JP2003078451A - 増幅装置 - Google Patents
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Abstract
幅装置を提供する。 【解決手段】 主信号系においてデジタル遅延部112
を用いて入力信号を遅延させ、制御系においてデジタル
信号の入力信号をキャリアオフセット部113でオフセ
ット回転処理を行い、電力検出部107で電力検出を行
い、主信号系のマルチキャリア信号及び制御系の電力値
信号について位相の同期を位相制御部116で図り、プ
リディストータ109で増幅器110に生じる非線形特
性を打ち消す歪補償を与える増幅装置であり、アナログ
遅延線を不要としている。
Description
通信システムに係り、特に、基地局装置において用いら
れている増幅装置に関する。
地局装置において、物理的に遠く離れた移動局装置の所
まで無線信号を到達させる必要があるため、送信対象と
なる信号を増幅器(アンプ)で大幅に増幅して送信出力
することが必要となる。上記移動通信システムでは、W
−CDMA(Wide-band Code Division Multiple Acces
s:広帯域符号分割多元接続)方式等が移動通信方式と
して採用されている。
であるため、その入出力特性は非線形な関数となる。特
に、飽和点と呼ばれる増幅限界点以降では、増幅器に入
力される電力が増大しても出力電力がほぼ一定となる。
歪が発生する。増幅前の送信信号は、希望信号帯域外の
信号成分が帯域制限フィルタによって低レベルに抑えら
れられるが、増幅器通過後の信号では非線形歪が発生し
て希望信号帯域外(隣接チャネル)へ信号成分が漏洩す
る。これによって、電力スペクトルが隣接チャネルにま
で拡大する現象が発生する。
高いため、このような隣接チャネルへの漏洩電力の大き
さは厳しく規定されており、こうしたことから、このよ
うな隣接チャネル漏洩電力(ACP:Adjacent Channel
leak Power)をいかにして削減するかが大きな問題と
なっている。
しつつ送信電力を増幅するものとして従来、プリディス
トーション技術を用いた歪補償増幅装置が基地局装置に
備えられ、送信電力の増幅に用いられている。
歪補償増幅装置の構成について、図6を用いて説明す
る。図6は、従来のプリディストーション技術を用いた
歪補償増幅装置の構成ブロック図である。図6におい
て、マルチキャリア信号の各キャリアのベースバンド信
号である入力信号はデジタルデータであり、D/A変換
器201でアナログ信号に変換され,直交変調器202
で直交変調される。
(Radio Frequency:無線周波数)にアップコンバート
される。図6において、アップコンバートは具体的に
は、発振器203から出力されたキャリア周波数に基づ
いて、ミキサ204において入力信号の周波数変換が行
われ、さらに帯域制限フィルタ(図示せず)等を用いて
必要な帯域制限を行っている。
04は、入力信号のキャリア毎に設けられており、キャ
リア毎にアップコンバートが行われる。各キャリアのミ
キサ204の出力は、結合器205で合成されてマルチ
キャリア信号となる。
ア信号は分配器206で分配され、一方は遅延線208
に、もう一方は電力検出器207に入力される。電力検
出器207では入力されたマルチキャリア信号の電力値
を、例えば包絡線検波を用いて検出する。また、遅延線
208では、入力されたマルチキャリア信号を一定時間
遅延させて出力する。
ア信号と、電力検出器207から出力された電力値信号
はプリディストータ209に入力される。プリディスト
ータ209では、マルチキャリア信号に対して歪補償特
性を与える制御を行う。
相平面における非線形特性に対する逆特性であり、一般
的に入力信号の電力を指標とするAM−AM(振幅−振
幅)変換やAM−PM(振幅−位相)変換で表される。
図6の増幅装置では、プリディストータ209は、マル
チキャリア信号の出力先である増幅器(図ではPA(Po
wer Amplifier))210で生じる非線形特性に対応し
た歪補償特性を与えている。
歪が発生するが、プリディストータ209によって、増
幅器210に入力されるマルチキャリア信号には予め非
線形特性の逆特性を持つ歪が与えられているため、増幅
器210は歪なく増幅されたマルチキャリア信号を出力
でき、歪が補償されることになる。増幅器210から出
力されたマルチキャリア信号は分配器211で分配さ
れ、プリディストータ209にフィードバックされ、新
たな歪補償特性の特定に利用される。
来の歪補償増幅装置では、大型で重量が重く、且つコス
トが高くなるという問題点があった。具体的には、従来
の歪補償増幅装置で用いられているアナログの遅延線
は、面積が膨大で重量が重く、且つコストが高いため、
増幅装置本体にもこれらの影響が及んでいた。
で、小型で軽量であり、且つ低コストの増幅装置を提供
することを目的とする。
決するための本発明は、増幅装置において、アナログ遅
延線の代わりに、入力信号をキャリア毎に一定時間デジ
タル遅延させるデジタル遅延手段を主信号系又は制御系
に用い、主信号系及び制御系での信号の位相を位相制御
手段で制御し、歪補償手段でマルチキャリア信号に対し
て電力値と分配手段からの出力の一部により増幅手段で
生じる非線形特性を打ち消す歪補償を与えるものであ
り、アナログ遅延線を不要とし、小型・軽量で、低コス
トな装置を提供できる。
を参照しながら説明する。尚、以下で説明する機能実現
手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのよう
な回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は
全部をソフトウェアで実現することも可能である。更
に、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよ
く、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよ
い。
ナログ遅延線の代わりに、入力信号をキャリア毎に一定
時間デジタル遅延させるデジタル遅延手段を主信号系又
は制御系に用い、主信号系及び制御系での信号の位相を
位相制御手段で制御し、歪補償手段でマルチキャリア信
号に対して電力値と分配手段からの出力の一部により増
幅手段で生じる非線形特性を打ち消す歪補償を与えるも
のであり、アナログ遅延線を不要とし、小型・軽量で、
低コストな装置とすることができる。
ジタル遅延部に、直交変調手段はアナログ直交変調器又
はデジタル直交変調器に、アップコンバート手段はアッ
プコンバート部に、結合手段は結合器に、キャリアオフ
セット手段はキャリアオフセット部に、加算手段は加算
部に、位相制御手段は位相制御部に、電力検出手段は電
力検出部に、増幅手段は増幅器に、分配手段は分配器
に、歪補償手段はプリディストータに、それぞれ相当す
る。
について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実
施の形態に係る歪補償増幅装置の構成ブロック図であ
る。図1の増幅装置は、従来と同様、プレディストーシ
ョン技術を用いており、デジタル信号である各キャリア
の入力信号に対して増幅処理を行うものである。また、
図1の歪補償増幅装置ではキャリア数は4つとしている
が、入力信号のキャリア数は異なる数であってもよい。
と、D/A変換器(図ではD/A)101と、直交変調
器102と、アップコンバート部115と、結合器10
5と、キャリアオフセット部113と、加算部114
と、電力検出部107と、位相制御部116と、プリデ
ィストータ109と、増幅器(図ではPA(Power Ampl
ifier))110と、分配器111とから構成されてい
る。また、アップコンバート部115は、VCO(Volt
age Controlled Oscillator:電圧制御発振器)103
と、ミキサ104とで構成される。
112、D/A変換器101、直交変調器102、アッ
プコンバート部115のVCO103とミキサ104、
キャリアオフセット部113は、入力信号のキャリア毎
に設けられている。
時間デジタル遅延させ、対応するキャリアのD/A変換
器101に出力する。デジタル遅延部112は、例えば
メモリバッファ等を用いて構成される。
る入力信号をアナログ信号に変換し、対応するキャリア
の直交変調器102に出力する。直交変調器102は、
アナログ信号に変換された入力信号を直交変調し、アッ
プコンバート部115に出力する。
れた入力信号をRF周波数(RadioFrequency:無線周波
数)にアップコンバートし、結合器105に出力する。
アップコンバート部115には、VCO103及びミキ
サ104がキャリア毎に設けられており、VCO103
から出力されるキャリア周波数によってミキサ104で
周波数変換を行い、それから帯域制限フィルタ(図示せ
ず)等を用いて必要な帯域制限を行っている。またVC
O103は、位相制御部116から出力される位相制御
の制御信号のタイミングに従い、キャリア毎に異なる周
波数を出力している。
5から出力される各キャリアのRF信号を合成して、マ
ルチキャリア信号を生成し、プリディストータ109に
出力する。
データである各キャリアの入力信号に対し、キャリア周
波数差(離調周波数)分のオフセット回転を行い、加算
部114に出力する。キャリアオフセット部113は、
位相制御部116から出力される位相制御の制御信号の
タイミングに基づいて、各キャリアのオフセット回転処
理を行う。キャリアオフセット部113は、例えば複素
乗算器で構成するようにしてもよい。
各キャリアの入力信号を加算し、電力検出部107に出
力する。
に基づいて電力値を算出することで電力値の検出を行
い、検出した電力値を電力値信号としてプリディストー
タ109に出力する。
115の各VCO103及び各キャリアオフセット部1
13に制御信号を出力し、キャリア周波数の出力タイミ
ングと、入力信号に対するオフセット回転処理のタイミ
ングの制御を行う。位相制御部116は、例えばクロッ
ク発生装置等を用いた構成とするようにしてもよい。
から入力されたマルチキャリア信号に対して、歪補償特
性を与える制御を行い、PA110に出力する。プリデ
ィストータ109は、電力検出部107から出力された
電力値信号及び分配器111から出力された増幅済みの
マルチキャリア信号に基づいて、PA110で生じる非
線形特性を打ち消すような歪補償特性を与える。
信号を増幅して出力する。分配器111は、増幅器11
0から出力された増幅済みのマルチキャリア信号を分配
して、外部に出力すると共に、プリディストータ109
にフィードバック出力する。
いて、図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の
形態に係る歪補償増幅装置におけるプリディストータ1
09の構成ブロック図である。プリディストータ109
は、減衰制御部121−1と、位相制御部121−2
と、D/A変換器(図ではD/A)122−1及び12
2−2と、減衰器123と、位相器124と、テーブル
生成部125と、VCO126と、ミキサ127と、L
PF(Low Pass Filter:低域通過フィルタ)128
と、A/D変換器(図ではA/D)129とで構成され
ている。図2において、減衰器123と位相器124
は、順序を変えて設置してもよい。
特性を反映した減衰量との関係を示したテーブルである
LUT(Look Up Table)を内部に格納しており、入力
された電力値信号に基づいてLUTを参照し、参照結果
に対応した減衰制御信号をD/A変換器122−1に出
力する。また減衰制御部121−1は、テーブル生成部
125からの制御命令に基づいて、LUTの更新を行
い、減衰量の調整を行う。
特性を反映した位相制御量との関係を示したテーブルで
あるLUTを内部に格納しており、入力された電圧値信
号に基づいてLUTを参照し、参照結果に対応した位相
制御信号をD/A変換器122−2に出力する。また減
衰制御部121−2は、テーブル生成部125からの制
御命令に基づいて、LUTの更新を行い、位相制御量の
調整を行う。
れぞれ、減衰制御部121−1から出力された減衰制御
信号、位相制御部121−2から出力された位相制御信
号をアナログ信号に変換し、減衰器123、位相器12
4に出力する。
ら出力された減衰制御信号がD/A変換器122−1で
アナログ変換され、その信号に基づいて、入力されたマ
ルチキャリア信号に対し、歪補償特性に対応した減衰処
理を行う。
ら出力された位相制御信号がD/A変換器122−2で
アナログ変換され、その信号に基づいて、入力されたマ
ルチキャリア信号に対し、歪補償特性に対応した位相制
御処理を行う。
ら出力され、分配器111でフィードバックされた増幅
済みのマルチキャリア信号から抽出された歪成分に基づ
いて、減衰制御部121−1、位相制御部121−2に
格納されているLUTを更新する旨の制御命令を減衰制
御部121−1、位相制御部121−2にそれぞれ出力
する。
26に制御信号を出力し、歪成分抽出のための周波数を
制御する。図2のプリディストータにおいて、テーブル
生成部125はDSP(DigitalSignal Processor:デ
ジタル信号処理専用プロセッサ)等を用いて構成しても
よい。
ら出力される制御信号に基づいて、歪成分抽出のための
周波数をミキサ127に出力する。
バックされた増幅済みのマルチキャリア信号に対し、V
CO126から出力された周波数への変換を行う。
幅済みのマルチキャリア信号が通過すると、一定値以上
の周波数成分を減衰して、歪成分を抽出する。図2のプ
リディストータにおいて、LPF128の代わりにBP
F(Band Pass Filter:帯域制限フィルタ)を用いても
よい。
出された歪成分をデジタル変換し、デジタル信号として
テーブル生成部125に出力する。
幅装置の動作について図1及び図2を用いて説明する。
図1の増幅装置において、各キャリアの入力信号はキャ
リア毎に、対応したデジタル遅延部112及びキャリア
オフセット部113に分岐して入力される。以後、図1
の増幅装置において、デジタル遅延部112から結合器
105までの一連の回路群を主信号系、キャリアオフセ
ット部113から電力検出部107までの一連の回路群
を制御系と称する。
デジタル遅延部112に入力された各キャリアの入力信
号は、デジタル遅延によって一定時間遅延された後、D
/A変換器101に出力される。デジタル遅延部112
は、従来のアナログの遅延線に相当するものであり、プ
リディストータ109での主信号系と制御系のタイミン
グが一致するよう、入力信号の遅延量が設定されてい
る。
ナログ信号への変換が行われ、直交変調器102におい
て直交変調される。D/A変換器101及び直交変調器
102も、キャリア毎に設けられており、対応するキャ
リアの入力信号に対して上記の処理を行う。
アップコンバート部115に入力される。アップコンバ
ート部115には、VCO103及びミキサ104の組
がキャリア毎に設けられている。各キャリアの入力信号
は、対応するミキサ104によって対となるVCO10
3から出力されるキャリア周波数への変換が行われ、R
F周波数にアップコンバートされる。
ートされた各キャリアの入力信号は、結合器105に入
力される。結合器105に入力された入力信号は合成さ
れ、マルチキャリア信号としてプリディストータ109
に出力される。
ャリアオフセット部113に入力された各キャリアの入
力信号には、キャリア周波数差分のオフセット回転処理
が為される。例えば、各キャリアのキャリア周波数が2
000MHz、2005MHz、2010MHz、20
15MHzである場合は、各キャリアに対応するキャリ
アオフセット部113では入力信号に対し、それぞれ0
MHz、5MHz、10MHz、15MHzのオフセッ
ト回転を与える。すなわちキャリアオフセット部113
では、オフセット回転処理後の各キャリアにおけるキャ
リア周波数が同一となるよう、入力信号に対しオフセッ
ト回転処理を行っている。
力信号は、加算部114に出力され加算された後、電力
検出部107に出力される。電力検出部107では、加
算された入力信号に基づいて電力値を算出することで電
力値を検出する。電力検出部107は、検出された電力
値を電力値信号としてプリディストータ109に出力す
る。電力検出部107では例えば、入力信号の同相成分
の電圧をI、直交成分の電圧をQとすると、I2+Q2
の演算を行うことで電力を算出することができる。
ルチキャリア信号と、制御系の電力検出部107から出
力された電力値信号は、プリディストータ109に入力
される。プリディストータ109では、入力された電力
値信号に基づいて、マルチキャリア信号に歪補償特性を
与える制御を行う。
電力検出に対応させるため、主信号系及び制御系とに回
路を分岐し、主信号系ではアナログ信号である入力信号
によるマルチキャリア信号の生成を、制御系ではデジタ
ル信号による入力信号を用いて電力値の検出をそれぞれ
独立して行っている。入力信号のキャリア周波数への変
換にあたり、これら二つの異なる系列における位相の同
期を図るため、図1の増幅装置には位相制御部116が
設けられている。
たり、プリディストータ109では、キャリア周波数の
出力位相とオフセット回転を与える位相を一致させる必
要がある。このため図1の増幅装置では、位相制御部1
16からアップコンバート部115のVCO103及び
キャリアオフセット部113に制御信号を出力し、制御
信号のタイミングに同期して、VCO103ではキャリ
ア周波数を出力する制御が、キャリアオフセット部11
3ではオフセット回転処理を行う制御が行われる。これ
により、上記二つの処理の位相を一致させることがで
き、プリディストータ109は、マルチキャリア信号の
正確な電力値に基づいて歪補償特性を与えることができ
る。
作について、図2を用いて説明する。図2に示すよう
に、電力値信号はプリディストータ109において、減
衰制御部121−1及び位相制御部121−2に入力さ
れる。減衰制御部121−1と位相制御部121−2に
はそれぞれ、電力値と減衰量の関係を示したLUT、電
力値と位相制御量の関係を示したLUTが格納されてい
る。各制御部において電力値に基づいてLUTを参照す
ることで、歪補償特性を反映した減衰量又は位相制御量
を特定することができる。
力値に基づいてLUTを参照し、対応する減衰量を特定
すると、減衰量を減衰制御信号としてD/A変換器12
2−1に出力する。D/A変換器122−1では、減衰
制御信号をアナログ変換して減衰器123に出力し、減
衰器123では入力された減衰制御信号に基づいて、歪
補償特性を反映したマルチキャリア信号の減衰処理を行
う。
力値に基づいてLUTを参照し、対応する位相制御量を
特定すると、位相制御量を位相制御信号としてD/A変
換器122−2に出力する。D/A変換器122−2で
は、位相制御信号をアナログ変換して位相器124に出
力し、位相器124では入力された位相制御信号に基づ
いて、歪補償特性を反映したマルチキャリア信号の位相
制御処理を行う。
によって歪補償特性が与えられたマルチキャリア信号
は、増幅器110へ出力される。増幅器110は入力さ
れたマルチキャリア信号を増幅して、外部に出力する。
マルチキャリア信号には、増幅器110で生じる非線形
特性の逆特性を持つ歪補償特性が与えられているため、
マルチキャリア信号は理論上、歪なく増幅される。増幅
されたマルチキャリア信号は、外部に出力する他に、分
配器111によって、プリディストータ109にフィー
ドバック出力される。
要因によって非線形特性に変化が生じ、プリディストー
タ109で与えられる歪補償特性では歪を補償できない
場合がある。このためプリディストータ109では、フ
ィードバックした増幅済みのマルチキャリア信号から補
償されずに残った歪成分を抽出し、非線形特性の変化に
適応するよう歪成分に基づいて歪補償特性を補正するア
ダプティブプリディストーションを行っている。
た増幅済みのマルチキャリア信号は、プリディストータ
109において、ミキサ127に入力される。ミキサ1
27では、VCO126から出力される周波数への変換
を行い、LPF128に出力する。LPF128では、
周波数変換を行ったマルチキャリア信号に対し、一定周
波数以上の周波数成分を減衰させ、歪成分を抽出する。
抽出された歪成分は歪成分信号としてA/D変換器12
9に入力され、デジタル変換される。
ル生成部125に入力される。テーブル生成部125は
入力された歪成分信号に基づいて、減衰制御部121−
1及び位相制御部121−2に対して、歪成分を小さく
するよう、それぞれの制御部に格納されているLUTを
更新する旨の制御命令を出力する。
−2はそれぞれ、入力された制御命令に基づいてLUT
を更新し、減衰量又は位相制御量の調整を行う。以後、
各制御部では更新されたLUTに基づいてマルチキャリ
ア信号の減衰処理、位相制御処理が行われ、非線形特性
の変化に適応した歪補償特性を与えることができる。
26に制御信号を出力しており、VCO126は、制御
信号に従って、歪成分抽出のための周波数を更新する。
を抽出するアダプティブプリディストーションを行うも
のであるが、他のアダプティブプリディストーションと
して、テーブル生成部125は、フィードバックされた
増幅済みのマルチキャリア信号を復調して、結合器10
5から出力されたマルチキャリア信号と比較し、誤差を
最小にするように減衰制御部121−1、位相制御部1
21−2のLUTを更新するようにしてもよい。
タ109が適応的でなく、すなわちアダプティブプリデ
ィストーションを行うものでなく、マルチキャリア信号
のフィードバックが必要ない場合には、分配器111は
不要である。
によれば、主信号系においてデジタル遅延部112を用
いて入力信号を遅延させ、制御系においてデジタル信号
の入力信号を用いてオフセット回転処理及び電力検出を
行い、主信号系のマルチキャリア信号及び制御系の電力
値信号における位相の同期を図ることによって、従来用
いられていたアナログの遅延線が不要となり、増幅装置
を小型で軽量化でき、安価で提供できる効果がある。
幅装置の他の構成について、図1の歪補償増幅装置との
相違点を中心に図を用いて説明する。尚、図1と同一の
構成を取るものについては、同一の符号を付して説明す
る。
増幅装置の第2の構成ブロック図である。図3の増幅装
置では、デジタル遅延部112を制御系のキャリアオフ
セット部113の前段に設けている。図3に示す増幅装
置の構成は、主信号系でのマルチキャリア信号の生成ま
でに要する時間が、制御系での電力値検出に要する時間
よりも大きい場合に有効である。図3において、デジタ
ル遅延部112は、制御系上であればどの箇所に設けて
もよい。
信号の生成までに要する時間が電力値検出に要する時間
より大きい場合においても、増幅器の歪補償を正確に行
うことができる効果がある。
増幅装置の第3の構成ブロック図である。図4の増幅装
置では、直交変調器102の代わりにデジタル直交変調
器117をデジタル遅延部112の前段に設けている。
ここでデジタル直交変調器117は、デジタル信号であ
る入力信号を直交変調するものであり、動作は図1の直
交変調器と同一である。またデジタル直交変調器117
も、キャリア毎に設けられている。図4において、デジ
タル遅延部112は、デジタル直交変調器117の前段
に設けてもよい。
増幅装置の第4の構成ブロック図である。図5の増幅装
置は、図4の増幅装置においてデジタル遅延部112を
制御系のキャリアオフセット部113の前段に設けたも
のである。図5に示す増幅装置の構成は、主信号系での
マルチキャリア信号の生成までに要する時間が、制御系
での電力値検出に要する時間よりも大きい場合に有効で
ある。図5において、デジタル遅延部112は、制御系
上であればどの箇所に設けてもよい。
信号の生成までに要する時間が電力値検出に要する時間
より大きい場合においても、増幅器の歪補償を正確に行
うことができる効果がある。
りに、入力信号をキャリア毎に一定時間デジタル遅延さ
せるデジタル遅延手段を主信号系又は制御系に用い、主
信号系及び制御系での信号の位相を位相制御手段で制御
し、歪補償手段でマルチキャリア信号に対して電力値と
分配手段からの出力の一部により増幅手段で生じる非線
形特性を打ち消す歪補償を与える増幅装置としているの
で、アナログ遅延線を不要とし、小型・軽量で、低コス
トな装置を提供できる効果がある。
成ブロック図である。
る。
2の構成ブロック図である。
3の構成ブロック図である。
4の構成ブロック図である。
る。
交変調器、 103,126,203…VCO、 10
4,127,204…ミキサ、 105,205…結合
器、 107…電力検出部、 109,209…プリデ
ィストータ、110,210…増幅器、 111,20
6,211…分配器、 113…キャリアオフセット
部、 114…加算部、 115…アップコンバート
部、 116…位相制御部、 117…デジタル直交変
調器、 121−1…減衰制御部、121−2…位相制
御部、 123…減衰器、 124…位相器、 128
…LPF、 129…A/D変換器、 207…電力検
出器、 208…遅延線
Claims (9)
- 【請求項1】 入力信号をキャリア毎に一定時間デジタ
ル遅延させるデジタル遅延手段と、 入力信号をキャリア毎に直交変調する直交変調手段と、 前記直交変調された信号を無線周波数に変換するアップ
コンバート手段と、 キャリア毎の無線周波数を結合してマルチキャリア信号
を生成する結合手段と、 各キャリアの入力信号に対してキャリア周波数差分のオ
フセット処理を行うキャリアオフセット手段と、 前記オフセットされた信号を加算する加算手段と、 前記アップコンバート手段から出力される信号及び前記
加算手段に入力される信号の位相を揃える制御を行う位
相制御手段と、 前記加算手段からの出力を基に電力値を検出する電力検
出手段と、 マルチキャリア信号を増幅する増幅手段と、 前記増幅手段からの出力の一部を分配する分配手段と、 前記結合手段からのマルチキャリア信号に対して、前記
電力検出手段で検出された電力値と前記分配手段からの
出力の一部とを用いて、前記増幅手段で生じる非線形特
性を打ち消す歪補償を与える歪補償手段とを備えること
を特徴とする増幅装置。 - 【請求項2】 入力信号に対して主信号系として、デジ
タル遅延手段、デジタル/アナログ変換手段、直交変調
手段であるアナログ直交変調手段、アップコンバート手
段、結合手段、歪補償手段、増幅手段、分配手段の順で
配置し、 入力信号に対して制御系として、キャリアオフセット手
段、加算手段、電力検出手段の順で配置し、 位相制御手段が、前記アップコンバート手段及びキャリ
アオフセット手段から出力される信号の位相を揃える制
御を行う手段であることを特徴とする請求項1記載の増
幅装置。 - 【請求項3】 入力信号に対して主信号系として、デジ
タル/アナログ変換手段、直交変調手段であるアナログ
直交変調手段、アップコンバート手段、結合手段、歪補
償手段、増幅手段、分配手段の順で配置し、 入力信号に対して制御系として、デジタル遅延手段、キ
ャリアオフセット手段、加算手段、電力検出手段の順で
配置し、 位相制御手段が、前記アップコンバート手段及びキャリ
アオフセット手段から出力される信号の位相を揃える制
御を行う手段であることを特徴とする請求項1記載の増
幅装置。 - 【請求項4】 入力信号に対して主信号系として、デジ
タル/アナログ変換手段、直交変調手段であるアナログ
直交変調手段、アップコンバート手段、結合手段、歪補
償手段、増幅手段、分配手段の順で配置し、 入力信号に対して制御系として、キャリアオフセット手
段、デジタル遅延手段、加算手段、電力検出手段の順で
配置し、 位相制御手段が、前記アップコンバート手段及びデジタ
ル遅延手段から出力される信号の位相を揃える制御を行
う手段であることを特徴とする請求項1記載の増幅装
置。 - 【請求項5】 入力信号に対して主信号系として、直交
変調手段であるデジタル直交変調手段、デジタル遅延手
段、デジタル/アナログ変手段、アップコンバート手
段、結合手段、歪補償手段、増幅手段、分配手段の順で
配置し、 入力信号に対して制御系として、キャリアオフセット手
段、加算手段、電力検出手段の順で配置し、 位相制御手段が、前記アップコンバート手段及びキャリ
アオフセット手段から出力される信号の位相を揃える制
御を行う手段であることを特徴とする請求項1記載の増
幅装置。 - 【請求項6】 入力信号に対して主信号系として、デジ
タル遅延手段、直交変調手段であるデジタル直交変調手
段、デジタル/アナログ変手段、アップコンバート手
段、結合手段、歪補償手段、増幅手段、分配手段の順で
配置し、 入力信号に対して制御系として、キャリアオフセット手
段、加算手段、電力検出手段の順で配置し、 位相制御手段が、前記アップコンバート手段及びキャリ
アオフセット手段から出力される信号の位相を揃える制
御を行う手段であることを特徴とする請求項1記載の増
幅装置。 - 【請求項7】 入力信号に対して主信号系として、直交
変調手段であるデジタル直交変調手段、デジタル/アナ
ログ変手段、アップコンバート手段、結合手段、歪補償
手段、増幅手段、分配手段の順で配置し、 入力信号に対して制御系として、デジタル遅延手段、キ
ャリアオフセット手段、加算手段、電力検出手段の順で
配置し、 位相制御手段が、前記アップコンバート手段及びキャリ
アオフセット手段から出力される信号の位相を揃える制
御を行う手段であることを特徴とする請求項1記載の増
幅装置。 - 【請求項8】 入力信号に対して主信号系として、直交
変調手段であるデジタル直交変調手段、デジタル/アナ
ログ変手段、アップコンバート手段、結合手段、歪補償
手段、増幅手段、分配手段の順で配置し、 入力信号に対して制御系として、キャリアオフセット手
段、デジタル遅延手段、加算手段、電力検出手段の順で
配置し、 位相制御手段が、前記アップコンバート手段及びデジタ
ル遅延手段から出力される信号の位相を揃える制御を行
う手段であることを特徴とする請求項1記載の増幅装
置。 - 【請求項9】 請求項1乃至8記載の増幅装置を備える
ことを特徴とする移動体通信システムにおける基地局装
置。
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