JP2002356594A - ブロー成形用樹脂組成物およびブロー成形品 - Google Patents
ブロー成形用樹脂組成物およびブロー成形品Info
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Abstract
ドローダウン性、熱安定性及び衝撃強度のバランスに優
れたブロー成形品を与えるブロー成形用樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】重量平均粒子径が0.1〜1μmのゴム状
重合体の存在下に、アクリロニトリルとスチレンおよび
/またはα−メチルスチレンを重合させてなるグラフト
共重合体(A)と、アクリロニトリル20〜35重量%
およびα−メチルスチレン65〜80重量%を重合させ
てなる還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.3
%溶液、30℃)が0.6〜1.0dl/gであるα−
メチルスチレン系共重合体(B)および必要に応じてア
クリロニトリル20〜35重量%およびスチレン65〜
80重量% を重合させてなる共重合体(C)か
らなる組成物であって、組成物中のゴム状重合体の含
有量が10〜25重量%、α−メチルスチレン含有量
が30〜60重量%であるブロー成形用樹脂組成物。
Description
の平滑性、ブロー成形時のドローダウン性、熱安定性及
び衝撃強度のバランスに優れたブロー成形用樹脂組成物
およびそれからなるブロー成形品に関するものである。
用な成形法であり、エアースポイラーなどの自動車用部
品、OA機器のハウジングなどに応用されている。一般
にブロー成形は、成形品の平滑性が低いため、塗装前に
サンディング処理により表面を平滑にする必要がある。
また、無塗装の用途では、シボ加工により表面の凸凹が
目立たないように工夫されている。塗装前のサンディン
グを容易にするため、または無塗装で用いるためには、
成形品の表面が平滑であることが好ましい。このような
問題を解決するため、加熱する手段と冷却する手段を備
えたブロー成形用金型が提案されている。しかし、この
ようなブロー成形用金型は高価なばかりでなく、成形サ
イクルが従来に比べ長くなり生産性を犠牲にするだけで
なく、必ずしも満足できる状況に至っていない。また、
ブロー成形において要求される上記以外の特性として
は、パリソン形成時のドローダウン性が均一な肉厚の製
品を得るために重要であり、かつブロー成形においては
成形サイクルが射出成形と比較して長いために、樹脂組
成物の熱安定性が良いことが必要である。近年、ブロー
成形品はエアースポイラーのように耐熱性が必要な用途
に使用されることが多く、上記のすべての特性を満たし
た安価な材料が求められていたが、そのような材料は困
難であった。
品の表面の平滑性、ブロー成形時のドローダウン性、熱
安定性及び衝撃強度のバランスに優れたブロー成形用樹
脂組成物およびそのブロー成形品を提供することを目的
とするものである。
重量平均粒子径が0.1〜1μmのゴム状重合体の存在
下に、アクリロニトリルとスチレンおよび/またはα−
メチルスチレンを重合させてなるグラフト共重合体
(A)と、アクリロニトリル20〜35重量%およびα
−メチルスチレン65〜80重量%を重合させてなる還
元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.3%溶液、
30℃)が0.6〜1.0dl/gであるα−メチルス
チレン系共重合体(B)および必要に応じてアクリロニ
トリル20〜35重量%およびスチレン65〜80重量
%を重合させてなる共重合体(C)からなる組成物であ
って、組成物中のゴム状重合体の含有量が10〜25
重量%、α−メチルスチレン含有量が30〜60重量
%であるブロー成形用樹脂組成物、(2)(1)に記載
の樹脂組成物にフッ素系樹脂(D)を配合したブロー成
形用樹脂組成物、(3)(1)に記載の樹脂組成物にフ
ッ素系樹脂ラテックスと、(A)、(B)および(C)
から選ばれた1種以上の共重合体のラテックスとの共塩
析物(E)を配合したブロー成形用樹脂組成物、(4)
(1)〜(3)に記載の樹脂組成物からなるブロー成形
品を提供するものである。
(A)は、重量平均粒子径が0.1〜1μmのゴム状重
合体にアクリロニトリルとスチレンおよび/またはα−
メチルスチレンを重合させてなるグラフト共重合体であ
る。このグラフト共重合体(A)において、ゴム状重合
体の数平均粒子径は0.1〜1μmの範囲であり、かか
る範囲外では衝撃強度が低下するので好ましくない。よ
り好ましくは0.2〜0.8μmである。また、グラフ
ト共重合体(A)を構成する各成分の割合には特に制限
はないが、ゴム状重合体20〜80重量%、アクリロニ
トリル5〜40重量%、スチレンおよび/またはα−メ
チルスチレン15〜75重量%である。
状重合体は、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共
重合体(SBR)、ブタジエン−アクリロニトリル共重
合体(NBR)、ブタジエン−アクリル酸エステル共重
合体などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレン共重合
体(EPR)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共
重合体(EPDM)などのオレフィン系ゴム、ポリブチ
ルアクリレート、ポリ2−エチルヘキシルアクリレート
などのアクリル系ゴム、シリコンゴム、シリコン−アク
リル複合ゴムなどのシリコーン系ゴムなどが挙げられ
る。特に好ましくはポリブタジエンまたはエチレン−プ
ロピレン−非共役ジエン共重合体である。
合体(B)は、アクリロニトリル20〜35重量%およ
びα−メチルスチレン65〜80重量%を重合させてな
る還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.3%溶
液、30℃)が0.6〜1.0dl/gである共重合体
である。α−メチルスチレン系共重合体(B)の還元粘
度がかかる範囲外ではブロー成形時のドローダウン性が
低下するため好ましくない。好ましくは0.6〜0.8
dl/gである。
のできる共重合体(C)は、アクリロニトリル20〜3
5重量%およびスチレン65〜80重量%を重合して得
られるものである。また、共重合体(C)の 還元粘度
には特に制限はないが、0.6〜1.5dl/g(N,
N−ジメチルホルムアミド0.3%溶液、30℃)であ
ることが好ましい。
とα−メチルスチレン系共重合体(B)および必要に応
じて共重合体(C)からなる組成物であって、組成物
中のゴム状重合体の含有量が10〜25重量%、α−
メチルスチレン含有量が30〜60重量%、であること
が必要である。 組成物中のゴム状重合体の含有量がかかる範囲外では
ドローダウン性が低下し好ましくない。またα−メチ
ルスチレン含有量がかかる範囲外では熱安定性と衝撃強
度のバランスが低下するため好ましくない。なお、組成
物中の上記〜の条件については、上記のグラフト共
重合体(A)、α−メチルスチレン系共重合体(B)お
よび必要に応じて共重合体(C)それぞれ各成分の重合
組成割合、およびこれら(A)、(B)および必要に応
じて(C)成分の配合割合を規定することにより調製す
ることができる。
フルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等
が挙げられるが、特にポリテトラフルオロエチレンが好
ましい。またフッ素系樹脂(D)の配合量には特に制限
はないが上記(A)、(B)および(C)からなる樹脂
組成物100重量部に対し0.01〜10重量部であ
る。
テックス(上記フッ素系樹脂(D)のラテックス状態
品)と上記(A)、(B)および(C)から選ばれた1
種以上の共重合体のラテックスとの共塩析品物(E)を
配合してもよい。特にこの共塩析品物(E)を使用する
ことにより、成形品表面の平滑性に優れるブロー成形品
が得られるものである。なお、この共塩析品物(E)を
使用する場合には、結果として組成物中に配合される使
用量は上記にて規定する範囲内であることが好ましい。
(B)および(C)の製造方法は特に限定されず、乳化
重合法、懸濁重合法、溶液重合法等が適用でき、その際
に使用する重合助剤についても適宜使用することができ
る。
方法には特に制限はなく、またその造粒(ペレット化)
についてもそれ自体公知の方法で実施すればよい。
剤、酸化防止剤、タルク、アルカリ金属の水酸化物また
は炭酸塩、更に必要に応じて、顔料、可塑剤、紫外線吸
収剤、光安定剤などを1種または2種以上混合してもよ
い。さらに、他の熱可塑性樹脂、例えばポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート等の1種
または2種以上と組み合わせて用いてもよい。
形の他、シートパリソン法、コールドパリソン法、ボト
ルパック法、インジェクションブロー成形法、延伸ブロ
ー成形法など各種の方法があるが、いずれの方法も採用
できる。このブロー成形工程では、ブローアップ性、表
面性等の点から、得られた樹脂組成物を200℃以上の
パリソンまたはシートでブロー成形することが好まし
い。更に、より良い効果を得るためには、パリソンおよ
びシートを膨らませる際に、空気に代えて、窒素、二酸
化炭素、ヘリウム、アルゴン、ネオンなどの不活性ガス
を用いてもよい。
ジン酸カリウム(乳化剤)2.5部、過硫酸カリウム
(開始剤)0.3部、ノルマルドデシルメルカプタン
(分子量調整剤)0.3部および脱イオン水100部を
仕込み、60℃で重合を行った。重合完了後、真空下6
00mmHgで残留モノマーを回収し、ポリブタジエン
ゴムラテックス(重量平均粒子径0.35μm、固形分
50%)を得た。得られたポリブタジエンゴムラテック
ス50部(固形分換算)、スチレン35部およびアクリ
ロニトリル15部を公知の乳化重合法に基づきグラフト
重合した。その後、得られたグラフト共重合体ラテック
スを塩析、脱水、乾燥を経てグラフト共重合体A−1を
得た。また、乳化剤量をそれぞれ4部、1部に変更する
ことにより、それぞれ重量平均粒子径を0.05μm、
1.2μmに調整してなるポリブタジエゴムラテックス
を使用する以外はグラフト共重合体A−1と同様にし
て、それぞれグラフト共重合体X−1およびX−2を得
た。 A−2:エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネ
ンゴム(プロピレン含有量41%、ヨウ素価15、ムー
ニー粘度65)50部、スチレン35部およびアクリロ
ニトリル15部を公知の懸濁重合法に基づき重合を行
い、脱水・乾燥処理し重量平均粒子径0.3μmのグラ
フト共重合体A−2を得た。
共重合体(C)− B−1:窒素置換した反応器にアクリロニトリル30
部、α−メチルスチレン70部、ロジン酸カリウム(乳
化剤)2部、過硫酸カリウム(開始剤)0.3部、ノル
マルルドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.3部
および脱イオン水200部を仕込み、70℃で重合を開
始した。 重合完了後、真空下600mmHgで残留モ
ノマーを回収した。その後、得られた共重合体ラテック
スを塩析、脱水、乾燥を経て還元粘度0.62のα−メ
チルスチレン系共重合体B−1を得た。また、使用する
モノマー組成および分子量調整剤の使用割合を表1に示
す割合に変更する以外はB−1と同様にしてB−2、Y
−1、Y−2およびC−1を得た。
ロロケミカル(株)製テフロン6CJ)
(E)− E−1:攪拌機を備えた反応器にポリテトラフルオロエ
チレンラテックス(三井デユポンフロロケミカル(株)
製 テフロン30J)10部(固形分換算)とB−1の
共重合体ラテックス90部(固形分換算)を混合した。
その後、得られた重合体ラテックス混合物を塩析、脱
水、乾燥を経て共塩析物のパウダーを得た。
にて得られたグラフト共重合体A−1〜2、X−1〜
2、α−メチルスチレン系共重合体B−1〜2、Y−1
〜2、共重合体C−1、D−1およびE−1につき、表
2に示す配合比率(表中の単位は重量部)で混合したの
ち、押出機で溶融混練し、各種樹脂組成物を得た。得ら
れた樹脂組成物につき以下の評価を行った。評価結果を
表2に示す。
スポイラー成形品を成形し、外観を目視で表面の平滑性
を下記の4段階で判定した。 ◎:非常に良い ○:良い ×:悪い
スポイラー成形品から切りだした55×55×3〜4m
mのテストピースを用い、室温にてデュポン衝撃強度を
測定した。 ○:10J以上 △:5〜10J ×:5J以下
を射出後放置し、パリソンがダイからはずれ、落下する
までの時間を測定した。 ○:パリソンを射出後、パリソン落下までの時間が60
秒を超える。 △:パリソンを射出後、パリソン落下までの時間が20
〜60秒を超える。 ×:パリソンを射出後、パリソン落下までの時間が20
秒を未満。
ー内で20分間滞留し、滞留後の第一ショットを取っ。
当該成形品表面のシルバーを目視で下記の3段階で判定
した。 ○:シルバー発生なし △:少しシルバー発生 ×:多量にシルバー発生
形用樹脂組成物は、そのブロー成形品表面の平滑性、ブ
ロー成形時のドローダウン性、熱安定性及び衝撃強度の
バランスに優れることより、ブロー成形に好適に使用す
ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】重量平均粒子径が0.1〜1μmのゴム状
重合体の存在下に、アクリロニトリルとスチレンおよび
/またはα−メチルスチレンを重合させてなるグラフト
共重合体(A)と、アクリロニトリル20〜35重量%
およびα−メチルスチレン65〜80重量%を重合させ
てなる還元粘度(N,N−ジメチルホルムアミド0.3
%溶液、30℃)が0.6〜1.0dl/gであるα−
メチルスチレン系共重合体(B)および必要に応じてア
クリロニトリル20〜35重量%およびスチレン65〜
80重量%を重合させてなる共重合体(C)からなる組
成物であって、組成物中のゴム状重合体の含有量が1
0〜25重量%、α−メチルスチレン含有量が30〜
60重量%であるブロー成形用樹脂組成物。 - 【請求項2】請求項1に記載の樹脂組成物にフッ素系樹
脂(D)を配合したブロー成形用樹脂組成物。 - 【請求項3】請求項1に記載の樹脂組成物にフッ素系樹
脂ラテックスと、(A)、(B)および(C)から選ば
れた1種以上の共重合体のラテックスとの共塩析物
(E)を配合したブロー成形用樹脂組成物。 - 【請求項4】請求項1〜3に記載の樹脂組成物からなる
ブロー成形品。
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- 2001-05-31 JP JP2001164272A patent/JP5117650B2/ja not_active Expired - Lifetime
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