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JP2002509444A - Wf14573またはその塩、それらの製法および用途 - Google Patents

Wf14573またはその塩、それらの製法および用途

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JP2002509444A
JP2002509444A JP54684499A JP54684499A JP2002509444A JP 2002509444 A JP2002509444 A JP 2002509444A JP 54684499 A JP54684499 A JP 54684499A JP 54684499 A JP54684499 A JP 54684499A JP 2002509444 A JP2002509444 A JP 2002509444A
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JP
Japan
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wf14573a
salt
water
ymc
column
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JP54684499A
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康宏 堀
茂弘 高瀬
泰久 鶴海
道真 橋本
資弘 日野
Original Assignee
藤沢薬品工業株式会社
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Publication date
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Priority claimed from AUPP3256A external-priority patent/AUPP325698A0/en
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規抗菌性化合物WF14573、並びに(a)WF14573Aおよび/またはB生産性微生物を栄養培地中で培養し、得られる培養液からWFI4573Aおよび/またはBを回収するか、あるいは(b)WF14573Aおよび/またはBを脱アシル化し得る微生物性物質の存在下に、WF14573Aおよび/またはBを脱アシル化することによるWF14573の製造方法を提供する。また、WF14573および担体を含む抗菌剤、有効量のWF14573および医薬上許容される担体を含む医薬組成物、WF14573を微生物に適用することによる微生物の殺菌方法および病原性微生物によって惹き起こされる感染症の治療のためのWF14573の使用を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 WF14573またはその塩、それらの製法および用途 技術分野 本発明は新規抗菌性化合物、WF14573またはその塩に関する。より詳細 には、本発明は、病原性微生物、特に病原性真菌に対して抗菌活性を有する新規 な抗菌性化合物、WF14573またはその塩、それらの調製方法、並びにそれ らを含有する医薬組成物に関する。 発明の開示 新規化合物WF14573は下式: 式中、R1は水素またはメチル、R2は水素またはパルミトイルである。 本明細書においては、下記の特定化合物の命名を便宜的に使用する。化合物名 1 2 WF14573A −H −CO(CH214CH3 WF14573B −CH3 −CO(CH214CH3 デアシルWF14573A −H −H デアシルWF14573B −CH3 −H 新規化合物WF14573Aは以下の理化学的性質を有する。 a)分子量: ESI-MS(-)m/z 1143(M-H) b)元素分析: C 48.39;H 7.15;N 8.95 c)融点: 230-240℃(分解) d)比旋光度: [α]D 23=-12°(c 0.5,メタノール) e)紫外吸収スペクトル: λmax(ε)=276nm(メタノール) f)赤外吸収スペクトル: νmax(KBr)=3360,2920,2830,1670,1630,1540,1440,1270,1240, 1050cm-1 i)溶解性: 可溶:水,メタノール,ジメチルスルホキシド 不溶:n−ヘキサン,クロロホルム j)薄層クロマトグラフィー: 担体:シリカゲル60 F254(Merck) 溶媒:1−ブタノール:酢酸:水=4:1:2 Rf=0.39 新規化合物WF14573Bは(そのナトリウム塩として)以下の理化学的性 質を有する。 a)分子量: ESI-MS(-)m/z 1157(M-H) b)元素分析: C 48.79;H 7.34;N 8.96;S 2.80;Na 1.69 c)融点: 220-225℃(分解) d)比旋光度: [α]D 23=-15°(c 0.9,メタノール) e)紫外吸収スペクトル: λmax(ε)=276nm(メタノール) f)赤外吸収スペクトル: νmax(KBr)=3360,2940,2830,1670,1630,1530,1440,1270,1240, 1050cm-1 i)溶解性: 可溶:水,メタノール,ジメチルスルホキシド 不溶:n−ヘキサン,クロロホルム j)薄層クロマトグラフィー: 担体:シリカゲル60 F254(Merck) 溶媒:1−ブタノール:酢酸:水=4:1:2 Rf=0.45 上記の理化学的性質およびさらなる調査の結果から、WF14573Aおよび Bの化学構造はそれぞれ上記のように決定される。 発明を実施するための最良の様式 本発明によれば、化合物WF14573AおよびBはコレオフォーマ(Coleop homa)属に属するWF14573Aおよび/またはB生産菌株を、栄養培地中で 培養することによって調製することができる。 WF14573AおよびBの製造に使用される微生物および該化合物の製造の 詳細について以下で説明する。微生物 WF14573AおよびBの製造に使用することができる微生物は、コレオフ ォーマ属に属するWF14573Aおよび/またはB生産菌株であり、このうち コレオフォーマ・エンペトリ(Coleophoma empetri)No.14573は、日本 国長崎県上県郡美津島町で採取された落葉試料から新たに分離された。 新規分離微生物、コレオフォーマ・エンペトリNo.14573の凍結乾燥サ ンプルはブダペスト条約に基づく国際寄託機関である工業技術院生命工学研究所 (〒305 日本国茨城県つくば市東1丁目1−3)に1998年2月12日付 で寄託され、生命研条寄第6252号(FERMBP−6252)の受託番号が 付されている。 ここに記載した特定の生物は単に説明のためにのみ記載したものであり、新規 化合物WF14573Λおよび/またはBの産生がこの特定の生物の使用に限定 されるものでないことが理解されるべきである。本発明はまた、自然突然変異体 、並びに遺伝子工学、X線、紫外線照射、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニト ロソグアニジン処理等の慣用の手段により記載された生物から作製することがで きる人工突然変異体を含めて、WF14573Aおよび/またはBを産生し得る いかなる変異体の使用も包含する。 No.14573株は下記の形態学的、培養的および生理学的特徴を有する。 本菌株は各種培地上でやや抑制的に生育し灰色がかったコロニーを形成した。 本菌株は培地上および培地中にテレオモルフおよびアナモルフのいずれも形成し なかったが、寒天培地上に置かれたオートクレイブ滅菌した葉片上で分生子殼状 ないし子座状の分生子果を生成した。分生子果は凸面状ないし円盤状の暗茶ない し黒色で、その内壁下部の細胞上にアンプル形ないしフラスコ形の分生子形成細 胞を形成した。分生子は透明、一細胞、円筒形であった。フォン・アークス(J .A.von Arx:The Genera of Fungi-Sporulating in Pure Culture.3rd ed.,p p.315,J.Cramer,Vaduz,1974)およびサットン(B.C.Sutton:The Coelomy cetes-Fungi Imperfecti with Pycnidia,Acervuli and Storoma.,pp.696,Co mmonwealth Mycological Institute,Kew,1980)による菌類の分類基準を用い た形態学的特徴の比較に基づくと、No.14573株は分生子果不完全菌類コ レオフォーマ と考えられた。その菌学的性質は以下の通りであった。 種々の寒天培地上での培養上の特徴を表1にまとめる。ポテトデキストロース 寒天上での培養は抑制的に生育し、25℃で2週間後に直径1.5〜2.5cm に達した。このコロニーの表面は平坦ないし隆起し、フェルト状ないし綿状、明 灰ないし暗灰で、周縁部が黄味白であった。裏面の色はオリーブであった。分生 子構造は観察されなかった。コーンミール寒天上のコロニーはやや抑制的に生育 し、同じ条件下で直径2.5〜3.5cmに達した。表面は平坦ないし中心部が 隆起し、暗灰で光沢があった。コロニーの中心はフェルト状ないし綿状、紫味灰 ないし暗紫であった。周縁部付近の菌糸は埋没し白色であった。裏面は暗灰ない し暗緑で、周縁部は黄味白であった。分生子構造は生じなかった。 形態学的特徴は三浦のLCA平板培地(Miura,K.とM.Kudo:Trans.Mycol.Soc .Japan,11:116-118,1970)に置かれた滅菌葉片上での培養から決定した。分 生子果は葉片上でのみ形成された。それらは分生子殻状ないし子座状、表在性な いし半埋没性、分離しており、暗茶ないし黒であった。それらの形状は凸面状な いし円盤状、ときには乳頭状で、孔口がないか不明瞭な孔口を有し、単室から成 り、基部は平坦、上部に薄壁があり、直径70〜170μm、高さ40〜90μ mであった。分生子殻内壁の下部の細胞は厚壁があり、暗茶、不規則な形状で、 多角菌糸組織を形成した。内壁細胞は分生子形成細胞を直接産生するが、ときに は分生子柄を形成する。分生子柄は透明、滑面で隔壁を有し、単純ないしわずか に分枝し、10〜17×3.5〜4.5μmであった。分生子形成細胞は分離し て、頂生もしくは間生、透明、滑面で、アンプル形ないしフラスコ形、ときには 円筒形で、5〜11(〜16)×2〜4.5μmであった。分生子は全出芽型、 透明、滑面、一細胞、円筒形で、頂端が丸く、基部に小突起を有し、(11〜) 13〜20×2〜3μmであった。側糸はしばしば分生子柄上もしくは分生子柄 間に形成され、それらの構造は分生子形成細胞および分生子を覆っている鞘に似 ていた。それらは透明で、薄壁があり、釣鐘形ないし円筒形、培養後期には壊れ 、18〜30(〜35)×2.5〜5μmであった。栄養菌糸は滑面で隔壁を有 し、茶色で分枝していた。菌糸細胞は円筒形で幅2〜7μmであった。厚壁胞子 は観察されなかった。 No.14573株は3〜30℃の温度範囲で生育可能であり、21〜24℃ が生育に最適であった。これらの生育温度データはポテトデキストロース寒天( ニ ッスイ製)上で決定した。 ウーら(W.Wu,B.C.Sutton and A.C.Gange:Mycol.Res.100:943-947,1 996)-によるコレオフォーマ属の分類基準によれば、No.14573株はコレ オフォーマ・エンペトリ(Coleophoma empetri(Rostr.)Petrak 1929)に類似 する。上記の性質とこの種の記載との間には、表在性および不明瞭な孔口のある 分生子果といった少しの相違しかなかった。これらに加えて、側糸として記載さ れた構造について疑問が残っている。この属の分生子の発生過程を決定するには もっと多くの観察が必要であった。結論として、我々はこの分離株をコレオフォ ーマ・エンペトリの一菌株であると同定して、これをコレオフォーマ・エンペト リNo.14573(Coleophoma empetri No.14573)と名付けた。 表1.No.14573株の培養上の特徴 略語 G:生育,コロニーの大きさを直径で計測,S:コロニー表面,R:裏面*:麦芽 抽出寒天、ツァペック氏液寒天およびMY20寒天の組成は、JCM菌株カタロ グ(Nakase,T.,6th ed.,pp.617,Japan Collection of Microorganisms,th e Institute of Physical and Chemical Research,Saitama,1995)に基づいた 。 これらの性質は25℃で14日間培養した後に観察した。色調の記載はMethue n Handbook of Color(Kornerup,A.and J.H.Wanscher,3rd ed.,pp.252, Methuen,London,1978)に基づいた。WF14573AおよびBの製造 化合物WF14573AおよびBは、WF14573Aおよび/またはB生産 菌株を栄養培地中で培養することにより調製することができる。 一般に、WF14573AおよびBは、同化し得る炭素源および窒素源を含む 栄養培地中でWF14573Λおよび/またはB生産菌株を、好ましくは好気的 条件下(例えば、振盪培養、液内培養等)で培養することにより製造することが できる。 好ましい炭素源は、シュークロース、グルコース、可溶性デンプン等のような 炭水化物ある。 好ましい窒素源は、綿実粉、大豆粉、酵母エキス、ペプトン、グルテン粉、コ ーンスティープリカー、乾燥酵母等、並びにアンモニウム塩類(例えば、硝酸ア ンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等)、尿素、アミノ酸など のような無機および有機窒素化合物である。 炭素源および窒素源は、痕跡量の生育因子および相当量の無機栄養素を含む純 度の低い物質もまた使用に適しているので、それらを純粋な形で使用する必要は ない。さらに培地に添加してもよいものがある。炭酸カルシウム、リン酸ナトリ ウムまたはリン酸カリウム、マグネシウム塩等のような無機塩類である。培養培 地が著しく発泡する場合には、液状パラフィン、高級アルコール、植物油、鉱物 油およびシリコーンのような消泡剤を加えてもよい。 WF14573Aおよび/またはBの大量生産の好ましい条件としては液内好 気培養条件が挙げられる。 WF14573Aおよび/またはBの少量生産の好ましい条件としてはフラス コまたは瓶中での振盪または表面培養が挙げられる。 大型タンク内で製造する場合には、増殖遅延を避けるために、菌を栄養型で使 用して製造タンク内に接種することが好ましい。 培養液の攪拌および通気は種々の方法で行うことができる。攪拌はプロペラま たはこれに類似の機械的攪拌装置を用いて、ファーメンターの回転または振盪に よって、種々のポンプ装置を用いて、あるいは滅菌エアーを培地中に通過させる ことによって行えばよい。 発酵は、通常20℃と35℃の間、好ましくは約25℃で50〜100時間行 われるが、これらは発酵条件と発酵規模に応じて変化させてもよい。 このようにして生産されたWF14573AおよびBは、抗生物質のような他 の発酵生産物の回収に通常使用される常法によって、培養液から回収することが できる。 一般的には、生産されたWF14573AおよびBのほとんどは培養濾液中お よび細胞内に見出される。したがって、WF14573AおよびBは、培養液を 濾過または遠心分離することにより得られる濾液および細胞から、減圧濃縮、凍 結乾燥、溶媒抽出、pH調整、樹脂(例えば、陰イオンまたは陽イオン交換樹脂 、非イオン性吸着樹脂)による処理、吸着剤(例えば、活性炭、ケイ酸、シリカ ゲ ル、セルロース、アルミナ)による処理、結晶化、再結晶等のような常法によっ て単離することができる。 遊離の形態で得られるWF14573AおよびBは、水酸化ナトリウムまたは 水酸化カリウム、アンモニア水、エタノールアミン等のような無機または有機の 塩基で、また、グリシン、リジン、グルタミン酸等のようなアミノ酸でWF14 573AおよびBを処理することにより、その塩に変換してもよい。 WF14573AおよびBは病原性微生物、特に、病原性酵母(例えば、カン ディダ・アルビカンス(Candida albicans)等)などのような病原性真菌に対し て強い抗菌活性を有する。したがって、WF14573AおよびBおよび医薬上 許容されるその塩は抗菌剤、特に、ヒトおよび動物の感染症の治療に使用される 抗真菌剤として有用である。 WF14573ΛおよびBのこのような薬理効果を示す例として、いくつかの 薬理試験データを以下で説明する。試験1(抗菌活性) 96穴マイクロタイタープレートを用いて、連続ブロス希釈法により、WF1 4573AまたはBの抗菌活性を酵母窒素ベース・デキストロース培地100μ l中で測定した。接種量は1×105コロニー形成単位/mlに調整した。カン ディダ・アルビカンスおよびアスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumi gatus)は37℃で24時間、またクリプトコッカス・ネオフォルマンス(Crypt ococcus neoformans)は37℃で48時間、5%CO2インキュベーター中で培 養した。培養後、各ウェル中の微生物の生育阻害を顕微鏡観察により測定した。 結果をMEC(最小有効濃度:μg/ml)値として示した(表1)。 表1.WF14573AおよびBの抗菌活性 デアシルWF14573AもしくはBまたはそれらの塩は、WF14573A もしくはBまたはそれらの塩を脱アシル化することにより、特に、WF1457 3AまたはBをデアシルWF14573AまたはBに脱アシル化し得る微生物[ 例えば、ストレプトマイセス属に属する微生物(例えば、ストレプトマイセス・ アヌラツス(Streptomyces anulatus)No.4811(FERMBP−5808 )]の培養液またはその加工処理物の存在下に、WF14573AもしくはBま たはそれらの塩をそれぞれ脱アシル化することにより調製することができる。 培養液の加工処理物としては、菌糸およびそれから得られる粗もしくは精製デ ァシラーゼ調製物が挙げられる。 酵素反応は、例えば下記実施例に記載されるような、常法により行われる。 デアシルWF14573AまたはBは通常のアシル化によりそれらのアシル誘 導体に変換することができる。アシル誘導体は上記式(I)(式中、R2はパルミ トイルを除くアシルである)で表すことができる。 WF14573(I)または医薬上許容されるその塩を含有する本抗菌剤は、 ヒトを含む動物の感染症の治療薬として有用である。WF14573(I)の医 薬上許容される塩としては上記のような塩が挙げられる。 該抗菌性組成物は、WF14573(I)またはその塩を、外用、腸管内また は非経口適用に適した有機または無機の医薬用の担体または賦形剤と混合して含 有する医薬製剤の形態、例えば固形、半固形または液状の形態で使用することが できる。例えば、有効成分を通常の無毒な医薬上許容される担体と混合して、錠 剤、ペレット剤、カプセル剤、坐剤、液剤、乳剤、懸濁液剤、軟膏および使用に 適した他のいかなる形態にしてもよい。医薬上許容される担体は、水、グルコー ス、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、スターチペースト、 トリケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド性シリ カ、ポテトスターチ、尿素および製剤の製造における使用に適した他の担体であ り、さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤、着色剤および香料である。該抗菌性組 成物はまた保存剤または静菌剤を含んでもよく、それによって所望の製剤中で有 効成分の活性が保たれる。活性な目的化合物は、菌に感染する過程または感染し た状態に対して所望の治療効果を生じるのに十分な量が該抗菌性組成物中に含ま れる。 本組成物をヒト患者に適用する場合、それを静脈内、筋肉内、経口または経皮 投与の形で適用することが望ましい。WF14573(I)または医薬上許容さ れるその塩の投与量や治療上有効な量は、治療すべき個々の患者の年齢、条件に よって変化するが、WF14573(I)の好ましい1日投与量は患者の体重1 kgあたり0.1〜100mgの範囲から選択することができる。 以下の実施例は本発明を説明するためのものであるが、何ら本発明を限定する ものではない。 実施例1 (1)WF14573A生産のためのコレオフォーマ・エンペトリNo.1457 3の発酵 シュークロース4%、グルコース1%、可溶性デンプン2%、綿実粉3%、大 豆粉1.5%、KH2PO41%、CaCO30.2%、アデカノールLG−10 9(消泡剤,旭電化)0.05%およびシリコーンKM−70(消泡剤,信越化 学)0.05%を含む種培地液(30ml)を3本の100ml三角フラスコの それぞれに入れ、120℃で30分間滅菌した。YpSs寒天上で25℃、2週 間生育させたコレオフォーマ・エンペトリNo.14573の1白金耳を種 培養フラスコのそれぞれに接種した。接種したフラスコをロータリーシェーカー (220rpm,振幅5.1cm)上、25℃で5日間振盪した後、種培養8m lを500ml三角フラスコ中の同じ滅菌種培地160mlに移した。このフラ スコをロータリーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm)上、25℃で2 日間振盪した後、30リットルジャーファーメンター中の、改変デンプン5%、 綿実粉2%、オートミール0.5%、KH2PO43.5%、Na2HPO4・12 H2O 2.63%、(NH42SO40.6%、L−イソロイシン0.5%、L −プロリン0.5%、アデカノールLG−109 0.05%およびシリコーン KM−70 0.05%からなる滅菌した生産培地20リットルに、二段目の種 培養640ml(フラスコ4本)を接種した。発酵は、通気20リットル/分、 攪拌250rpmの下、25℃で5日間行った。 発酵液中のWF14573Aの生産を以下に示したHPLC分析によりモニタ リングした。 #分析用HPLC条件 カラム:YMCパックODS−AM303,S−5 120A(250×4.6 mm内径,YMC社) 移動相:0.1%TFA含有50%アセトニトリル水溶液 流速:1ml/分 検出:210nmにおけるUV 保持時間:WF14573A 11.9分 (2)WF14573Aの単離および精製 培養液(80リットル)を等容のアセトンを加えて室温で2時間攪拌すること により抽出した。混合物を珪藻土の補助下に濾過した。濾液を等容の水で希釈し 、水を充填したダイアイオンHP−20(三菱化学)のカラム(6L)に通した 。カラムを50%メタノール水溶液(19L)で洗浄し、次いでメタノール(3 4 L)で溶出した。活性画分(0〜20L)を等容の水で希釈し、50%メタノー ル水溶液を充填したYMC−GEL(ODS−AM 120−S50,YMC社 )のカラム(4L)に通した。カラムを50%(6.5L)および60%メタノ ール水溶液(12L)で洗浄した後、70%メタノール水溶液(15.9L)で 溶出した。活性画分(5.8〜15.9L)を5.3Lに減圧濃縮した。この溶 液1リットルを等容の水で希釈し、20%メタノール水溶液を充填したYMC− GEL(ODS−AM 120−S50,YMC社)のカラム(1L)に通した 。0.5% NH42PO4を含む40%アセトニトリル水溶液(3L)でカラム を洗浄し、0.5% NH42PO4を含む50%アセトニトリル水溶液(2.9 L)で溶出した。活性画分(1.05〜1.35L)を等容の水で希釈し、25 %アセトニトリル水溶液を充填したYMC−GEL(ODS−AM 120−S 50,YMC社)のカラム(2L)に通した。カラムを40%メタノール水溶液 で洗浄し、80%メタノール水溶液で溶出した。活性画分を減圧濃縮して水溶液 にし、凍結乾燥して粗WF14573A 798mgを得た。この粉末を少量の 水に溶解し、0.5% NaH2PO4・2H2Oを含む50%アセトニトリル水溶 液を移動相としてYMC充填カラム(ODS−AM SH−343−5AM S− 5,250×20mm内径,YMC社)を用いて、分取用HPLCによりさらに 精製した。流速は9.9ml/分であった。WF14573A含有画分を集めた 。これらの活性画分を等容の水で希釈し、0.25%NaH2PO4・2H2Oを 含む25%アセトニトリル水溶液で平衡化したYMC充填カラム(ODS−AM SH−343−5AMS−5,250×20mm内径,YMC社)に通した。カ ラムを30%メタノール水溶液で洗浄した後、70%メタノール水溶液を用いて 流速9.9ml/分で溶出した。溶出液を減圧濃縮し、凍結乾燥してWF145 73A121mgを白色粉末として得た。 実施例2 (1)WF14573B生産のためのコレオフォーマ・エンペトリNo.1457 3の発酵 シュークロース4%、グルコース1%、可溶性デンプン2%、綿実粉3%、大 豆粉1.5%、KH2PO41%、CaCO3 0.2%、アデカノールLG−10 9(消泡剤,高級アルコール,旭電化)0.05%およびシリコーンKM−70 (消泡剤,信越化学)0.05%を含む種培地液(30ml)を3本の100m l三角フラスコのそれぞれに入れ、120℃で30分間滅菌した。YpSs寒天 上で25℃、2週間生育させたコレオフォーマ・エンペトリNo.14573の 1白金耳を種培養フラスコのそれぞれに接種した。接種したフラスコをロータリ ーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm)上、25℃で5日間振盪した後 、種培養8mlを500ml三角フラスコ中の同じ滅菌種培地160mlに移し た。このフラスコをロータリーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm)上 、25℃で2日間振盪した後、30リットルジャーファーメンター中の、シュー クロース8%、乾燥酵母4%、CaCO30.5%、アデカノールLG−109 0.05%およびシリコーンKM−70 0.05%からなる滅菌した生産培地 (1N NaOHでpH6.3に調整)20リットルに、二段目の種培養640 ml(フラスコ4本)を接種した。発酵は、通気20リットル/分、攪拌250 rpmの下、25℃で5日間行った。 発酵液中のWF14573Bの生産を以下に示したHPLC分析によりモニタ リングした。 #分析用HPLC条件 カラム:YMCパックODS−AM 303,S−5 120A(250×4.6 mm内径,YMC社) 移動相:0.1% TFA含有50%アセトニトリル水溶液 流速:1ml/分 検出:210nmにおけるUV 保持時間:WF14573B 13.2分 (2)WF14573Bの単離および精製 培養液(40リットル)を等容のアセトンを加えて室温で2時間攪拌すること により抽出した。混合物を珪藻土の補助下に濾過した。濾液を等容の水で希釈し 、水を充填したダイアイオンHP−20(三菱化学)のカラム(3L)に通した 。カラムを水(9L)および50%メタノール水溶液(10L)で洗浄し、次い でメタノール(29L)で溶出した。活性画分(0〜20L)を等容の水で希釈 し、水を充填したYMC−GEL(ODS−AM120−S50,YMC社)の カラム(1L)に通した。カラムを60%(5L)および70%メタノール水溶 液(2.8L)で洗浄した後、80%メタノール水溶液(2.8L)で溶出した 。活性画分(0.8〜2.8L)を等容の水で希釈し、水を充填したYMC−G EL(0DS−AM120−S50,YMC社)のカラム(1L)に通した。カ ラムを40%メタノール水溶液(1L)で洗浄し、0.5% NH42PO4を含 む50%アセトニトリル水溶液(3.3L)で溶出した。活性画分(2.0〜2 .5L)を等容の水で希釈し、水を充填したYMC−GEL(ODS−AM12 0−S50,YMC社)のカラム(2L)に通した。カラムを40%メタノール 水溶液(6L)で洗浄し、80%メタノール水溶液(4.35L)で溶出した。 活性画分(2.5〜4.35L)を減圧濃縮して水溶液にし、凍結乾燥して粗WF 14573B 411mgを得た。この粉末の一部(120mg)を少量の水に 溶解し、0.5%NaH2PO4・2H2Oを含む50%アセトニトリル水溶液を 移動相としてYMC充填カラム(ODS−AMSH−343−5AMS−5,2 50×20mm内径,YMC社)を用いて、分取用HPLCによりさらに精製し た。流速は9.9ml/分であった。WF14573B含有画分を集めた。これ らの活性画分を等容の水で希釈し、0.25% NaH2PO4・2H2Oを含む2 5%アセトニトリル水溶液で平衡化したYMC充填カラム(ODS−AMSH− 343−5AMS− 5,250×20mm内径,YMC社)に通した。カラムを30%メタノール水 溶液(240ml)で洗浄した後、80%メタノール水溶液を用いて流速9.9 ml/分で溶出した。溶出液を減圧濃縮し、凍結乾燥してWF14573B 7 0mgを白色粉末として得た。 実施例3 デアシルWF14573Aの調製 (1)ストレプトマイセス・アヌラツスNo.4811(FERMBP−5808 )の発酵 ストレプトマイセス・アヌラツスNo.4811のストック培養を斜面寒天上 で調製、維持した。225ml三角フラスコ中の、マルトース3%、乾燥酵母1 %、CaCO30.5%からなる滅菌した種培地60mlに、斜面培養物1白金 耳を接種した。、該フラスコをロータリーシェーカー(220rpm,振幅5. 1cm)上、30℃で3日間培養した後、3本の225ml三角フラスコのそれ ぞれの中の、マルトース3%、乾燥酵母1%、CaCO30.5%、アデカノー ルLG−109(旭電化)0.1%およびシリコーンKM−70(信越化学)0 .1%からなる滅菌した種培地60mlに接種(0.1%)した。該フラスコを ロータリーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm)上、30℃で2日間培 養した。 次いで、50本の225ml三角フラスコのそれぞれの中の、マルトース8% 、大豆粉2%、小麦胚芽2%、馬鈴薯タンパク質2%、CaCO30.5%、ア デカノールLG−109 0.1%およびシリコーンKM−70 0.1%から なる滅菌した生産培地60mlに、得られた種培養を接種(5%)した。該フラ スコをロータリーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm)上、30℃で6 日間培養した。発酵液を濾過して栄養菌糸体を集め、水で1回洗浄した。洗浄し た菌糸体を用いてデアシルWF14573Aを得た。 (2)WF14573A生産のためのコレオフォーマ・エンペトリNo.1457 3の発酵 シュークロース4%、グルコース1%、可溶性デンプン2%、綿実粉3%、大 豆粉1.5%、KH2PO41%、CaCO3 0.2%、アデカノールLG−10 9(消泡剤,旭電化)0.05%およびシリコーンKM−70(消泡剤,信越化 学)0.05%を含む水性種培地(30ml)を3本の100ml三角フラスコ のそれぞれに入れ、120℃で30分間滅菌した。YpSs寒天上で25℃、2 週間生育させたコレオフォーマ・エンペトリNo.14573の1白金耳を種培 養フラスコのそれぞれに接種した。接種したフラスコをロータリーシェーカー( 220rpm,振幅5.1cm)上、25℃で5日間振盪した後、種培養8ml を500ml三角フラスコ中の同じ滅菌種培地160mlに移した。このフラス コをロータリーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm)上、25℃で2日 間振盪した後、30リットルジャーファーメンター中の、改変デンプン5%、綿 実粉2%、オートミール0.5%、KH2PO43.5%、Na2HPO4・12H2 O 2.63%、(NH42SO40.6%、L−イソロイシン0.5%、L− プロリン0.5%、アデカノールLG−109 0.05%およびシリコーンK M−70 0.05%からなる滅菌した生産培地20リットルに、二段目の種培 養640ml(フラスコ4本)を接種した。発酵は、通気20リットル/分、攪 拌250rpmの下、25℃で5日間行った。 発酵液中のWF14573Aの生産を以下に示したHPLC分析によりモニタ リングした。 #分析用HPLC条件 カラム:YMCパックODS−AM 303,S−5 120A(250×4.6 mm内径,YMC社) 移動相:0.1%TFA含有50%アセトニトリル水溶液 流速:1ml/分 検出:210nmにおけるUV 保持時間:WF14573A 11.9分 (3)粗WF14573Aの調製 培養液(80リットル)を等容のアセトンを加えて室温で2時間攪拌すること により抽出した。混合物を珪藻土の補助下に濾過した。濾液を等容の水で希釈し 、水を充填したダイアイオンHP−20(三菱化学)のカラム(6L)に通した 。カラムを50%メタノール水溶液(19L)で洗浄し、次いでメタノール(3 4L)で溶出した。活性画分(0〜20L)を等容の水で希釈し、50%メタノ ール水溶液を充填したYMC−GEL(ODS−AM 120−S50,YMC 社)のカラム(4L)に通した。カラムを50%(6.5L)および60%メタ ノール水溶液(12L)で洗浄した後、70%メタノール水溶液(15.9L) で溶出した。活性画分(5.8〜15.9L)を5.3Lに減圧濃縮した。この 溶液の一部(4.3L)を用いてデアシルWF14573Aを得た。 (4)WF14573Aの脱アシル化 30リットルジャーファーメンター内で、この溶液に、1Mリン酸ナトリウム 緩衝液(pH5.8)900mlおよびストレプトマイセス・アヌラツスNo. 4811の栄養菌糸体400gを加えた。該反応混合物を水で20Lに合わせた 。反応は攪拌しながら50℃で2時間行った。WF14573Aの減少を先に示 した分析用HPLCによりモニタリングし、デアシルWF14573Aの増加を 以下に示す分析用HPLCによりモニタリングした。 #分析用HPLC条件 カラム:YMCパックODS−AM 303,S−5120A(250×4.6 mm内径,YMC社) 移動相:0.1%TFA含有6.7%アセトニトリル水溶液 流速:1ml/分 検出:210nmにおけるUV 保持時間:デアシルWF14573A 8.8分 (5)デアシルWF14573Aの単離 上記反応混合物を珪藻土の補助下に濾過した。菌糸塊は廃棄した。このように して得られた濾液を減圧濃縮して11Lにし、水を充填したSEPABEADS SP−207(三菱化学)のカラム(1L)に通した。カラムを水(3L)で洗 浄した後、50%メタノール水溶液(3L)で溶出した。活性画分(0〜2L) を減圧濃縮して水溶液とした。この溶液を水を充填したYMC GEL(ODS −AM 120−S50,YMC社)のカラム(2L)に通した。カラムを水、 0.5% NaH2PO4・2H2Oを含む5%メタノール水溶液(5L)および0 .5%NaH2PO4・2H2Oを含む7%メタノール水溶液(3.8L)で洗浄 し、0.5% NaH2PO4・2H2Oを含む10%メタノール水溶液(13.6 L)で溶出した。活性画分(1.9〜11.6L)を3Lに減圧濃縮した。この 溶液1リットルを水を充填したYMC GEL(ODS−AM 120−S50, YMC社)のカラム(2L)に通した。カラムを水および0.5%NaH2PO4 ・2H2Oを含む7%メタノール水溶液(4L)で洗浄し、0.5% NaH2P O4・2H2Oを含む11%メタノール水溶液(9.2L)で溶出した。活性画分 (5.3〜6.8L)を等容の水で希釈し、水を充填したYMC GEL(OD S−AM120−S50)のカラム(2L)に通した。カラムを水で洗浄し、2 0%メタノール水溶液で溶出した。溶出液を減圧濃縮および凍結乾燥してデアシ ルWF14573A 820mgを白色粉末として得た。この粉末120ミリグ ラムを少量の水に溶解し、0.5% NaH2PO4・2H2Oを含む11%メタノ ール水溶液を移動相としてYMC充填カラム(ODS−AM SH−343−5 AMS−5,250×20mm内径,YMC社)を用いて、流速9.9ml/分 で、分取用HPLCによりさらに精製した。活性画分を等容の水で希釈し、水で 平衡化したYMC充 填カラム(ODS−AMSH−343−5AMS−5,250×20mm内径, YMC社)に通した。カラムを水(240ml)で洗浄した後、20%メタノー ル水溶液を用いて流速9.9ml/分で溶出した。溶出液を減圧濃縮および凍結 乾燥してデアシルWF14573A 67.7mgを白色粉末として得た。実施例4 デアシルWF14573Bの調製 (1)ストレプトマイセス・アヌラツスNo.4811(FERMBP−5808 )の発酵 ストレプトマイセス・アヌラツスNo.4811のストック培養を斜面寒天上 で調製、維持した。225ml三角フラスコ中の、マルトース3%、乾燥酵母1 %、CaCO3 0.5%からなる滅菌した種培地60mlに、斜面培養物1白金 耳を 接種した。該フラスコをロータリーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm )上、30℃で3日間培養した後、3本の225ml三角フラスコのそれぞれの 中の、マルトース3%、乾燥酵母1%、CaCO30.5%、アデカノールLG −109(旭電化)0.1%およびシリコーンKM−70(信越化学)0.1%か らなる滅菌した種培地60mlに接種(0.1%)した。該フラスコをロータリ ーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm)上、30℃で2日間培養した。 次いで、50本の225ml三角フラスコのそれぞれの中の、マルトース8% 、大豆粉2%、小麦胚芽2%、馬鈴薯タンパク質2%、CaCO30.5%、ア デカノールLG−109 0.1%およびシリコーンKM−70 0.1%からな る滅菌した生産培地60mlに、得られた種培養を接種(5%)した。該フラス コをロータリーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm)上、30℃で6日 間培養した。発酵液を濾過して栄養菌糸体を集め、水で1回洗浄した。洗浄した 菌糸体を用いてデアシルWF14573Bを得た。 (2)WF14573B生産のためのコレオフォーマ・エンペトリNo.1457 3の発酵 3本の225ml三角フラスコのそれぞれの中の、シュークロース4%、グル コース1%、可溶性デンプン2%、綿実粉3%、大豆粉1.5%、KH2PO41 %、CaCO30.2%、アデカノールLG−109 0.05%およびシリコー ンKM−70 0.05%からなる滅菌した種培地60mlに、斜面培養物(C .エンペトリNo.14573)の1白金耳を接種した。該フラスコをロータリ ーシェーカー(220rpm,振幅5.1cm)上で25℃、5日間培養した後 、20本の500ml三角フラスコのそれぞれの中の同じ滅菌種培地160ml に接種(5%)した。該フラスコをロータリーシェーカー(220rpm,振幅 5.1cm)上で25℃、2日間培養した。 5つの30リットルジャーファーメンターのそれぞれの中の滅菌した生産培 地20リットルに、得られた種培養を接種(3%)した。該生産培地は、シュー クロース8%、乾燥酵母4%、CaCO30.5%、アデカノールLG−109 0.05%およびシリコーンKM−70 0.05%からなっていた。滅菌前に pHを6.3に調整した。発酵は、通気20リットル/分、攪拌250rpmの 下、25℃で5日間行った。 発酵液中のWF14573B物質の生産を以下に示すHPLC分析によりモニ タリングした。 #分析用HPLC条件 カラム:YMCパックODS−AM 303,S−5 120A(250×4.6 mm内径,YMC社) 移動相:0.1%TFA含有50%アセトニトリル水溶液 流速:1ml/分 検出:210nmにおけるUV 保持時間:WF14573B 13.2分 (3)粗WF14573B物質の調製 培養終了後、等容のアセトンを培養液に添加した。該混合物を攪拌下、室温で 約1時間放置した。得られた混合物を珪藻土の補助下に濾過した。濾液を等容の 水で希釈し、水を充填したダイアイオンHP−20(三菱化学)のカラム(7L )に通した。カラムを水(18L)および50%メタノール水溶液(20L)で 洗浄した後、メタノール(35L)で溶出した。溶出液を減圧濃縮して水溶液と した。この溶液を水を充填したYMC−GEL(ODS−AM 120−S50 ,YMC社)のカラム(2L)に通した。カラムを水(6L)および50%メタ ノール水溶液(4L)で洗浄した後、80%メタノール水溶液(8L)で溶出し た。溶出液を減圧濃縮して水溶液(600ml)とした。 (4)WF14573Bの脱アシル化 この溶液に、1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH5.8)30mlとストレプ トマイセス・アヌラツスNo.4811(FERMBP−5808)の栄養菌糸 体60gを添加した。反応は、攪拌下、50℃で1時間行った。WF14573 Bの減少を先に示した分析用HPLCによりモニタリングし、デアシルWF14 573Bの増加を以下に示す分析用HPLCによってモニタリングした。 WF14573B663mgから、デアシルWF14573B362mgが反 応混合物中に形成した。 #分析用HPLC条件 カラム:YMCパックODS−AM 303,S−5 120A(250×4.6 mm内径,YMC社) 移動相:0.1%TFA含有10%メタノール水溶液 流速:1ml/分 検出:210nmにおけるUV 保持時間:デアシルWF14573B 11.4分 (5)デアシルWF14573Bの単離 上記反応混合物を珪藻土の補助下に濾過した。菌糸塊は廃棄した。このように して得られた濾液を水を充填したSEPABEADS SP−207(三菱化学 )のカラム(150ml)に通した。カラムを水(450ml)で洗浄した後、 50%メタノール水溶液(450ml)で溶出した。溶出液を減圧濃縮して水溶 液(100)とした。この溶液を水を充填したYMC EL(ODS−AM12 0−S50,YMC社)のカラム(180ml)に通した。カラムを水、0.5 % NaH2PO4・2H2Oを含む5%メタノール水溶液(600ml)で洗浄し 、0.5%NaH2PO4・2H2Oを含む7.5および10%メタノール水溶液 でそれぞれ溶出した。溶出を先に示した分析用HPLCによりモニタリングし た。デアシルWF14573Bに相当する部分を減圧濃縮して残渣水を得た。こ の残渣を水を充填したYMC GEL(ODS−AM 120−S50)のカラム (180ml)に通した。カラムを水および5%メタノール水溶液(600ml )で洗浄し、7.5および10%メタノール水溶液で溶出した。溶出液を減圧濃 縮および凍結乾燥してデアシルWF14573B 228mgを白色粉末として 得た。この粉末80mgを少量の水に溶解し、0.5% NaH2PO4・2H2O を含む12%メタノール水溶液を移動相としてYMC充填カラム(ODS−AM SH−343−5AMS−5,250×20mm内径,YMC社)を用いて、流 速9.9ml/分で、分取用HPLCによりさらに精製した。デアシルWF14 573B含有画分を回収し、減圧濃縮して残渣水を得た。この残渣を水で平衡化 したYMC充填カラム(ODS−AMSH−343−5AMS−5,250×2 0mm内径,YMC社)に通した。カラムを水(240ml)で洗浄した後、2 0%メタノール水溶液を用いて流速9.9ml/分で溶出した。溶出液を減圧濃縮 および凍結乾燥してデアシルWF14573B41mgを白色粉末として得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AL,JP,L T,LV,MK,RO,SI,US (72)発明者 日野 資弘 茨城県土浦市東崎町13―3―1003

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下式の新規化合物WF14573: 式中、R1は水素またはメチルであり、R2は水素またはパルミトイルであるまた はその塩。 2.請求の範囲1のWF14573またはその塩の製造方法であって、 (a) WF14573Aおよび/またはB生産性微生物を栄養培地中で培養し、得 られる培養液からWF14573Aおよび/またはBあるいははその塩を回 収する、または、 (b) WF14573AまたはBを脱アシル化し得る微生物の培養液またはその加 工処理物の存在下に、WF14573AまたはBあるいはその塩を脱アシル 化してデアシルWF14573AまたはBあるいはその塩をそれぞれ得る ことを含む方法。 3.請求の範囲1のWF14573またはその塩、および担体を含む抗菌剤。 4.有効量の請求の範囲1のWF14573または医薬上許容されるその塩、お よび医薬上許容される担体を含む医薬組成物。 5.請求の範囲1のWF14573またはその塩を微生物に適用することによる 微生物の殺菌方法。 6.請求の範囲1のWF14573またはその塩を真菌に適用することによる真 菌の殺菌方法。 7.病原性微生物によって惹き起こされる感染症の治療のための、請求の範囲1 のWF14573または医薬上許容されるその塩の使用。
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