が前記基準量に到達
した時のタンク内圧とに基づいて、タンク内燃料量が前
記目標量に到達した時にタンク内圧が予め定めた目標圧
力になるように前記タンク内圧上昇速度の目標値を設定
する、請求項1に記載の密閉タンクシステムの給油制御
装置が提供される。
【0014】すなわち、請求項2の発明では、タンク内
圧上昇速度の目標値は、タンク内の燃料量が上記基準量
より大きい目標量に到達したときに予め定めた目標圧力
になるように設定される。この場合、給油流量推定手段
により実際の給油流量が推定されているため、タンク内
の燃料量が基準量から目標量に到達するまでの時間が給
油量に基づいて算出できる。また、基準量到達時のタン
ク内圧が圧力検出手段により検出されるため、燃料量が
目標量(例えばタンクの設計容量)に到達したときにタ
ンク内圧を目標圧力(例えば給油ノズルのオートストッ
プ機構が作動する圧力)にするために必要なタンク内圧
上昇速度(目標速度)は上記目標圧力と基準量到達時の
タンク内圧との差を目標量に到達するまでの時間で割る
ことにより算出できる。本発明では、上記によりタンク
内圧上昇速度の目標値を設定することにより、タンク内
燃料量が目標量(例えば設計容量、すなわちいわゆる満
タン容量)に到達したときに、正確にオートストップ機
構を作動させて給油を停止することが可能となり、過剰
給油を確実に防止することができる。
【0015】請求項3に記載の発明によれば、更に、タ
ンク内燃料量が前記目標量に到達して給油が終了した後
に再度追加給油が開始されたことを検出する追加給油検
出手段と、前記追加給油が開始された場合のタンク内圧
上昇速度の目標値を設定する追加給油時目標圧力変化設
定手段とを備え、前記圧力制御手段は、前記追加給油
中、前記圧力検出手段により検出したタンク内圧上昇速
度が前記追加給油時の目標値に一致するように前記排気
手段の作動を制御する、請求項1または請求項2に記載
の密閉タンクシステムの給油制御装置が提供される。
【0016】すなわち、請求項3の発明では、例えばタ
ンク内の燃料量が目標量に到達して一旦給油が停止され
た後、再度追加給油が行われた場合には、タンク内圧上
昇速度は目標到達前の給油時の目標値とは別の目標値に
設定され、同様な操作が行われる。これにより、追加給
油時にも給油終了時の吹返しを確実に防止することがで
きる。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、前記追加
給油時目標圧力変化設定手段は、タンク内燃料量が前記
目標量に到達する前に前記給油流量推定手段により推定
された前記給油流量に基づいて算出される、タンク内燃
料量が前記目標量から予め定めた許容最大量に到達する
までの所要時間と、前記追加給油が開始された時のタン
ク内圧とに基づいて、タンク内燃料量が前記許容最大量
に到達した時にタンク内圧が前記目標圧力になるように
追加給油時のタンク内圧上昇速度の目標値を設定する、
請求項3に記載の密閉タンクシステムの給油制御装置が
提供される。
【0018】すなわち、請求項4の発明では追加給油時
にはタンク内燃料量が許容最大量に到達したときにタン
ク内圧力が目標圧力になるように設定される。また、タ
ンク内圧上昇速度の目標値を算出する際の給油流量とし
ては、目標値到達前に推定した給油流量を使用する。タ
ンク内燃料が目標量(満タン容量)に到達して一旦給油
が停止された後の追加給油では、給油流量を絞り少しず
つ給油を行うのが通常である。このため、目標量到達前
の給油時の給油流量を用いてタンク内圧上昇速度の目標
値を設定することにより、実際にはタンク内燃料量が許
容最大量に到達する前にタンク内圧が目標値(例えばオ
ートストップ機構が作動する圧力)に到達する。このた
め、追加給油時の給油によりタンク内燃料量が許容最大
量を超えることが確実に防止されるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は本発明を自動車用燃
料タンクに適用した実施形態の概略構成を示す図であ
る。図1において、100は内燃機関本体、1は内燃機
関100の吸気通路、3は吸気通路1に配置されたエア
クリーナを示す。吸気通路1には運転者のアクセルペダ
ル(図示せず)の操作に応じた開度をとるスロットル弁
6が設けられている。図1に11で示すのは機関の燃料
タンクである。タンク11内の燃料油はフュエルポンプ
70により昇圧され、フィード配管71を介して機関1
00の各気筒の燃料噴射弁101に圧送される。
【0020】燃料タンク11には、タンク内への給油の
ための給油管111が設けられている。また、本実施形
態では、給油管111の入口(給油口)114近傍部分
は、循環通路(循環ライン)111aにより燃料タンク
11内の液面上部空間と連通している。循環ライン11
1aは、給油口114からの給油時に給油口114近傍
に燃料タンク11内の気体を供給し、給油管111の内
部が負圧になることを防止する機能を有している。図1
に115で示すのは給油管111の給油口114を覆う
リッドである。本実施形態では、給油管111からタン
ク内に給油を行うためには、リッド115を開放して給
油管の給油口114に設けられたキャップ113を外す
ことが必要とされる。リッド115にはソレノイドアク
チュエータ等の適宜な形式のアクチュエータからなり、
後述する電子制御ユニット(ECU)30からの駆動信
号によりリッド115を開放するリッドオープナ115
aが設けられている。
【0021】タンク11の上部には、後述するキャニス
タ10にタンク11内の燃料油液面上部空間を接続する
ブリーザー配管13が接続されている。ブリーザー配管
13とタンク11との接続部にはソレノイドバルブ等か
らなるベントバルブ131とそれぞれフロート弁からな
るCOV(CUT OFF VALVE)132とRO
V(ROLL OVER VALVE)133とが設け
られている。ベントバルブ131は、後述するように、
ECU30からの駆動信号により開閉され、燃料タンク
11内の燃料ペーパをブリーザー配管13を通してキャ
ニスタ10に排出する機能を有している。
【0022】本実施形態では、ベントバルブ131は常
時閉弁されており、燃料タンク11は密閉状態に維持さ
れている。これにより、燃料タンク11内の燃料の蒸発
により生成した燃料ベーパは燃料タンク11内に封入さ
れた状態となり、外部には洩出しない。このため、燃料
ベーパの大気への放散が完全に防止される。しかし、燃
料タンク11を密閉した結果、例えば機関運転中燃料噴
射弁101からの高温のリターン燃料が燃料タンク11
に流入してタンク内燃料温度が上昇すると、それに応じ
て燃料蒸気圧が高くなるためタンク内圧が上昇する。本
実施形態では、燃料タンク11にはタンク内液面上部空
間の圧力を検出する圧力センサ120が設けられてお
り、機関運転中にタンク内圧が許容値(例えば燃料タン
クの設計圧力)を越えて上昇した場合にはベントバルブ
131を開弁し、タンク内の燃料ベーパをブリーザ配管
13を介してキャニスタ10に逃してタンク内圧を低下
させるようにしている。
【0023】タンク11に設けられたROV133の給
油時の液面上昇により閉弁し、ベントバルブ131と燃
料タンク11との接続を遮断する。また、ROV133
は、車両転倒時等にベントバルブ131とタンク11と
の接続部を閉鎖し、ブリーザー配管13を介して大量の
燃料油が外部に洩れることを防止する機能をも有してい
る。COV132はROV133と並列に配置されてお
り、ROV133より更に液面が上昇したときにベント
バルブ131とタンク11との連通を遮断する。COV
132は、給油時の液面上昇時にはROV133閉弁後
も開弁してタンク11とベントバルブ131とを連通す
るが、ベントバルブ131開弁中に車両旋回による液面
の動揺によりCOV132位置まで液面が到達したよう
な場合、及び車両転倒時等には閉弁し、ベントバルブ1
31を通って燃料油がブリーザー配管13に侵入するこ
とを防止する機能を有する。
【0024】図1に30で示すのは、機関の電子制御ユ
ニット(ECU)である。ECU30は、ROM(リー
ドオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモ
リ)、CPU(マイクロプロセッサ)及び入出力ポート
を互いに双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロ
コンピュータからなり、機関の燃料噴射制御等の基本制
御を行う他、本実施例では後述するように給油時のタン
ク内圧を調整し過剰給油と給油終了時の吹返しを防止す
るタンク内圧制御操作を行う。
【0025】上記制御のため、ECU30の出力ポート
は図示しない駆動回路を介して機関100の燃料噴射弁
101に接続され、燃料噴射弁からの燃料噴射量を制御
している他、ベントバルブ131に接続され、ベントバ
ルブ131の開閉制御を行う。本実施形態では、ベント
バルブ131はソレノイドバルブであり、ソレノイドア
クチュエータに入力するECU30からの駆動パルス信
号のオンとオフとに応じて開閉動作を繰返す。ベントバ
ルブ131を通る気体の流量は、駆動パルス信号のオン
(ベントバルブ開)時間がパルス信号の1サイクル中に
占める割合(デューティ比)に比例して増大する。従っ
て、デューティ比は通常の制御弁における弁開度と同じ
意味をもつ。このため、本明細書ではベントバルブ13
1の駆動パルス信号のデューティ比を便宜的にベントバ
ルブの開度と称する場合がある。この場合にはベントバ
ルブ131の全開状態は駆動パルス信号のデューティ比
が100パーセントの状態に対応し、全閉状態はデュー
ティ比が0の状態に対応する。また、ベントバルブ13
1として、通常の制御弁を使用した場合にも、以下の説
明はデューティ比をバルブ開度と読替えることによりそ
のまま適用される。
【0026】ECU30の出力ポートは、図示しない駆
動回路を介して後述するパージ制御弁15のアクチュエ
ータ、CCV(CANISTER CLOSURE V
ALVE)17のアクチュエータにそれぞれ接続され、
これらの弁の作動を制御している他、図示しない駆動回
路を介してリッドオープナ115aに接続され、リッド
115の開放を行う。
【0027】一方、ECU30の入力ポートには、機関
の回転数、吸入空気量、機関冷却水温度、車両走行速度
等を表す信号が、それぞれ図示しないセンサから入力さ
れている他、運転者のスイッチ操作に応じて給油信号を
出力するリッド開放スイッチ(給油スイッチ)140が
接続されている。また、燃料タンク11に設けられた、
タンク内圧力を検出する圧力センサ120の出力は図示
しないAD変換器を介してECU30の入力ポートに供
給されている。
【0028】図1に10で示すのは燃料タンク内の燃料
ベーパを吸着するキャニスタである。キャニスタ10
は、ブリーザー配管13によりベントバルブ131を介
して燃料タンク11の燃料液面上部空間と、また、パー
ジ配管14によりパージ制御弁15を介して吸気通路1
と、また、大気連通管18により、CCV17とフィル
タ19とを介して給油口114近傍の大気部分に、それ
ぞれ接続されている。パージ制御弁15はソレノイドア
クチュエータなどの適宜な形式のアクチュエータを備
え、ECU30からの信号により開弁し、キャニスタ1
0と吸気通路1とを連通してキャニスタ10のパージを
行う。
【0029】また、大気連通管18にはエアフィルター
19とCCV17とが設けられている。エアフィルタ1
9は後述するパージ実行時に大気連通管18からキャニ
スタ10内に流入する空気中の異物を除去するものであ
る。CCV17は、ソレノイドアクチュエータなどの適
宜な形式のアクチュエータを備え、ECU30からの制
御信号に応じて大気連通管18とキャニスタ11との連
通を遮断するものである。
【0030】パージ制御弁15の閉弁中にベントバルブ
131とCCV17とが開弁されると、燃料タンク11
の液面上部空間からブリーザー配管13を介して燃料蒸
気と空気との混合気がキャニスタ10内に流入する。キ
ャニスタ内部には活性炭等の蒸発燃料吸着剤50が充填
されている。燃料タンク11内の圧力が大気圧より高い
場合には、燃料タンク11内の燃料蒸気を含む気体はキ
ャニスタ10内の吸着剤50を通過した後にCCV17
と大気連通管18とを通り大気に放出されるようにな
る。これにより、大気連通管18からはキャニスタ内の
吸着剤50で燃料蒸気を除去された後の空気のみが放出
されるようになり、燃料ベーパが大気に放出されること
を防止しつつ燃料タンク11の内圧を低下させることが
できる。
【0031】また、機関運転中で吸気通路1に負圧が発
生しているときにパージ制御弁15とCCV17とが開
弁されると、キャニスタ10内にはパージ通路14を介
して吸気通路1の負圧が作用し、キャニスタ内圧力は大
気圧より低くなる。このため、パージ制御弁15が開弁
すると、大気連通管18からフィルタ19により異物を
除去された清浄な空気がキャニスタ10内に流入する。
この空気は吸着剤50から吸着した燃料ベーパを離脱さ
せ、燃料ベーパと空気との混合ガス(パージガス)とな
ってパージ通路14から機関吸気通路1に流入し、機関
燃焼室で燃焼する。これにより、吸着剤50が燃料ベー
パで飽和することが防止される。
【0032】本実施形態では、前述したようにベントバ
ルブ131は通常は閉弁保持されており、タンク内圧が
許容限度を越えて上昇した場合と、後述するように給油
が行われるときにのみ開弁してタンク内の燃料ベーパを
キャニスタ10に吸着させるようにされている。このた
め、常時キャニスタに燃料蒸気を供給する通常の開放式
燃料タンクの場合に較べてキャニスタ10の容量は比較
的小さく設定されている。
【0033】次に、給油時の燃料タンク内圧力制御につ
いて説明する。以下に説明する実施形態では、給油ノズ
ル(図示せず)を燃料タンク11の給油管111に挿入
してノズルから給油管111内に燃料を供給することに
より給油を行う。給油管111内に供給された燃料は、
給油管111から燃料タンク11内に流入する。このと
き、燃料タンク11の内圧が大気圧以上である場合には
給油管11内にはタンク内圧と大気圧との差に相当する
高さの液柱が形成される。従って、例えば、燃料タンク
11内液面が上昇してある液面高さになった場合には、
給油管11内の液面高さは、タンク内の液面高さに上記
圧力差に相当する液柱高さを加えた高さとなる。
【0034】一般に、給油ノズルには給油を自動的に停
止するオートストップ機構が設けられている。オートス
トップ機構は、給油中に給油管111内に形成される燃
料液面が所定の高さになったことを検出して給油を停止
する機構である。すなわち、給油ノズル側面には液面検
出孔が設けられており、給油管111内液面が上昇して
この液面検出孔に到達したときに給油が停止される。以
下に説明する実施形態では、上記給油ノズルに設けられ
たオートストップ機構を作動させることにより燃料タン
ク11への給油を停止する。
【0035】本実施形態では、給油開始に先立ってベン
トバルブ131が全開にされタンク内の気体をキャニス
タ10を介して大気に放出し、タンク11内圧を大気圧
近くまで低下させる。これにより、給油のために給油口
114のキャップ113を外したときに、タンク内の燃
料ベーパを含む気体が給油口114から大気に放出され
ることが防止される。この状態で給油ノズルが給油管1
11内に挿入されて給油が開始されると、流入する燃料
によりタンク11内の液面が上昇し、開弁中のベントバ
ルブ131からは流入する燃料に置換されたタンク内の
液面上部空間の気体がブリーザ配管13とキャニスタ1
0とを通って燃料ベーパを除去された後大気に放出され
る。
【0036】この状態では、タンク内圧は大気圧よりベ
ントバルブ131からキャニスタを経由して大気に放出
される排気経路の圧損分だけ高くなる。この排気経路の
圧損は排気経路を流れる気体の流量により定り、排気経
路を流れる気体の流量はタンク11に流入する燃料の流
量、すなわち給油流量に相当する量である。従って、ベ
ントバルブ131の全開時の給油中にはタンク内圧は給
油流量に対応した圧力になっている。給油により液面が
上昇し、ROV133の位置に到達するとROV133
のフロートがベントバルブ131との接続口を閉鎖す
る。これにより、タンク11内とベントバルブ131と
は小径のCOV132のみを介して連通するようにな
る。このため、ROV133が閉鎖した状態ではベント
バルブ131からブリーザ配管13とキャニスタ10と
を介して大気連通管18に至る排気経路の流路抵抗が大
幅に増大し、タンク11内圧は急激に上昇するようにな
る。
【0037】本実施形態のタンク内圧制御操作では、R
OV133が閉弁するときのタンク内燃料量(液面高
さ)を基準量と称する。タンク内燃料が基準量到達後に
給油が継続されるとタンク内液面が上昇し、それととも
にタンク内圧が上昇する。更に給油が継続されて液面が
上昇すると、やがてタンク内液面はCOV132の位置
に到達しCOV132のフロートがベントバルブ131
接続口を閉塞する。この状態では排気経路は完全に閉塞
され、ベントバルブ131が開弁していても燃料タンク
11は密閉状態になる。
【0038】本実施形態では、燃料タンク11の設計容
量はROV133の閉弁する燃料量(基準量)より大き
く、COV132の閉弁する燃料量より小さく設定され
ている。この燃料タンクの設計容量はいわゆる満タン時
の燃料量であり、本実施形態では後述するように、タン
ク内の設計容量を目標燃料量として設定し、タンク内燃
料量がこの目標燃料量に到達したときに給油ノズルのオ
ートストップ機構が作動して給油が停止するようにして
いる。
【0039】図2、図3は本実施形態のタンク内圧制御
操作を説明するフローチャートである。本操作はECU
30により実行される。図2、ステップ201は、車両
運転者によりリッド開放スイッチ140(図1)がオン
にされたか否かの検出操作である。リッド開放スイッチ
140がオンにされ、給油信号が出力されるとECU3
0は、リッドオープナー115aを作動させて給油口リ
ッド115を開放することにより、作業者が給油口キャ
ップ113を外して給油を行うことを可能とする。従っ
て、リッド開放スイッチ140がオンにされた場合(給
油信号を入力した場合)には、運転者に給油の意志があ
り、スイッチ140の操作に続いて給油が開始されるこ
とが予想される。
【0040】そこで、本実施形態ではステップ201で
リッド開放スイッチ140がオンにされた場合には、ス
テップ203でベントバルブ131を全開にする。これ
により、燃料タンク11内圧は大気圧近傍まで低下する
ため、作業者が給油を行うために給油口キャップ113
を外した場合にも燃料タンク11内の燃料ベーパを含む
気体が給油口から大気に放出されることが防止される。
【0041】ステップ205とステップ207は給油ノ
ズルからの給油開始検出操作である。本実施形態では、
ベントバルブ全開時の燃料タンク内圧力上昇速度に基づ
いて給油が開始されたか否かを判定する。ベントバルブ
全開状態で給油が開始されると、タンク内液面上昇に伴
ってタンク内の気体がベントバルブ131から排気され
る。このため、ベントバルブ131からブリーザ配管1
3、キャニスタ10を経て大気連通管18から大気に至
る排気経路を流れる気体の流れにより排気経路の圧損が
生じタンク内圧は上昇するようになる。そこで、本実施
形態では、タンク内圧の上昇速度ΔPTがある程度大き
い値ΔPT1を越えた場合には給油が開始されたと判定
するようにしている。
【0042】すなわち、ステップ205では圧力センサ
120の検出値に基づいて、予め定めた一定時間内のタ
ンク圧力上昇幅を算出しタンク内圧力上昇速度ΔPTと
して記憶し、ステップ207では、算出したΔPTが所
定値ΔPT1を越えたか否かを判定する。ステップ20
5とステップ207は、ステップ207でΔPT>ΔP
1になるまで繰返される。
【0043】給油開始後、ステップ209と211とで
は給油流量が安定してほぼ一定になったか否かを判定す
る。前述したように、ベントバルブ131全閉時の給油
では、燃料タンク内圧は給油流量に対応したほぼ一定の
圧力に収束するようになる。本実施形態では給油開始が
検出された後(ステップ207)、タンク内圧上昇速度
が所定値ΔPT2より小さくなったとき、すなわちタン
ク内圧がある値に収束したときに給油が安定したと判断
する。ΔPT2は比較的小さい正の値である。
【0044】すなわち、ステップ209ではタンク内圧
上昇速度ΔPTが圧力センサ120の検出値の一定時間
内の変化幅として算出され、ステップ211では、ステ
ップ209で算出した内圧上昇速度ΔPTが所定値ΔP
2より小さくなったか否かを判定する。ステップ20
9と211とは、ステップ211でΔPT<ΔPT2
なるまで、すなわち給油が安定したことが検出されるま
で繰返される。
【0045】ステップ211で給油が安定していること
が検出された場合には、ステップ213で、給油安定後
のタンク内圧PTを圧力センサ120で検出し、ステッ
プ215ではこの値を給油速度を表すパラメータPVと
して記憶する。PVは、後述するステップ225(図
3)で、タンク内圧上昇速度の目標値を算出する際に使
用される。
【0046】ステップ215でPVを記憶すると、次
に、図3ステップ217では再度、タンク内圧上昇速度
ΔPTを算出する。そして、ステップ219ではこのΔ
PTが負の所定値−ΔPT3より小さくなったか否か
(すなわち、タンク内圧が所定以上の速度で下降してい
るか否か)、また、ステップ221ではΔPTが前述の
所定値ΔPT2(図2、ステップ211)以上になった
か否かを判定する。ステップ219は給油量が基準量に
到達する前に意図的に給油が停止されたか否かの判定操
作を、ステップ221は、給油によりタンク内燃料量が
基準量(ROV133が閉弁する液面高さに対応する
量)に到達したか否かの判定操作を、それぞれ示してい
る。
【0047】作業者が一定量の燃料のみを給油する意図
を持っている場合には、給油がタンク内燃料が基準量に
到達する前に停止される場合がある。この場合には、ベ
ントバルブ131が全開の状態で給油が停止されるた
め、給油停止後タンク内圧は下降を開始する。ステップ
219ではタンク内圧が下降を初めて、下降速度が所定
値ΔPT3より大きくなったときに、燃料量が基準量に
到達する前に給油が停止されたと判定する。この場合に
は、ステップ237に進みベントバルブ131を全閉に
した後、タンク内圧制御操作を終了する。
【0048】一方、ステップ221では、タンク内圧上
昇速度ΔPTが所定値ΔPT2以上になった場合に、タ
ンク内燃料量が基準量に到達してROV133が閉弁し
たと判定する。ステップ217から221の操作は、ス
テップ219で給油が終了するか、或はステップ221
でタンク内燃料量が基準量に到達するまで繰返される。
【0049】ステップ221でタンク内燃料量が基準量
に到達した場合には、次にステップ223から233の
タンク内圧上昇速度の制御が行われる。ステップ223
から233の操作は、給油によりタンク内燃料量が目標
量に到達したときに確実に給油ノズルのオートストップ
機構を作動させ給油を停止するための操作である。
【0050】ステップ223から233の操作では、ま
ずステップ223で現在のタンク内圧PTが圧力センサ
120から読込まれる。この内圧PTはROV133が
閉弁した時の圧力である。次に、ステップ225ではタ
ンク内圧上昇速度の目標値ΔPS1が算出される。タン
ク内圧の目標上昇速度ΔPS1は、給油流量QF、タン
クの目標燃料量VT、基準燃料量VS、及び基準燃料量
到達時のタンク内圧PT(ステップ223)と目標燃料
量到達時のタンク内圧(目標圧力)PTRとを用いて以
下の手順により算出される。
【0051】すなわち、まずステップ215(図2)で
記憶したタンク内圧PVから、予め定めた関係に基づい
て、給油流量QFを算出する。本実施形態では、予め実
際の燃料タンク11と排気経路(ベントバルブ131、
ブリーザ配管13、キャニスタ10、CCV17、フィ
ルタ19及び大気連通管18により構成される流路)を
用いて実験を行い、給油流量QFとベントバルブ131
全開時のタンク内圧PVとの関係を求めてあり、この関
係をECU30のROMに格納してある。実際の給油流
量QFは、ステップ215で記憶したタンク内圧PVを
用いて、ECU30に記憶した関係から求められる。
【0052】流量QFを算出後、次にこの流量で給油を
続けた場合に基準量VSに到達後、タンク内燃料量が目
標量VTに到達するまでの時間T0を算出する。時間T0
は、T0=(VT−VS)/QFとして算出される。基
準燃料量到達時のタンク内圧PTを目標燃料量到達時に
PTRまで上昇させるためには、上記時間T0の間に圧
力を(PTR−PT)だけ上昇させる必要がある。従っ
て、タンク内圧上昇速度の目標値ΔPS1は、ΔPS1
(PTR−PT)/T0として算出される。
【0053】なお、目標圧力PTRは給油管111内の
液面を給油ノズルの液面検出孔の位置まで上昇させるの
に必要なタンク内圧である。すなわち、タンク燃料量が
基準値に到達後、タンク内圧力上昇速度が上記により算
出されたΔPS1に等しくなるように制御すれば、タン
ク内燃料量が目標量になったときには必ず給油ノズルの
オートストップ機構が作動し、給油が停止されるため、
目標燃料量を越えた過剰な給油が防止される。
【0054】なお、タンク内圧上昇速度目標値ΔPS1
は、上述のようにその都度PVとPTとを用いて算出す
るようにしても良いが、一旦燃料タンクシステムが定れ
ば、VT、VS、PTRは一定の値になる。また、通
常、ステップ215で記憶したタンク内圧PVとステッ
プ223で検出したタンク内圧PTとはほぼ同一の値と
なる。
【0055】このため、実際の燃料タンクシステムでは
ステップ215でPVの値が定ればPVの値のみに基づ
いて上記計算を行うことが可能である。従って、予めP
Vの値を変えて上記計算を行って内圧の目標上昇速度Δ
PS1を求めておくことも可能である。図4は、上記に
より予め求めたPVとΔPS1との関係の一例を示す図
である。ステップ225では、図4の関係を例えばEC
U30のROMに予め格納しておき、PVとPTとを用
いてその都度ΔPS1を算出する代りに、ステップ21
5で記憶したPVの値に基づいて図4の関係から直接Δ
PS1を求めるようにすることも可能である。
【0056】ステップ227から233は上記タンク内
圧上昇速度の制御操作である。すなわち、ステップ22
7では圧力センサ120の検出値に基づいて現在のタン
ク内圧上昇速度ΔPTを算出し、ステップ229ではこ
のΔPTが目標速度ΔPS1を越えているか否かを判断
するとともに、越えている場合にはステップ231でベ
ントバルブ131を全開にして内圧上昇速度を低下させ
る。また、逆にΔPTが目標速度ΔPS1以下であった
場合にはステップ233でベントバルブ131を全閉に
して内圧上昇速度を増大させる。これにより、タンク内
圧上昇速度は目標値ΔPS1に維持されるようになる。
これにより、タンク内燃料量が目標量VTに到達する
と、タンク内圧は給油ノズルのオートストップ機構が作
動する圧力になり給油が停止される。
【0057】ステップ235は給油が終了したか否かの
判定操作である。タンク内燃料量が目標値に到達してオ
ートストップ機構が作動したして給油が停止された場
合、および人為的に給油が停止された場合には、いずれ
もタンク内圧の上昇速度が低下するため、ステップ22
9、233でベントバルブ131は全閉にされる。この
ため、タンク内圧の上昇速度は燃料の蒸発によるものの
みになり極めて小さな値になる。ステップ235では、
タンク内圧上昇速度ΔPTが比較的小さい正の値ΔPT
4より小さくなった場合に給油が終了したと判定し、タ
ンク内圧制御操作を終了する。ステップ227から23
5の操作は、ステップ235で給油が終了したと判定さ
れるまで繰返される。
【0058】上述のように、本実施形態によれば、タン
ク内燃料量が目標燃料量に到達したときに確実に給油ノ
ズルのオートストップ機構を作動させて給油を停止する
ことができるため、目標燃料量を越えて過剰な給油が行
われることを防止することが可能となる。また、給油停
止後のタンク内圧力はオートストップ機構を作動させる
圧力以上に上昇することがないため、給油停止後の吹返
しが生じることが防止される。
【0059】次に、タンク内圧制御操作の別の実施形態
について説明する。本実施形態は、図2、図3の操作に
より目標燃料量まで給油が行われた後に追加給油が行わ
れる場合のタンク内圧制御操作を含んでいる。本実施形
態では、一旦オートストップ機構が作動して給油が停止
した後に再開される給油を追加給油と称している。
【0060】実際の給油作業においては、燃料が燃料タ
ンクの目標燃料量まで給油され、燃料タンクがいわゆる
満タン状態になった後、更に給油を続けて目標燃料量以
上の燃料をタンクに供給することが要求される場合があ
る。しかしこの場合も、タンク内に許容最大量を越えて
燃料が供給されることを防止する必要がある。
【0061】追加給油が行われると燃料タンク液面は目
標燃料量時の液面から更に上昇し、COV132に到達
してCOV132を閉塞させるようになる。本実施形態
では、タンク内燃料量の許容最大量は上記COV132
が閉弁する燃料量よりわずかに小さい容量に設定されて
おり、追加給油時にもタンク内燃料量が許容最大量以下
になるようにオートストップ機構を作動させるためのタ
ンク内圧制御操作を行う。これにより、タンク内に許容
最大量を越えて給油が行われることを防止している。
【0062】図5は、本実施形態のタンク内圧制御操作
の主要部分を説明するフローチャートである。本実施形
態においても追加給油以外の給油操作では図2、図3の
タンク内圧制御操作が行われる。図5の操作は、図3ス
テップ235の操作で給油が終了した場合に引続いて行
われる。図5のフローチャートは、図2、図3の操作の
図示は省略して示している。
【0063】図5の操作を説明すると、まずステップ2
35で給油が終了した場合には、次にステップ501に
進みベントバルブ131を全開にする、そしてステップ
503から507の操作を繰返して追加給油が開始され
るのを待つ。ステップ503と505は、タンクの圧力
上昇速度ΔPTに基づいて給油が開始されたか否かを判
定する操作であり、図2ステップ205、207と同一
の操作である。また、ステップ505で給油が開始され
ていない場合には、ステップ507で前回給油が終了し
てから時間T1が経過したか否かを判定し、T1が経過し
ている場合にはステップ525に進み、ベントバルブ1
31を全閉にして操作を終了する。すなわち、本実施形
態では、ステップ235で給油が終了したと判断されて
から、一定時間T1以内(例えば、T1は15秒程度の時
間)に追加給油が開始されなかった場合には、追加給油
が行われる可能性は低いと判断してタンク内圧制御操作
を終了する。
【0064】前回給油が終了してから一定時間T1が経
過する前にステップ505で追加給油が開始されたこと
が検出された場合には、次にステップ509に進み圧力
センサ120から現在のタンク内圧PTを読込み、ステ
ップ511でPTAとして記憶する。PTAは追加給油
開始時のタンク内圧となる。次いで、ステップ513で
は、追加給油時のタンク内圧上昇速度の目標値ΔPS2
が算出される。ステップ513では、図3ステップ22
5と同一の手順でΔPS2を算出する。但し、この場合
にはステップ223のPTの代りにステップ511で記
憶したPTAの値を使用し、PVはステップ215で記
憶した値をそのまま使用する。
【0065】ステップ215で記憶したタンク内圧力P
Vは、定常状態の給油中の給油流量に対応したものであ
る。通常、追加給油を行う場合には作業者は給油流量を
絞り少しずつ給油を行うため給油流量は定常状態の給油
流量より小さくなる。このため、ステップ215で記憶
したタンク内圧力PVを用いて算出されるタンク内圧力
上昇速度ΔPS2は実際のものより大きな値となる。
【0066】すなわち、ステップ513で算出したΔP
2を用いてタンク内圧上昇速度を制御すると、実際に
はタンク内燃料量が許容最大量に到達する前にタンク内
圧力が目標圧力に到達して給油ノズルのオートストップ
機構が作動する場合が多くなる。
【0067】本実施形態では、追加給油が行われる場合
にもタンク内圧制御を行うが、目標燃料量まで給油が行
われた後の追加給油はタンク性能上必ずしも好ましいも
のではなく、追加給油により給油される燃料量はできる
だけ少ない方が好ましい。このため、本実施形態では、
定常給油時の給油流量に対応するタンク内圧力PVを使
用してタンク内圧上昇速度の目標値ΔPS2を算出する
ようにして、できるだけ追加給油時に実際に燃料量が許
容最大量まで到達しないようにしているのである。な
お、ステップ511のタンク内圧力PTAは、通常大気
圧近傍である。従って、ステップ515においても、ス
テップ225と同様その都度ΔPS2を計算するのでは
なく、予めPVとΔPS2の図4と同様な関係を求めて
おき、PVの値からこの関係に基づいて直接ΔPS2
求めるようにすることも可能である。
【0068】上記によりタンク内圧上昇速度ΔPS2
算出後、ステップ515から521では追加給油中のタ
ンク内圧上昇速度ΔPTが目標値ΔPS2に一致するよ
うにベントバルブ131が開閉制御される。ステップ5
15から521の操作は、ステップ523で給油が終了
したことが検出されるまで繰返される。ステップ515
から523の操作は、図3ステップ227から235の
操作と同一である。
【0069】また、ステップ523で給油終了が検出さ
れた場合には、ステップ525でベントバルブ131が
全閉にされ、タンク内圧制御操作は終了する。上述のよ
うに、本実施形態では目標燃料量まで給油が行われて給
油が終了した後に追加給油が実施された場合も、給油量
をタンクの最大許容量以下に確実に制限するとともに、
追加給油終了時に吹返しが生じることが防止される。
【0070】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、正確に
給油量を制御して過剰な給油を確実に防止するととも
に、給油終了時の燃料の吹返しを防止することが可能と
なる共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用燃料タンクに適用した実施形
態の概略構成を示す図である。
【図2】燃料タンク内圧制御操作の一実施形態を説明す
るフローチャートの一部である。
【図3】燃料タンク内圧制御操作の一実施形態を説明す
るフローチャートの一部である。
【図4】図2、図3のタンク内圧上昇速度の目標値の設
定の一例を示す図である。
【図5】燃料タンク内圧制御操作の図2、図3とは異な
る実施形態を説明するフローチャートの一部である。
【符号の説明】
10…キャニスタ 11…燃料タンク 13…ブリーザ配管 30…電子制御ユニット(ECU) 111…給油管 120…圧力センサ 131…ベントバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 政弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D038 CA27 CB01 CC02 3G044 BA00 BA28 CA17 DA03 EA05 EA08 EA23 EA32 EA50 EA61 EA67 FA04 FA23 FA24 FA37 FA39 GA03 GA08 GA10 GA11 GA23 GA28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉燃料タンクへの給油時にタンク内圧
    を調整し、タンクへの過剰給油を防止する密閉燃料タン
    クシステムの給油制御装置であって、 タンク内圧を検出する圧力検出手段と、 給油時にタンク内液面上部空間の気体をタンク外の所定
    の場所に排気する排気手段と、 給油時のタンク内圧に基づいて給油流量を推定する給油
    流量推定手段と、 給油時に前記燃料タンク内の燃料量が予め定めた基準量
    に到達したか否かを判定する燃料量検出手段と、 前記給油流量推定手段の推定した給油流量に基づいてタ
    ンク内圧上昇速度の目標値を設定する目標圧力変化設定
    手段と、 前記燃料量検出手段によりタンク内燃料量が前記基準量
    に到達したことが検出された後、前記圧力検出手段によ
    り検出したタンク内圧の上昇速度が前記目標値に一致す
    るように前記排気手段の作動を制御する圧力制御手段
    と、を備えた密閉タンクシステムの給油制御装置。
  2. 【請求項2】 前記目標圧力変化設定手段は、前記給油
    流量推定手段により推定された給油流量に基づいて算出
    される、タンク内燃料量が前記基準量に到達してから予
    め定めた目標量に到達するまでの所要時間と、タンク内
    燃料が前記基準量に到達した時のタンク内圧とに基づい
    て、タンク内燃料量が前記目標量に到達した時にタンク
    内圧が予め定めた目標圧力になるように前記タンク内圧
    上昇速度の目標値を設定する、請求項1に記載の密閉タ
    ンクシステムの給油制御装置。
  3. 【請求項3】 更に、タンク内燃料量が前記目標量に到
    達して給油が終了した後に再度追加給油が開始されたこ
    とを検出する追加給油検出手段と、前記追加給油が開始
    された場合のタンク内圧上昇速度の目標値を設定する追
    加給油時目標圧力変化設定手段とを備え、 前記圧力制御手段は、前記追加給油中、前記圧力検出手
    段により検出したタンク内圧上昇速度が前記追加給油時
    の目標値に一致するように前記排気手段の作動を制御す
    る、請求項1または請求項2に記載の密閉タンクシステ
    ムの給油制御装置。
  4. 【請求項4】 前記追加給油時目標圧力変化設定手段
    は、タンク内燃料量が前記目標量に到達する前に前記給
    油流量推定手段により推定された前記給油流量に基づい
    て算出される、タンク内燃料量が前記目標量から予め定
    めた許容最大量に到達するまでの所要時間と、前記追加
    給油が開始された時のタンク内圧とに基づいて、タンク
    内燃料量が前記許容最大量に到達した時にタンク内圧が
    前記目標圧力になるように追加給油時のタンク内圧上昇
    速度の目標値を設定する、請求項3に記載の密閉タンク
    システムの給油制御装置。
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