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JP2003096683A - 工業用ベルト - Google Patents

工業用ベルト

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JP2003096683A
JP2003096683A JP2001294029A JP2001294029A JP2003096683A JP 2003096683 A JP2003096683 A JP 2003096683A JP 2001294029 A JP2001294029 A JP 2001294029A JP 2001294029 A JP2001294029 A JP 2001294029A JP 2003096683 A JP2003096683 A JP 2003096683A
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woven fabric
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Susumu Takeuchi
晋 竹内
Katsuaki Deguchi
香津秋 出口
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Shikibo Ltd
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Shikibo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製紙機械用ドライヤーカンバス、製紙機械用
搬送ベルトおよび各種工業用の搬送ベルトなどの工業用
ベルトにおいて、防汚性および洗浄による汚れ除去性を
向上させると共に、織物表面での経糸の摩耗対策を図
り、高温・高湿の使用条件下での経糸の強力低下を防止
する。 【解決手段】 経糸11と、接紙面側31の緯糸の層3
3および反接紙面側32の緯糸の層34とを有し、少な
くとも接紙面側31の緯糸の層33が太い緯糸21およ
び細い緯糸22を交互に配置した織成布からなり、前記
緯糸11が、細い緯糸22を内側に織り込んで経糸ナッ
クル14aを形成すると共に、反接紙面側32の緯糸2
3を内側に織り込んで経糸ナックル16aを形成する第
1の経糸12と、接紙面側の太い緯糸21を内側に織り
込んで接紙面側に経糸ナックル15aを形成すると共
に、反接紙面側の緯糸23を内側に織り込んで経糸ナク
ッル17aを形成する第2の経糸13とを有し、第1の
経糸ナックル14aが接紙面側表面35よりも織成布の
厚さ方向内側に位置している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙機械用ドライ
ヤーカンバスや製紙機械用搬送ベルトおよび各種工業用
の搬送ベルトなどに用いられる工業用ベルトの改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に工業用ベルトが各種工業製品や加
工物の搬送に用いられているが、例えば、製紙機械すな
わち抄紙機のドライパートやカレンダーパート、塗工工
程などの仕上工程では、製紙機械用ドライヤーカンバス
や製紙機械用搬送ベルトが用いられる。また、不織布熱
接着工程などの繊維製品・加工物および食品製品・加工
物などの乾燥工程や熱処理工程におけるネットコンベア
や搬送ベルトが知られている。
【0003】例えば、製紙機械においては、抄紙機のド
ライパートで紙料原料中に含まれる粘着性油分のガム質
ピッチ、あるいは製紙用糊剤であるサイズ液、塗工液な
どが汚れとなってドライヤーカンバスの表面に付着す
る。この汚れが経時的に堆積すると、カンバスの目詰ま
りを引き起こし、通気性が著しく低下してその乾燥作用
を発揮し得なくなることから、抄紙用ドライヤーカンバ
スにおける汚れは従来から大きな問題であった。
【0004】そこで、汚れがカンバス表面に付着し難
く、また、汚れが付着してもその汚れを落とし易いよう
に、単層の平織組織に織成した目の粗い多孔性の抄紙用
ドライヤーカンバスが、例えば実公昭58−55280
号公報において提案されている。
【0005】この抄紙用ドライヤーカンバスは、太さが
直径寸法0.6mmφ〜1.2mmφの合成樹脂モノフ
ィラメントをそれぞれ経糸および緯糸とし、経糸密度お
よび緯糸密度をともに8〜15本/2.54cmの超オ
ープンメッシュにして単層の平織組織に織成し、経糸お
よび緯糸をともにその組織点で同程度に波形状に湾曲固
定するように緊張下のヒートセット加工を施し、通気度
を30,000cm3/cm 2・min以上としたものである。
【0006】この抄紙用ドライヤーカンバスは、単層の
平織組織でその経糸密度および緯糸密度をともに8〜1
5本/2.54cmと極めて目を粗くしたことから、湿
紙と接触する経糸と緯糸との交絡点(交錯点)が少なく
なり、汚れ物質がカンバス表面に付着することが少なく
なり、また、目が粗いので、たとえ汚れ物質が付着して
も、洗浄やブラッシング等によって容易に取り除くこと
ができて防汚性に優れたものである。
【0007】ところで、近年では、環境保護および資源
再利用の観点から、製紙原料に古紙が多量に使われ始め
たのに伴い、古紙中に含まれる天然ゴムや合成ゴム等の
粘着性物質がカンバス表面に多く付着するという現象が
発生している。そのため、ドライヤーカンバスにおける
防汚対策は、従来よりもさらに厳しいものが要求されつ
つあり、前述の実公昭58−55280号公報に開示さ
れたドライヤーカンバスでは、その厳しい要求に対する
充分な対応が困難であるというのが現状であった。
【0008】そこで、本出願人は、前述した状況に基づ
いてドライヤーカンバスにおける汚れ物質の付着原因お
よび防汚対策を検討し、粘着性物質等の汚れ物質による
カンバス表面の汚れは、汚れ物質が主に経糸と緯糸の交
絡点(交錯点)から付着して、経時的に堆積した結果の
ものであることに注目し、防汚対策として、湿紙と接触
するカンバス表面での経糸と緯糸の交絡点(交錯点)を
減少させることが有効であること、ならびに、経糸と緯
糸の密度を減少させずに強度および寸法安定性を維持し
ながら、経糸と緯糸の交絡点(交錯点)を減少させるに
は、経糸と緯糸の密度を変えずに緯糸の太さを異なら
せ、太い緯糸と細い緯糸とを交互に配するのが、湿紙と
接触する交絡点(交錯点)が減少でき、しかも、ドライ
ヤーカンバスの強力および寸法安定性が良いことを見出
して、特開平9−310291号公報に開示の抄紙用ド
ライヤーカンバスを提案している。
【0009】この抄紙用ドライヤーカンバスは、断面形
状が円形の合成樹脂モノフィラメントを経糸および緯糸
として単層の平織組織に織成した抄紙用ドライヤーカン
バスであって、前記緯糸に太さが異なるモノフィラメン
トを交互に配して織成したことを特徴とするものであ
る。さらに、前記合成樹脂モノフィラメントの太さが直
径寸法0.6mmφ〜1.2mmφの範囲を望ましい範
囲とするものであり、また、望ましい合成樹脂モノフィ
ラメントとして、ポリエステルモノフィラメントを開示
している。
【0010】この抄紙用ドライヤーカンバスは、カンバ
ス表面で湿紙と接触する経糸と緯糸の交絡点(交錯点)
を減少させることができるので、汚れ物質のドライヤー
カンバスへの付着量を大幅に減少して、汚れ防止に顕著
な効果が発揮できる上に、強力および寸法安定性が優れ
たドライヤーカンバスである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
前述のとおり、環境保護や資源再利用の観点から、製紙
原料としての古紙使用量がますます増加しており、特
に、板紙やダンボール原紙等の重量物の抄紙では、古紙
原料比100%といった操業もごく一般的になってい
る。その結果、前述の汚れ物質のカンバス織組織への付
着・堆積への対策、あるいは、付着した汚れの洗浄性向
上に関するユーザー要求が、例えば前述の実公昭58−
55280号公報の出願当時と比べると、格段に厳しく
なっている。
【0012】上記、古紙原料比が極めて高い抄紙では、
他の抄紙の場合に比べて、原料中の微細繊維による紙紛
汚れが多く有り、また内添剤や塗工剤の使用量も多く、
填料、夾雑物等も多く含まれるため、それら汚れ物質が
ドライヤーカンバスの表面や経糸と緯糸の交錯点の付近
に付着、堆積する量も多量で、また、それら汚れ物質が
紙シートとカンバスとの間に介在するため、ドライヤー
カンバスの表面、特に接紙面側表面の摩耗の要因にもな
る。
【0013】また、抄紙機のカレンダーパートや、塗工
工程などの仕上工程においても、紙紛、ホワイトピッチ
等の内添剤および塗工剤などの汚れ物質が、シートとカ
ンバスや搬送ベルトとの間に介在する状況で紙シートと
の間の摩擦が生じると共に、ドクターブレード等との接
触による摩耗も重畳するため、カンバスや搬送ベルトの
表面、特に接紙面側表面の摩耗が進行し易い。また、ガ
イドロール等の機械装置との間での接触による、反接紙
面側(機械面側)での摩耗も発生する。
【0014】一方、ドライヤーカンバスに付着、堆積し
た汚れ物質のオンマシンでの除去方法として、高圧水洗
浄や薬品を用いた洗浄方法が一般に行われるが、カンバ
ス表面の付着物を掻き落とすために、金属製のスパイラ
ル線で編成したネットあるいはスクレーパーが設置され
て用いられる場合もあり、そのような場合には、それら
との接触によりカンバス表面の摩耗がより一層進展する
ので、カンバス表面、特に接紙面側表面の耐摩耗性の向
上、ならびに、摩耗損傷を受ける条件下での強力や形態
保性の維持も、前記防汚性や洗浄性の向上と併せて必要
になっている。
【0015】通常、ドライヤーカンバスは、複数本のド
ライヤーシリンダーおよびローラー間に無端状に捲回さ
れて抄紙機に装着されて運動するが、そのため、長さ方
向の両端部を接続して無端状となすための継手をカンバ
スの両端部に有している。
【0016】その継手としては、カンバスの両端部にお
いて、カンバス織物を構成する経糸の一部を延長し、折
り返して接合用ループを形成の後、カンバス本体内に綴
り込んで形成し、このループ列を互いに噛み合わせて成
る共通孔に接合芯線を挿通してカンバスを無端状に接続
する、いわゆるワープループシームが一般的である。
【0017】また、他の継手としては、カンバスの両端
部において、カンバス織物を構成する経糸の一部を延長
し、折り返してループを形成し、このループにスパイラ
ル線をそれぞれ噛み合わせ、この噛み合い部の共通孔に
固定芯線を挿通した後、カンバス本体内に綴り込んでお
き、さらに2つのスパイラル線を互いに噛み合わせて成
るスパイラル線相互の共通孔に接合芯線を挿通してカン
バスを無端状に接続する、いわゆるスパイラルシームが
一般的である。
【0018】そして、上記接合用ループを形成する経糸
もしくはスパイラル線を噛み合わせるためのループを形
成する経糸に、カンバスを駆動する牽引力や張力が集中
的に掛かる上に、上記接合用ループおよびスパイラル線
を噛み合わせるためのループは、カンバス織物を構成す
る経糸の一部、例えば1/2もしくは1/4の本数の経
糸で形成されるのが通常であるため、それら経糸の摩耗
損傷により強力低下が生じると、早期に継手部分の破断
を引き起こして、カンバスの使用不能を生じる危険性が
高い。さらに、ポリエステルなど素材の特性によって
は、高温・高湿の条件下での熱劣化による強力低下も重
畳して影響する。
【0019】そのため、上記接合用ループを形成する経
糸もしくはスパイラル線を噛み合わせるためのループを
形成する経糸の摩耗対策や、熱劣化および摩耗損傷を受
ける条件下での経糸強力の低下対策が、カンバスや搬送
ベルトにおける長寿命化(使用期間の延長)のために特
に重要となってきている。
【0020】一方、太い線径や断面積大なるモノフィラ
メントを経糸に用いて、経糸の厚さ方向寸法および単糸
強力を大きくし、経糸の強力低下に対する摩耗の影響度
合いを少なくして、早期の破断事故の発生を防ぐ等の工
夫も成されているが、その場合でも、上記接合用ループ
およびスパイラル線を噛み合わせるためのループを形成
する経糸の摩耗損傷ならびに熱劣化による強力低下を、
それ以外の経糸よりも減少させる効果を呈するまでには
至っていない。
【0021】したがって、本発明は、各種工業製品や加
工物の搬送に用いられる工業用ベルト、例えば、製紙機
械用ドライヤーカンバスや製紙機械用搬送ベルトであっ
て、従来のものよりも防汚性ならびに洗浄による汚れ除
去性能に優れると同時に、織物表面、特には湿紙と接す
る接紙面側表面での経糸の摩耗対策を図ること、ならび
に、高温・高湿の条件に重畳して摩耗損傷を受ける使用
条件下での経糸の強力低下を防止することにより、従来
のものより使用期間の長い製紙機械用ドライヤーカンバ
スや製紙機械用搬送ベルトおよび各種工業用の搬送ベル
トなどの工業用ベルトを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の技術的手段として、本発明は、合成繊維モノフィラメ
ントの経糸および緯糸を用いた織成布から成る工業用ベ
ルトであって、緯糸の層が、接紙面側の緯糸の層および
反接紙面側の緯糸の層を含む少なくとも2層の緯糸の層
を有し、少なくとも接紙面側の緯糸の層が太さの異なる
緯糸を交互に配して成り、経糸が、接紙面側の1本の細
い緯糸を内側に織り込んで接紙面側に経糸ナックルを形
成すると共に、反接紙面側の1本の緯糸を内側に織り込
んで反接紙面側に経糸ナックルを形成する第1の経糸
と、接紙面側の1本の太い緯糸を内側に織り込んで接紙
面側に経糸ナックルを形成すると共に、反接紙面側の1
本の緯糸を内側に織り込んで反接紙面側に経糸ナックル
を形成する第2の経糸とを有し、前記第1の経糸が接紙
面側に形成する経糸ナックルが、接紙面側表面よりも織
成布の厚さ方向内側に位置することを特徴とする(請求
項1)。
【0023】本発明は、また、前記接紙面側の緯糸の層
および反接紙面側の緯糸の層が、太さの異なる緯糸を交
互に配して成り、前記第2の経糸が接紙面側に形成する
経糸ナックルが、接紙面側表面よりも織成布の厚さ方向
内側に位置することを特徴とする(請求項2)。
【0024】本発明は、また、前記接紙面側の緯糸の層
および反接紙面側の緯糸の層が、太さの異なる緯糸を交
互に配して成り、前記第1の経糸が反接紙面側に形成す
る経糸ナックルが、反接紙面側表面よりも織成布の厚さ
方向内側に位置することを特徴とする(請求項3)。
【0025】本発明は、また、前記第1の経糸および前
記第2の経糸のうち、少なくとも一方の経糸に、他方の
経糸よりも耐熱性および/または耐摩耗性の優れる素材
から成る合成繊維モノフィラメントを用いることを特徴
とする(請求項4)。
【0026】本発明は、また、前記接紙面側および反接
紙面側の緯糸の層のうち、少なくとも接紙面側の緯糸の
層における、前記少なくとも太い緯糸に、前記第1の経
糸よりも耐熱性の優れる素材から成る合成繊維モノフィ
ラメントを用いることを特徴とする(請求項5)。
【0027】本発明は、また、前記接紙面側および反接
紙面側の緯糸の層のうち、少なくとも接紙面側の緯糸の
層における、前記少なくとも太い緯糸に、前記第1の経
糸よりも耐熱性および防汚性の優れる素材から成る合成
繊維モノフィラメントを用いることを特徴とする(請求
項6)。
【0028】本発明は、また、前記工業用ベルトが、織
成布を構成する経糸の一部を延長し、折り返して接合用
ループを形成の後、織成布本体の織組織内に綴り込ん
で、このループ列を互いに噛み合わせて成る共通孔に接
合芯線を挿通して織成布を無端状に接続するための継手
を、織成布の長さ方向両端部に有する工業用ベルトであ
って、前記折り返して接合用ループを形成の後、織成布
本体の織組織内に綴り込む経糸を、前記第1の経糸の一
部または全部を用いて形成することを特徴とする(請求
項7)。
【0029】本発明は、また、前記折り返して接合用ル
ープを形成の後、織成布本体の織組織内に綴り込む経糸
の部分が形成する経糸ナックルであって、接紙面側表面
または接紙面側表面および反接紙面側表面に形成する経
糸ナックルが、織成布の表面より厚さ方向内側に位置す
ることを特徴とする(請求項8)。
【0030】本発明は、また、前記工業用ベルトが、織
成布を構成する経糸の一部を延長し、折り返してループ
を形成し、このループにスパイラル線をそれぞれ噛み合
わせ、この噛み合い部の共通孔に固定芯線を挿通した
後、織成布本体の織組織内に綴り込んでおき、さらに2
つのスパイラル線を互いに噛み合わせて成るスパイラル
線相互の共通孔に接合芯線を挿通して織成布を無端状に
接続するための継手を、織成布の長さ方向両端部に有す
る工業用ベルトであって、前記スパイラル線をそれぞれ
噛み合わせるためのループを形成する経糸を、前記第1
の経糸の一部または全部を用いて形成することを特徴と
する(請求項9)。
【0031】本発明は、また、前記折り返して接合用ル
ープを形成し、このループにスパイラル線をそれぞれ噛
み合わせ、この噛み合い部の共通孔に固定芯線を挿通し
た後、織成布本体の織組織内に綴り込む経糸の部分が形
成する経糸ナックルであって、接紙面側表面または接紙
面側表面および反接紙面側表面に形成する経糸ナックル
が、織成布の表面より厚さ方向内側に位置することを特
徴とする(請求項10)。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の「工業用ベルト」なる用
語は、合成繊維モノフィラメントの経糸および緯糸を用
いた織成布から成る製紙機械用ドライヤーカンバスや製
紙機械用搬送ベルトおよび各種工業用の搬送ベルトなど
を総称する広義のものである。
【0033】本発明においては、経糸および緯糸に合成
繊維モノフィラメントを用いるので、マルチフィラメン
トや紡績糸を用いる場合よりも、糸条表面や内部への汚
れ物質の付着、進入を防ぐことができ、防汚性ならびに
付着・堆積した汚れ物質の除去性能も向上する。
【0034】前記「合成繊維モノフィラメント」とは、
PET(ポリエチレンテレフタレート)やPBT(ポリ
ブチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフ
タレート)などのポリエステル、またはPPS(ポリフ
ェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエー
テルケトン)などの耐熱性能良好な素材を主体とする合
成繊維モノフィラメントを言う。また、例えばPTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)モノフィラメントやフ
ッ素系樹脂を含有したモノフィラメント等、防汚素材を
含有したモノフィラメントを含む。
【0035】織組織は、緯糸の層が、接紙面側の緯糸の
層および反接紙面側の緯糸の層を含む少なくとも2層の
緯糸の層を有する織組織とする。接紙面側の緯糸の層お
よび反接紙面側の緯糸の層から成る緯2重の織組織を基
本とするが、例えば通気度の設定範囲をより低くするた
めや織物の剛性を高めるために、接紙面側の緯糸の層と
反接紙面側の緯糸の層との間に、さらに1層の追加の緯
糸層を有する緯2.5重織もしくは緯3重織の織組織を
用いることもできる。紙粉や汚れ物質の付着防止や付着
した汚れ除去の観点から、追加する緯糸の層にも、合成
繊維モノフィラメントを用いるのを好適とする。
【0036】また、接紙面側および反接紙面側におい
て、経糸が1本の緯糸を内側に織り込んで経糸ナックル
を形成し、経糸の浮きを形成しない織組織を用いて、経
糸が緯糸と交錯する箇所(交錯点)での経糸と緯糸の接
触度合いを強め、織組織の剛性、形態保持性および走行
安定性を良化させるのを好適とする。
【0037】(第1実施形態)図1は、本発明の第1の
実施形態における一例に係る工業用送ベルト10の織組
織を示した経糸方向の断面図である。
【0038】本発明の第1の実施形態における一例であ
る工業用ベルト10は、経糸11が第1の経糸12と第
2の経糸13とを有し、緯糸の層が接紙面側31の緯糸
の層33と、反接紙面側32の緯糸の層34とを有す
る。前記接紙面側31の緯糸の層33および反接紙面側
の緯糸の層34のうち、少なくとも接紙面側31の緯糸
の層33を、太さの異なる緯糸21,22、すなわち太
い緯糸21と細い緯糸22を交互に配した緯糸の層とし
て構成する。また、反接紙面側32の緯糸の層34は、
太さの等しい緯糸23によって構成する。反接紙面側3
2の緯糸23の太さは、接紙面側31の緯糸21または
22と同じ太さまたは異なる太さとすることができる。
織組織の形態安定性や剛性の点からは、少なくとも細い
緯糸22の太さ以上で、太い緯糸21の太さ以下の範囲
の太さとするのが望ましい。
【0039】前記第1の経糸12は、接紙面側31の1
本の細い緯糸22を内側に織り込んで、接紙面側31に
経糸ナックル14aを形成すると共に、反接紙面側32
の1本の緯糸23を内側に織り込んで反接紙面側32に
経糸ナックル16aを形成する。また、前記第2の経糸
13は、接紙面側31の1本の太い緯糸21を内側に織
り込んで接紙面側31に経糸ナックル15aを形成する
と共に、反接紙面側32の1本の緯糸23を内側に織り
込んで反接紙面側32に経糸ナックル17aを形成す
る。
【0040】さらに、経糸11を用いた織製布として、
第1の経糸12が接紙面側31に形成する経糸ナックル
14a(図中Bで示す位置にある)が、第2の経糸13
が接紙面側31に形成する経糸ナックル15a(図中A
で示す位置にある)により規定される接紙面側表面35
よりもベルト10の厚さ方向内側に位置するように構成
する織製布である。なお、図1では第1の実施形態の好
ましい一例として、第1の緯糸12が反接紙面側31に
形成する経糸ナックル16aおよび第2の経糸13が反
接紙面側32に形成する経糸ナックル17aは、反接紙
面側32の反接紙面側表面36(図中Cで示す位置にあ
る)と同一面になっている例を示したが、この例に限定
するものではなく、径糸ナックル16aまたは17aの
いずれかが反接紙面側表面36と同一面となればよい。
【0041】上記構成とすることにより、接紙面側表面
35に表出する経糸ナックルが、前記第2の経糸13が
形成する経糸ナックル15aだけとなり、表出する経糸
ナックルの数が減少するので、汚れ物質が経糸と緯糸の
交錯点付近に付着すること、および付着した汚れ物質が
経時的に堆積するのを防止することが可能となり、防汚
性を向上させることが出来る。
【0042】また、第1の経糸12が接紙面側31に形
成する経糸ナックル14aの接紙面側表面35における
摩耗の発生が、接紙面側表面35より内側に位置する分
だけ遅れるので、その分だけ第1の経糸12の摩耗によ
る強力低下の度合いを減少させることが出来る。
【0043】さらに、接紙面側31における影響がより
大きい高温・高湿条件による経糸12,13の熱劣化の
度合いも、第1の経糸12が接紙面側31に形成する経
糸ナックル14aが接紙面側表面35より内側に位置す
るので、例えば製紙機械用ドライヤーカンバスの場合、
湿紙やドライヤーシリンダーに直接接触しない分だけ少
なくなるため、熱劣化による第1の経糸12の強力低下
が抑制されることも期待出来る。特に、湿紙と接しない
ドライヤーカンバスの両耳部においては、ドライヤーシ
リンダーから直接に熱負荷を受けるため、この効果は大
きい。
【0044】したがって、例えば製紙機械用ドライヤー
カンバスや製紙機械用搬送ベルトの場合、摩耗損傷し強
力低下を起こした経糸表面の部分的なひび割れやささく
れ、およびそれが元での汚れ物質の付着・堆積の増加に
起因する接紙面側31での表面性の劣化や、それによる
紙シートの製品品質への悪影響の危険性が回避されて、
製品品質の維持が長期にわたり可能になると共に、部分
的な経糸の割れ等に因る経糸方向の強力の低下および形
態保持性や走行性能の悪化を防ぐことが可能となり、従
来のものよりも使用期間の長い工業用ベルトを実現する
ことが出来る。
【0045】(第2実施形態)次に、図2は、本発明の
第2の実施形態における一例に係る工業用ベルト50の
織組織を示した経糸方向の断面図である。
【0046】本発明の第2の実施形態における一例であ
る工業用ベルト50は、前述の第1の実施形態における
構成に加えて、接紙面側31の緯糸の層33および反接
紙面側の緯糸の層34を、太さの異なる緯糸21,22
および24,25、すなわち太い緯糸21と細い緯糸2
2、および太い緯糸24と細い緯糸25を、それぞれの
層において交互に配した緯糸の層33および34として
いる。同時に、第1の経糸12が、接紙面側31の1本
の細い緯糸22を内側に織り込んで接紙面側31に経糸
ナックル14bを形成すると共に、反接紙面側32の1
本の太い緯糸24を内側に織り込んで反接紙面側32に
経糸ナックル16bを形成し、第2の経糸13が、接紙
面側31の1本の太い緯糸21を内側に織り込んで接紙
面側31に経糸ナックル15bを形成すると共に、反接
紙面側32の1本の細い緯糸25を内側に織り込んで反
接紙面側32に経糸ナックル17bを形成し、第2の経
糸13が形成する経糸ナックル17b(図中Dで示す位
置にある)が、第1の経糸12が形成する経糸ナックル
16b(図中Cで示す位置にある)により規定される反
接紙面側表面36よりも厚さ方向内側に位置する織製布
である。
【0047】(第3実施形態)また、図3は、本発明の
第3の実施形態における一例に係る工業用ベルト60の
織組織を示した経糸方向の断面図である。
【0048】本発明の第3の実施形態における一例であ
る工業用ベルト60は、前述の第1の実施形態における
構成に加えて、接紙面側31の緯糸の層33および反接
紙面側32の緯糸の層34を、太さの異なる緯糸21,
22および24,25、すなわち太い緯糸21と細い緯
糸22および太い緯糸24と細い緯糸25を、それぞれ
の層において交互に配した緯糸の層33および34とす
ると同時に、第1の経糸12が、接紙面側31の1本の
細い緯糸22を内側に織り込んで接紙面側31に経糸ナ
ックル14cを形成すると共に、反接紙面側32の1本
の細い緯糸25を内側に織り込んで反接紙面側32に経
糸ナックル16cを形成し、第2の経糸13が、接紙面
側31の1本の太い緯糸21を内側に織り込んで接紙面
側31に経糸ナックル15cを形成すると共に、反接紙
面側32の1本の太い緯糸24を内側に織り込んで反接
紙面側32に経糸ナックル17cを形成し、第1の経糸
12が形成する経糸ナックル16c(図中Fで示す位置
にある)が、第2の経糸13が形成する経糸ナックル1
7c(図中Eで示す位置にある)により規定される反接
紙面側表面36よりも厚さ方向内側に位置する織製布で
ある。
【0049】図2に示す第2の実施形態のベルト50に
おいては、接紙面側31の緯糸の層33における太い緯
糸21と、反接紙面側32の緯糸の層34における細い
緯糸25とが、織成布の厚さ方向に重なり合い、かつ、
接紙面側31の緯糸の層33における細い緯糸22と、
反接紙面側32の緯糸の層34における太い緯糸24と
が、織成布の厚さ方向に重なり合うように構成すること
ができる。
【0050】一方、図3に示す第3の実施形態のベルト
60では、接紙面側31の緯糸の層33における太い緯
糸21と、反接紙面側32の緯糸の層34における太い
緯糸24とが、織成布の厚さ方向に重なり合い、かつ、
接紙面側31の緯糸の層33における細い緯糸22と、
反接紙面側32の緯糸の層34における細い緯糸25と
が、織成布の厚さ方向に重なり合うように構成すること
ができる。
【0051】なお、上記図1、図2および図3におい
て、( )内にアラビア数字で示した経糸配置順番は、
その一例を示したもので、本発明の実施形態を特に限定
するものではない。
【0052】上記第2の実施形態および第3の実施形態
の場合には、前述の第1の実施形態における場合の、接
紙面側表面35へ表出する経糸ナックルの数の減少によ
る接紙面側31での防汚性向上の効果に加えて、反接紙
面側表面36へ表出する経糸ナックルの数の減少による
反接紙面側32での防汚性向上の効果も得られるので、
より好ましい。
【0053】また、特に第3の実施形態の場合には、第
1の経糸12が接紙面側31に形成する経糸ナックル1
4cの摩耗、ならびに、反接紙面側32に形成する経糸
ナックル16cの摩耗を併せて抑制できて、第1の経糸
12における強力低下の度合いが一層少なくなるので、
より好ましい。
【0054】本発明の実施においては、前述した構成に
さらに加えて、前記第1の経糸12および前記第2の経
糸13のうち、少なくとも一方の経糸に、他方の経糸よ
りも耐熱性および/または耐摩耗性の優れる素材から成
る合成繊維モノフィラメントを用いるのが好ましい。
【0055】例えば、接紙面側31における摩耗損傷
や、高温・高湿の条件に重畳しての摩耗損傷を前記第1
の経糸12よりも受けやすい前記第2の経糸13に、第
1の経糸12に用いるモノフィラメントよりも耐熱性お
よび/または耐摩耗性の優れる素材から成るモノフィラ
メントを用いれば、必ずしも第1の経糸12および第2
の経糸13の両方に耐熱性および/または耐摩耗性の優
れる素材から成るモノフィラメントを用いなくても、前
述した構成によって第1の経糸12における強力低下の
度合いを減少させ得ると同時に、第2の経糸13の耐熱
性および/または耐摩耗性を強化できるので、低コスト
のもとに、工業用ベルトのより一層の使用期間の延長が
図れ、好ましい。
【0056】なお、例えば、第1の経糸12に、PET
もしくはPBTなどのポリエステルモノフィラメントを
用い、第2の経糸13に、それより耐熱性能の良好なP
PSもしくはPEEKなどの素材を主体とする合成繊維
モノフィラメントを用いることが出来る
【0057】さらに加えて、本発明の実施においては、
接紙面側31および反接紙面側32における緯糸の層3
3,34のうち、少なくとも接紙面側31の緯糸の層3
3における、前記太い緯糸21および細い緯糸22のう
ち少なくとも太い緯糸21に、前記第1の経糸12に用
いる合成繊維モノフィラメントよりも耐熱性の優れる素
材から成る合成繊維モノフィラメントを用いて、接紙面
側31の織組織の耐熱性をさらに向上するのが好まし
い。接紙面側31の太い緯糸21と細い緯糸22の全
て、または、接紙面側31および反接紙面側32の緯糸
の全てを、前記第1の経糸12よりも耐熱性の優れる素
材から成るモノフィラメントとするのがより効果的であ
るが、接紙面側31の太い緯糸21だけに用いても接紙
面側31における織組織の耐熱性の向上効果が望める。
例えば第1の経糸12にPETを用い、第2の経糸13
にPETまたはPPSもしくはPEEKなどの耐熱性能
良好な素材を主体とするモノフィラメントを用いると共
に、接紙面側31の緯糸の層33、または接紙面側31
および反接紙面側32の緯糸の層33,34を、PPS
もしくはPEEKなどの耐熱性能良好な素材を主体とす
るモノフィラメントを用いて構成する。
【0058】また、本発明の実施においては、接紙面側
31および反接紙面側32における緯糸の層33,34
のうち、少なくとも接紙面側31の緯糸の層33におけ
る、前記太い緯糸21および細い緯糸22のうち、少な
くとも太い緯糸21に、前記第1の経糸12に用いる合
成繊維モノフィラメントよりも耐熱性および防汚性に優
れる素材から成る合成繊維モノフィラメント、例えばP
TFEモノフィラメントやフッ素系樹脂を含有したモノ
フィラメント等、防汚素材を含有したモノフィラメント
を用いるのが好ましい。
【0059】それにより、前述した構成によって接紙面
側表面35および/または反接紙面側表面36に表出す
る経糸ナックルの数を減少させて、防汚性を向上させた
効果がより一層顕著となり、経糸と緯糸の交錯点付近へ
の汚れ物質の付着、堆積がさらに減少すると共に、付着
した汚れ物質の洗浄、除去性能も一段と向上する上、織
組織の耐熱性の向上が図れるため、好適である。
【0060】接紙面側31の太い緯糸21と細い緯糸2
2の全て、または、接紙面側31および反接紙面側32
の緯糸の全てに、防汚素材を含有した合成繊維モノフィ
ラメントを用いるのがより効果的であるが、接紙面側3
1の太い緯糸21だけに用いても防汚性および汚れ物質
の除去性能の向上が望める。
【0061】本発明の実施においては、接紙面側31お
よび反接紙面側32の緯糸の層33および34を構成す
る緯糸21,22および23,24,25に、例えば、
直径寸法が0.40mmφ〜1.10mmφの範囲の断
面が円形の前記合成繊維モノフィラメントを適用でき
る。緯糸の断面形状は特に限定するものではなく、四角
形、六角形や八角形などの多角形、または長円形や楕円
形もしくはそれらに近似の断面形状を用いることが可能
であるが、断面円形モノフィラメントが好ましい。前記
緯糸の太さの範囲は、織組織における経糸との交錯に際
し、必要な緯糸のクリンプならびに経糸との交錯箇所で
の接触度合いを得て、織成布の形態保持性能を良好とす
る上で、また、前記緯糸の太さの下限は、緯糸方向の剛
性を確保する上で必要な範囲である。
【0062】また、前記緯糸21,22および23,2
4,25の寸法の範囲に対する、緯糸密度の好ましい範
囲としては、例えば、緯2重の織組織の場合に9本×2
/2.54cm〜21本×2/2.54cmの範囲内を
例示できる。
【0063】さらに、接紙面側31および反接紙面側3
2の前記太い緯糸21,24としては、直径寸法が0.
50mmφ〜1.10mmφの範囲の断面円形モノフィ
ラメントが、また接紙面側31および反接紙面側32の
前記細い緯糸22,25としては、直径寸法が0.40
mmφ〜0.80mmφの範囲の断面円形モノフィラメ
ントが好ましく、前記太い緯糸21と細い緯糸22の太
さの差ならびに前記太い緯糸24と細い緯糸25の太さ
の差としては、直径寸法の差が0.10mm〜0.30
mmの範囲、好適には0.20mm〜0.30mmの範
囲が好ましい。上記太さの差とすることにより、接紙面
側31および反接紙面側32に表出する経糸ナックルの
数を減少させると共に、第1の経糸12もしくは第2の
経糸13が形成する経糸ナックルと織成布表面との厚さ
方向内側への間隔を確保する。
【0064】本発明の実施における、前記第1の経糸1
2および第2の経糸13の好ましい寸法の範囲として
は、例えば、断面円形モノフィラメントの場合には、断
面の直径寸法が0.40mmφ〜1.00mmφの範囲
内、好適には0.50mmφ〜0.80mmφの範囲内
を例示できる。また、断面が四角形の扁平断面モノフィ
ラメントの場合には、断面の厚さ方向寸法が0.30m
m〜0.60mmの範囲、かつ断面の幅方向寸法が0.
45mm〜1.20mmの範囲で、厚さ方向寸法と幅方
向寸法との比の値が1:1.5〜1:2.0の範囲を例
示できる。さらに、断面が正方形のモノフィラメントの
場合には、断面の一辺寸法が0.40mm〜0.90m
mの範囲を例示できる。
【0065】経糸11(12,13)の断面寸法が前記
範囲に満たない場合は、摩耗による断面積の減少に伴う
経糸の単糸当たり強力の低下割合が大きく、必要な経糸
方向の強力を維持出来なくなり易いため適さない。ま
た、前記範囲を超える場合は、接紙面側31での必要な
表面平滑性の実現が困難となる上に、経糸方向の柔軟性
が低下して、湿紙との密着性や走行の安定性が損なわれ
易いため適さない。なお、前記四角形および正方形の断
面形状には、その4隅を適当な寸法で曲線状もしくは直
線状に面取りした断面形状を含むものとする。
【0066】また、経糸密度や経糸充填率は、本発明の
目的に叶う範囲で前記経糸の形状、寸法ならびに素材の
強度特性などを考慮して適宜好適に選択して決定する
が、例えば、望ましい経糸充填率の範囲として、50%
〜125%の範囲、好適には75%〜110%の範囲を
例示できる。その上限は少なくとも必要な防汚性、なら
びに、汚れ除去性能を満たし得ること、また下限は接紙
面側31での必要な表面平滑性が実現できること、なら
びに、摩耗損傷もしくは高温・高湿が重畳して摩耗損傷
を受ける使用条件下でも必要な経糸強力および使用期間
が確保し得ることを考慮して規定する。なお、上記の
「経糸充填率」とは、織成布を構成する経糸の織成布の
幅方向における経糸密度と、断面の幅方向寸法との積を
用いて表した、単位長さ当たりの百分率をいう。
【0067】(第4実施形態)次に、図4は、本発明の
第4の実施形態における一例に係る継手を有する工業用
ベルト70の部分断面図である。
【0068】本発明の第4の実施形態における一例であ
る工業用ベルト70は、前述の第1の実施形態に基づく
織成布の構造を有する工業用ベルト10において、織成
布を構成する第1の経糸12を経糸18,19で構成す
ると共に、一方の経糸18の一部を延長し、折り返して
接合用ループ40を形成の後、織成布本体の織組織内に
綴り込んで、このループ列を互いに噛み合わせて成る共
通孔41に接合芯線42を挿通して、織成布を無端状に
接続するための継手71(いわゆる、ワープループシー
ム)を、織成布の長さ方向両端部72,72に形成する
に当たって、前記折り返して接合用ループ40を形成の
後、織成布本体の織組織内に綴り込む経糸18(18
a)を、前記第1の経糸12の一部または全部を用いて
形成するものである。なお、工業用ベルト10に代え
て、前記第2の実施形態もしくは第3の実施形態に基づ
く織成布の構造を有する工業用ベルト50,60を用い
ても良い。
【0069】(第5実施形態)さらに、図5は、本発明
の第5の実施形態における一例に係る継手を有する工業
用ベルト80を示した継手の部分断面図である。
【0070】本発明の第5の実施形態における一例であ
る工業用ベルト80は、前述の第1の実施形態に基づく
織成布の構造を有する工業用ベルト10において、織成
布を構成する第1の経糸12を経糸52,53で構成す
ると共に、一方の経糸52の一部を延長し、折り返して
ループ45aを形成し、このループ45aにスパイラル
線46をそれぞれ噛み合わせ、この噛み合い部の共通孔
47aに固定芯線48を挿通した後、織成布本体の織組
織内に綴り込んでおき、さらに2つのスパイラル線4
6,46を互いに噛み合わせて成るスパイラル線相互の
共通孔44に接合芯線49を挿通して織成布を無端状に
接続するための継手81(いわゆる、スパイラルシー
ム)を、織成布の長さ方向両端部72,72に形成する
に当たって、前記スパイラル線46をそれぞれ噛み合わ
せるためのループ45aを形成する経糸52(52c)
に、前記第1の経糸12の一部または全部を用いて形成
するものであり、ループ45aを形成する経糸52(5
2c)を継手部先端緯糸26および27の間を通して延
長し、折り返してループ45aを形成するものである。
なお、工業用ベルト10に代えて、前記第2の実施形態
もしくは第3の実施形態に基づく織成布の構造を有する
工業用ベルト50,60を用いても良い。
【0071】また、図5では、前記ループ45aに加え
て、前記第2の経糸13(54,55)の一方の経糸5
4が、織成布の長さ方向端部72において継手部先端緯
糸26,27および固定芯線48を捲回するように折り
返してループ45bを形成して、このループ45bにも
スパイラル線46を噛み合わせ、噛み合い部の共通孔4
7aに固定芯線48を挿通した後、その延長部の先端側
を織成布本体の織組織内に綴り込む例を示したが、この
例に限定されず、前記第2の経糸13(54または5
5)が、継手部先端緯糸26および27と固定芯線48
との間を通り、継手部先端緯糸26および27を捲回す
るように折り返して、その延長部の先端側を織成布本体
の織組織内に綴り込むようにしても良い。
【0072】(第6実施形態)また、図6は、本発明の
第6の実施形態における一例に係る継手を有する工業用
ベルト90を示した部分断面図である。
【0073】本発明の第6の実施形態における一例であ
る工業用ベルト90は、前述の第3の実施形態に基づく
織成布の構造を有する工業用ベルト60において、織成
布を構成する前記第2の経糸13を経糸58,59で構
成すると共に、一方の経糸58の延長部を、反接紙面側
の先端緯糸27の下から上に捲回するように折り返して
一方のループ45dを形成して、その延長部の先端側を
先端緯糸26と27の間を通して織成布本体の織組織内
へ、すなわち隣り合う第1の経糸12(56,57)に
おける一方の経糸57をカンバスの端部から長さ方向に
必要な位置で切断して除去した跡に、織成布本体の織組
織と同様の織組織でもって綴り込む。
【0074】また、前記第1の経糸12における一方の
経糸56の延長部を、接紙面側31の先端緯糸26の下
から上に捲回するように折り返して一方のループ45c
を形成して、その延長部の先端側を先端緯糸26と先端
から2番目の緯糸の間を通して織成布本体の織組織内
へ、すなわち隣り合う第2の経糸13の一方の経糸59
をカンバスの端部から長さ方向に必要な位置で切断して
除去した跡に、織成布本体の織組織と同様の織組織でも
って綴り込む。
【0075】そして、各ループ45c,45dにスパイ
ラル線46,46をそれぞれ噛み合わせ、各ループ45
c,45dとスパイラル線46,46の共通孔47bに
固定芯線48,48を挿通した後、さらに2つのスパイ
ラル線46,46を互いに噛み合わせて成るスパイラル
線相互の共通孔44に接合芯線49を挿通して織成布を
無端状に接続するための継手91(スパイラルシーム)
を、織成布の長さ方向両端部72,72に形成するもの
である。なお、工業用ベルト60に代えて、第1実施形
態、または第2実施形態に基づく織成布の構造を有する
工業用ベルト10,50を用いても良い。
【0076】上記第4の実施形態ないし第6の実施形態
によれば、その長さ方向の両端部を接続して無端状とな
すための継手をその長さ方向の両端部に有する工業用ベ
ルト70ないし90において、それを駆動する牽引力や
張力が集中的に掛かるループ形成経糸、すなわちワープ
ループシーム71における接合用ループ40を形成する
経糸18の全て、または、スパイラルシーム81におけ
るスパイラル線46を噛み合わせるためのループ45a
および46bのうち、少なくともループ45aを形成す
る経糸52、あるいは、スパイラルシーム91における
スパイラル線46を噛み合わせるためのループ45cお
よび45dのうち、少なくともループ45cを形成する
経糸56が、接紙面側表面35において厚さ方向内側に
位置する経糸ナックル14a,14cを形成、または接
紙面側表面35において厚さ方向内側に位置する経糸ナ
ックル14cおよび反接紙面側表面36において厚さ方
向内側に位置する経糸ナックル16cを形成する第1の
経糸12(18、52、56)から成る継手71、81
もしくは91となり、特に、第4実施形態のワープルー
プシーム71では、接合用ループ40が全て第1の経糸
12(18)だけで形成される。
【0077】したがって、例えば製紙機械用ドライヤー
カンバスや製紙機械用搬送ベルトの場合、摩耗損傷もし
くは高温・高湿の条件が重畳しての摩耗損傷によるルー
プ経糸の強力低下や、継手部分の織組織の緩み、荒れ、
汚れ物質の付着・堆積などが元での継手部分の表面性の
劣化やそれによる紙シートの製品品質への悪影響の危険
性を回避することができ、また継手の早期の破断発生を
防止することが出来て、ひいては継手の面からもより長
期にわたる製品品質の維持が可能となると共に、カンバ
スや搬送ベルトの使用期間の延長を計ることが可能とな
る。
【0078】なお、図4に示した本発明の第4の実施形
態における一例に係る継手71において、●印で示した
追加の緯糸28は、継手部先端緯糸26および27を巻
き込みつつ折り返した後、本体内へ綴り込む緯糸押さえ
経糸38と接合用ループ40の根元40aとで囲まれた
部分43に挿入する追加の緯糸である。
【0079】前記追加の緯糸28には、例えばポリエス
テルやPPSなどの素材から成る、1本の合成繊維モノ
フィラメントの他、複数本のモノフィラメントから成る
撚り糸や、複数本のマルチフィラメントから成る撚り糸
が適用できる。また、複数本のPPSモノフィラメント
もしくはPPSマルチフィラメントから成る撚り糸を用
いれば、継手部分の耐熱性が向上し寿命延長が図れるの
で好ましい。
【0080】それら追加の緯糸28を挿入すれば、緯糸
押さえ経糸38が先端緯糸26,27を捲回する端部7
2において、接紙面側表面35や反接紙面側表面36か
ら突出して、紙シートへマークを発生させるような状態
が生じるのを防止したり、先端緯糸26および27の抜
け出しを防止したり出来るため、好ましい。
【0081】さらに、◎印で示した継手部先端緯糸2
6,27、および/または前記●印で示した追加の緯糸
28に、上記のモノフィラメント撚り糸またはマルチフ
ィラメント撚り糸、特にはPPSマルチフィラメント撚
り糸を適用するのが、より一層効果的である。また、用
途によっては、追加の緯糸28を挿入せず、先端緯糸2
6および/または27だけに、上記モノフィラメント撚
り糸またはマルチフィラメント撚り糸を使用することも
可能である。
【0082】また、図5に示した本発明の第5の実施形
態における一例に係る継手を有する工業用ベルト80に
おいて、◎印で示した継手部先端緯糸26,27に、上
記のモノフィラメント撚り糸またはマルチフィラメント
撚り糸、特にはPPSマルチフィラメント撚り糸を適用
すれば、紙シートへのマーク発生や先端緯糸26および
27の抜け出しを防ぐことができるため、好ましい。
【0083】(第7実施形態)さらに、図7は、本発明
の第7の実施形態における一例に係る継手を有する工業
用ベルト100を示した部分断面図である。
【0084】本発明の第7の実施形態における一例であ
る工業用ベルト100は、前述の第4の実施形態に基づ
く継手(ワープループシーム)を有する工業用ベルト7
0(図4)において、前記折り返して接合用ループ40
を形成の後、織成布本体の織組織内に綴り込む前記経糸
18(18a)を第1の経糸12の一部または全部を用
いて形成すると共に、折り返して接合用ループ40を形
成の後、織成布本体の織組織内に綴り込む経糸の部分1
8bが接紙面側31に形成する経糸ナックル14b(図
中Hで示す位置にある)が、接紙面側表面35(図中G
で示す位置にある)より織成布の厚さ方向内側に位置す
る継手の構造を有するものである。なお、図7では織成
布に前記第2の実施形態の構成を有する工業用ベルト5
0を用いた例を示した。
【0085】この場合は、前記第1の実施形態、前記第
2の実施形態または前記第3の実施形態の工業用ベルト
10,50,60において、第1の経糸12および第2
の経糸13をそれぞれ18,19および38,39の2
本ずつ交互に並べて配置した織組織を用いて、前記折り
返して接合用ループ40を形成の後、織成布本体の織組
織内に綴り込む経糸18と、織成布の端部72から織成
布本体側への必要長さ部分を切断、除去して経糸18が
綴り込まれる空隙をつくるための経糸19を、前記2本
ずつの第1の経糸12を用いて構成するのが望ましい。
【0086】(第8実施形態)また、図8は、本発明の
第8の実施形態における一例に係る継手を有する工業用
ベルト110示した部分断面図である。
【0087】本発明の第8の実施形態における一例であ
る工業用ベルト110は、前述の第7の実施形態に基づ
く継手(ワープループシーム)の構造を有する工業用ベ
ルト100において、第3実施形態の織成布構造を有す
る工業用ベルト60に代え、さらに、前記折り返して接
合用ループ40を形成の後、織成布本体の織組織内に綴
り込む経糸の部分18bが反接紙面側32に形成する経
糸ナックル16c(図中Jで示す位置にある)も、反接
紙面側表面36(図中Iで示す位置にある)より織成布
の厚さ方向内側に位置する継手の構造を有するものであ
る。
【0088】この場合は、前記第3の実施形態の織組織
において、第1の経糸12および第2の経糸13をそれ
ぞれ18,19および38,39の2本ずつ交互に並べ
て配置すると共に、接紙面側31の1本の太い緯糸21
と反接紙面側32の1本の太い緯糸24、および接紙面
側31の1本の細い緯糸22と反接紙面側32の1本の
細い緯糸25とがそれぞれカンバスの厚さ方向に並んで
位置する織組織を用いて、前記折り返して接合用ループ
40を形成の後、織成布本体の織組織内に綴り込む経糸
18と、織成布の端部72から織成布本体側への必要長
さ部分を切断、除去して経糸18が綴り込まれる空隙を
つくるための経糸19を、前記2本ずつの第1の経糸1
2を用いて構成するのが望ましい。
【0089】(第9実施形態)更に、図9は、本発明の
第9の実施形態における一例に係る継手を有する工業用
ベルト120を示した部分断面図である。
【0090】本発明の第9の実施形態における一例であ
る工業用ベルト120は、前述の第5の実施形態に基づ
く継手(スパイラルシーム)の構造を有する工業用ベル
ト80(図5)において、前記スパイラル線46をそれ
ぞれ噛み合わせるためのループ45aを形成する経糸5
2(52c)を前記第1の経糸12の一部または全部を
用いて形成すると共に、該ループ45aを形成する経糸
52cにおける折り返してループ45aを形成の後、織
成布本体の織組織内に綴り込む部分52dが接紙面側3
1に形成する経糸ナックル14b(図中Lで示す位置に
ある)が、接紙面側表面35(図中Kで示す位置にあ
る)より織成布の厚さ方向内側に位置する継手の構造を
有するものである。なお、図9では織成布に前記第2の
実施形態の構成を有する工業用ベルト50を用いた例を
示した。
【0091】この場合は、前記第1の実施形態、前記第
2の実施形態または前記第3の実施形態の織成布構造を
有する工業用ベルト10,50,60において、第1の
経糸12および第2の経糸13をそれぞれ52,53お
よび54,55の2本ずつ交互に並べて配置した織組織
を用いて、前記折り返してループ45aを形成の後、織
成布本体の織組織内に綴り込む経糸52と、織成布の端
部72から織成布本体側への必要長さ部分を切断、除去
して経糸52が綴り込まれる空隙をつくるための経糸5
3を、前記2本ずつの第1の経糸12を用いて構成する
のが望ましい。
【0092】(第10実施形態)図10は、本発明の第
10の実施形態における一例に係る継手を有する工業用
ベルト130を示した部分断面図である。
【0093】本発明の第10の実施形態における一例で
ある工業用ベルト130は、前述の第9の実施形態に基
づく継手(スパイラルシーム)の構造を有する工業用ベ
ルト120(図9)において、第3実施形態の織成布構
造を有する工業用ベルト60に代え、さらに、該ループ
45aを形成する経糸52(52c)における折り返し
てループ45aを形成の後、織成布本体の織組織内に綴
り込む経糸52dの部分が反接紙面側32に形成する経
糸ナックル16c(図中Nで示す位置にある)も、反接
紙面側表面36(図中Mで示す位置にある)より織成布
の厚さ方向内側に位置する継手の構造を有するものであ
る。
【0094】この場合は、前記第3の実施形態の織組織
において、第1の経糸12および第2の経糸13をそれ
ぞれ52,53および54,55の2本ずつ交互に並べ
て配置すると共に、接紙面側31の1本の太い緯糸21
と反接紙面側32の1本の太い緯糸24、および接紙面
側31の1本の細い緯糸22と反接紙面側32の1本の
細い緯糸25とがそれぞれカンバスの厚さ方向に並んで
位置する織組織を用いて、前記折り返して接合用ループ
40aを形成の後、織成布本体の織組織内に綴り込む経
糸52と、織成布の端部72から織成布本体側への必要
長さ部分を切断、除去して経糸52が綴り込まれる空隙
をつくるための経糸53とを、前記2本ずつの第1の経
糸12を用いて構成するのが望ましい。
【0095】上記第7の実施形態ないしは第10の実施
形態によれば、例えば製紙機械用ドライヤーカンバスや
製紙機械用搬送ベルトの場合、ワープループシームより
なる継手101,111における前記接合用ループ40
を形成する第1の経糸18a、もしくはスパイラルシー
ムよりなる継手121,131における前記ループ45
aを形成する第1の経糸52cの、折り返して織成布本
体の織組織内に綴り込む部分18bもしくは52dにつ
いても、接紙面側表面35もしくは、接紙面側表面35
および反接紙面側表面36において、摩耗および熱劣化
の防止が施された継手の構造となるので、それら経糸の
綴り込む部分18bもしくは52dの強力低下、ならび
に、強力低下に起因する継手部分の織組織の緩みがもと
での、前記接合用ループ40や前記ループ45aの伸び
の発生および継手部分の表面性の劣化やそれによる紙シ
ートの製品品質への悪影響を防ぐことができ、長期にわ
たる製品品質の維持やカンバスや搬送ベルトの使用期間
の延長がさらに期待できて、好適である。特に、第8の
実施形態および第10の実施形態の場合は、前記接合用
ループ40もしくは前記ループ45aを形成の後、折り
返して織成布本体の織組織内に綴り込む部分18bもし
くは52dが、接紙面側表面35および反接紙面側表面
36において摩耗および熱劣化の防止が施された継手の
構造となるので、好適である。
【0096】
【実施例】本発明の実施例および比較例を、以下に図お
よび表1,表2を用いて説明する。なお、各図および各
表において、TMはポリエステルモノフィラメント、P
Sは接紙面側、BSは反接紙面側を表す。
【0097】(実施例1)実施例1のドライヤーカンバ
ス140を、表1に示す仕様と図1に示す接紙面側が1
/3破れ斜文・反接紙面側が3/1破れ斜文織の緯2重
織組織で織成し、ヒートセット加工を施して製作した。
【0098】経糸11は、断面の厚さ方向寸法×幅方向
寸法が0.58mm×0.88mmの扁平断面ポリエス
テルモノフィラメント(TM)から成る第1の経糸1
2、および、同じ断面寸法の扁平断面PPSモノフィラ
メント(PPS)から成る第2の経糸13で構成し、経
糸密度は29.0本/2.54cmとした。また、経糸
11は、図1で( )内にアラビア数字で示した経糸配
置順番に基づき、2本ずつの第1の経糸12と2本ずつ
の第2の経糸13とを緯糸方向に交互に並べて配置し
た。なお、本実施例と異なり、第1の経糸12および第
2の経糸13をそれぞれ1本ずつ交互に配置しても良
い。
【0099】接紙面側31の緯糸の層33には、直径寸
法が0.90mmφの円形断面PPSモノフィラメント
(PPS)の太い緯糸21と、直径寸法が0.70mm
φの円形断面ポリエステルモノフィラメント(TM)の
細い緯糸22を使用し、太い緯糸21と細い緯糸22は
それぞれ1本ずつ交互に配置し、接紙面側31の緯糸2
1,22の密度は12.0本/2.54cmとした。ま
た、反接紙面側32の緯糸の層34には、直径寸法が
0.80mmφの円形断面ポリエステルモノフィラメン
ト(TM)の緯糸23を使用し、緯糸23の密度は1
2.0本/25.4cmとした。すなわち、ドライヤー
カンバス140の緯糸密度は12.0本×2/2.54
cmである。
【0100】上記実施例1のドライヤーカンバス140
は、第1の経糸12が、接紙面側31の1本の細い緯糸
22を内側に織り込んで接紙面側31に経糸ナックル1
4aを形成すると共に、第2の経糸13が、接紙面側3
1の1本の太い緯糸21を内側に織り込んで接紙面側3
1に経糸ナックル15aを形成するように織成して、経
糸ナックル14a(図中Bで示す位置にある)が、経糸
ナックル15a(図中Aで示す位置にある)により規定
される接紙面側表面35よりもカンバスの厚さ方向内側
に位置するドライヤーカンバスである。
【0101】このようにして製作したドライヤーカンバ
ス140は、厚さが3.0mm、通気度が25,050
cm3/cm2・minであった。
【0102】このドライヤーカンバス140を、必要な
長さに切断の後、その長さ方向の両端部72,72にカ
ンバスを無端状に接続するための継手(ワープループシ
ーム)71,71を形成した。図4に継手71の部分断
面説明図を示す。継手(ワープループシーム)71を形
成するにあたっては、2本ずつの第1の経糸12(1
8,19)のうちの1本の経糸18を延長し、折り返し
て接合用ループ40を形成の後、織成布本体の織組織
内、すなわち隣り合う別の第1の経糸19をカンバスの
端部から長さ方向に必要な位置で切断して除去した跡
に、織成布本体の織組織と同様の織組織でもって綴り込
むと共に、2本ずつの第2の経糸13(38,39)の
うちの1本の経糸を緯糸押さえ経糸38として、継手部
先端緯糸26および27を継手部先端の外側から捲回し
て折り返した後、織成布本体の織組織内、すなわち隣り
合う別の第2の経糸39をカンバスの端部から長さ方向
に適当な位置で切断して除去した跡に、織成布本体の織
組織と同様の織組織でもって綴り込み、それらをカンバ
スの幅方向に繰り返して形成した。また、緯糸押さえ経
糸38を継手部先端緯糸26および27の外側から捲回
して折り返すに当たり、緯糸押さえ経糸38と接合用ル
ープ40の根元40aとで囲まれた部分43に、追加の
緯糸28を挿入した。追加の緯糸28には、直径寸法が
0.24mmφの断面円形PPSモノフィラメントを2
本ずつ撚り合わせたものを、さらに2本ずつ撚り合わせ
た撚り糸を用いた。
【0103】(実施例2)実施例2のドライヤーカンバ
ス150を、表1に示す仕様と図2に示す接紙面側が1
/3破れ斜文・反接紙面側が3/1破れ斜文織の緯2重
織組織で織成し、ヒートセット加工を施して製作した。
【0104】経糸11は、断面の厚さ方向寸法×幅方向
寸法が0.58mm×0.88mmの扁平断面ポリエス
テルモノフィラメント(TM)から成る第1の経糸12
および第2の経糸13で構成し、経糸密度は30.0本
/2.54cmとした。また、経糸11は、図2で
( )内にアラビア数字で示した経糸配置順番に基づ
き、2本ずつの第1の経糸12と2本ずつの第2の経糸
13とを緯糸方向に交互に並べて配置した。なお、本実
施例と異なり、第1の経糸12および第2の経糸13を
それぞれ1本ずつ交互に配置しても良い。
【0105】接紙面側31の緯糸の層33には、直径寸
法が0.90mmφの円形断面ポリエステルモノフィラ
メント(TM)の太い緯糸21と、直径寸法が0.70
mmφの円形断面ポリエステルモノフィラメント(T
M)の細い緯糸22を使用し、反接紙面側32の緯糸の
層34にも、直径寸法が0.90mmφの円形断面ポリ
エステルモノフィラメント(TM)の太い緯糸24と、
直径寸法が0.70mmφの円形断面ポリエステルモノ
フィラメント(TM)の細い緯糸25を使用した。ま
た、それぞれの層において、太い緯糸21と細い緯糸2
2および太い緯糸24と細い緯糸25をそれぞれ1本ず
つ交互に配置し、接紙面側31の緯糸21,22の密度
および反接紙面側32の緯糸24,25の密度は共に1
2.4本/2.54cmとした。すなわち、ドライヤー
カンバス150の緯糸密度は12.4本×2/2.54
cmである。
【0106】また、接紙面側31の1本の太い緯糸21
と反接紙面側32の1本の細い緯糸25、ならびに、接
紙面側31の1本の細い緯糸22と反接紙面側32の1
本の太い緯糸24が、それぞれカンバスの厚さ方向に並
ぶように配置した。
【0107】実施例2のドライヤーカンバス150は、
第1の経糸12が、接紙面側31の1本の細い緯糸22
を内側に織り込んで接紙面側31に経糸ナックル14b
を形成し、かつ、反接紙面側32の1本の太い緯糸24
を内側に織り込んで反接紙面側32に経糸ナックル16
bを形成すると同時に、第2の経糸13が、接紙面側3
1の1本の太い緯糸21を内側に織り込んで接紙面側3
1に経糸ナックル15bを形成し、かつ、反接紙面側3
2の1本の細い緯糸25を内側に織り込んで反接紙面側
32に経糸ナックル17bを形成するように織成して、
経糸ナックル14b(図中Bで示す位置にある)が、経
糸ナックル15b(図中Aで示す位置にある)により規
定される接紙面側表面35よりもカンバスの厚さ方向内
側に位置すると共に、経糸ナックル17b(図中Dで示
す位置にある)が、経糸ナックル16b(図中Cで示す
位置にある)により規定される反接紙面側表面36より
もカンバスの厚さ方向内側に位置するドライヤーカンバ
スである。
【0108】このようにして製作したドライヤーカンバ
ス150は、厚さが3.2mm、通気度が27,350
cm3/cm2・minであった。
【0109】このドライヤーカンバス150を、必要な
長さに切断の後、その長さ方向の両端部72,72にカ
ンバスを無端状に接続するための継手(ワープループシ
ーム)101,101を、実施例1と同様の方法によっ
て形成した。図7に継手101の部分断面説明図を示
す。また、追加の緯糸28には、直径寸法が0.24m
mφの断面円形ポリエステルモノフィラメント(TM)
を2本ずつ撚り合わせたものを、さらに2本ずつ撚り合
わせた撚り糸を用いた。
【0110】(実施例3)実施例3のドライヤーカンバ
ス160を、表1に示す仕様と図3に示す、接紙面側が
1/3破れ斜文・反接紙面側が3/1破れ斜文織の緯2
重織組織で織成し、ヒートセット加工を施して製作し
た。
【0111】経糸11は、実施例2と同じ断面寸法の扁
平断面ポリエステルモノフィラメント(TM)から成る
第1の経糸12および第2の経糸13で構成し、経糸密
度は29.5本/2.54cmとした。また、経糸11
は、図3で( )内にアラビア数字で示した経糸配置順
番に基づき、2本ずつの第1の経糸12と2本ずつの第
2の経糸13とを緯糸方向に交互に並べて配置した。な
お、本実施例と異なり、第1の経糸12および第2の経
糸13をそれぞれ1本ずつ交互に配置しても良い。
【0112】接紙面側31の緯糸の層33には、直径寸
法が0.90mmφの円形断面ポリエステルモノフィラ
メント(TM)の太い緯糸21と、直径寸法が0.70
mmφの円形断面ポリエステルモノフィラメント(T
M)の細い緯糸22を使用し、反接紙面側32の緯糸の
層34にも、直径寸法が0.90mmφの円形断面ポリ
エステルモノフィラメント(TM)の太い緯糸24と、
直径寸法が0.70mmφの円形断面ポリエステルモノ
フィラメント(TM)の細い緯糸25を使用した。ま
た、それぞれの層において、太い緯糸21と細い緯糸2
2および太い緯糸24と細い緯糸25をそれぞれ1本ず
つ交互に配置し、接紙面側31の緯糸21,22の密度
および反接紙面側32の緯糸24,25の密度は共に1
2.5本/2.54cmとした。すなわち、ドライヤー
カンバス160の緯糸密度は、12.5本×2/2.5
4cmである。
【0113】また、接紙面側31の1本の太い緯糸21
と反接紙面側32の1本の太い緯糸24、ならびに、接
紙面側31の1本の細い緯糸22と反接紙面側32の1
本の細い緯糸25が、それぞれカンバスの厚さ方向に並
ぶように配置した。
【0114】実施例3のドライヤーカンバス160は、
前述の実施例2と異なり、第1の経糸12が、接紙面側
31の1本の細い緯糸22を内側に織り込んで接紙面側
31に経糸ナックル14cを形成し、かつ、反接紙面側
32の1本の細い緯糸25を内側に織り込んで反接紙面
側32に経糸ナックル16cを形成すると同時に、第2
の経糸13が、接紙面側31の1本の太い緯糸21を内
側に織り込んで接紙面側31に経糸ナックル15cを形
成し、かつ、反接紙面側32の1本の太い緯糸24を内
側に織り込んで反接紙面側32に経糸ナックル17cを
形成するように織成して、経糸ナックル14c(図中B
で示す位置にある)が、経糸ナックル15c(図中Aで
示す位置にある)により規定される接紙面側表面35よ
りもカンバスの厚さ方向内側に位置すると共に、経糸ナ
ックル16c(図中Fで示す位置にある)が、経糸ナッ
クル17c(図中Eで示す位置にある)により規定され
る反接紙面側表面36よりもカンバスの厚さ方向内側に
位置するドライヤーカンバスである。
【0115】このようにして製作したドライヤーカンバ
ス160は、厚さが3.2mm、通気度が26,750
cm3/cm2・minであった。
【0116】このドライヤーカンバス160を、必要な
長さに切断の後、その長さ方向の両端部72,72にカ
ンバスを無端状に接続するための継手(ワープループシ
ーム)111、111を、実施例1と同様の方法によっ
て形成した。図8に継手111の部分断面説明図を示
す。また、追加の緯糸28には、直径寸法が0.24m
mφの断面円形ポリエステルモノフィラメントを2本ず
つ撚り合わせたものを、さらに2本ずつ撚り合わせた撚
り糸を用いた。
【0117】(実施例4)実施例4のドライヤーカンバ
ス170を、表1に示す仕様と図3に示す接紙面側が1
/3破れ斜文・反接紙面側が3/1破れ斜文織の緯2重
織組織で織成し、ヒートセット加工を施して製作した。
【0118】実施例4のドライヤーカンバス170は、
実施例3のドライヤーカンバス160において、接紙面
側31の細い緯糸22および反接紙面側32の細い緯糸
25に直径寸法が0.80mmφの円形断面ポリエステ
ルモノフィラメント(TM)を用いると共に、経糸密度
を29.4本/2.54cm、接紙面側31の緯糸2
1,22の密度および反接紙面側32の緯糸23,24
の密度を共に11.5本/2.54cm(すなわち、カ
ンバスの緯糸密度は11.5本×2/2.54cm)と
し、その他は同じく製作したものである。
【0119】このようにして製作したドライヤーカンバ
ス170は、厚さが3.3mm、通気度が28,800
cm3/cm2・minであった。
【0120】このドライヤーカンバス170を、必要な
長さに切断の後、その長さ方向の両端部72,72にカ
ンバスを無端状に接続するための継手(スパイラルシー
ム)81,81を形成した。図5に継手81の部分断面
説明図を示す。
【0121】継手(スパイラルシーム)81を形成する
にあたっては、2本ずつの第1の経糸12(52,5
3)のうちの1本の経糸52を延長し、折り返してルー
プ45aを形成し、このループ45aにスパイラル線4
6をそれぞれ噛み合わせ、この噛み合い部の共通孔47
aに固定芯線48を挿通した後、織成布本体の織組織
内、すなわち隣り合う別の第1の経糸53をカンバスの
端部から長さ方向に必要な位置で切断して除去した跡
に、織成布本体の織組織と同様の織組織でもって綴り込
むと共に、2本ずつの第2の経糸13(54,55)の
うちの1本の経糸54が、接紙面側31および反接紙面
側32のそれぞれの継手部先端緯糸26および27を外
側から捲回するように折り返してループ45bを形成
し、このループ45bにもスパイラル線46をそれぞれ
噛み合わせ、噛み合い部の共通孔47aに固定芯線48
を挿通した後、織成布本体の織組織内、すなわち隣り合
う別の第2の経糸55をカンバスの端部から長さ方向に
適当な位置で切断して除去した跡に、織成布本体の織組
織と同様の織組織でもって綴り込み、それらをカンバス
の幅方向に繰り返して形成した。固定芯線48には、直
径寸法が1.00mmφの断面円形ポリエステルモノフ
ィラメントを用いた。
【0122】(比較例1)比較例1のドライヤーカンバ
ス180を、表2に示す仕様と図11に示す接紙面側が
1/3破れ斜文・反接紙面側が3/1破れ斜文織の緯2
重織組織で織成し、ヒートセット加工を施して製作し
た。
【0123】経糸11は、実施例1と同じ断面寸法の扁
平断面ポリエステルモノフィラメント(TM)で構成
し、経糸密度は29.5本/2.54cmとした。
【0124】接紙面側31の緯糸の層33および反接紙
面側32の緯糸の層34には、すべて同じ太さの、直径
寸法が0.80mmφの円形断面ポリエステルモノフィ
ラメント(TM)の緯糸23を使用し、緯糸密度は1
2.3本×2/2.54cmとした。
【0125】このようにして製作したドライヤーカンバ
ス180は、厚さが3.0mm、通気度が24,700
cm3/cm2・minであった。
【0126】このドライヤーカンバス180を、必要な
長さに切断の後、その長さ方向の両端部72,72にカ
ンバスを無端状に接続するための継手(ワープループシ
ーム)181,181を形成した。図12に継手181
の部分断面説明図を示す。継手(ワープループシーム)
181を形成するにあたっては、4本ずつの第1の経糸
11のうちの1本を延長し、折り返して接合用ループ4
0を形成の後、織成布本体の織組織内、すなわち4本ず
つの経糸11のうちの隣り合う他の1本の経糸をカンバ
スの端部から長さ方向に適当な位置で切断して除去した
跡に、織成布本体の織組織と同様の織組織でもって綴り
込むと共に、4本ずつの経糸11のうちの別の1本を接
紙面側31および反接紙面側32のそれぞれの最も先端
の緯糸の外側から捲回して折り返した後、織成布本体の
織組織内、すなわち4本ずつの経糸11のうち隣り合う
残りの1本の経糸をカンバスの端部から長さ方向に必要
な位置で切断して除去した跡に、織成布本体の織組織と
同様の織組織でもって綴り込み、それらをカンバスの幅
方向に繰り返して形成した。
【0127】なお、前述した通気度は、JIS L10
96−1999 一般織物試験方法におけるフラジール
形法に準拠した測定装置を用い、規定の測定面積を有す
る空気孔を介して規定の圧力(水柱125Pa)のもと
で単位時間に試験片を通過する空気量(cm3/cm2・min)
を測定したものである。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】(織物表面に表出する経糸ナックルの差の
確認)上記の実施例2〜3および比較例1の各ドライヤ
ーカンバスの接紙面側(PS)および反接紙面側(B
S)の表面に表出する経糸ナックルの差を確認する試験
を、下記の要領で行った。
【0131】すなわち、実施例2、実施例3および比較
例1の各ドライヤーカンバ150,160および180
から試料を切り取り、それぞれの試料片における表面の
状態を、インストロン5568型万能試験装置を用い
て、試料片の上から圧力測定フィルム(富士プレスケー
ル;富士写真フィルム株式会社製)を介して、加圧ヘッ
ド(円形端面、表面積0.002m2)を、加圧力3,
920N(単位面積当たり1,960kPa)、加圧時
間30秒の加圧条件で押し付けて、圧力測定フィルムの
接触点を発色させて、接紙面側および反接紙面側の表面
の状況を確認した。
【0132】図13に、その試験結果を示す。図13に
おいて、(A)は実施例2の接紙面側表面(PS)の状
況、(B)は実施例2の反接紙面側(BS)の状況、
(C)は実施例3の接紙面側表面(PS)の状況、
(D)は実施例3の反接紙面側(BS)の状況、(E)
は比較例1の接紙面側表面(PS)の状況を示したもの
である。なお、各図中の黒点が、表出する経糸ナックル
が接触することにより発色した接触部である。また、表
裏対象の織組織である比較例1では、反接紙面側表面
(BS)の状況が接紙面側表面(PS)の状況とほぼ同
じであったので、接紙面側表面(PS)の状況だけを示
した。
【0133】図13(A)および図13(C)を図13
(E)と比較して明らかなように、実施例2(A)およ
び実施例3(C)では、比較例1(E)に比べて接紙面
側表面(PS)に表出する経糸ナックルの数が緯糸方向
に1/2に減少している。また、図13(B)および図
13(D)を図13(E)と比較すると、実施例2
(B)および実施例3(D)では、比較例1(E)に比
べて反接紙面側表面(BS)に表出する経糸ナックルの
数が緯糸方向に1/2に減少している。
【0134】このように本発明の実施例2および3で
は、接紙面側または、接紙面側および反接紙面側の表面
に表出する経糸ナックルの数が比較例1より大幅に減少
するので、汚れ物質が経糸と緯糸の交錯点付近に多く付
着し経時的に堆積するのを防止することが可能となる。
さらに、接紙面側または接紙面側および反接紙面側の表
面に経糸ナックルが表出しない第1の経糸12、およ
び、反接紙面側の表面に経糸ナックルが表出しない第2
の経糸13の摩耗損傷を防止して、経糸強力の低下を防
止することが可能となる。
【0135】また、実施例1〜4では、経糸の密度が2
9.0本/2.54cm〜30.0本/2.54cmに
対し、緯糸の密度が11.5本×2/2.54cm〜1
2.5本×2/2.54cmと粗くして、経糸12,1
3と緯糸21,22,24,25との交錯点を少なくし
た上に、太さの異なる緯糸21,緯糸22および緯糸2
4,緯糸25を用いて、接紙面側または、接紙面側およ
び反接紙面側の表面に表出する経糸ナックルの数をさら
に減少させたので、接紙面側および反接紙面側の表面へ
の汚れ物質の付着が一層減少し、汚れ物質が付着しても
洗浄などで容易に除去出来ることが可能となる。
【0136】(摩耗量の確認)上記の実施例2、実施例
4および比較例1の各ドライヤーカンバスにおける表面
の摩耗量を、以下の方法により確認した。
【0137】すなわち、試験試料として、実施例2のド
ライヤーカンバス150から試料−1、実施例4のドラ
イヤーカンバス170から試料−2、および比較例1の
ドライヤーカンバス180から試料−3の各試料片を、
各織成布の本体部分から経糸方向を長手にして幅30m
m×長さ500mmの大きさで作成した。次に、図14
に示すように、各試料片303をそれぞれ、#400番
のサンドペーパー302を全周に貼付した周長400m
mのローラー301の周囲に、張力加重0.5kg/c
mのもとに抱き角度略90°で、試料−1、試料−2も
しくは試料−3の接紙面側がサンドペーパー302に接
するように取り付けて、ローラー301を300回/毎
分の一定速度で回転させ、経過時間1分毎に各試料片3
03の厚さ寸法を測定して摩耗量を求め、各試料片30
3における経過時間と摩耗量の関係を確認した。また、
各試料片303を取り外した後に、各試験片から採取し
た経糸の摩耗量を測定した。
【0138】その結果、各試料片における経過時間1分
の時点での摩耗量は、元の厚さに対する割合で表して、
試料−1が7.3%、試料−2が5.2%、試料−3が
5.0%であり、経過時間10分の時点での摩耗量は、
元の厚さに対する割合で表して、試料−1が11.7
%、試料−2が9.9%、試料−3が10.0%であっ
た。
【0139】また、各試料片における経過時間1分から
10分の間における1分毎の摩耗量をもとに、試料−1
と試料−3の摩耗量の差を求めた結果は、各経過時間共
に試料−1が試料−3よりも0.07mm〜0.08m
mだけ摩耗量が多かったが、各経過時間を通じてその差
はほぼ一定であった。同様に、試料−2と試料−3の摩
耗量の差を求めた結果は、各経過時間共に試料−2が試
料−3よりも0.02mm〜0.03mmだけ摩耗量が
多かったが、各経過時間を通じてその差はほぼ一定であ
った。
【0140】さらに、経過時間10分の時点で各試料片
303を取り外した後に、各経糸における接紙面側の経
糸ナックルの頂部での摩耗量を調べた結果、各経糸にお
ける経糸の厚さ寸法に対する摩耗量の割合は、試料−1
では第1の経糸12が46.6%、第2の経糸13が6
3.8%、試料−2では第1の経糸12が46.6%、
第2の経糸13が55.2%であり、試料−3では経糸
11が51.7%であった。
【0141】上記の結果から、接紙面側表面に表出する
経糸ナックルの数が少ない実施例2および実施例4のド
ライヤーカンバス150,170は、同じ断面形状、素
材の経糸を同様の織組織でほぼ等しい経糸密度に用い、
接紙面側表面に表出する経糸ナックルの数がそれらより
多い比較例1のドライヤーカンバス180と比べて、摩
耗初期の段階では、接紙面側に表出する第2の経糸13
の経糸ナックルだけが先に摩耗するため、摩耗初期の段
階での摩耗量が幾分多くなり、また、接紙面側の太い緯
糸21と細い緯糸22の線径差の大きい実施例2の方
が、線径差の小さい実施例4よりも摩耗初期の段階での
摩耗量が多くなるが、摩耗初期の段階を過ぎた例えば経
過時間1分後以降では、経過時間当たりの摩耗量の増加
割合に大きな差異はなく、いずれもほぼ同じ割合で摩耗
が進行していくことが判った。
【0142】さらに、実施例2および実施例4では、接
紙面側の経糸ナックルが織成布の厚さ方向内側に位置す
る第1の経糸12の摩耗量が第2の経糸13よりも少な
くなるため、第1の経糸12の磨耗損傷による強力低下
を防ぐことが出来ることが判った。さらにまた、実施例
2および実施例4における第1の経糸12の摩耗量は、
同じ経過時間における比較例1の経糸11の摩耗量より
も少なくなることが判った。
【0143】したがって、工業用搬送ベルトにおいて、
それを駆動する牽引力や張力が集中的に掛かるループ形
成経糸に、第1の経糸12の一部または全部を用いて継
手を形成すれば、ループ形成経糸の強力低下や、継手部
分の表面性の劣化やそれによる紙シートの製品品質への
悪影響の危険性を回避することができ、使用期間の延長
を計ることが可能となる。
【0144】なお、上記実施例1〜4の各ドライヤーカ
ンバスは、実使用においても、比較例1のドライヤーカ
ンバスよりも表面への汚れ物質の付着が少なかった。
【0145】
【発明の効果】本発明によれば、合成繊維モノフィラメ
ントの経糸および緯糸を用いて織成された製紙機械用ド
ライヤーカンバスや製紙機械用搬送ベルトを始めとする
工業用ベルトにおいて、少なくとも接紙面側の緯糸の層
に太さの異なる緯糸を交互に配し、経糸を、接紙面側の
1本の細い緯糸を内側に織り込んで接紙面側に経糸ナッ
クルを形成すると共に、反接紙面側の1本の緯糸を内側
に織り込んで反接紙面側に経糸ナックルを形成する第1
の経糸と、接紙面側の1本の太い緯糸を内側に織り込ん
で接紙面側に経糸ナックルを形成すると共に、反接紙面
側の1本の緯糸を内側に織り込んで反接紙面側に経糸ナ
ックルを形成する第2の経糸とで構成して、第1の経糸
が接紙面側に形成する経糸ナックルが接紙面側表面より
も織成布の厚さ方向内側に位置するように構成したか
ら、少なくとも接紙面側表面に表出する経糸ナックルの
数が減少し、防汚性ならびに洗浄による汚れ物質の除去
特性が従来のものより優れると共に、少なくとも接紙面
側表面での摩耗損傷、もしくは高温・高湿条件が重畳し
ての摩耗損傷による経糸強力の低下およびそれが元での
汚れ物質の付着・堆積の増加に因る接紙面側の表面性の
劣化が防止できて、従来のものより長期にわたって製品
品質の維持が可能、かつ、形態保持性能や走行性の悪化
を防止できて、従来のものより使用期間の延長が可能な
機械用ドライヤーカンバスや製紙機械用搬送ベルトおよ
び各種工業用の搬送ベルトなどの工業用ベルトを実現す
ることが出来る。
【0146】さらに、本発明によれば、ワープループシ
ームにおける接合用ループもしくはスパイラルシームに
おけるスパイラル線を噛み合わせるループを形成する経
糸を、接紙面側表面または、接紙面側および反接紙面側
表面における摩耗損傷の防止を施した前記第1の経糸で
構成したから、前記ループを形成する経糸の強力低下に
起因する継手における早期の破断発生の危険性、および
継手部分の織組織の緩み,荒れ,汚れ物質の付着・堆積
などがもとでの継手部分の表面性の劣化やそれによる紙
シートの製品品質への悪影響の危険性を回避することが
できて、継手の面からも、従来のものに比べてより長期
にわたる製品品質の維持と、工業用ベルトの使用期間の
延長を図ることが可能となる。
【0147】加えて、本発明によれば、前記第1の経糸
および前記第2の経糸における少なくとも一方の経糸に
耐熱性および/または耐摩耗性の優れる素材から成る合
成繊維モノフィラメントを用いたから、および/また
は、少なくとも接紙面側の緯糸の層における少なくとも
太い緯糸に耐熱性および/または耐摩耗性の優れる素材
から成る合成繊維モノフィラメントを用いたから、耐熱
性および/または耐摩耗性の上記向上効果がさらに強化
される。
【0148】また、本発明によれば、少なくとも接紙面
側おける緯糸の層の少なくとも太い緯糸に、耐熱性およ
び防汚性に優れる素材から成る合成繊維モノフィラメン
トを用いたから、上記防汚性の向上効果がさらに顕著と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態および第1実施例に
おける一例に係る工業用ベルトの織組織を示した経糸方
向の断面説明図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態および第2実施例に
おける一例に係る工業用ベルトの織組織を示した経糸方
向の断面説明図である。
【図3】 本発明の第3の実施形態および第3実施例な
らびに第4実施例における一例に係る工業用ベルトの織
組織を示した経糸方向の断面説明図である。
【図4】 本発明の第4の実施形態における一例に係る
工業用ベルトの継手を示した部分断面説明図である。
【図5】 本発明の第5の実施形態における一例に係る
工業用ベルトの継手を示した部分断面説明図である。
【図6】 本発明の第6の実施形態における一例に係る
工業用ベルトの継手を示した部分断面説明図である。
【図7】 本発明の第7の実施形態における一例に係る
工業用ベルトの継手を示した部分断面説明図である。
【図8】 本発明の第8の実施形態における一例に係る
工業用ベルトの継手を示した部分断面説明図である。
【図9】 本発明の第9の実施形態における一例に係る
工業用ベルトの継手を示した部分断面説明図である。
【図10】 本発明の第10の実施形態における一例に
係る工業用ベルトの継手を示した部分断面説明図であ
る。
【図11】 本発明の比較例に係る工業用ベルトの織組
織を示した経糸方向の断面説明図である。
【図12】 本発明の比較例に係る継手を有する工業用
ベルトの部分断面説明図である。
【図13】 本発明の実施例および比較例の工業用ベル
トについて織物表面に表出する経糸ナックルの差を確認
する試験で、表出する経糸ナックルが接触することによ
り発色した接触部を黒点で示す図で、(A)は実施例2
の接紙面側表面の状況、(B)は実施例2の反接紙面側
表面の状況、(C)は実施例3の接紙面側表面の状況、
(D)は実施例3の反接紙面側表面の状況、(E)は比
較例の接紙面側表面の状況を示す。
【図14】 本発明および比較例の工業用ベルトについ
て表面の摩耗量の確認試験に用いた装置の模式図であ
る。
【符号の説明】 10,50,60,70,80,90,100,11
0,120,130,140,150,160,170
工業用ベルト(製紙機械用ドライヤーカンバス、製紙
機械用搬送ベルトおよび各種工業用の搬送ベルト) 11 経糸 12,18,19,52,53,56,57 第1の経
糸 13,38,39,54,55,58,59 第2の経
糸 14a,14b,14c,15a,15b,15c,1
6a,16b,16c,17a,17b,17c 経糸
ナックル 18a 接合用ループ形成経糸 18b、52d 綴り込む経糸の部分 21,24 太い緯糸 22,25 細い緯糸 23 緯糸 26,27 先端緯糸 28 追加の緯糸 31 接紙面側(PS) 32 反接紙面側(BS) 33 接紙面側の緯糸の層 34 反接紙面側の緯糸の層 35 接紙面側表面 36 反接紙面側表面 40 接合用ループ 40a 接合用ループの根元 41 共通孔 42,49 接合芯線 44 スパイラル線相互の共通孔 45a,45b,45c,45d ループ 46,46 スパイラル線 47a,47b 噛み合い部の共通孔 48 固定芯線 52c ループ形成経糸 71,101,111 継手(ワープループシーム) 72,72 長さ方向両端部 81,91,121,131 継手(スパイラルシー
ム)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F024 AA11 AA13 BA01 BA05 CB05 CB10 4L048 AA34 AA37 AB10 AB11 BA02 BA11 CA00 CA06 CA09 CA11 CA15 DA38 DA39 4L055 CF27 CF28 CF30 CF31 CF33 FA20 FA30

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成繊維モノフィラメントの経糸および緯
    糸を用いた織成布から成る工業用ベルトであって、 緯糸の層が、接紙面側の緯糸の層および反接紙面側の緯
    糸の層を含む少なくとも2層の緯糸の層を有し、 少なくとも接紙面側の緯糸の層が太さの異なる緯糸を交
    互に配して成り、 経糸が、接紙面側の1本の細い緯糸を内側に織り込んで
    接紙面側に経糸ナックルを形成すると共に、反接紙面側
    の1本の緯糸を内側に織り込んで反接紙面側に経糸ナッ
    クルを形成する第1の経糸と、接紙面側の1本の太い緯
    糸を内側に織り込んで接紙面側に経糸ナックルを形成す
    ると共に、反接紙面側の1本の緯糸を内側に織り込んで
    反接紙面側に経糸ナックルを形成する第2の経糸を有
    し、 前記第1の経糸が接紙面側に形成する経糸ナックルが、
    接紙面側表面よりも織成布の厚さ方向内側に位置するこ
    とを特徴とする工業用ベルト。
  2. 【請求項2】前記接紙面側の緯糸の層および反接紙面側
    の緯糸の層が太さの異なる緯糸を交互に配して成り、 前記第2の経糸が接紙面側に形成する経糸ナックルが、
    接紙面側表面よりも織成布の厚さ方向内側に位置するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の工業用ベルト。
  3. 【請求項3】前記接紙面側の緯糸の層および反接紙面側
    の緯糸の層が太さの異なる緯糸を交互に配して成り、 前記第1の経糸が反接紙面側に形成する経糸ナックル
    が、反接紙面側表面よりも織成布の厚さ方向内側に位置
    することを特徴とする請求項1に記載の工業用ベルト。
  4. 【請求項4】前記第1の経糸および前記第2の経糸のう
    ち、少なくとも一方の経糸に、他方の経糸よりも耐熱性
    および/または耐摩耗性の優れる素材から成る合成繊維
    モノフィラメントを用いることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の工業用ベルト。
  5. 【請求項5】前記接紙面側および反接紙面側の緯糸の層
    のうち、少なくとも接紙面側の緯糸の層における、前記
    少なくとも太い緯糸に、前記第1の経糸よりも耐熱性の
    優れる素材から成る合成繊維モノフィラメントを用いる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の工業
    用ベルト。
  6. 【請求項6】前記接紙面側および反接紙面側の緯糸の層
    のうち、少なくとも接紙面側の緯糸の層における、前記
    少なくとも太い緯糸に、前記第1の経糸よりも耐熱性お
    よび防汚性の優れる素材から成る合成繊維モノフィラメ
    ントを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の工業用ベルト。
  7. 【請求項7】前記工業用搬送ベルトが、織成布を構成す
    る経糸の一部を延長し、折り返して接合用ループを形成
    の後、織成布本体の織組織内に綴り込んで、このループ
    列を互いに噛み合わせて成る共通孔に接合芯線を挿通し
    て織成布を無端状に接続するための継手を、織成布の長
    さ方向両端部に有する工業用ベルトであって、 前記折り返して接合用ループを形成の後、織成布本体の
    織組織内に綴り込む経糸を、前記第1の経糸の一部また
    は全部を用いて形成することを特徴とする請求項1〜6
    のいずれかに記載の工業用ベルト。
  8. 【請求項8】前記折り返して接合用ループを形成の後、
    織成布本体の織組織内に綴り込む経糸の部分が形成する
    経糸ナックルであって、接紙面側表面または接紙面側表
    面および反接紙面側表面に形成する経糸ナックルが、織
    成布の表面より厚さ方向内側に位置することを特徴とす
    る請求項7に記載の工業用ベルト。
  9. 【請求項9】前記工業用ベルトが、織成布を構成する経
    糸の一部を延長し、折り返してループを形成し、このル
    ープにスパイラル線をそれぞれ噛み合わせ、この噛み合
    い部の共通孔に固定芯線を挿通した後、織成布本体の織
    組織内に綴り込んでおき、更に2つのスパイラル線を互
    いに噛み合わせて成るスパイラル線相互の共通孔に接合
    芯線を挿通して織成布を無端状に接続するための継手
    を、織成布の長さ方向両端部に有する工業用ベルトであ
    って、 前記スパイラル線をそれぞれ噛み合わせるためのループ
    を形成する経糸を、前記第1の経糸の一部または全部を
    用いて形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載の工業用ベルト。
  10. 【請求項10】前記折り返して接合用ループを形成し、
    このループにスパイラル線をそれぞれ噛み合わせ、この
    噛み合い部の共通孔に固定芯線を挿通した後、織成布本
    体の織組織内に綴り込む経糸の部分が形成する経糸ナッ
    クルであって、接紙面側表面または接紙面側表面および
    反接紙面側表面に形成する経糸ナックルが、織成布の表
    面より厚さ方向内側に位置することを特徴とする請求項
    9に記載の工業用ベルト。
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