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JP2003049662A - Vgsタイプターボチャージャにおける排気ガイドアッセンブリの構成部材の接合方法 - Google Patents

Vgsタイプターボチャージャにおける排気ガイドアッセンブリの構成部材の接合方法

Info

Publication number
JP2003049662A
JP2003049662A JP2001235794A JP2001235794A JP2003049662A JP 2003049662 A JP2003049662 A JP 2003049662A JP 2001235794 A JP2001235794 A JP 2001235794A JP 2001235794 A JP2001235794 A JP 2001235794A JP 2003049662 A JP2003049662 A JP 2003049662A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
caulking
guide assembly
exhaust
joining
receiving hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001235794A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinjiro Oishi
新二朗 大石
Yukio Takahashi
幸雄 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Sogi Kogyo KK
Original Assignee
IHI Corp
Sogi Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp, Sogi Kogyo KK filed Critical IHI Corp
Priority to JP2001235794A priority Critical patent/JP2003049662A/ja
Publication of JP2003049662A publication Critical patent/JP2003049662A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 VGSタイプターボチャージャにおける排気
ガイドアッセンブリの構成部材の接合にあたって、プレ
スカシメ手法を適用することを前提としながら、同時に
高温状態におけるカシメ強度を向上させるようにした新
規な接合方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、カシメポンチPが直接作用す
る被カシメ体61の変形部62を、被組付体63の受入
孔64に、挿入、貫通させた後、変形部62をカシメポ
ンチPによる押圧作動によって、受入孔64に密着する
ように変形させ、被カシメ体61と被組付体63とを接
合する際、変形部62または受入孔64のうち、どちら
か一方または双方に、カシメ加工後において互いに係合
し合い、各部材間の回動を確実に伝達する係合部66を
予め形成するようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用エンジン等
に用いられるターボチャージャに関するものであって、
特にこのものに組み込まれる排気ガイドアッセンブリの
構成部材をプレスカシメする際、高温状態におけるカシ
メ強度を向上させるようにした新規な接合方法に係るも
のである。
【0002】
【発明の背景】自動車用エンジンの高出力化、高性能化
の一手段として用いられる過給機としてターボチャージ
ャが知られており、このものはエンジンの排気エネルギ
によってタービンを駆動し、このタービンの出力によっ
てコンプレッサを回転させ、エンジンに自然吸気以上の
過給状態をもたらす装置である。ところでこのターボチ
ャージャは、エンジンが低速回転しているときには、排
気流量の低下により排気タービンがほとんど働かず、従
って高回転域まで回るエンジンにあってはタービンが効
率的に回るまでのもたつき感と、その後の一挙に吹き上
がるまでの所要時間いわゆるターボラグ等が生ずること
を免れないものであった。またもともとエンジン回転が
低いディーゼルエンジンでは、ターボ効果を得にくいと
いう欠点があった。
【0003】このため低回転域からでも効率的に作動す
るVGSタイプのターボチャージャが開発されてきてい
る。このものは排気タービンの外周に配設された複数の
可変翼(羽)によって、少ない流量の排気ガスを絞り込
み、排気の速度を増し、排気タービンの仕事量を大きく
することで、低速回転時でも高出力を発揮できるように
したものである。このためVGSタイプのターボチャー
ジャにあっては、別途可変翼の可変機構等を必要とし、
周辺の構成部品も従来のものに比べて形状等をより複雑
化させなければならなかった。
【0004】そしてこのようなVGSタイプのターボチ
ャージャにおいて、例えば可変翼と、これを回動させる
回動片(後述する受動要素32B)との接合にあたって
は、この種のターボチャージャが高温雰囲気下で使用さ
れることに因み、高温状態におけるカシメ強度に優れた
スピンカシメによる接合手法が一般的であった。ここで
スピンカシメ手法とは、一例として図7に示すように、
カシメ受入孔64′から突出させた変形部62′を、カ
シメポンチP′を旋回させながら、なだらかな山形状
(楯状)に丸め潰す手法である(加工後の変形部62′
を変形済部65′とする)。なおスピンカシメ手法に適
用されるカシメポンチP′は、カシメを行う作用先端部
が、回転のほぼ中心位置に設定されるものの、根元部位
は偏心状態に取り付けられ、より強固に変形部62′を
丸め得るように構成されている。スピンカシメ手法が、
高温強度に優れるのは、このように丸め潰された変形済
部65′によって、可変翼の軸部等の被カシメ体61′
を被組付体63′(カシメ受入孔64′)に強固に密着
させることができるためである。
【0005】しかしながらこのようなスピンカシメ手法
は、カシメポンチP′を回転させながらカシメ加工を行
うことに因み、一箇所ずつのカシメ作業を行う形態が一
般的であり、カシメ箇所が多ければ、それだけ多くの加
工時間を必要とし、作業性が良くないという問題があっ
た。因みに可変翼だけでも、一基のターボチャージャに
おいて10〜15個程度設けられるため、実際に自動車
が月産三万台程度、量産された場合には、可変翼と、こ
れを回動させる回動片だけでも、月に30万〜45万箇
所程度のカシメ加工を行うことになり、スピンカシメ手
法では到底対応し切れるものではなかった。
【0006】一方、このようなスピンカシメ手法に対し
て複数箇所のカシメが同時に行えるプレスカシメ手法が
存在する。この手法は、一例として図8に示すように、
カシメ受入孔64″に変形部62″を貫通させた後、カ
シメポンチPを被カシメ体61″の軸方向に対してのみ
押圧作動させ、例えば変形部62″を周囲に拡げるよう
にして、カシメ受入孔64″に接合させる手法である。
しかしながら、このようなプレスカシメ手法にあって
は、カシメポンチPの押圧作動のみによって、変形済部
65″を形成することに因み、変形済部65″によるカ
シメ受入孔64″への密着力が、スピンカシメ手法に比
べて劣り、量産性には優れるものの、高温状態における
カシメ強度が確保できない、という問題があった。この
ようなことからプレスカシメ手法を採りながら、同時
に、高温強度を向上させることが、VGSタイプのター
ボチャージャの量産化を実現する上での課題となってい
た。
【0007】また近年、特にディーゼル車においては、
環境保護等の観点から大気中に放出される排気ガスが強
く規制される現状にあり、元来エンジン回転が低いディ
ーゼルエンジンにおいては、NOX や粒子状物質(P
M)等を低減するためにも低回転域からエンジンの効率
化が図れるVGSタイプのターボチャージャの量産化
が、切望されるものであった。
【0008】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景を
認識してなされたものであって、構成部材(例えば可変
翼とその回動部材など)の接合にあたって、プレスカシ
メ手法を適用することを前提としながら、同時に高温状
態におけるカシメ強度を向上させるようにした新規な接
合方法の開発を試みたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
VGSタイプターボチャージャにおける排気ガイドアッ
センブリの構成部材の接合方法は、排気タービンの外周
位置において複数の可変翼を回動自在に保持し、エンジ
ンから排出された比較的少ない排気ガスを、この可変翼
によって適宜絞り込み、排気ガスの速度を増幅させ、排
気ガスのエネルギで排気タービンを回し、この排気ター
ビンに直結されたコンプレッサで自然吸気以上の空気を
エンジンに送り込み、低速回転時であってもエンジンが
高出力を発揮できるようにしたVGSタイプのターボチ
ャージャに組み込まれる排気ガイドアッセンブリの構成
部材を接合するにあたり、カシメポンチが直接作用する
被カシメ体の変形部を、被組付体の受入孔に、挿入、貫
通させた後、変形部をカシメポンチによる押圧作動によ
って、受入孔に密着するように変形させ、被カシメ体と
被組付体とを接合する方法において、前記変形部または
受入孔のうち、どちらか一方または双方に、カシメ加工
後において互いに係合し合い、各部材間の回動を伝達す
る係合部を予め形成するようにしたことを特徴として成
るものである。この発明によれば、変形部や受入孔に、
カシメ加工後の回動伝達力を向上させる係合部が形成さ
れるため、被カシメ体と被組付体との間において、確実
に回動が伝達され、カシメ後の回転トルクが確保でき
る。また係合部が形成されることに因み、高温雰囲気下
における使用に際しても、カシメ強度が保持され得る。
【0010】また請求項2記載のVGSタイプターボチ
ャージャにおける排気ガイドアッセンブリの構成部材の
接合方法は、前記請求項1記載の要件に加え、前記変形
部と、受入孔とは、ほぼ同一の嵌合形状に形成されるこ
とを特徴として成るものである。この発明によれば、係
合部が形成される変形部や受入孔が、ほぼ同一の嵌合状
態に形成されるため、カシメ後の回転トルクが、より確
実に確保できる。
【0011】更にまた請求項3記載のVGSタイプター
ボチャージャにおける排気ガイドアッセンブリの構成部
材の接合方法は、前記請求項1または2記載の要件に加
え、前記カシメポンチは、変形部の変形態様に応じて、
押圧ストロークや押圧先端の形状が設定されることを特
徴として成るものである。この発明によれば、変形部の
変形態様に応じて、カシメポンチの押圧ストロークや先
端形状が設定されるため、変形部を受入孔に充分密着さ
せるような加工(変形)がスムーズに行える。すなわち
変形部は、カシメポンチの押圧作動によって、たたき、
つぶし、押し拡げ等を同時に受けるが、例えば、この中
のどの変形を主に生じさせるか、あるいは同じ押し拡げ
でもどのような形状に拡げるのか等によって、カシメポ
ンチを適切な形状等に種々設定できる。
【0012】また請求項4記載のVGSタイプターボチ
ャージャにおける排気ガイドアッセンブリの構成部材の
接合方法は、前記請求項1、2または3記載の要件に加
え、前記被カシメ体は、可変翼における軸部であり、ま
た前記被組付体は、可変翼を適宜の角度、回動させる伝
達部材であることを特徴として成るものである。この発
明によれば、被カシメ体が可変翼であり、被組付体が、
これを回動させる伝達部材であるため、伝達部材から可
変翼に対して確実に回動が伝達され、可変翼の回動制御
が、より正確に行える。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に
基づいて説明する。なお本発明はVGSタイプターボチ
ャージャにおける排気ガイドアッセンブリAを製造する
際、具体的には排気ガイドアッセンブリAの種々の構成
部材を接合する際に適用されるものであり、説明にあた
っては、まず、この排気ガイドアッセンブリAについて
説明する。排気ガイドアッセンブリAは、特にエンジン
の低速回転時において排気ガスGを適宜絞り込んで排気
流量を調節するものであり、一例として図1に示すよう
に、排気タービンTの外周に設けられ実質的に排気流量
を設定する複数の可変翼1と、可変翼1を回動自在に保
持するタービンフレーム2と、排気ガスGの流量を適宜
設定すべく可変翼1を一定角度回動させる可変機構3と
を具えて成るものである。以下排気ガイドアッセンブリ
Aの各構成部について説明する。
【0014】まず可変翼1について説明する。このもの
は一例として図1に示すように排気タービンTの外周に
沿って円弧状に複数(一基の排気ガイドアッセンブリA
に対して概ね10個から15個程度)配設され、そのそ
れぞれが、ほぼ同程度づつ回動して排気流量を適宜調節
するものである。そして各可変翼1は、翼部11と、軸
部12とを具えて成る。翼部11は、主に排気タービン
Tの幅寸法に応じて一定幅を有するように形成されるも
のであり、その幅方向における断面が概ね翼状に形成さ
れ、排気ガスGが効果的に排気タービンTに向かうよう
に構成されている。なおここで翼部11の幅寸法を便宜
上、羽根高さhとする。また軸部12は、翼部11と一
体で連続するように形成されるものであり、翼部11を
動かす際の回動軸に相当する部位となる。
【0015】そして翼部11と軸部12との接続部位に
は、軸部12から翼部11に向かって窄まるようなテー
パ部13と、軸部12より幾分大径の鍔部14とが連な
るように形成されている。なお鍔部14の底面は、翼部
11における軸部12側の端面と、ほぼ同一平面上に形
成され、この平面が、可変翼1をタービンフレーム2に
取り付けた状態における摺動面となり、可変翼1の円滑
な回動状態が確保される。更に軸部12の先端部には、
可変翼1の取付状態の基準となる基準面15が形成され
る。この基準面15は、後述する可変機構3に対しカシ
メ等によって固定される部位であり、一例として図1に
示すように、軸部12を対向的に切り欠いた平面が、翼
部11に対してほぼ一定の傾斜状態に形成されて成るも
のである。
【0016】次にタービンフレーム2について説明す
る。このものは、複数の可変翼1を回動自在に保持する
フレーム部材として構成されるものであって、一例とし
て図1に示すように、フレームセグメント21と保持部
材22とによって可変翼1を挟み込むように構成され
る。そしてフレームセグメント21は、可変翼1の軸部
12を受け入れるフランジ部23と、後述する可変機構
3を外周に嵌めるボス部24とを具えて成る。なおこの
ような構造からフランジ部23には、周縁部分に可変翼
1と同数の受入孔25が等間隔で形成されるものであ
り、本発明では特に、この受入孔25を高効率に形成
し、また高精度に仕上げるものである。このため本発明
の実質的な適用対象物は、フレームセグメント21とな
る。
【0017】また保持部材22は、図1に示すように中
央部分が開口された円板状に形成されている。そしてこ
れらフレームセグメント21と保持部材22とによって
挟み込まれた可変翼1の翼部11を、常に円滑に回動さ
せ得るように、両部材間の寸法は、ほぼ一定(概ね可変
翼1の翼幅寸法程度)に維持されるものであり、一例と
して受入孔25の外周部分に、四箇所設けられたカシメ
ピン26によって両部材間の寸法が維持されている。こ
こで上記カシメピン26を受け入れるためにフレームセ
グメント21及び保持部材22に開口される孔をピン孔
27とする。
【0018】なおこの実施の形態では、フレームセグメ
ント21のフランジ部23は、保持部材22とほぼ同径
のフランジ部23Aと、保持部材22より幾分大きい径
のフランジ部23Bとの二つのフランジ部分から成るも
のであり、これらを同一部材で形成するものであるが、
同一部材での加工が複雑になる場合等にあっては、径の
異なる二つのフランジ部を分割して形成し、後にカシメ
加工やブレージング加工等によって接合することも可能
である。
【0019】次に可変機構3について説明する。このも
のはタービンフレーム2のボス部24の外周側に設けら
れ、排気流量を調節するために可変翼1を回動させるも
のであり、一例として図1に示すように、アッセンブリ
内において実質的に可変翼1の回動を生起する回動部材
31と、この回動を可変翼1に伝える伝達部材32とを
具えて成るものである。回動部材31は、図示するよう
に中央部分が開口された略円板状に形成され、その周縁
部分に可変翼1と同数の伝達部材32を等間隔で設ける
ものである。なおこの伝達部材32は、回動部材31に
回転自在に取り付けられる駆動要素32Aと、可変翼1
の基準面15に固定状態に取り付けられる受動要素32
Bとを具えて成るものであり、これら駆動要素32Aと
受動要素32Bとが接続された状態で、回動が伝達され
る。具体的には四角片状の駆動要素32Aを、回動部材
31に対して回転自在にピン止めするとともに、この駆
動要素32Aを受け入れ得るように略U字状に形成した
受動要素32Bを、可変翼1の先端の基準面15に固定
し、四角片状の駆動要素32AをU字状の受動要素32
Bに嵌め込み、双方を係合させるように、回動部材31
をボス部24に取り付けるものである。
【0020】なお複数の可変翼1を取り付けた初期状態
において、これらを周状に整列させるにあたっては、各
可変翼1と受動要素32Bとが、ほぼ一定の角度で取り
付けられる必要があり、本実施の形態においては、主に
可変翼1の基準面15がこの作用を担っている。また回
動部材31を単にボス部24に嵌め込んだままでは、回
動部材31がタービンフレーム2と僅かに離反した際、
伝達部材32の係合が解除されてしまうことが懸念され
るため、これを防止すべく、タービンフレーム2の対向
側から回動部材31を挟むようにリング33等を設け、
回動部材31に対してタービンフレーム2側への押圧傾
向を賦与するものである。このような構成によって、エ
ンジンが低速回転を行った際には、可変機構3の回動部
材31を適宜回動させ、伝達部材32を介して軸部12
に伝達し、図1に示すように可変翼1を回動させ、排気
ガスGを適宜絞り込んで、排気流量を調節するものであ
る。
【0021】本発明が適用される排気ガイドアッセンブ
リAの一例は、以上のように構成されて成り、以下、本
発明の接合方法について説明する。なお本発明の接合方
法は、上述したようにプレスカシメ手法を適用するもの
であり、主に可変翼1(軸部12)と受動要素32Bと
における、カシメ加工後、接合した部材間の回動を確実
に伝達したい部位に好適な接合手法である。しかしなが
ら、この他にも、駆動要素32Aを回転自在に保持する
ピンを、回動部材31に接合する部位、あるいはカシメ
ピン26とピン孔27との接合にも適用できる。なおこ
こでは可変翼1を受動要素32Bに接合する場合を例に
挙げて説明する。
【0022】(1)カシメ加工に関する名称の定義 カシメ加工を行うには、一例として図2に示すように、
まず可変翼1の軸部12をフレームセグメント21の受
入孔25に挿入し、ここから突出させた軸部12の先端
(基準面15)を受動要素32Bの受入孔に嵌め、軸部
12の先端部をカシメポンチPの押圧動作によってたた
いたり、つぶしたり、押し拡げたりして接合するもので
ある。なお可変翼1や受動要素32Bは、接合を要する
部材の一例に過ぎないため、ここではカシメ加工の作用
上から部材の名称を定義する。まずカシメポンチPの押
圧作動によってつぶし等の変形を受ける部材(変形前)
を被カシメ体61(可変翼1)とし、このものにおいて
実質的にカシメポンチPによる変形を受ける先端部位を
変形部62とする。一方、被カシメ体61にカシメ止め
される部材(板状部材)を被組付体63(受動要素32
B)とし、このものに開口され、変形部62を受け入れ
る孔を受入孔64と定義する。またカシメ加工後、カシ
メポンチPによってつぶされたり押し拡げられたり等の
変形した変形部62を変形済部65とする。
【0023】(2)カシメに関する形状 ここで図1、2に示した実施の形態では、変形部62
は、軸方向における円形断面の対向する二面が切り欠か
れた状態(二面カット状)に形成され、受入孔64もこ
れを受け入れ得るような、ほぼ同一形状に形成されてい
る。またこの実施の形態では、変形部62のほぼ中央部
に凹陥部62aが形成され、この部位はカシメポンチP
による押圧動作によって、周囲に押し拡げられたり、つ
ぶされたりして、受入孔64に強固に密着するように接
合される部位である(図2(b)参照)。
【0024】このように本実施の形態では、変形部62
と受入孔64とを、嵌合可能な二面カット状に形成する
ことによって、この切欠面が互いに係合し合い、カシメ
加工後、被組付体63(受動要素32B)の回動(トル
ク)を被カシメ体61(可変翼1)に確実に伝達し得る
ようにしており、回動伝達に寄与する、切欠面を係合部
66とする。また本実施の形態では、変形部62のほぼ
中央部にくり抜き状の凹陥部62aを形成したが、これ
はカシメ加工によって変形部62を変形(たたき、つぶ
し、押し拡げ等)し易くするための構造であり、変形部
62の大きさや形状、カシメポンチPの押圧力、変形済
部65の密着力等に応じて適宜形成し得るものである。
すなわち変形部62をカシメポンチPによって主につぶ
し、受入孔64との強固な密着力を得る場合には、凹陥
部62aをあえて形成しない形態が可能である。
【0025】なお変形部62と、受入孔64との形状
は、上述した二面カット状(対向切り欠き形状)の他に
も種々のものが採り得、例えば図3(a)に示すよう
に、円形断面の一部を切り欠いた、断面D字状(変形部
62の受け入れ方向から視た断面)を呈するものでも構
わない。この場合、フラット状に切り欠かれた面が、係
合部66となる。またこの他にも、例えば図3(b)に
示すように、変形部62の周囲に凹凸を形成し(言わば
星型断面形状)、これに対応するように、受入孔64を
形成することも可能である。もちろん、この場合の係合
部66は、変形部62の外周と、受入孔64の内周とに
形成された凹凸部になる。
【0026】また必ずしも、変形部62と受入孔64と
を、ほぼ同一の嵌合形状とする必要はなく、例えば、上
記図3(b)の星型断面形状の場合等には、例えば本図
に示すように、変形部62を、凹陥部62aを有した円
柱状に形成し、カシメポンチPの押圧により主に押し広
げるように変形させて、変形部62を受入孔64に強固
に密着させることが可能である。このような形態を採る
場合、変形部62は、一例として図4に示すように、カ
シメポンチPによって、受入孔64の凹凸に入り込むよ
うに押し拡げられ、変形済部65に強固な密着力を付与
するものである。従ってこの場合には、受入孔64のみ
に実質的な係合部66となる凹凸が形成されるものであ
り、特にカシメ加工前の変形部62には、係合部66が
形成されないことになる。このように本発明において
は、カシメ加工後に回動伝達を確実に行う係合部66
を、変形部62または受入孔64のうち、どちらか一方
または双方に、設けることによって、カシメポンチPを
単軸方向のみに押圧作動させながらも、変形済部65の
密着力を増大させるようにしている。
【0027】(3)カシメポンチの形状 なお上記図2に示した実施の形態では、カシメポンチP
は、変形部62を押圧する先端部を鋭角状にした、略円
錐形状に形成されるものであった。これは、カシメポン
チPの押圧動作によって、変形部62を主として押し拡
げるのに適した構造である。もちろん変形部62は、こ
のような押し拡げとともにカシメポンチPによって、た
たかれたり、つぶされたりもするが、カシメポンチP
は、変形部62を主にどのように変形させるのか、ある
いはどのような形状に変形させるのかによって種々の形
状が採り得るものである。具体的には図5に示すような
断面形状が取り得、例えば先端部を曲面状に凹陥形成し
た図5(a)の場合には、変形部62を丸めるように
(図中の一点鎖線)変形させ得るものであり、また図5
(b)の場合には、一点鎖線で示すように、凹陥部62
aが形成された変形部62を外周に湾曲させる(反り返
らせる)ように変形させ得るものである。更にまた、押
圧部に突起を形成した図5(c)の場合には、一点鎖線
で示すように、凹陥部62aが形成された変形部62を
つぶしながら周方向に拡げるように変形させ得るもので
ある。このようにカシメポンチPは、作用先端部が適宜
の形状に形成されるものであるが、押圧ストロークも変
形部62を適宜、変形させ得るように設定されるもので
ある。
【0028】なお本発明ではプレスカシメ手法を適用す
ることにより、複数箇所の同時カシメが可能となり、こ
れが排気ガイドアッセンブリAの生産性向上に寄与する
ものであるが、例えば可変翼1と受動要素32Bのよう
に、カシメ箇所が周上に等間隔に並んでいる場合、フレ
ームセグメント21等を載置した治具やテーブルを、同
時カシメを行う複数箇所の角度分ずつ回転させ、同時カ
シメを要する複数の位置出しを容易に行う、インデック
ス機構を組み込むことが好ましい。具体的には、図6に
示すように、可変翼1をフレームセグメント21の周上
に12箇所配設する場合には、カシメを30°(360
÷12)ずつの間隔で行うことになり、この際、例えば
四箇所ずつ、同時カシメを行いたい場合には、120°
(30°×4)ずつ、フレームセグメント21を回転で
きるようにすれば、より一層効率的なカシメ加工が行え
るものである。もちろんこの際、フレームセグメント2
1を、カシメの最小間隔である30°ずつ、回転できる
構造とすることも可能である。この場合、必全的に四箇
所分ずつの120°回転が行え、特に端数のカシメ箇所
が残る場合にも対応できる。
【0029】またプレスカシメ手法では、例えばカシメ
ポンチPを旋回させるスペースが必要ないこと等から、
カシメ加工が比較的狭いスペースで行え、可変翼1に回
動を伝達する可変機構3(リンク機構)が、比較的小さ
い径寸法で構成でき、これが、排気ガイドアッセンブリ
AないしはVGSタイプターボチャージャ等の小型化に
寄与するものである。
【0030】
【発明の効果】まず請求項1記載の発明によれば、変形
部62や受入孔64に係合部66が形成されるため、カ
シメ後の回転トルクが確実に保持でき、また高温状態に
おけるカシメ強度の低下を効果的に防止できる。
【0031】また請求項2記載の発明によれば、係合部
66を有する変形部62や受入孔64が、受け入れ方向
(軸方向)に対して、ほぼ同一形状に形成されるため、
カシメ後の回転トルクや高温状態におけるカシメ強度
が、より確実に維持できる。
【0032】更にまた請求項3記載の発明によれば、カ
シメポンチPは、変形部62を受入孔64に、より強固
に密着させるように、適切な形状やストロークに形成さ
れるため、変形部62を変形させる押圧力が少なくて済
み、円滑且つ確実にプレスカシメを行うことができる。
【0033】また請求項4記載の発明によれば、可変翼
1と、これを回動させる受動要素32B(伝達部材3
2)との接合に、本発明の接合方法を適用するため、排
気ガスGの適切な流量制御が正確且つ確実に行え、排気
ガイドアッセンブリAひいてはVGSタイプターボチャ
ージャの性能向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した排気ガイドアッセンブリを組
み込んだVGSタイプのターボチャージャを示す斜視図
(a)、並びに排気ガイドアッセンブリを示す分解斜視
図(b)である。
【図2】変形部と受入孔とを、対向する二面を切欠状に
形成した実施の形態を示す斜視図(a)、並びにこの
際、くり抜き状の凹陥部を有した変形部を押圧作動のみ
によってプレスカシメする断面図(b)である。
【図3】変形部と受入孔とを、D字状に形成した実施の
形態を示す斜視図(a)、並びに星型状に形成した実施
の形態を示す斜視図(b)である。
【図4】変形部を円柱状に形成し、受入孔を星型状に形
成した際の、カシメ加工前後の様子を示す平面断面図で
ある。
【図5】カシメポンチの種々の形態を示す断面図であ
る。
【図6】プレスカシメに組み込まれるインデックス機構
の説明図である。
【図7】一般的なスピンカシメ手法のカシメ加工前後の
様子を示す正面断面図(a)、並びに斜視図(b)であ
る。
【図8】一般的なプレスカシメ手法のカシメ加工前後の
様子を示す正面断面図(a)、並びに斜視図(b)であ
る。
【符号の説明】
1 可変翼 2 タービンフレーム 3 可変機構 11 翼部 12 軸部 13 テーパ部 14 鍔部 15 基準面 21 フレームセグメント 22 保持部材 23 フランジ部 23A フランジ部(小) 23B フランジ部(大) 24 ボス部 25 受入孔 26 カシメピン 27 ピン孔 31 回動部材 32 伝達部材 32A 駆動要素 32B 受動要素 33 リング 61 被カシメ体 62 変形部 62a 凹陥部 63 被組付体 64 受入孔 65 変形済部 66 係合部 A 排気ガイドアッセンブリ G 排気ガス h 羽根高さ P カシメポンチ T 排気タービン
フロントページの続き (72)発明者 高橋 幸雄 千葉県袖ヶ浦市福王台4−38−2 コスモ 袖ヶ浦106号 Fターム(参考) 3G005 DA02 EA04 EA15 EA16 FA00 FA13 GA04 GB81 KA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気タービンの外周位置において複数の
    可変翼を回動自在に保持し、 エンジンから排出された比較的少ない排気ガスを、この
    可変翼によって適宜絞り込み、排気ガスの速度を増幅さ
    せ、排気ガスのエネルギで排気タービンを回し、この排
    気タービンに直結されたコンプレッサで自然吸気以上の
    空気をエンジンに送り込み、低速回転時であってもエン
    ジンが高出力を発揮できるようにしたVGSタイプのタ
    ーボチャージャに組み込まれる排気ガイドアッセンブリ
    の構成部材を接合するにあたり、 カシメポンチが直接作用する被カシメ体の変形部を、被
    組付体の受入孔に、挿入、貫通させた後、変形部をカシ
    メポンチによる押圧作動によって、受入孔に密着するよ
    うに変形させ、被カシメ体と被組付体とを接合する方法
    において、 前記変形部または受入孔のうち、どちらか一方または双
    方に、カシメ加工後において互いに係合し合い、各部材
    間の回動を伝達する係合部を予め形成するようにしたこ
    とを特徴とするVGSタイプターボチャージャにおける
    排気ガイドアッセンブリの構成部材の接合方法。
  2. 【請求項2】 前記変形部と、受入孔とは、ほぼ同一の
    嵌合形状に形成されることを特徴とする請求項1記載の
    VGSタイプターボチャージャにおける排気ガイドアッ
    センブリの構成部材の接合方法。
  3. 【請求項3】 前記カシメポンチは、変形部の変形態様
    に応じて、押圧ストロークや押圧先端の形状が設定され
    ることを特徴とする請求項1または2記載のVGSタイ
    プターボチャージャにおける排気ガイドアッセンブリの
    構成部材の接合方法。
  4. 【請求項4】 前記被カシメ体は、可変翼における軸部
    であり、また前記被組付体は、可変翼を適宜の角度、回
    動させる伝達部材であることを特徴とする請求項1、2
    または3記載のVGSタイプターボチャージャにおける
    排気ガイドアッセンブリの構成部材の接合方法。
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