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JP2003096348A - インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法及びインクオン記録印刷物 - Google Patents

インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法及びインクオン記録印刷物

Info

Publication number
JP2003096348A
JP2003096348A JP2001286719A JP2001286719A JP2003096348A JP 2003096348 A JP2003096348 A JP 2003096348A JP 2001286719 A JP2001286719 A JP 2001286719A JP 2001286719 A JP2001286719 A JP 2001286719A JP 2003096348 A JP2003096348 A JP 2003096348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
image
transfer medium
ink jet
intermediate transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001286719A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Kuroki
孝彰 黒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2001286719A priority Critical patent/JP2003096348A/ja
Publication of JP2003096348A publication Critical patent/JP2003096348A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度、高彩度で、コックリング等の問題が
なく広範な基材にインクジェット画像のみを良好に転写
でき、且つ転写後のインクジェット画像の強度も十分な
インクジェットインク組成物、インクジェット記録方法
及びインクオン記録印刷物を提供する。 【解決手段】 少なくとも水および分散粒子を含有する
インクジェットインク組成物であって、前記分散粒子の
直径より小さい細孔を有する層上に形成した1次画像と
該1次画像を被記録媒体に再転写した2次画像の色相角
225°での最大C*値が、2次画像の値の方が1次画
像の値よりも、2以上大きいことを特徴とするインクジ
ェットインク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットイ
ンク組成物(以下単に、インクジェットインク、インク
組成物またはインクともいう)、インクジェット記録方
法及びインクオン記録印刷物に関し、詳しくは、特定の
インクジェット記録中間転写媒体を用いることにより高
濃度、高彩度で、コックリング等の問題がなく広範な基
材にインクジェット画像のみを良好に転写でき、且つ転
写後のインクジェット画像の強度も十分なインクジェッ
トインク組成物、インクジェット記録方法及びインクオ
ン記録印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は非接触記録で
あり、小型記録機器から大型機器まで対応が可能であ
り、またカラー化が容易であることから、パーソナルユ
ースから産業用用途まで幅広く用いられている。
【0003】インクジェット記録は、連続ジェット型と
オンデマンド型に大別され、前者は産業用プリンターに
後者は主にパーソナルからOAユースで用いられてき
た。近年では、オンデマンド型の小液滴化、高速印字性
能が向上しており、オンデマンド型が産業用にも用いら
れてきている。
【0004】記録液としてのインクは溶剤型、水系型が
提案されているが、一部の産業用用途を除くと水系イン
クが広く用いられている。
【0005】このような水系インクを用いたシステム
は、近年の画質向上に伴い、フォトグラフ用途、カラー
プルーフ用途などへの適用が検討されている。またカラ
ーマッチング等関連技術の精度向上もあり、厳密な色再
現域を要求するプルーフ用途に於いても外校として使用
されてきており、益々印刷に近似した高濃度・高彩度の
出力品質が要求されてきている。
【0006】印刷の校正用途としては、レーザー溶融熱
転写方式、レーザー昇華熱転写方式、レーザーアブレー
ション転写方式、銀塩方式等各種方式が検討商品化され
ているが、何れもシステム価格が非常に高価で、市場を
席巻するまでにまでには至っていない。
【0007】現存の高級システムと現行のインクジェッ
ト製品とを比較すると、印刷用紙を使用できる。網点出
力ができる。出力速度が速い等の点に差があるのが現状
である。
【0008】しかし一方、インクジェットシステムは装
置が簡便でありシステム価格は大幅に削減でき、またラ
ンニングコストも非常に安価にできる利点が有り、品質
の向上に伴い大きく伸びる可能性を秘めている。
【0009】上記の差を埋めるために各社で検討されて
おり、特に印刷用紙に近似したインクジェット用紙に関
しては、各製紙メーカーなどから次々に開発されてお
り、マット紙、コート紙等は印刷本紙に程近い品質が得
られている状況になってきている。
【0010】しかしながら軽量コートや軽量マット紙、
新聞紙をターゲットとしたインクジェット記録用紙は提
案されていない。
【0011】このような安価なシステムでこそ、軽量コ
ート、軽量マット紙、新聞紙などチラシや雑誌に使用さ
れる印刷用紙への対応が期待される分野であるが、イン
クジェット記録は液体を記録用紙に吐出するため、薄紙
に出力するとコックリング(所謂「しわ」)、溢れ等の
問題で本質的に十分な画像品質が得られないという問題
があった。
【0012】このような問題に対し有効な技術として、
従来から中間転写媒体を用いる方法が提案されており、
特開昭62−92849号公報、特開平1−22633
6号公報には、インクを中間転写媒体に付着させ、イン
クの水分を加熱により蒸発させ、濃縮した後に中間転写
媒体を被記録媒体に圧接、転写することにより紙への浸
透を抑える方法が開示されている。これによると画像の
滲み、紙への裏抜けなどの改善は可能である。しかしイ
ンクを中間転写に吐出してから被記録媒体に転写するま
での過程でインク滴同士が集合し球形となるためにドッ
ト径が大きくなり解像度が低下したり、正確な位置に画
像が保持されないという問題があった。また隣接して異
なる色のインクを吐出した場合には色混じりが発生する
だけでなく、先に吐出したインクの存在により、次のイ
ンクが弾かれるスパッタが発生し画像の鮮明性が低下す
るという問題があった。
【0013】上記の課題に対して、特開平5−2009
99号公報には、インク溶剤のみを吸収するフィルター
層を有する中間転写媒体を有する装置が開示されてい
る。これによると解像度低下や色混じり、スパッタなど
の改善は可能である。しかし、中間転写媒体上で水系イ
ンク画像液滴の色材と溶剤を分離するこれらの方法に
は、2つの大きな問題があった。即ち、「1)水系イン
クの組成の大部分は溶剤と色材であり、溶剤を蒸発/濃
縮することで体積収縮がおこり被転写体への転写性が劣
化する。2)溶剤の蒸発により色材成分の凝集/析出な
どが発生し高品質な画像を得ることが出来ない。」とい
う問題があり、高濃度、高彩度のインクジェット記録を
種各の広範な基材に提供することは困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、高濃度、高彩度
で、コックリング等の問題がなく広範な基材にインクジ
ェット画像のみを良好に転写でき、且つ転写後のインク
ジェット画像の強度も十分なインクジェットインク組成
物、インクジェット記録方法及びインクオン記録印刷物
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0016】1.少なくとも水および分散粒子を含有す
るインクジェットインク組成物であって、前記分散粒子
の直径より小さい細孔を有する層上に形成した1次画像
と該1次画像を被記録媒体に再転写した2次画像の色相
角225°での最大C*値が、2次画像の値の方が1次
画像の値よりも2以上大きいことを特徴とするインクジ
ェットインク組成物。
【0017】2.前記再転写する時に少なくとも加熱処
理を行うことを特徴とする前記1記載のインクジェット
インク組成物。
【0018】3.前記分散粒子が熱可塑性を有する着色
粒子であることを特徴とする前記1または2記載のイン
クジェットインク組成物。
【0019】4.少なくとも水および熱可塑性を有する
着色粒子を含有するインクジェットインク組成物を用い
て中間転写媒体上にインクジェット記録する工程、中間
転写媒体上に噴霧された該インクの揮発成分を除去する
工程、および中間転写媒体上に残留した成分を被転写媒
体に再転写する工程、により画像形成することを特徴と
するインクジェット記録方法。
【0020】5.前記揮発成分を除去する工程が、前記
インクジェット記録する工程と同時に行われることを特
徴とする前記4記載のインクジェット記録方法。
【0021】6.少なくとも水および熱可塑性を有する
着色粒子を含有するインクジェットインクを用いて前記
着色粒子の平均粒径以下の細孔を有する中間転写媒体上
にインクジェット記録する工程、および前記中間転写媒
体上に残留した成分を被転写媒体に再転写する工程、に
より画像形成することを特徴とするインクジェット記録
方法。
【0022】7.前記中間転写媒体のブリストー法で規
定されるエチレングリコール25%水溶液の1秒後の液
体転移量が、5〜200ml/m2であることを特徴と
する前記6記載のインクジェット記録方法。
【0023】8.前記中間転写媒体の表面粗さRa値
が、0.01〜1μmであることを特徴とする前記6ま
たは7記載のインクジェット記録方法。
【0024】9.前記中間転写媒体の最表層が金属蒸着
層であることを特徴とする前記6〜8のいずれか1項記
載のインクジェット記録方法。
【0025】10.前記熱可塑性を有する着色粒子がコ
アシェル構造のマイクロカプセルであることを特徴とす
る前記4〜9のいずれか1項記載のインクジェット記録
方法。
【0026】11.前記コアシェル構造のマイクロカプ
セルのコアの部分に少なくとも染料と熱可塑性樹脂とを
含有することを特徴とする前記10記載のインクジェッ
ト記録方法。
【0027】12.前記コアシェル構造のマイクロカプ
セルのコアの部分に少なくとも顔料と熱可塑性樹脂とを
含有することを特徴とする前記10記載のインクジェッ
ト記録方法。
【0028】13.前記コアシェル構造のマイクロカプ
セルのコアの部分に少なくとも色素ペンダント熱可塑樹
脂を含有することを特徴とする前記10記載のインクジ
ェット記録方法。
【0029】14.前記マイクロカプセルの熱変形開始
温度が50〜150℃であることを特徴とする前記10
〜13のいずれか1項記載のインクジェット記録方法。
【0030】15.前記4〜14のいずれか1項記載の
インクジェット記録方法で作製される特菱アート[三菱
製紙社製:127.9g/m2]上のインクオン記録印
刷物の、色相角225°での最大C*値が50以上10
0未満でありかつJIS−K7105で規定される画像
部の60°光沢が37±10%であることを特徴とする
インクオン記録印刷物。
【0031】以下、本発明を詳細に説明する。 (インクジェットインク組成物)本発明のインクジェッ
トインク組成物は、少なくとも水および分散粒子を含有
するものである。
【0032】本発明で言う分散粒子とは、顔料、分散染
料、着色粒子を言い、中でも着色粒子が好ましい。
【0033】従来公知の顔料分散染料に熱可塑性樹脂エ
マルジョンを添加したものである特願2001−115
194に記載の顔料粒子のポリマーコート粒子も好適に
使用できる。
【0034】ポリマーコートに好適に用いられる熱可塑
性樹脂粒子としては、常温での液物性安定のために融点
が30℃以上が好ましく、より好ましくは40℃以上で
ある。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)ア
クリル酸、ポリエチレングリコール、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセター
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、
セルロース系樹脂、ポリアクリロニトリル、ナイロン、
ポリイミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、チオコール、ポリスルフォ
ン、ポリウレタン、その他これらの樹脂の共重合物等が
挙げられる。中でも、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリエ
チレングリコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ナイロン及びポリウレ
タン等がより好ましく用いられる。これらの材料を2種
以上混合して用いて顔料粒子のポリマーコート粒子を形
成してもよいし、又、2種以上の顔料粒子のポリマーコ
ート粒子を混合して使用してもよい。
【0035】中でも好ましい着色粒子は、油溶性染料な
いし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する系であ
り、好ましいものとしては例えば、特願2001−11
5194に記載の色材をポリマーシェルの色材含有率
が、ポリマーコアの色材含有率の0.8以下であるよう
に含有し、体積平均粒子径が5nm以上、500nm以
下であるポリマーコア及びポリマーシェルからなるよう
な色材含有微粒子等が挙げられ、特に好ましくは例え
ば、特願2001−146067に記載の色材を含有す
るポリマーコアと、コアよりも色材含有量の少ないポリ
マーシェルからなり、体積平均粒子径が5nm以上、5
00nm以下であるような色材含有微粒子等が挙げられ
る。
【0036】本発明のインク組成物は、その他に更に、
水系溶剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、酸素吸収剤などを
含有してもよい。
【0037】本発明のインクジェットインク組成物は、
少なくとも水および分散粒子を含有するインクジェット
インク組成物であって、前記分散粒子の直径より小さい
細孔を有する層上に形成した1次画像と該1次画像を被
記録媒体に再転写した2次画像の色相角225°での最
大C*値が、2次画像の値の方が1次画像の値よりも2
以上大きいことを特徴の一つとする。
【0038】本発明のインクジェットインク組成物は、
色相角225°での最大C*値が1次画像と1次画像を
被記録媒体に再転写した2次画像で1次画像でよりも2
以上大きい(即ち、2以上回復するような)インクジェ
ットインク組成物であれば何れでもよい。3以上大きく
なるものが好ましく、5以上大きくなるものが特に好ま
しい。また、2未満では彩度の回復巾が小さく本発明の
目的とする高品質な画像としては不十分である。最大C
*値の上限は特に限定されないが印刷色のL* **空間
の再現域からして100未満である。
【0039】本発明の分散粒子は、粒径が好ましくは
0.01〜1μm、より好ましくは0.03〜0.5μ
m、特に好ましくは0.05〜0.3μmである。1μ
mを越えると液の分散安定性が悪く、0.01μm未満
では画像の耐光性が悪くなる傾向があり好ましくない。
【0040】本発明の分散粒子は熱可塑性を有している
ことが好ましく、本発明において熱可塑性を有する分散
粒子とは、粒子全体が熱可塑性である場合は言うに及ば
ず、粒子が熱可塑成分を含有して構成されていることを
言い、好ましくは分散粒子質量中、熱可塑成分が10質
量%以上、より好ましくは20質量%以上、特に好まし
くは50質量%以上である。この様な比率で粒子を構成
しておれば色材と熱可塑成分が相溶していても分離して
いてもよく、分離している場合には色材と一体化してい
ることが好ましく、色材を熱可塑成分で被覆しているこ
とが好ましい。
【0041】また本発明で言う熱可塑性を有するとは、
実用的範囲で熱軟化性を有することを言い、特に再転写
時に加熱処理を行う場合に於いては、その加熱温度で軟
化性を示すことを言う。
【0042】本発明の分散粒子は熱可塑性、熱軟化性を
有していることが好ましく、TMA軟化点が50〜15
0℃であることが好ましく、より好ましくは60〜13
0℃、特に好ましくは70〜110℃である。50℃未
満では液保存性が悪くなることがある。また、150℃
を越えると1次画像を被記録媒体に再転写し2次画像と
するときに高温を要し転写性が悪くなることがある。
【0043】TMA軟化点とは、TMA(Thermo
mechanical Analysis)により測定
する。TMA軟化点は、測定対象物を一定の昇温速度
で、一定の荷重を掛けながら昇温し、測定対象物の位相
を観測することにより求める。本発明においては、測定
対象物の位相が変化し始める温度を以てTMA軟化点と
定義する。TMAによる軟化点の測定は、Thermo
flex(理学電気社製)などの装置を用いて行うこと
ができる。例えば、Thermoflexを用い、測定
温度範囲25〜200℃とし、昇温速度を5℃/min
とした際、10gの荷重を直径1mmの石英ガラスピン
(針)にかけた時に位相が変化し始める温度を以てTM
A軟化点とする。
【0044】本発明に好ましく用いられる色素ペンダン
ト熱可塑樹脂としては、400〜700nmに吸収を有
する発色団が分子量1000以上の高分子化合物に共有
結合またはイオン結合で結合したものをいう。該高分子
化合物としては従来公知のものが好ましく用いられる
が、中でも熱可塑性高分子化合物が好ましい。 (中間転写媒体)本発明の中間転写媒体は支持体上に少
なくともインク吸収層と分散粒子の直径より小さい細孔
を有する層とをこの順に有する。 (支持体)中間転写媒体に用いられる支持体としては、
従来公知の支持体を特に制限なく使用することができ
る。厚みは6〜200μmが好ましく、更に好ましくは
25〜125μmである。
【0045】支持体としては、例えば、紙、コート紙、
合成紙(ポリプロピレン、ポリスチレン、又はそれらを
紙と貼り合せた複合材料)等の各種紙類、塩化ビニル系
樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレー
トフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテル
ケトンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエーテル
サルホンフィルム、ポリエーテルイミドスフィルム、ポ
リイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリスチレンフィルム、延伸ナイロンフ
ィルム、ポリアセテートフィルム等の単層或いはそれら
を2層以上積層した各種プラスチックフィルム乃至シー
ト、各種の金属で形成されたフィルム乃至シート、各種
のセラミックス類で形成されたフィルム乃至シート、更
には、アルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等
の金属板、樹脂コーティングした紙に金属の薄膜をラミ
ネート又は蒸着したものが挙げられる。このうち、イン
ク吸収層から溢れたインク溶剤の吸収による滲み防止の
観点から、好ましいのは紙である。
【0046】これらの支持体には、寸法安定化、帯電防
止等の各種加工を施すこともできる。帯電防止剤として
は、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非
イオン系界面活性剤、高分子帯電防止剤、導電性微粒子
の他、「11290の化学商品」化学工業日報社、87
5〜876頁等に記載の化合物などを広く用いることが
できる。
【0047】又従来公知の表面改質技術も好適に使用で
きる。接着性向上のための接着処理としては、火焔放射
処理、硫酸処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などが
挙げられる。又接着層を予め支持体に塗布した支持体を
使用することも好ましい。
【0048】これらの中で特に好ましくは、コロナ放電
処理、及び接着層の導入である。コロナ放電処理を施す
際の支持体膜面出力としては20〜80W/m2が好ま
しく、特に好ましくは30〜70W/m2である。
【0049】接着層としては、従来公知のものが特に制
限なく使用できる。接着層を設ける方法としては、水系
樹脂塗布・溶剤系樹脂塗布・水系ラテックス塗布・ホッ
トメルト塗布などが挙げられる。
【0050】接着層の設計としては、1)支持体と上層
の溶解度パラメーターの中間の物性のものを選択する。
2)支持体と上層に反応性を有する基を含有するものを
選択する。3)粘着性/滑り性の異なる物質を選択する
等、適宜設定することが可能である。
【0051】一般には、支持体作製時に接着層を設ける
ことが、コスト・安定性等の面から有利であり、この様
な点から例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン/酢酸ビ
ニル樹脂などのラテックスを塗接する方法が好ましい
が、特にこれに限定されない。
【0052】この様な接着層付のフィルムベースが各社
から発売されており、これらを好適に使用できる。一例
を挙げると、W−900E、W−900J、W−400
J、T−100E、T−600E、S410E、S11
0G、T600G、H100C、H500、H160L
(以上三菱ポリエステル社製)、P60、Q80、Q8
1、Q82、Q83、Q27、P51、P52、P52
5、P025、S90、S91、S92、S94、S9
5、T90、T91、T94、T95、T98、T9
9、U94、U98、U99、X94(以上東レ社
製)、UL9、U51L74、U51LY(以上帝人社
製)、535、705、505、339、330、53
4(以上デュポン社製)等が挙げられる。
【0053】中間転写媒体は支持体の表面粗さRa値が
10nm〜5μmが好ましく、、より好ましくは15n
m〜3μmであり、特に好ましくは20nm〜1μmで
あることがアンカー効果による熱変形層と下層もしくは
支持体との接着性向上の点から好ましい。更に上記Ra
値にすることは熱変形層の流動性を高め、最終画像担持
体の凹凸追従性を向上した際の画像欠陥の観点から好ま
しい。
【0054】本発明において、支持体の表面粗さRaは
表面粗さ計(RST/PLUS WYCO社製)により
規定されるものである。
【0055】この様な点から支持体としては、易滑性向
上の目的で積極的にマット剤を増量添加したもの、サン
ドブラスト加工したもの、エンボス加工したものを好ま
しく使用できる。
【0056】又白色顔料などを練り込んだ白色支持体
は、均一な微粒子の存在により目的の表面粗さを安定に
得られるという点から非常に好ましい。
【0057】又一方、中間転写媒体は、最終画像担持体
に画像を熱転写するため、インク吸収層上に画像を形成
した時点での表裏の判別が容易であることは取り扱い上
重要である。この点から、白色支持体の中でも、CIE
色空間における明度指数L*、知覚色度指数a*,b*
定義したとき、支持体のL*については60以上が好ま
しく、更に好ましいのは80以上である。又、a*、b*
については、a*:−10〜+10、b*:−10〜+1
0が好ましく、a*:−5〜+5、b*:−5〜+5であ
る白色支持体であることは更に好ましい態様である。
【0058】本発明において規定されるL***
は、グレタグSPM−100及び色測定用標準ブラック
バッキングを用い測定することができる。 (インク吸収層)インク吸収層は、細孔を有する層の下
にあり、中間転写媒(細孔を有する層)上に記録される
インクジェットインクのインク溶媒成分等を吸収し、分
散粒子(着色粒子)成分を細孔を有する層(中間転写媒
体)上に残留させることが特徴である。
【0059】又インク吸収層は、良好な記録品質を得る
目的から、ブリストー法による液体吸収性試験における
エチレングリコール25%水溶液の接触時間1秒後の液
体転移量が5〜200ml/m2であるのが好ましく、
0.5秒後の液体転移量が5〜200ml/m2である
のがより好ましく、0.3秒後の液体転移量が5〜20
0ml/m2であるのが特に好ましい。また上記の液体
以外にも広範な水系溶剤について吸収性が高いことが好
ましい。
【0060】尚、本発明におけるブリストー法による液
体吸収性試験(詳細はJ.TAPPI紙パルプ試験方法
No.51参照)とは、ヘッドボックスに15μlのエ
チレングリコール25%水溶液を添加して求めた接触時
間1秒での転移量を指しており、ブリストー試験装置と
しては熊谷理機工業(株)製液体動的吸収試験機が使用
される。
【0061】インク吸収層には透明性は要求されない。
この為に、支持体と兼ねて従来公知の紙をインク吸収層
として用いることが可能である。この様な紙としては、
灰化処理を500℃、4時間とした以外はJIS P−
8126に準じて測定された灰分(以下、灰分と略す)
が10%以上で、且つJIS P−8140に規定され
たコッブ法による10秒サイズ度(以下、サイズ度と略
す)が7〜50g/mであることが好ましい。ここで、
灰分が10%より少ない、或いはサイズ度が7g/mよ
り小さい場合、インクの吸収性が低下し、印字ドットが
重なった部分などではインクの流れ出し、滲みが起こっ
てしまう。又、サイズ度が50g/mより大きい場合、
インク受容層中のバインダーが基紙内部まで浸透してし
まい、満足する塗層強度が得られない。
【0062】インク吸収層に使用する支持体は、木材パ
ルプと顔料を主成分として構成される。木材パルプとし
ては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、P
GW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなど
の機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどが挙げら
れ、更に、ケナフ、バカス、竹、コットンなどの非木材
パルプも使用でき、必要に応じて従来公知の填料やバイ
ンダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオ
ン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて
混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙
機、オントップ型抄紙機、ハイブリッド型抄紙機などの
各種装置で原紙の製造が可能であり、酸性、中性、アル
カリ性で抄造できる。又、該原紙にそのままインク吸収
層を設けてもよいし、澱粉、ポリビニルアルコールなど
のサイズプレスやアンカーコート層を設けた後にインク
受容層を設けてもよい。
【0063】その他、インク吸収層には熱可塑性は要求
されない為、バインダーとしては親水性の高いものの使
用がより好ましい。例えば従来公知の親水性樹脂をバイ
ンダーとして使用することが可能である。この様なもの
としては、例えば、デンプン及びその他の誘導体、アル
ギン酸及びその誘導体、デキストリン及びその誘導体、
アラビアガム、メチルセルロース及びその誘導体、CM
C及びその他の誘導体、ヒドロキシエチルセルロース及
びその他の誘導体、カゼイン等の天然又は半合成高分
子。ポリビニルピロリドン系樹脂、メラミン樹脂等の合
成高分子を挙げることができる。
【0064】又、インク吸水性を向上する観点から上記
バインダーに併せて、フィラーを添加し、使用すること
が好ましい。本発明で好適に使用できるフィラーとして
は顔料が挙げられ、例えば、水酸化アルミニウム、アル
ミナ、非晶質シリカ、酸化マグネシウム、コロイダルシ
リカ、コロイダルアルミナ、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チ
タン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アル
ミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ホワイ
トカーボン等の無機顔料類、スチレン系、アクリル系、
尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ベンゾグアナミン樹脂系
の有機顔料類が使用できる。
【0065】又フィラーとしては熱可塑性樹脂粒子も使
用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリメタクリル酸
エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリエーテル、ポ
リエステル、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、ポ
リアクリロニトリル、ナイロン、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、チオコール、ポリスルフォン、ポリウレタン、その
他これらの樹脂の共重合物等が挙げられる。中でも、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニル、ナイロン、アクリル及びポリウレタン等から
なる微粒子がより好ましく用いられる。特に好ましいの
は、ポリ塩化ビニル、アクリル及びポリウレタンであ
る。又、これらの材料から2種以上混合して形成した微
粒子を、又は2種以上の微粒子を混合して使用してもよ
い。これらの中で、40〜120℃の軟化点を有する粒
子の使用が好ましく、特に好ましくは50〜100℃の
軟化点を有する粒子の使用である。
【0066】この様な吸収層としては具体的には、従来
公知の空隙型インク吸収層が挙げられる。
【0067】空隙型インク吸収層はインク吸収層に空隙
を有するもので、無機微粒子と少量の親水性ポリマーを
含有する空隙を有する多孔質皮膜のものが好ましい。こ
のような無機微粒子の例としては、例えば、軽質炭酸カ
ルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カ
オリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、
炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケ
イソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非
晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダル
アルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポ
ン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料
等を挙げることができる。その様な無機微粒子は、1次
粒子のまま用いても、又、2次凝集粒子を形成した状態
で使用することもできる。
【0068】本発明においては、特に微細な空隙が形成
できる観点より、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ
又は擬ベーマイトが好ましく、特に平均粒径(1次粒子
の平均粒径を指す)が100nm以下の、気相法により
合成されたシリカ、コロイダルシリカ及び擬ベーマイト
が好ましい。更には、平均粒径が100nm以下の気相
法により合成されたシリカが、本発明の効果をより奏す
る点で特に好ましい。
【0069】無機微粒子の平均粒径は、粒子そのもの或
いは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100
個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均値(個数平
均)として求められる。ここで個々の粒径はその投影面
積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
【0070】空隙層に用いられる親水性ポリマーとして
は、膨潤型インク吸収層で用いられる親水性ポリマーと
同様のものが用いられるが、好ましい親水性ポリマーは
ポリビニルアルコールである。好ましく用いられるポリ
ビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して
得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカ
チオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を
有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリ
ビニルアルコールも含まれる。
【0071】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が300以上のものが好ま
しく用いられ、特に平均重合度が1000〜5000の
ものが好ましく用いられる。ケン化度は70〜100%
のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ま
しい。
【0072】又、インク吸収層に用いられる無機微粒子
と親水性バインダーの比率は質量比で通常2:1〜1
0:1が好ましく、特に3:1〜8:1が好ましい。無
機微粒子の親水性バインダーに対する比率を上記の如く
大きい値にすることでインク吸収層は高空隙率を達成す
ることができる。好ましい空隙率は40〜80%であ
り、特に50〜70%が好ましい。空隙率は以下の式に
従って得られた値である。
【0073】空隙率=100×〔(全乾燥膜厚−塗布固
形分膜厚)/全乾燥膜厚〕 又、上記空隙層が親水性ポリマーとしてポリビニルアル
コールを含有する場合には皮膜の造膜性を改善し、又皮
膜の強度を高めるために、硬膜剤を添加することが好ま
しく、例えば、エポキシ化合物、ほう酸又はその塩が挙
げられ、中でもほう酸又はその塩は好ましい。ほう酸又
はその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸及
びその塩のことを示し、具体的にはオルトほう酸、メタ
ほう酸、次ほう酸、四ほう酸、五ほう酸及びそれらの塩
が含まれる。
【0074】ホウ酸又はその塩の使用量は、塗布液の無
機微粒子や親水性ポリマーの量により広範に変わり得る
が、親水性ポリマーに対して通常1〜60質量%、好ま
しくは5〜40質量%である。
【0075】本発明においては、インク吸収速度は速く
画像のムラが少なく、又親水性ポリマーの使用量が比較
的少ないためにカールの発生が比較的少ないことからも
インク吸収層が空隙を有する多孔質皮膜であるのが好ま
しい。
【0076】又インク吸収層の付量は、支持体を兼ねる
場合、40〜100g/m2であることが好ましく、そ
の他の場合5〜30g/m2であることが好ましく、特
に好ましくは8〜25g/m2である。 (細孔を有する層)本発明の中間転写媒体は支持体上に
インク吸収層と、分散粒子(着色粒子)の平均粒径以下
の細孔を有し分散粒子(着色粒子)の平均粒径以下であ
る物質のみを通過させる細孔を有する層を有することを
特徴とする。
【0077】この中間転写媒体は、この細孔を有する層
の細孔の径より大きい分散粒子を有するインクを用いた
場合、インクの分散粒子のみを細孔を有する層上に残
し、インク溶剤を下層に浸透させることができる。この
ため、細孔を有する層より下層に分散粒子の色材が進入
することがなく、中間転写媒体表面に分散粒子の色材を
残留させることができる。
【0078】上記細孔を有する層の好ましい細孔径は、
インクの分散粒子径により適宜に設定すればよいが、イ
ンクの分散粒子径の1/10〜9/10に設定すること
が好ましく、より好ましくは1/5〜4/5に設定する
ことである。1/10より細孔径が小さいとインクの吸
収性が劣化する傾向にあり、9/10より大きいと再転
写性が劣化する傾向にあり好ましくない。
【0079】細孔を有する層は、インク溶剤に対し実質
的に不溶性であり、且つインク溶剤の浸透性を有する層
であることが好ましく、上記の構造を有する中間転写媒
体に分散粒子を含むインクで記録する際に、インク溶媒
のみを下層に浸透させ、分散粒子を細孔を有する層より
上に保持させることができる。
【0080】細孔を有する層としては、金属蒸着層を好
ましく採用でき、そのうち特に薄膜金属蒸着層が上述の
好ましい細孔径を有することができ、かつ溶剤に不溶で
あるという観点から非常に好ましい。上記の様な細孔を
有する層の細孔径については、金属蒸着層の膜厚で制御
可能である。又別の方法として真空度の制御や純度、蒸
着化合物/金属種を選択することで最適に制御すること
ができる。
【0081】この様な金属蒸着層としては金属、金属合
金、金属化合物、金属酸化物等が好ましく、この様な物
を従来公知の蒸着方法で設けてもよく、またこれら粒子
を電解分散法により自己分散させ塗工/乾燥した膜を使
用することも非常に好ましい。例えば、金属蒸着層の金
属としては、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、ニッ
ケル、チタン、スズ等の金属、金属合金、金属化合物、
金属酸化物等が挙げられる。特にアルミニウム、ニッケ
ル、クロムは蒸着の容易さ、経済性から好適である。金
属蒸着方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、イ
オンプレーティング法等のPVD法が好ましく用いられ
る。
【0082】本発明の中間転写媒体は、ブリストー法で
規定されるエチレングリコール25%水溶液の1秒後の
液体転移量が5ml/m2〜200ml/m2であること
が好ましく、より好ましくは、0.5秒後での液体転移
量が5ml/m2〜200ml/m2であり、特に好まし
くは0.3秒後の液体転移量が5ml/m2〜200m
l/m2である。5ml/m2未満では吸収が悪く滲んで
画質が劣化することがある。また、200ml/m2
越えるようにするのには膜が脆くなることがある。また
上記の液体以外にも広範な水系溶剤について吸収性が高
いことが好ましい。
【0083】また、中間転写媒体の表面粗さRa値が
0.01〜1μmであることが好ましく、より好ましく
は、0.05〜0.8μmであり、特に好ましくは0.
10〜0.6μmである。Ra値が1μmを大きく越え
ると色材の転写性が劣化する傾向にある。またRa値が
0に限りなく近いと形成ドットの形状が不安定になり、
0.05以上がより好ましい。尚、本発明における表面
粗さRa値は、表面粗さ計(RST/PLUS WYK
O社製)により測定される値であり、対物レンズが×1
0倍、中間レンズが×1.0倍で、624×464μm
の視野を5回測定した平均値として求められる。尚、各
層が光透過性なので、試料表面に蒸着により50nmの
厚みのAlコーティングを施したのち測定する。 (被転写媒体)本発明においては、本発明の中間転写媒
体によりインク溶媒を被転写媒体への記録(再転写)よ
りも前に除去してしまってあるので、インクジェット記
録に従来用いられていた被転写媒体には勿論のこと、水
系染料インク、水系顔料インクを用いたインクジェット
記録が従来できなかったインク吸収量、即ちブリストー
法での1秒後の液体転移量が5ml/m2以下の被転写
媒体にまでもインクジェット記録が可能である。またブ
リストー法での1秒後の液体転移量が5〜10ml/m
2程度の従来インク吸収性が十分でない被転写媒体に対
しても、溢れ、滲み等による問題を生じること無く、安
定に、良好なインクジェット記録を提供することができ
る。
【0084】ブリストー法での1秒後の液体転移量が5
ml/m2以下の被転写媒体としては、具体的には例え
ば、従来公知のAl、Cu、SUS等の金属板、金属箔
等の金属類、PET、PES、PE、PP、PS、TA
C、ポリカーボネートなどのフィルム基材/カード類、
ウレタン、SBS、SIS、SEBS等のゴム基材類、
アート紙、コート紙、マットコート紙、軽量コート紙、
微塗工紙、新聞原紙等の印刷用紙、及びこれらの基材を
組み合わせた複合基材類、上記ブリストー法での1秒後
の液体転移量が5ml/m2以下の表面を有する全ての
基材等を挙げることができる。これらの中で、印刷用
紙、フィルム、金属箔、又はこれらの組み合わせ基材を
好ましいものとして挙げることができる。
【0085】本発明において印刷用紙としては、従来公
知の被印刷体を挙げることができる。例えば、各種紙/
合成紙などを特に制限なく挙げることができ使用するこ
とができる。
【0086】紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙
としては、1m2あたりの塗工量が片面20g/m2前後
のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g/m2
後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g/m2
後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマット
コート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙など
を挙げることができる。
【0087】非塗工紙としては、化学パルプ100%使
用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙
B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙
C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パル
プを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを
挙げることができる。
【0088】更に詳しくは、『最新紙加工便覧』紙加工
便覧編集委員会編 テックタイムス発行、『印刷工学便
覧』日本印刷学会編などに詳細に記載されている。 (画像形成)次に、インクジェット記録による画像形成
を説明する。
【0089】本発明では、上記のインク組成物及び中間
転写媒体を用い、中間転写媒体上に1次画像を形成し、
次いで所望の被記録媒体に再転写し2次画像を形成する
ことにより画像を得る。この様に作製した1次画像の色
相角225°の最大C*値と再転写した2次画像の色相
角225°の最大C*値とが、2次画像の方が2以上大
きくなることが特徴である。
【0090】色相角225°の最大C*値の求め方は、
ISO12647で規定される標準チャート[IT8.
7/3]の標準チャートを出力し、出力終了後、10分
後から測色した928点のL***データから3次元
色空間での色域マッピングを行い、3次元色域をL*
ら色相角225°の面で切った断面で形成されるC*
の最大値を求める。
【0091】測色は、測色機[グレタグマクベス社製;
spectrolino,keywizard]を用
い、以下の条件で行なった。
【0092】光源 ; D50 視野 ; 2°視野 濃度 ; ANSI T 白色基準 ; abs フィルター; No−filter 上記の測定を1次画像、2次画像について行いその差で
評価した。
【0093】本発明に於いては、2次画像について色相
角225°の最大C*値が1次画像よりも2以上大きく
なる(回復する)ものであれば何れも好ましく、3以上
大きくなるものがより好ましく、5以上大きくなるもの
が特に好ましい。本発明に於いては、再転写の際に加熱
することが好ましく、加熱及び加圧処理を行うことがよ
り好ましい。
【0094】本発明の請求項15の発明のインクオン記
録印刷物は、請求項4〜14のいずれか1項の発明のイ
ンクジェット記録方法で作製される特菱アート[三菱製
紙社製:127.9g/m2]上のインクオン記録印刷
物の、色相角225°での最大C*値が50以上100
未満でありかつJIS−K7105で規定される画像部
の60°光沢が37±10%であることを特徴とする。
【0095】色相角225°での最大C*値が、50未
満ではアート紙の印刷物として彩度が低く品質が劣るこ
とがある。また、上限は印刷色のL***空間の再現
域からして100未満である。
【0096】画像部の60°光沢が27%未満では光沢
がアート紙の品質より劣り異なってしまうことがある。
また、47%を越えると光沢がアート紙の品質より勝っ
て異なってしまうことがある。
【0097】本発明のインクジェット記録方法のプロセ
スを自動で処理可能なインクジェット記録装置の一例と
して、本発明の請求項4の発明のインクジェット記録方
法に用いられるインクジェット記録装置の一例を示す断
面図を図1に示す。
【0098】本装置は、インクジェット記録ヘッド1と
プラテンを兼ねたドラム2を有する。ドラム2は、内部
に加熱手段3を有しており、熱を表面に有効に伝達でき
る。
【0099】また、ドラム2の表面には、図示されてい
ない中間転写媒体保持手段から中間転写媒体4を巻きだ
し搬送ローラー5を介し、ドラム2に巻きつけられる。
【0100】ドラム2は図示されていない回転手段を有
し、インクジェット記録ヘッドに具備された図示されて
いない中間転写媒体感知センサーが感知するまで、高速
で中間転写媒体を搬送する。その後、インクジェット記
録の際は、図示の方向に間欠で搬送され、インクジェッ
ト記録の副走査をなす、主走査は図2のインクジェット
記録ヘッドとドラムの平面図で示されるインクジェット
記録ヘッド1が高速にドラム2のドラムヘッドと平行に
移動しながら記録を行う。インクジェット記録ヘッド1
は、図2に示されるように、複数のヘッドを有してい
る。図2では、KCMYの4色ヘッドを1例として挙げ
ている。本発明では、高速駆動可能なピエゾ方式を採用
し、主走査30000Hzの720dpi(ドット数/
2.45cm)出力と90dpi 128ノズルの8段
記録で、720×720dpiを実現している。
【0101】また、ヘッドはその印加電圧、印加パルス
などにより、吐出する1dotあたりの液滴量を変化す
ることができ、ノズル径、印加パルス、印加電圧などに
より吐出する液滴の飛翔速度を変化させることが可能で
ある。
【0102】上記のようなヘッドを用いてインクジェッ
ト画像記録を行う。画像記録は、加熱された中間転写媒
体上でなされるため、従来の課題である解像度低下、色
混じり、にじみを生ずる前に乾燥される。しかしなが
ら、急速な溶媒分の揮発により色材の凝集が生じ、濃度
/彩度の低い画像を形成している。
【0103】こうして得られた中間転写媒体上の画像と
被転写媒体6とを、圧力ローラー7とドラム2との間の
圧力によりニップすることで、一体化する。圧力ローラ
ーは、従来公知の方法で、ドラムに対して圧着されてい
ることが好ましく、圧力0.2〜10kg/cm、ドラ
ムと同様加熱されていることが好ましい。圧力ローラー
のゴム硬度は50〜80が好ましく、ゴム厚は1〜15
mmが好ましい。
【0104】このようにして、一体化された被転写媒体
と中間転写媒体を剥離することで、被転写媒体上にイン
クジェット画像のみを転写可能であり、この転写工程に
より画像の濃度/彩度が向上し良好な記録物を得ること
ができる。
【0105】画像を転写した中間転写媒体は、剥離部材
8によりドラム2表面から剥離され、搬送ローラー9を
介し、図示されていない巻き取り部に回収される。
【0106】図には例示していないが、上記の中間転写
媒体を繰り返し使用することも可能である。
【0107】又、本発明の請求項6の発明のインクジェ
ット記録方法に於いては、ドラム2の加熱手段は必ずし
も必要でなく、装置の簡便化を図ることも可能である。
【0108】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではな
い。
【0109】実施例1 [インクジェットインク]以下に示す構成のインク組成
物を調製した。 [顔料インク−1の調製]Yインク、Mインク、Cイン
ク、Kインク各々について下記組成のものを作製した。
【0110】 色材(表1記載) 10質量% クレオソート油スルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物 (花王社製 デモールC) 2.5質量% 2−(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ソーダ 0.01質量% グリセリン 10質量% エチレングリコール 13質量% 空中落下菌採取水 全質量が100gになるように残分調整
【0111】
【表1】
【0112】[顔料インク−2の調製]ポリマーとし
て、ポリビニルブチラール(積水化学(株)製BL−
S、平均重合度350)15g、ジョンクリル67(ジ
ョンソンポリマー(株)製)5g、色材(顔料インク−
1の場合と同じ)各10g、及び酢酸エチル150gを
セパラブルフラスコに入れ、フラスコ内をN2置換後、
攪拌して上記ポリマー及び染料を完全溶解させた。引き
続き、更に、ジョンクリル67を中和するのに必要量の
水酸化ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム3gを
含む水溶液150gを滴下して撹拌した後、超音波分散
機(UH−150型、株式会社エスエムテー製)を用い
て70℃、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸
エチルを除去し、染料を含浸するポリマーエマルジョン
(顔料インク−2の各Yインク、Mインク、Cインク、
Kインク)を得た(シェルポリマー:ジョンクリル、2
5%)。
【0113】尚、ポリマーBL−SのTg=54度、T
MA軟化点は80℃であった。 [顔料インク−3の調製] ポリマー ポリビニルブチラール(積水化学製BL−S、平均重合度350) 15g 色剤(顔料インク−1の場合と同じ) 各10g 酢酸エチル 150g をセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガス置
換後、攪拌して上記ポリマーおよび染料を完全に溶解さ
せた。引き続き、更に、ラウリル酸ナトリウム3gを含
む水溶液150gを滴下して攪拌した後、超音波分散機
(UH−150型、株式会社エスエムテー製)を用いて
70℃、300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エ
チルを除去し、染料を含浸するポリマーエマルジョンを
得た。
【0114】その後、過硫酸ナトリウム0.1gを添加
後、窒素気流下、80℃で2.5gのスチレンと、2.
5gの2−ヒドロキシエチルメタクリレートの混合物を
2時間かけて滴下、重合させて、コアシェル型である顔
料インク−3(各Yインク、Mインク、Cインク、Kイ
ンク)を得た(シェルポリマー:スチレン−2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート共重合体、25%)。
【0115】尚、コアポリマーBL−Sは、Tg=54
度、TMA軟化点は80℃であった。また、シェルポリ
マーは、Tg=85度、TMA軟化点は128℃であっ
た。 [中間転写媒体−1の作製] 支持体−1の作製 支持体ボイドPETフィルム[東レ社製:QE02 比
重:0.7]に下記のインク吸収層塗布液−1を乾燥付
量20g/m2となるように塗布/乾燥しインク吸収層
を設けて支持体−1を得た。なおインク吸収層塗布液−
1は固形分20%になるようイオン交換水で調整した。 [インク吸収層塗布液−1] 合成非晶質シリカ(アエロジルA300 日本アエロジル社製) 70部 PVA (PVA−117、クラレ社製) 15部 ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド系カチオン樹脂 (PAS−H−5L、日東紡績社製) 15部 「仮支持体上の細孔層(ニッケル金属蒸着層)、接着剤
層−1」の作製 一方、仮支持体のOPPフィルム[アルファンS:SS
−121 #20 王子製紙社製]上にニッケル金属蒸
着層を20nmとなるように形成して細孔層−1を形成
した。後、仮支持体/細孔層−1の上に更に接着剤パデ
ラコールIJ−70[ウレタンラテックス:大日本イン
キ社製]を乾燥膜厚1μmとなるように塗布乾燥し接着
剤層を形成し、「仮支持体上の細孔層(ニッケル金属蒸
着層)、接着剤層−1」を得た。
【0116】上記支持体−1のインク吸収層面と、「仮
支持体上の細孔層(ニッケル金属蒸着層)、接着剤層−
1」の接着剤層−1面とが対向するように接合し、コニ
カ社製EV−LaminatorIIの標準条件で熱転写
し、後、仮支持体(OPPフィルム)を剥離し、支持体
/インク吸収層−1/接着剤層−1/細孔層−1の構成
の中間転写媒体−1を得た。
【0117】得られた中間転写媒体−1のブリストー法
で規定されるエチレングリコール25%水溶液の1秒後
の液体転移量は、30g/m2であった。 [画像形成]インクジェットプリンター(マッハジェッ
トMJ−810C;セイコーエプソン社製)に上記の顔
料インク−1、顔料インク−2、顔料インク−3及び中
間転写媒体−1を用い画像出力を行なった。その後、中
間転写媒体−1の印字面と被記録媒体−1としての特菱
アート[三菱製紙社製、127.9g/m2]とを接合
して、コニカ社製のEV−LaminatorIIを用い
て、転写温度:下ロール120℃ 上ロール100℃、
速度:5mm/secの条件で貼合し、後、中間転写媒
体−1を手で剥離することにより、被記録媒体−1(特
菱アート[三菱製紙社製、127.9g/m2])に画
像を形成した。 評価項目 画像出力条件の設定 画像出力は、インクジェット専用紙[QP−PRO フ
ォトシルキー:コニカ社製]でのインクの各色が以下の
目標濃度となるように調整し、以下の評価はこの目標濃
度をもとにして行う。
【0118】Y ; 1.04 M ; 1.53 C ; 1.48 K ; 1.83 測色は、測色機[グレタグマクベス社製;spectr
olino,keywizard]を用い、以下の条件
で行なった。
【0119】光源 ; D50 視野 ; 2°視野 濃度 ; ANSI T 白色基準 ; abs フィルター ; No−filter [表面粗さ:Ra値]表面粗さ:Ra値は、各層が光透
過性なので、試料表面に蒸着により50nmの厚みのA
lコーティングを施したのち、表面粗さ計(RST/P
LUS WYKO社製)を用い、対物レンズが×10
倍、中間レンズが×1.0倍で、624×464μmの
視野を5回測定した平均値として求めた。 [液体転移量(ブリストー法)]液体吸収性試験(詳細
はJ.TAPPI紙パルプ試験方法No.51参照)に
準じて行った。即ちヘッドボックスに15μlのエチレ
ングリコール25%水溶液を添加して接触時間1秒での
転移量を、ブリストー試験装置(熊谷理機工業(株)製
液体動的吸収試験機)を使用して測定した。 [転写性]各色目標濃度のベタを作製し、被記録媒体に
転写し、剥離した画像を目視で評価した。
【0120】 ○・・・被記録媒体上に中間転写媒体上の画像が全て転
写されている △・・・被記録媒体上に画像が形成されているが、中間
転写媒体上に色材が残留している ×・・・被記録媒体上に中間転写媒体上の画像が良好に
移行しない [定着性]各色目標濃度のベタを作製し、最終転写体に
転写後の印字部分に[カバーアップテープ652:住友
スリーエム社製]を貼り付け、剥がした状態を目視で以
下の基準に基づき転写評価をおこなった。
【0121】 ○・・・剥がれ無し △・・・一部転写部が剥がれる ×・・・転写部がすべて剥がれる [濃度]各色目標濃度のベタを作製し、2次画像の濃度
を上記の測色機、測色条件にて測定した。 [彩度]色相角225°でのC*値の最大値の求め方
は、ISO12647で規定される標準チャート[IT
8.7/3]の標準チャートを出力し、出力終了後、1
0分後から測色した928点のL***データから3
次元色空間での色域マッピングを行い、3次元色域をL
*から色相角225°の面で切った断面で形成される色
相角225°での最大C*値(即ち、C*値の最大値)を
彩度として求めた。
【0122】測色は、測色機[グレタグマクベス社製;
spectrolino,keywizard]を用
い、以下の条件で行なった。
【0123】光源 ; D50 視野 ; 2°視野 濃度 ; ANSI T 白色基準 ; abs フィルター ; No−filter 上記の測定を1次画像、2次画像について行い色相角2
25°でのC*値の最大値(彩度)を求めた。また、そ
の差も求めた。 [光沢性]特菱アート[三菱製紙社製:127.9g/
2]に転写し、紙と画像部との光沢の差を確認した。
光沢は60°光沢度を測定した。測定方法はJIS−K
7105に準拠した。
【0124】 ◎・・・画像部と紙の光沢の差が5未満 ○・・・画像部と紙の光沢の差が5以上10未満 ×・・・画像部と紙の光沢の差が10以上 結果を表2に示す。
【0125】
【表2】
【0126】表2から、本発明の場合に、転写性、定着
性が良好で、高濃度、高彩度のインクオン記録印刷物が
得られることがわかる。
【0127】実施例2 中間転写媒体−1を下記の中間転写媒体−2に変更した
以外は実施例1と同様に行い、同様に評価した。 [中間転写媒体−2] [支持体−2]支持体ボイドPETフィルム[東レ社
製:QE02 比重:0.7]に下記のインク吸収層塗
布液−2を乾燥付量20g/m2となるように塗布/乾
燥しインク吸収層を設けた。なおインク吸収層塗布液−
2の塗工液は固形分20%になるようイオン交換水で調
整した。
【0128】後、その上に、パデラコールIJ−70
[ウレタンラテックス:大日本インキ社製]を乾燥付量
1g/m2となるように塗布、乾燥して樹脂層を設け
た。 [インク吸収層塗布液−2] 合成非晶質シリカ(アエロジルA300 日本アエロジル社製) 70部 PVA(PVA−117,クラレ社製) 15部 ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド系カチオン樹脂 (PAS−H−5L、日東紡績社製) 15部 後、その上に、細孔層−2塗布液(スズゾル分散液(セ
ラメースS−8、多木化学社製))を乾燥付量0.1g
/m2となるように塗布、乾燥して細孔層−2を設け、
本発明の中間転写媒体−2を得た。
【0129】得られた中間転写媒体−2のブリストー法
で規定されるエチレングリコール25%水溶液の1秒後
の液体転移量は、25g/m2であった。
【0130】以上の様にして作製した中間転写媒体−2
を用いた場合でも、本発明の場合には実施例1の本発明
の場合と同様に、濃度、彩度の向上が確認され鮮明な画
像が得られた。
【0131】
【発明の効果】本発明により、高濃度、高彩度で、コッ
クリング等の問題がなく広範な基材にインクジェット画
像のみを良好に転写でき、且つ転写後のインクジェット
画像の強度も十分なインクジェットインク組成物、イン
クジェット記録方法及びインクオン記録印刷物を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるインクジェット記録装置の
一例を示す概略断面図。
【図2】図1で示されるインクジェット記録装置のイン
クジェット記録ヘッドとドラムとを示す概略平面図。
【符号の説明】
A インクジェット記録装置 1 インクジェット記録ヘッド 2 ドラム 3 加熱手段 4 中間転写媒体 5 搬送ローラー 6 被転写媒体 7 圧力ローラー 8 剥離部材 9 搬送ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 3/04 101Z Fターム(参考) 2C056 FC02 FD13 HA46 2H086 BA13 BA15 BA26 BA41 BA55 BA59 BA60 4J039 AD01 AD03 AD04 AD07 AD08 AD09 AD11 AD12 AE04 AE06 AE07 AE08 AE10 BC10 BD02 BD03 BE02 BE12 BE17 BE22 CA06 EA03 EA21 EA43 EA46 GA24

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水および分散粒子を含有する
    インクジェットインク組成物であって、前記分散粒子の
    直径より小さい細孔を有する層上に形成した1次画像と
    該1次画像を被記録媒体に再転写した2次画像の色相角
    225°での最大C*値が、2次画像の値の方が1次画
    像の値よりも2以上大きいことを特徴とするインクジェ
    ットインク組成物。
  2. 【請求項2】 前記再転写する時に少なくとも加熱処理
    を行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    インク組成物。
  3. 【請求項3】 前記分散粒子が熱可塑性を有する着色粒
    子であることを特徴とする請求項1または2記載のイン
    クジェットインク組成物。
  4. 【請求項4】 少なくとも水および熱可塑性を有する着
    色粒子を含有するインクジェットインク組成物を用いて
    中間転写媒体上にインクジェット記録する工程、中間転
    写媒体上に噴霧された該インクの揮発成分を除去する工
    程、および中間転写媒体上に残留した成分を被転写媒体
    に再転写する工程、により画像形成することを特徴とす
    るインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 前記揮発成分を除去する工程が、前記イ
    ンクジェット記録する工程と同時に行われることを特徴
    とする請求項4記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも水および熱可塑性を有する着
    色粒子を含有するインクジェットインクを用いて前記着
    色粒子の平均粒径以下の細孔を有する中間転写媒体上に
    インクジェット記録する工程、および前記中間転写媒体
    上に残留した成分を被転写媒体に再転写する工程、によ
    り画像形成することを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  7. 【請求項7】 前記中間転写媒体のブリストー法で規定
    されるエチレングリコール25%水溶液の1秒後の液体
    転移量が、5〜200ml/m2であることを特徴とす
    る請求項6記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 前記中間転写媒体の表面粗さRa値が、
    0.01〜1μmであることを特徴とする請求項6また
    は7記載のインクジェット記録方法。
  9. 【請求項9】 前記中間転写媒体の最表層が金属蒸着層
    であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項記
    載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 前記熱可塑性を有する着色粒子がコア
    シェル構造のマイクロカプセルであることを特徴とする
    請求項4〜9のいずれか1項記載のインクジェット記録
    方法。
  11. 【請求項11】 前記コアシェル構造のマイクロカプセ
    ルのコアの部分に少なくとも染料と熱可塑性樹脂とを含
    有することを特徴とする請求項10記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  12. 【請求項12】 前記コアシェル構造のマイクロカプセ
    ルのコアの部分に少なくとも顔料と熱可塑性樹脂とを含
    有することを特徴とする請求項10記載のインクジェッ
    ト記録方法。
  13. 【請求項13】 前記コアシェル構造のマイクロカプセ
    ルのコアの部分に少なくとも色素ペンダント熱可塑樹脂
    を含有することを特徴とする請求項10記載のインクジ
    ェット記録方法。
  14. 【請求項14】 前記マイクロカプセルの熱変形開始温
    度が50〜150℃であることを特徴とする請求項10
    〜13のいずれか1項記載のインクジェット記録方法。
  15. 【請求項15】 請求項4〜14のいずれか1項記載の
    インクジェット記録方法で作製される特菱アート[三菱
    製紙社製:127.9g/m2]上のインクオン記録印
    刷物の、色相角225°での最大C*値が50以上10
    0未満でありかつJIS−K7105で規定される画像
    部の60°光沢が37±10%であることを特徴とする
    インクオン記録印刷物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008272709A (ja) * 2007-05-07 2008-11-13 Seiko Epson Corp 多層膜の形成方法、多層膜の形成装置、デバイスの製造方法
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