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JP2002356693A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

Info

Publication number
JP2002356693A
JP2002356693A JP2001161299A JP2001161299A JP2002356693A JP 2002356693 A JP2002356693 A JP 2002356693A JP 2001161299 A JP2001161299 A JP 2001161299A JP 2001161299 A JP2001161299 A JP 2001161299A JP 2002356693 A JP2002356693 A JP 2002356693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating oil
group
ethylene
weight
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001161299A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Okada
田 圭 司 岡
Ryosuke Kanashige
重 良 輔 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Lubrizol Corp
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Lubrizol Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc, Lubrizol Corp filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001161299A priority Critical patent/JP2002356693A/ja
Publication of JP2002356693A publication Critical patent/JP2002356693A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温特性、酸化安定性、高温での潤滑性、およ
び省燃費性に優れ、かつ排出される浮遊粒子状物質(P
M)が低減された潤滑油組成物を提供する。 【解決手段】(A)エチレンと炭素数3〜20のα-オレフィ
ンとの共重合体と、(B)潤滑油基材との組成物であって、
前記共重合体(A)が、下記(1)〜(4)の特性を満足し;(1)エ
チレン含量(E)が40〜77重量%であり、(2)GPCによるポリ
スチレン換算重量平均分子量(Mw)が70,000〜400,000で
あり、(3)Mw/Mnが2.4以下であり、(4)13C-NMRスペクトル
により求められるSααに対するSαβの強度比D(Sαβ/
Sαα)が0.5以下であり、前記潤滑油基材(B)が、(a)100℃
における動粘度が1.5〜7mm2/sである潤滑用流体および
(b)100℃における動粘度が8〜15mm2/sである潤滑用流体
からなる潤滑油組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、潤滑油組成物に関し、さ
らに詳しくは、低温特性および高温での潤滑性に優れ、
しかも浮遊粒子状物質および窒素酸化物の発生が低減さ
れ、かつ省燃費特性に優れた潤滑油組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】石油製品は一般に温度が変化する
と粘度が大きく変化するが、例えば自動車用などの潤滑
油はこの粘度の温度依存性が小さいことが好ましい。こ
のため潤滑油には温度依存性を小さくする目的で、粘度
指数向上効果を有するエチレン・α−オレフィン系共重
合体が配合剤として広く用いられている。
【0003】また潤滑油は、低温になると潤滑油中のワ
ックス分が結晶固化し流動性を失うことがあった。この
ような固化温度を下げるために潤滑油には流動点降下剤
も含まれており、この流動点降下剤は、潤滑油中のワッ
クス分が結晶化することによる3次元ネットワークの形
成を阻害し潤滑油の流動点を低下させる。ところでエチ
レン・α−オレフィン系共重合体と流動点降下剤とを含
む潤滑油の低温特性の中で、高せん断速度下における粘
度は潤滑油基材とエチレン・α−オレフィン系共重合体
との相溶性で決まるが、低せん断速度下における粘度
は、流動点降下剤の影響を強く受ける。また特定の組成
のエチレン・α−オレフィン系共重合体を用いると、流
動点降下剤との相互作用により、流動点降下剤の効果が
著しく低下することが知られている(USP3,697,
429号、USP3,551,336号明細書参照)。
【0004】このため潤滑油、特に低温特性に優れるこ
とが要求される潤滑油に配合されるエチレン・α−オレ
フィン系共重合には、粘度指数向上効果に優れるととも
に、流動点降下剤の働きを阻害しないことが求められ
る。このような、流動点降下剤とエチレン・α−オレフ
ィン系共重合体との相互作用を防止するために、特定の
重合装置と重合条件により得られる、不均一な組成分布
を有するエチレン・α−オレフィン系共重合体を粘度指
数向上剤として用いることが提案されている(特開昭6
0−228600号公報参照)。しかしながら、せん断
速度にかかわらず、優れた低温特性を有する潤滑油は得
られていなかった。
【0005】ところで、潤滑油組成物をディーゼルエン
ジン用に使用する際には、ディーゼルエンジンから排出
される窒素酸化物(NOX)、浮遊粒子状物質(以下P
Mということがある)による環境汚染、および、同時に
排出されるCO2による地球規模の温暖化現象を解消す
ることが課題とされている。PMは燃料中の硫黄分に起
因する硫酸塩、煤及び燃料と、潤滑油中の未燃分である
可溶有機物質(SOF)からなる。このうち、全PMに
対する潤滑油未燃分の割合は30〜40%といわれてお
り、PMを低減させるには、潤滑油の未燃分を低減させ
ることが必要とされている。また、排出ガスであるCO
2に関しては、潤滑油による燃費低減により排出量を低
減させることが要求されている。
【0006】しかしながら、PM低減と燃費改善の両方
を満足しうる潤滑油組成物は、未だ提案されていなかっ
た。たとえば特開昭63−309592号公報に低粘度
基油と高粘度基油の二種の基油からなる潤滑油基油組成
物が開示されているが、燃費の改善が不充分であった。
本発明者は、このような状況において鋭意研究した結
果、特定のエチレン・αオレフィン系共重合体を使用す
ることにより、上記のような相互作用による流動点降下
剤の効果の減少を生じることなく、しかも低温時の潤滑
油基材との相溶性を調整して、あらゆるせん断速度領域
で低温特性に優れた潤滑油組成物が得られ、しかもこの
ような潤滑油組成物をディーゼルエンジン用に使用する
と、排出される浮遊粒子状物質(PM)を低減できる上
に、省燃費特性にも優れていることを見出して、本発明
を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、低温特性、酸化安定性、高温
での潤滑性、および省燃費性に優れ、かつ排出される浮
遊粒子状物質(PM)が低減された潤滑油組成物を提供
することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る潤滑油組成物は、(A)エ
チレンと炭素数3〜20のαオレフィンとの共重合体と
(B)潤滑油基材との組成物であって、前記共重合体
(A)が、下記(1)〜(6)の特性を満足し; (1)エチレン含量(E)が40〜77重量%であり(2)G
PCによるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が
70,000〜400,000であり(3)Mw/Mnが
2.4以下であり(4)13C−NMRスペクトルにより求
められるSααに対するSαβの強度比D(Sαβ/S
αα)が0.5以下であり、前記潤滑油基材(B)が、
(a)100℃における動粘度が1.5〜7mm2/sで
ある潤滑用流体 および(b)100℃における動粘度が
8〜15mm2/sである潤滑用流体からなることを特
徴としている。
【0009】また、潤滑油組成物は、前記共重合体
(A)を1〜20重量%の割合で含有することが好まし
い。また、本発明に係る潤滑油組成物は、前記(A)共
重合体、および前記(B)潤滑油基材とともに、(C)
流動点降下剤とを含み、共重合体(A)を0.1〜5重
量%の割合で含有し、流動点降下剤(C)を0.05〜
5重量%の割合で含有することを特徴としている。
【0010】前記共重合体(A)は、エチレン・プロピ
レン共重合体であることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る潤滑油組成物
について具体的に説明する。本発明に係る潤滑油組成物
は、(A)エチレンと炭素数3〜20のαオレフィンと
の共重合体(以後、エチレン・α-オレフィン共重合体
ということもある)と、(B)潤滑油基材との組成物で
ある。
【0012】エチレン・α-オレフィン共重合体(A) まず、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)につい
て説明する。エチレン・α-オレフィン共重合体は、エ
チレンから導かれる繰り返し単位と、炭素数3〜20の
α−オレフィンから導かれる繰り返し単位とを含む。炭
素数3〜20のα-オレフィンとしては、プロピレン、
ブテン-1、ペンテン-1、3-メチルブテン-1、ヘキセ
ン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1、デセン-
1、テトラデセン-1、ヘキサデセン-1、オクタデセン
-1、エイコセン-1などが挙げられる。また必要に応じ
て1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエンなどの非共
役ポリエンを少量含有する共重合体であってもよい。ポ
リエンは含まないことが好ましい態様の一つである。
【0013】本発明で使用されるエチレン・α-オレフ
ィン共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体
が好ましい。また実質的にエチレンとα-オレフィンの
みからなっていることも好ましい態様の一つである。こ
のようなエチレン・α−オレフィン共重合体では、エチ
レンから構成される繰り返し単位の量(エチレン含量)
は、65〜77重量%、好ましくは68〜74重量%、
特に好ましくは68〜73重量%の範囲にあるか、ある
いは、40〜55重量%、好ましくは43〜53重量
%、特に好ましくは45〜51重量%であることが好ま
しい。他は、炭素数3〜20のα−オレフィンから導か
れる繰り返し単位等である。
【0014】本発明においてエチレン・α−オレフィン
共重合体中のエチレン含量は、「高分子分析ハンドブッ
ク」(日本分析化学会、高分子分析研究懇談会 編、紀
伊国屋書店 発行)に記載の方法に従って13C−NMR
で測定される。エチレン含量がこのような範囲にある
と、充分な低温特性の潤滑油組成物が得られ、また、エ
チレン・α−オレフィン共重合体のエチレンシーケンス
部分の結晶化により、潤滑油組成物が低温時にゼリー状
になることがない。
【0015】エチレン・α−オレフィン共重合体中のエ
チレン含量(E)は、「高分子分析ハンドブック」(日
本分析化学会、高分子分析研究懇談会編、紀伊国屋書店
発行)に記載の方法に従って13C−NMRで測定するこ
とができる。また本発明で用いられるエチレン・α−オ
レフィン共重合体は、実質的にエチレンとα−オレフィ
ンのみからなっていることが好ましい。このような構成
のエチレン・α−オレフィン共重合体は低温特性に特に
優れている。
【0016】エチレン・α−オレフィン共重合体の分子
量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)
で70,000〜400,000、好ましくは75000
〜350000、さらに好ましくは75000〜300
000である。重量平均分子量(Mw)が上記範囲内に
あると、粘度指数向上性能(増粘性)に優れており、こ
のため特定の潤滑油粘度を得るためのエチレン・α−オ
レフィン共重合体の必要量が少なくてよく、低温時にゼ
リー化が起こりにくく、また、せん断安定性も良い。
【0017】ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)による測定は、温度:140℃、溶媒:オル
トジクロロベンゼンの条件下で行なわれる。エチレン・
α−オレフィン共重合体の分子量分布を示す指標である
Mw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子
量)は、2.4以下、好ましくは2.2以下であること
が望ましい。分子量分布が2.4以下であると、潤滑油
粘度のせん断安定性が良好となる。
【0018】本発明では、エチレン・α−オレフィン共
重合体は、後述するメタロセン化合物と、イオン化イオ
ン性化合物とからなる触媒によりエチレン・α−オレフ
ィンを共重合して得られたものが、組成分布の点から好
ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体は、13C−
NMRスペクトルにより求められるSααに対するSα
βの強度比D(Sαβ/Sαα)は、0.5以下、好ま
しくは0.4以下さらに好ましくは0.3以下であること
が望ましい。
【0019】この強度比D(Sαβ/Sαα)は、0.
5以下であるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)
を含んでいると、潤滑油の低温での流動性を向上させる
ことができる上に、高温における潤滑特性を向上させる
こともでき、さらには両者(低温流動性および高温潤滑
特性)のバランスに特に優れている。13C−NMRスペ
クトルにより求められるSαβおよびSααは、それぞ
れエチレンまたは炭素数3以上のα-オレフィンから導
かれる構成単位中のCH2のピーク強度であり、下記に
示す位置にある2種のCH2を意味している。
【0020】
【化1】
【0021】13C−NMRによって測定されたスペクト
ルは、J.C.Randall(Review Macromolecular Chemistry
Physics,C29, 201(1989))に記載された方法に従っ
て、解析され、SαβおよびSααが測定される。強度
比Dは、それぞれのピーク部分の積分値(面積)比で算
出される。このようにして求められた強度比Dは、一般
にα-オレフィンの1,2付加反応に続いて2,1付加
反応が起こる割合、またはα-オレフィンの2,1付加
反応に続いて1,2付加反応が起こる割合を示す尺度と
考えられている。したがってこの強度比D値が大きいほ
ど、α−オレフィンの結合方向が不規則であること示し
ている。逆にD値が小さいほど、α−オレフィンの結合
方向が規則的であることを示している。
【0022】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合体を潤滑油基材に配合すると、次世代の北米潤滑油企
画であるGF−3規格の低温特性の規格を満たしうるよ
うな潤滑油組成物を得ることができる。なお、潤滑油組
成物がGF−3規格を満たすかどうかは、後述するCC
S、MRVを測定することにより判断することが可能で
ある。
【0023】このような本発明に係る潤滑油組成物に使
用されるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレ
ンとα−オレフィンとをオレフィン重合用触媒の存在下
に共重合させることにより得ることができる。このよう
なオレフィン重合用触媒としては、ジルコニウム、ハフ
ニウム、チタニウムなどの遷移金属の化合物と、有機ア
ルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)お
よび/または遷移金属化合物と反応してイオンを生成し
うるイオン化イオン性化合物とからなる触媒が使用でき
るが、本発明では、これらのうち、周期表第4族などか
ら選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミ
ニウムオキシ化合物および/または遷移金属メタロセン
化合物と反応してイオンを生成しうるイオン化イオン性
化合物とからなるメタロセン系触媒が好ましく用いられ
る。特に、遷移金属メタロセン化合物と、遷移金属メタ
ロセン化合物と反応してイオンを生成しうるイオン化イ
オン性化合物との組み合わせが組成分布の点で好まし
い。
【0024】次に、メタロセン系触媒について説明す
る。メタロセン系触媒を形成する周期表第4族から選ば
れる遷移金属のメタロセン化合物は、具体的には、下記
一般式(i)で表される。 MLx …(i) 式(i)中、Mは周期表第4族から選ばれる遷移金属で
あり、具体的にジルコニウム、チタンまたはハフニウム
であり、xは遷移金属の原子価である。
【0025】Lは遷移金属に配位する配位子であり、こ
れらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよ
い。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子として
は、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n-
またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、i-、se
c-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシク
ロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエニル
基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシク
ロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチルエ
チルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペ
ンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル
基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチルベ
ンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロペ
ンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニル
基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基など
のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエ
ニル基、さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロイ
ンデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0026】これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基などで置換されていてもよい。これらのうち
では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ま
しい。一般式(i)で示される化合物が配位子Lとして
シクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する
場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を
有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレ
ン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置
換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン
基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基
などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよ
い。
【0027】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素原子数が1〜12の炭化水素
基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基
(−SO3a)、ハロゲン原子または水素原子(ここ
で、Raはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアル
キル基、アリール基またはハロゲン原子またはアルキル
基で置換されたアリール基である。)などが挙げられ
る。
【0028】炭素原子数が1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基などが挙げられ、より具体的には、メチル基、
エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル
基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基
などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基など
のアリール基、ベンジル基、ネオフィル基などのアラル
キル基が挙げられる。
【0029】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、
n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブ
トキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基
などが挙げられる。アリーロキシ基としては、フェノキ
シ基などが挙げられ、スルホン酸含有基(−SO3a
としては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト
基、トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼ
ンスルホナト基などが挙げられる。
【0030】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。以下に、Mがジルコニウムで
あり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を
少なくとも2個含むメタロセン化合物を例示する。ビス
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0031】また上記のような化合物においてジルコニ
ウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換
えた化合物を挙げることもできる。また本発明ではメタ
ロセン化合物として下記一般式(ii)で表される化合物
を用いることもできる。 L112 …(ii) (式中M1は、周期表第4族またはランタニド系列の金
属であり、L1は、非局在化π結合基の誘導体であり、
金属M1活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、X
は、それぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭
素、ケイ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、
シリル基またはゲルミル基である。)このような一般式
(ii)で示される化合物のうちでも、下記一般式(ii
i)で示される化合物が好ましい。
【0032】
【化2】
【0033】式中、M1はチタン、ジルコニウムまたは
ハフニウムであり、Xは、上記と同様である。CpはM
1にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロ
ペンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホウ素ま
たは周期表第14族の元素(たとえばケイ素、ゲルマニ
ウムまたは錫)であり、Yは窒素、リン、酸素またはイ
オウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成して
もよい。
【0034】このような一般式(iii)で示される化合
物としては、具体的に、[ジメチル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン]
チタンジクロリド、[(t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル]チ
タンジクロリド、[ジベンジル(t-ブチルアミド)(テ
トラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン]チタ
ンジクロリド、[ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン]ジベンジ
ルチタン、[ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5-シクロペンタジエニル)シラン]ジメチルチタ
ン、[(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロ
ペンタジエニル)-1,2-エタンジイル]ジベンジルチタ
ン、[(メチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペ
ンタジエニル)-1,2-エタンジイル]ジネオペンチルチ
タン、[(フェニルホスフィド)(テトラメチル-η5-
シクロペンタジエニル)メチレン]ジフェニルチタン、
[ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-
シクロペンタジエニル)シラン]ジベンジルチタン、
[ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタジエ
ニル)シラン]ジ(トリメチルシリル)チタン、[ジメ
チル(フェニルホスフィド)(テトラメチル-η5-シク
ロペンタジエ ニル)シラン]ジベンジルチタン、
[(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エ
タンジイル]ジベンジルチタン、[2-η5-(テトラメチ
ル-シクロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2
-)]ジベンジルチタン、[2-η5-(テトラメチル-シク
ロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2-)]ジメ
チルチタン、[2-((4a,4b,8a,9,9a-η)-9H-フルオレン
-9-イル)シクロヘキサノレート(2-)]ジメチルチタ
ン、[2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フルオレン-9-イ
ル)シクロヘキサノレート(2-)]ジベンジルジルチタン
などが挙げられる。
【0035】また上記のような化合物においてチタニウ
ム金属を、ジルコニウム金属、ハフニウム金属に置き換
えた化合物を挙げることもできる。これらのメタロセン
化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用い
ることができる。本発明では、前記一般式(i)で表さ
れるメタロセン化合物としては、中心の金属原子がジル
コニウムであり、少なくとも2個のシクロペンタジエニ
ル骨格を含む配位子を有するジルコノセン化合物が好ま
しく用いられる。また前記一般式(ii)または(iii)
で表されるメタロセン化合物としては、中心の金属原子
がチタンであることが好ましい。上記メタロセン化合物
のなかでは、一般式(iii)で表され、中心の金属原子
がチタンである化合物が特に好ましい。
【0036】メタロセン系触媒を形成する有機アルミニ
ウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノオキサンであ
ってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物であってもよい。従来公知のアルミノオキサ
ンは、具体的には、下記一般式で表される。
【0037】
【化3】
【0038】(上記一般式(iv)および(v)におい
て、Rbはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル
基、とくに好ましくはメチル基であり、mは2以上、好
ましくは5〜40の整数である。) ここで、このアルミノオキサンは式(OAl(R1))で
表されるアルキルオキシアルミニウム単位および式(O
Al(R2))で表されるアルキルオキシアルミニウム単
位[ここで、R1およびR2はRと同様の炭化水素基を例
示することができ、R1およびR2は相異なる基を表す]
からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成
されていてもよい。
【0039】メタロセン系触媒を形成するイオン化イオ
ン性化合物としては、ルイス酸、イオン性化合物などを
例示することができる。ルイス酸としては、BRc 3(R
cは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの
置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素であ
る。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリフル
オロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロ
フェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-
トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス
(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0040】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル
置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルア
ンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアン
モニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリブチルアンモ
ニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリ
プロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)
ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m-ジメチル
フェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(p-
トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素などが挙げ
られる。
【0041】N,N-ジアルキルアニリニウム塩としては、
たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)
ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)
ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0042】ジアルキルアンモニウム塩としては、たと
えばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイ
オン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチ
ルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレートなどを挙げることもできる。特に、これ
らのイオン化イオン性化合物は、エチレン・α-オレフ
ィン共重合体の組成分布を制御する点で好適に用いられ
る。
【0043】またメタロセン系触媒を形成するに際して
は、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオ
ン化イオン性化合物とともに、有機アルミニウム化合物
を用いてもよい。有機アルミニウム化合物としては、下
記一般式(vi)で表される化合物が挙げられる。
【0044】R1 nAlX3-n …(vi) 式中、R1は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4
の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子
であり、nは1〜3である。このような炭素原子数が1
〜15の炭化水素基としては、たとえばアルキル基、シ
クロアルキル基またはアリール基が挙げられ、具体的に
は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル
基、トリル基などが挙げられる。
【0045】このような有機アルミニウム化合物として
具体的には、以下のような化合物が挙げられる。トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニム;一般式(i-
49xAly(C510z(式中、x、y、zは正の
数であり、z≧2xである。)で表されるイソプレニル
アルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;トリイソ
プロペニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニ
ウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミ
ニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアル
ミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド;メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアウミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド;メチルアルミニウムジクロリド、
エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニ
ウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどの
アルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウ
ムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジア
ルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒ
ドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキ
ルアルミニウムジヒドリドなど。
【0046】本発明では、上記のようなメタロセン系触
媒の存在下にエチレンおよび炭素数3〜20のαオレフ
ィンを、通常液相で共重合させる。この際、重合溶媒と
して一般に炭化水素溶媒が用いられるが、プロピレン等
のα-オレフィンを用いてもよい。重合の際に用いられ
る炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭
化水素およびそのハロゲン誘導体;シクロヘキサン、メ
チルシクロペンタン、メチルシクロヘキサンなどの脂環
族炭化水素およびそのハロゲン誘導体;ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素およびクロロベン
ゼンなどのハロゲン誘導体などが用いられる。これら溶
媒は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。
【0047】エチレンおよびプロピレン、必要に応じて
他のモノマーは、バッチ法、連続法のいずれの方法でも
共重合することができるが、連続法で共重合することが
好ましく、特に撹拌層型反応器を用い連続法で共重合す
ることが好ましい。共重合を連続法で実施するに際し
て、上記メタロセン系触媒は、たとえば以下のような濃
度で用いられる。
【0048】重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通
常、0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合
容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/
リットルである。また有機アルミニウムオキシ化合物
は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対する
アルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜
10000、好ましくは10〜5000の量で供給され
る。
【0049】イオン化イオン性化合物は、重合系内のメ
タロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル
比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で、
0.5〜30、好ましくは1〜25の量で供給される。
また有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通
常、約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好まし
くは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用い
られる。
【0050】上記のようなメタロセン系触媒の存在下
に、エチレンおよびプロピレン、必要に応じて他のモノ
マーを共重合させる場合には、共重合反応は、通常、温
度が−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃、
さらに好ましくは0℃〜100℃で、圧力が0を超えて
80kg/cm2以下、好ましくは0を超えて50kg
/cm2以下の条件下に行なわれる。上記重合条件は、
連続重合法では一定であることが好ましい。
【0051】反応時間(共重合が連続法で実施される場
合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条
件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ましく
は10分〜3時間である。エチレンおよびα-オレフィ
ンは、上述のような特定組成のエチレン・α-オレフィ
ン共重合体が得られるような量で重合系に供給される。
さらに共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用
いることもできる。
【0052】上記のようにしてエチレンおよびα-オレ
フィン、必要に応じて他のモノマーを共重合させると、
エチレン・α-オレフィン共重合体を重合液として得ら
れる。この重合液は、常法により処理され、本発明で用
いられるエチレン・α-オレフィン共重合体が得られ
る。(B)潤滑油基材 次ぎに、潤滑油基材(B)について説明する。
【0053】潤滑油基材(B)としては、(a)100℃
における動粘度が1.5〜7mm2/s、好ましくは
1.5〜4mm2/sである潤滑用流体と、(b)100℃
における動粘度が8〜15mm2/s、好ましくは9〜
12mm2/sである潤滑用流体とから構成される潤滑
油基材が使用される。
【0054】このような潤滑油流体としては、鉱油およ
び合成油があり、用途などに応じて適宜選定すればよ
い。鉱油としては、例えばパラフィン系鉱油、ナフテン
系鉱油、中間基系鉱油などが挙げられ、具体例として
は、溶剤精製または水添精製による軽質ニュートラル
油、中質ニュートラル油、重質ニュートラル油、ブライ
トストックなどを挙げることができる。合成油として
は、例えば、ポリブテンなどのポリα−オレフィン、α
−オレフィンコポリマー、アルキルベンゼン、ポリオー
ルエステル、二塩基酸エステル、ポリオキシアルキレン
グリコール、ポリオキシアルキレングリコールエステ
ル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、シリコ
ーンオイルなどを挙げることができる。合成油のなかで
も、ポリα−オレフィン,ポリオールエステルが好まし
い。
【0055】これらの潤滑油流体は、それぞれ単独で、
あるいは二種以上を組み合わせて使用することができ、
鉱油と合成油とを組み合わせて使用してもよい。本発明
においては、潤滑油基材は、(a)潤滑油流体と(b)潤滑油
流体とを混合して使用される。この際、混合された潤滑
油流体とを、100℃における動粘度を4〜6mm2
sに調整するのが好ましいが、その混合割合は、潤滑油
基材全量(a)+(b)に対して、(a)潤滑油流体が10〜9
0重量%、(b)潤滑油流体とが10〜90重量%であ
り、好ましくは、(a)潤滑油流体が25〜50重量%、
(b)潤滑油流体が50〜75重量%である。(a)潤滑油流
体が多すぎると潤滑油消費量が増加し、(a)潤滑油流体
が少なすぎると粘度が増加し、省燃費効果が低減するこ
とがある。
【0056】(C)流動点降下剤 本発明に係る潤滑油組成物では、上記(A)エチレン・
α-オレフィン共重合体および(B)潤滑油基材ととも
に、(C)流動点降下剤が配合されていてもよい。
(C)流動点降下剤としては、アルキル化ナフタレン、
メタクリル酸アルキルの(共)重合体、アクリル酸アル
キルの(共)重合体、フマル酸アルキルと酢酸ビニルの
共重合体、α−オレフィン重合体、α−オレフィンとス
チレンの共重合体等が挙げられるが、中でも、メタクリ
ル酸アルキルの(共)重合体、アクリル酸アルキルの
(共)重合体が好適に用いられる。
【0057】潤滑油組成物 本発明に係る潤滑油組成物は、前記エチレン・α−オレ
フィン共重合体(A)と潤滑油基材(B)とを含有する
潤滑油組成物である。該潤滑油組成物中にエチレン・α
−オレフィン共重合体(A)が1〜20重量%、好まし
くは5〜10重量%の量で含有されている(残分は潤滑
油基材(B)および後述の配合剤)。
【0058】このような潤滑油組成物は、温度依存性が
小さく低温特性に優れる。この潤滑油組成物は、そのま
ま潤滑油用途に使用することができ、またこの潤滑油組
成物にさらに潤滑油基材、流動点降下剤などを配合して
潤滑油用途に使用することもできる。また、本発明に係
る潤滑油組成物では、または前記エチレン・α−オレフ
ィン共重合体(A)と潤滑油基材(B)とともに流動点
降下剤(C)とを含んでいてもよい。このように流動点
降下剤(C)を含む潤滑油組成物では、潤滑油組成物中
に、エチレン・α−オレフィン共重合体(A)が0.1
〜5重量%、好ましくは0.2〜1.5重量%、さらに
好ましくは0.25〜1.5重量%、特に好ましくは
0.30〜1.5重量%の量で含有され、流動点降下剤
(C)が0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重
量%、さらに好ましくは0.1〜2重量%、最も好まし
くは0.2〜1.5重量%の量で含有されている(残分
は潤滑油基材(A)および後述の配合剤)。このような
本発明の潤滑油組成物において、エチレン・α−オレフ
ィン共重合体(A)の量が0.1重量%以上であると、
粘度向上の効果が得られ、また、5重量%以下である
と、流動点性降下剤(C)の効果を阻害することがない
ため好ましく、エチレン・α−オレフィン共重合体
(B)の量が上述の範囲にある場合には、粘度向上効果
に優れ、かつ低温での流動性が良好な潤滑油組成物を得
ることができる。
【0059】このように流動点性降下剤(C)が含まれ
た潤滑油組成物は、温度依存性が小さく、かつエチレン
・α−オレフィン共重合体と流動点降下剤との相互作用
による流動点の上昇が少なく、あらゆるせん断速度領域
で低温特性に優れている。またこのような潤滑油組成物
は高温特性にも優れており、良好な潤滑性能を示すた
め、省燃費性にも優れている。
【0060】また本発明に係る潤滑油組成物は、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体(A)、潤滑油基材(B)
および流動点降下剤(C)以外に、メタクリル酸アルキ
ルの(共)重合体、水添SBR、SEBSなどの粘度指
数向上効果を有する配合剤、清浄剤、錆止め添加剤、分
散剤、極圧剤、消泡剤、酸化防止剤、金属不活性化剤な
どの配合剤を配合してもよい。
【0061】極圧剤としては、スルフィド類、スルホキ
シド類、スルホン類、チオホスフィネート類、チオカー
ボネート類、油脂、硫化油脂、硫化オレフィン等のイオ
ウ系極圧剤;リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン
酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン類等のリ
ン酸類;塩素化炭化水素等のハロゲン系化合物などを例
示することができる。
【0062】耐摩耗剤としては、二硫化モリブデンなど
の無機または有機モリブデン化合物、アルキルメルカプ
チルボレート等の有機ホウ素化合物;グラファイト、硫
化アンチモン、ホウ素化合物、ポリテトラフルオロエチ
レン等を例示することができる。清浄分散剤としては、
カルシウムスルホネート、マグネシウムスルホネート、
バリウムスルホネート等の金属スルホネート、チオホス
ホネート、フェナート、サリチレート、コハク酸イミ
ド、ベンジルアミン、コハク酸エステルなどを例示する
ことができる。
【0063】酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-4-
メチルフェノール等のアミン系化合物、ジチオリン酸亜
鉛等のイオウまたはリン系化合物などを例示することが
できる。防錆剤としては、シュウ酸などのカルボン酸お
よびその塩;スルホン酸塩;エステル;アルコール;リ
ン酸およびその塩;ベンゾトリアゾールおよびその誘導
体;チアゾール化合物などを例示することができる。
【0064】抑泡剤としては、ジメチルシロキサン、シ
リカゲル分散体等のシリコーン系化合物、アルコール系
またはエステル系の化合物などを例示することができ
る。これらの添加剤の配合量は、要求される潤滑性能に
よって変化するが、上記潤滑油組成物100重量部のう
ちで、通常0.01〜50重量部、好ましくは0.05
〜30重量部含まれていてもよい。
【0065】本発明に係る潤滑油組成物は、潤滑油基材
(A)にエチレン・α−オレフィン共重合体(B)およ
び必要に応じて配合剤を混合または溶解するか、または
潤滑油基材(A)にエチレン・α−オレフィン共重合体
(B)および流動点降下剤(C)、さらに必要に応じて
その他の配合剤を混合または溶解することにより従来公
知の方法で調製することができる。
【0066】なお、本明細書においては、特に明示しな
い限り、材料の量、反応条件、分子量、炭素原子数など
の実施例を除く全ての数値は、技術的に不明確にならな
い範囲で「約」という語を補って理解されることが好ま
しい。
【0067】
【発明の効果】本発明に係る潤滑油組成物は、潤滑油基
材ともに、粘度指数向上剤として特定のエチレン・α-
オレフィン共重合体を含んでいるので、低温特性、酸化
安定性、高温での潤滑性、および省燃費性に優れるとと
もに、かつ排出される浮遊粒子状物質(PM)も少ない
という特性を有している。
【0068】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例において各種物性は以下のよ
うにして測定した。エチレン含量 日本電子LA500型核磁気共鳴装置を用い、オルトジ
クロルベンゼンとベンゼン−d6との混合溶媒(オルト
ジクロルベンゼン/ベンゼン−d6=3/1〜4/1
(体積比))中、120℃、パルス幅45°パルス、パ
ルス繰返し時間5.5秒で測定した。
【0069】100℃での粘度(K.V.) ASTM D 445に基づいて測定を行った。なお本実
施例ではK.V.が15mm2 /秒程度となるように調整
した。Cold Cranking Simulator(CCS) ASTM D 2602に基づいて、−20℃におけるC
CS粘度を測定した。CCS粘度はクランク軸における
低温での摺動性(始動性)の評価に用いられ、値が小さ
い程、潤滑油の低温特性がよいことを示す。
【0070】Shear Stability Index(SSI) ASTM D 3945に基づいて測定を行った。SSI
は潤滑油中の共重合体成分が摺動下でせん弾力を受け分
子鎖が切断することによる動粘度の損失の尺度であり、
SSIが大きい値である程、損失が大きいことを示す。排気ガス中の浮遊粒子状物質(PM)量 供試エンジン:直噴式ディーゼルエンジン(直列4気
筒,3.6リットル)を使用した。
【0071】試験条件:ディーゼル13モード 測定項目:全PM量 g/kWh
【0072】
【重合例1】[オレフィン系共重合体の合成]充分窒素
置換した容量2リットルの攪拌翼付連続重合反応器に、
脱水精製したヘキサン1リットルを張り、トリイソブチ
ルアルミニウムのヘキサン溶液を重合器内でのアルミ濃
度が1.0mmol/lとなるように500ml/hの
量で連続的に1時間供給した後、触媒として[ジメチル
(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタ
ジエニル)シラン]チタンジクロリドのヘキサン溶液
を、重合器内でのチタン濃度が0.001mmol/l
となるように500ml/hの量で、助触媒としてトル
フェニルカルベニウム(テトラキスペンタフルオロフェ
ニル)ボレートのトルエン溶液を、重合器内でのチタン
濃度が0.02mmol/lとなるように500ml/
hの量で供給した。一方重合器上部から、重合液器内の
重合液が常に1リットルになるように重合液を連続的に
抜き出した。次にバブリング管を用いてエチレンを24
0l/hの量で、プロピレンを60l/hの量で水素を
6l/hの量で供給した。共重合反応は、重合器外部に
取り付けられたジャケットに冷媒を循環させることによ
り50℃で行った。
【0073】その結果、エチレン・プロピレン共重合体
を含む重合溶液が得られた。得られた重合溶液は、塩酸
で脱灰した後に、大量のメタノールに投入して、エチレ
ン・プロピレン共重合体を析出させた後、130℃で2
4時間減圧乾燥を行った。得られたポリマーの性状を表
1に示す。
【0074】
【重合例2】エチレン、プロピレン、水素のフィード量
を、表1のようにした以外は重合例1と同様に行った。
得られたポリマーの性状を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【実施例1】ベース油として、鉱油80ニュートラル
(富士興産社製、100℃における動粘度が3.50m
2/s)と鉱油600ニュートラル(ESSO社製、
100℃における動粘度が11.00mm2/s)と
が、鉱油80ニュートラル/鉱油600ニュートラル重
量比=69/31で、混合された混合油を用い、ベース
油が86.8重量%、粘度指数向上剤として重合例1で
得られたエチレン・α-オレフィン共重合体(重合ポリ
マー)が1.7重量%、流動点降下剤としてアクルーブ
133(三洋化成社製)が0.50重量%、清浄分散剤
(ルブリゾール社製)が11.00重量%となるように
混合して潤滑油組成物を調製した。
【0077】得られた潤滑油組成物について、前記した
潤滑油の性能評価を行った。結果を表2に示す。
【0078】
【実施例2】ベース油として、PAO−4(アコモ社
製、100℃における動粘度が3.75mm2/s)と
鉱油600ニュートラルとの混合油であって、PAO−
4/鉱油600ニュートラル重量比=72/28である
混合油を用いた以外は、実施例1と同様にして潤滑油組
成物を調製し、評価した。
【0079】結果を表2に示す。
【0080】
【実施例3】ベース油として鉱油80ニュートラル/鉱
油600ニュートラル重量比=69/31の混合油を用
い、ベース油が87.6重量%となり、エチレン・α-
オレフィン共重合体として重合例2で得られたポリマー
を0.9重量%となるように添加して、実施例1と同様
にして潤滑油組成物を調製し、評価した。
【0081】結果を表2に示す。
【0082】
【実施例4】ベース油として、PAO−4/鉱油600
ニュートラル重量比=72/28の混合油を用い、ベー
ス油が87.6重量%となり、重合例2で得られたポリ
マーを0.9重量%用いた以外は実施例1と同様にして
潤滑油組成物を調製し、評価した。
【0083】結果を表2に示す。
【0084】
【比較例1】ベース油として、鉱油150N(富士興産
社製、100℃における動粘度が5.05mm2/s)
を用いた以外(混合油ではない)は、実施例1と同様に
して、潤滑油を調製し、評価した結果を表2に示す。
【0085】
【比較例2】ベース油として、鉱油80N/150ブラ
イト(富士興産社製、100℃における動粘度が31.
10mm2/s)重量比=84/16の混合油を、8
6.8重量%となる量で用いた以外は、実施例1と同様
にして、潤滑油を調製し、評価した結果を表2に示す。
【0086】
【比較例3】ベース油として、鉱油80N/150ブラ
イト=84/16の混合油を、87.6重量%となる量
で用いた以外は、実施例1と同様にして、潤滑油を調製
し、評価した結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】表2から明らかなように、実施例1と比較
例1とを対比すると、オイルがブレンドされなかった場
合、PMが悪くなり、耐寒性も悪くなる。また実施例3
と比較例3との対比から明らかなように、オイル(ベー
ス油)が、本発明の範囲をはずれると、耐寒性が悪くP
Mも悪くなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 20:02 C10N 20:02 20:04 20:04 30:02 30:02 30:04 30:04 30:08 30:08 30:10 30:10 40:25 40:25 (71)出願人 591131338 ザ ルブリゾル コーポレイション THE LUBRIZOL CORPOR ATION アメリカ合衆国 オハイオ 44092,ウイ クリフ レークランド ブールバード 29400 29400 Lakeland Boulev ard, Wickliffe, Ohi o 44092, United State s of America (72)発明者 岡 田 圭 司 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 (72)発明者 金 重 良 輔 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 Fターム(参考) 4H104 CA01C CA03C CB08C DA02A EA02A EA03C EA21C EB02 EB05 LA01 LA02 LA04 LA05 PA42

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレンと炭素数3〜20のαオレ
    フィンとの共重合体と、(B)潤滑油基材との組成物で
    あって、 前記共重合体(A)が、下記(1)〜(4)の特性を満足し; (1)エチレン含量(E)が40〜77重量%であり (2)GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量(M
    w)が70,000〜400,000であり (3)Mw/Mnが2.4以下であり (4)13C−NMRスペクトルにより求められるSααに
    対するSαβの強度比D(Sαβ/Sαα)が0.5以
    下であり、 前記潤滑油基材(B)が、 (a)100℃における動粘度が1.5〜7mm2/sで
    ある潤滑用流体 および (b)100℃における動粘度が8〜15mm2/sであ
    る潤滑用流体からなることを特徴とする潤滑油組成物。
  2. 【請求項2】前記共重合体(A)を1〜20重量%の割
    合で含有することを特徴とする請求項1に記載の潤滑油
    組成物
  3. 【請求項3】前記(A)共重合体、および前記(B)潤
    滑油基材とともに、(C)流動点降下剤とを含み、 共重合体(A)を0.1〜5重量%の割合で含有し、流
    動点降下剤(C)を0.05〜5重量%の割合で含有す
    ることを特徴とする潤滑油組成物。
  4. 【請求項4】前記共重合体(A)がエチレン・プロピレ
    ン共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の潤滑油組成物
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