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JP2002509147A - チオフェンニトロン化合物 - Google Patents

チオフェンニトロン化合物

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Publication number
JP2002509147A
JP2002509147A JP2000540136A JP2000540136A JP2002509147A JP 2002509147 A JP2002509147 A JP 2002509147A JP 2000540136 A JP2000540136 A JP 2000540136A JP 2000540136 A JP2000540136 A JP 2000540136A JP 2002509147 A JP2002509147 A JP 2002509147A
Authority
JP
Japan
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alkyl
group
cycloalkyl
substituted
aryl
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2000540136A
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English (en)
Inventor
ジュディス エイ. ケリハー,
カーク アール. メープルズ,
ヨン−カン ザン,
Original Assignee
センター ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by センター ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド filed Critical センター ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
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    • C07D333/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D333/04Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings not substituted on the ring sulphur atom
    • C07D333/26Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one sulfur atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings not substituted on the ring sulphur atom with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
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Abstract

(57)【要約】 新規のチオフェンニトロン化合物およびそのような化合物を含む薬学的組成物が開示される。この開示された組成物は、哺乳動物における神経変性状態、自己免疫状態および炎症状態を予防および/または処置するための治療剤として、ならびにフリーラジカルを検出するための分析用試薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願に対する相互参照) 本出願は、米国仮出願第60/072,790号(1998年1月16日に出
願)の利益を主張する。この出願は、本明細書中その全体が参考として援用され
る。
【0002】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、新規のチオフェンニトロン化合物ならびにそれらの治療用薬剤とし
ておよび分析用試薬としての使用に関する。より詳細には、本発明は、新規のチ
オフェンニトロン化合物、ならびに哺乳動物における神経学的状態、自己免疫状
態および炎症状態の処置および/または予防のための治療剤(therapeu
tic)として、ならびにフリーラジカルを検出するための分析用試薬としての
それらの化合物の使用に関する。
【0003】 (技術分野の現状) アルツハイマー病は、脳内の神経細胞が組織的に破壊されて、進行性の記憶損
失、精神的混乱を生じ、最終的には死に至る、神経変性状態である。The N
ational Institute on Aging(NIA)は、米国に
おいて約400万人の人々が現在アルツハイマー病に罹患していると、最近見積
もった。現在、この疾患を有効に予防するか、またはその症状を逆転させる処置
は存在しない。
【0004】 近年、アルツハイマー病の病因の理解という点で、顕著な前進がなされた。例
えば、現在、アルツハイマー病を有する患者は、彼らの脳の神経細胞の周辺およ
び間に、アミロイド斑の沈着を発症することが知られている。これらの斑沈着物
は、アミロイドβペプチド(すなわちAβ)と称される小ペプチドの線維凝集物
から形成される。この斑沈着物は、疾患の進行に伴って、最初に脳の海馬および
皮質領域(記憶関連野および認知関連野)で形成し、次いで、他の野へと広がる
。また、この線維および斑の沈着に続いて周囲支持細胞(グリアと呼ばれる)の
炎症が生じ、これはニューロンのさらなる脱落を導き得る。ほとんどのアルツハ
イマー患者の脳における神経細胞はまた、微小管関連タンパク質のもつれ(タウ
と称される)を発症し、これは神経細胞による傷害への応答であると考えられる
【0005】 アルツハイマー病の基礎を成す機構の理解における前進は、アルツハイマー病
および他の神経変性状態を予防および/または処置するために有効な化合物を同
定するための種々のインビトロおよびインビボモデルの開発を導いた。このよう
なインビトロモデルの1つにおいて、化合物は、Aβ(1−40)またはAβ(
1−42)ベータプリーツシート形成に介入するそれらの能力について評価され
る。アミロイドβ−ペプチドの沈着はアルツハイマー病の発症に関連するので、
Aβ(1−40)ベータプリーツシートの形成を効果的に破壊する化合物は、ア
ルツハイマー病に関連するアミロイドの沈着を予防および/または逆転するため
に、潜在的に有用である。
【0006】 別のインビトロモデルにおいて、化合物は、ラット胎仔海馬ニューロン/星状
細胞培養物におけるAβ(25−35)誘導性ニューロン細胞の脱落に対する保
護能力について評価される。上に議論するように、アルツハイマー病を有する患
者は、ニューロン細胞の進行性の脱落を受ける。従って、このインビトロ試験に
おいて有効である化合物は、潜在的に、アルツハイマー病または他の神経変性状
態に苦しむ患者におけるニューロン細胞の脱落を減少または予防するために有用
である。
【0007】 第3のインビトロアルツハイマー病モデルは、β−アミロイドがヒト単球細胞
においてリポ多糖類(LPS)で誘導されたサイトカイン(例えば、インターロ
イキン−1β(IL−1β)、インターロイキン−6(IL−6)および腫瘍壊
死因子−α(TNFα))の放出を増加するという観察に基づく。IL−1β、
IL−6およびTNFαは、炎症応答および免疫応答に関連するタンパク質であ
る。上に記載するように、アルツハイマー患者の脳における原線維の沈着は、周
辺支持細胞の炎症に関連する。S.D.Yanら,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,94,5296(1997)を参照のこと。それゆえ、こ
のインビトロ試験に有効な化合物は、潜在的に、アルツハイマー病に関連する炎
症を減少および/または予防するために有用である。
【0008】 さらに、上昇したレベルのIL−1β、IL−6、TNFαおよび他のサイト
カインは、敗血症ショック、慢性関節リウマチ、らい性結節性紅斑、髄膜炎菌性
髄膜炎、多発性硬化症、全身性狼瘡などを含む広範な種々の炎症および自己免疫
状態に関連する。L.Sekutら、Drug.News Perspect.
1196,9,261;およびA.Waageら、J.Exp.Med.198
9,170,1859−1867を参照のこと。従って、このようなサイトカイ
ンの産生を阻害する化合物は、潜在的に、このような炎症状態および自己免疫状
態の処置に有用である。
【0009】 従って、別のインビトロモデルにおいて、化合物は、ラット胎児皮質細胞培養
物におけるサイトカイン誘導性ニューロン細胞損傷を減少する能力について評価
される。上で議論したように、サイトカインは、広範な種々の炎症状態および自
己免疫状態に関連する。従って、このインビトロ試験に有効である化合物は、潜
在的に、炎症または自己免疫状態を減少または予防するために有効である。
【0010】 現在、特定の新規のチオフェンニトロン化合物が、有効に、Aβ(1−42)
ベータプリーツシートの形成またはサイトカインの放出を阻害することが発見さ
れている。従って、このような化合物は、哺乳動物における神経変性、自己免疫
および炎症状態の予防および/または処置に有用である。
【0011】 本発明のチオフェンニトロン化合物はまた、フリーラジカルの検出のための分
析用試薬としても有用である。この点において、本発明の化合物は、不安定なフ
リーラジカルと反応して、電子スピン共鳴(ESR)分光法によって観察可能で
ある比較的安定なフリーラジカルスピン付加物を形成することにより、「スピン
捕獲剤(spin trap)」として機能する。従って、スピン捕獲剤として
使用される場合、本発明の化合物は、フリーラジカルがESRおよび関連技術を
使用して同定されそして研究されることを可能にする。
【0012】 (発明の要旨) 本発明は、哺乳動物における神経学、自己免疫および炎症状態を処置および/
または予防するための治療剤として、ならびにフリーラジカルを検出するための
分析用試薬として有用な新規のチオフェンニトロン化合物を提供する。特に、本
発明の化合物はアルツハイマー病の予防および/または処置に有用である。
【0013】 従って、組成物の局面の1つにおいて、本発明は式Iの化合物ならびにその光
学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩に関する
【0014】
【化13】 ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アル ケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、置換アルコキシ、シ
クロアルキルおよびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル キニル、アラルキル、アリール、シクロアルキルおよびシクロアルキルアルキル
からなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
ロアルケニルからなる群から選択され; 各Wは、独立して、−SR4、−S(O)R5、−SO26、−SO3Yおよび −SO2NR78からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
ロアルケニルからなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
ロアルケニルからなる群から選択され; R6は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
ロアルケニルからなる群から選択され; R7およびR8は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置
換アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロア
ルキルアルキルおよびシクロアルケニルからなる群から選択される;またはR7 およびR8は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、2個〜8個の炭素原 子、ならびに必要に応じて酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1個
〜3個のさらなるヘテロ原子を含む複素環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは0〜2の整数であり、ただし、m+n
=3である。
【0015】 好ましくは、上記の式Iの化合物において、R1は水素およびアルキルからな る群から選択される。より好ましくは、R1は水素である。
【0016】 R2は、好ましくは、水素、アルキルおよびアリールからなる群から選択され る。より好ましくは、R2は、水素またはアルキルである。なおさらに好ましく は、R2は水素である。
【0017】 好ましくは、R3は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、シクロアルキル およびシクロアルキルアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R 3 は、アルキル、置換アルキルまたはシクロアルキルである。なおさらに好まし くは、R3はアルキルまたはシクロアルキルである。
【0018】 特に好ましいR3基には、n−プロピル、イソプロピル、2,2−ジメチル− 3−ヒドロキシプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、n−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシルおよびシクロヘキシル
が挙げられる。さらにより好ましいR3基には、イソプロピル、tert−ブチ ルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0019】 R4は、好ましくは、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよび シクロアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R4は、アルキル 、アリールまたはシクロアルキルである。
【0020】 R5は、好ましくは、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよび シクロアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R5は、アルキル 、アリールまたはシクロアルキルである。
【0021】 好ましくは、R6は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよび シクロアルキルからなる群から選択される。より好ましくは、R6は、アルキル 、アリールまたはシクロアルキルである。
【0022】 本発明の好ましい実施態様において、R4、R5およびR6は、独立して、以下 の式:
【0023】
【化14】 を有する置換フェニル基であり、ここで、 各R9は、独立して、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、アラルキル 、アリール、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ
、シクロアルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカ
ルボニル、カルボキシル、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、スルホネート、
チオアルコキシ、および−NR1011からなる群から選択され、ここでR10およ
びR11は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換アルキルまたはアリールか
ら選択されるか;または2個の隣接するR9基は、共に連結されてアルキレンま たはアルキレンジオキシ基を形成し得;そして pは1〜5の整数である。
【0024】 好ましくは、pは1〜3の整数である。より好ましくは、pは1または2であ
る。
【0025】 好ましくは、R7およびR8は、独立して、水素、アルキルおよびシクロアルキ
ルからなる群から選択される。あるいは好ましくは、R7およびR8は共に、それ
らが結合する窒素原子に連結して、4〜6個の炭素原子を有する複素環式環を形
成する。より好ましくは、Xが−SO2NR78である場合、R7は水素であり、
そしてR8は水素、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
【0026】 好ましくは、式I中のmは1または2である。より好ましくは、mは1である
【0027】 好ましい実施態様において、本発明は、式IIの化合物ならびにその光学異性
体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩に関する:
【0028】
【化15】 ここで、 R10は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよびシクロアルキ
ルからなる群から選択され; R11は、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
【0029】 別の好ましい実施態様において、本発明は、式IIIの化合物ならびにその光
学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩に関する
【0030】
【化16】 ここで、 R12は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよびシクロアルキ
ルからなる群から選択され; R13は、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
【0031】 なお別の好ましい実施態様において、本発明は、式IVの化合物ならびにその
光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩に関す
る:
【0032】
【化17】 ここで、 R14は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよびシクロアルキ
ルからなる群から選択され; R15は、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
【0033】 なお別の好ましい実施態様において、本発明は、式Vの化合物ならびにその光
学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩に関する
【0034】
【化18】 ここで、 R16は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよびシクロアルキ
ルからなる群から選択され; Y’は、水素または薬学的に受容可能なカチオンである。
【0035】 さらに別の好ましい実施態様において、本発明は、式VIの化合物ならびにそ
の光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩に関
する:
【0036】
【化19】 ここで、 R17およびR18は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アラルキル、
アリールおよびシクロアルキルからなる群から選択される;またはR17およびR 18 は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4個〜6個の炭素原子、なら
びに必要に応じて、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1個〜3個
のさらなるヘテロ原子を含む複素環式環を形成し得; R19は、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
【0037】 好ましくは、式II、IIIおよびIVにおいて、R10、R12およびR14は、
独立して、以下の式:
【0038】
【化20】 を有する置換フェニル基であり、ここで、 各R20は、独立して、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、アラルキル
、アリール、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ
、シクロアルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカ
ルボニル、カルボキシル、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、スルホネート、
チオアルコキシ、および−NR2122からなる群から選択され、ここでR21およ
びR22は、それぞれ独立して、水素、アルキル、置換アルキルまたはアリールか
ら選択されるか;または2つの隣接するR20基は、共に連結されてアルキレン基
またはアルキレンジオキシ基を形成し得;そして pは1〜5の整数である。
【0039】 好ましくは、qは1〜3の整数である。より好ましくは、qは1または2であ
る。
【0040】 式VIにおいて、好ましくは、R17は水素であり、そして好ましくは、R18
アルキルまたはシクロアルキルである。あるいは、R17およびR18は、それらが
結合する窒素原子と共に、好ましくは、ピペリジン−1−イル基またはモルホリ
ン−4−イル基を形成する。
【0041】 好ましくは、R11、R13、R15、R16およびR19は、それぞれ、式II〜VI
において、独立して、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキ
シルおよびシクロヘキシルからなる群から選択される。さらにより好ましいR11 、R13、R15、R16およびR19基には、イソプロピル、tert−ブチルおよび
シクロヘキシルが挙げられる。
【0042】 特に好ましいチオフェンニトロン化合物には、表Iに示される式を有するもの
が挙げられる。
【0043】
【表1】 従って、組成物の別の局面において、本発明は以下の個別の化合物のそれぞれ
に関する: α−[2−(4−メトキシフェニルチオ)−5−チエニル]−N−tert−
ブチルニトロン、および α−[2−(4−メトキシフェニルチオ)−5−チエニル]−N−シクロヘキ
シルニトロン。
【0044】 組成物の別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアと、薬学
的に有効な量の式Iの化合物とを含む薬学的組成物に関する:
【0045】
【化21】 ここで、R1〜R3、W、m、およびnは、上に定義した通りである。
【0046】 さらなる組成物の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアと、
薬学的に有効な量の上記の式II、III、IV、VまたはVIの化合物とを含
む薬学的組成物に関する。
【0047】 前記のように、本発明のチオフェンニトロン化合物は、ヒト単球細胞において
、Aβ(1−42)ベータ−プリーツシートの形成を阻害すること、またはIL
−1βのようなサイトカインのβ−アミロイド誘発性の放出を減少させることが
発見されている。このような特性を有する化合物は、神経変性、自己免疫、およ
び炎症性の症状の予防および/または処置に有用である。
【0048】 従って、この方法の局面の一つにおいて、本発明は神経変性疾患を有する患者
を処置するための方法に関し、この方法は、薬学的に受容可能なキャリアおよび
神経変性疾患の処置に有効な量の上記式I、II、III、IV、VまたはVI
の化合物を含有する薬学的組成物を、前述の患者に投与する工程を包含する。
【0049】 この方法の別の局面において、本発明は、神経変性疾患を発現する危険性のあ
る患者において、神経変性疾患の発症を予防する方法に関し、この方法は、薬学
的に受容可能なキャリアおよび神経変性疾患の予防に有効な量の上記式I、II
、III、IV、VまたはVIの化合物を含有する薬学的組成物を、前述の患者
に投与する工程を包含する。
【0050】 本発明の好ましい実施態様において、上述の方法で処置および/または予防さ
れる神経変性疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、HIV痴呆などであ
る。
【0051】 この方法のさらに別の局面において、本発明は自己免疫性疾患を有する患者を
処置するための方法に関し、この方法は薬学的に受容可能なキャリアおよび、自
己免疫性疾患の処置に有効な量の上記式I、II、III、IV、VまたはVI
の化合物を含有する薬学的組成物を前述の患者に投与する工程を包含する。
【0052】 この方法のさらに別の局面において、本発明は、自己免疫性疾患を発現する危
険性のある患者において、自己免疫性疾患の発症を予防する方法に関し、この方
法は薬学的に受容可能なキャリアおよび自己免疫性疾患予防に有効量の上記式I
、II、III、IV、VまたはVIの化合物を含有する薬学的組成物を、前述
の患者に投与する工程を包含する。
【0053】 本発明の好ましい実施態様において、上述の方法で処置および/また予防され
る自己免疫性疾患は、全身性狼瘡、多発性硬化症などである。
【0054】 この方法のさらに別の局面において、本発明は炎症性疾患を有する患者を処置
するための方法に関し、この方法は薬学的に受容可能なキャリアおよび炎症性疾
患の処置に有効な量の上記式I、II、III、IV、VまたはVIの化合物を
含有する薬学的組成物を前述の患者に投与する工程を包含する。
【0055】 この方法のなお別の局面において、本発明は、炎症性疾患を発現する危険性の
ある患者において炎症性疾患の発症を予防する方法に関し、この方法は、薬学的
に受容可能なキャリアおよび炎症性疾患予防の有効量の上記式I、II、III
、IV、VまたはVIの化合物を含有する薬学的組成物を、前述の患者に投与す
る工程を包含する。
【0056】 本発明の好ましい実施態様において、上述の方法で処置および/また予防され
る炎症性疾患は、慢性関節リウマチ、敗血症性ショック、らい性(lepros
y)結節性紅斑、敗血症、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)、炎症性腸疾患(
IBD)、ブドウ膜炎などである。
【0057】 別の局面において、本発明は医薬としての式I、II、III、IV、Vまた
はVIの化合物の使用に関する。さらに、本発明は、神経変性、自己免疫または
炎症性の疾患または状態の、治療または予防のための医薬の製造における、式I
、II、III、IV、VまたはVIの化合物の使用に関する。
【0058】 本発明の方法の別の局面において、本発明は、以下の式IIの化合物を調製す
るプロセスに関し:
【0059】
【化22】 ここで、 R10が、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよびシクロアルキ
ルからなる群から選択され; R11が、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される;このプロ
セスは、以下の工程を包含する: (a)塩基の存在下で、式:R10−SHのチオール誘導体を、2−ブロモ−5
−フルアルデヒドと接触させて以下の式のチオエーテルカルボニル化合物を提供
する工程:
【0060】
【化23】 (b)上記のチオエーテルカルボニル化合物を、式:HO−NH−R11 のヒドロキシルアミン誘導体と接触させて、R10およびR11が上記のように定義
される式IIの化合物を提供する工程。
【0061】 (発明の詳細な説明) 式Iのチオフェンニトロン化合物においては、置換基が、そのチオフェン環の
任意の炭素原子に位置し得る。そのチオフェン環の位置は、本明細書中において
、従来のチオフェンの命名法を用いて特定される。すなわち、チオフェン環の硫
黄原子が1位であり;その環硫黄原子にすぐ隣接する2つの炭素原子が2位およ
び5位と指定され;そして環の残りの2つの炭素原子が3位および4位と指定さ
れる。
【0062】 いくつかの場合において、本発明のチオフェンニトロンは、1以上のキラル中
心を有する。典型的に、このような化合物は、ラセミ混合物として調製される。
しかし、所望ならば、このような化合物は、純粋な立体異性体として(すなわち
、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして、あるいは立体異性体過
剰(stereoisomer−enriched)混合物として)、調製また
は単離され得る。式Iのチオフェンニトロンの、全てのこのような立体異性体(
および過剰混合物)は、本発明の範囲に含まれる。純粋な立体異性体(または過
剰混合物)は、例えば、当該分野において周知の光学活性出発物質、またはステ
レオ選択性試薬を用いることにより調製され得る。あるいは、このような化合物
のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー(chiral
column chromatography)、キラル分割剤(chiral
resolving agent)などを用いて、分離され得る。
【0063】 (定義) チオフェンニトロン、薬学的組成物、および本発明の方法を説明する際、他に
説明しない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
【0064】 用語「β−アミロイドペプチド」は約4.2kDの分子量を有する39−43
のアミノ酸ペプチドを示す。ここで、このペプチドはGlennerら、Bio
chem.Biophys.Res.Commun.,120:885−890
(1984)によって記載されたタンパク質の形態と実質的に相同であり、正常
なβ−アミロイドペプチドの変異および翻訳後の修飾を含む。
【0065】 用語「サイトカイン」は、細胞機能を変調させるための免疫細胞により生産さ
れるペプチドタンパク質メディエーターを示す。サイトカインの例はインターロ
イキン−1β(IL−1β)、インターロイキン−6(IL−6)、および腫瘍
壊死因子−α(TNFα)を含む。
【0066】 「アシル」は、以下の基:アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−
、シクロアルキル−C(O)−およびアリール−C(O)−を示し、ここでアル
キル、置換アルキル、シクロアルキル、およびアリールは、本明細書中に定義す
る通りである。
【0067】 「アシルアミノ」は、基「−NRC(O)R」を示し、ここで各Rは独立して
、水素またはアルキルである。
【0068】 「アルケニル」は、好ましくは、2個〜10個の炭素原子を、さらに好ましく
は、2個〜6個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1個の、好ましくは1〜2個
の部位のアルケニル不飽和を有する、アルケニル基を示す。好ましいアルケニル
基には、エテニル(−CH=CH2)、n−プロペニル(−CH2CH=CH2) 、イソプロペニル(−C(CH3)=CH2)などが挙げられる。
【0069】 「置換アルケニル」は、好ましくは、2個〜10個の炭素原子を、さらに好ま
しくは、2個〜6個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1個の、好ましくは1〜
2個の部位のアルケニル不飽和を有する、アルケニル基であって、以下からなる
群から選択される1個〜3個の置換基により置換された、アルケニル基を示す:
アルコキシ、アミノ、モノ−およびジアルキルアミノ、アシルアミノ、アミノカ
ルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシ、カルボキシル、シアノ、ハ
ロ、ヒドロキシ、ニトロ、チオアルコキシなど。
【0070】 「アルコキシ」は、アルキル基中に、好ましくは1個〜12個の炭素原子、よ
り好ましくは1個〜8個の炭素原子を有する、「アルキル−O−」基を示す。好
ましいアルコキシ基には、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イ
ソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペ
ンチルオキシ(pentoxy)、n−ヘキシルオキシ(hexoxy)、1,
2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。
【0071】 「置換アルコキシ」は、以下からなる群から選択される、1個〜3個の置換基
によって置換されたアルコキシ基を示す:アルコキシ、アミノ、モノ−およびジ
アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、ア
リールオキシ、カルボキシル、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、チオアルコ
キシなど。好ましい置換アルコキシ基には、例として、トリフルオロメトキシな
どが挙げられる。
【0072】 「アルコキシカルボニル」は、「−C(O)OR」基(Rはアルキル)を示す
【0073】 「アルキル」は、好ましくは1個から約12個の炭素原子を有し、より好まし
くは、1個〜8個の炭素原子を有し、そしてなおより好ましくは、1個〜6個の
炭素原子を有する一価のアルキル基を示す。この用語はメチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ヘキ
シル、n−オクチル、tert−オクチルなどの基により例示される。用語「低
級アルキル」は1個から6個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
【0074】 「置換アルキル」は好ましくは1個〜約12個の炭素原子、より好ましくは1
個〜8個の炭素原子を有する、そしてさらにより好ましくは1個〜6個の炭素原
子を有するアルキル基を示し、これらは、1個〜3個の置換基で置換され、その
置換基はアルコキシ、アミノ、モノ−およびジ−アルキルアミノ、アシルアミノ
、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アリールオキシ、カルボキシル、
シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、チオアルコキシなどからなる群から選択さ
れる。
【0075】 「アルキレン」は、好ましくは1個〜12個の炭素原子を有し、そしてより好
ましくは1個〜6個の炭素原子を有する2価のアルキレン基を示し、これは直鎖
あるいは分枝鎖であり得る。この用語はメチレン(−CH2−)、エチレン(− CH2CH2−)、プロピレン異性体(例えば−CH2CH2CH2−および−CH (CH3)CH2−)などの基により例示される。
【0076】 「アルキレンジオキシ」は、好ましくは1個〜10個の炭素原子を有し、そし
てより好ましくは、1個〜6個の炭素原子を有する、「−O−アルキレン−O−
」基を示し、これは直鎖あるいは分枝鎖であり得る。この用語はメチレンジオキ
シ(−OCH2O−)、エチレンジオキシ(−OCH2CH2O−)などの基によ り例示される。
【0077】 「アルキニル」は、好ましくは、2個〜10個の炭素原子を、さらに好ましく
は、2個〜6個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1個の、好ましくは、1〜2
個の部位のアルキニル不飽和を有する、アルキニル基を示す。好ましいアルキニ
ル基には、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)などが 挙げられる。
【0078】 「アミノカルボニル」は、「−C(O)NRR」基を示し、ここでそれぞれの
Rは独立して水素またはアルキルである。
【0079】 「アラルキル」は、好ましくは1個〜10個の炭素原子をアルキレン部分に、
そして6個〜14個の炭素原子をアリール部分に有する、「アリール−アルキレ
ン−」基を示す。このようなアラルキル基は、ベンジル、フェネチルなどにより
例示される。
【0080】 「アラルキルオキシ」は、好ましくは1個〜10個の炭素原子をアルキレン部
分に、そして6個〜14個の炭素原子をアリール部分に有する、「アリール−ア
ルキレン−O−」基を示す。このようなアラルキルオキシ基は、ベンジルオキシ
、フェネチルオキシなどにより例示される。
【0081】 「アリール」は、単環(例えばフェニル)または複数の縮合環(例えばナフチ
ル、もしくはアントリル)を有する、6個〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭
素環式基を示す。好ましいアリールには、フェニル、ナフチルなどが挙げられる
。個々の置換基に対する定義によるその他の制約が無いならば、そのようなアリ
ール基は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル
、アルキレン、アルキレンジオキシ、シクロアルキル、アラルキル、アリール、
アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、シクロアル
コキシ、アシル、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、カ
ルボキシル、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、スルホネート、チオール、チ
オアルコキシ、チオアルコキシカルボニル、および−NRR(ここで、各Rは独
立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアリールから選択される)から
なる群から選択される、1個〜5個の置換基、好ましくは1個〜3個の置換基に
よって必要に応じて置換され得る。
【0082】 「アリールオキシ」は、「−O−アリール」基を示し、ここでアリールは上に
定義した通りである。
【0083】 「カルボキシル」は、「−C(O)OH」基およびその塩を示す。
【0084】 「シアノ」は、「−CN」基を示す。
【0085】 「シクロアルケニル」は、単環式環および少なくとも1個の内部不飽和点を有
し、1個〜3個のアルキル基で必要に応じて置換され得る、4個〜10個の炭素
原子の環状アルケニル基を示す。適切なシクロアルケニル基の例には、例えば、
シクロペント−3−エニル、シクロへキシ−2−エニル、シクロオクト−3−エ
ニルなどが挙げられる。
【0086】 「シクロアルコキシ」は、「−O−シクロアルキル」基を示す。そのようなシ
クロアルコキシ基には、例として、シクロペンチルオキシ(cyclopent
oxy)、シクロへキシルオキシ(cyclohexoxy)などが挙げられる
【0087】 「シクロアルキル」は、単環式環または複数の縮合環を有する3個〜10個の
炭素原子の環状アルキル基を示し、これは、1個〜3個のアルキル基で必要に応
じて置換され得る。そのようなシクロアルキル基には、例として、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピ
ル、2−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロオクチルなどのような単環式
構造、またはアダマンタニルなどのような多環式構造が挙げられる。
【0088】 「シクロアルキルアルキル」は、好ましくは1個〜10個の炭素原子をアルキ
レン部分に、そして3個〜8個の炭素原子をシクロアルキル部分に有する、「シ
クロアルキル−アルキレン−」基を示す。このようなシクロアルキルアルキル基
は、−CH2−シクロプロピル、−CH2−シクロペンチル、−CH2CH2−シク
ロヘキシルなどにより例示される。
【0089】 「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを示
す。
【0090】 「複素環」または「複素環式」とは、環内に1〜10個の炭素原子および窒素
、硫黄または酸素から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、単環または複
数の縮合環を有する一価の飽和または不飽和基を示す。複素環の例には、モルホ
リン、ピペラジン、イミダゾリジン、ピロリジン、ピペリジンなどが挙げられる
が、これらに限定されない。
【0091】 「ヒドロキシ」は、「−OH」基を示す。
【0092】 「ニトロ」は、「−NO2」基を示す。
【0093】 「スルホネート」は、「−SO3H」基およびその塩を示す。
【0094】 「チオアルコキシ」は、「アルキル−S−」基を示す。好ましいチオアルコキ
シ基には、例として、チオメトキシ、チオエトキシ、n−チオプロポキシ、イソ
チオプロポキシ、n−チオブトキシなどが挙げられる。
【0095】 「チオアルコキシカルボニル」は、「アルキル−S−C(O)−」基を示す。
【0096】 「チオール」は、「−SH」基を示す。
【0097】 「薬学的に受容可能な塩」は、当該分野で周知の多様な有機および無機の対イ
オンから誘導される、薬学的に受容可能な塩を示し、単に例として、ナトリウム
、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモ
ニウムなどが挙げられ、分子が塩基性官能基を含む場合、塩酸塩、臭化水素酸塩
、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有
機もしくは無機酸の塩が挙げられる。用語「薬学的に受容可能なカチオン」は、
酸性官能基の薬学的に受容可能なカチオン対イオンを示す。そのようなカチオン
は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラ
アルキルアンモニウムカチオンなどにより例示される。
【0098】 (一般的合成手順) 本発明のチオフェンニトロンは、以下の一般的方法および手順を使用して容易
に入手可能な出発物質から調製され得る。典型的なまたは好ましいプロセス条件
(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる
場合、他で述べない限り、他のプロセス条件がまた使用され得ると理解される。
最適反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変化し得るが、その
ような条件は、従来の最適化手順により、当業者により決定され得る。
【0099】 さらに、当業者には明らかであるように、特定の官能基に望ましくない反応が
起きるのを防ぐために、従来の保護基が必要となり得る。特定の官能基のための
適切な保護基の選択、ならびに保護および脱保護のための適切な条件は、当該分
野では周知である。例えば、多数の保護基、ならびにそれらの導入および除去は
、T.W.GreenおよびG.M.Wuts、Protecting Gro
ups in Organic Synthesis、第2版(Wiley、N
ew York、1991)およびそこに記載された参考文献に記載される。
【0100】 好ましい合成法において、本発明のチオフェンニトロンは、以下の式VIIの
チオフェンカルボニル化合物:
【0101】
【化24】 (ここで、R1、R2、W、mおよびnは上記の定義の通りである)と以下の式V
IIIのヒドロキシルアミン: HO−NH−R3 VIII (ここで、R3は、上記の定義の通りである)とを従来の反応条件下でカップリ ングすることにより、調製される。
【0102】 このカップリング反応は典型的には、このチオフェンカルボニル化合物VII
と、少なくとも1当量、好ましくは約1.1〜約2当量のヒドロキシルアミンV
IIIとを不活性極性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、1,4−ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなど
)中で接触させることにより実施される。この反応は好ましくは、約0℃〜約1
00℃の温度で約1〜約48時間、実施される。必要に応じて、触媒量の酸(例
えば、塩酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸など)がこの反応に使用され得る。
この反応が終了すると、式Iのチオフェンニトロンは、沈殿、クロマトグラフィ
ー、濾過、蒸留などを含む従来の方法により回収される。
【0103】 上記のカップリング反応に使用される式VIIのチオフェンカルボニル化合物
は、公知の化合物であるか、または従来の手順により公知の化合物から調製され
得る化合物のいずれかである。
【0104】 例えば、Wが−SR4である式VIIのチオフェンカルボニル化合物は、ハロ ゲン置換チオフェンカルボニル化合物(例えば、5−ブロモ−2−チオフェンカ
ルボキシアルデヒド)と、R4が本明細書中で定義された通りである式R4SHを
有するチオール誘導体(例えば、4−メトキシベンゼンチオール)のチオレート
アニオンとを反応させることにより、容易に調製される。典型的には、この反応
は、ハロゲン置換のチオフェンカルボニル化合物と、過剰の、好ましくは約1.
1〜1.5当量のチオール誘導体とを、不活性溶媒(例えば、アセトン、2−ブ
タノンなど)中で炭酸カリウムのような塩基の存在下で接触させることにより実
施される。典型的には、この反応は、約0℃〜約100℃の範囲の温度で約18
〜約48時間、実施される。
【0105】 この反応で使用されるハロゲン置換チオフェンカルボニル化合物は、公知の化
合物、または周知の手順および試薬を使用して市販の出発物質から調製され得る
化合物のいずれかである。5−ブロモ−2−チオフェンカルボキシアルデヒドは
、このらの反応に使用するための特に好ましい化合物である。同様に、上記の反
応に使用されるチオール誘導体は、市販されているか、または周知の手順および
試薬を使用して市販の出発物質から調製され得る。
【0106】 本発明に使用するためのチオフェンカルボニル化合物の別の好ましい群は、W
が−S(O)R5または−SO26(ここで、R5およびR6は、上記の定義の通 りである)である式VIIの化合物である。これらの化合物は、従来の試薬およ
び反応条件を使用する酸化により、対応するチオエーテルチオフェンカルボニル
化合物(すなわち、式VIIのWが−SR4またはSR5である)から容易に調製
され得る。スルフィド化合物をスルホキシドに酸化するための適切な試薬には、
例えば、過酸化水素、3−クロロ過安息香酸(MCPBA)、過ヨウ素酸ナトリ
ウムなどが挙げられる。使用される酸化剤に依存して、チオフェン中間体のカル
ボニル基は好ましくは、望ましくない酸化を防ぐため、例えば、アセタールまた
はケタールとして保護される。
【0107】 この酸化反応は典型的には、チオエーテルチオフェンカルボニル化合物と約0
.95〜約1.1当量の酸化剤とを、不活性希釈液(例えば、ジクロロメタン)
中、約−50℃〜約75℃の範囲の温度で約1〜約24時間、接触させることに
より実施される。得られたスルホキシドは次いで、このスルホキドを少なくとも
さらに1当量の酸化剤(例えば、過酸化水素、MCPBA、過マンガン酸カリウ
ムなど)と接触させることにより、対応するスルホンにさらに酸化され得る。あ
るいは、このスルホンは、スルフィドを少なくとも2当量、好ましくは過剰の酸
化剤と接触させることにより、直接、調製され得る。所望であれば、これらの酸
化反応はまた、式VIIのチオフェンカルボニル化合物とヒドロキシルアミンV
IIIとのカップリング後に実施され得る。
【0108】 あるいは、1個以上のWが−SO26(ここで、R6は、上記の定義の通りで ある)である式VIIのスルホン化合物は、対応するブロモチオフェンカルボニ
ル化合物と、例えば、スルフィン酸ナトリウム塩(すなわち、式R6−SO2Na
の化合物(ここで、R6は上記定義のとおりである))とを反応させることによ り調製され得る。この反応は典型的には、ブロモチオフェンカルボニル化合物と
、過剰の、好ましくは、1.2〜3当量のスルフィン酸とを、不活性溶媒(例え
ば、2−エトキシエタノール)中で、約50℃〜約150℃の範囲の温度で約2
〜24時間、接触させることにより実施される。得られたスルホンチオフェンカ
ルボニル化合物は次いで、従来の反応条件を使用して式VIIIのヒドロキシル
アミン化合物とカップリングされ得る。
【0109】 本発明に使用するための好ましいチオフェンカルボニル化合物の別の群は、W
が−SO3Yであり、そしてYが上記の定義の通りである式VIIの化合物であ る。これらの化合物は、当業者には周知の試薬および条件を使用して、以下の式
IXのチオフェンカルボニル化合物:
【0110】
【化25】 (ここで、R1、R2およびnは、上記の定義の通りである)をスルホン化するこ
とにより、容易に調製され得る。従来のスルホン化試薬(例えば、三酸化硫黄・
ピリジン錯体)が、この反応に使用され得る。典型的には、このスルホン化反応
は、式IXのチオフェンカルボニル化合物と、約1〜約5モル当量のスルホン化
試薬とを、不活性溶媒(例えば、1,2−ジクロロエタン)中で、約50℃〜約
200℃、好ましくは、約100℃〜約150℃の範囲の温度で約6〜約48時
間、接触させることにより実施される。この反応が終了すると、スルホン化チオ
フェンカルボニル化合物は、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、などを含む従来
の方法により回収される。
【0111】 スルホン化チオフェンカルボニル化合物が、ヒドロキシルアミンVIIIとの
カップリング反応に使用される場合、このスルホン酸基は好ましくは、ヒドロキ
シルアミンとチオフェンカルボニル化合物とを接触させる前に、適切な塩(例え
ば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム塩)に変換される。このスルホン酸基
は、スルホン酸と、少なくとも1当量の適切な塩基(例えば、水酸化リチウム、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウムなど)とを接触させるこ
とにより、対応する塩に容易に変換される。
【0112】 本発明に使用するためのチオフェンカルボニル化合物の別の好ましい群は、W
が−SO2NR78(ここで、R7およびR8は上記の定義の通りである)である 式VIIの化合物である。これらの化合物は、スルホン酸基をスルホニルクロリ
ドに変換し、次いでこのスルホニルクロリドと以下の式Xのアミン:
【0113】
【化26】 (ここで、R7およびR8は上記の定義の通りである)とをカップリングさせるこ
とにより、対応するスルホン化チオフェンカルボニル化合物(すなわち、Wが−
SO3Hである式VIIの化合物)から容易に調製され得る。式Xのアミンは、 公知の化合物、または公知の手順により調製され得る化合物のいずれかである。
この反応に使用するための適切なアミンの例には、アンモニア、メチルアミン、
エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、
イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、n−ペン
チルアミン、シクロペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、n−オクチルアミン、tert−オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルア
ミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミ
ン、メチルエチルアミン、メチル−n−プロピルアミン、メチルイソプロピルア
ミン、メチル−n−ブチルアミン、メチル−tert−ブチルアミン、メチル−
tert−オクチルアミン、メチルシクロペンチルアミン、メチルシクロヘキシ
ルアミン、エチル−n−プロピルアミン、エチルイソプロピルアミン、エチル−
n−ブチルアミン、エチルシクロヘキシルアミン、フェニルアミン、(4−メチ
ル)フェニルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンなどが挙げられるが
、これらに限定されない。
【0114】 スルホン酸(すなわち、式VIIにおいてWが−SO3Hである)は、三塩化 リンおよび五塩化リンを使用して対応するスルホニルクロリドに変換され得る。
スルホン酸基(単数または複数)の対応するスルホニルクロリドへの変換に加え
て、この反応はまた、化合物VIIのカルボニル基をgem−ジクロリド基に変
換する。この変換は、引き続くスルホンアミド形成の間、カルボニル基を保護す
るのに役立つ。
【0115】 一般に、化合物VIIとPCl3/PCl5との反応は、無溶媒または不活性溶
媒(例えば、ジクロロメタン)中のいずれかで、約0℃〜約80℃の範囲の温度
で約1〜約48時間の間、約2〜5モル当量の三塩化リンおよび五塩化リンを使
用して、実施される。
【0116】 このスルホニルクロリドは次いで、約1〜約5モル当量のアミンXと接触され
、対応するスルホンアミドgem−ジクロリド化合物を与える。この反応は好ま
しくは、約−70℃〜約40℃の範囲の温度で約1〜約24時間の間、実施され
る。典型的には、この反応は、反応中に生成する酸を除去するため適切な塩基の
存在下で実施される。適切な塩基には、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどが挙げられる。あるいは、過剰の
アミンXが使用されて反応中に生成する酸を除去し得る。
【0117】 このgem−ジロリド基は次いで、加水分解されてカルボニル基を再生する。
この反応は好ましくは、スルホンアミドgem−ジクロリド化合物とギ酸水溶液
(好ましくは、約75%)とを、約50℃〜約150℃の範囲の温度で約1〜2
4時間、接触させることにより実施される。反応が終了すると、得られたスルホ
ンアミドチオフェンカルボニル化合物は、沈殿、クロマトグラフィー、濾過など
を含む従来の方法により、回収される。
【0118】 上の式VIIIのヒドロキシルアミン化合物はまた、公知の化合物、または従
来の手順により公知の化合物から調製され得る化合物である。典型的には、式V
IIIのヒドロキシルアミン化合物は、適切な還元剤(例えば、活性化亜鉛/酢
酸、活性化亜鉛/塩化アンモニウムまたはアルミニウム/水銀アマルガム)を使
用して、対応するニトロ化合物(すなわち、R3−NO2(ここで、R3は上記の 定義の通りである)を還元することにより調製される。この反応は典型的には、
約15℃〜約100℃の範囲の温度で、約0.5〜12時間、好ましくは、約2
〜6時間、水溶性反応媒体(例えば、亜鉛試薬の場合にはアルコール/水混合物
、アルミニウムアマルガムの場合にはエーテル/水混合物)中で実施される。脂
肪族ニトロ化合物(これらの塩の形態で)はまた、テトラヒドロフラン中でボラ
ンを使用してヒドロキシルアミンに還元され得る。いくつかのヒドロキシルアミ
ンは限定された安定性を有するので、このような化合物は一般的に、式VIIの
チオフェンカルボニル化合物との反応の直前に調製される。
【0119】 本発明に使用するための好ましいヒドロキシルアミンには、N−イソプロピル
ヒドロキシルアミン、N−n−プロピルヒドロキシルアミン、N−n−ブチルヒ
ドロキシルアミン、N−tert−ブチルヒドロキシルアミン、N−シクロヘキ
シルヒドロキシルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】 (薬学的組成物) 医薬として使用される場合、本発明の化合物は、典型的には、薬学的組成物の
形態で投与される。そのような組成物は、薬学的分野において周知の手順を使用
して調製され得、そして少なくともひとつの活性な化合物を含む。
【0121】 一般的に、本発明の化合物は、薬学的に有効な量で投与される。実際に投与さ
れる化合物の量は、典型的には、関連の状況(治療されるべき状態、投与の選択
された経路、実際の投与化合物、個々の患者の年齢、体重および反応、患者の症
状の重篤度などを含む)を考えて、医師によって決定される。
【0122】 本発明の薬学的組成物は、種々の経路(経口、経直腸、経皮、皮下、静脈内、
筋肉内、鼻腔内、局所などを含む)により投与され得る。意図される送達経路に
依存して、本発明の化合物は、注射可能なあるいは経口的な組成物のいずれかと
して好ましくは処方される。
【0123】 経口投与のための薬学的組成物は、大量の液体溶液や懸濁物、もしくは大量の
粉末の形態をとり得る。しかし、さらに一般的には、このような組成物は、正確
な投与を容易にするために、単位用量形態で提示される。用語「単位用量形態」
とは、ヒト被験体および他の哺乳動物の単一の用量として適切な、物理的に分離
した単位量をいい、各単位は、所望される治療効果を生じるように、計算された
活性物質の規定量を適切な薬学的賦形剤と合わせて含む。典型的な単位用量形態
には、液体組成物の、予め充填され、測定されたアンプルまたは注射器、あるい
は、固形組成物の場合は、丸剤、錠剤、カプセル剤などを包含する。そのような
組成物において、活性化合物は、通常、少量成分(約0.1〜約50重量%、ま
たは好ましくは約1〜約40重量%)であり、これは所望される投薬形態を形成
するために役立つ種々のビヒクルもしくはキャリアおよび処理補助物質である残
りの成分を含む。
【0124】 経口投与に適切な液体形態には、緩衝剤、懸濁剤、調剤用薬剤、着色料、香料
などと共に、適切な水性あるいは非水性ビヒクルを含み得る。固体形態は、例え
ば、以下に示す成分のいずれか、または類似の性質の化合物を含み得る:結合剤
(例えば、微結晶セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤(例
えば、デンプンまたはラクトース);崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primo
gelまたはコーンスターチ);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)
;滑剤(glidant)(例えば、コロイド状の二酸化ケイ素);甘味剤(例
えば、ショ糖またはサッカリン);あるいは矯味矯臭剤(例えば、ペパーミント
、サリチル酸メチルあるいはオレンジフレーバー)。
【0125】 注射可能な組成物は、典型的には、当該分野で公知の、注射可能な無菌生理食
塩水、リン酸緩衝化生理食塩水または他の注射可能なキャリアに基づく。前述の
ように、そのような組成物中の活性化合物は、典型的には、注射可能なキャリア
などである残余とともに、しばしば、約0.05〜10重量%の少量成分である
【0126】 経口的に投与可能なあるいは注射可能な組成物のための上記の成分は、単なる
例示である。他の物質ならびに、他の処理技術などが、「Remington’
s Pharmaceutical Science」(第17版、1985、
Mack Publishing Company,Easton,Penns
ylvania)の第8部に記載されており、これは本明細書中に参考として援
用される。
【0127】 本発明の化合物はまた、持続放出形態で、または持続放出薬剤送達システムか
ら、投与され得る。例示的な持続保持放出物質の記述は、「Remington
’s Pharmaceutical Science」中で援用した物質中に
見出され得る。
【0128】 以下の処方例は、本発明の代表的な薬学的組成物を表している。しかし、本発
明は、以下の薬学的組成物に限定されない。
【0129】 (処方物1−錠剤) 式Iの化合物を、乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤と共に約1:2の重量比
で混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として加える。この混合
物を、錠剤プレスで、240〜270mgの錠剤(1錠剤あたり80〜90mg
の活性化合物)に成形する。
【0130】 (処方物2−カプセル剤) 式Iの化合物を、乾燥粉末としてデンプン希釈剤と共に約1:1の重量比で混
合する。この混合物を250mgのカプセル(1カプセルあたり125mgの活
性化合物)に満たす。
【0131】 (処方物3−液剤) 式Iの化合物(125mg)、ショ糖(1.75g)およびキサンタンガム(
4mg)をブレンドし、No.10メッシュU.S.ふるいを通過させ、次いで
、予め作製した微結晶セルロースおよびカルボキシルメチルセルロースナトリウ
ム(11:89、50mg)の水溶液と共に混合する。安息香酸ナトリウム(1
0mg)、香料および色素を水で希釈し、そして、撹拌しながら加える。次いで
、十分な水を加えて、5mLの全量とする。
【0132】 (処方物4−錠剤) 式Iの化合物を乾燥粉末として、乾燥ゼラチン結合剤と共に、約1:2の重量
比で混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として加える。この混
合物を、錠剤プレスで450〜900mgの錠剤(150〜300mgの活性化
合物)に成形する。
【0133】 (処方物5−注射剤) 式Iの化合物を、約5mg/mlの濃度まで、緩衝化無菌生理食塩水の注射可
能な水性媒体中に溶解する。
【0134】 (化合物の用途) 本発明の化合物は、Aβ(1−42)ベータプリーツシートの形成を阻害し、
またはサイトカイン(例えば、IL−1β)の放出を阻害することが見出されて
いる。前に述べたように、Aβ(1−42)ベータプリーツシートの形成は、ア
ルツハイマー病および/または炎症状態のような神経変性状態に関連する。さら
に、サイトカインの上昇したレベルは、神経変性、自己免疫および/または炎症
状態に関連する。従って、本発明の化合物および薬学的組成物は、ヒトを含む哺
乳動物における、神経変性、自己免疫および炎症状態を予防、および/または処
置するための治療剤としての用途を見出す。
【0135】 式Iの化合物で処置および/または予防され得る状態の中では、神経変性状態
(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、HIV−痴呆など);自己免疫
性状態(例えば、全身性狼瘡、多発性硬化症など);および炎症性状態(例えば
、炎症性腸疾患(IBD)、慢性関節リウマチ、敗血症性ショック、癩性結節性
紅斑、敗血症、ブドウ膜炎、成人型呼吸窮迫症候群(ARDS)など)がある。
【0136】 さらに、本発明の化合物は、IL−1β、IL−6およびTNFαのようなサ
イトカインの放出を効率的に阻害することが発見されたので、そのような化合物
はサイトカイン(特に、IL−1β、IL−6およびTNFα)の過剰産生また
は調節不全性産生により特徴づけられる疾患(多くの自己免疫および/または炎
症性状態を含む)の処置に有用である。
【0137】 上記議論のように、本明細書中で記載された化合物は、種々の薬物送達システ
ムにおける使用のため適している。神経変性、自己免疫性および炎症性状態を処
置するための注射剤の投与量レベルは、約0.1mg/kg/時間〜少なくとも
10mg/kg/時間の範囲であり、全て約1〜約120時間、特に24〜96
時間の範囲である。約0.1mg/kg〜約10mg/kgまたはそれ以上の前
負荷ボーラスがまた、十分な定常状態レベルを達成するため投与され得る。最大
全投与量が、40〜80kgのヒト患者に対して約2g/日を超えることは期待
されない。
【0138】 神経変性および自己免疫性状態のような長期の状態の予防および/または処置
のためには、処置レジメは通常、多くの年月に渡るので、経口の投薬が患者の利
便性および寛容性のため好ましい。経口の投薬の場合、一日あたり1〜5回、特
に2〜4回、そして典型的には3回の経口投与が代表的なレジメである。これら
の投薬パターンを使用して、各投与量では、約0.1〜約20mg/kgの式I
の化合物が提供され、好ましい各投与量では、約0.1〜約10mg/kg、そ
して特に約1〜約5mg/kgが提供される。
【0139】 神経変性、自己免疫性または炎症性状態の発症を予防するため使用される場合
、本発明の化合物は、代表的には医師の助言によりおよび医師の監督下で、上記
記載の投薬量レベルで、その状態を発症するリスクのある患者に投与される。特
定の状態を発症するリスクのある患者とは、一般にその状態の家族歴を有する患
者、あるいはその状態が特に発症しやすいと遺伝子検査またはスクリーニングに
より同定された患者が挙げられる。
【0140】 本発明の化合物は、活性薬剤単独として投与され得、またはそれらは、他の活
性ニトロン誘導体を含む他の薬剤と組み合わせて投与され得る。
【0141】 本発明の化合物はまた、電子スピン共鳴(ESR)分光法および関連技術を使
用して不安定なフリーラジカルを検出するための、分析試薬(すなわち、スピン
トラップ剤)として有用である。分析試薬として使用される場合、本発明のニト
ロン化合物は、典型的には溶液中で研究されるべきラジカルと接触され、そして
ESRスペクトルが従来通りの様式で生成する。特に、本発明の化合物は、生物
系でフリーラジカルを検出しそして同定するために使用され得る。任意のESR
分光計(例えば、JEOL JES−FE3XG分光計)がこれらの実験で使用
され得る。典型的には、スピン−トラップ剤を含む溶液は、ESR実験が実施さ
れる前に、例えば、アルゴンまたは窒素をその溶液に通気することにより脱酸素
化される。好ましくは、過剰のニトロンがそのようなESR実験に使用される。
【0142】 スピン−トラップ実験で使用される実際の実験手順は、多くの因子(例えば、
ラジカル生成の様式、スピントラップに関連する溶媒および試薬の不活性度、ス
ピン付加体の寿命など)に依存する。スピントラップの手順は、当該分野では周
知であり、そして使用される正確な手順は当業者により決定され得る。スピント
ラップ実験を実施するための典型的な手順および装置は、例えばC.A.Eva
ns「Spin Trapping」,Aldrichimica Acta,
(1979),12(2),23−29およびそこに引用される参考文献に記載
される。
【0143】 以下の合成実施例および生物学的実施例は本発明を例証するため提供され、本
発明の範囲を限定するようないかなる方法で解釈されるべきでない。
【0144】 (実施例) 以下の実施例において、以下の略語は以下の意味を有する。以下に定義されな
い略語は、それらの一般的に認められた意味を有する。
【0145】 bd = ブロードな二重線 bs = ブロードな一重線 d = 二重線 dd = 二重線の二重線 dec = 分解 dH2O = 蒸留水 ELISA = 酵素結合免疫吸着アッセイ EtOAc = 酢酸エチル EtOH = エタノール FBS = ウシ胎仔血清 g = グラム h = 時間 Hz = ヘルツ IL−1β = インターロイキン−1β IL−6 = インターロイキン−6 L = リットル LPS = リポ多糖類 m = 多重線 min = 分 M = モル MeOH = メタノール mg = ミリグラム MHz = メガへルツ mL = ミリリットル mmol = ミリモル m.p. = 融点 N = ノルマル q = 四重線 quint. = 五重線 s = 一重線 t = 三重線 THF = テトラヒドロフラン ThT = チオフラビンT tlc = 薄層クロマトグラフィー TNFα = 腫瘍壊死因子−α μg = マイクログラム μL = マイクロリットル UV = 紫外線 以下の実施例において、全ての温度は(他で示さない限り)摂氏度である。実
施例A〜Dは、本発明のチオフェンニトロンの調製に有用な中間体の合成を記載
し、実施例1〜2は、種々のチオフェンニトロンの合成を記載し、そして実施例
3〜7は、このような化合物の試験を記載する。
【0146】 (実施例A) N−tert−ブチルヒドロキシルアミンの合成 脱イオン水(6L)中の2−メチル−2−ニトロプロパン(503g)および
塩化アンモニウム(207g)の冷却した混合物に、温度を18℃未満に維持す
るような速度で、亜鉛末(648g)を少量ずつ加えた。反応混合物を機械的に
15時間攪拌し、次いで濾過した。この固体を熱水(1.75L)で洗浄した。
合わせた濾液を炭酸カリウム(4.6Kg)で飽和し、酢酸エチル(2×130
0mL)で抽出した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして
ロータリーエバポレートし、表題化合物(329g、収率75.7%)を白色結
晶として得た。この物質はさらに精製することなく使用した。
【0147】 スペクトルデータは以下の通りである: 1H NMR(CDCl3,270MHz)δ=1.090(s、3CH3)。
【0148】 (実施例B) N−イソプロピルヒドロキシルアミンの合成 上記実施例Aの手順および2−ニトロプロパンを使用して、表題化合物を調製
した。ヒドロキシルアミン粗生成物をさらに精製することなく使用した。
【0149】 (実施例C) N−シクロヘキシルヒドロキシルアミンの合成 上記実施例Aの手順およびニトロシクロヘキサンを使用して、表題化合物を調
製し得る。あるいは、N−シクロヘキシルヒドロキシルアミンヒドロクロリドを
Aldrich Chemical Company,Inc.,Milwau
kee,WI USAから市販品を購入し得、そして炭酸カリウムのような塩基
で中和し、表題化合物を得た。
【0150】 (実施例D) α−(2−ブロモ−5−チエニル)−N−tert−ブチルニトロンの合成 CHCl3(200mL)中の、5−ブロモ−2−チオフェンカルボキシアル デヒド(19.11g、100mmol)、N−tert−ブチルヒドロキシル
アミン(16.15g、181.05mmol)、モレキュラーシーブ(50g
)およびシリカゲル(10g)の混合物を、28時間還流し、濾過し、そしてロ
ータリーエバポレートした。得られた固体を、ヘキサン(240mL)およびエ
チレングリコールジメチルエーテル(30mL)から再結晶し、黄色がかった結
晶(22.50g、収率85.8%)を得た(融点121.1℃(溶出液として
ヘキサン/EtOAc、1:1 v:vを用いるシリカゲルプレートで、Rf= 0.54)。
【0151】 スペクトルデータは以下であった:
【0152】
【数1】 (実施例1) α−[2−(4−メトキシフェニルチオ)−5−チエニル]−N−tert−
ブチルニトロンの合成 工程A− 2−(4−メトキシフェニルチオ)−5−チオフェンカルボキシア
ルデヒドの合成 5−ブロモ−2−チオフェンカルボキシアルデヒド(16.25g、85.0
5mmol)のアセトン溶液(150mL)に、4−メトキシベンゼンチオール
(13.12g、93.58mmol)および炭酸カリウム(15g)を添加し
た。反応混合物を室温で17時間撹拌し、濾過し、そしてロータリーエバポレー
トし、褐色の残渣を得、これをさらに精製することなく、使用した。
【0153】 工程B− α−[2−(4−メトキシフェニルチオ)−5−チエニル]−N−
tert−ブチルニトロンの合成 工程Aからの2−(4−メトキシフェニルチオ)−5−チオフェンカルボキシ
アルデヒドを、N−tert−ブチルヒドロキシルアミン(10g、112.1
1mmol)、モレキュラーシーブ(4A、50g)、シリカゲル(10g)お
よびクロロホルム(200mL)と混合した。この混合物を、15時間還流し、
濾過し、そしてロータリーエバポレートした。得られた残渣を、ヘキサン/Et
OAc(2:1、v:v)で溶出するシリカゲルのクロマトグラフィーによって
精製し、わずかに桃色がかった粉末を得た(4.60g、収率16.8%、融点
100.9℃(溶出液としてヘキサン/EtOAc(2:1、v:v)を用いる
シリカゲルプレートで、Rf=0.19))。
【0154】 スペクトルデータは以下であった:
【0155】
【数2】 (実施例2) α−[2−(4−メトキシフェニルチオ)−5−チエニル]−N−シクロヘキ
シルニトロンの合成 表題化合物を、N−tert−ブチルヒドロキシルアミンの代わりに、N−シ
クロヘキシルヒドロキシルアミンを用いて、実施例1に記載される手順に従って
調製した。工程Aの反応時間をまた、30時間に延長した。表題化合物をわずか
に灰色の固体として単離した((収率61.5%)、融点107.7℃(溶出液
としてヘキサン/EtOAc(2:1、v:v)を用いるシリカゲルプレートで
、Rf=0.24))。
【0156】 スペクトルデータは以下であった:
【0157】
【数3】 (実施例3) (電子スピン共鳴(ESR)の研究) 以下の手順を使用して、フリーラジカルを捕捉するための本発明のチオフェン
ニトロンは、ESRスピン捕捉技術を使って、フリーラジカルを捕捉することが
示し得た。さらなる実験の詳細については、例えば、K.R.Maplesら、
「In Vivo Detection of Free Radical M
etabolites」,Free Radicals in Synthes
is and Biology(F.Minisci編)423−436頁(K
luwer Academic Publishers,Boston,198
9);およびJ.A.DeGrayら、「Biological Spin T
rapping」,Electron Spin Resonance 14:
246−300(1994)を参照のこと。本実験では、t−ブチルヒドロペル
オキシド/鉄(II)フリーラジカル発生系を使用する。このフリーラジカル発
生系はt−ブチル−アルコキシルラジカル、t−ブチル−ペルオキシルラジカル
、およびメチルラジカルを発生する。本発明のチオフェンニトロンがこれらのラ
ジカルのいずれかを捕捉して、安定なラジカル付加体を形成し得る場合、このよ
うなラジカル付加体はESR分光法により検出可能であるはずである。
【0158】 100mM硫酸鉄(II)5μlを、100mMチオフェンニトロン水溶液(
490μl)に加える。100mM t−ブチルヒドロペルオキシド(5μl)
の添加によりこの反応を開始する。試薬の最終濃度は、水中で鉄(II)1mM
、t−ブチルヒドロぺルオキシド1mM、およびニトロン化合物98mMである
。いったん混合されると、その溶液を、石英板セル内へ速やかに移し、そしてB
ruker ESP 300 ESR分光計の空洞内へこのセルを配置し、そし
て混合の5分以内に走査した。ESR分光計の設定は:中央場(center
field)3480G、場幅(field width)200G、掃引時間
(sweep time)480秒、周波数9.75GHz、出力10dB、受
信利得1.6×105、変調振幅(modulation amplitude )0.200G、時間定数(time constant)0.320秒、およ
び位相270°。得られたESRスペクトルは、チオフェンニトロンがフリーラ
ジカルの捕捉に効果的であり、そしてこのような化合物はESR適用のための分
析用試薬として使用し得ることを示す。
【0159】 (実施例4) (Aβベータプリーツシート形成の阻害) アミロイドβ−ペプチド(Aβ)の沈着はアルツハイマー病の発症と関連があ
る。例えば、G.G.Glennerら(1984)Biochem.Biop
hys.Res.Commun.,120:885−890;およびR.E.T
anzi(1989)Ann.Med.,21:91−94を参照のこと。した
がって、Aβ(1−40)もしくはAβ(1−42)ベータプリーツシートの形
成を効果的に破壊する化合物は、このようなアミロイド沈着を阻止および/また
は反転させるのに潜在的に有用である。チオフラビンT(ThT)は、ベータプ
リーツシート、特に凝集した合成Aβ(1−42)の原線維と迅速な会合をする
ことが知られている。この会合は、440nmにおける励起極大および490n
mにおける発光の増大を示す。本実験では、上記の式Iの特定のチオフェンニト
ロンがThTと合成Aβ(1−42)との会合を阻害する能力を、蛍光変化の測
定により証明する。
【0160】 下記のパラメーターを有するCytoFluorII蛍光プレートリーダーを
使って、本実験を行った: フィルター: 励起440nm/20 発光490nm/40 利得: 75 サイクルからサイクルの時間: 30分 実行時間: 720分(24サイクル) または実験設計に依存 プレート: 96ウェル。
【0161】 それぞれのウェルへ、PBS(pH6.0)中に調製したThT(3μM)9
5μl、PBS(pH6.0)中に0.05%メチルセルロースとともに調製し
た試験される化合物2μL(10μM)、およびdH2Oで調製したAβ(1− 42)3μL(3μg)を、アリコートした。蛍光測定を、Aβ(1−42)を
加えた時点で始め、そして計12時間続けた。試験化合物の存在下と非存在下と
の間の凝集の相対的蛍光単位の差から、ベータプリーツシート形成に対する阻害
率を算出した。コントロールに比べて少なくとも30%のAβ(1−42)ベー
タプリーツシート形成の阻害を、本試験で有意であるとみなす。これらのインビ
トロ試験の結果を以下に記載する。
【0162】 (実施例5) (Aβ(25−35)誘発ニューロン細胞脱落に対する保護) アルツハイマー病患者が、進行性のニューロン細胞の脱落を患うことは公知で
ある。例えば、P.J.Whitehauseら、(1982)Science
,215:1237−1239を参照のこと。本実験では、上記の式Iの特定の
チオフェンニトロンが、Aβ(25−35)の誘発するニューロン細胞脱落から
保護する能力を証明し得た。妊娠から18日目の胚のSprague Dawl
eyラット海馬を切除し、次いで粉砕により分離して、初代ニューロン培養物を
調製する。10%ウシ胎仔血清を補充したイーグルの最小必須培地を含む35m
mポリ−D−リジン−コートプレートに細胞(3×105)をプレーティングし た。3〜5時間後、始めの培地を除去し、そして新しい培地1mLに置き換えた
。5%CO2/95%空気で加湿したインキュベーター内で培養物を37℃で維 持した。グリア細胞増殖は、ニューロン下に単層として観察される。
【0163】 この細胞(7DIV)に、dH2Oに溶解したAβ(25−35)(−20℃ で保存)30μM、および1%メチルセルロース中の試験化合物100μMを加
える。コントロールはまた、試験化合物なしで行った。形態学的に生存ニューロ
ンの割合を、96時間処理後に生存ニューロンの数を計数することにより決定す
る(3領域/ウェル、n=6ウェル)。このコントロールに比べて少なくとも3
0%のAβ(25−35)誘発ニューロン細胞脱落の阻害を、本試験で有意であ
るとみなす。
【0164】 (実施例6) (β−アミロイドが誘発する、インターロイキン−1βの放出増加の減少) 本実験では、上記の式Iの特定のチオフェンニトロンが、β−アミロイドが誘
発するインターロイキン−1β(IL−1β)のLPS単独の場合を超える放出
増加を、減少させる能力を証明する。THP−1細胞(アメリカンタイプカルチ
ャーコレクションからのヒト単球細胞株)を、Tフラスコ内で10%ウシ胎仔血
清(FBS、熱非働化せず)を加えたRPMI−1640培地において増殖した
。細胞をスピンダウン(800rpm、5分)し、そして新しい同じ培地を加え
ることで2日おきに培地を交換した。あるいは、新しい培地を添加することによ
りこの培養を維持した。1×105から1×106細胞/mLの間の細胞濃度範囲
で培養を維持した。血清はマクロファージ/単核細胞IL産生に影響し得る未知
の因子を含み得るので、FBSを24時間にわたり5%に減少させた。FBSを
それぞれの実験を始める前に2日間にわたりさらに2%へと減少させた。遠心分
離によりこの細胞を集め、そして2%FBSを含む培地に再度懸濁した。細胞数
を計数し、そして24ウェルプレートに細胞をプレーティングした(3×105 細胞/0.6mL/ウェル)。次いで細胞を、LPS(0.5μg/ml)単独
、もしくはAβペプチド(5μM)と組み合わせて処理した。IL−1βの放出
に対する試験化合物の効果を測定する際、試験化合物100μMをLPSおよび
Aβ(25−35)と共に加え、そしてELISAを行う前にこの混合物を48
時間インキュベートした。
【0165】 LPS刺激されたTHP−1細胞による培地中へのIL−1βの分泌を、アミ
ロイドペプチドおよび試験化合物の存在下または非存在下において、市販のEL
ISAキット(R&D Systems)を用いてアッセイした。簡潔に言うと
、ヒトIL−1βにマウスモノクロナール抗体をコートしたマイクロタイタープ
レートは製造業者によって供給された。基準物質およびサンプルをウェルの中に
ピペットで移し、そして、存在する任意のIL−1βを固定化された抗体によっ
て結合した。結合していないタンパク質を洗い流し、そして、IL−1βに対し
て特異的な、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合されたポリクロナール抗体を、
ウェルに添加して、最初の工程で結合されたIL−1βを「サンドイッチ」した
。任意の結合していない抗体−酵素試薬を洗浄して除去した後、基質溶液(1:
1 過酸化水素:テトラメチルベンジジン、v/v)をウェルに添加し、そして
最初の工程において結合されたIL−1βの量に比例して発色させた。呈色を2
N硫酸を用いて停止し、そして基準物質および試験サンプルの450nmにおけ
る光学濃度を測定した。サンプル中に存在するIL−1βの量を、検量線に基づ
いて算出した。アッセイを4連のウェルで実施した。コントロールに比べて少な
くとも30%のβ−アミロイドに誘発されたインターロイキン−1βの放出の増
加の阻害を、これらの試験において有意であるとみなす。これらのインビトロ試
験の結果を以下に記載する。
【0166】 (実施例7) (IL−1βに誘導される細胞毒性の低下) 本実験において、式Iの特定のチオフェンニトロンの、サイトカイン誘導性ラ
ット皮質性ニューロン細胞損傷を低減させる能力が示され得る。Sprague
−Dawley胚を母ラットから迅速に取り出し、そしてさらなる解剖のために
、冷却したカルシウムおよびマグネシウムを含まないハンクスの平衡塩類溶液(
HBSS)に置く。ニューロンおよびグリアの両方を含有する皮質細胞培養物を
、胎児ラット皮質細胞を皮質グリアのコンフルエントベッド上にプレーティング
することによって調製する。混合グリア培養物を、生後1日齢のラットの皮質か
ら調製する。このような培養物を調製するために、皮質を無菌的に取り出し、そ
して血管および膜を注意深く取り除き、そして冷却したカルシウムおよびマグネ
シウムを含有しないHBSS緩衝液中で解離する。解離した細胞を24ウェルプ
レートにプレーティングし(1プレート当たり約1.5ヘミスフィア)、そして
37℃、およびDMEM/F12、10%熱非働化FBSおよび100単位/m
Lペニシリン/100μg/mLストレプトマイシンからなる培地中で、5%C
2で、2.5週間、増殖させる。
【0167】 ニューロン成分を確立するために、16日妊娠胚のラット大脳皮質を解剖して
取り出し、そして0.1%トリプシンを含有するHBSS中、37℃で30分間
インキュベートする。次いで、組織をDMEM/F12、10%熱非働化FBS
および100単位/mLペニシリン/100μg/mLストレプトマイシンから
なるプレーティング培地に懸濁させる。すりつぶした後、細胞をグリア培養物上
に5.0×105/mL/ウェルの密度で播種する。培養物を、5%CO2を含有
する加湿雰囲気下、37℃でインキュベートする。非ニューロン細胞を、3日間
の10μMシトシンアラビノシドの添加によって、5日間インビトロ(DIV)
で抑制する。実験を、FBSなしの同じ培地中、8DIVニューロンおよび25
DIVグリア培養物で行う。
【0168】 各ウェルに、200単位/mLの組換えマウスIL−1βを含有する培地(1
mL)(Genzyme)を添加する。1%メチルセルロール中の試験化合物(
10μL)(最終濃度100μM)を、各ウェルにすぐに添加する。コントロー
ルウェルは、IL−1βおよび1%メチルセルロースを含有した。培養物を、5
%CO2を含有する加湿雰囲気下、37℃で、48時間、インキュベートする。 ニューロンの損傷を、すべての実験において、位相差顕微鏡を用いた培養物の実
験によって推定し、そして細胞培地中へのサイトゾルの乳酸デヒドロゲナーゼ(
LDH)放出の測定によって定量する。コントロールと比較して少なくとも30
%までのLDH放出の減少を、これらの試験において有意であるとみなす。 (インビトロ試験結果): 実施例1および2において調製した化合物を、上記のインビトロ試験の少なく
とも1つにおいて試験した。実施例1および2の化合物のそれぞれは、Aβ(1
−42)ベータ−プリーツシート形成またはβ−アミロイドが誘発するインター
ロイキン−1βの放出の増加を、コントロールと比較して少なくとも30%まで
阻害した。
【0169】 先の記述から、本発明の組成物および方法の種々の改変および変更が当業者に
想到される。添付の特許請求の範囲中のすべてのそのような改変は、本明細書中
に含まれることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/16 A61P 25/16 25/28 25/28 29/00 29/00 101 101 37/02 37/02 43/00 43/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 メープルズ, カーク アール. アメリカ合衆国 カリフォルニア 95131, サン ノゼ, ストラトン プレイス 2170 (72)発明者 ザン, ヨン−カン アメリカ合衆国 カリフォルニア 95051, サンタ クララ, ウォーバートン ア ベニュー 3430, アパートメント 16 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 BB02 MA01 MA04 MA52 MA66 NA14 ZA02 ZA15 ZA59 ZA66 ZB02 ZB07 ZB11 ZB15 ZB35

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Iの化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物、
    ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩であって: 【化1】 ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アル ケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、置換アルコキシ、シ
    クロアルキルおよびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル キニル、アラルキル、アリール、シクロアルキルおよびシクロアルキルアルキル
    からなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; 各Wは、独立して、−SR4、−S(O)R5、−SO26、−SO3Yおよび −SO2NR78からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; R6は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; R7およびR8は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置
    換アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロア
    ルキルアルキルおよびシクロアルケニルからなる群から選択される;またはR7 およびR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、2個〜8個の炭素原子およ び必要に応じて酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1個〜3個のさ
    らなるヘテロ原子を含む複素環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは0〜2の整数であるが、ただし、m+
    n=3である、 化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に
    受容可能な塩。
  2. 【請求項2】 mが1である、請求項1に記載される化合物。
  3. 【請求項3】 R1が水素である、請求項2に記載される化合物。
  4. 【請求項4】 R2が水素である、請求項3に記載される化合物。
  5. 【請求項5】 R3が、アルキル、置換アルキルおよびシクロアルキルから なる群から選択される、請求項4に記載される化合物。
  6. 【請求項6】 R3がイソプロピル、tert−ブチルまたはシクロヘキシ ルである、請求項5に記載される化合物。
  7. 【請求項7】 R4がアルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよ びシクロアルキルからなる群から選択される、請求項5に記載される化合物。
  8. 【請求項8】 R4が、以下の式: 【化2】 を有する置換フェニル基である、請求項7に記載される化合物であって、ここで
    、 各R9は、独立して、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、アラルキル 、アリール、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ
    、シクロアルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカ
    ルボニル、カルボキシル、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、スルホネート、
    チオアルコキシ、および−NR1011(ここでR10およびR11は、それぞれ独立
    して、水素、アルキル、置換アルキルまたはアリールから選択される)からなる
    群から選択される;あるいは2個の隣接するR9基は、共に連結されてアルキレ ンまたはアルキレンジオキシ基を形成し得;そして pは1〜5の整数である、化合物。
  9. 【請求項9】 pが1または2である、請求項8に記載される化合物。
  10. 【請求項10】 R5がアルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールお よびシクロアルキルからなる群から選択される、請求項5に記載される化合物。
  11. 【請求項11】 R6がアルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールお よびシクロアルキルからなる群から選択される、請求項5に記載される化合物。
  12. 【請求項12】 R7およびR8が、独立して、水素、アルキルおよびシクロ
    アルキルからなる群から選択される;またはR7およびR8が、共に、それらが結
    合する窒素原子に連結して、4〜6個の炭素原子を有する複素環式環を形成する
    、請求項5に記載される化合物。
  13. 【請求項13】 式IIの化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合
    物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩であって: 【化3】 ここで、 R10は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよびシクロアルキ
    ルからなる群から選択され; R11は、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される、 化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に
    受容可能な塩。
  14. 【請求項14】 式IIIの化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化
    合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩であって: 【化4】 ここで、 R12は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよびシクロアルキ
    ルからなる群から選択され; R13は、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される、 化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に
    受容可能な塩。
  15. 【請求項15】 式IVの化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合
    物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩であって: 【化5】 ここで、 R14は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよびシクロアルキ
    ルからなる群から選択され; R15は、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される、 化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に
    受容可能な塩。
  16. 【請求項16】 式Vの化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物
    、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩であって: 【化6】 ここで、 R16は、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールおよびシクロアルキ
    ルからなる群から選択され; Y’は、水素および薬学的に受容可能なカチオンである、 化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に
    受容可能な塩。
  17. 【請求項17】 式VIの化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合
    物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩であって: 【化7】 ここで、 R17およびR18は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アラルキル、
    アリールおよびシクロアルキルからなる群から選択される;またはR17およびR 18 は、それらが結合する窒素原子と一緒に、4個〜6個の炭素原子および必要に
    応じて、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1個〜3個のさらなる
    ヘテロ原子を含む複素環式環を形成し得; R19は、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される、 化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に
    受容可能な塩。
  18. 【請求項18】 以下: α−[2−(4−メトキシフェニルチオ)−5−チエニル]−N−tert−ブ
    チルニトロン、および α−[2−(4−メトキシフェニルチオ)−5−チエニル]−N−シクロヘキシ
    ルニトロン、 からなる群から選択される化合物。
  19. 【請求項19】 薬学的に受容可能なキャリアと、薬学的に有効な量の式I
    の化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的
    に受容可能な塩とを含む、薬学的組成物であって: 【化8】 ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アル ケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、置換アルコキシ、シ
    クロアルキルおよびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル キニル、アラルキル、アリール、シクロアルキルおよびシクロアルキルアルキル
    からなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; 各Wは、独立して、−SR4、−S(O)R5、−SO26、−SO3Yおよび −SO2NR78からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; R6は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; R7およびR8は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置
    換アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロア
    ルキルアルキルおよびシクロアルケニルからなる群から選択される;またはR7 およびR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、2個〜8個の炭素原子およ び必要に応じて酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1個〜3個のさ
    らなるヘテロ原子を含む複素環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは0〜2の整数であるが、ただし、m+
    n=3である、 薬学的組成物。
  20. 【請求項20】 mが1である、請求項19に記載される薬学的組成物。
  21. 【請求項21】 R1が水素である、請求項20に記載される薬学的組成物 。
  22. 【請求項22】 R2が水素である、請求項21に記載される薬学的組成物 。
  23. 【請求項23】 R3が、アルキル、置換アルキルおよびシクロアルキルか らなる群から選択される、請求項22に記載される薬学的組成物。
  24. 【請求項24】 R3がイソプロピル、tert−ブチルまたはシクロヘキ シルである、請求項23に記載される薬学的組成物。
  25. 【請求項25】 R4がアルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールお よびシクロアルキルからなる群から選択される、請求項23に記載される薬学的
    組成物。
  26. 【請求項26】 R4が、以下の式: 【化9】 を有する置換フェニル基である、請求項25に記載される薬学的組成物であって
    、ここで、 各R9は、独立して、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、アラルキル 、アリール、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ
    、シクロアルコキシ、アシル、アシルアミノ、アミノカルボニル、アルコキシカ
    ルボニル、カルボキシル、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、スルホネート、
    チオアルコキシ、および−NR1011(ここでR10およびR11は、それぞれ独立
    して、水素、アルキル、置換アルキルまたはアリールから選択される)からなる
    群から選択される;あるいは2個の隣接するR9基は、共に連結されてアルキレ ンまたはアルキレンジオキシ基を形成し得;そして pは1〜5の整数である、薬学的組成物。
  27. 【請求項27】 pが1または2である、請求項26に記載される薬学的組
    成物。
  28. 【請求項28】 R5が、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリール およびシクロアルキルからなる群から選択される、請求項23に記載される薬学
    的組成物。
  29. 【請求項29】 R6がアルキル、置換アルキル、アラルキル、アリールお よびシクロアルキルからなる群から選択される、請求項23に記載される薬学的
    組成物。
  30. 【請求項30】 R7およびR8が、独立して、水素、アルキルおよびシクロ
    アルキルからなる群から選択される;またはR7およびR8が、共に、それらが結
    合する窒素原子に連結して、4〜6個の炭素原子を有する複素環式環を形成する
    、請求項23に記載される薬学的組成物。
  31. 【請求項31】 前記キャリアが経口用キャリアである、請求項19に記載
    される薬学的組成物。
  32. 【請求項32】 前記キャリアが注射用キャリアである、請求項19に記載
    される薬学的組成物。
  33. 【請求項33】 神経変性疾患を有する患者を処置する方法、または神経変
    性疾患を発症するリスクを有する患者における神経変性疾患の兆候を予防する方
    法であって、該方法は、薬学的に受容可能なキャリアおよび神経変性疾患を処置
    または予防するに有効な量の請求項1の化合物を含む薬学的組成物を、該患者に
    投与する工程を包含する、方法。
  34. 【請求項34】 前記神経変性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病
    またはHIV痴呆である、請求項33に記載される方法。
  35. 【請求項35】 自己免疫疾患を有する患者を処置する方法、または自己免
    疫疾患を発症するリスクを有する患者における自己免疫疾患の兆候を予防する方
    法であって、該方法は、薬学的に受容可能なキャリアおよび自己免疫疾患を処置
    または予防するに有効な量の請求項1の化合物を含む薬学的組成物を、該患者に
    投与する工程を包含する、方法。
  36. 【請求項36】 前記自己免疫疾患が、全身性狼瘡または多発性硬化症であ
    る、請求項35に記載される方法。
  37. 【請求項37】 炎症性疾患を有する患者を処置する方法、または炎症性疾
    患を発症するリスクを有する患者における炎症性疾患の兆候を予防する方法であ
    って、該方法は、薬学的に受容可能なキャリアおよび炎症性疾患を処置または予
    防するに有効な量の請求項1の化合物を含む薬学的組成物を、該患者に投与する
    工程を包含する、方法。
  38. 【請求項38】 前記炎症性疾患が、慢性関節リウマチ、敗血症性ショック
    、らい性結節性紅斑、敗血症、ブドウ膜炎、成人型呼吸窮迫症候群または炎症性
    腸疾患である、請求項37に記載される方法。
  39. 【請求項39】 R10が、アルキル、置換アルキル、アラルキル、アリール
    およびシクロアルキルからなる群から選択され; R11が、アルキルおよびシクロアルキルからなる群から選択される、 以下の式IIの化合物: 【化10】 を調製するプロセスであって、該プロセスは、以下の工程: (a)塩基の存在下で、式:R10−SHのチオール誘導体を、2−ブロモ−5
    −フルアルデヒドと接触させて以下の式のチオエーテルカルボニル化合物: 【化11】 を提供する工程、 (b)該チオエーテルカルボニル化合物を、式:HO−NH−R11 のヒドロキシルアミン誘導体と接触させて、R10およびR11が上記のように定義
    される式IIの化合物を提供する工程、 を包含する、プロセス。
  40. 【請求項40】 医薬としての使用のための式Iの化合物ならびにその光学
    異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩であって: 【化12】 ここで、 各R1は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アル ケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、アルコキシ、置換アルコキシ、シ
    クロアルキルおよびハロからなる群から選択され; R2は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アル キニル、アラルキル、アリール、シクロアルキルおよびシクロアルキルアルキル
    からなる群から選択され; R3は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; 各Wは、独立して、−SR4、−S(O)R5、−SO26、−SO3Yおよび −SO2NR78からなる群から選択され; ここで、Yは、水素または薬学的に受容可能なカチオンであり; R4は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; R5は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; R6は、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル 、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキルおよびシク
    ロアルケニルからなる群から選択され; R7およびR8は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置
    換アルケニル、アルキニル、アラルキル、アリール、シクロアルキル、シクロア
    ルキルアルキルおよびシクロアルケニルからなる群から選択される;またはR7 およびR8は、それらが結合する窒素原子と一緒に、2個〜8個の炭素原子およ び必要に応じて酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1個〜3個のさ
    らなるヘテロ原子を含む複素環式環を形成し得; mは、1〜3の整数であり;そしてnは0〜2の整数であるが、ただし、m+
    n=3である、 化合物ならびにその光学異性体およびラセミ化合物、ならびにそれらの薬学的に
    受容可能な塩。
  41. 【請求項41】 神経変性状態の処置または予防のための医薬の製造におけ
    る、請求項1に記載される化合物の、使用。
  42. 【請求項42】 自己免疫状態の処置または予防のための医薬の製造におけ
    る、請求項1に記載される化合物の、使用。
  43. 【請求項43】 炎症状態の処置または予防のための医薬の製造における、
    請求項1に記載される化合物の、使用。
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