JP2003033967A - 樹脂材の加工方法及び加工装置 - Google Patents
樹脂材の加工方法及び加工装置Info
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- JP2003033967A JP2003033967A JP2001221387A JP2001221387A JP2003033967A JP 2003033967 A JP2003033967 A JP 2003033967A JP 2001221387 A JP2001221387 A JP 2001221387A JP 2001221387 A JP2001221387 A JP 2001221387A JP 2003033967 A JP2003033967 A JP 2003033967A
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- Japan
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- resin material
- processing
- heating
- blade
- frequency induction
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- Pending
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- Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
- Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 意匠面でのダメージを回避するだけでなく、
加熱刃体の昇温及び降温スピードを早めて仕上がり精度
の高い裁断もしくは溝付け加工を非常に効率よく行うこ
とができるようにする。 【解決手段】 樹脂製表皮材1をその加工予定箇所がよ
り平坦になるように受止め支持させた上、加工直前に、
表皮材1の加工予定箇所に押し当てた加熱刃体5の先端
部分5aを高周波誘導加熱により表皮材1の軟化点もし
くは融点以上に昇温した後、その昇温刃体5により加工
予定箇所を押圧して表皮材1の裏面にエアバッグ展開用
のV溝14を形成(加工)し、加工直後に、高周波誘導
加熱を停止する。
加熱刃体の昇温及び降温スピードを早めて仕上がり精度
の高い裁断もしくは溝付け加工を非常に効率よく行うこ
とができるようにする。 【解決手段】 樹脂製表皮材1をその加工予定箇所がよ
り平坦になるように受止め支持させた上、加工直前に、
表皮材1の加工予定箇所に押し当てた加熱刃体5の先端
部分5aを高周波誘導加熱により表皮材1の軟化点もし
くは融点以上に昇温した後、その昇温刃体5により加工
予定箇所を押圧して表皮材1の裏面にエアバッグ展開用
のV溝14を形成(加工)し、加工直後に、高周波誘導
加熱を停止する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用イ
ンスツルメントパネルを形成する塩化ビニール(PV
C)やポリオレフィン(TPO)、ポリウレタン(TP
U)等の熱可塑性樹脂からなる表皮材のエアバッグ収納
箇所に対応する部分に、衝突等によって一定以上の破壊
力が加わったときにその箇所での破断を許容するために
所定深さの線状溝を加工したり、あるいは、熱可塑性や
熱硬化性の樹脂材を所定形状に裁断したりする場合に適
用される樹脂材の加工方法及び加工装置に関するもので
ある。
ンスツルメントパネルを形成する塩化ビニール(PV
C)やポリオレフィン(TPO)、ポリウレタン(TP
U)等の熱可塑性樹脂からなる表皮材のエアバッグ収納
箇所に対応する部分に、衝突等によって一定以上の破壊
力が加わったときにその箇所での破断を許容するために
所定深さの線状溝を加工したり、あるいは、熱可塑性や
熱硬化性の樹脂材を所定形状に裁断したりする場合に適
用される樹脂材の加工方法及び加工装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種の樹脂材の加工方法として、従
来、例えば特開平4−151345号公報等に開示され
ているように、ニクロム線等の電熱線が配線された電熱
ヒータに加熱刃体を取り付け、、この加熱刃体を電熱ヒ
ータを介して加工対象となる樹脂材の融点以上に加熱昇
温して加工予定箇所を押圧することにより、樹脂材を裁
断加工したり、溝付け加工する方法が知られている。
来、例えば特開平4−151345号公報等に開示され
ているように、ニクロム線等の電熱線が配線された電熱
ヒータに加熱刃体を取り付け、、この加熱刃体を電熱ヒ
ータを介して加工対象となる樹脂材の融点以上に加熱昇
温して加工予定箇所を押圧することにより、樹脂材を裁
断加工したり、溝付け加工する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の樹脂材の加工方法では、電源から電熱線及
び電熱ヒータを経由して刃体に熱伝導されるものである
から、刃体を所定の温度、つまり、樹脂材の融点以上に
加熱昇温するスピードが非常に遅いだけでなく、次の加
工に備えるべく刃体を冷却する降温スピードも非常に遅
い。特に、上述したTPOやTPU等の熱可塑性樹脂材
の加工にあたっては、刃体を300℃付近まで昇温させ
る必要があり、また、スプレーウレタンのような熱硬化
性樹脂材の場合はそれよりも更に高温の350℃付近ま
で昇温させる必要があるが、このとき、電熱線が断線等
を起こさないようにするためには自ずと通電量に限界が
あることから、昇温スピードを一定以上に早めることが
できず、昇温時間、ひいては、加工時間が長くかかり、
加工効率及び生産性が非常に悪い。
ような従来の樹脂材の加工方法では、電源から電熱線及
び電熱ヒータを経由して刃体に熱伝導されるものである
から、刃体を所定の温度、つまり、樹脂材の融点以上に
加熱昇温するスピードが非常に遅いだけでなく、次の加
工に備えるべく刃体を冷却する降温スピードも非常に遅
い。特に、上述したTPOやTPU等の熱可塑性樹脂材
の加工にあたっては、刃体を300℃付近まで昇温させ
る必要があり、また、スプレーウレタンのような熱硬化
性樹脂材の場合はそれよりも更に高温の350℃付近ま
で昇温させる必要があるが、このとき、電熱線が断線等
を起こさないようにするためには自ずと通電量に限界が
あることから、昇温スピードを一定以上に早めることが
できず、昇温時間、ひいては、加工時間が長くかかり、
加工効率及び生産性が非常に悪い。
【0004】また、電熱ヒータの場合は、昇温と降温と
を繰り返すと、電熱線に断線等のトラブルが発生しやす
いために、多数の樹脂材を連続して加工するときは、最
初の一つの樹脂材の加工時に一旦所定の温度まで昇温さ
せた刃体を、一つの樹脂材に対する加工後にもその温度
付近に保持し続ける必要があり、それだけ熱ロスが多大
で加工コストの上昇を招くだけでなく、高温な熱影響に
よって電熱ヒータや刃体そのものの耐久性も著しく低下
することになりかねない。
を繰り返すと、電熱線に断線等のトラブルが発生しやす
いために、多数の樹脂材を連続して加工するときは、最
初の一つの樹脂材の加工時に一旦所定の温度まで昇温さ
せた刃体を、一つの樹脂材に対する加工後にもその温度
付近に保持し続ける必要があり、それだけ熱ロスが多大
で加工コストの上昇を招くだけでなく、高温な熱影響に
よって電熱ヒータや刃体そのものの耐久性も著しく低下
することになりかねない。
【0005】更に、熱可塑性樹脂から構成される自動車
用インスツルメントパネルの表皮材部分にエアバッグ展
開用の溝付け加工する場合には、加熱刃体による押圧で
所定深さ、所定幅の溝が加工された直後に刃体を引き上
げると、溶融状態にある樹脂が刃体に付着して一緒に引
き上げられる、いわゆる、糸引き現象が発生するだけで
なく、糸引きされた樹脂が溝の側壁部等に再溶着する現
象が発生し、その結果、溝の加工面の仕上がり精度が非
常に悪く、意匠面で多大なダメージを与える。殊に、自
動車の搭乗者の安全性に密接に関与することから、再現
可能な一定の破壊抵抗を発揮するように加工することが
強く要求されるところのエアバッグ展開用の溝を加工す
る場合に上記したような糸引き現象や再溶着現象が発生
すると、正確な残厚寸法及び幅寸法を持つ溝を加工する
ことができない。
用インスツルメントパネルの表皮材部分にエアバッグ展
開用の溝付け加工する場合には、加熱刃体による押圧で
所定深さ、所定幅の溝が加工された直後に刃体を引き上
げると、溶融状態にある樹脂が刃体に付着して一緒に引
き上げられる、いわゆる、糸引き現象が発生するだけで
なく、糸引きされた樹脂が溝の側壁部等に再溶着する現
象が発生し、その結果、溝の加工面の仕上がり精度が非
常に悪く、意匠面で多大なダメージを与える。殊に、自
動車の搭乗者の安全性に密接に関与することから、再現
可能な一定の破壊抵抗を発揮するように加工することが
強く要求されるところのエアバッグ展開用の溝を加工す
る場合に上記したような糸引き現象や再溶着現象が発生
すると、正確な残厚寸法及び幅寸法を持つ溝を加工する
ことができない。
【0006】そこで、糸引き現象等が発生しないように
するために、押圧により所定深さの溝を加工した後の加
熱刃体はそのまま溝内に残したままで電源をOFFにし
て刃体の温度が樹脂材の融点以下にまで降温し冷却され
後に刃体を引き上げる方法が採られるが、こうすると、
既述のとおり降温スピードが非常に遅いために、加工後
の長い時間に亘って刃体を樹脂材の加工済み溝内に残存
させる必要があり、これによって、加工効率及び生産性
が極端に悪化し、加工コストが一段と高騰するという難
点がある。
するために、押圧により所定深さの溝を加工した後の加
熱刃体はそのまま溝内に残したままで電源をOFFにし
て刃体の温度が樹脂材の融点以下にまで降温し冷却され
後に刃体を引き上げる方法が採られるが、こうすると、
既述のとおり降温スピードが非常に遅いために、加工後
の長い時間に亘って刃体を樹脂材の加工済み溝内に残存
させる必要があり、これによって、加工効率及び生産性
が極端に悪化し、加工コストが一段と高騰するという難
点がある。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、意匠面でのダメージを回避できるのはもとより、加
熱刃体に対する昇温及び降温スピードを早めて仕上がり
精度の高い加工を非常に効率よく行うことができて、特
に、正確な残厚寸法及び幅寸法を保証できるエアバッグ
展開用溝の加工に好適な樹脂材の加工方法及び加工装置
を提供することを目的としている。
で、意匠面でのダメージを回避できるのはもとより、加
熱刃体に対する昇温及び降温スピードを早めて仕上がり
精度の高い加工を非常に効率よく行うことができて、特
に、正確な残厚寸法及び幅寸法を保証できるエアバッグ
展開用溝の加工に好適な樹脂材の加工方法及び加工装置
を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る樹脂材の加工方法は、樹脂材の加工予
定箇所を加熱刃体により裁断加工もしくは溝付け加工す
る樹脂材の加工方法であって、樹脂材をその加工予定箇
所が平坦になるように受止め支持させた上、加工直前
に、樹脂材の加工予定箇所に押し当てた刃体の先端部分
を高周波誘導加熱により樹脂材の軟化点以上に昇温した
後、その昇温刃体により加工予定箇所を押圧して樹脂材
を裁断加工もしくは溝付け加工し、加工直後に、高周波
誘導加熱を停止することを特徴とするものである。
に、本発明に係る樹脂材の加工方法は、樹脂材の加工予
定箇所を加熱刃体により裁断加工もしくは溝付け加工す
る樹脂材の加工方法であって、樹脂材をその加工予定箇
所が平坦になるように受止め支持させた上、加工直前
に、樹脂材の加工予定箇所に押し当てた刃体の先端部分
を高周波誘導加熱により樹脂材の軟化点以上に昇温した
後、その昇温刃体により加工予定箇所を押圧して樹脂材
を裁断加工もしくは溝付け加工し、加工直後に、高周波
誘導加熱を停止することを特徴とするものである。
【0009】また、本発明に係る樹脂材の加工装置は、
樹脂材の加工予定箇所を加熱刃体により裁断加工もしく
は溝付け加工する樹脂材の加工装置であって、樹脂材を
その加工予定箇所が平坦になるように受止め支持する受
け治具と、加熱刃体とは別体で、かつ、加熱刃体の先端
部分に近接して配置される高周波誘導加熱用コイルと、
その高周波誘導加熱用コイルに高周波電力を供給する高
周波発振器と、この高周波発振器の出力を、加工直前に
は加熱刃体の先端部分が高周波誘導加熱により樹脂材の
軟化点以上に加熱昇温され、加工直後には高周波誘導加
熱が停止されるように制御する制御部とを具備している
ことを特徴とするものである。
樹脂材の加工予定箇所を加熱刃体により裁断加工もしく
は溝付け加工する樹脂材の加工装置であって、樹脂材を
その加工予定箇所が平坦になるように受止め支持する受
け治具と、加熱刃体とは別体で、かつ、加熱刃体の先端
部分に近接して配置される高周波誘導加熱用コイルと、
その高周波誘導加熱用コイルに高周波電力を供給する高
周波発振器と、この高周波発振器の出力を、加工直前に
は加熱刃体の先端部分が高周波誘導加熱により樹脂材の
軟化点以上に加熱昇温され、加工直後には高周波誘導加
熱が停止されるように制御する制御部とを具備している
ことを特徴とするものである。
【0010】上記のごとき構成要件を有する本発明によ
れば、加工予定箇所が平坦になるように受止め支持され
た樹脂材の加工予定箇所に加熱刃体を押し当てた後の加
工直前に高周波誘導加熱用コイルに高周波電力を供給し
て加熱刃体の先端部分を高周波誘導加熱することによ
り、加熱刃体の先端部分に渦電流を集中させて該刃体先
端部分を急速に樹脂材の軟化点以上もしくは融点以上に
まで加熱昇温させることが可能であり、この状態で加熱
刃体を介して加工予定箇所を押圧することによって、樹
脂材を所定どおりの形状に効率よく裁断加工もしくは溝
付け加工することが可能である。
れば、加工予定箇所が平坦になるように受止め支持され
た樹脂材の加工予定箇所に加熱刃体を押し当てた後の加
工直前に高周波誘導加熱用コイルに高周波電力を供給し
て加熱刃体の先端部分を高周波誘導加熱することによ
り、加熱刃体の先端部分に渦電流を集中させて該刃体先
端部分を急速に樹脂材の軟化点以上もしくは融点以上に
まで加熱昇温させることが可能であり、この状態で加熱
刃体を介して加工予定箇所を押圧することによって、樹
脂材を所定どおりの形状に効率よく裁断加工もしくは溝
付け加工することが可能である。
【0011】そして、溝付け加工を行う場合は、加工直
後に高周波誘導加熱用コイルへの高周波電力の供給を止
めて加熱刃体に対する高周波加熱を停止することによ
り、加熱刃体の先端部分を急速に樹脂材の融点以下の温
度に降温し冷却することが可能であるから、加工後の極
く短時間後に加熱刃体を引き上げても、既述したような
糸引き現象や再溶着現象は全く発生せず、意匠面でのダ
メージを回避することが可能であるとともに、再現可能
な一定の破壊抵抗を発揮するような正確な残厚寸法及び
幅寸法を持つエアバッグ展開用の溝等を非常に高精度か
つ高能率に加工することが可能である。
後に高周波誘導加熱用コイルへの高周波電力の供給を止
めて加熱刃体に対する高周波加熱を停止することによ
り、加熱刃体の先端部分を急速に樹脂材の融点以下の温
度に降温し冷却することが可能であるから、加工後の極
く短時間後に加熱刃体を引き上げても、既述したような
糸引き現象や再溶着現象は全く発生せず、意匠面でのダ
メージを回避することが可能であるとともに、再現可能
な一定の破壊抵抗を発揮するような正確な残厚寸法及び
幅寸法を持つエアバッグ展開用の溝等を非常に高精度か
つ高能率に加工することが可能である。
【0012】また、上述したとおり高周波誘導加熱によ
って加熱刃体を急速かつ均一に加熱昇温し、かつ、急速
に降温冷却することが可能であるから、電熱ヒータ式の
場合のように、刃体温度の安定化及び連続加工への対応
のために、刃体を樹脂材の融点近くの温度に保持する必
要は全くなく、連続加工に際しても高周波発振器の出力
を加工の度にON−OFFする制御形態を導入すること
が可能となり、それだけ熱ロス(消費電力)を軽減して
加工コストの低下が図れるとともに、高温な熱影響によ
る刃体等の耐久性の低下も抑制することができる。
って加熱刃体を急速かつ均一に加熱昇温し、かつ、急速
に降温冷却することが可能であるから、電熱ヒータ式の
場合のように、刃体温度の安定化及び連続加工への対応
のために、刃体を樹脂材の融点近くの温度に保持する必
要は全くなく、連続加工に際しても高周波発振器の出力
を加工の度にON−OFFする制御形態を導入すること
が可能となり、それだけ熱ロス(消費電力)を軽減して
加工コストの低下が図れるとともに、高温な熱影響によ
る刃体等の耐久性の低下も抑制することができる。
【0013】上記のような本発明に係る樹脂材の加工方
法及び加工装置において、請求項2及び請求項7に記載
したように、加工直後の高周波誘導加熱の停止と共に、
加熱刃体の先端部分を急速に冷却する手段を講じること
によって、冷却時間の短縮化が図れて連続加工サイクル
を早め、生産性の一層の向上を実現することができる。
法及び加工装置において、請求項2及び請求項7に記載
したように、加工直後の高周波誘導加熱の停止と共に、
加熱刃体の先端部分を急速に冷却する手段を講じること
によって、冷却時間の短縮化が図れて連続加工サイクル
を早め、生産性の一層の向上を実現することができる。
【0014】また、本発明による加工の対象となる樹脂
材としては、TPOやTPU等の熱可塑性樹脂のほか
に、スプレーウレタン等の熱硬化性樹脂であってもよ
い。
材としては、TPOやTPU等の熱可塑性樹脂のほか
に、スプレーウレタン等の熱硬化性樹脂であってもよ
い。
【0015】さらに、本発明に係る樹脂材の加工装置に
おける加熱刃体として、請求項6に記載したように、そ
の先端部分のみが渦電流損及びヒステリシス損の大きい
材質、例えば鉄(Fe)から構成され、その他の部分が
先端部分よりも渦電流損及びヒステリシス損の小さい材
質、例えばアルミ(Al)や銅(Cu)から構成された
ものを用いることが好ましい。すなわち、高周波加熱用
コイルとの距離の二乗に反比例して電磁界が低下すると
いうガウスの法則からみて、加熱刃体の全体が渦電流損
及びヒステリス損の大きいFe等の材質から構成されて
いると、先端部分以外にもかなり多量の熱エネルギーが
逃げることになる。これに対して、先端部分のみをFe
等の材質から構成することにより、熱エネルギーの逃げ
を少なくして加工に必要な刃体先端部分のみを比較的少
ない電力で急速に誘導加熱することができ、それだけ消
費電力の低減を図ることができる。
おける加熱刃体として、請求項6に記載したように、そ
の先端部分のみが渦電流損及びヒステリシス損の大きい
材質、例えば鉄(Fe)から構成され、その他の部分が
先端部分よりも渦電流損及びヒステリシス損の小さい材
質、例えばアルミ(Al)や銅(Cu)から構成された
ものを用いることが好ましい。すなわち、高周波加熱用
コイルとの距離の二乗に反比例して電磁界が低下すると
いうガウスの法則からみて、加熱刃体の全体が渦電流損
及びヒステリス損の大きいFe等の材質から構成されて
いると、先端部分以外にもかなり多量の熱エネルギーが
逃げることになる。これに対して、先端部分のみをFe
等の材質から構成することにより、熱エネルギーの逃げ
を少なくして加工に必要な刃体先端部分のみを比較的少
ない電力で急速に誘導加熱することができ、それだけ消
費電力の低減を図ることができる。
【0016】さらにまた、本発明に係る樹脂材の加工装
置において、請求項8に記載したように、高周波誘導加
熱用コイルを、加熱刃体の側部でなく、樹脂材の加工予
定箇所の裏面側に配置されて三次元形状の加工にも適用
可能に構成することにより、当該加工装置の適用範囲の
拡充を図ることができる。
置において、請求項8に記載したように、高周波誘導加
熱用コイルを、加熱刃体の側部でなく、樹脂材の加工予
定箇所の裏面側に配置されて三次元形状の加工にも適用
可能に構成することにより、当該加工装置の適用範囲の
拡充を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は本発明に係る樹脂材の加
工方法の実施に際して用いられる加工装置全体の概略
図、図2は概略平面図であり、この加工装置は大別し
て、自動車用インスツルメントパネルを形成する塩化ビ
ニール(PVC)やポリオレフィン(TPO)、ポリウ
レタン(TPU)等の熱可塑性樹脂からなる表皮材1
(樹脂材の一例)を、それのエアバッグ収納箇所に対応
するV溝加工予定箇所の裏面部分が平坦になるように表
面側を受止め支持する受け治具となる定盤2と、この定
盤2の直上方部に配置されてエアシリンダー等の昇降装
置3を介して上下に駆動昇降自在に構成された昇降台枠
4と、この昇降台枠4の下部に取り付けられた加熱刃体
5と、この加熱刃体5とは別体で、かつ、この加熱刃体
5両側に近接して配置され昇降台枠4に複数の吊り具6
…を介して吊り下げ支持された高周波誘導加熱用コイル
7と、この高周波誘導加熱用コイル7に高周波電力を供
給する高周波発振器8と、この高周波発振器8の出力を
制御するコントローラ9とを備えている。
にもとづいて説明する。図1は本発明に係る樹脂材の加
工方法の実施に際して用いられる加工装置全体の概略
図、図2は概略平面図であり、この加工装置は大別し
て、自動車用インスツルメントパネルを形成する塩化ビ
ニール(PVC)やポリオレフィン(TPO)、ポリウ
レタン(TPU)等の熱可塑性樹脂からなる表皮材1
(樹脂材の一例)を、それのエアバッグ収納箇所に対応
するV溝加工予定箇所の裏面部分が平坦になるように表
面側を受止め支持する受け治具となる定盤2と、この定
盤2の直上方部に配置されてエアシリンダー等の昇降装
置3を介して上下に駆動昇降自在に構成された昇降台枠
4と、この昇降台枠4の下部に取り付けられた加熱刃体
5と、この加熱刃体5とは別体で、かつ、この加熱刃体
5両側に近接して配置され昇降台枠4に複数の吊り具6
…を介して吊り下げ支持された高周波誘導加熱用コイル
7と、この高周波誘導加熱用コイル7に高周波電力を供
給する高周波発振器8と、この高周波発振器8の出力を
制御するコントローラ9とを備えている。
【0018】上記定盤2は、その上面2aに載置した樹
脂製表皮材1を図示していない真空ポンプ等の吸引力に
よってその空洞内の空気を減圧することで吸着して表皮
材1の表面を密着状態に固定保持するように構成されて
いるとともに、上記高周波発振器8は、発振周波数が2
0〜60KHzで、最大出力20KW程度に設定されて
いる。
脂製表皮材1を図示していない真空ポンプ等の吸引力に
よってその空洞内の空気を減圧することで吸着して表皮
材1の表面を密着状態に固定保持するように構成されて
いるとともに、上記高周波発振器8は、発振周波数が2
0〜60KHzで、最大出力20KW程度に設定されて
いる。
【0019】また、上記加熱刃体5は、図3に明示する
ように、その先端部分5aが渦電流損及びヒステリシス
損の大きい材質であるFeからV字形状に構成されてい
るとともに、その他の部分5bが先端部分5aよりも渦
電流損及びヒステリシス損の小さい材質、例えばAlま
たはCuから構成されている。この加熱刃体5のAlま
たはCuから構成された先端以外の部分5bの肉厚内に
は急冷用の冷却水循環路10が形成されているととも
に、この加熱刃体5の近傍位置には、加工直後の先端部
分5aに冷却用圧縮空気を吹き付ける冷却エア噴出装置
11が配設されている。
ように、その先端部分5aが渦電流損及びヒステリシス
損の大きい材質であるFeからV字形状に構成されてい
るとともに、その他の部分5bが先端部分5aよりも渦
電流損及びヒステリシス損の小さい材質、例えばAlま
たはCuから構成されている。この加熱刃体5のAlま
たはCuから構成された先端以外の部分5bの肉厚内に
は急冷用の冷却水循環路10が形成されているととも
に、この加熱刃体5の近傍位置には、加工直後の先端部
分5aに冷却用圧縮空気を吹き付ける冷却エア噴出装置
11が配設されている。
【0020】さらに、上記加熱刃体5の先端部分5aに
は、温度センサー12が付設されており、この温度セン
サー12による検出温度が上記樹脂製表皮材1の軟化点
以上もしくは融点以上の設定温度に達したとき、温調器
13を通じてフィードバックして上記高周波発振器8の
出力を自動制御するように構成されている。
は、温度センサー12が付設されており、この温度セン
サー12による検出温度が上記樹脂製表皮材1の軟化点
以上もしくは融点以上の設定温度に達したとき、温調器
13を通じてフィードバックして上記高周波発振器8の
出力を自動制御するように構成されている。
【0021】次に、上記構成の樹脂材の加工装置を用い
て樹脂製表皮材1の所定箇所、つまり、エアバッグ収納
箇所に対応するV溝加工予定箇所の裏面部分にエアバッ
グ展開用のV溝を加工する方法について説明する。ま
ず、樹脂製表皮材1の加工予定箇所を、その表面を下側
にして定盤2の上面2aに載置した上、空洞内の空気を
真空ポンプ等の吸引力によって吸引し減圧するすること
で表皮材1の表面が定盤2の上面に密着するように表皮
材1を定盤2に固定保持させる。
て樹脂製表皮材1の所定箇所、つまり、エアバッグ収納
箇所に対応するV溝加工予定箇所の裏面部分にエアバッ
グ展開用のV溝を加工する方法について説明する。ま
ず、樹脂製表皮材1の加工予定箇所を、その表面を下側
にして定盤2の上面2aに載置した上、空洞内の空気を
真空ポンプ等の吸引力によって吸引し減圧するすること
で表皮材1の表面が定盤2の上面に密着するように表皮
材1を定盤2に固定保持させる。
【0022】ついで、エアシリンダー等の昇降装置3を
介して昇降台枠4を下降させて該昇降台枠4の下部に取
り付けられた加熱刃体5を図4に示すように、表皮材1
の裏面の加工予定箇所に押し当てる。このとき、加熱刃
体5両側には、高周波誘導加熱用コイル7が位置してい
る。この加工直前の状態で、高周波発振器8を発振動作
(ON)してコントローラ9に予め設定されている出力
電力を高周波誘導加熱用コイル7に供給すると、表皮材
1の裏面に押し当てられている加熱刃体5の先端部分5
a付近に渦電流が集中して該先端部分5aが誘導加熱に
より急速に加熱昇温されることになる。そして、温度セ
ンサー12による検出温度が表皮材1の軟化点もしくは
融点以上の設定温度に達したとき、温調器13を通じて
のフィードバック信号により上記高周波発振器8の出力
が制御され、それ以降、加熱刃体5の先端部分5aは常
に表皮材1の軟化点もしくは融点以上の温度に自動維持
される。
介して昇降台枠4を下降させて該昇降台枠4の下部に取
り付けられた加熱刃体5を図4に示すように、表皮材1
の裏面の加工予定箇所に押し当てる。このとき、加熱刃
体5両側には、高周波誘導加熱用コイル7が位置してい
る。この加工直前の状態で、高周波発振器8を発振動作
(ON)してコントローラ9に予め設定されている出力
電力を高周波誘導加熱用コイル7に供給すると、表皮材
1の裏面に押し当てられている加熱刃体5の先端部分5
a付近に渦電流が集中して該先端部分5aが誘導加熱に
より急速に加熱昇温されることになる。そして、温度セ
ンサー12による検出温度が表皮材1の軟化点もしくは
融点以上の設定温度に達したとき、温調器13を通じて
のフィードバック信号により上記高周波発振器8の出力
が制御され、それ以降、加熱刃体5の先端部分5aは常
に表皮材1の軟化点もしくは融点以上の温度に自動維持
される。
【0023】上記のように加熱刃体5の先端部分5aが
設定温度以上に維持されている状態で、エアシリンダー
等の昇降装置3を介して昇降台枠4を設定量だけ下降さ
せて加熱刃体5により表皮材1の加工予定箇所をその裏
面側から押圧することによって、表皮材1の加工予定箇
所の樹脂が順次溶融されて、図5に示すように、加熱刃
体5の先端部分5aの形状、つまり、V字形状に変形
し、所定のエアバッグ展開用のV溝14が形成(加工)
される。
設定温度以上に維持されている状態で、エアシリンダー
等の昇降装置3を介して昇降台枠4を設定量だけ下降さ
せて加熱刃体5により表皮材1の加工予定箇所をその裏
面側から押圧することによって、表皮材1の加工予定箇
所の樹脂が順次溶融されて、図5に示すように、加熱刃
体5の先端部分5aの形状、つまり、V字形状に変形
し、所定のエアバッグ展開用のV溝14が形成(加工)
される。
【0024】所定のエアバッグ展開用溝14が形成され
た直後に、高周波発振器8の発振動作を停止(OFF)
して高周波誘導加熱用コイル7への高周波電力の供給を
止め加熱刃体5に対する高周波加熱を停止すると、加熱
刃体5の先端部分5aは急速に表皮材1の融点以下の温
度に降温し冷却されることになる。このとき、先端以外
の部分5bの肉厚内に形成されている冷却水循環路10
に冷却水を循環させるとともに、冷却エア噴出装置11
から加熱刃体5の先端部分5aに冷却用圧縮空気を吹き
付けることにより、加熱刃体5をより迅速に降温し冷却
することが可能である。
た直後に、高周波発振器8の発振動作を停止(OFF)
して高周波誘導加熱用コイル7への高周波電力の供給を
止め加熱刃体5に対する高周波加熱を停止すると、加熱
刃体5の先端部分5aは急速に表皮材1の融点以下の温
度に降温し冷却されることになる。このとき、先端以外
の部分5bの肉厚内に形成されている冷却水循環路10
に冷却水を循環させるとともに、冷却エア噴出装置11
から加熱刃体5の先端部分5aに冷却用圧縮空気を吹き
付けることにより、加熱刃体5をより迅速に降温し冷却
することが可能である。
【0025】このように表皮材1の軟化点もしくは融点
以下の温度まで加熱刃体5が降温し冷却された時点で、
エアシリンダー等の昇降装置3を介して昇降台枠4を設
定量だけ上昇させて加熱刃体5をV溝14の上方に引き
上げることによって、糸引き現象や再溶着現象を全く発
生せず、意匠面でのダメージがほとんどないとともに、
図6に示すように、正確な残厚寸法t及び幅寸法wを持
ち再現可能な一定の破壊抵抗を発揮する非常に高精度な
エアバッグ展開用のV溝14を加工することができる。
以下の温度まで加熱刃体5が降温し冷却された時点で、
エアシリンダー等の昇降装置3を介して昇降台枠4を設
定量だけ上昇させて加熱刃体5をV溝14の上方に引き
上げることによって、糸引き現象や再溶着現象を全く発
生せず、意匠面でのダメージがほとんどないとともに、
図6に示すように、正確な残厚寸法t及び幅寸法wを持
ち再現可能な一定の破壊抵抗を発揮する非常に高精度な
エアバッグ展開用のV溝14を加工することができる。
【0026】なお、上記実施の形態では、加工対象が熱
可塑性樹脂からなる自動車用インスツルメントパネルの
表皮材1で、この表皮材1にエアバッグ展開用のV溝1
4を加工する場合について説明したが、これ以外に、熱
可塑性樹脂材の裁断、あるいは、スプレーウレタン等の
熱硬化性樹脂材の裁断や溝付け加工にも適用可能であ
る。裁断に使用される加熱刃体5の先端部分5aは、図
7に示すような形状に形成される。
可塑性樹脂からなる自動車用インスツルメントパネルの
表皮材1で、この表皮材1にエアバッグ展開用のV溝1
4を加工する場合について説明したが、これ以外に、熱
可塑性樹脂材の裁断、あるいは、スプレーウレタン等の
熱硬化性樹脂材の裁断や溝付け加工にも適用可能であ
る。裁断に使用される加熱刃体5の先端部分5aは、図
7に示すような形状に形成される。
【0027】また、図8に示すように、加熱刃体5の両
側でなく、被加工樹脂材1の裏面側に高周波誘導加熱用
コイル7を配置する構成を採用してもよい。この場合
は、コイル7が加熱刃体5の周囲に無いために、三次元
形状の樹脂材1に対する裁断もしくは溝付け加工にも利
用することが可能で、適用範囲の拡充を図ることができ
る。
側でなく、被加工樹脂材1の裏面側に高周波誘導加熱用
コイル7を配置する構成を採用してもよい。この場合
は、コイル7が加熱刃体5の周囲に無いために、三次元
形状の樹脂材1に対する裁断もしくは溝付け加工にも利
用することが可能で、適用範囲の拡充を図ることができ
る。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、樹脂材
の加工予定箇所を押圧する加熱刃体を高周波誘導により
加熱昇温させるようにしているので、加工対象となる樹
脂材が熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂のように軟化
点及び融点の高いものであっても、加熱刃体を時間をか
けずに急速に軟化点もしくは融点以上の温度に加熱し、
また、急速に降温し冷却することができる。したがっ
て、樹脂材を所定どおりの形状に効率よく裁断加工もし
くは溝付け加工することができるのはもとより、特に、
溝付け加工において、加工後の極く短時間後に加熱刃体
を引き上げても、溶融樹脂が刃体に付着して起きる糸引
き現象や再溶着現象の発生を防止できるから、意匠面の
ダメージを回避することができるとともに、再現可能な
一定の破壊抵抗を発揮するような正確な残厚寸法及び幅
寸法を持つエアバッグ展開用の溝等を非常に高精度かつ
高能率に加工することができる。
の加工予定箇所を押圧する加熱刃体を高周波誘導により
加熱昇温させるようにしているので、加工対象となる樹
脂材が熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂のように軟化
点及び融点の高いものであっても、加熱刃体を時間をか
けずに急速に軟化点もしくは融点以上の温度に加熱し、
また、急速に降温し冷却することができる。したがっ
て、樹脂材を所定どおりの形状に効率よく裁断加工もし
くは溝付け加工することができるのはもとより、特に、
溝付け加工において、加工後の極く短時間後に加熱刃体
を引き上げても、溶融樹脂が刃体に付着して起きる糸引
き現象や再溶着現象の発生を防止できるから、意匠面の
ダメージを回避することができるとともに、再現可能な
一定の破壊抵抗を発揮するような正確な残厚寸法及び幅
寸法を持つエアバッグ展開用の溝等を非常に高精度かつ
高能率に加工することができる。
【0029】加えて、連続加工に際しても、刃体を樹脂
材の軟化点もしくは融点近くの温度に保持する必要は全
くなく、加工の度に高周波発振器の出力をON−OFF
する制御形態を導入することが可能であり、それだけ熱
ロス(消費電力)を軽減して加工コストを低下できると
ともに、高温な熱影響による刃体等の耐久性の低下も抑
制することができるという効果を奏する。
材の軟化点もしくは融点近くの温度に保持する必要は全
くなく、加工の度に高周波発振器の出力をON−OFF
する制御形態を導入することが可能であり、それだけ熱
ロス(消費電力)を軽減して加工コストを低下できると
ともに、高温な熱影響による刃体等の耐久性の低下も抑
制することができるという効果を奏する。
【0030】特に、加工直後の高周波誘導加熱の停止と
共に、加熱刃体を急速に冷却する別の手段を併用するこ
とによって、冷却時間の短縮化が図れて連続加工サイク
ルを早め、生産性の一層の向上を実現することができ
る。
共に、加熱刃体を急速に冷却する別の手段を併用するこ
とによって、冷却時間の短縮化が図れて連続加工サイク
ルを早め、生産性の一層の向上を実現することができ
る。
【0031】また、加熱刃体として、その先端部分のみ
が渦電流損及びヒステリス損の大きい材質から構成さ
れ、その他の部分が先端部分よりも渦電流損及びヒステ
リシス損の小さい材質から構成されたものを用いること
によって、高周波誘導加熱時における熱エネルギーの逃
散ロスを少なくして裁断もしくは溝付け加工に必要な刃
体先端部分のみを比較的少ない電力で急速に誘導加熱す
ることができ、消費電力の低減を図ることができる。
が渦電流損及びヒステリス損の大きい材質から構成さ
れ、その他の部分が先端部分よりも渦電流損及びヒステ
リシス損の小さい材質から構成されたものを用いること
によって、高周波誘導加熱時における熱エネルギーの逃
散ロスを少なくして裁断もしくは溝付け加工に必要な刃
体先端部分のみを比較的少ない電力で急速に誘導加熱す
ることができ、消費電力の低減を図ることができる。
【図1】本発明に係る樹脂材の加工方法の実施に際して
用いられる加工装置全体の概略構成図である。
用いられる加工装置全体の概略構成図である。
【図2】図1の要部の概略平面図である。
【図3】同上加工装置の要部の拡大正面図である。
【図4】加工直前の状態を示す要部の拡大断面図であ
る。
る。
【図5】加熱刃体により加工予定箇所を押圧した状態を
示す要部の拡大断面図である。
示す要部の拡大断面図である。
【図6】加工されたV溝の状態を示す要部の拡大断面図
である。
である。
【図7】樹脂材を裁断する場合に用いられる加熱刃体の
先端形状を示す要部の拡大正面図である。
先端形状を示す要部の拡大正面図である。
【図8】他の実施の形態を説明する要部の拡大断面図で
ある。
ある。
1 樹脂製表皮材(樹脂材)
2 定盤(受け治具)
5 加熱刃体
5a V形先端部分
5b その他の部分
7 高周波誘導加熱用コイル
8 高周波発振器
9 コントローラ(制御部)
10 冷却水循環路
11 冷却エア噴出装置
14 エアバッグ展開用V溝
Claims (8)
- 【請求項1】 樹脂材の加工予定箇所を加熱刃体により
裁断加工もしくは溝付け加工する樹脂材の加工方法であ
って、 樹脂材をその加工予定箇所が平坦になるように受止め支
持させた上、 加工直前に、樹脂材の加工予定箇所に押し当てた刃体の
先端部分を高周波誘導加熱により樹脂材の軟化点以上に
昇温した後、その昇温刃体により加工予定箇所を押圧し
て樹脂材を裁断加工もしくは溝付け加工し、 加工直後に、高周波誘導加熱を停止することを特徴とす
る樹脂材の加工方法。 - 【請求項2】 加工直後の高周波誘導加熱の停止と共
に、加熱刃体を急速に冷却する請求項1に記載の樹脂材
の加工方法。 - 【請求項3】 加工の対象となる樹脂材が、熱可塑性樹
脂材である請求項1または2に記載の樹脂材の加工方
法。 - 【請求項4】 加工の対象となる樹脂材が、熱硬化性樹
脂材である請求項1または2に記載の樹脂材の加工方
法。 - 【請求項5】 樹脂材の加工予定箇所を加熱刃体により
裁断加工もしくは溝付け加工する樹脂材の加工装置であ
って、 樹脂材をその加工予定箇所が平坦になるように受止め支
持する受け治具と、 加熱刃体とは別体で、かつ、加熱刃体の先端部分に近接
して配置される高周波誘導加熱用コイルと、 その高周波誘導加熱用コイルに高周波電力を供給する高
周波発振器と、 この高周波発振器の出力を、加工直前には加熱刃体の先
端部分が高周波誘導加熱により樹脂材の軟化点以上に加
熱昇温され、加工直後には高周波誘導加熱が停止される
ように制御する制御部とを具備していることを特徴とす
る樹脂材の加工装置。 - 【請求項6】 上記加熱刃体は、その先端部分のみが渦
電流損及びヒステリシス損の大きい材質から構成され、
他の部分が先端部分よりも渦電流損及びヒステリシス損
の小さい材質から構成されている請求項5に記載の樹脂
材の加工装置。 - 【請求項7】 上記加熱刃体または/及びその近傍箇所
には、加工直後の高周波誘導加熱の停止と共に、加熱刃
体を急速に冷却する冷却手段が設けられている請求項5
または6に記載の樹脂材の加工装置。 - 【請求項8】 上記高周波誘導加熱用コイルが、加熱刃
体の側部でなく、樹脂材の加工予定箇所の裏面側に配置
されて三次元形状の加工にも適用可能に構成されている
請求項5ないし7のいずれかに記載の樹脂材の加工装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001221387A JP2003033967A (ja) | 2001-07-23 | 2001-07-23 | 樹脂材の加工方法及び加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001221387A JP2003033967A (ja) | 2001-07-23 | 2001-07-23 | 樹脂材の加工方法及び加工装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003033967A true JP2003033967A (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=19055064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001221387A Pending JP2003033967A (ja) | 2001-07-23 | 2001-07-23 | 樹脂材の加工方法及び加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003033967A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1587351A1 (en) * | 2003-12-26 | 2005-10-19 | Matsushita Electric Industries Co., Ltd. | Method and apparatus for manufacturing circuit board |
WO2007098839A1 (de) * | 2006-02-24 | 2007-09-07 | Rehau Ag + Co | Trennvorrichtung zum ablängen von kunststoffprofile |
JP2008183950A (ja) * | 2007-01-26 | 2008-08-14 | Moriroku Co Ltd | エアバッグ開裂溝及びその形成方法 |
WO2010018703A1 (ja) * | 2008-08-12 | 2010-02-18 | 株式会社高橋型精 | 抜き型および抜き型温度制御システム |
JP2010201608A (ja) * | 2008-08-12 | 2010-09-16 | Takahashi Keisei:Kk | 抜き型および抜き型温度制御システム |
KR101068410B1 (ko) * | 2009-07-13 | 2011-09-29 | 주식회사 녹수 | 타일 절단용 칼날 및 이를 이용한 타일 절단기 |
JP2015228323A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | 株式会社ブラウニー | 電磁誘導加熱ヘッド及び加工装置 |
-
2001
- 2001-07-23 JP JP2001221387A patent/JP2003033967A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP1587351A4 (en) * | 2003-12-26 | 2009-04-01 | Panasonic Corp | METHOD AND DEVICE FOR REALIZING A CIRCUIT BOARD |
US8211494B2 (en) | 2003-12-26 | 2012-07-03 | Panasonic Corporation | Method and apparatus for manufacturing circuit board |
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JP2013226646A (ja) * | 2008-08-12 | 2013-11-07 | Takahashi Keisei:Kk | 抜き型装置 |
KR101068410B1 (ko) * | 2009-07-13 | 2011-09-29 | 주식회사 녹수 | 타일 절단용 칼날 및 이를 이용한 타일 절단기 |
JP2015228323A (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-17 | 株式会社ブラウニー | 電磁誘導加熱ヘッド及び加工装置 |
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Legal Events
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|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
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|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
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