JP2002367458A - フラットケーブル被覆材およびそれを用いたフラットケーブル - Google Patents
フラットケーブル被覆材およびそれを用いたフラットケーブルInfo
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Abstract
用いず、環境にやさしいフラットケーブル被覆材、およ
びフラットケーブルを提供する。 【解決手段】基体フィルムの一方の面に、プライマー
層、ヒートシール性の合成樹脂からなる熱接着層を順次
積層したフラットケーブル被覆材において、基体フィル
ムがリン系難燃剤を含有し、熱接着層が水和金属化合
物、および/または窒素系難燃剤を含有するフラットケ
ーブル被覆材、および該フラットケーブル被覆材を用い
たフラットケーブルを特徴とする。
Description
被覆材に関し、さらに詳しくは、導線との密着性に優
れ、かつ、難燃性および環境適性を具備した電気機器、
電子機器、その他等に使用されるフラットケ−ブルのフ
ラットケーブル被覆材、およびそれを用いたフラットケ
ーブルに関するものである。
では、コンピューターと電子部品などの電気的な接続や
種々の配線のためのフラットケーブルが使用されてい
る。フラットケーブルは、該電子機器の狭い筐体内を引
き回され、電子部品の移動に伴って摺動されたり、か
つ、電子部品の発熱に伴う高温の環境下で使用される。
このために、フラットケーブルを被覆しているフラット
ケーブル被覆材は、摺動に対する柔軟性、高温に対する
耐熱性、および難燃性が要求される。さらに、使用後の
廃棄処理において、環境破壊の元凶にもなり兼ねない。
ステル共重合体からなる接着層によるノンハロゲンの難
燃性フラットケーブルが特開平8−60108号公報
で、熱可塑性ポリエステル樹脂とリン系難燃剤を含有す
る粘着層によるノンハロゲンの難燃性フラットケーブル
が特開平9−221642号公報および特開平9−27
9101号公報で、ポリエステル系樹脂とポリ燐酸系難
燃剤と非ポリ燐酸系窒素含有有機難燃剤からなるノンハ
ロゲン系の難燃性熱接着剤が、特開2001−8973
6号公報で、知られている。
の基体フィルムは、ポリエステル系フィルムまたはポリ
イミド系フィルムを用いており、ポリエステル系フィル
ムは単独では難燃性が不足し、ポリイミド系フィルムで
は価格が高価であるという問題がある。また、接着層
(粘着層と表現している公報もある)にアンチモン系の
難燃剤を用いてるフラットケーブル被覆材では、該フラ
ットケーブル被覆材を用いたフラットケーブルが電子機
器とともに使用後廃棄された後に、何らかの要因で難燃
剤が環境に漏洩したり、人体に取り込まれて健康を害す
る恐れがあるという欠点がある。
に、有害物質は使用規制される傾向にあり、フラットケ
ーブルに使用する材料についても、有害物質の使用を極
力避けるべきである。例えば、臭素系難燃剤であるデカ
ブロモジフェニルエーテル(DBDPO)は、燃焼条件
によっては、ダイオキシン関連物質が生成する恐れがあ
り、その使用規制が望まれている。また、アンチモン
は、発ガン性の恐れがあると言われている。
のような問題点を解消すべく、柔軟性を持つ基体フィル
ムと熱接着層に、非ハロゲン系かつ非アンチモン系難燃
剤を用いることを着想して、本発明の完成に至ったもの
である。
めに、第1の発明の要旨は、基体フィルムの一方の面
に、プライマー層、ヒートシール性の合成樹脂からなる
熱接着層を順次積層したフラットケーブル被覆材におい
て、基体フィルムおよび熱接着層が、ハロゲン系難燃剤
およびアンチモン系難燃剤を含まない難燃剤を含有させ
ることを特徴とする。第2の発明は、上記フラットケー
ブル被覆材を用いて、複数の導線を同一平面内で配列し
た導線列を、両面より被覆してなるフラットケーブルを
要旨とする。
を用いて詳細に説明する。図1は、本発明のフラットケ
ーブル被覆材の1実施例の構成を示す模式的な断面図で
ある。本発明のフラットケーブル被覆材は、基体フィル
ム11の一方の面に、プライマー層12と、熱接着層1
3とをこの順に順次積層されている。
へ非ハロゲン系かつ非アンチモン系難燃剤を含有させた
ものを適用する。該樹脂フィルムとしては、機械的強度
に優れ、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、屈曲性、絶縁性
等に富む、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリ
エチレンナフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト等
のポリエステル系フィルム、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン610等のポリアミド系フィルム、ポリイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリ
イミド系フィルム、フッ素系フィルム、ポリエーテルス
ルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルファ
イド、ポリアリレート、ポリエステルエーテル、全芳香
族ポリアミド、ポリアラミド、ポリプロピレンフィル
ム、ポリカ−ボネ−トフィルムなどが適用できる。通常
はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ
ート等のポリアルキレンテレフタレートが好適に使用さ
れる。
ては、リン系難燃剤が適用できる。該リン系難燃剤とし
ては、赤リン、リン含有化合物、ポリ燐酸系難燃剤が適
用できる。該リン含有化合物としては、例えば、メチル
ホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホ
ン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン
酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン
酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチルブチルホ
スホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、
ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン
酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフ
ィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン
酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィ
ン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフ
ェニル)ホスフィン酸等が挙げられ、これらは単独で使
用されても、二種以上が併用されてもよい。
ポリ燐酸メラミン、ポリ燐酸アンモニウム等がある。特
に、電気抵抗を下げる傾向が小さい点からポリ燐酸メラ
ミンが好ましい。ポリリン酸アンモニウムは、一般式
(NH4PO3)nで表される、易流動性の粉末状で、
水に難溶性のものが好ましい。また、式中、nは10〜
1000のものが、ポリエステル系樹脂への分散性の点
から好ましい。上記リン系難燃剤の配合量は、少なくな
ると十分な難燃性を発揮できず、多過ぎると基材フィル
ム11の物性が低下するので、基材フィルムに用いられ
る樹脂分100重量部に対して1〜50重量部が好まし
い。
200μmが適用でき、10μm〜100μmが好適で
ある。厚さが5μm未満であると機械的強度が不足し、
またプライマー層12、熱接着層13など形成する適性
が減ずる。厚さが200μm以上では可撓性が不足し摺
動性が悪化するので、このような厚さにすることによ
り、本発明のフラットケーブル被覆材10に必要とされ
る強度を付与することができるとともに、該フラットケ
ーブル被覆材10に良好な可撓性を付与することができ
る。
ロゲン系かつ非アンチモン系難燃剤のリン系難燃剤を5
〜30重量%の範囲で混入させてマスターバッチとし、
Tダイ式製膜機、または、オンラインもしくはオフライ
ンの延伸機付きTダイ式製膜機などで、未延伸フィル
ム、または延伸フィルムとする。強度を向上させる目的
で延伸フィルムが好ましく、一軸方向または二軸方向に
延伸したフィルムが、特に二軸延伸フィルムが好適であ
る。非ハロゲン系かつ非アンチモン系難燃剤の含有が5
重量%以下では難燃性が不足し、30重量%以上では製
膜時に切断し易く、また、電子機器によってはフラット
ケーブルとした際の摺動性が不足したりするので、5重
量%〜30重量%が好適である。また、基体フィルムの
表面は、必要に応じて、例えば、コロナ処理、プラズマ
処理、オゾン処理、その他の前処理を施しても良い。
12を塗布する。該プライマー層12は、基体フィルム
11へ熱接着剤13を強固に接着させて、電子機器への
使用時の摺動に耐えて、層間の剥離などを抑制して、絶
縁性、耐久性を向上するためのものである。プライマー
層12の材料としては、例えば、イソシアネート基、ブ
ロックイソシアネート基、および/またはカルボジイミ
ド基を有する多官能化合物と、ガラス転移点が20℃〜
120℃、好ましくは30℃〜100℃のポリエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂とを含むプライマー剤が適
用できる。
ンイミン系化合物、有機チタン系化合物、イソシアネー
ト系化合物、ウレタン系化合物、ポリブタジエン系化合
物などを主成分とする所謂アンカーコート剤も適用する
ことができる。
系樹脂との配合比は重量基準で、ポリエステル系樹脂/
ポリウレタン系樹脂=0.7/0.3〜0.3/0.7
程度が好ましく、熱接着層の熱による収縮を防止され
る。また、多官能化合物の添加量は、ポリエステル系お
よびポリウレタン系樹脂の反応基に対して、1〜10倍
の反応基に相当する量が好ましい。これらのプライマー
剤を固形分として2〜60重量%になるように、有機溶
剤で希釈して使用する。
リバースロールコート、グラビアコート、リバースグラ
ビアコート、バーコート、ロッドコ−ト、キスコート、
ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコー
ト、スプレーコートなどの方法で塗布し乾燥して、溶剤
を除去してプライマー層12を形成させる。要すれば、
温度30℃〜70℃でエージングする。プライマー層1
2の厚さは、通常は0.05μm〜10μm程度、好ま
しくは0.1μm〜5μm程度である。
好ましくは30℃〜100℃のポリエステル系樹脂とし
ては、例えば、テレフタル酸などの芳香族飽和ジカルボ
ン酸の一種または複数と、飽和2価アルコールの一種ま
たは複数との、縮重合で生成する熱可塑性のポリエステ
ル系樹脂が適用できる。また、ポリウレタン系樹脂とし
ては、例えば、多官能イソシアネートと、ヒドロキシル
基含有化合物との、反応で生成するポリウレタン系樹脂
が適用できる。
基、ブロックイソシアネート基、および/またはカルボ
ジイミド基を有する多官能化合物で、例えば、2、4−
トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシ
アネート、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネ
ート、キシレンジイソシアネート、イソフォロンジイソ
シアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネー
トおよびヘキサメチレンジイソシアネート等の多官能イ
ソシアネート、これらのイソシアナートのポリオール変
性物、カルボジイミド変性物、これらのイソシアネート
をアルコール、フェノール、ラクタム、アミン等でマス
クしたブロック型イソシアネートなどが適用できる。
を設ける。熱接着層13は、柔軟性に富み、かつプライ
マー層12および導線とのヒ−トシ−ル性を有している
ことが必要である。かかる熱接着層13は、その層間に
金属などの導線を挟持させることができて、かつ、加熱
ロールまたは加熱板などによる加熱加圧により軟化して
溶融し、相互に強固に熱融着し、かつ、導線との密着性
に優れているとともに導線をその中に空隙を発生させず
に埋め込むことが必要である。
えば、アイオノマ−樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹
脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、(メ
タ)アクリル系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリ
コーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用できる。
ートシ−ル性、および難燃剤の混入のし易さから、ポリ
エステル系樹脂を好適に使用することができる。該ポリ
エステル系樹脂は、飽和共重合ポリエステル樹脂であっ
て、ガラス転移点が−50℃〜80℃で、かつ重量平均
分子量が7000〜50000の範囲の樹脂を主成分と
する樹脂組成物からなるものが好適である。また、ガラ
ス転移点が比較的低く柔軟性に富むポリエステル系樹脂
と、ガラス転移点の比較的高く耐熱性に富むポリエステ
ル系樹脂とを、配合して使用しても良い。
は、非ハロゲン系かつ非アンチモン系の難燃剤が望まれ
ている。該難燃剤としては、水和金属化合物、窒素系化
合物が適用できる。水和金属化合物としては、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウ
ム、水酸化カルシウム等が適用できるが、難燃性に優
れ、コストの点でも有利な水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウムが好適である。酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウムは、単独でも、両者を組み合わせも使用す
ることができる。
ン、イソシアヌレート、グアナミン、メラミン化合物が
適用できる。ポリ燐酸残基を含まないノンハロゲン系難
燃剤であり、被覆材へ含有させても電気抵抗を低下させ
ない利点もある。メラミン化合物としては、メラミン
(シアヌル酸トリアミド)、アムメリン(シアヌル酸ジ
アミド)、アムメリド(シアヌル酸モノアミド)、メラ
ム、メラミンシアヌレート(メラミンとシアヌール酸と
の縮合)、メラミン樹脂、ホモグアナミン、ベンゾグア
ナミン、アセトグアナミン、硫酸メラミン等が適用でき
る。熱接着層であるポリエステル系樹脂への分散性、混
合性、接着性等の点で、硫酸メラミン、メラミンシアヌ
レート、ベンゾグアナミンが好適であり、硫酸メラミン
が最も好適である。
炭化促進剤を併用してもよい。該難燃助剤としては、二
酸化ケイ素、酸化マグネシウム等の無機酸化物、炭酸カ
ルシウム等の無機塩、および水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム等の金属水酸化物が適用でき、該炭化促
進剤としては、カーボンブラック等が挙げられる。これ
らの難燃助剤や炭化促進剤は、単独でも、二種以上を組
み合わせて使用してもよい。上記難燃助剤及び/又は炭
化促進剤の配合量は、少ないと難燃性の向上効果が得ら
れず、多過ぎると熱接着層13の特性が低下するので、
熱接着層13に用いられる難燃剤分100重量部に対し
て1〜50重量部が適用できる。
難燃剤を含有する熱接着層13には、本発明の効果に影
響のない範囲で、さらに種々の添加剤、例えば、酸化防
止剤、金属腐食防止剤、着色剤(顔料、染料)、樹脂と
難燃剤との間の凝集力を上昇させる各種カップリング
剤、架橋剤、架橋助剤、充填剤、帯電防止剤、難燃触媒
を適宜添加してもよい。上記の無機系難燃剤の粒子の大
きさとしては、一次粒子として、約0.01μないし1
5μ位である。
炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸
化亜鉛等の体質顔料または白色顔料、その他の無機化合
物の粉末、ガラスフリット、フッ素系樹脂粉末、ポリオ
レフィン系樹脂粉末、その他等を使用することができ
る。なお、本発明においては、上記の体質顔料または白
色顔料において、酸化チタンまたは酸化亜鉛等のもの
は、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等のものと比
較して、その粒子径が小さいことから、フラットケ−ブ
ル被覆材をロ−ル状の製品形態で在庫中でのブロッキン
グ防止剤としての機能をも奏するという利点を有してい
る。
軟性に富み、かつ、ヒ−トシ−ル性を有する樹脂の一種
ないしそれ以上を主成分とし含有し、更に、上記のよう
な難燃剤の一種またはそれ以上を加え、更に、上記の樹
脂に合う硬化剤を添加し、更に、必要ならば、その他の
添加剤を任意に加え、例えば、トルエン、酢酸エチル、
アルコ−ル類、メチルエチルケトン等の溶剤、希釈剤等
にて十分に混練して可溶化または分散化して樹脂組成物
を製造する。
例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビ
アコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッ
ドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コ
ンマコート、フローコート、スプレーコートなどのコ−
ティング方式で塗布し乾燥して、厚さ20〜60μm
(乾燥時)程度の難燃剤を含有するヒ−トシ−ル性の熱
接着層13を形成することができる。
施例の構成を示す模式的な断面図である。図3は、図2
のAA断面図である。本発明のフラットケーブル1は、
複数の導線21を同一平面内で配列した導線列を、フラ
ットケーブル被覆材10にて両面より被覆してある。本
発明においては、これまで説明してきたフラットケーブ
ル被覆材10を使用し、少なくとも片方、好ましくは2
枚の該フラットケ−ブル用被覆材10を、その熱接着層
13面を対向させて重ね合わせ、更に、その層間に、複
数の金属等の導線21を同一平面内で配列した導線列を
介在させる。
0、導線21を加熱加圧してヒ−トシ−ルすることによ
り、該フラットケ−ブル用被覆材10を構成するヒ−ト
シ−ル性の熱接着層13と導線21とを密接着させ、更
に、対向した熱接着層13自身も相互に接着する。この
ようにして、2枚の対向したフラットケ−ブル被覆材1
0と導線21とが密接着して、導線21が熱接着層13
へ埋め込まれて一体化したフラットケ−ブル1を製造す
ることができる。
レート69重量%と、難燃剤としてポリリン酸アンモニ
ウム30重量%と、その他の添加剤としてシリカ1重量
%とを、バンバリーミキサーで混練し、真空乾燥機で2
日間乾燥した後に、Tダイ式製膜機で押し出し、所定の
温度に維持しつつ、2軸延伸して25μmの基体フィル
ム11とした。
調整 ガラス転移点40℃のポリエステル樹脂とポリオール系
ウレタン樹脂(固形分重量比1:1、水酸基価=10m
gKOH/g)をメチルエチルケトン/トルエン=1:
1からなる混合溶剤に溶解させてA液を調整した。トリ
レンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネー
トとをメチルエチルケトン/トルエン=1:1からなる
混合溶剤に溶解させてB液を調整した。次に、上記で調
整したA液とB液を基体フィルム11へ塗布する直前に
混合してプライマー剤を調整した(OH基/NCO基=
1/3)。
樹脂/ガラス転移点5℃のポリエステル樹脂/ガラス転
移点80℃のポリエステル樹脂=24:5:1(重量
比)の混合ポリエステル樹脂35重量%を使用し、ま
た、難燃剤成分として水酸化アルミニウム45重量%
と、硫酸メラミン10重量%とし、その他の成分として
酸化チタンとシリカを10重量%を使用し、それらをメ
チルエチルケトン/トルエン=1:1からなる混合溶剤
に溶解分散させて熱接着剤液を調整した。
ず、該基体フィルムの表面へ、上記で調整したプライマ
ー剤をグラビアロールコート方式により膜厚0.8g/
m2(乾燥状態)になるように塗布し乾燥してプライマ
ー層12とした。次に、該プライマー層へ上記で調整し
た熱接着剤液をダイコート方式で、膜厚25.0g/m
2(乾燥状態)になるように塗布し乾燥して、熱接着層
13を形成して、フラットケーブル被覆材10とした。
まず、幅60cm、長さ100cmからなる2枚のフラ
ットケーブル被覆材10を、その熱接着層13の面が対
向するように重ね合わせ、次いで、その層間に幅0.8
mm、厚さ50μmからなる導線を等間隔に複数本を挟
み込んで、150℃に加熱した金属ロールとゴムロール
との間を3m/minのスピードで通過させて加熱加圧
して、フラットケーブル1を製造した。
ー剤は、上記の実施例に示したものと同じものを同様に
使用し、また、基体フィルムと熱接着層の組成物につい
ては、下記の表1に示す材料を表に示す数値からなる使
用量(重量%)にて使用し、それ以外は上記の実施例と
全く同様にして、フラットケーブル被覆材10とフラッ
トケーブル1を製造した。
2で製造したフラットケーブル被覆材10およびフラッ
トケーブル1について、下記に示す項目について試験し
て評価した。 (1)熱接着層/熱接着層間のT字剥離強度試験 フラットケーブル被覆材10の熱接着層13の面同志を
ヒートシーラーで接着後(温度170℃、圧力3kg/
cm2、時間3秒間)、引っ張り試験機でT字剥離強度
(g/巾10mm)を測定して評価した。
験 フラットケーブル被覆材10の熱接着層13の面と、厚
さ100μmの銅箔とをヒートシーラーで接着後(温度
170℃、圧力3kg/cm2、時間3秒間)、引っ張
り試験機でT字剥離強度(g/巾10mm)を、測定環
境温度を−20℃、25℃、および80℃において測定
して評価した。なお、評価表には、最小値を記載した。
し、該断面を光学顕微鏡にて観察し、導線周りに気泡な
どが存在し、導線の埋め込みが不十分な部分があるか否
やを調べて評価した。なお、○は埋まり込んでいる状態
を意味し、×は導線周りに空洞などの埋まり込まない部
分が存在している状態を意味する。
し、従来のハロゲン系難燃剤を含有するフラットケーブ
ルと比較して、○は同等か同等以上のレベルを意味し、
×は以下の状態を意味する。上記の測定結果について、
以下の表2に示す。
に、実施例1〜3のものは、熱接着層/熱接着層間のT
字剥離強度試験、熱接着層/導線間のT字剥離強度試
験、埋まり込み試験、難燃性試験のいずれもが、基準範
囲であり、ハロゲン系難燃剤を含有するフラットケーブ
ル被覆材と比較しても遜色がなかった。
およびそれを用いたフラットケーブル1は、非ハロゲン
系かつ非アンチモン系難燃剤を含有していることで、耐
熱性、難燃性、摺動性に優れ、発熱に伴う高温の環境下
で使用されるコンピューターや電子機器などの配線に好
適である。
ルム11へリン系難燃剤を用いることで、透明性があ
り、フラットケーブル1の基体フィルム11のプライマ
ー層12面へ、フラットケーブルの品番やロット番号を
印刷することができて、該印刷の耐久性が高くでき長期
間にわたって判読することができる。また、電子機器へ
の装着作業時にも、フラットケーブル1を透過して基板
に接続する端子が見えて、作業適性が向上する。
質の漏洩が極力少なく、人体、および環境への影響を少
なくできるので、地球レベルでの環境保護の一助ともな
る。
の構成を示す模式的な断面図である。
を示す模式的な断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 基体フィルムの一方の面に、プライマー
層、ヒートシール性の合成樹脂からなる熱接着層を順次
積層したフラットケーブル被覆材において、基体フィル
ムがリン系難燃剤を含有し、熱接着層が水和金属化合
物、および/または窒素系難燃剤を含有することを特徴
とするフラットケーブル被覆材。 - 【請求項2】 基体フィルムに含有されるリン系難燃剤
の含有率が基体フィルムの5〜30重量%であり、熱接
着層に含有される水和金属化合物難燃剤および窒素系難
燃剤の含有率が、それぞれ、熱接着層の30〜45重量
%、2〜10重量%であることを特徴とする請求項1記
載のフラットケーブル被覆材。 - 【請求項3】 複数の導線を同一平面内で配列した導線
列を、フラットケーブル被覆材にて両面より被覆してな
るフラットケーブルにおいて、少なくとも片面のフラッ
トケーブル被覆材が基体フィルムの一方の面に、プライ
マー層、ヒートシール性の合成樹脂からなる熱接着層を
順次積層され、基体フィルムがリン系難燃剤を含有し、
熱接着層が水和金属化合物、および/または窒素系難燃
剤を含有することを特徴とするフラットケーブル。
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