JP2002355084A - 新規核酸プローブおよびそれを用いる新規核酸測定方法 - Google Patents
新規核酸プローブおよびそれを用いる新規核酸測定方法Info
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Abstract
在する場合に、単純な装置で標的核酸を同時に測定する
ための新規核酸プローブ、およびそのプローブを用いた
新規核酸測定方法を提供する。 【解決手段】 FRET現象を引き起こす蛍光色素ペアーす
なわちドナー色素になり得る蛍光色素(ドナー色素)と
アクセプター色素になり得る蛍光色素(アクセプター色
素)のペアーを少なくとも一ペアーを形成するように複
数の蛍光色素で標識された一本鎖の核酸プローブにおい
て、当該プローブが標的核酸にハイブリダイズしたとき
に、アクセプター色素の蛍光強度が共に減少するように
塩基配列が設計され、かつ前記色素が標識されているこ
とを特徴とする核酸測定用の新規核酸プローブ、および
そのプローブを用いた新規核酸測定方法。
Description
も一種以上(すなわち、単数または複数)の標的核酸が
存在する場合に、単純な装置で系内に存在する標的核酸
を測定する(複数の標的核酸が存在する場合は同時に測
定する)ための新規核酸プローブ、そのプローブを用い
た新規核酸測定方法などに関する。
sonance energy transfer(以下FRETという。)現象を
引き起こす蛍光色素ペアーすなわちドナー色素になり得
る蛍光色素(以下、ドナー色素という。)とアクセプタ
ー色素になり得る蛍光色素(以下、アクセプター色素と
いう。)のペアーを少なくとも一ペアーを形成するよう
に複数の蛍光色素で標識された一本鎖の核酸測定用の新
規核酸プローブ、当該核酸プローブを用いる核酸測定方
法、その方法に用いる核酸測定用試薬キット、および標
的核酸の多型(polymorphism)または/および変異(mu
tation)を解析もしくは測定する方法、ならびにそれに
利用する測定キット、などに関する。
象を引き起こす蛍光色素ペアーすなわちドナー色素であ
るフルオレセインとアクセプター色素であるX−ローダ
ミンを結合した核酸プローブは知られている(実験医
学、15巻(No.7、増刊号)、728〜733、1
997年)。しかしこの核酸プローブは、PCR方法の
モニタリングに使用するものであり、直接核酸を測定す
ることを目的としたものではない。
ochemistry、34巻、285〜292頁、1995年)。この場合に
おいては、核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズし
ていないときは、FRET現象により当該核酸プローブ自体
の蛍光強度は低いレベルにある。すなわち、フルオレセ
インの発光は抑制されて、蛍光強度は低いレベルにあ
る。一方、X−ローダミンの蛍光強度は高いが、フルオ
レセインの抑制された発光程ではない。しかし、この核
酸プローブが標的核酸にハイブリダイズすると、プロー
ブの立体構造が変化し、FRET現象が解消する。その結果
として、フルオレセインの発光が増加して、反応系の蛍
光強度が増加する。しかしながら、ハイブリダイゼーシ
ョン後、核酸プローブの立体構造が変化しない場合は蛍
光強度に変化が生じないことになり、蛍光強度は核酸測
定に適したものではなかった。
しに、標的核酸とハイブリダイズしたときに当該ハイブ
リダイゼーション後蛍光発色が減少する蛍光消光プロー
ブなる核酸プローブを開発してきた(Nucleic Acid、29
巻、Nol.6e34、2001年;EP1046 717 A9;特開2001-2863
00(P2001-286300A)。この核酸プローブは一本鎖のオリ
ゴヌクレオチドの末端部に蛍光色素が標識されていて、
標的核酸にハイブリダイズすると、蛍光強度が減少する
ように蛍光色素と塩基配列が設計されている。 この核
酸プローブは標的核酸を微量で正確、簡便に測定でき
る。しかしながら、本従来方法は、二本鎖オリゴヌクレ
オチド形成時におけるG(グアニン)とC(シトシン)
の塩基対複合体(水素結合体)と蛍光色素の相互作用に
よる蛍光消光(当該複合体への発光エネルギー転移によ
る消光)現象を利用したものであり、本現象により消光
するような蛍光色素は比較的少ないために使用可能な蛍
光発光色が限定される。
合、これらを全て同時測定するためには、標的核酸と同
数の蛍光発光色を必要とする。言い換えると、標的核酸
種と同数の蛍光発光色の異なる核酸プローブを必要とす
る。本従来方法において、蛍光発光色を増やすために
は、前記GCの水素結合体と蛍光色素の相互作用が発生
しかつ蛍光発光色の異なる蛍光色素を増やすことが必要
となるが、使用可能な蛍光発光色が限られるため、これ
まで複数(特に3種以上)の標的核酸種を同時検出する
には限界があった。さらに、蛍光色素が異なるというこ
とは、励起波長も異なるということを意味し、それらの
蛍光色素を全て励起するためには、励起光源が多数必要
になることを意味し、装置が大掛かりとなるために非経
済的であった。
の状況に鑑み、一本鎖のオリゴヌクレオチドにFRET現象
を引き起こす蛍光色素ペアーすなわちドナー色素とアク
セプター色素を結合した核酸プローブにおいて、簡単な
測定装置で、少なくとも一種以上(すなわち、単数また
は複数)の標的核酸を同時に測定でき、かつ微量で、短
時間、簡便、正確に測定できる核酸測定用の新規核酸プ
ローブ(以下、核酸測定用の新規核酸プローブを単に核
酸プローブという場合がある。)を提供することであ
る。さらに、それを用いた新規核酸測定方法(以下、単
に核酸測定方法という場合がある。)ならびにその試薬
キット、および標的核酸の多型・変異の測定方法ならび
にその測定キットなどを提供することである。
を解決するにあたり、前記蛍光消光プローブを基本に、
試行錯誤的に一本鎖オリゴヌクレオチドを種々の蛍光色
素を用いて、オリゴヌクレオチドの2箇所を標識して作
製した種々の核酸プローブについて詳しく比較検討し
た。その結果、特定のドナー色素とそれと対をなすアク
セプター色素を用いてオリゴヌクレオチドの特定の位置
を標識すると、その核酸プローブが標的核酸にハイブリ
ダイズすると、ハイブリダイゼーション前後でプローブ
・核酸複合体(核酸プローブが標的核酸にハイブリダイ
ズしたもの)におけるアクセプター色素の蛍光強度が著
しく減少するか、またはドナーおよびアクセプター色素
の蛍光強度が共に著しく減少するということを知見し
た。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものであ
る。
ー色素になり得る蛍光色素(以下、ドナー色素とい
う。)とアクセプター色素になり得る蛍光色素(以下、
アクセプター色素という。)のペアーを少なくとも一ペ
アーを形成するように複数の蛍光色素で標識された一本
鎖の核酸プローブにおいて、当該プローブが標的核酸に
ハイブリダイズしたときに、アクセプター色素の蛍光強
度が減少するように塩基配列が設計され、かつ前記色素
が標識されていることを特徴とする核酸プローブ、ま
た、 2.ドナー色素およびアクセプター色素の蛍光強度が共
に減少する前記1に記載の核酸プローブ、また、
PY FL、BODIPY 493/503、5-FAM、Tetramethylrhodamin
e、または6-TAMRAである前記1または2に記載の核酸プ
ローブ、また、 4.ドナー色素とアクセプター色素の一対の色素ペアー
を有する前記1〜3のいずれか一に記載の核酸プロー
ブ、また、
ドナー色素で標識されており、当該核酸プローブが当該
末端部において標的核酸にハイブリダイズしたとき、当
該プローブにハイブリダイズした標的核酸の末端塩基か
ら1ないし3塩基離れて、標的核酸の塩基配列にG(グ
アニン)が少なくとも1塩基存在するように、当該プロ
ーブの塩基配列が設計されている前記1〜4のいずれか
一に記載の核酸プローブ、また、 6.核酸プローブが、標的核酸にハイブリダイゼーショ
ンしたとき、ドナー色素標識部においてプローブ−核酸
ハイブリッドの複数塩基対が少なくとも一つのG(グア
ニン)とC(シトシン)のペアーを形成するように、当
該プローブの塩基配列が設計されている前記1〜5のい
ずれか一に記載の核酸プローブ、また、
部(5’末端を含む。)を標識している前記1〜6のい
ずれか一に記載の核酸プローブ、また、 8.ドナー色素が核酸プローブの3’末端部(3’末端
を含む。)を標識している前記1〜7のいずれか一に記
載の核酸プローブ、また、 9.核酸プローブの5’末端塩基がGまたはCで、かつ
5’末端がドナー色素で標識されている前記7に記載の
核酸プローブ、また、 10.核酸プローブの3’末端塩基がGまたはCで、か
つ3’末端がドナー色素で標識されている前記8に記載
の核酸プローブ、また、
在する測定系に、前記1〜10の少なくともいずれか一
に記載の核酸プローブであって、当該標的核酸にハイブ
リダイズする核酸プローブで、かつ標的核酸の種類(以
下、単に種ともいう。)の数と少なくとも同数の種の数
でかつ発光蛍光色の異なる核酸プローブを存在させ、核
酸プローブと標的核酸をハイブリダイズさせて、核酸プ
ローブの種類(以下、単に種ともいう。)の数と少なく
とも同数の種類(以下、単に種ともいう。)の数の波長
で、ハイブリダイゼーション前後における測定波長の蛍
光強度の減少量を測定することを特徴とする核酸測定方
法、また、 12.少なくとも一種以上の標的核酸が存在する測定系
における標的核酸の濃度を測定するキットにおいて、前
記1〜10の少なくともいずれか一に記載の核酸プロー
ブを含有または付帯することを特徴とする核酸測定用キ
ット、また、
在する測定系における標的核酸の多型(polymorphism)
または/および変異(mutation)を解析もしくは測定す
る方法において、前記1〜10の少なくともいずれか一
に記載の核酸プローブであって、標的核酸の種の数と少
なくとも同数の種の数で、かつ発光蛍光色の異なる核酸
プローブを測定系に存在させ、標的核酸と核酸プローブ
をハイブリダイズさせて、核酸プローブの種の数と少な
くとも同数の種の数の波長で、ハイブリダイゼーション
前後における測定波長の蛍光強度の減少量を測定するこ
とを特徴とする標的核酸の多型または/および変異を解
析もしくは測定する方法、また、 14.少なくとも一種以上の標的核酸が存在する測定系
の標的核酸の多型または/および変異を解析もしくは測
定する測定キットにおいて、前記1〜10の少なくとも
いずれか一に記載の核酸プローブを含有または付帯する
ことを特徴とする標的核酸の多型または/および変異を
解析もしくは測定するための測定キット、また、
定方法において、標的核酸が、純粋分離して得た微生物
由来、または動物由来であることを特徴とする核酸測定
方法。 16.標的核酸が、複合微生物系、または共生微生物系
の細胞内もしくは細胞のホモジネートに含まれる核酸で
ある前記11または13に記載の核酸測定方法、を提供
する。
本発明を更に詳細に説明する。本発明の第1発明は、FR
ET現象を引き起こす蛍光色素ペアーすなわちドナー色素
とアクセプター色素のペアーを少なくとも一ペアーを形
成するように複数の蛍光色素で標識された一本鎖の核酸
プローブにおいて、当該プローブが標的核酸にハイブリ
ダイズしたときに、プローブ−核酸ハイブリッド複合体
のアクセプター色素の蛍光強度が減少するように、前記
蛍光色素が標識され、かつ塩基配列が設計されているこ
とを特徴とする核酸プローブである。その中でも好まし
い核酸プローブは、ドナーおよびアクセプター色素の蛍
光強度が共に減少するように設計されたものである。
ッド複合体とは、本発明の核酸プローブが標的核酸とハ
イブリダイズした状態のもの(複合体)のことを云う。
そして簡便化のために、以下、核酸ハイブリッド複合体
と略称する。
cDNA、mRNA、rRNA、XTPs、dXTP
s、NTPs、dNTPs、核酸プローブ、ヘルパー核
酸プローブ(または核酸ヘルパープローブ、または単に
ヘルパープローブ)、ハイブリダイズ、ハイブリダイゼ
ーション、インターカレーター、プライマー、アニーリ
ング、伸長反応、熱変性反応、核酸融解曲線、PCR、
RT−PCR、RNA−primed PCR、Stretch PC
R、逆PCR、Alu配列を利用したPCR、多重PC
R、混合プライマーを用いたPCR、PNAを用いたP
CR法、ハイブリダイゼーションアッセイ方法(hybrid
ization assays)、FISH(fluorescentin situ hybri
dization assays)方法、PCR方法(polymerase chain
assays )、LCR方法(ligase chain reaction)、 S
D方法(strand displacement assays)、競合的ハイブリ
ダイゼーション方法( competitive hybridization)、D
NAチップ、核酸検出用(遺伝子検出用)デバイス、S
NP(スニップ:一塩基置換多型)、複合微生物系等の
用語は、現在、分子生物学、遺伝子工学、微生物工学等
で一般的に使用されている用語と同じ意味である。
定量をすることもしくは定量的検出をすること、または
単なる検出をすることを云う。本発明において標的核酸
とは、核酸測定を目的とする核酸もしくは遺伝子のこと
をいう。精製の有無を問わない。また、濃度の大小も問
わない。標的核酸以外の各種の核酸が混在していてもよ
い。そして、測定系には、少なくとも一種以上の標的核
酸が存在する。例えば、複合微生物系(複数微生物のR
NAもしくは遺伝子DNAの混在系)または共生微生物
系(複数の動植物および/または複数の微生物のRNA
もしくは遺伝子DNAの混在系)における測定を目的と
する少なくとも一種以上の特定核酸である。尚、標的核
酸の精製が必要な場合は従来公知の方法で行うことがで
きる。例えば、市販されている精製キット等を使用して
行うことができる。上記の核酸の具体例として、DN
A、RNA、PNA、オリゴデオキシリボヌクレオチド
(oligodeoxyribonucleotides)、オリゴリボヌクレオチ
ド(oligoribonucleotides)等、また、前記核酸の化学
的修飾核酸を挙げることができる。化学的修飾核酸とし
て2'-O-メチル(Me)RNA等を例示することができ
る。
素となり得るドナー色素とは、少なくとも、a.特定波
長で励起され、特定波長で発光する、b.発光エネルギ
ーを特定の色素(アクセプター色素になり得る色素)に
転移することができる、c.核酸プローブが標的核酸と
ハイブリダイズしたときに生ずるGC塩基対の複合体
(GC塩基対の水素結合体)(以下簡便のため、GC水
素結合体という場合もある。)、ドナー色素の近旁に存
在するときは当該塩基対の方へエネルギーを転移するこ
とができる、などの条件を充たすものと定義される。す
なわち、この条件を充たす色素であればどのようなもの
でもよい。一般に、FRET現象においてドナー色素となり
得る色素で、それ自体を単独で標識した核酸プローブが
標的核酸にハイブリダイズしたときにプローブ−核酸ハ
イブリッド複合体の蛍光強度が減少するものが好適に用
いられる(Nucleic Acid、 29巻、Nol.6e34、2001
年)。例えば、ドナー色素としては、BODIPY FL(商標
名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社
製、米国)、BODIPY 493/503(商標名;モレキュラー・
プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、5-FAM、Te
tramethylrhodamine、6-TAMRA、フルオレセイン(fluor
escein)またはその誘導体類(例えば、フルオレセイン
イソチオシアネート(fluorescein isothiocyanate)(FI
TC)もしくはその誘導体等、Alexa 488、Alexa 532、c
y3、cy5、EDANS(5-(2'-aminoethyl)amino-1-naphthalen
e sulfonic acid))、ローダミン(rhodamine)6G(R6G)ま
たはその誘導体(例えば、テトラメチルローダミンイソ
チオシアネート(tetramethylrhodamine isothiocyanat
e)(TMRITC)、ボデピー(BODIPY)FL/C3(商標名;モレキ
ュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボ
デピー(BODIPY)FL/C6(商標名;モレキュラー・プロー
ブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)
5-FAM(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Pr
obes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)TMR(商標名;モ
レキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米
国)、またはその誘導体(例えば、ボデピー(BODIPY)TR
(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)
社製、米国)、ボデピー(BODIPY)R6G(商標名;モレキ
ュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、
ボデピー(BODIPY)564(商標名;モレキュラー・プロー
ブ(Molecular Probes)社製、米国)、ボデピー(BODIPY)
581/591(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular
Probes)社製、米国)等を挙げることができる。
DIPY FL(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular
Probes)社製、米国)、BODIPY FL系の前記色素(商標
名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probes)社
製、米国)、BODIPY 493/503(商標名;モレキュラー・
プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、5-FAM、ボ
デピー(BODIPY)5-FAM(商標名;モレキュラー・プローブ
(Molecular Probes)社製、米国)、 Tetramethylrhodami
ne、6-TAMRAなどを、より好適なものとして、BODIPY FL
(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probe
s)社製、米国)、BODIPY 493/503(商標名;モレキュラ
ー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)、5-FA
M、Tetramethylrhodamine、 6-TAMRAなどを挙げること
ができる。しかしながら、本発明において、これらの例
示に限定されるものではない。
おいて、ドナー色素との対において、アクセプター色素
となり得る色素、すなわち、ドナー色素からエネルギー
転移を受け得る(言葉を換えるとドナー色素に対してク
エンチング(消光作用)作用をする)色素であればどの
ようなものでもよい。そして、対を形成するドナー色素
の種類に依存する。強いて例示するならば、BODIPY FL
(商標名;モレキュラー・プローブ(Molecular Probe
s)社製、米国)、BODIPY FL系の前記色素(商標名;モ
レキュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米
国)、BODIPY 493/503(商標名;モレキュラー・プロー
ブ(Molecular Probes)社製、米国)、5-FAM、ボデピ
ー(BODIPY)5-FAM(商標名;モレキュラー・プローブ
(Molecular Probes)社製、米国)、Tetramethylrhoda
mine、6-TAMRAなどをドナー色素とするならば、X−ロ
ーダミン(rhodamine)、 BODIPY 581/591(商標名;モレ
キュラー・プローブ(Molecular Probes)社製、米国)な
どをアクセプター色素とすることができる。しかしなが
ら、本発明において、これらの例示に限定されるもので
はない。
核酸プローブは、オリゴデオキシリボヌクレオチドで構
成されていてもよいし、オリゴリボヌクレオチドで構成
されていてもよい。また、それらの両方を含むキメリッ
クオリゴヌクレオチド(chimeric oligonucleodite)で
もよい。それらのオリゴヌクレオチドは化学的修飾を受
けたものでもよい。化学的修飾を受けたオリゴヌクレオ
チドをキメリックオリゴヌクレオチドの鎖中に介在させ
てもよい。
チドの修飾部位として、オリゴヌクレオチド末端部の末
端水酸基もしくは末端リン酸基、インターヌクレオシド
リン酸部位、ピリミジン環の5位の炭素、ヌクレオシド
の糖(リボースもしくはデオキシリボース)部位を挙げ
ることができる。好適にはリボースもしくはデオキシリ
ボース部位を挙げることができる。具体的には、2'-O-
アルキルオリゴリボヌクレオチド(2'-O-alkyloligoribo
nucleotides)(以下、2'-O-を2-O-に略記する。)、2-
O-アルキレンオリゴリボヌクレオチド(2-O-alkyleneol
igoribonucleotides)、 2-O-ベンジルオリゴリボヌク
レオチド(2-O-benzyloligoribonucleotides)を例示する
ことができる。当該オリゴヌクレオチドは、オリゴリボ
ヌクレオチドの任意の位置の単数もしくは複数のリボー
スの2’位炭素のOH基がアルキル基、アルキレン基も
しくはベンジル基で修飾(エーテル結合で)されている
ものである。本発明においては、好適には、2-O-アルキ
ルオリゴリボヌクレオチドのなかでも、2-O-メチルオリ
ゴリボヌクレオチド、2-O-エチルオリゴリボヌクレオチ
ド、2-O-ブチルオリゴリボヌクレオチド、2-O-ベンジル
オリゴリボヌクレオチドが、2-O-アルキレンオリゴリボ
ヌクレオチドの中では、2-O-エチレンオリゴリボクレオ
チドが、および2-O-ベンジルオリゴリボヌクレオチド
が、特に好適には、2-O-メチルオリゴリボヌクレオチド
(以下、単に2-O-Meオリゴリボヌクレオチドと略記す
る。)が用いられる。このような化学的修飾を、オリゴ
ヌクレオチドに施すことにより、標的核酸との親和性が
高まり、本発明の核酸プローブのハイブリダイゼーショ
ン効率が向上する。ハイブリダイゼーション効率が高ま
ると、本発明の核酸プローブの蛍光色素の蛍光強度の減
少率が更に向上するので、標的核酸の濃度の測定精度が
更に向上する。なお、本発明において、オリゴヌクレオ
チドなる用語は、オリゴデオキシリボヌクレオチドまた
はオリゴリボヌクレオチドもしくはその双方を意味する
もので、それらを総称するものとする。2-O-アルキルオ
リゴリボヌクレオチド、2-O-アルキレンオリゴリボヌク
レオチド、2-O-ベンジルオリゴリボヌクレオチドは、公
知の方法(Nucleic Acids Research、 26巻、222
4〜2229ページ、1998年)で合成できる。ま
た、GENSET(株式会社)(フランス)が委託合成を行っ
ているので、容易に入手できる。本発明者らは当該会社
に当該化合物の合成を委託して実験を行って、本発明を
完成した。
(以下、単に2-O-Meオリゴリボヌクレオチドという。)
のような修飾されたRNAをオリゴデオキシリボヌクレ
オチドの中に介在させた本発明の核酸プローブは主にR
NA特にrRNAの測定に用いると好ましい結果が得ら
れる。本発明の核酸プローブを使用してRNAを測定す
る場合、当該プローブとハイブリダイズさせる前に、試
料であるRNA溶液を、80〜100℃、好ましくは9
0〜100℃、最適には93〜97℃で、1〜15分
間、好ましくは2〜10分間、最適には3〜7分間、加
熱処理してRNAの高次構造を破壊することがハイブリ
ダイゼーション効率を向上させるのに好適である。
ダイゼーション塩基配列領域へのハイブリダイゼーショ
ン効率を更に上げるためにヘルパープローブ(helper p
robe)をハイブリダイゼーション反応溶液に添加するこ
とが好適である。この場合、ヘルパープローブのオリゴ
ヌクレオチドはオリゴデオキシリボヌクレオチド、オリ
ゴリボヌクレオチドでも、また、前記と同様な化学的修
飾を受けたオリゴヌクレオチドでもよい。前記のオリゴ
ヌクレオチドの一例として、PCR方法においてはフォ
ワード(forward)型として(5')TCCTTTGAGT TCCCGGCCG
G A (3')、バックワード(back ward)型もしくはリバ
ース(reverse ward)型として(5')CCCTGGTCGT AAGGGCCA
TG ATGACTTGAC GT(3')なる塩基配列のものを挙げること
ができる。化学的修飾を受けたオリゴヌクレオチドの好
適な例として、2-O-アルキルオリゴリボヌクレオチド、
特に2-O-Meオリゴリボヌクレオチドを例示できる。
以下の場合、ヘルパープローブの利用は、特に効果的で
ある。35塩基鎖を超える本発明の核酸プローブを使用
する場合は、標的のRNAを熱変性するだけでよい場合
もある。前記のようにして、本発明の核酸プローブをR
NAにハイブリダイズさせると、ハイブリダイゼーショ
ン効率が高まるので反応液中のRNAの量に応じて蛍光
強度が減少し、最終RNA濃度が約150pMまでRNA
を測定できるようになる。かくして、本発明は、標的核
酸の種の数と少なくとも同数以上の本発明の核酸プロー
ブを含有もしくは付帯する、少なくとも一種以上(すな
わち単数または複数)の標的核酸の濃度を測定する測定
キットに前記のヘルパープローブを含有、付帯させてな
る、少なくとも一種以上(すなわち単数または複数)の
標的核酸の濃度を測定する測定キットでもある。
ゼーション方法によるRNAの測定において、核酸プロ
ーブとしてオリゴデオキシリボヌクレオチド体またはオ
リゴリボヌクレオチド体が用いられてきた。RNAはそ
れ自体が強固な高次構造をとるため、プローブと標的R
NAとのハイブリダイゼーション効率が悪く、定量性に
乏しかった。そのために、RNAを変性させた後、メン
ブランに固定してからハイブリダイゼーション反応を行
うという繁雑性を従来方法は有していた。これに対し
て、前記の本発明方法は、RNAの特定構造部と高い親
和性を有するリボース部修飾核酸プローブを用いている
ので、従来方法に較べて高い温度でハイブリダイゼーシ
ョン反応を行うことができる。それで、RNAの高次構
造の前記悪影響は、前処理としての加熱変性処理、ヘル
パープローブの併用だけで克服可能である。これにより
本発明方法においてハイブリダイゼーション効率は実質
的に100%になり、定量性が向上する。また、従来方
法に較べて格段に簡便になる。
り、好ましくは10〜35、特に好ましくは15〜20
である。60を超える場合は、FISH方法に用いたとき細
胞膜の透過性が悪くなり、本発明の適用範囲を狭めるこ
とになる。5未満の場合は、非特異的ハイブリダイゼー
ションが惹起し易くなり、測定誤差が大きくなる。
においてドナー色素で標識されており、当該核酸プロー
ブが当該末端部において標的核酸にハイブリダイズした
とき、当該プローブにハイブリダイズした標的核酸の末
端塩基から1ないし3塩基離れて、標的核酸の塩基配列
にC(シトシン)またはG(グアニン)が少なくとも1
塩基存在するように、当該プローブの塩基配列が設計さ
れていることである。
ハイブリダイゼーションしたとき、ドナー色素標識部に
おいてプローブ−核酸ハイブリッドの複数塩基対が少な
くとも一つのG(グアニン)とC(シトシン)のペアー
を形成するように、当該プローブの塩基配列が設計され
ていることである。より好ましくは、ドナー色素標識部
位はG(グアニン)またはC(シトシン)塩基か、また
はその塩基を有するヌクレオチドのリン酸基、またはリ
ボースのOH基である。
部位は、ドナー色素が核酸プローブの5’末端部におい
て、塩基、リン酸部またはリボース部を標識していると
きに、アクセプター色素が核酸プローブの鎖中もしくは
3’末端部(3’末端塩基を含む。)である。また、ド
ナー色素が核酸プローブの3’末端部において、塩基、
リン酸部またはリボース部を標識しているときに、アク
セプター色素が核酸プローブの鎖中もしくは5’末端部
(3’末端塩基を含む。)である。末端部を標識する場
合には、両者の色素で、標識してもよい。すなわち、例
えば、両者の一方で、リン酸部を標識し、他方でリボー
ス部、または塩基部を標識してもよい(例えばドナー色
素とアクセプター色素の標識部塩基間距離が0の場合
(下記に記述した。))。また、側鎖を有するスペサー
を用いて、一本のスペサーに両者を結合させてもよい。
本発明においてはドナー色素、アクセプター色素共に鎖
中を標識しておいても前記の条件さえ充たせばよいこと
は勿論である。前記各部位における蛍光色素の結合位置
は、OH基、またはアミノ基にスペサーを介して結合さ
せるのが好適である。
基間距離は、本質的にはドナー色素とアクセプター色素
の色素ペアーの種類に依存するが、一般的には0〜50
塩基、好ましくは0〜40塩基、より好ましくは0〜3
5塩基、特に好ましくは0〜15塩基である。50塩基
を越えると、FRET現象が不安定になる。15〜50塩基
では、アクセプター色素の蛍光強度は減少するが、ドナ
ー色素の蛍光強度は増加する場合がある。すなわち、核
酸プローブが標的核酸にハイブリダイズしたとき、核酸
プローブの立体構造が変化する場合がある。そしてその
変化により核酸プローブの色素間のFRET現象が解消する
場合が出てくる。ドナー色素に対するアクセプター色素
のクエンチング作用(消光作用)とドナー色素に対する
GCの水素結合体の当該作用の大小に依存して、ドナー
色素の蛍光強度がハイブリダイゼーション前より増加し
たり、減少したりする。GCの水素結合体のクエンチン
グ作用の方が大きいときは減少するが、小さいときは増
加する。15塩基未満の場合は、ハイブリダイゼーショ
ン後において、ドナー色素およびアクセプター色素の蛍
光強度は共に減少する。そして減少量はハイブリダイゼ
ーション後の核酸プローブの立体構造に依存しなくな
り、測定反応系の標的核酸の濃度だけに依存するように
なる。ハイブリダイゼーション後において、ドナー色素
およびアクセプター色素の蛍光強度は共に減少させる場
合、特に好ましい塩基数は0〜10塩基である。
形態は、ドナー色素とアクセプター色素の前記標識部塩
基間距離を有し、ドナー色素がBODIPY FL、 BODIPY 493
/503、 5-FAM、 Tetramethylrhodamine、または6-TAMRA
で、またアクセプター色素がBODIPY 581/591、X−ロー
ダミンで、5’末端塩基がGまたはCで、かつ5’末端
がドナー色素で標識されているものか、または、核酸プ
ローブの3’末端塩基がGまたはCで、かつ3’末端が
ドナー色素で標識されているものである。
の構造は上記の通りである。このような構造になってい
ると、励起されたドナー色素のエネルギーは標的核酸に
ハイブリダイズしていないときは、アクセプター色素に
転移するので、アクセプター色素が発光して、蛍光強度
を有している。それで、ドナー色素も発光が抑制されて
いるので、蛍光強度も低いレベルに保たれている。とこ
ろが、核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズする
と、ドナー色素のエネルギーはプローブ−核酸ハイブリ
ッド複合体により生ずるGCの水素結合体の方に転移す
る。また、核酸プローブの立体構造が変化してFRET現象
が解消する場合も出てくる。それで、アクセプター色素
の発光が減少する。
ドは、通常の一般的オリゴヌクレオチドの製造方法で製
造できる。例えば、化学合成法、プラスミドベクター、
ファージベクター等を使用する微生物法等で製造できる
(Tetrahedron letters、 22巻、 1859〜1862頁、 1981
年; Nucleic acids Research、 14巻、6227〜6245頁、1
986年)。尚、現在、市販されている核酸合成機を使用
するのが好適である(例えば、ABI394(Perkin Elmer社
製、USA))。
には、従来公知の標識法のうちの所望のものを利用する
ことができる(Nature Biotechnology、 14巻、 303〜3
08頁、 1996年; Applied and Environmental Microbiol
ogy、 63巻、 1143〜 1147頁、 1997年; Nucleic acids
Research、 24巻、 4532〜4535頁、 1996年)。例え
ば、5´末端に蛍光色素分子を結合させる場合は、先
ず、常法に従って5´末端のリン酸基にスペーサーとし
て、例えば、-(CH2)n-SHを導入する。これらの導入体は
市販されているので市販品を購入してもよい(メドラン
ド・サーテイファイド・レージント・カンパニー(Midl
and Certified Reagent Company))。この場合、nは
3〜8、好ましくは6である。このスペーサーにSH基
反応性を有する蛍光色素またはその誘導体を結合させる
ことにより標識したオリゴヌクレオチドを合成できる。
このようにして合成された蛍光色素で標識されたオリゴ
ヌクレオチドは、逆相等のクロマトグラフィー等で精製
して本発明の核酸プローブとすることができる。
も標識できる。この場合は、リボースまたはデオキシリ
ボースの3’位CのOH基にスペーサーとして、例え
ば、-(CH2)n-NH2を導入する。これらの導入体も前記と
同様にして市販されているので市販品を購入してもよい
(メドランド・サーテイファイフド・レージント・カン
パニー(Midland Certified Reagent Company))。ま
た、リン酸基を導入して、リン酸基のOH基にスペサー
として、例えば、-(CH2)n-SHを導入する。これらの場
合、nは3〜8、好ましくは4〜7である。このスペー
サーにアミノ基、SH基に反応性を有する蛍光色素また
はその誘導体を結合させることにより標識したオリゴヌ
クレオチドを合成できる。
識できる。塩基のアミノ基またはOH基を5’または
3’末端の方法と同様にして本発明の色素で標識すれば
よい(ANALYTICAL BIOCHEMISTRY 225, 32-38頁(1998
年))。アミノ基を導入する場合、キット試薬(例え
ば、Uni-link aminomodifier(CLONTECH社製、米国)、
フルオ・リポターキット(FluoReporter Kit) F-6082、
F-6083、 F-6084、 F-10220(いずれもモレクキュラー
・プローベ(Molecular Probes)社製、米国))を用い
るのが便利である。そして、常法に従って当該オリゴリ
ボヌクレオチドに蛍光色素分子を結合させることができ
る。このようにして合成されたオリゴヌクレオチドは、
逆相等のクロマトグラフィー等で精製して本発明の核酸
プローブとすることができる。
は作製できる。作製された本発明の核酸測定用核酸プロ
ーブは、標的核酸にハイブリダイズしたときに、プロー
ブ−核酸ハイブリッド複合体の発光の蛍光強度が、複合
体を形成する前に較べて著しく減少する。そして、一種
類のドナー色素に複数のアクセプター色素の組み合わせ
ができるので、その組み合わせの数の核酸プローブがで
きる。しかも前記性質を有している。実際の核酸測定に
おいては、アクセプター色素の蛍光強度の減少を測定す
ることになるので、一つの励起波長で多種類の核酸プロ
ーブを同時に使用できることになる。そのことは、同一
測定系内に多種類の標的核酸が存在する場合に、このよ
うな核酸プローブを同時に添加すれば、一つの励起波長
で多種類の核酸を同時に測定できることになる。すなわ
ち、単純な装置で多種類の核酸を同時に測定できること
になる。
製された核酸プローブを使用して、標的核酸を測定する
方法である。すなわち、少なくとも一種以上の標的核酸
が存在する測定系に、本発明の前記1〜10の少なくと
もいずれか一に記載の核酸測定用核酸プローブであっ
て、当該標的核酸にハイブリダイズする核酸測定用の核
酸プローブで、かつ標的核酸の種の数と少なくとも同数
の種の数でかつ発光蛍光色の異なる核酸測定用プローブ
を存在させ、核酸測定用プローブと標的核酸をハイブリ
ダイズさせて、核酸測定用プローブの種の数と少なくと
も同数の種の数の波長で、ハイブリダイゼーション前後
における測定波長の蛍光強度の減少量を測定することを
特徴とする核酸測定方法である。また、その測定キッ
ト、その測定のためのデータ解析方法、その測定装置、
およびデータ解析過程をコンピュータに実行させるため
の手順をプログラムとして記録したコンピュータ読取可
能な記録媒体である。
以上の標的核酸が存在する測定系」とは、単数種または
複数種の標的核酸が測定系に存在するという意味であ
る。また、「本発明の前記1〜10の少なくともいずれ
か一に記載の核酸測定用核酸プローブ」とは、次のよう
な意味である。本発明において、測定系に単数種の標的
核酸が存在する場合に、測定系に存在させる核酸測定用
核酸プローブの種は単数種でも複数種でもよい。この
「複数でもよい」とは、一種の標的核酸に塩基配列の異
なった複数部位にハイブリダイズする複数の種の核酸測
定用核酸プローブを使用してもよいという意味である。
する場合は、少なくとも複数種の核酸測定用核酸プロー
ブを存在させることを特徴としている。そしてその種類
の数は標的核酸種と少なくとも同数である。そして、こ
の「少なくとも同数」とは、一種の標的核酸に、複数種
の核酸測定用プローブがハイブリダイズする塩基配列部
位を設定して、一種の標的核酸に対して複数種の核酸測
定用プローブを測定系に存在させてもよいという意味で
ある。また、前記単数種および複数種の標的核酸が測定
系に存在する場合における「複数種の核酸測定用プロー
ブ」とは、次のような意味である。すなわち、(1)本
発明の前記1〜10のいずれか一に記載の核酸測定用核
酸プローブの中の種類の異なった複数のプローブであ
る。例えば、プローブの形態若しくは構造は同じである
が、互いに標識する色素が単に異なったプローブを例に
挙げることができる。(2)プローブの形態若しくは構
造が異なった核酸測定用プローブの組合せであるが、互
いに標識色素が異なった複数種の核酸測定用プローブで
ある。すなわち、前記1〜10の各項にまたがった核酸
プローブでもよいという意味である。例えば前記5に記
載のプローブの種類の中の一種のプローブ、前記6に記
載のプローブの種類の中の一種のプローブと前記10に
記載のプローブの種類の中の一種のプローブの組合せ
で、互いに標識色素が異なった複数種の核酸測定用プロ
ーブなどのこという(なお、この例示により本発明は何
ら限定されるものではない。)。前記の定義は以下の記
載事項においても同様であるものとする。
の標的核酸が存在する測定系における標的核酸の多型
(polymorphism)または/および変異(mutation)を解
析もしくは測定する方法において、前記1〜10の少な
くともいずれか一に記載の核酸プローブであって、標的
核酸の種の数と少なくとも同数の種の数で、かつ発光蛍
光色の異なる核酸測定用プローブを測定系に存在させ、
標的核酸と核酸測定用プローブをハイブリダイズさせ
て、核酸測定用プローブの種の数と少なくとも同数の種
の数の波長で、ハイブリダイゼーション前後における測
定波長の蛍光強度の減少量を測定することを特徴とする
標的核酸の多型または/および変異を解析もしくは測定
する方法、その測定キット、その測定のためのデータ解
析方法、その測定装置、およびデータ解析過程をコンピ
ュータに実行させるための手順をプログラムとして記録
したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
核酸測定だけでなく、標的核酸の多型(polymorphism)
または/および変異(mutation)を解析もしくは測定す
る方法に好適に利用できる。特に下記に述べるDNAチ
ップ(蛋白質 核酸 酵素、43巻、2004〜201
1ページ、1998年)と併用することにより便利な方
法を提供する。すなわち、本発明の核酸プローブとのハ
イブリダイゼーションにおいて、GCペアーを形成する
かどうかにより、蛍光強度が変化する。それで、本発明
の核酸プローブを標的核酸にハイブリダイズさせ、発光
強度を測定することにより、標的核酸の多型(polymorp
hism)または/および変異(mutation)を解析もしくは
測定することができる。具体的方法は、実施例に記し
た。この場合、標的核酸は各種の核酸増幅方法のうちの
一つの方法により増幅された増幅物でもよいし、抽出さ
れたものでもよい。また標的核酸はその種類を問わな
い。ただ、鎖中または末端にグアニン塩基またはシトシ
ン塩基が存在しておればよい。鎖中または末端にグアニ
ン塩基またはシトシン塩基が存在しないと蛍光強度が減
少しない。よって、本発明方法により、G→A、G←
A、C→T、C←T、G→C、G←Cの変異、または置
換、すなわち、1塩基多型(single nucleotide polymo
rphism (SNP))などの多型(polymorphism )等を解析
もしくは測定することができる。なお、現在、多型分析
は、マキサム・ギルバート(Maxam-Gilbert)法、ジデオ
キシ(dideoxy)法を用いて標的核酸の塩基配列を決定
することにより行われているのが現状である。
の多型(polymorphism)および変異(mutation)を解析
もしくは測定する測定キットに含有させることにより、
標的核酸の多型(polymorphism)または/および変異
(mutation)を解析もしくは測定する測定キットとして
好適に使用することができる。
または/および変異(mutation)を解析もしくは測定す
る方法により得られるデータを解析する場合に、標的核
酸が本発明の核酸プローブとハイブリダイズしたときの
反応系の蛍光強度値を、前記のものがハイブリダイズし
ていないときの反応系の蛍光強度値により補正する処理
過程を設けると、処理されたデータは信頼性の高いもの
になる。それで第3発明は、標的核酸の多型(polymorp
hism)または/および変異(mutation)を解析もしくは
測定する方法のためのデータ解析方法を提供する。
morphism)または/および変異(mutation)を解析もし
くは測定する測定装置において、標的核酸が本発明の核
酸プローブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強
度値を、前記のものがハイブリダイズしていないときの
反応系の蛍光強度値により補正処理する手段を有するこ
とを特徴とする標的核酸の多型(polymorphism)または
/および変異(mutation)を解析もしくは測定する測定
装置である。
morphism)または/および変異(mutation)を解析もし
くは測定する方法により得られるデータを解析する場合
に、標的核酸が本発明の核酸プローブとハイブリダイズ
したときの反応系の蛍光強度値を、前記のものがハイブ
リダイズしていないときの反応系の蛍光強度値により補
正する処理過程をコンピュータに実行させるための手順
をプログラムとして記録したコンピュータ読取可能な記
録媒体である。
酸プローブを複数個固体支持体表面に結合させ、それに
標的核酸をハイブリダイズさせて標的核酸を測定するこ
とができるようにしたことを特徴とする複数の核酸の濃
度をそれぞれ測定するためのデバイス、そのデバイスに
おいて、核酸プローブが固体支持体表面にアレー状に配
列、結合させた複数核酸をそれぞれ測定するためのデバ
イス(チップ)であり、また、固体支持体表面に結合さ
せられた核酸プローブ毎に、反対側の表面に少なくとも
一つの温度センサーとヒーターが設置され、核酸プロー
ブ結合領域が最適温度条件になるように温度調節され得
るデバイスである。
(支持層)表面、例えばスライドガラスの表面に固定す
ることができる。この形式は現在DNAチップと言われ
る。遺伝子発現(gene expression)のモニタリング、
塩基配列(base sequence)の決定、変異解析(mutati
on analysis)、1塩基多型(single nucleotide polym
orphism (SNP))などの多型解析(polymorphism analys
is)等に使用できる。勿論、核酸測定用デバイス(チッ
プ)として使用することもできる。
ラスの表面に結合させるには、ポリリジン、ポリエチレ
ンイミン、ポリアルキルアミンなどのポリ陽イオンをコ
ートしたスライドガラス、アルデヒド基を導入したスラ
イドガラス、アミノ基を導入したスライドガラスを先ず
用意する。そして、i)ポリ陽イオンをコートしたスライ
ドガラスには、プローブのリン酸基を反応させる、ii)
アルデヒド基を導入したスライドガラスには、アミノ基
を導入したプローブを反応させる、iii)アミノ基を導入
したスライドガラスには、PDC(pyridinium dichrom
ate)導入、アミノ基またはアルデヒド基導入したプロ
ーブを反応させる、などにより達成できる(Fodor,P.A.,
et al.,Science,251,767-773(1991); Schena,M.,et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,93,10614-10619(199
6);McGal,G.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,93,1
3555-13560(1996);Blanchad,A.P.,et al.,Biosens.Bioe
lectron.,11,687-690(1996))。
面にアレー状に配列、結合させたデバイスは核酸測定が
より便利になる。この場合、塩基配列の異なる多くの本
発明の核酸プローブを、個別に同一固体表面上に結合し
ているデバイスをつくることにより、同時に多種類の標
的核酸を測定できる。このデバイスにおいては、プロー
ブ毎に、前記固体の本発明の核酸プローブを結合した面
と反対側の面に少なくとも一つの温度センサーとヒータ
ーを設け、そのプローブを結合した前記固体の領域が最
適温度条件になるように温度調節され得るように設計さ
れているのが特に好適である。
的操作は、核酸プローブを結合した固体表面上に標的核
酸を含む溶液をのせ、ハイブリダイズさせるだけであ
る。これにより、標的核酸量に応じて蛍光量の変化がお
こり、その蛍光変化量から標的核酸の測定が可能とな
る。また、一つの固体表面上に塩基配列の異なる本発明
の核酸プローブを多数種結合させることにより、一度に
多くの標的核酸の濃度を測定することができる。それ
で、DNAチップと全く同じ用途で標的核酸の測定に使
用できるので新規のDNAチップである。最適の反応条
件では標的核酸以外の核酸は蛍光の発光量を変化させな
いために、未反応な核酸を洗浄する操作は必要がない。
更に、微小ヒーターにて本発明の核酸プローブ毎に温度
コントロールすることにより、当該プローブ毎に最適反
応条件にコントロールできるために正確な濃度の測定が
可能となる。また、微小ヒーターにて温度を連続的に変
化させ、その間、蛍光量を測定することにより、本発明
の核酸プローブと標的核酸との解離曲線を解析すること
ができる。その解離曲線の違いからハイブリダイズした
核酸の性質の判定や、SNPの検出ができる。
蛍光色素で修飾されていない核酸プローブを固体表面に
結合(固定:fix)し、それに蛍光色素で標識した標的
核酸をハイブリダイズさせた後、ハイブリダイズしてい
ない標的核酸を洗い流して、残存している蛍光色素の蛍
光強度を測定していた。蛍光色素で標的核酸を標識する
には、例えば、特定mRNAを標的とした場合、次のス
テップ(steps)を取る:(1)細胞から抽出されたm
RNA全部を抽出する。(2)それから、逆転写酵素
(reverse transcriptase)を用いて、蛍光色素で修飾
されヌクレオサイドをとり込ませながらcDNAを合成
する。本発明ではこのような操作は必要がない。
ポットしてあるが、その各々のプローブにハイブリダイ
ズする核酸の最適ハイブリダイゼーション条件、例え
ば、温度等は各々異なる。よって本来であれば、プロー
ブ毎(スポット毎)に、ハイブリダイゼーション反応、
洗浄操作を最適な条件で行う必要がある。しかし、それ
は物理的に不可能であるので、すべてのプローブ毎に同
一の温度でハイブリダイゼーションを行い、また、洗浄
も同一温度で同一洗浄液で行われている。それで、ハイ
ブリダイゼーションが期待されている核酸がハイブリダ
イズしなかったり、ハイブリダイズしてもハイブリダイ
ゼーションが強固でないので容易に洗い流されてしまう
等の欠点を有していた。そのような原因で核酸の定量性
が低いものであった。本発明ではこの洗浄操作が必要な
いのでこのような欠点を有しない。また、スポットの底
に微小ヒータを設け、ハイブリダイゼーション温度をコ
ントロールすることで、本発明のプローブ毎に最適温度
でハイブリダイゼーション反応を行わせることができ
る。それで、本発明は定量性が格段に向上したものであ
る。
測定用の核酸プローブまたはデバイスを使用すること
で、少なくとも一種以上の標的核酸が存在する測定系に
おいて、標的核酸を短時間で、簡便かつ特異的に測定す
ることができる。以下に測定法を述べる。本発明の測定
方法において、先ず、測定系に本発明の核酸測定用の標
的核酸に対応する核酸プローブを標的核酸の種の数と少
なくとも同数の種の数あて添加し、標的核酸にハイブリ
ダイズさせる。その方法は、通常の既知方法で行なうこ
とができる(Analytical Biochemistry、 183巻、 231
〜244頁、 1989年; NatureBiotechnology、 14巻、 303
〜308頁、 1996年; Applied and Environmental Microb
iology、 63巻、 1143-1147頁、 1997年)。例えば、ハ
イブリダイゼーションの条件は、塩濃度が0〜2モル濃
度、好ましくは0.1〜1.0モル濃度、pHは6〜
8、好ましくは6.5〜7.5である。
ローブが標的核酸の特異的部位にハイブリダイズして得
られる核酸ハイブリッド複合体のTm値±10℃の範囲
内であるのが好ましい。このようにすることにより非特
異的なハイブリダイゼーションを防止することができ
る。Tm−10℃未満のときは、非特異的ハイブリダイ
ゼーションが起こり、Tm+10℃を越えるときは、ハ
イブリダイゼーションが起こらない。尚、Tm値は本発
明の核酸測定用の核酸プローブを設計するのに必要な実
験と同様にして求めることができる。すなわち、本発明
の核酸測定用の核酸プローブとハイブリダイズする(当
該核酸プローブに対して相補する塩基配列の)オリゴヌ
クレオチドを前記の核酸合成機等で化学合成し、当該核
酸プローブとの核酸ハイブリッド複合体のTm値を通常
の方法で測定する。測定系に複数の標的核酸が存在する
ときは複数の核酸ハイブリット複合体の平均値を採用し
てもよいし、最も重要視している標的核酸のものを採用
してもよい。
間、好ましくは5秒間〜90分間である。1秒間未満の
ときは、ハイブリダイゼーションにおいて未反応の本発
明の核酸プローブが多くなる。また、反応時間を余り長
くしても特に意味がない。なお、反応時間は核酸種、す
なわち、核酸の長さ、あるいは塩基配列によって大きく
影響を受ける。前記のようにして、本発明の核酸測定用
の核酸プローブを標的核酸にハイブリダイズさせる。そ
して、ハイブリダイゼーションの前後で、ハイブリダイ
ゼーション反応系の蛍光強度を、添加した核酸測定用プ
ローブの種の数と少なくとも同数の種の数の波長で蛍光
光度計で測定し、各波長におけるその減少量を計算す
る。その減少量の大きさは標的核酸の濃度と比例するの
で、標的核酸の濃度を求めることができる。
0.0nMであるのが好ましい。反応液中の本発明の核
酸プローブの濃度:1.0〜25.0nMであるが好ま
しい。検量線を作成する場合は、標的核酸に対して、本
発明の核酸プローブを1.0〜2.5の比率で用いるの
が望ましい。
する場合、上記の条件で先ず、検量線を作成する。標的
核酸が複数の場合は、標的核酸に対応した本発明の各核
酸プローブの各測定波長ついて検量線を作成する。そし
て、複数の濃度に対応する本発明の核酸プローブを試料
に添加して、それぞれ蛍光強度値の減少を測定する。そ
して、測定された蛍光強度の減少値のうちの最大なもの
に対応するプローブ濃度を好ましいプローブ濃度とす
る。好ましい濃度のプローブで測定された蛍光強度の減
少値をもって、検量線から標的核酸の定量値を求めるこ
とになる。
測定方法、例えば、FISH方法、PCR方法、LCR
方法、SD方法, 競合的ハイブリダイゼーション方法、
TAS方法、 などに適用する発明である。
くは一種類以上の微生物が動物や植物由来の細胞と共に
混在していて、相互に単離できない微生物系(複合微生
物系、共生微生物系)の細胞内もしくは細胞のホモジネ
ート等の核酸測定に好適に適用できる。ここでいう微生
物とは一般的にいう微生物のことで、特に限定されるも
のではない。例えば、真核微生物、原核微生物、その
他、マイコプラズマ、ウイルス、リッケチャ等を挙げる
ことができる。そして、この系でいう標的核酸とは、こ
れらの微生物系において、例えば、どのように活躍して
いるのか調べたい菌株の細胞に特異性を有する塩基配列
をもつ核酸のことである。例えば、特定菌株の5SrR
NA、16SrRNAもしくは23SrRNAまたはそ
れらの遺伝子DNAの特定配列である。
は共生微生物系に添加し、特定菌株の5SrRNA、1
6SrRNAもしくは23SrRNAまたはそれらの遺
伝子DNAの量を測定することにより、当該系における
特定菌株の存在量を測定することできる。尚、複合微生
物系または共生微生物系のホモジネートに前記核酸プロ
ーブを添加して、ハイブリダイゼーション前後における
蛍光色素の発光の減少量を測定して特定菌株の存在量を
測定する方法も、本発明の技術的範囲内とする。
ある。即ち、本発明の核酸プローブを添加する前に、複
合微生物系または共生微生物系の温度、塩濃度、pHを
前記の条件に調整する。複合微生物系または共生微生物
系における特定菌株は、細胞数として107〜1012個
/ml、好ましくは109〜1010個/mlに調整する
ことが好適である。それは希釈、または遠心分離等によ
る濃縮等で行うことができる。細胞数が107個/ml
未満のときは、蛍光強度が弱く、測定誤差が大きくな
る。1012個/mlを超えるときは、複合微生物系また
は共生微生物系の蛍光強度が強すぎるため、特定微生物
の存在量を定量的に測定することができなくなる。
複合微生物系または共生微生物系における特定菌株の細
胞数に依存する。細胞数1×108/mlに対して0.
1〜10.0nM濃度、好ましくは0.5〜5nM濃
度、より好ましくは1.0nM濃度である。0.1nM
未満のときは、特定微生物の存在量を正確に反映したデ
ータにならない。しかし、最適な本発明の核酸プローブ
の量は、細胞内の標的核酸量に依存するために一概には
いえない。
定菌株の5SrRNA、16SrRNAもしくは23S
rRNAまたはその遺伝子DNAにハイブリダイズさせ
るときの反応温度は、前記した条件と同様である。ま
た、その反応時間も前記の条件と同様である。前記のよ
うな条件で本発明の核酸プローブを特定菌株の5SrR
NA、16SrRNAもしくは23SrRNAまたはそ
れの遺伝子DNAにハイブリダイズさせ、ハイブリダイ
ゼーション前後の複合微生物系または共生微生物系の蛍
光色素の発光の減少量を測定する。
光の減少量は、複合微生物系または共生微生物系におけ
る特定菌株の存在量と比例する。それは5SrRNA、
16SrRNAもしくは23SrRNAまたはそれらの
遺伝子DNAの量と特定菌株の存在量とが比例するから
である。
は共生微生物系における微生物以外の成分は、本発明の
核酸プローブと特定菌株の5SrRNA、16SrRN
Aもしくは23SrRNAまたはそれらの遺伝子DNA
とのハイブリダイゼーションを阻害しない限り、また、
本発明の核酸プローブの蛍光色素の発光を阻害をしない
限り、特に限定されない。例えば、KH2PO4、K2HPO4、Na
H2PO4、Na2HPO4等のリン酸塩、硫安、硝安、尿素等の無
機窒素類、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カル
シウムイオン等の金属イオンの各種塩類、マンガン、亜
鉛、鉄、コバルトイオン等の微量金属イオンの硫酸塩、
塩酸塩、炭酸塩等の各種塩類、更にビタミン類等が適当
に含まれていてもよい。もし、上記の阻害が観察される
場合は、遠心分離等の操作で複数の微生物が混在する細
胞系から細胞を分離し、再び緩衝液系等に懸濁すればよ
い。
酸緩衝液、トリス・塩酸緩衝液、トリス・グリシン緩衝
液、クエン酸緩衝液、グット緩衝液等の各種緩衝液をも
用いることができる。緩衝液の濃度は、ハイブリダイゼ
ーション、FRET現象、蛍光色素の発光を阻害しない濃度
である。その濃度は緩衝液の種類に依存する。緩衝液の
pHは4〜12、好ましくは5〜9である。
あるが、リアルタイム定量的PCR方法に適用する場合
を以下に記す。即ち、リアルタイム定量的PCR方法に
おいて、本発明の核酸測定用の核酸プローブを用いてP
CRを行い、反応前後の反応系の蛍光強度の減少をリア
ルタイムで測定するものである。本発明のPCRとは各
種方法のPCRを意味するものである。例えば、RT−
PCR、RNA−primed PCR、Stretch PCR、逆
PCR、Alu配列を利用したPCR、多重PCR、混
合プライマーを用いたPCR、PNAを用いたPCR法
等をも含む。また、定量的とは、本来の定量測定の他
に、検出程度の定量測定をも意味するのは前記同様であ
る。
定する核酸のことを云う。精製の有無を問わない。ま
た、濃度の大小も問わない。各種の核酸が混在していて
もよい。例えば、複合微生物系(複数微生物のRNAも
しくは遺伝子DNAの混在系)または共生微生物系(複
数の動植物および/または複数微生物のRNAもしくは
遺伝子DNAの混在系)における増幅目的の特定核酸で
ある。尚、標的核酸の精製が必要な場合は従来公知の方
法で行うことができる。例えば、市販されている精製キ
ット等を使用して行うことができる。
dGTP、dCTP、dTTPもしくはdUTP、標的
核酸(DNAまたはRNA)、Taqポリメラーゼ、プ
ライマー、ならびに蛍光色素で標識した核酸プローブも
しくはインターカレーターを用いてMgイオンの存在下
に、温度を低温、高温を繰り返しつつ標的核酸を増幅
し、増幅過程の蛍光色素の発光の増加量をリアルタイム
でモニタリングするものである(実験医学、15巻、7
号、46〜51ページ、1997年、羊土社)。
一種以上の標的核酸を増幅させるに当たり、標的核酸の
種の数と、少なくとも同数の種の数の本発明の核酸プロ
ーブを用いて標的核酸を増幅させ、増幅過程において、
核酸プローブの種の数と少なくとも同数の種の数の波長
で反応系の蛍光強度の減少量を測定することを特徴とす
るものである。本発明の定量的PCRにおいて、本発明
の核酸測定用の核酸プローブは、どれでも好適に利用で
きるが、その塩基数は5〜50であり、好ましくは10
〜25、特に好ましくは15〜20で、PCRサイクル
中に標的核酸の増幅産物とハイブリダイズするものであ
れば、どのようなものでもよい。また、フォワード(fo
rward)型、リバース(reverse)型のどちらに設計して
もよい。
以下のものを挙げることができる。 (1)核酸プローブが、標的核酸にハイブリダイゼーシ
ョンしたとき、ドナー色素標識部においてプローブ−核
酸ハイブリッドの複数塩基対が少なくとも一つのG(グ
アニン)とC(シトシン)のペアーを形成するように、
当該プローブの塩基配列が設計されていることである。
より好ましくは、 (2)前記(1)のうち、ドナー色素標識部位はG(グ
アニン)またはC(シトシン)塩基か、またはその塩基
を有するヌクレオチドのリン酸基、またはリボースのO
H基である。そして、アクセプター色素は3’末端塩基
を含まない3’末端部もしくは鎖中である。 (3)前記(2)のうち、アクセプター色素は鎖中で
も、ドナー色素標識部位に近い方に標識されている核酸
プローブである。
ー色素が核酸プローブの5’末端部塩基もしくは5’末
端塩基を標識しているときに、アクセプター色素が核酸
プローブの鎖中もしくは3’末端部の塩基を標識してい
る核酸プローブはプライマーとして利用できるようにし
てあるものである。
核酸の塩基配列から、どうしても3’もしくは5’末端
がGまたはCに設計できない場合は、標的核酸の塩基配
列から設計したプライマーであるオリゴヌクレオチドの
5’末端に、5’−グアニル酸もしくはグアノシンまた
は5’−シチジル酸もしくはシチジンを付加しても、本
発明の目的は好適に達成できる。3’末端に5’−グア
ニル酸または5’−シチジル酸を付加しても、本発明の
目的は好適に達成できる。よって、本発明において、
3’または5’末端の塩基がGまたはCになるように設
計した核酸プローブとは、標的核酸の塩基配列から設計
したプローブの他に、当該のプローブの5’末端に5’
−グアニル酸もしくはグアノシンまたは5’−シチジル
酸もしくはシチジンを付加してなるプローブ、ならびに
当該のプローブの5’末端に5’−グアニル酸または
5’−シチジル酸を付加してなるプローブを含むものと
定義する。
(2)ドナー色素が核酸プローブの3’末端部塩基
(3’末端塩基を含む。)または3’末端のリボース若
しくはデオキシリボースを標識しているときに、アクセ
プター色素が核酸プローブの鎖中もしくは5’末端部の
塩基を標識している核酸プローブはプライマーとして利
用されないように設計したものである。FRET現象を用い
るリアルタイム定量的PCR方法において使用する(蛍
光色素で標識した)二つのプローブの代わりに、一つの
本発明の核酸プローブを用いてPCRを行うものであ
る。PCRの反応系に当該プローブを添加し、PCRを
行う。核酸伸長反応時、標的核酸もしくは増幅標的核酸
にハイブリダイズしていた当該プローブがポリメラーゼ
により分解され、核酸ハイブリッド複合体から分解除去
される。このときの反応系または核酸変性反応が完了し
た反応系の蛍光強度値を測定する。また、標的核酸もし
くは増幅した増幅標的核酸が当該プローブとハイブリダ
イズしている反応系(アニーリング反応、もしくはポリ
メラーゼにより当該プローブが核酸ハイブリッド複合体
から除かれるまでの核酸伸長反応時の反応系)の蛍光強
度値を測定する。そして、前者からの蛍光強度値の減少
率を算出することにより増幅された核酸を測定する。当
該プローブが標的核酸もしくは増幅標的核酸から、核酸
変性反応により完全に解離するか、または核酸伸長時に
ポリメラーゼにより当該プローブと標的核酸もしくは増
幅標的核酸との核酸ハイブリッド複合体から分解除去さ
れたときは蛍光強度値は大きい。しかし、当該プローブ
が標的核酸もしくは増幅標的核酸に十分にハイブリダイ
ズしているアニーリング反応が完了している反応系もし
くは核酸伸長反応時にポリメラーゼにより当該プローブ
と標的核酸もしくは増幅標的核酸との核酸ハイブリッド
複合体から分解除去されるまでの反応系の蛍光強度値は
前者より減少している。蛍光強度値の減少は増幅された
核酸量に比例する。
ブリダイズしたときのその核酸ハイブリッド複合体のT
mが、プライマーの核酸ハイブリッド複合体のTm値の
±15℃、好ましくは±5℃の範囲になるように、
(2)のプローブの塩基配列が設計されることが望まし
い。プローブのTm値が、プライマーのTm値−5℃、
特に−15℃未満であると、プローブがハイブリダイズ
しないために、蛍光色素の発光の減少は起こらない。反
対にプライマーのTm値+5℃、特に+15℃を超える
と、プローブが標的核酸以外の核酸ともハイブリダイズ
するので、プローブの特異性が失われる。
プローブは、プライマーとしてPCRの反応系に添加す
るものである。蛍光色素で標識されたプライマーを用い
るPCR方法は本発明以外未だ知られていない。PCR
の反応が進むに従い、増幅された核酸は本発明の実施に
有用な蛍光色素で2次標識される。それで、核酸変性反
応が完了している反応系の蛍光強度値は大きいが、アニ
ーリング反応が完了しているかもしくは核酸伸長反応時
の反応系においては、反応系の蛍光強度は前者の蛍光強
度より減少する。
反応条件で行うことができる。それで、Mgイオン濃度
が低濃度(1〜2mM)である反応系で標的核酸の増幅
を行うことができる。勿論、従来公知の定量的PCRに
おいて使用されている高濃度(2〜4mM)のMgイオ
ン存在下の反応系でも本発明は実施できる。
のPCRを行い、使用した本発明プローブの種の数と少
なくとも同数の種の数の波長でその増幅産物について核
酸の融解曲線を分析を行って標的核酸のTm値を求める
ことができる。この方法は新規な核酸の融解曲線の分析
方法である。本方法において本発明のPCR方法に用い
た核酸プローブまたはプライマーとして用いた本発明の
核酸プローブが好適に利用できる。この場合、本発明の
核酸プローブの塩基配列を、SNP(スニップ;一塩基
置換多型)を含む領域と相補的な配列にすることで、P
CR終了後、その核酸の本発明の核酸プローブから解離
曲線を解析することにより、その解離曲線の違いからS
NPの検出ができる。本発明の核酸プローブの配列とし
てSNPを含む配列と相補的な塩基配列を使用すれば、
プローブ配列とSNPを含む配列との解離曲線より得ら
れるTm値は、SNPを含まない配列との解離曲線から
得られるTm値より高くなる。
定量的PCR方法ので得られるデータを解析する方法の
発明である。リアルタイム定量的PCR方法は、現在、
PCRを行わせる反応装置、蛍光色素の発光を検出する
装置、ユーザーインターフェース、即ち、データ解析方
法の各手順をプログラム化して、それを記録したコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体(別称:Sequence Detec
tion Software System)、およびそれらを制御し、デ
ータ解析するコンピュータから構成される装置で、リア
ルタイムで測定されている。それで、本発明の測定もこ
のような装置で行われる。
の解析装置から説明する。本発明において用いる装置
は、PCRをリアルタイムでモニタリングできる装置で
あればどのような装置でもよいが、例えば、ABI PRISM
TM 7700 塩基配列検出システム(Sequence Detection S
ystem SDS 7700)(パーキン・エルマー・アプライド・バ
イオシステム社(Perkin Elmer Applied Biosytems社、
USA))、ライトサイクラーTM システム(ロシュ・ダイア
グノスティックス株式会社、ドイツ)等を特に好適なも
のとして挙げることができる。
熱変性反応、アニーリング反応、核酸の伸長反応を繰り
返し行う装置(例えば、温度を95℃、60℃、72℃
に繰り返し行うことができる。)である。また、検出シ
ステムは、蛍光励起用アルゴンレーザー、スペクトログ
ラフならびにCCDカメラからなっている。更に、デー
タ解析方法の各手順をプログラム化して、それを記録し
たコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュー
タにインストールされて使用され、コンピュータを介し
て上記のシステムを制御し、検出システムから出力され
たデータを解析処理するプログラムを記録したものであ
る。
録されているデータ解析用プログラムは、サイクルごと
の蛍光強度を測定する過程、測定された蛍光強度を、サ
イクルの関数として、すなわちPCRのamplification
plotとしてコンピュータのデスプレー上に表示する過
程、蛍光強度が検出され始めるPCRサイクル数(thre
shold cycle number:Ct)を算出する過程、Ct値から
試料核酸のコピー数を求める検量線を作成する過程、前
記各過程のデータ、プロット値を印字する過程、からな
っている。PCRが指数的に進行している場合、PCR
開始時の標的核酸のコピー数のLog値と、Ctとの間
には直線関係が成り立つ。従って標的核酸の既知量のコ
ピー数を用いて検量線を作成し、未知コピー数の標的核
酸を含有するサンプルのCtを検出することにより、標
的核酸のPCR開始時のコピー数を計算できる。
析する方法、解析装置およびその解析をコンピュータに
実行させるための解析手順をプログラムとして記録した
コンピュータ読取可能な記録媒体などデータ解析方法等
のPCR関連発明は、前記のようなリアルタイム定量的
PCR方法で得られたデータを解析する方法である。以
下に各特徴について記す。第一の特徴は、リアルタイム
定量的PCR方法で得られたデータを解析する方法にお
いて、各サイクルにおける増幅した核酸が蛍光色素と結
合したとき、あるいは増幅した核酸が本発明の核酸プロ
ーブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光強度値
を、各サイクルにおける前記の蛍光色素と核酸が結合し
たもの、すなわち蛍光色素−核酸複合体、あるいは前記
本発明の核酸プローブと標的核酸がハイブリダイズした
もの、すなわち核酸ハイブリッド複合体が解離したとき
の反応系の蛍光強度値により補正する演算処理過程、即
ち、補正演算処理過程である。
とき、あるいは増幅した標的核酸が本発明の核酸プロー
ブとハイブリダイズしたときの反応系」とは、具体的に
例示すると、PCRの各サイクルにおける40〜85
℃、好ましくは50〜80℃の反応温度を有する核酸伸
長反応あるいはアニーリングのときの反応系を挙げるこ
とができる。そして、反応が完了した反応系を意味す
る。実際の温度は増幅した核酸の長さに依存する。ま
た、「前記の蛍光色素−核酸複合体、あるいは前記の核
酸ハイブリッド複合体が解離したときの反応系」とは、
PCRの各サイクルにおける核酸の熱変性の反応系、具
体的には、反応温度90〜100℃、好ましくは94〜
96℃のときのもので、反応が完了した系を例示でき
る。
本発明の目的に合致するものであればどのようなもので
もよいが、具体的には、次の〔数式1〕あるいは〔数式
2〕による処理過程を含むものを例示することができ
る。 fn=fhyb,n/fden,n 〔数式1〕 fn=fden,n/fhyb,n 〔数式2〕 〔式中、 fn:〔数式1〕あるいは〔数式2〕により算出された
n次サイクルにおける補正演算処理値、 fhyb,n:n次サイクルにおける、増幅した核酸が蛍光
色素と結合したとき、あるいは増幅した核酸が本発明の
核酸プローブとハイブリダイズしたときの反応系の蛍光
強度値、 fden,n:n次サイクルにおける、前記の蛍光色素−核
酸複合体、あるいは核酸ハイブリッド複合体が解離した
ときの反応系の蛍光強度値〕 尚、本過程においては、上記の処理で得られた補正演算
処理値をコンピュータのデスプレー上に表示および/ま
たは当該値を各サイクル数の関数としてグラフの形で同
様に表示および/または印字するサブステップを含むも
のである。
1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処理値を次の
〔数式3〕あるいは〔数式4〕に代入し、各サンプル間
の蛍光変化割合あるいは蛍光変化率を算出し、それらを
比較するデータ解析方法である。
式4〕により算出された蛍光変化割合あるいは蛍光変化
率、 fn:n次サイクルにおける〔数式1〕あるいは〔数式
2〕による補正演算処理値 fa:〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算処
理値で、fnの変化が観察される以前の任意のサイクル
数のものであるが、通常は、例えば、10〜40サイク
ルのもの、好適には15〜30サイクルのもの、より好
適には20〜30サイクルのものが採用される。〕 尚、本過程においては、上記処理で得られた算出値コン
ピュータのデスプレー上に表示および/または印字す
る、または比較値もしくは当該値を各サイクル数の関数
としてグラフの形で同様に表示および/または印字する
サブステップを含むものであるが、〔数式1〕あるいは
〔数式2〕による補正演算処理値については、上記サブ
ステップを適用しても、しなくともよい。
いは〔数式4〕により算出された蛍光変化割合あるいは
蛍光変化率のデータを用いて、〔数式5〕、〔数式6〕
あるいは〔数式7〕による演算処理する過程、 logb(Fn)、ln(Fn) 〔数式5〕 logb{(1−Fn)×A}、ln{(1−Fn)×A} 〔数式6〕 logb{(Fn−1)×A}、ln{(Fn−1)×A} 〔数式7〕
は自然数である。そして、A=100、b=10のとき
は、{(Fn−1)×A}は百分率(%)で表わされ
る。 Fn:〔数式3〕あるいは〔数式4〕により算出された
nサイクルにおける蛍光変化割合あるいは蛍光変化
率〕、(3.2)前記(3.1)の演算処理値が一定値
に達したサイクル数を求める演算処理過程、(3.3)
既知濃度の核酸試料におけるサイクル数と反応開始時の
標的核酸のコピー数の関係式を計算する演算処理過程、
(3.4)未知試料におけるPCR開始時の標的核酸の
コピー数を求める演算処理過程、を有するデータ解析方
法である。そして、(3.1)→(3.2)→(3.
3)→(3.4)の順からなる過程が好適である。
それぞれの処理で得られた演算処理値をコンピュータの
デスプレー上に表示および/または当該値を各サイクル
数の関数としてグラフの形で前記同様に表示および/ま
たは印字するサブステップを含むものであってもよい。
前記(3.4)の過程で得られた演算処理値は、少なく
とも印字される必要があるので、当該過程は印字するサ
ブステップを含む。前記(3.4)で得られた演算処理
値を更にコンピュータのデスプレイ上に表示してもよ
い。尚、〔数式1〕あるいは〔数式2〕による補正演算
処理値、〔数式3〕あるいは〔数式4〕による算出処理
値を、各サイクル数の関数としてグラフの形でコンピュ
ータのデスプレー上に表示および/または印字しても、
しなくてもよいので、それらの表示および/または印字
のサブステップは必要に応じて追加すればよい。
的PCR方法が蛍光色素の発光の減少量を測定するもの
である場合に特に有効である。その具体例として、前記
の本発明のリアルタイム定量的PCR方法である。
の解析装置において、前記本発明のリアルタイム定量的
PCR方法のためのデータ解析方法を実行する演算およ
び記憶手段を有するリアルタイム定量的PCRの測定お
よび/または解析装置である。
の解析装置を用いてPCRを解析するデータ解析方法の
各手順をプログラム化して、そのプログラムを記録した
コンピュータ読取可能な記録媒体において、前記本発明
のデータ解析方法の各手順をコンピュータに実行させる
ことができるようにしたプログラムを記録したコンピュ
ータ読取可能な記録媒体である。
曲線の分析方法、即ち、本発明のPCR方法を行って核
酸のTm値を求める方法によって得られるデータを解析
する方法である。即ち、本発明のPCR法により増幅さ
れた核酸について、低い温度から核酸が完全に変性する
まで、温度を徐々に上げる過程(例えば、50〜95
℃)、この過程において、短い時間間隔(例えば、0.
2〜0.5℃の温度上昇に相当する間隔)で蛍光強度を
測定する過程、測定結果を時間の関数としてデスプレー
上に表示する過程、即ち、核酸の融解曲線を表示する過
程、この融解曲線を微分して微分値(−dF/dT、
F:蛍光強度、T:時間)を得る過程、その値を微分値
としてデスプレー上に表示する過程、その微分値から変
曲点を求める過程からなる、解析方法である。本発明に
おいては、蛍光強度は温度が上がるごとに増加する。本
発明においては、各サイクルにおける核酸伸長反応時、
好ましくはPCR反応終了時の蛍光強度値を熱変性反応
時の蛍光強度値を用いて割る演算処理する過程を上記の
過程に追加することにより、より好ましい結果が得られ
る。
解析方法に、本発明の核酸の融解曲線の分析をする方法
を追加してなる本発明のリアルタイム定量的PCRの測
定および/または解析装置も本発明の技術的範囲内であ
る。
曲線の分析をする方法の各手順をコンピュータに実行さ
せることができるようにしたプログラムを記録したコン
ピュータ読取可能な記録媒体、また、前記本発明のPC
R方法のデータ解析方法の各手順をコンピュータに実行
させることができるようにしたプログラムを記録したコ
ンピュータ読取可能な記録媒体において、本発明の核酸
の融解曲線の分析をする方法の各手順をコンピュータに
実行させることができるようにしたプログラムを追加し
て記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
よび記録媒体は、医学、法医学、人類学、古代生物学、
生物学、遺伝子工学、分子生物学、農学、植物育種学等
の各種の分野で利用できる。また、複合微生物系、共生
微生物系と云われ、色々の種類の微生物が混在するかも
しくは少なくとも一種類の微生物が他の動物、植物由来
の細胞と共に混在していて相互に単離できない微生物系
等に好適に利用できる。ここで云う微生物とは一般的に
云う微生物のことで、特に限定されるものではない。例
えば、真核微生物、原核微生物、その他マイコプラズ
マ、ウイルス、リッケチャ等を挙げることができる。
および記録媒体の一つまたはそれ以上を用いて、複合微
生物系または共生微生物系における特定菌株の5SrR
NA、16SrRNAもしくは23SrRNAまたはそ
れらの遺伝子DNAのコピー数を定量することにより、
当該系における特定菌株の存在量を測定することができ
る。それは、5SrRNA、16SrRNAもしくは2
3SrRNAの遺伝子DNAのコピー数は菌株よって一
定であるからである。本発明においては、複合微生物系
または共生微生物系のホモジネートを用いて、本発明の
リアルタイム定量的PCRを行い、特定菌株の存在量を
測定することが可能である。この方法も、本発明の技術
的範囲内とする。
に具体的に説明する。 実施例1核酸プローブの合成: 標的核酸Aの塩基配列をオリゴデ
オキシリボヌクレオチドからなる(5')tgc cat ccc ctc
aat gg(3')として、本発明の核酸プローブの合成を次の
順序で行った。
配列が前記の通りであるから核酸プローブの塩基配列は
簡単にオリゴデオキシリボヌクレオチドからなる(5')cc
a ttg agg gga tgg ca(3')と設計できた。また本発明の
核酸プローブを以下のようにデザインした。5’末端の
リン酸にドナー色素BODIPY FL(Molecular Probes社、US
A)を、5’末端から4番目のチミンの塩基環の6位Cの
OH基にアクセプター色素BODIPY 581/591(Molecular
Probes社、D-2228、USA)を標識するものとした(BODIPY
FL-(5')cca (BODIPY 581/591)ttg agg gga tgg ca(3')
なるデザイン:核酸プローブ1)。
ch社、米国)を用いてチミジル酸のリン酸基をリンカー
−(CH2)6-SHで修飾した。Amino-Modifier C2dTキット
(Glen Research社、米国)を用いてチミジンの塩基環
の6位CのOH基をリンカー-(CH2)7-NH2で修飾した。
これらの修飾チミジル酸およびチミジンを用いて、DN
A合成機(ABI394)(株式会社パーキンエルマージャパ
ンアプライド)を用いて、次の塩基配列を有するオリゴ
ヌクレオチドを合成した。すなわち、HS-(CH2)6-(5')cc
a (H2N-(CH2)7-)ttg agg gga tgg ca(3')の塩基配列を
もつデオキシリボオリゴヌクレオチドで、5’末端のリ
ン酸基が前記リンカー-(CH2)6-SHで、また5’末端から
4番目チミンの塩基環の6位CのOH基がリンカー-(CH
2)7-NH2で修飾されている。なお、DNAの合成はβ−
シアノエチルフォスフォアミダイト(2-cyanoethylphos
phoramidite)法で5’末端TrONで行った。合成し
た後、保護基の脱離は28%アンモニア水で55℃、5
時間で行った。
ヌクレオチドを乾固し乾固物を得た。それを0.5M NaHCO
3/Na2CO3緩衝液(pH9.0)に溶解した。当該溶解物をNAP
-10カラム(ファルマシア社製)でゲルろ過を行い、未
反応物を除去した。
固し、150μLの滅菌水に溶解した(オリゴヌクレオチド
A溶液)。1mgのBODIPY 581/591-NHS(Molecular Probes
社、USA)を100μLのDMF(ジメチルホルムアミド)に溶
解し、前記オリゴヌクレオチドA溶液、1M NaHCO3/Na2C
O3バファー150μLを加え、撹拌後、室温で1晩反応させ
た。
ルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去し
た。次いで、2%TFAで保護基を脱離した。SEP-PAC C18カ
ラムを用いる逆相HPLCを行い、前記オリゴヌクレオチド
のリンカー-(CH2)7-NH2にアクセプター色素BODIPY 581/
591を結合せた目的物を分画した。分画物をNAP-10(フ
ァルマシア社製)でゲル濾過した。
し、150μLの滅菌水に溶解した(オリゴヌクレオチドB
溶液)。1mgのBODIPY FL-Chloride(Molecular Prob
es社、USA)を100μLのDMFに溶解し、前記オリゴヌクレ
オチドB溶液、1M NaHCO3/Na2CO3バファー150μLを加
え、撹拌後、室温で1晩反応させ、5’末端のリンカー
-(CH2)6-SHにドナー色素BODIPY FLを結合させた。
ルマシア社製)でゲルろ過を行い、未反応物を除去し
た。前記同様の逆相HPLCを行い、5’末端より4番目の
チミン塩基に前記アクセプター色素BODIPY 581/591を結
合させたオリゴヌクレオチドで、かつ5’末端にドナー
色素BODIPY FLを付加した本発明の核酸プローブ、すな
わち、ドナー色素とアクセプター色素で標識された本発
明の核酸プローブ1を得た。なお、本発明の核酸プロー
ブは前記アクセプター色素を結合させたオリゴヌクレオ
チドより遅れて溶出された。
計で260nmの値を測定することにより行った。ま
た、当該プローブについて、分光光度計を用いて650
〜220nmの吸光度のスカンニグを行った結果、BODI
PY FL、BODIPY 581/591、DNAの吸収があることを確
認した。さらに、前記同様の逆相HPLCで精製物の純
度検定を行った結果、シングルピークであることを確認
した。
件は次の通りである: 溶出ソルベントA:0.05N TEAA 5%CH3CN 溶出ソルベントB(グラジエント(gradient)用):0.
05N TEAA 40%CH3CN カラム:SEP-PAK C18;6×250mm 溶出速度:1.0ml/min 温度:40℃ 検出:254nm
((5')cca (BODIPY 581/591)ttg agg gga tgg ca
(3'))(核酸プローブ2)の合成: 5’末端のリン酸基
にドナー色素BODIPY FLで標識する操作を除く以外は核
酸プローブ1と同様な操作で合成した。 実施例3ドナー色素BODIPY FLのみ標識したプローブ((BODIPY
FL)(5')cca ttg agg ggatgg ca(3'))(核酸プローブ
3)の合成: 5’末端のリン酸基にアクセプター色素BO
DIPY 581/591で標識する操作を除く以外は核酸プローブ
1と同様な操作で合成した。
様にして、(5')tgc cat ccc ctc aat gg(3')なる塩基
配列のオリゴヌクレオチドを合成して、本発明の標的核
酸とした。
応系の蛍光強度測定: 石英セル(10mm×10mm)(容量4m
L)に500μL緩衝液(120mM NaCl(終濃度30mM)、120mM T
ris-HCl(終濃度30mM;pH=7.2)を添加し、次に1460μLの
滅菌蒸留水を添加し撹拌した。そこに、8.0μLの本発明
の核酸プローブ1または核酸プローブ2(10μM)溶液
を添加して(核酸プローブ終濃度40nM)撹拌した。30℃
に保温して蛍光波長をスキャンした(励起波長:490nm
(8nm幅))、測定蛍光波長:580nm(8nm幅)。つい
で、反応系を60℃に制御した後、10μM濃度の標的核酸
溶液32.0μLを添加し(標的核酸終濃度160nM)、撹拌し
た。そして蛍光波長をスキャンした。ついで、温度を3
0℃に制御して核酸プローブと標的核酸をハイブリダイ
ズさせ、蛍光波長をスキャンした。その結果を表1およ
び2に示した。なお、恒温セルホルダーとして、東京理
科機器(株)製晶析用プログラム低温循環装置PCC-7000
を使用してセルの温度(反応温度)を制御した。また、
蛍光測定はパーキンエルマー社製蛍光光度計LS50Bを使
用した。
81/591の蛍光強度を測定したものであり、表2において
はドナー色素の蛍光強度を測定したものである。 表1から次のことが分かる:すなわち、ハイブリダイゼ
ーション前のアクセプター色素の蛍光強度は、核酸プロ
ーブ1+標的核酸の実験系において、核酸プローブ2+
標的核酸の実験系のものに比較して極端に高いことがわ
かる。これは、核酸プローブ1においては、ドナー色素
であるBODIPY FLとアクセプター色素であるBODIPY 581/
591の間でFRET現象がおこり、アクセプター色素が発光
したことによるものである。一方核酸プローブ2では分
子内にドナー色素を有さないために、FRET現象が発生せ
ず、蛍光を発することがなかった。
プローブ1+標的核酸の実験系において、大きく減少し
た。核酸プローブ2+標的核酸の蛍光強度の実験系のも
のは、殆ど変化なかった。これは、核酸プローブ1と標
的核酸がハイブリダイズしたことにより、ドナー色素が
GC水素結合体に接近したために、エネルギーがGC水
素結合体の方に転移したためである。
イゼーション前のドナー色素の蛍光強度は、核酸プロー
ブ1+標的核酸の実験系において、核酸プローブ2+標
的核酸の実験系のものに比較して極端に高いことがわか
る。これは、核酸プローブ1においては、ドナー色素で
あるBODIPY FLとアクセプター色素であるBODIPY 581/59
1の間でFRET現象がおこり、ドナー色素のエネルギーが
アクセプター色素の方へ転移したことによるものであ
る。一方核酸プローブ3では分子内にアクセプター色素
を有さないために、FRET現象が発生せず、蛍光を発した
ことによる。
プローブ1+標的核酸の実験系において、僅かに減少し
たのみである。これは、標的核酸にハイブリダイズした
ことにより、ドナー色素がGC水素結合体に接近したた
めに、そのエネルギーがアクセプター色素からGC水素
結合体の方に転移したためである。一方、核酸プローブ
3+標的核酸の蛍光強度の実験系のものは、著しく減少
した。これは、標的核酸にハイブリダイズしたことによ
り、ドナー色素がGC水素結合体に接近したために、発
光に費やしていたエネルギーがGC水素結合体の方に転
移したためである。表1および2から分かるように、本
発明の核酸プローブは、標的核酸にハイブリダイズする
とドナー色素およびアクセプター色素の蛍光強度が共に
減少するように設計されたものである。
(5')aacgatgcca tggatttgg(3')なる塩基配列のオリゴデ
オキシリボヌクレオチドを合成した。また、前記実施例
と同様にして、アクセプター色素としてX−ローダミン
を、ドナー色素としてBODIPY FLを標識し、前記標的核
酸Bにハイブリダイズする本発明の核酸プローブ4を作
製した。核酸プローブ4は下記の構造を有した:BODIPY
FL-(5')ccaaat(X-Rhodamine)ccat ggcatca tt(3')。
本発明の核酸プローブ1および4を添加し標的核酸Aと
核酸プローブ1を、および標的核酸Bと核酸プローブ4
をハイブリダイズさせた反応系の蛍光強度測定:石英セ
ル(10mm×10mm)(容量4mL)に500μL緩衝液
(120mM NaCl(終濃度30mM)、120mM Tris-H
Cl(終濃度30mM;pH=7.2)を添加し、次に146
0μLの滅菌蒸留水を添加し撹拌した。そこに、8.0
μLの本発明の核酸プローブ1および核酸プローブ4
(10μM)溶液を添加して(核酸プローブ終濃度40n
M)撹拌した。45℃に保温して蛍光強度を測定した。
(プローブ1:蛍光測定波長、580nm(5nm幅);
プローブ4:測定波長、610nm(5nm幅); 励起波
長(共通):490nm(8nm幅))。ついで、表3に示
した各濃度について標的核酸AおよびBの各溶液32.
0μLを添加し、撹拌した。そして蛍光強度を測定し
た。その結果を表3に示した。なお、恒温セルホルダ
ー、蛍光測定装置等は前記実施例と同様なものを使用
し、方法も前記実施例と同様に行った。
10nmにおける蛍光強度は、ハイブリダイゼーション後
は添加した標的核酸濃度に応じて減少している。励起光
490nmの場合、580nmの蛍光強度は本発明のプロ
ーブ1のものであり、610nmのものは本発明のプロー
ブ4のものである。このように、測定系に複数の標的核
酸が存在していても、本発明の核酸プローブとそれを用
いた核酸測定方法を用いることにより、複数の標的核酸
を同時にかつ簡便に測定できることが分かる。
成されているので、標的核酸にハイブリダイズすると、
蛍光強度がハイブリダイゼーション前後で、ドナー色素
およびアクセプター色素の蛍光強度が共に顕著に減少す
るので、標的核酸を微量でしかも、正確かつ簡便、短時
間に測定できる。また、ドナー色素は、エネルギーがG
C水素結合体の方に転移できるものであるので、その種
類が限定されるが、アクセプター色素はそのような性質
がなくともよいので、エネルギー転移を受ける性質を有
していれば、種々の色素が利用できる。ということは、
本発明において一つのドナー色素(一つの励起波長)で
種々の蛍光色を発する(蛍光波長の異なる)核酸プロー
ブを製作できることになる。このことは、多種類の核酸
を測定する核酸測定装置において、励起用レーザー一種
類を備えておればよいので、励起するための光学系を単
純にする。すなわち核酸測定装置の設計・製作も容易に
なる。また、励起用レーザーが一波長しかない単純な核
酸測定装置でも多種類の核酸プローブを使用できるの
で、多種類の標的核酸を同時に測定できる。
Claims (16)
- 【請求項1】 FRET現象を引き起こす蛍光色素ペアーす
なわちドナー色素になり得る蛍光色素(ドナー色素)と
アクセプター色素になり得る蛍光色素(アクセプター色
素)のペアーを少なくとも一ペアーを形成するように複
数の蛍光色素で標識された一本鎖の核酸プローブにおい
て、当該プローブが標的核酸にハイブリダイズしたとき
に、アクセプター色素の蛍光強度が減少するように塩基
配列が設計され、かつ前記色素が標識されていることを
特徴とする核酸測定用の新規核酸プローブ。 - 【請求項2】 ドナー色素およびアクセプター色素の蛍
光強度が共に減少する請求項1に記載の核酸測定用の新
規核酸プローブ。 - 【請求項3】 ドナー色素となり得る蛍光色素がBODIPY
FL、BODIPY 493/503、5-FAM、Tetramethylrhodamine、
または6-TAMRAである請求項1または2に記載の核酸測
定用の新規核酸プローブ。 - 【請求項4】 ドナー色素とアクセプター色素の一対の
色素ペアーを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載
の核酸測定用の新規核酸プローブ。 - 【請求項5】 核酸プローブが、その末端部においてド
ナー色素で標識されており、当該核酸プローブが当該末
端部において標的核酸にハイブリダイズしたとき、当該
プローブにハイブリダイズした標的核酸の末端塩基から
1ないし3塩基離れて、標的核酸の塩基配列にG(グア
ニン)が少なくとも1塩基存在するように、当該プロー
ブの塩基配列が設計されている請求項1〜4のいずれか
一項に記載の核酸測定用の新規核酸プローブ。 - 【請求項6】 核酸プローブが、標的核酸にハイブリダ
イゼーションしたとき、ドナー色素標識部においてプロ
ーブ−核酸ハイブリッドの複数塩基対が少なくとも一つ
のG(グアニン)とC(シトシン)のペアーを形成する
ように、当該プローブの塩基配列が設計されている請求
項1〜5のいずれか一項に記載の核酸測定用の新規核酸
プローブ。 - 【請求項7】 ドナー色素が核酸プローブの5’末端部
(5’末端を含む。)を標識している請求項1〜6のい
ずれか一項に記載の核酸測定用の新規核酸プローブ。 - 【請求項8】 ドナー色素が核酸プローブの3’末端部
(3’末端を含む。)を標識している請求項1〜7のい
ずれか一項に記載の核酸測定用の新規核酸プローブ。 - 【請求項9】 核酸プローブの5’末端塩基がGまたは
Cで、かつ5’末端がドナー色素で標識されている請求
項7に記載の核酸測定用の新規核酸プローブ。 - 【請求項10】 核酸プローブの3’末端塩基がGまた
はCで、かつ3’末端がドナー色素で標識されている請
求項8に記載の核酸測定用の新規核酸プローブ。 - 【請求項11】 少なくとも一種以上の標的核酸が存在
する測定系に、請求項1〜10の少なくともいずれか一
項に記載の核酸測定用の新規核酸プローブであって、当
該標的核酸にハイブリダイズする核酸測定用の新規核酸
プローブで、かつ標的核酸の種の数と少なくとも同数の
種の数でかつ発光蛍光色の異なる核酸測定用の新規核酸
プローブを存在させ、核酸測定用の新規核酸プローブと
標的核酸をハイブリダイズさせて、核酸測定用の新規核
酸プローブの種の数と少なくとも同数の種の数の波長
で、ハイブリダイゼーション前後における測定波長の蛍
光強度の減少量を測定することを特徴とする新規核酸測
定方法。 - 【請求項12】 少なくとも一種以上の標的核酸が存在
する測定系における標的核酸の濃度を測定するキットに
おいて、請求項1〜10の少なくともいずれか一項に記
載の核酸プローブを含有または付帯することを特徴とす
る核酸測定用キット。 - 【請求項13】 少なくとも一種以上の標的核酸が存在
する測定系における標的核酸の多型(polymorphism)ま
たは/および変異(mutation)を解析もしくは測定する
方法において、請求項1〜10の少なくともいずれか一
項に記載の核酸測定用の新規核酸プローブであって、標
的核酸の種の数と少なくとも同数の種の数で、かつ発光
蛍光色の異なる核酸測定用の新規核酸プローブを測定系
に存在させ、標的核酸と核酸測定用の新規核酸プローブ
をハイブリダイズさせて、核酸測定用の新規核酸プロー
ブの種の数と少なくとも同数の種の数の波長で、ハイブ
リダイゼーション前後における測定波長の蛍光強度の減
少量を測定することを特徴とする標的核酸の多型または
/および変異を解析もしくは測定する方法。 - 【請求項14】 少なくとも一種以上の標的核酸が存在
する測定系の標的核酸の多型または/および変異を解析
もしくは測定する測定キットにおいて、請求項1〜10
の少なくともいずれか一項に記載の核酸測定用の新規核
酸プローブを含有または付帯することを特徴とする標的
核酸の多型または/および変異を解析もしくは測定する
ための測定キット。 - 【請求項15】 請求項11または13に記載の核酸測
定方法において、標的核酸が、純粋分離して得た微生物
由来、または動物由来であることを特徴とする核酸測定
方法。 - 【請求項16】 標的核酸が、複合微生物系、または共
生微生物系の細胞内もしくは細胞のホモジネートに含ま
れる核酸である請求項11または13に記載の核酸測定
方法。
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JP2002088887A JP2002355084A (ja) | 2001-03-27 | 2002-03-27 | 新規核酸プローブおよびそれを用いる新規核酸測定方法 |
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JP2001090556 | 2001-03-27 | ||
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- 2002-03-27 JP JP2002088887A patent/JP2002355084A/ja active Pending
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