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JP2003054446A5 - - Google Patents

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JP2003054446A5
JP2003054446A5 JP2002044742A JP2002044742A JP2003054446A5 JP 2003054446 A5 JP2003054446 A5 JP 2003054446A5 JP 2002044742 A JP2002044742 A JP 2002044742A JP 2002044742 A JP2002044742 A JP 2002044742A JP 2003054446 A5 JP2003054446 A5 JP 2003054446A5
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Description

【書類名】 明細書
【発明の名称】 車体のドア開口部回りの構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体のドア開口部回りのアウター部と、そのアウター部の内側に配備
されて前記ドア開口部回りの骨格を形成するとともにチューブハイドロフォーミングによ
り形成された管状構造を有する骨格部とからなり、
前記アウター部と前記骨格部とが、溶接により直接接合され、
前記管状構造の、前記車体の内側に位置する一方側が、前記ドア開口部回りのインナー
部を構成し、前記アウター部側に位置する他方側が、前記アウター部と前記インナー部と
で囲まれる閉空間内に配備されるスチフナー部を構成することを特徴とする、車体のドア
開口部回りの構造。
【請求項2】 車体のドア開口部回りのアウター部と、そのアウター部の内側に配備
されて前記ドア開口部回りの骨格を形成するとともにチューブハイドロフォーミングによ
り形成された管状構造を有する骨格部とからなり、
前記アウター部と前記骨格部とが、溶接により直接接合され、
前記管状構造の、前記車体の内側に位置する一方側が、前記ドア開口部回りのインナー
部を構成し、前記アウター部側に位置する他方側が、前記アウター部と前記インナー部と
の間に配備されるスチフナー部を構成することを特徴とする、車体のドア開口部回りの構
造。
【請求項3】 前記アウター部は、そのアウター部と前記スチフナー部との間に空間
を形成するようにして、前記骨格部の前記管状構造に、溶接により直接接合されている
とを特徴とする、請求項1または2に記載の、車体のドア開口部回りの構造
【請求項4】 前記骨格部が、前記ドア開口部回りにおける、ルーフサイドレール部
分およびフロントピラーアッパ部分の骨格を形成することを特徴とする、請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の、車体のドア開口部回りの構造。
【請求項5】 前記骨格部が、前記ドア開口部回りにおける、フロントピラーロア部
分およびサイドシル部分の骨格を形成することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれ
か1項に記載の、車体のドア開口部回りの構造。
【請求項6】 前記骨格部が、前記ドア開口部回りにおける、ルーフサイドレール部
およびフロントピラーアッパ部分の骨格と、フロントピラーロア部分およびサイドシル
部分の骨格とを形成し、かつ、
前記フロントピラーアッパ部分の下端部と、前記フロントピラーロア部分の上端部とが
、接合されてなることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の、車体の
ドア開口部回りの構造。
【請求項7】 前記骨格部が、前記ドア開口部回りにおける、ルーフサイドレール部
分、フロントピラーアッパ部分、フロントピラーロア部分、サイドシル部分あるいはリア
ピラー部分のいずれかの骨格を形成することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか
1項に記載の、車体のドア開口部回りの構造。
【請求項8】 前記骨格部が、前記ドア開口部回りにおける、センターピラー部分の
骨格を形成することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項記載の、車体のドア
開口部回りの構造。
【請求項9】 前記アウター部と前記骨格部の前記管状構造とは、前記ドア開口部側
とその反対側の少なくとも一方側で、重なり合うようにして溶接されていることを特徴と
する、請求項3に記載の、車体のドア開口部回りの構造。
【請求項10】 前記アウター部と前記骨格部の前記管状構造とは、前記ドア開口部
側とその反対側の両側で、それぞれ重なり合うようにして溶接されていることを特徴とす
る、請求項3に記載の、車体のドア開口部回りの構造。
【請求項11】 前記アウター部と前記骨格部の前記管状構造とは、前記ドア開口部
側とその反対側の少なくとも一方側で、重なり合うことなく、前記アウター部の端部が、
前記骨格部の前記管状構造に突き当てられて溶接されていることを特徴とする、請求項3
に記載の、車体のドア開口部回りの構造。
【請求項12】 前記アウター部と前記骨格部の前記管状構造とは、前記ドア開口部
側とその反対側の両側で、それぞれ重なり合うことなく、前記アウター部の端部が、前記
骨格部の前記管状構造に突き当てられて溶接されていることを特徴とする、請求項3に記
載の、車体のドア開口部回りの構造。
【請求項13】 前記骨格部の前記管状構造には、ドア開口部側とその反対側の両側
において、溶接部としての溶接代を構成する、前記管状構造の一部からなる延出部が設け
られていることを特徴とする、請求項10に記載の、車体のドア開口部回りの構造。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車体のドア開口部回りの、アウター部と骨格部とからなる構造に関する発
明である。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、車体のドア開口部回りの構造10は、図7の断面形状に示されるように、アウタ
ー11と、インナー12と、それらアウタ ー11とインナー12とで囲まれる閉空間内
に配備されるスチフナー13とで構成されていた。これらアウター11、インナー12お
よびスチフナー13は、鋼板材からなり、所定の断面形状が、プレス加工により形成され
た。そして、これら、アウター11、インナー12およびスチフナー13は、互いにスポ
ット溶接により接合された。ここで、アウター11は、一般に板厚が0.8mm程度であ
り、主に車体の外観デザインとして機能し、また、インナー12およびスチフナー13は
、板厚が2mm程度あり、ドア開口部回りの骨格、すなわち車体の強度を受け持つ構造体
として機能していた。
【0003】
しかし、前記従来の、車体のドア開口部回りの構造10においては、インナー12と、
スチフナー13とが、プレス部品であり、それぞれに、4型から5型程度の金型を必要と
し、また、プレス部品であるために、スクラップが出て材料にムダが多かった。さらには
、インナー12とスチフナー13とは、スポット溶接により接合されたが、その接合部が
、間隔を置いて並ぶため、強度および剛性的に不利な構造であった。
【0004】
これに対して、例えば、特開2000−219154号公報に記載された車両の車体構
造においては、図8に示されるように、車両の側部構造20は、アウターパネル21と、
チューブハイドロフォーミングにより形成されたインナー閉断面構造体22とから構成さ
れていた。そして、アウターパネル21とインナー閉断面構造体22とは、部分的に、イ
ンナーバンド23を介して接合されていた。このように、この側部構造20においては、
アウターパネル21とインナー閉断面構造体22とが、部分的なインナーバンド23を介
して接合されていたため、強度および剛性的に不利となっており、しかも、インナーバン
ド23部分が、重量増加となり、また、部品点数の増加ともなっていた。さらに、インナ
ー閉断面構造体22とインナーバンド23が接合され、そして、インナーバンド23とア
ウターパネル21が接合されるというように、二段階に接合が行われるため、その接合の
工数増加となっていた。なお、この側部構造20に類似する構造が、特開2000−21
9153号公報、特開2000−219152号公報、特開2000−219150号公
報にも記載されている。
【0005】
また、特開2000−95146号公報に記載された車体の骨格部材の構造においては
、図9に示されるように、車体のセンターピラー30は、アウターパネル31と、アウタ
ーリンフォース32と、管状リンフォース33とから構成されていた。そして、アウター
パネル31と管状リンフォース33とは、アウターリンフォース32を介して接合された
。すなわち、溶接の便宜のために、アウターリンフォース32と管状リンフォース33が
溶接され、その後に、アウターリンフォース32がアウターパネル31に溶接された。し
たがって、このセンターピラー30においても、介在するアウターリンフォース32のた
めに、重量増加、部品点数の増加、そして、接合の工数増加となっていた。しかも、アウ
ターリンフォース32は、管状リンフォース33の全長に渡って設けられるため、このア
ウターリンフォース32部分が、前記側部構造20以上に、重量増加となっていた。
【0006】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされた発明であり、その目的とす
るところは、強度および剛性に優れ、しかも生産性を高めることができる、車体のドア開
口部回りの構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る、車体のドア開口部回りの構造は、前記目的を達成するために、次の構
成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造は、車体のドア開口部回り
のアウター部と、そのアウター部の内側に配備されて前記ドア開口部回りの骨格を形成す
るとともにチューブハイドロフォーミングにより形成された管状構造を有する骨格部とか
らなる。ここで、前記アウター部と前記骨格部とが、溶接により直接接合される。そして
、前記管状構造の、前記車体の内側に位置する一方側が、前記ドア開口部回りのインナー
部を構成し、前記アウター部側に位置する他方側が、前記アウター部と前記インナー部と
で囲まれる閉空間内に配備されるスチフナー部を構成する。
また、請求項2に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造は、車体のドア開口
部回りのアウター部と、そのアウター部の内側に配備されて前記ドア開口部回りの骨格を
形成するとともにチューブハイドロフォーミングにより形成された管状構造を有する骨格
部とからなる。ここで、前記アウター部と前記骨格部とが、溶接により直接接合される。
そして、前記管状構造の、前記車体の内側に位置する一方側が、前記ドア開口部回りのイ
ンナー部を構成し、前記アウター部側に位置する他方側が、前記アウター部と前記インナ
ー部との間に配備されるスチフナー部を構成する。
【0008】
これら、請求項1および2に記載の発明によると、骨格部の、チューブハイドロフォー
ミングにより形成された管状構造によって、車体のドア開口部回りのインナー部とスチフ
ナー部とが一体に形成される。そして、この骨格部は、アウター部と、溶接により直接接
合される。このように、インナー部とスチフナー部とがチューブハイドロフォーミングに
よって一体に形成された骨格部が、アウター部と溶接により直接接合されるので、強度お
よび剛性に優れるとともに、生産性が高められる。しかも、この骨格部は、アウター部に
よって、車体外側からは、人の目に触れにくくなるので、骨格部が、ドア開口部回りに、
部分的に配備されたり、また、骨格部が、複数の管状構造が直列的あるいは並列的に接合
されてなる場合でも、車体の外観を損ねることがない。
また、請求項3に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項1
または2に記載の構造において、前記アウター部は、そのアウター部と前記スチフナー部
との間に空間を形成するようにして、前記骨格部の前記管状構造に、溶接により直接接合
されていることが望ましい。
【0009】
また、請求項4に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項1
ないし3のいずれか1項に記載の構造において、前記骨格部が、前記ドア開口部回りにお
ける、ルーフサイドレール部分およびフロントピラーアッパ部分の骨格を形成してもよい
。これにより、この骨格部の管状構造により、ルーフサイドレール部分およびフロントピ
ラーアッパ部分において、インナー部とスチフナー部とが一体に形成される。
【0010】
また、請求項5に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項1
ないし3のいずれか1項に記載の構造において、前記骨格部が、前記ドア開口部回りにお
ける、フロントピラーロア部分およびサイドシル部分の骨格を形成してもよい。これによ
り、この骨格部の管状構造により、フロントピラーロア部分およびサイドシル部分におい
て、インナー部とスチフナー部とが一体に形成される。
【0011】
また、請求項6に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項1
ないし3のいずれか1項に記載の構造において、前記骨格部が、前記ドア開口部回りにお
ける、ルーフサイドレール部分およびフロントピラーアッパ部分の骨格と、フロントピラ
ーロア部分およびサイドシル部分の骨格とを形成し、かつ、前記フロントピラーアッパ部
分の下端部と、前記フロントピラーロア部分の上端部とが、接合されてもよい。こうして
、この骨格部は、ルーフサイドレール部分およびフロントピラーアッパ部分と、フロント
ピラーロア部分およびサイドシル部分とで、別々の部品で構成されており、ルーフサイド
レール部分およびフロントピラーアッパ部分と、フロントピラーロア部分およびサイドシ
ル部分とで、この骨格部の断面サイズが大きく異なる場合であっても、容易に対応するこ
とができる。
また、請求項7に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項1
ないし3のいずれか1項に記載の構造において、前記骨格部が、前記ドア開口部回りにお
ける、ルーフサイドレール部分、フロントピラーアッパ部分、フロントピラーロア部分、
サイドシル部分あるいはリアピラー部分のいずれかの骨格を形成してもよい。
また、請求項8に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項1
ないし3のいずれか1項に記載の構造において、前記骨格部が、前記ドア開口部回りにお
ける、センターピラー部分の骨格を形成してもよい。
【0012】
また、請求項9に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項3
に記載の構造において、前記アウター部と前記骨格部の前記管状構造とは、前記ドア開口
部側とその反対側の少なくとも一方側で、重なり合うようにして溶接されてもよい。こう
して、車体のドア開口部側とその反対側の少なくとも一方側で、アウター部と骨格部の管
状構造とが、重なり合うようにして溶接されるので、アウター部の端部が骨格部の管状構
に突き当てられて溶接される場合に比して、この溶接が容易に行われる。
【0013】
また、請求項10に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項
に記載の構造において、前記アウター部と前記骨格部の前記管状構造とは、前記ドア開
口部側とその反対側の両側で、それぞれ重なり合うようにして溶接されてもよい。こうし
て、車体のドア開口部側とその反対側の両側で、アウター部と骨格部の管状構造とが、重
なり合うようにして溶接されるので、アウター部の端部が骨格部の管状構造に突き当てら
れて溶接される場合に比して、この溶接が一層容易に行われる。
【0014】
また、請求項11に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項
に記載の構造において、前記アウター部と前記骨格部の前記管状構造とは、前記ドア開
口部側とその反対側の少なくとも一方側で、重なり合うことなく、前記アウター部の端部
が、前記骨格部の管状構造に突き当てられて溶接されてもよい。これにより、車体のドア
開口部側とその反対側の少なくとも一方側において、アウター部に溶接のためのフランジ
を設ける必要がなく、また、それと対応して、骨格部の断面形状を小さくできるので、余
ったエリアを他に有効に利用することができる。また反対に、余ったエリアまで、アウタ
ー部や骨格部の有効断面積を広げれば、その強度および剛性を増加させることができる。
【0015】
また、請求項12に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項
に記載の構造において、前記アウター部と前記骨格部の前記管状構造とは、前記ドア開
口部側とその反対側の両側で、それぞれ重なり合うことなく、前記アウター部の端部が、
前記骨格部の管状構造に突き当てられて溶接されてもよい。これにより、車体のドア開口
部側とその反対側の両側において、アウター部に溶接のためのフランジを設ける必要がな
く、また、それと対応して、骨格部の断面形状を小さくできるので、余ったエリアを他に
一層有効に利用することができる。また反対に、余ったエリアまで、アウター部や骨格部
の有効断面積を広げれば、その強度および剛性を一層増加させることができる。
また、請求項13に記載の発明に係る、車体のドア開口部回りの構造のように、請求項
10に記載の構造において、前記骨格部の前記管状構造には、ドア開口部側とその反対側
の両側において、溶接部としての溶接代を構成する、前記管状構造の一部からなる延出部
が設けられているのが好ましい。
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る、車体のドア開口部回りの構造の実施の形態を図面に基づいて説
明する。
【0019】
図1ないし図5は、本発明に係る、車体のドア開口部回りの構造の一実施の形態を示す
。図中符号1は、車体のドア開口部を示す。2は、前記ドア開口部1、1回りのアウター
部101の全体を形成するアウターパネルを示す。このアウターパネル2は、例えば、一
枚の鋼板をプレス成形して得られる。3および4は、車体のドア開口部1、1回りの骨格
を形成する骨格部としての第1および第2の骨格部品を示す。これら第1および第2の骨
格部品3、4は、例えば高張力鋼材からなり、それぞれが、チューブハイドロフォーミン
グにより形成された管状構造を有している。そして、第1および第2の骨格部品3、4は
、アウター部101(アウターパネル2)の内側に配備されて、そのアウター部101(
アウターパネル2)と溶接により直接接合される。こうして、骨格部品3、4は、その管
状構造の、車体の内側に位置する一方側、つまり前記アウター部101とは反対側となる
一面側が、車体のドア開口部1、1回りのインナー部102を構成し、前記アウター部1
01側に位置する他方側、つまり前記アウター部101側となる他面側が、前記アウター
部101と前記インナー部102とで囲まれる閉空間内に配備される(すなわち、前記ア
ウター部101と前記インナー部102との間に配備される)、スチフナー部103を構
成している。5は、車体のドア開口部1、1回りの骨格部としての骨格部品結合体を示す
。この骨格部品結合体5は、前記第1の骨格部品3と前記第2の骨格部品4とが接合され
てなる。6は、車体のドア開口部1、1回りの構造を示す。この構造6は、前記骨格部品
結合体5すなわち前記第1および第2の骨格部品3、4と、前記アウター部101すなわ
ちアウターパネル2とからなる。なお、前記アウター部101と前記インナー部102と
で囲まれる閉空間とは、アウター部101とインナー部102とによって形成されるとこ
ろのループで囲まれた空間を意味し、溶接の有無とは関係がない。
【0020】
ここで、第1の骨格部品3は、車体のドア開口部1、1回りにおける、ルーフサイドレ
ール部分201およびフロントピラーアッパ部分202の骨格を形成している。こうして
、この第1の骨格部品3の管状構造により、ルーフサイドレール部分201およびフロン
トピラーアッパ部分202において、インナー部102とスチフナー部103とが一体に
形成される。そして、この第1の骨格部品3には、ドア開口部1、1側に、溶接部として
の溶接代を構成する第1延出部3aが設けられており、また、ドア開口部1、1とは反対
側に、同じく溶接部としての溶接代を構成する第2延出部3bが設けられている。
【0021】
また、第2の骨格部品4は、車体のドア開口部1、1回りにおける、フロントピラーロ
ア部分203およびサイドシル部分204の骨格を形成している。こうして、この第2の
骨格部品4の管状構造により、フロントピラーロア部分203およびサイドシル部分20
4において、インナー部102とスチフナー部103とが一体に形成される。そして、こ
の第2の骨格部品4には、ドア開口部1、1側に、溶接部としての溶接代を構成する第3
延出部4aが設けられており、また、ドア開口部1、1とは反対側に、同じく溶接部とし
ての溶接代を構成する第4延出部4bが設けられている。
【0022】
骨格部品結合体5は、第1の骨格部品3におけるフロントピラーアッパ部分202の下
端部と、第2の骨格部品4におけるフロントピラーロア部分203の上端部とが、溶接等
により接合されてなる。こうして、この骨格部品結合体5によって、ルーフサイドレール
部分201、フロントピラーアッパ部分202、フロントピラーロア部分203、および
サイドシル部分204の骨格が形成される。
【0023】
ドア開口部回りの構造6は、アウター部101すなわちアウターパネル2と、骨格部品
結合体5(第1および第2の骨格部品3、4)とが、溶接、例えばレーザー溶接により、
直接接合されて形成されている。具体的には、アウターパネル2と骨格部品結合体5とは
、ドア開口部1、1側と、その反対側の両側で、それぞれ重なり合うようにして直接溶接
されている。すなわち、第1の骨格部品3にあっては、ドア開口部1、1側において、ア
ウターパネル2の第1フランジ2aと第1の骨格部品3の第1延出部3aとが溶接され、
ドア開口部1、1とは反対側において、アウターパネル2の第2フランジ2bと第1の骨
格部品3の第2延出部3bとが溶接されている(図2、図3参照)。また、第2の骨格部
品4にあっては、ドア開口部1、1側において、アウターパネル2の第1フランジ2aと
第2の骨格部品4の第3延出部4aとが溶接され、ドア開口部1、1とは反対側において
、アウターパネル2の第2フランジ2bと第2の骨格部品4の第4延出部4bとが溶接さ
れている(図4、図5参照)。
【0024】
次に、以上の構成からなる、車体のドア開口部1、1回りの構造6の作用効果について
説明する。第1および第2の骨格部品3、4は、その骨格部品3、4の、チューブハイド
ロフォーミングにより形成された管状構造によって、車体のドア開口部1、1回りのイン
ナー部102とスチフナー部103とが一体に形成される。そして、この骨格部品3、4
は、アウター部101(アウターパネル2)と溶接により直接接合される。このように、
インナー部102とスチフナー部103とがチューブハイドロフォーミングによって一体
に形成された骨格部品3、4が、アウター部101と溶接により直接接合されるので、強
度および剛性に優れるとともに、生産性が高められる。
【0025】
すなわち、骨格部品3、4は、チューブハイドロフォーミングによる一体化により、そ
の強度および剛性を高めることができる。しかも、管状構造を有する骨格部品3、4は、
その全体が強度部材として機能するので、アウター部101(アウターパネル2)との溶
接部(延出部3a、3b、4a、4b)もまた、強度部材としての機能を備えることとな
る。したがって、アウター部101との溶接部が骨格部品3、4に設けられるにも拘わら
ず、この骨格部品3、4、さらには構造6は、ドア開口部1、1回りの限られたエリア内
で、容易に必要な強度が確保される。そして、骨格部品3、4は、インナー部102とス
チフナー部103とがチューブハイドロフォーミングによって一体に形成されて、部品点
数が削減され、しかも、チューブハイドロフォーミングにより成形工程が減り、その上、
材料歩留まり向上や金型設備投資の削減等によるコスト低減が期待できる。さらに、この
骨格部品3、4が、アウター部101(アウターパネル2)と溶接により直接接合される
ので、接合のための中間の部品を必要とせず、このことによっても、部品点数の削減およ
び組付工程(工数)の削減を達成することができる。
【0026】
また、前述のように、この骨格部品3、4によると、構造6において、部品点数が削減
されることから、軽量化を図ることができ、その上、骨格部品3、4は、強度および剛性
の増加が期待できることから、所要の強度および剛性が得られる範囲で、材料や板厚を変
更することでも、軽量化を図ることができる。
【0027】
しかも、これら骨格部品3、4は、アウター部101すなわちアウターパネル2によっ
て、車体外側からは、人の目に触れにくくなるので、骨格部品3、4が、ドア開口部1、
1回りに、必要な領域に部分的に配備されたり、複数の骨格部品が接合されて配備された
りしても、車体の外観を損ねることがない。また、このように、骨格部品3、4は、アウ
ターパネル2とは異なり、外観部品ではないので、仕上げ工程を省く、あるいは簡略化す
ることができ、このことによっても、生産性を高めることができる。一方、アウターパネ
ル2は、外観部品ではあるが、その全体が一体に形成されることで継ぎ目をなくせば、そ
の外観を損ねることがない。
【0028】
また、骨格部品結合体5は、第1の骨格部品3と第2の骨格部品4とで構成されるとい
うように、ルーフサイドレール部分201およびフロントピラーアッパ部分202と、フ
ロントピラーロア部分203およびサイドシル部分204とで、別々の骨格部品3、4で
構成されており、ルーフサイドレール部分201およびフロントピラーアッパ部分202
と、フロントピラーロア部分203およびサイドシル部分204とで、骨格部品3、4の
断面サイズが大きく異なる場合であっても、容易に対応することができる。
【0029】
また、アウターパネル2と骨格部品結合体5との溶接にあたって、車体のドア開口部1
、1側とその反対側の両側で、アウターパネル2と骨格部品結合体5とが重なり合うよう
にして溶接されるので、すなわち、フランジ2a(2b)と延出部3a、4a(3b、4
b)とが重なり合うようにして溶接されるので、アウターパネル2(アウター部101)
の端部が骨格部品結合体5(骨格部)に突き当てられて溶接される場合に比して、この溶
接を容易に行うことができる。また、アウターパネル2と骨格部品結合体5とは、レーザ
ー溶接により接合されるので、スポット溶接とは異なり、溶接部を加圧する必要がなく、
骨格部品結合体5の管状構造が潰れることがない。こうして、管状構造の潰れに対して配
慮する必要がないことから、この構造6の生産性を一層高めることができる。さらに、骨
格部品結合体5(骨格部品3、4)の管状構造が、強度の高い高張力鋼材からなることか
ら、この構造6の強度を高めることができる。
【0030】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が
可能である。例えば、第1の骨格部品3は、ルーフサイドレール部分201およびフロン
トピラーアッパ部分202の骨格を形成しているが、ルーフサイドレール部分201のみ
、あるいはフロントピラーアッパ部分202のみの骨格を形成する部品であってもよい。
また、反対に、第1の骨格部品3は、それらルーフサイドレール部分201およびフロン
トピラーアッパ部分202に加えて、リアピラー部分205やフロントピラーロア部分2
03さらにはサイドシル部分204等の骨格を形成する部品であってもよい。同様に、第
2の骨格部品4は、フロントピラーロア部分203およびサイドシル部分204の骨格を
形成しているが、フロントピラーロア部分203のみ、あるいはサイドシル部分204の
みの骨格を形成する部品であってもよい。また、反対に、第2の骨格部品4は、それらフ
ロントピラーロア部分203およびサイドシル部分204に加えて、フロントピラーアッ
パ部分202さらにはルーフサイドレール部分201等の骨格を形成する部品であっても
よい。すなわち、骨格部品3、4は、その管状構造の、車体の内側に位置する一方側がイ
ンナー部102を構成し、アウター部101側に位置する他方側がスチフナー部103を
構成する部品であれば、ドア開口部1、1回りのいずれの位置(ルーフサイドレール部分
201、サイドシル部分204、フロントピラー部分202、203、センターピラー部
分206、リアピラー部分205等)の骨格を形成する部品であってもよい。
【0031】
また、アウターパネル2と骨格部品結合体5(骨格部品3、4)とは、ドア開口部1、
1側とその反対側の両側で、重なり合うようにして溶接されているが、代表する図6(第
1の骨格部品3側の断面図)に示すように、それら両側で、それぞれ重なり合うことなく
、アウターパネル2の各端部7が、骨格部品結合体5(骨格部品3、4)の、溶接部とし
ての例えばコーナー8に突き当てられて、レーザー溶接等により溶接されてもよい。こう
することで、車体のドア開口部1、1側とその反対側の両側において、アウターパネル2
に溶接のためのフランジ2a、2bを設ける必要がなく、また、それと対応して、骨格部
品結合体5(骨格部品3、4)の断面形状を小さくできるので、余ったエリアを他に有効
に利用することができるとともに、軽量化を図ることができる。また反対に、余ったエリ
アまで、アウターパネル2や骨格部品結合体5(骨格部品3、4)の有効断面積を広げれ
ば、その強度および剛性を増加させることができる。なお、第2の骨格部品4側に関して
は、図示を省略するが、前記第1の骨格部品3側と同様である。
【0032】
さらに、アウターパネル2と骨格部品結合体5(骨格部品3、4)とは、ドア開口部1
、1側とその反対側のいずれか一方側で、重なり合うようにして溶接されるとともに、い
ずれか他方側で、重なり合うことなく、アウターパネル2の端部7が、骨格部品結合体5
(骨格部品3、4)の、例えばコーナー8に突き当てられて、レーザー溶接等により溶接
されてもよい。
【0033】
また、車体のドア開口部1、1回りの構造6は、アウター部101(アウターパネル2
)と、第1および第2の骨格部品3、4とからならなくとも、第1の骨格部品3とアウタ
ー部101とからなってもよく、また、第2の骨格部品4とアウター部101とからなっ
てもよい。
【0034】
また、骨格部品3、4は、高張力鋼材からならなくとも、一般の鋼材あるいはアルミニ
ウム合金、その他の金属材料からなっていてもよい。
【0035】
また、アウターパネル2と骨格部品結合体5(骨格部品3、4)とを接合するための溶
接は、レーザー溶接に限定されるものではなく、アーク溶接等、その他の溶接であっても
よい。
【0036】
さらに、アウターパネル2と骨格部品結合体5(骨格部品3、4)とは、その長手方向
の全長に渡って連続して溶接されなくとも、断続して溶接される等、その一部が溶接され
てもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上、詳述したところから明らかなように、この発明に係る、車体のドア開口部回りの
構造によれば、次の効果がある。
【0038】
請求項1ないし5、並びに、7および8に記載された、車体のドア開口部回りの構造に
よれば、インナー部とスチフナー部とがチューブハイドロフォーミングによって一体に形
成された骨格部が、アウター部と溶接により直接接合されるので、強度および剛性に優れ
、しかも生産性を高めることができる。さらに、骨格部は、アウター部によって、車体外
側からは、人の目に触れにくくなるので、車体の外観を損ねることがない。
【0039】
また、請求項6に記載された、車体のドア開口部回りの構造によれば、請求項1ないし
3のいずれか1項の効果に加えて、骨格部は、ルーフサイドレール部分およびフロントピ
ラーアッパ部分と、サイドシル部分およびフロントピラーロア部分とで、別々の部品で構
成されているので、両者の断面サイズが大きく異なる場合であっても、容易に対応するこ
とができる。
【0040】
また、請求項9に記載された、車体のドア開口部回りの構造によれば、請求項3の効果
に加えて、車体のドア開口部側とその反対側の少なくとも一方側で、アウター部と骨格部
の管状構造とが、重なり合うようにして溶接されるので、アウター部の端部が骨格部の管
状構造に突き当てられて溶接される場合に比して、この溶接を容易に行うことができる。
【0041】
また、請求項10および13に記載された、車体のドア開口部回りの構造によれば、
求項3の効果に加えて、車体のドア開口部側とその反対側の両側で、アウター部と骨格部
の管状構造とが、重なり合うようにして溶接されるので、アウター部の端部が骨格部の管
状構造に突き当てられて溶接される場合に比して、この溶接を一層容易に行うことができ
る。
【0042】
また、請求項11に記載された、車体のドア開口部回りの構造によれば、請求項3の効
果に加えて、車体のドア開口部側とその反対側の少なくとも一方側において、アウター部
に溶接のためのフランジを設ける必要がなく、また、それと対応して、骨格部の断面形状
を小さくできるので、余ったエリアを他に有効に利用することができる。また反対に、余
ったエリアまで、アウター部や骨格部の有効断面積を広げれば、その強度および剛性を増
加させることができる。
【0043】
また、請求項12に記載された、車体のドア開口部回りの構造によれば、請求項3の効
果に加えて、車体のドア開口部側とその反対側の両側において、アウター部に溶接のため
のフランジを設ける必要がなく、また、それと対応して、骨格部の断面形状を小さくでき
るので、余ったエリアを他に一層有効に利用することができる。また反対に、余ったエリ
アまで、アウター部や骨格部の有効断面積を広げれば、その強度および剛性を一層増加さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明に係る、車体のドア開口部回りの構造の一実施の形態の、斜視図である。
【図2】
同じく、図1におけるA−A線による断面図である。
【図3】
同じく、図1におけるB−B線による断面図である。
【図4】
同じく、図1におけるC−C線による断面図である。
【図5】
同じく、図1におけるD−D線による断面図である。
【図6】
この発明に係る、車体のドア開口部回りの構造の他の実施の形態の、図3相当図である

【図7】
従来の車体のドア開口部回りの構造を示す、断面図である。
【図8】
従来の車両の側部構造を示す、断面図である。
【図9】
従来の車体のセンターピラーを示す、断面図である。
【符号の説明】
1 ドア開口部 3 第1の骨格部品(骨格部)
4 第2の骨格部品(骨格部) 5 骨格部品結合体(骨格部)
6 車体のドア開口部回りの構造 7 端部
101 アウター部 102 インナー部
103 スチフナー部 201 ルーフサイドレール部分
202 フロントピラーアッパ部分 203 フロントピラーロア部分
204 サイドシル部分 205 リアピラー部分
206 センターピラー部分
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