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JP2002318088A - 熱交換器及び空気調和機 - Google Patents

熱交換器及び空気調和機

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Publication number
JP2002318088A
JP2002318088A JP2001122503A JP2001122503A JP2002318088A JP 2002318088 A JP2002318088 A JP 2002318088A JP 2001122503 A JP2001122503 A JP 2001122503A JP 2001122503 A JP2001122503 A JP 2001122503A JP 2002318088 A JP2002318088 A JP 2002318088A
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JP
Japan
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heat exchanger
fin
heat transfer
drainage
air
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Application number
JP2001122503A
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Atsushi Kubota
淳 久保田
Naoki Shikazono
直毅 鹿園
Yasuyuki Kanai
保之 金井
Tatsuya Sugiyama
達也 杉山
Kensaku Kokuni
研作 小国
Akihiro Ichikawa
明洋 市川
Hiroshi Takenaka
寛 竹中
Kazutoshi Nishikawa
和利 西川
Hideki Okuzono
秀樹 奥園
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の熱交換器は、熱伝達率を向上つつ、
フィンに付着する凝縮水の排水を促進するものである。
さらにフィン前縁側の着霜量を抑制するとともに、除霜
運転時の融解水の排水を促進し、除霜運転時間を短縮す
るものである。 【解決手段】 本発明の熱交換器1は、空気8が流通す
るように所定の間隔で積層された多数個のフィン5と、
空気流れに対向して所定の高さで開口するように切り起
こされた複数個のスリット6と、フィン5の面を貫通す
るように少なくとも1つ以上の列をなしながら配列され
た多数個の伝熱管2と、フィン5から立ちあげられ伝熱
管2を挿嵌するフィンカラー3と、フィンカラー3の周
辺にある環状の窪んだ平坦部4と、フィン5の長手方向
に沿って平坦部4間を連通する平板状あるいは溝状の排
水部7を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍装置または空
気調和機のフィン・チューブ熱交換器に係り、特にフィ
ン面に付着する凝縮水と除霜により生じる融解水の排水
を促進するのに好適な熱交換器及び空気調和機に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のフィン・チューブ型の熱交換器
は、例えば実開昭60−176378に記載のようにス
リットもしくはルーバを設けて空気側の伝熱性能を増大
している。従来の一般的な熱交換器を、図21ないし図
23に示して従来技術を説明する。熱交換器は、図21
に示すように所定の間隔Pf(図22参照)で積層され
た平板状のフィン5と、フィン5の面を連通するように
列をなして配列された複数の伝熱管2で構成される。空
気流れ8は、フィン5相互の隙間を流れ、作動流体は、
伝熱管2の内側を流れる。伝熱管2は、空気流れ8と重
力方向に直交し、フィン5の長手方向に沿って配列され
る。フィン5は、伝熱管2と接するフィンカラー3を備
えている。フィンカラー周辺には、略円環状の平坦部4
がある。
【0003】図21に示したA−A断面図を図22に、
B−B断面図を図23に示す。フィン5の表面には、空
気流れ8に対向して所定の高さの開口部を持つよう切り
起こされたスリット6が設けられている。スリット6
は、スリット61,62,63,64,65の計5個設
けられ、互いに隣接するスリット6と逆方向に切り起こ
されている。スリット6の切り起こし高さは、すべて同
じでH1である。
【0004】従来の熱交換器1を、蒸発器として使用す
る場合、空気中からの水分がフィン5面上に凝縮する。
この凝縮水9は、図21、図23に示すように表面張力
を受けフィンカラー3の下部やスリット62,63,6
4で捕水される。
【0005】さらに空気流れ8の温度と作動流体の温度
が低い場合、フィン5の表面で着霜する。図22に示す
ように特に空気流れ8の絶対湿度が高く、熱伝達率が高
いフィン前縁と、フィン前縁側のスリット61,62で
は霜11の量が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱交換器1を蒸発器として使用する場合、フィンカラー
3の下部で捕水された凝縮水9は、表面張力の作用によ
りスリット6に引き込まれ重力に逆らって保持され、ス
リット6の開口部の風路を閉塞する。したがって熱交換
器1の通風抵抗が増大するという問題点があった。
【0007】空気流れ8の温度と作動流体の温度が低い
場合、フィン前縁とフィン前縁側のスリット61,62
での着霜による目詰まりのために、熱交換器1の通風抵
抗が増大するという問題点もあった。
【0008】フィン面に付着した霜11を融解する除霜
運転時において、上記の理由からフィン前縁側の融解水
の量が多い。この融解水は、スリット6で捕水されるた
めに排出されにくく、除霜運転時間が長くなるという問
題点があった。
【0009】従来の熱交換器1を用いた空気調和機で
は、上記の理由から通風抵抗が増加するため運転条件が
制限されるという問題点があった。また、除霜運転時間
が長くなるため、省エネ化が図れず快適性も損なわれる
という問題点があった。
【0010】本発明の目的は、上記のような従来技術の
問題点を解決し、熱伝達率を向上しつつ、フィンカラー
の下部に保持される凝縮水の排水を促進し、通風抵抗を
低減する熱交換器を提供することにある。また、フィン
前縁側の着霜量を低減することにより、フィン全体が同
一着霜量になって通風抵抗を低減する熱交換器を提供す
ることにある。さらに、除霜運転時の融解水の排水を促
進し、除霜運転時間を短縮する熱交換器を提供すること
にある。
【0011】上記熱交換器を使用し、凝縮水や着霜があ
る運転条件でも使用でき、さらに除霜運転の短縮から省
エネ化と快適性の向上を図ることのできる空気調和機を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による熱交換器及び空気調和機は、特許請求
の範囲の各請求項に記載されたところを特徴とするもの
であるが、特に独立項としての請求項1に係る発明によ
る熱交換器は、空気が流通するように所定の間隔で積層
された複数のフィンと、空気流れに対向して所定の高さ
で開口するように前記フィンの面上に切り起こされた複
数のスリットと、前記複数のフィンの面を貫通して少な
くとも1つ以上の列をなしながら配列された円筒状の複
数の伝熱管と、前記フィンから立ちあげられ前記伝熱管
を挿嵌する円筒状のフィンカラーと、前記フィン上で該
フィンカラーの周囲を取りまく環状の窪んだ平坦部と、
を備えた熱交換器において、前記フィンの長手方向に沿
って隣接する前記平坦部間を連通する平板状あるいは溝
状の排水部を備えたことを特徴とするものである。
【0013】また、独立項としての請求項8に係る発明
による空気調和機は、圧縮機と、熱源側熱交換器と、膨
張弁と、利用側熱交換器と、を配管接続して冷凍サイク
ルを構成し、各熱交換器に空気を駆動する送風機と、該
送風機を駆動する電動機を備えた空気調和機において、
前記各熱交換器は、請求項1ないし請求項7のいずれか
に記載の熱交換器を使用し、前記電動機は、直流電動機
であることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図20を参照し
つつ本発明の実施例を説明する。
【0015】本発明の第1の実施例である熱交換器1の
正面図を図1に、図1に示したA−A断面図を図2に、
B−B断面図を図3に、C−C断面図を図4に、D−D
断面図を図5に示す。
【0016】熱交換器1は、所定の間隔Pfで積層され
た平板状のフィン5と、フィン5を連通するように列を
成して配置される伝熱管2を備えている。作動流体であ
る冷媒は、伝熱管2の内側を流れ、空気は図1の矢印8
に示すようにフィン5相互の隙間を流れる。伝熱管2の
軸方向は、空気流れと重力方向に直交し、伝熱管2は、
フィン5の長手方向に沿って配列される。フィン5は、
伝熱管2を挿嵌するフィンカラー3を備えている。熱交
換器1は、作動流体と空気流れ8の間で熱交換を行うも
のである。
【0017】伝熱管2は、銅やアルミの金属材を引き抜
き成形したもので、フィン5は、銅やアルミの金属部材
をプレス加工したものである。フィン5と伝熱管2は、
伝熱管2を機械拡管もしくは液圧拡管してフィンカラー
3で接合される。
【0018】フィン5は、図2に示すように空気流れ8
と対向して所定の高さH1もしくはH2で開口するよう
に切り起こされたスリット6を備えている。フィン5
は、図3、図4に示すようにフィンカラー3の周辺に段
押しして成形された平坦部4と、伝熱管2の配列方向に
沿って平坦部4間を連通する排水部7を備えている。排
水部7は、スリット6のない平坦な表面と凸型断面を有
し、所定の幅ΔLで形成される。排水部7の凸型断面の
頂点は、平坦部4と、凸型断面の底部はフィン5と同じ
高さである。したがって排水部7は、平坦部4の外周部
と接続している。排水部7の幅ΔLは、フィンカラー3
の外径dcに対して略1/2である。
【0019】スリット6は、図2に示すように風上側か
らスリット61,62,63,64,65,66,6
7,68の8個設置される。スリット6は、それぞれ隣
接するスリットと逆方向に切り起こされている。ただし
排水部7に隣接するスリット64,65は、同じ方向に
切り起こされている。スリット64,65は、排水部7
の凸型断面の頂点と同じ方向に切り起こされている。ス
リット64,65の切り起こし高さH2は、他のスリッ
ト6の切り起こし高さH1の略2倍の高さであり、最も
高い。スリット6の空気側から見た形状は、図5に示す
ように台形である。
【0020】熱交換器1を蒸発器として用いる場合、空
気流れ8から生じる凝縮水9が、フィン面に付着する。
凝縮水9は、図1に示すようにフィンカラー3の下部に
溜まりやすい。これは伝熱管2の近傍でフィン5の表面
温度が低いので、空気中の水分が凝縮しやすいためであ
る。本実施例では上記の構造であるため、凝縮水9は、
重力の作用を受けて平坦部4から排水部7を通り排水さ
れる。平坦部4は、段押しされているので凝縮水9を集
合しやすく、排水部7に滑らかに排水する。排水部7
は、平坦な表面の部材で構成されるので、ここで捕水さ
れる量は少ない。すなわち平坦部4と排水部7では、表
面張力よりも重力の作用をより強く受ける構造となって
いる。
【0021】排水部7の幅ΔLを、フィンカラー3の外
径dcの略1/2としたため、凝縮水9は、スリット6
4,65に引き込まれることなく速やかに排水される。
図1に示した凝縮水9の形状より、排水部7の幅ΔLを
フィンカラー3の外径dcの1/3以上とした場合に上
記の効果が高い。
【0022】排水部7の幅ΔLを適当な大きさとすれ
ば、凝縮水9の排水を促進する一方、排水部7が第9番
目のスリットとして働くから熱伝達率も向上する。すな
わち排水部7の前縁で、空気流れ8の温度境界層が薄く
なるため熱伝達率が向上する。しかしながら、排水部7
の幅ΔLが大きすぎると、風速の高い伝熱管2間でスリ
ット6がないため熱伝達率は低下する。逆にΔLが小さ
すぎても、図6のごとくフィン後縁の平坦な部分が増加
するため、伝熱管2の風下側の死水域10が増大して、
熱伝達率が低下する。ΔLが小さいと排水部7の表面積
も小さいため、先に述べた排水部7のスリットとしての
働きが減り、熱交換量が低下する。
【0023】熱伝達率と、ΔLをフィン5の代表的な寸
法であるフィンカラー3の外径dcで除したΔL/dc
との関係を図7に示す。図7より、1≧ΔL/dc≧1
/3において、熱伝達率が最大となることが分かる。本
実施例では、ΔL/dc=1/2であるため、熱伝達率
を向上しかつ、凝縮水9を速やかに排水することができ
る。
【0024】排水部7を凸型の断面形状としたため、凸
型断面の頂点に凝縮水9が引き込まれ、より排水効果を
高めることができる。排水部7の凸型断面の頂点と、排
水部7に隣接したスリット64,65の切り起し方向が
同じであるため、スリット64,65の切り起し方向と
逆の排水部7の凹面に凝縮水が引き込まれ、よりスリッ
ト6での捕水を抑制する。
【0025】スリット64,65の切り起し高さH2を
最も高くしているため、スリット64,65に凝縮水9
が回り込んだ場合でも表面張力の効果が小さく速やかに
排水される。これはスリットの切り起こし高さが高いほ
ど、表面張力の効果が減少し、重力の効果が増大するた
めである。特に排水部7に凝縮水9を集める構造上、ス
リット64,65の切り起こし高さを高くすると効果が
ある。
【0026】さらに排水部7により、フィン5の長手方
向の曲げ強度も増加する。したがって熱交換器の製造過
程において、フィン5の取り扱いが容易となる。
【0027】本実施例によれば、熱伝達率を向上しつ
つ、フィン表面に付着した凝縮水9を速やかに排水し、
通風抵抗を下げることができる。さらにフィン5の曲げ
強度を増大し、加工性を向上する利点がある。
【0028】本実施例では排水部7を凸型断面とした
が、図8に示すように平板としても凹部がなくなるので
スリット64,65に捕水されやすく、かつ、曲げ強度
が減少するものの上記の効果を得ることができる。図9
に示すように排水部7の凸型断面の頂点とスリット6
4,65の切り起し方向を逆向きとしても、凹部とスリ
ット64,65が接続し捕水されやすいものの上記の効
果を得ることができる。また、スリット6をフィン5の
片面のみにきり起こしても、同様の効果を得ることがで
きる。スリット6の個数は、8個でなくてもかまわな
い。本実施例ではスリット61,62,63,66,6
7,68の切り起こし高さを同じ値H1としたが、それ
ぞれ異なる値でもかまわない。
【0029】本発明の第2の実施例である熱交換器1
を、図10と図11を参照しつつ説明する。図10は熱
交換器1の正面図、図11は図10に示したA−A断面
図である。第2の実施例の熱交換器1は、第1の実施例
の構成要素に加えて伝熱管2の配置を風下側に偏心させ
たものである。すなわちフィン5の前縁から伝熱管2の
軸中心までの距離W1と、フィン5の後縁から伝熱管2
の軸中心までの距離W2の関係が、W1>W2としたも
のである。さらに最も風上に位置するスリット61のス
リット高さを、排水部7に隣接するスリット64,65
のものと同じくH2としたものである。
【0030】熱交換器1を蒸発器として用い、伝熱管2
の内部を流れる作動流体の温度が低い場合、空気流れ8
の水分は、フィン5の表面に霜11として付着する。本
実施例ではW1>W2としたため、フィン前縁側の交換
熱量は低下する。したがってフィン5の前縁の温度が上
昇し、フィン前縁側の着霜量が減少する。従来の熱交換
器では、図22に示したようにフィン前縁とフィン前縁
側のスリット6に霜11が集中するため、風路が閉塞し
やすく通風抵抗が増加していた。本実施例ではフィン前
縁の着霜を緩和するから、同一着霜量でも風路を閉塞し
にくく、通風抵抗の増加を抑制する。さらにスリット6
1の切り起し高さH2を高くしたので、風路が閉塞しに
くい構造となっている。
【0031】本実施例の熱交換器1は、フィン前縁側の
霜11を低減するため、スリット64,65の着霜量が
相対的に増加する。スリット64,65の切り起こし高
さH2を高くしているため、よりここでの着霜量が増大
する。排水部7の幅ΔLを大きくしたので、ここでの着
霜量も多い。付着した霜を融解する除霜運転では、伝熱
管2の内部を流れる作動流体の温度を高めて霜11を融
解し、融解水を排水する。先に述べたようにスリット6
4,65と排水部7では着霜量が多いため、融解水の量
も多い。同一着霜量であっても、排水部7の溝に近い部
分で融解水が多く生じるため、速やかに排水する。
【0032】したがって、本実施例では、フィン前縁側
での集中的な着霜を緩和するから通風抵抗を低減する。
さらに排水部7の近傍で着霜量が多いから、除霜運転時
に融解水を速やかに排水し、除霜運転時間を短縮する効
果がある。
【0033】次に本発明の第3の実施例である熱交換器
1を、図12を参照しつつ説明する。第3の実施例の熱
交換器1は、第2の実施例の構成要素に加えて排水部7
の配置を風上側に偏心させたものである。すなわち排水
部7の前縁から伝熱管2の軸中心までの距離L1と、排
水部7の後縁から伝熱管2の軸中心までの距離L2の関
係をL1>L2としたものである。
【0034】第1、第2の実施例ではΔL/dcが大き
いため、図10に示したように伝熱管2の軸中心付近で
空気流れ8がはく離し、死水域10が生じる。第1、第
2の実施例では、空気のはく離点の付近にスリット6が
ないため、死水域10を抑制する力が弱い。
【0035】本実施例では排水部7の配置を風上側に偏
心したので、空気流れ8のはく離点の近傍にスリット6
5,66,67が配置される。したがって、図12に示
すようにスリット6が、案内板となって空気流れ8に対
して力Nが働き、空気流れの伝熱管2からのはく離点が
下流側に移動し死水域10の増大を抑制する。したがっ
て本実施例は、第1、第2の実施例の効果を備えつつ、
より通風抵抗を低減する。
【0036】本実施例では排水部7とスリット64,6
5がより風上側に配置されるので、排水部7の近傍での
着霜量をより増大する。したがって除霜時の融解水の排
水をより促進し、除霜運転時間を短縮する。
【0037】さらに排水部7が、フィン5の空気流れ方
向の中央近く配置される。したがってフィン5の長手方
向の曲げ強度や、ねじり強度に対しても強くなってい
る。
【0038】本実施例は、通風抵抗の低減と除霜運転時
間の短縮を実現し、加工時の取り扱いを容易にする利点
がある。
【0039】次に本発明の第4の実施例である熱交換器
1を、図13ないし図15を参照しつつ説明する。図1
3は熱交換器1の正面図、図14は図13に示したA−
A断面図である。第4の実施例の熱交換器1は、スリッ
ト6の形状と配置の他は第3の実施例と同じ構成であ
る。
【0040】本実施例では、第3の実施例と比べて風上
側のスリット6の数を減らし、スリット6の個数を5個
とした。排水部7に隣接し、その風上側に位置するスリ
ット61の空気流れ方向の幅S1をそのほかの幅S2よ
りも拡大した。
【0041】本実施例では風上側のスリットの個数を省
き、S1>S2としているため、フィン面全体の熱伝達
率を均一化する。本実施例と従来の熱交換器について、
空気流れ方向の距離と空気温度の関係を図15に示す。
従来の熱交換器では、フィン前縁側で空気温度が大きく
低下し、後縁側での温度変化は少ない。これはフィン前
縁とフィン前縁側のスリットでの熱伝達率が、高いため
である。本実施例ではW1>W2かつS1>S2である
ため、フィン前縁側の熱伝達率が抑制され、空気の温度
変化が緩やかになっている。これはスリットの幅が広い
ほど、熱伝達率が低下するためである。
【0042】熱交換器1を蒸発器で用いる場合、霜11
の着霜密度は熱伝達率にほぼ比例するから、本実施例の
熱交換器はより均一な着霜密度分布となる。したがって
同一着霜量であっても、フィン前縁側の風路の閉塞を抑
えるため、通風抵抗を低減する。
【0043】スリット61の幅が広いので、着霜密度は
低くてもここでの着霜量は増加する。風上側のスリット
数が少ないので、排水部7の着霜量も相対的に増加す
る。したがって、排水部7の近傍で着霜量が多いので、
除霜時の排水性に優れている。
【0044】さらに、着霜や融解を繰り返すスリット6
1の幅が広いため、切り起こし点で発生しやすい腐食に
強いという利点がある。スリット6の個数が少ないた
め、加工性が良くなるという利点がある。
【0045】本実施例によれば、第1ないし第3の実施
例の利点を生かしつつ、より着霜時の通風抵抗を低減す
ることができる。さらにより排水性を促進し、耐久性や
加工性に優れているという利点がある。
【0046】本実施例ではスリット6の個数を5個とし
たが、5個でなくても本実施例の一部の効果を得ること
ができる。
【0047】次に本発明の第5の実施例である熱交換器
1を、図16と図17を参照しつつ説明する。図16は
熱交換器1の正面図、図17は図16に示したA−A断
面図である。第5の実施例の熱交換器1は、排水部7に
隣接するスリット64,65の形状の他は第1の実施例
と同じ構成である。
【0048】スリット64,65は、スリット64,6
5の重力方向に垂直の中心線12を備えている。この中
心線12が、隣接する伝熱管2間の重力方向に垂直の中
心線13に対して所定の間隔hだけ重力方向に偏心して
形成される。すなわちスリット64,65の伝熱管2の
配列方向の長さは、他のスリット61,62,63,6
6,67,68よりも短く、隣接するスリット6に対し
て不連続な形状となっている。このためフィンカラー3
の下部とスリット64,65の間に、スリット6の切り
起しがない排水室14が形成される。
【0049】排水室14は、スリット6を設けていない
平坦な面で構成されるから、表面張力の影響が少ない。
したがって凝縮水9が多い場合でも、スリット64,6
5に引き込まれることなく排水部7に排水する。スリッ
ト6の個数は実施例1ないし3と同数であるので、熱伝
達率の低下を極力抑える。
【0050】したがって第5の実施例の熱交換器1は、
凝縮水9の排水をより促進し、通風抵抗を低減するもの
である。
【0051】次に、本発明の熱交換器1を用いた空気調
和機を、図18ないし図20を参照しつつ説明する。図
18は、本発明の空気調和機の構成図である。空気調和
機は、作動流体を流す配管21と、作動流体を駆動する
圧縮機15と、熱源側熱交換器すなわち室外機17の内
部に配置される熱交換器1と、作動流体を膨張する膨張
弁18と、利用側熱交換器すなわち室内機19の内部に
配置される熱交換器1を備えている。空気流れ8は、送
風機20で駆動され熱交換器1を通過する。送風機20
は、直流電動機22で駆動される。ここで熱交換器1
は、本発明の第1ないし第5の実施例のいずれかの熱交
換器1である。作動流体は冷媒で、図18の実線または
破線の方向に流れる。冷媒の流れ方向は、四方弁16で
変えられる。以下に破線で示した空気調和機を暖房運転
する場合の、室外機17の特徴について説明する。
【0052】図19は、室外機17の水平断面図であ
る。室外機17は、筐体23の内部に熱交換器1、送風
機20、直流電動機22、圧縮機15を備えている。空
気流れ8と圧縮機15は、仕切り板24で分け隔てられ
ている。上記の構成より送風機20の主な負荷は、熱交
換器1の通風抵抗により生じる。
【0053】空気調和機を暖房機として用いた場合、室
外機17の熱交換器1は、蒸発器として使用される。空
気流れ8の温度と作動流体の温度が低い場合、熱交換器
1で着霜するから空気調和機の運転時間と共に通風抵抗
が上昇する。図20に、空気調和機の運転時間と暖房能
力の変化を示す。図20の破線は、従来の空気調和機、
実線は、本実施例の空気調和機である。従来の空気調和
機は、図18に示した本実施例と比較し、熱交換器1が
従来のものであること、電動機が交流電動機であること
が異なる。
【0054】従来の空気調和機では、着霜による熱交換
器の通風抵抗が大きい。交流電動機は、通風抵抗の増加
による風量の低下が大きい。したがって、空気調和機の
風量が低下し、暖房能力の低下が著しくなる。本実施例
によれば本発明の熱交換器1を使用するため、通風抵抗
が低減され風量の低下が抑制される。さらに直流電動機
22を使用しているため、通風抵抗の増加に対して風量
の低下が小さい。したがって、本発明の空気調和機は、
従来の空気調和機と比べて暖房運転時間T2が長くな
り、暖房能力を増大する効果がある。すなわち、従来の
空気調和機の暖房運転時間T1に対して、T2>T1と
なる。
【0055】本発明の空気調和機は、本発明の熱交換器
1を用いることにより、除霜運転時の排水を促進し、除
霜運転時間t2を短縮する。すなわち、従来の空気調和
機の除霜運転時間t1に対して、t1>t2となる。
【0056】本発明の空気調和機は、従来の空気調和機
と比較して、暖房運転時間が長くなり暖房能力が増大す
る効果がある。さらに、除霜運転時間を短縮する効果が
ある。本発明の空気調和機は、以上の効果により暖房能
力を増加、入力電力を低減して省エネルギ化及び快適性
の向上に貢献するものである。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、以上説明したよう構成
されるので、熱伝達率を向上しつつ凝縮水の排水を促進
し、通風抵抗を低減する。さらに本発明によれば、フィ
ン前縁側の着霜を抑制するため着霜時の通風抵抗を低減
する。さらに本発明によれば、除霜時の融解水の排水を
促進するため、除霜運転時間を短縮する。さらに本発明
の空気調和機は、着霜時の暖房能力の低下を抑えつつ、
除霜運転時間を短縮するため、暖房能力の増加と省エネ
化及び快適性の向上を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1の実施例に係る熱交換器の正面図で
ある。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図1のD−D断面図である。
【図6】本発明第1の応用例に係る熱交換器の正面図で
ある。
【図7】本発明第1の実施例に係る熱交換器のΔL/d
cと熱伝達率の変化を示す図である。
【図8】本発明第1の応用例に係る熱交換器の側断面図
である。
【図9】本発明第1の応用例に係る熱交換器の側断面図
である。
【図10】本発明第2の実施例に係る熱交換器の正面図
である。
【図11】図10のA−A断面図である。
【図12】本発明第3の実施例に係る熱交換器の正面図
である。
【図13】本発明第4の実施例に係る熱交換器の正面図
である。
【図14】図13のA−A断面図である。
【図15】本発明第4の実施例に係る熱交換器の空気流
れ方向の距離と空気温度の変化を示す図である。
【図16】本発明第5の実施例に係る熱交換器の正面図
である。
【図17】図16のA−A断面図である。
【図18】本発明の実施例に係わる空気調和機の構成図
である。
【図19】本発明の実施例に係わる室外機の水平断面図
である。
【図20】本発明の実施例に係わる空気調和機の運転時
間と暖房能力の変化を示す図である。
【図21】従来の熱交換器の平面図である。
【図22】図21のA−A断面図である。
【図23】図21のB−B断面図である。
【符号の説明】
1…熱交換器 2…伝熱管 3…フィンカラー 4…平坦部 5…フィン 6…スリット 7…排水部 8…空気 9…凝縮水 10…死水域 11…霜 12…スリット64,65の重力方向に垂直な中心線 13…隣接する伝熱管間の重力方向に垂直な中心線 14…排水室 15…圧縮機 16…四方弁 17…室外機 18…膨張弁 19…室内機 20…送風機 21…配管 22…直流電動機 23…筐体 24…仕切り板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 保之 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 杉山 達也 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 小国 研作 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 市川 明洋 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 竹中 寛 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 西川 和利 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 奥園 秀樹 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気が流通するように所定の間隔で積層
    された複数のフィンと、空気流れに対向して所定の高さ
    で開口するように前記フィンの面上に切り起こされた複
    数のスリットと、前記複数のフィンの面を貫通して少な
    くとも1つ以上の列をなしながら配列された円筒状の複
    数の伝熱管と、前記フィンから立ちあげられ前記伝熱管
    を挿嵌する円筒状のフィンカラーと、前記フィン上で該
    フィンカラーの周囲を取りまく環状の窪んだ平坦部と、
    を備えた熱交換器において、 前記フィンの長手方向に沿って隣接する前記平坦部間を
    連通する平板状あるいは溝状の排水部を備えたことを特
    徴とする熱交換機。
  2. 【請求項2】 前記排水部は、空気の流れに対し幅が一
    定であって、前記排水部の空気流れ方向の幅ΔLが、前
    記フィンカラーの外径dcに対して1≧ΔL/dc≧1
    /3であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換
    器。
  3. 【請求項3】 前記スリットの切り起し高さが複数であ
    り、前記排水部に隣接する前記スリットは、前記フィン
    表面からの切り起し高さを最も高くすることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載する熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記フィンは、空気の流れに対し前縁と
    後縁との幅が一定であって、前記フィンの前記前縁から
    前記伝熱管の軸中心までの距離W1が、前記フィンの前
    記後縁から前記伝熱管の軸中心までの距離W2に対して
    W1>W2であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載の熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記排水部は、空気の流れに対し前縁と
    後縁との幅が一定であって、前記排水部の前記前縁から
    前記伝熱管の軸中心までの距離L1が、前記排水部の前
    記後縁から前記伝熱管の軸中心までの距離L2に対して
    L1>L2であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項4のいずれかに記載の熱交換器。
  6. 【請求項6】 前記排水部に隣接し、その風上側に位置
    する前記スリットの空気流れ方向の幅が、その他の風下
    側に位置する前記スリットの幅よりも大きいことを特徴
    とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の熱交
    換器。
  7. 【請求項7】 前記排水部に隣接する前記スリットの長
    手方向の長さを短かくし、その重力方向に垂直の中心線
    が、隣接する前記伝熱管間の重力方向に垂直の中心線に
    対して隣接する前記伝熱管の重力方向側の前記伝熱管側
    に偏心し、重力方向と反対側に排水部と共に排水室が形
    成されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のい
    ずれかに記載の熱交換器。
  8. 【請求項8】 圧縮機と、熱源側熱交換器と、膨張弁
    と、利用側熱交換器と、を配管接続して冷凍サイクルを
    構成し、各熱交換器に空気を駆動する送風機と、該送風
    機を駆動する電動機を備えた空気調和機において、 前記各熱交換器は、請求項1ないし請求項7のいずれか
    に記載の熱交換器を使用し、前記電動機は、直流電動機
    であることを特徴とする空気調和機。
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