JP2002340232A - 上折り曲げ付カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】ケーブルラックまたは設備用ダクトの開口
部に位置するカバー端部側縁に、該端部から上方に向け
て屈曲した補強曲片２を形成する。隣接するカバー１の
補強曲片２相互を突き当てて連設する。補強曲片２は、
鉛直上方に向けて突出する突当部２Ａと、この突当部２
Ａからカバー方向に向けて略水平に屈曲された係止部２
Ｂとを有する。 【効果】平形カバーの強度を高め、装着時や運搬時の変
形を防止することが可能である。カバー相互の連続端部
を密着状態で突き当てることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主に幅広のケーブ
ルラックや各種設備用ダクトの開口部を施蓋するのに好
適な上折り曲げ付カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ケーブルラックや各種のダクトを
施蓋する場合に、図８に示すような平形カバー１０と称
するカバーが使用されている。この平形カバー１０は、
薄鋼板を使用したもので、ケーブルラックや各種ダクト
の側縁に係止する係止側縁１１をカバー１０の両側縁に
屈曲形成したものである。

【０００３】従来の平形カバー１０を使用する際に、平
形カバー１０の幅員が広くなるに連れて、カバーの中央
部位１２が薄鋼板の自重によって垂れ下がるなどの変形
を生じることがある。そこで、従来では、ケーブルラッ
クの開口部に、棒状の撓み防止具を架設し、平形カバー
の中央部位など、変形しやすい部分をこの撓み防止具で
支持する手段が採られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、平形カバー
を支持する撓み防止具を使用すると、ケーブルラック等
の内部に、この撓み防止具を装着することになるので、
ケーブル等を収納する有効高さが撓み防止具によって規
制されてしまう。この結果、ケーブル等の積載量が減少
する不都合があった。

【０００５】また、平形カバーは、薄い鋼板を使用して
いるのでカバー自体の剛性が弱くなる。このため、製品
を運搬する場合も変形が生じ易い。したがって、運搬時
や保存時等でも、変形を生じさせないようにする充分な
注意を払う必要があった。

【０００６】さらに、平形カバーをケーブルラック等の
分岐部分に使用する場合は、この分岐形状に対応した幅
広の平形カバーが使用される。このような分岐部分に
は、前術の撓み防止具等の装着が困難になるケースが多
い。この場合、幅広の平形カバーの中央部位が撓んで雨
水等が溜まってしまうなどの不都合が生じていた。ま
た、一般的に使用される板材は、1524mm×3048mmまでの
大きさしかなく、それ以上のサイズを必要とするカバー
は、必ず分割式となる。平形カバーの場合、分割する
と、より撓みが大きくなってしまう。

【０００７】一方、屋外で使用されるケーブルラックや
ダクトは、風雨にさらされるため、平形カバーの継ぎ目
などから雨水や埃等が浸入しないように、ケーブルラッ
クやダクトの外側を押さえるカバークランプや、カバー
クリップなどを使用して平形カバーを固定している。し
かしながら、このようなカバークランプやカバークリッ
プなどを使用しても、平形カバーの付き合わせ部分に生
じる撓みによって、この付き合わせ部分に隙間が発生し
てしまうので、この隙間から雨水や埃が浸入するのを防
止することは困難であった。

【０００８】そこで本発明は、上述の課題を解消すべく
創出されたものであり、平形カバーの強度を高め、装着
時や運搬時の変形を防止することが可能で、カバー相互
の連続端部を密着状態で突き当てることが可能な上折り
曲げ付カバーの提供を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべく
本発明の第１の手段は、ケーブルラックまたは設備用ダ
クトの開口部を施蓋する薄鋼板製のカバー１において、
ケーブルラックまたは設備用ダクトの開口部に位置する
カバー端部側縁に、該端部から上方に向けて屈曲した補
強曲片２を形成し、隣接するカバー１の補強曲片２相互
を突き当てて連設することにある。

【００１０】第２の手段の補強曲片２は、鉛直上方に向
けて突出する突当部２Ａと、この突当部２Ａからカバー
方向に向けて略水平に屈曲された係止部２Ｂとを有する
ものである。

【００１１】第３の手段において、補強曲片２の一方
は、鉛直上方に向けて突出する突当部２Ａと、この突当
部２Ａからカバー１方向に向けて略水平に屈曲された係
止部２Ｂとを有し、補強曲片２の他方は、鉛直上方に向
けて突出する突当部２Ａから、前記係止部２の上面に嵌
合する嵌合部２Ｃを屈曲形成し、これら一対の補強曲片
２を突き当てたときに係止部２Ｂと嵌合部２Ｃとを嵌合
させるものである。

【００１２】第４の手段は、補強曲片２に外嵌するカバ
ークランプ３を形成し、このカバークランプ３を連続す
る補強曲片２相互に被着することを課題解消のための手
段とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。

【００１４】本発明上折り曲げ付カバーは、ケーブルラ
ックまたは設備用ダクトの開口部を施蓋する薄鋼板製の
カバー１として形成される。通常は、帯板形状の長手側
縁を屈曲して一対の係止側縁１Ａを形成している。ま
た、ケーブルラック等の分岐部分に使用する場合は、こ
のカバー１を分岐形状に合わせた形状に形成する（図３
参照）。

【００１５】図１及び図２に示すカバー１には、ケーブ
ルラックまたは設備用ダクトの開口部に位置するカバー
端部側縁に、該端部から上方に向けて屈曲した補強曲片
２を形成している。この補強曲片２は、鉛直上方に向け
て突出する突当部２Ａと、この突当部２Ａからカバー方
向に向けて略水平に屈曲された係止部２Ｂとで構成され
ている（図２参照）。また、図３に示すカバー１は、ケ
ーブルラック等の分岐部分に使用するものであるから、
最も撓みが生じ易い中央部を分割し、この分割端部に補
強曲片２を形成している。こうすることで、撓み防止具
等の装着が困難な、幅広の分岐用カバーにおいても、中
央部位が撓んで雨水等が溜まってしまうなどの不都合を
解消できる。

【００１６】図４に示す補強曲片２に、カバークランプ
３を外嵌させている。このカバークランプ３は、断面略
コ字形状を成し、開放端部を更に内側に向けて屈曲する
ことで、一対の支持片３Ａを設けている。同図のカバー
クランプ３は、補強曲片２を内部に収納した状態で被着
している。

【００１７】図５に示すカバー１は、補強曲片２におけ
る突当部２Ａの高さに対して係止部２Ｂの長さを長めに
形成している。そして、同図に示すカバークランプ３
は、カバー１と係止部２Ｂとの間に挿入する支持片３Ａ
を形成している。この支持片３Ａによると、補強曲片２
と支持片３Ａとが一体になって、より強度に優れた支持
力を発揮する。

【００１８】図６に示すカバー１は、補強曲片２の一方
に、鉛直上方に向けて突出する突当部２Ａと、この突当
部２Ａからカバー１方向に向けて略水平に屈曲された係
止部２Ｂとを形成する。また、他方の補強曲片２に、鉛
直上方に向けて突出する突当部２Ａから、前記係止部２
の上面に嵌合する嵌合部２Ｃを屈曲形成している。そし
て、これら一対の補強曲片２を突き当てたときに係止部
２Ｂと嵌合部２Ｃとを嵌合させる。このように補強曲片
２を嵌合させることで、カバー１相互の密閉性能を著し
く高めることができる。更に、嵌合した補強曲片２にカ
バークランプ３を被着して支持片３Ａを係止部２Ｂの間
にスライド挿入してカバー１相互の位置ずれを防止して
いる。更に、図７に示すカバー１は、カバークランプ３
の代わりに連結ボルト４を使用した例を示し、連続する
一対の補強曲片２相互の突当部２Ａを連結ボルト４で連
結している。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、上述の如く構成したことによ
り、当初の目的を達成する。

【００２０】すなわち、ケーブルラックまたは設備用ダ
クトの開口部に位置するカバー端部側縁に、該端部から
上方に向けて屈曲した補強曲片２を形成し、隣接するカ
バー１の補強曲片２相互を突き当てて連設することによ
り、平形カバーの強度を高め、装着時や運搬時の変形を
防止することが可能になった。また、1524mm×3048mm以
上のサイズを必要とするカバーを分割しても、分割部分
の撓みを防止することができる。

【００２１】また、補強曲片２は、鉛直上方に向けて突
出する突当部２Ａと、この突当部２Ａからカバー方向に
向けて略水平に屈曲された係止部２Ｂとを有するので、
カバー相互の連続端部を密着状態で突き当てることがで
きる。

【００２２】更に、補強曲片２の一方は、鉛直上方に向
けて突出する突当部２Ａと、この突当部２Ａからカバー
１方向に向けて略水平に屈曲された係止部２Ｂとを有
し、補強曲片２の他方は、鉛直上方に向けて突出する突
当部２Ａから、前記係止部２の上面に嵌合する嵌合部２
Ｃを屈曲形成し、これら一対の補強曲片２を突き当てた
ときに係止部２Ｂと嵌合部２Ｃとを嵌合させるものであ
るから、突き当て端部の隙間を完全に塞ぐことができ
る。したがって、カバークランプやカバークリップなど
を使用しても、この付き合わせ部分に隙間が発生してし
まうといった従来の課題は解消され、隙間から雨水や埃
が浸入するのを防止できる。

【００２３】しかも、補強曲片２に外嵌するカバークラ
ンプ３を形成し、このカバークランプ３を連続する補強
曲片２相互に被着することにより、カバー１相互の補強
曲片２をこの係合部３が被覆するので、雨水や埃等の浸
入を完璧に防止することができる。また、カバー１がケ
ーブルラック等の長手方向にずれるのを抑制する効果も
ある。

【００２４】このように、本発明によると、平形カバー
の強度を高め、装着時や運搬時の変形を防止することが
可能で、カバー相互の連続端部を密着状態で突き当てる
ことが可能であるなどといった有益な種々の効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す要部斜視図。

【図２】本発明の一実施例を示す要部側面図。

【図３】本発明カバーの他の実施例を示す平面図。

【図４】本発明のカバークランプの使用状態を示す要部
断面図。

【図５】本発明補強曲片とカバークランプとの他の実施
例を示す要部断面図。

【図６】本発明補強曲片とカバークランプとの他の実施
例を示す要部断面図。

【図７】連結ボルトを使用した実施例を示す要部側面
図。

【図８】従来の平形カバーを示す要部斜視図。

【符号の説明】

１ カバー １Ａ 係止側縁 ２ 補強曲片 ２Ａ 突当部 ２Ｂ 係止部 ２Ｃ 嵌合部 ３ カバークランプ ３Ａ 支持片 ４ 連結ボルト １０ 平形カバー １１ 係止側縁 １２ 中央部位

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーブルラックまたは設備用ダクトの開
   口部を施蓋する平形カバーにおいて、ケーブルラックま
   たは設備用ダクトの開口部に位置するカバー端部側縁
   に、該端部から上方に向けて屈曲された補強曲片を形成
   し、隣接するカバーの補強曲片相互を突き当てて連設す
   ることを特徴とする上折り曲げ付カバー。
2. 【請求項２】 前記補強曲片は、鉛直上方に向けて突出
   する突当部と、この突当部からカバー方向に向けて略水
   平に屈曲された係止部とを有する請求項１記載の上折り
   曲げ付カバー。
3. 【請求項３】 前記補強曲片の一方は、鉛直上方に向け
   て突出する突当部と、この突当部からカバー方向に向け
   て略水平に屈曲された係止部とを有し、補強曲片の他方
   は、鉛直上方に向けて突出する突当部から、前記係止部
   の上面に嵌合する嵌合部を屈曲形成し、これら一対の補
   強曲片を突き当てたときに係止部と嵌合部とを嵌合させ
   る請求項１記載の上折り曲げ付カバー。
4. 【請求項４】 前記補強曲片に外嵌するカバークランプ
   を形成し、このカバークランプを連続する補強曲片相互
   に被着する請求項１乃至３いずれか記載の上折り曲げ付
   カバー。