JP2002235304A - 吸音機構 - Google Patents
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Abstract
た吸音機構において、斜入射成分に対する低域での吸音
特性を向上させ、また、入射角度の違いによる吸音率の
違いを是正することある。 【解決手段】 吸音材料1,201…の背後の空間は所
定の仕切り幅Wで周期的に仕切られており、(C/W)/(1+s
inθ)で示される入射角45度の入射音が示す一次ディ
ップ周波数が、入射角15度以下の入射音における乱入
射吸音率のピーク以下であり、かつ該ピークの値に対し
て前記乱入射吸音率が75%以上である周波数領域に設
定されていることを特徴とする。
Description
音、工事現場の防音、工場の防音、住宅の防音、公共施
設や娯楽施設の防音、ダクトやトンネルの防音、音響特
性を調整するための吸音、その他、音を吸音する必要が
ある箇所に配置される吸音機構に関する。
て、数々の吸音装置が知られている。
維を板状に圧縮成形した多孔質吸音材料1の背後に、所
定の厚さtの背後空気層2を配置した吸音構造が知られ
ている。
空気層が作用され、その厚さtによって吸音周波数のピ
ークが概略決まるものとなっている。
する吸音構造において、t=50mm、多孔質吸音材料とし
て直径=100μmのアルミニウム繊維に有機バインダーを
加えて板状に圧縮成形した厚さ=1.5mm、面密度=2000g
/m2のものを用いた場合の吸音特性を示すものである。
性が示されている。ここで、縦軸は吸音率、横軸は周波
数を示す(以下、同じ)。なお、図2に示す吸音特性
は、コンピューターシミュレーションによって得たもの
である。このコンピューターシミュレーションにより得
られる吸音特性は、実測で得られる吸音特性とぼぼ同一
であり、音響設計手段として有効に利用できることが確
かめられている。
線)からなす角として定義される。例えば、吸音面に垂
直に入射する音波の入射角は0度である。
有する図1の吸音構造においては、低域での吸音特性を
向上させることが課題となる。
での吸音特性を高めるには、背後空気層2の厚みtを大
きくすればよい。
種の壁や高速道路の側壁等である場合が多く、その厚さ
は制限される。従って、低域の吸音特性を高めるため
に、背後空気層2の厚さtを必要とする寸法まで大きく
することは一般には困難な場合が多い。
て、図2に示されるように入射角が大きくなると、吸音
特性がより高域にシフトし、入射角によって吸音率の周
波数特性がずれてしまう点がある。
乱入射する音波に対する平均吸音率、統計吸音率ともい
う)の低域での吸音率を低下させる要因であり、改善さ
れることが望まれる。
向から入射するものであり、広い入射角度にわたって同
じような吸音特性を示す方が吸音構造としては好まし
い。
の角度で入射する音波に対する吸音率が0度の角度で入
射する音波の吸音率に比較して、1250Hz以下の音域にお
いて著しく低下しているが、この45度入射成分に対し
ても0度入射成分と同様な吸音特性を示すことが理想的
である。また、そうすることで、吸音率を各角度の入射
音波において平均化し、乱入射吸音率とした場合におい
て、低域の吸音率を向上させることができることにもな
る。
構において、吸音特性を改善する構造として、図12に
示す特許第2815542号公報に示すようなものが知
られている。この特許は斜入射する音波を考慮したもの
で、背後空気層10を仕切り板11,11…により複数
の独立空間12,12…に仕切ることにより、吸音特性
を高めようとするものである。図中、13は吸音板、1
4は遮音部である。
構造では、図13のグラフに示すように高域の吸音特性
が改善されるだけで低域の吸音特性は改善されていな
い。また、該公報の記載からは、図2に示すような斜入
射成分の吸音特性の高域へのシフトが是正されているか
不明である。
する吸音機構において、斜入射成分に対する低域での吸
音特性を向上させ、また、入射角度の違いによる吸音率
の違いを是正することを解決するべき課題とする。
ば、板状の吸音材料と背後空気層とからなる図1に示す
ような構造の吸音機構において、背後空気層を所定の寸
法周期の仕切り幅Wで仕切ることで、斜入射成分の低域
での吸音率を垂直入射成分以上に改善でき、同時に入射
角度の違いによる吸音特性の違いを是正できることを見
いだし、本発明を得るに至った。
該吸音材料の背後の空間とを備えた吸音機構であって、
前記空間は所定の仕切り幅Wで周期的に仕切られてお
り、(C/W)/(1+sinθ)で示される入射角45度の入射音
が示す一次ディップ周波数が、垂直入射吸音率のピーク
以下であり、かつ該ピークの値に対して前記垂直入射吸
音率が75%以上である周波数領域に設定されているこ
とを特徴とする吸音機構であることを要旨とする。
通りである。
背後の空間を仕切ることで特定の斜入射成分に対する吸
音特性に発生する部分的な吸音率の落ち込み部分の周波
数のことである。
入射する音波に対する吸音率のことであり、残響室にお
いて測定された乱入射吸音率のことを残響室法吸音率と
呼ぶ。乱入射吸音率は、背後からの音波の回り込みを無
視した場合における2π空間から入射する音波の吸音率
を平均化したものとして算出される。
は、45度入射成分を対象として行う。これは、乱入射
吸音率は確率的に45度入射の影響が大きいので、45
度入射成分の吸音特性を制御することで、乱入射吸音率
の吸音特性をほぼ決めることができるからである。
示す一次ディップ周波数を垂直入射音に比較して決定す
るのは、仕切りがない場合において、大きい入射角の入
射音波が示す吸音周波数特性が、図2に示すように高周
波数側にシフトしている影響を排除するためである。
周波数を垂直入射吸音率のピークの値以下とするのは、
本発明の目的が、吸音機構が示す乱入射吸音率の低域側
を改善すること、及び斜入射成分の吸音特性と垂直入射
成分のそれとの違いを是正することにあり、入射角45
度における入射音の低域側の吸音率を高めることが発明
の目的達成のために重要だからである。
ィップ周波数を垂直入射吸音率のピークの値に対して7
5%以上の周波数領域に設定するのは、その範囲以下で
は、ディップ周波数の発生による吸音率の落ち込みの影
響により乱入射吸音率の低域における吸音率の向上効果
が小さくなってしまうからである。また、ディップの2
次モードの悪影響が顕在化するからである。
設けることで、斜入射成分における吸音率特性に特定の
周波数での吸音率の落ち込み(ディップ)が生じ、この
ディップが生じた周波数の低域側においては吸音率の劇
的な改善が得られる現象を利用したものである。
入射角成分の吸音率特性を平均化することで得られる乱
入射吸音率の低域での吸音率の向上させるために、ディ
ップ周波数の生成によって生じる斜入射成分の低域での
吸音率の向上に着目し、この斜入射成分の低域での吸音
率を向上させるのに効果的で、かつ斜入射吸音特性に悪
影響を与えないディップ周波数の適当な設定を、仕切り
幅Wを所定の条件に従って設定することで行い、結果と
して乱入射吸音率の低域での吸音特性を改善するもので
ある。
周波数の低周波側での吸音率の向上効果を利用したもの
であって、ディップ周波数での吸音率の落ち込みによる
影響が乱入射吸音率に極力及ばないようし、かつディッ
プ周波数の低域側における吸音率の向上効果を最大限得
るために、ディップ周波数の設定を特定の周波数範囲に
限定したものである。
率的に最も影響の大きい45度入射成分の低域での吸音
率を最大で3倍程度高めることができ、さらに、垂直入
射成分(0度入射成分)に対する吸音特性(吸音率の周
波数特性)の違いを是正することができる。そして、斜
入射成分の低域での吸音率を向上させることができるの
で、乱入射吸音率における低域側の吸音率を改善するこ
とができ、広い周波数範囲にわたり高い吸音率を有する
吸音機構を得ることができる。
低域側という意味であり、どの帯域に吸音のピークを設
定するかによって、その音域は異なるものとなる。
り幅Wが所定の幅でもって設定されていることを特徴と
する。
%以内の範囲内において、仕切り幅Wの値をばらけさせ
る場合のことを規定したものである。
る程度の幅で設定することができるので、吸音特性の凹
凸をならすことができる。
いて、異なる値の仕切り幅Wが複数設定され、それらが
組み合わされていることを特徴とする。
数設定することで、そのマイナス面を小さくしたり、よ
り広い周波数範囲で吸音を行うことができる吸音機構を
得ることができる。
て、背後の空間がヘルムホルツ共鳴を基本原理とした共
鳴機構の開口部であることを特徴とする。
構を用いた吸音は、開口、該開口でもって外部と連通し
た閉鎖空間でもって構成され、共鳴に必要とされる閉鎖
空間の容積と開口の面積及びその深さで吸音周波数が決
まるので、厚さの寸法が制限された吸音装置において、
より低域まで吸音を行えるものが得られる。
置されていることを特徴とする。
って、低域における吸音率を向上できるので、ここにさ
らにヘルムホルツ共鳴を基本原理とした共鳴機構に組み
合わせることで、低域での吸音特性をより高いものとで
きる。
置し、仕切り幅Wの複数の小空間に背後空気層2を仕切
り、図3のような構造とした場合、図4及び図5に示す
ように仕切り幅Wの寸法によって、吸音特性が変化す
る。
のアルミニウム繊維に有機バインダーを加え、板状に圧
縮成形することで得た厚さ=1.5mm、面密度=2000g/m2
の板状吸音材料1と、その背後の厚さt=50mmの背後空気
層2を備え、さらに背後空気層2を厚さ=1mmのアルミ
ニウム板3によって、一方向に仕切り幅W=300mm、ま
たは仕切り幅W=250mmでもって仕切った構造のもので
ある。
切り板3と直角な方向から入射する音波aの吸音率に関
するもので、仕切り板3の配列方向における入射音波a
だけを対象として考えた場合のものである。即ち、仕切
り板3に平行な方向から入射する音波bを無視した条件
設定において、コンピューターシミュレーションにより
算出された音響特性である。なお、このコンピューター
シミュレーションで得られた吸音特性と実際の吸音特性
とは、高い精度で一致することが確認されている。
仕切り板3があるかないかの違いだけである。それにも
係わらず図2と図4及び図5とを比較すれば明らかなよ
うに、主に斜入射成分の吸音率が大きく異なる。
に示す特性に比較して、斜入射成分の低域での吸音率が
大きく改善されている。例えば、周波数によっては3倍
程度改善されている。
吸音特性とを比較すると、下記のことが分かる。
入射成分(特に45度入射成分)において、部分的に吸
音率が低下する大きなディップ(落ち込み)が存在する
(以下、このディップ部分の周波数を「ディップ周波
数」と定義する)。 ディップ周波数の直前(低域側)において、吸音率
が高まり、それに引っ張られるようにして当該入射角音
波に対する低域全体の吸音率が増加する。 ディップ周波数は入射角によって異なり、その周波
数fは、以下のように示される。f=n(C/W)/(1+sinθ)
…… 式(1) で示される。ここで、n:1,2,3・・、C:音速、
W:仕切り幅間隔、θ:入射角である。
ディップが生じるのは、以下の理由による。
合、反射波は、壁の周期・音波の波長・音波の入射角に
よって決まる、いくつかの特定の方向だけに伝搬するモ
ードを有し(これを伝搬モードという)、この伝搬モー
ドの数が増加する周波数がディップ周波数に相当する。
れる特定の周波数で生成される。そして、ディップ周波
数の低域側では、伝搬モードが生成されず、即ち反射波
は生成されず、逆に周期壁に捕まる音波の割合が増え、
吸収効率が高まる。
の数が増加する周波数(ディップ周波数)においては、
伝搬モードの増加によって反射波成分が強くなり、その
分吸音率が低下するが、ディップ周波数より低い周波数
領域では伝搬モードが形成されず、周期壁が存在するこ
とで、より吸音が行われ易くなる状態となる。
3の厚みを無視すると、その存在は入射角0度(垂直入
射)の音波に対して無視できないから、垂直入射音波に
対しては上記伝搬モードの議論は関係ない。従って、デ
ィップ周波数の存在は、入射角0度以外の斜入射成分に
おいては問題となると考えてよい。
が斜入射した場合、障壁の間隔Wに関係した所定の周波
数において伝搬モードが生成され、その伝搬モードが生
成される周波数では吸音率が低下するディップを生じる
が、その低域側では吸音率が大きく向上する現象を利用
し、このディップ周波数と垂直入射吸音率の周波数特性
との関係を所定のものとすることで、乱入射吸音率がよ
り低域まで伸び、広い周波数範囲にわたって高い吸音率
を示す吸音機構を提供するものである。
音材料と背後空気層とで構成される図3で示されるよう
な古典的な吸音機構以外に、ヘルムホルツ共鳴を基本原
理とし、開口部に吸音材料を配置した吸音機構を採用す
ることもできる。
は、繊維状金属材料を板状に圧縮した板状吸音材料で一
面を塞いだ金属製の箱状構造体であって、内部が縦横に
金属板で仕切られた構造を挙げることができる。
従来多用されていたガラスウール等のセラミックス繊維
材料を吸音材として用いないので、次の優位性がある。 リサイクル性に優れる。 吸音パネルの取付け時や取外し時における作業環境
が悪化しない。 吸音パネルを道路防音用等に用いた場合において、
交通事故等により吸音パネルが破損した場合でも、繊維
材料の飛散がない。 セラミックス繊維材料を用いた場合に問題となる長
期使用時における繊維の「へたり」や「劣化」といった
問題がない。特に、水分による性能低下がない。 セラミックス繊維を用いないので、体育館等の公共
施設に安心して利用できる。
が支持板の役目も果たし、吸音パネルが仕切り板によっ
て補強されるので、極めて強固な構造とすることができ
る。
響的に抵抗性がある各種多孔質吸音材料を用いることが
できる。
れる。
は、吸音パネルの設置場所等の条件によって決めればよ
い。
の厚さが決まり、それにより垂直入射吸音率のピークが
決まる。一般には、垂直入射音の吸音率のピーク周波数
を測定あるいはシミュレーションにより求めればよい。
て、吸音率が75%まで低下する範囲の周波数領域から
特定の周波数fを選択する。そして、式(1)のf=(C/W)
/(1+sinθ)から仕切り幅Wを求める。ここで、θ=45
度、C=音速を代入する。
の仕切り幅Wで背後空気層が仕切られ、表面に吸音材料
が配置された吸音パネルを得る。
いは音響的に障壁となる材質のものを用いるのが一般的
だが、吸音性の材料を用いても良い。
ってもまた縦横に升目状であってもよい。仕切り方が一
方向のみであると、図3(B)に示すような仕切り板3
に垂直な方向からの斜入射成分aにしか発明の効果が得
られないが、縦横に升目状に仕切ると吸音面に平行なあ
らゆる方向からの斜入射成分に対して発明の効果が得ら
れる。
ず、異なる寸法のものを複数組み合わせても良い。
は、ヘルムホルツ共鳴を基本原理とした吸音機構におい
ても同様に適用できる。その場合は、まず垂直入射吸音
率のピークを求め、その後に上述したのと同じ方法によ
り、仕切り幅Wの間隔を決めればよい。
吸音パネルのような構造体に適用する以外に、壁や天井
面を構造の一部に利用することで、壁や天井面に吸音機
構を組み付けた吸音構造に利用することもできる。
曲しているような構造のものに適用することもできる。
するのではなく、その一部で本発明を利用し、他の吸音
機構と複合化あるいは併用するような構造としてもよ
い。
ウム繊維に有機バインダーを加え、板状に圧縮成形する
ことで得た厚さ=1.5mm、面密度=2000g/m2の板状吸音
材料1と、その背後の厚さt=50mmの背後空気層2を備
え、さらに背後空気層2を厚さ=1mmのアルミニウム板
製の仕切り板3によって一方向に仕切り幅W=300mm、
または幅W=250mmでもって仕切った構造を有する吸音
構造である。
は、1100Hz付近となる。また、そのピークから低域側に
おいて、吸音率が75%まで低下するのは、約520Hzであ
る。
ける入射音波aだけを対象として考え、仕切り板3に平
行な方向から入射する入射音波bを無視した条件設定に
おいて、コンピューターシミュレーションにより算出さ
れた吸音特性を示す。なお、このコンピューターシミュ
レーションで得られた吸音特性と実際の吸音特性とは高
い精度で一致することが確認されている。
入射の1次ディップ周波数を約670Hzに設定するため、
式(1)のf=(C/W)n/(1+sinθ)式から算出される仕切り
幅W≒300mmとしたものである。
s、n=1、θ=45度を代入することで仕切り幅W≒300mmを
求めた。
配置しなかった場合における吸音特性であるが、図2と
図4とを比較すると、入射角が15度以下の吸音特性は
両者でほとんど変わらず、特に入射角が0度の吸音特性
は、両者で全く同一であることが分かる。
対象として垂直入射吸音特性を利用するのは、この仕切
り板3の有無に吸音特性が左右されないことに起因す
る。
上の吸音特性が、ディップ周波数の影響があるとはい
え、ディップ周波数である約650Hz以下の低域側におい
て劇的に改善されていることが分かる。
が、0度及び15度入射の吸音特性に近づき、むしろ上
回ったものとなっていることが分かる。
45度入射の吸音特性は悪化しているが、その値は図2
の従来構造に対応する値と同レベルであり、仕切り板3
を配置したことで、ディップ周波数領域の吸音率が低下
している訳ではない。
度入射及び45度入射の吸音特性が暴れているが、これ
も総合的な吸音特性に悪影響を与えるものではない。
波数を800Hzに設定するため、式(1)f=(C/W)n/(1+sin
θ)式から得られた仕切り幅W≒250mmを採用した場合の
吸音特性である。なお、C(音速)=344m/s、n=1、θ=
45度を代入することで仕切り幅W≒250mmを求めた。
性より、斜入射成分の低域での吸音率が高まり、さらに
好ましいものとなっていることが分かる。
上記実施例1において、45度入射の1次ディップ周波
数を400Hzに設定した場合の吸音特性である。この場
合、仕切り幅W=500mmとなる。
射吸音率のピークは、1100Hz付近であり、そのピークか
ら低域側において、吸音率が75%まで低下するのは、
約520Hz付近である。
囲500Hzより低い周波数領域400Hzに45度入射の1次デ
ィップ周波数を設定したものといえる。
1次ディップ周波数の設定が低すぎるので、斜入射成分
の低域での持ち上がり効果が有効に得られておらず、全
体として見た場合の低域の吸音率を高めるという効果が
十分に得られていない。
800Hzに大きく現れ、1次及び2次のディップによるマ
イナス面が強く現れてしまっている。さらに、周波数45
0Hz付近に現れた30度入射の1次ディップによる悪影
響が現れてしまっている。
ップ周波数の低域側で得られる吸音率の持ち上げ効果よ
り、ディップ周波数付近の落ち込み現象の方が顕著にな
ってしまっており、発明の効果が十分に現れていない。
して板状にした吸音材料201と、上面が開放され五面
がアルミニウム金属板によって囲まれた箱状構造体20
2でなる吸音パネルである。
箱状構造体202の一面が板状の吸音材料201によっ
て塞がれた構造を有している。なお、図では、箱状構造
体202と板状の吸音材料201とが離れて記載されて
いるが、実際には両者が接合されており、背後空気層2
06が構成されている。
構造体202の内部が仕切り板203,204に縦横に
仕切られている点にある。
とで、吸音面に平行なあらゆる方向から斜入射する音波
に対して仕切り板203,204を配置することの効果
が得られる。
02と同じアルミニウム材料で構成すればよい。ただ
し、これに限られるものではない。図7では、仕切り板
203及び204が箱状構造体202の底板205にま
で達する構造が示されているが、仕切り板203,20
4は底面205にまで達していなくてもよい。また、縦
横の仕切り幅の間隔は、同じであっても異なっていても
よい。
た吸音構造と、ヘルムホルツ共鳴を基本原理として利用
した共鳴吸音構造とを組み合わせた吸音パネルに本発明
を利用した例である。この吸音パネルについては、本出
願人らによる出願である特願平11−305412号に
詳細が記載されている。
示すように、五面が同様なアルミニウム金属板で囲まれ
た箱形構造体305の開放面に、実施例2と同様な材料
の板状吸音材料304が配置され、この吸音材料304
の背後に断面コの字形状の桁材302を配置した構造を
有している。
に長手立体形状の背後空気層306と、スリット状の開
口307とが設けられている。
めの空間308を有している。背後空気層306は、断
面コの字形状の桁材302の内部(コの字の内部)に形
成されており、板状の吸音材料304と一体となって吸
音を行う。この吸音作用は、通常の(吸音材料)+(背
後空気層)の吸音構造によって行われるものであり、吸
音周波数のピークは、背後空気層306の厚さt2で概
略決定される。
開口307と一体となってヘルムホルツ共鳴を基本原理
とした共鳴を行い、その際に板状吸音材料304の作用
もあり吸音が行われる。
在する部分に背後空気層の厚さt2できまる定在波の腹
(定在波における振幅の大きい部分)が存在すること
で、振動のエネルギーが吸音材料304と気体分子との
摩擦によって熱エネルギーに変換されることで行われ
る。
理とするもので、空間308の容積とスリット状の開口
307における開口面積及び開口307の深さO(空間
308の厚さは含まれない)で決まる共鳴周波数におい
て、開口307を激しく出入りする空気塊の運動エネル
ギーが吸音材料304で消費されることで行われる。
構によって、吸音が行われる。そして、その吸音特性は
それらを組み合わせたものとなる。
よって背後空気層306及びスリット形状の開口307
が一方向に仕切られている。なお、開口307におい
て、仕切り板301は空間308まで延存しておらず、
スリット状の開口307の内部のみを仕切る構造となっ
ている。なお、この仕切り板301及び桁材302の材
料は、上記実施例1,2と同様な材料のものを用いてい
る。
01の仕切り幅Wの間隔を本発明で規定される条件に従
って、所定の寸法に設定することで、斜入射成分の低域
側における吸音率を高めることができる。
所定の周波数領域をピークとした特性を示す)を基準と
して、そのピークの低域側において、吸音率がピーク値
の75%以上である領域にディップ周波数を設定し、前
述した式(1)から仕切り幅Wの間隔を算出すればよい。
5の底板309に達していてもよいし、達していなくて
もよい。
JIS A 1409に規定される残響室法吸音率の測定を行った
結果の例である。この残響室法吸音率は、乱入射吸音率
を残響室において用いて実際に測定したものに相当す
る。
吸音パネル(A)〜(F)を用意した。この内、吸音パ
ネル(A)〜(D)が実施例4を示す構造であり、吸音
パネル(E)が実施例4の要件を満たさない構造であ
り、吸音パネル(F)が仕切りのない従来構造のもので
ある。
構成された幅=500mm、長さ=2000mmの一面が開放され
た深さ=50mmの箱状構造体401,402…の開放面
に、アルミニウム繊維でなる板状吸音材料410を配置
したものを用い、その背後空気層408,408a…の
厚さ=50mmとしてある。
ルミニウム繊維に有機バインダーを加えて圧縮し、厚さ
=1.5mm、面密度=2000g/m2とした板状多孔質材料を用
いた。
形構造体401内がアルミニウム材料で構成された縦横
の仕切り板411,412…で仕切られて、背後空気層
408a,408b…に二つにそれぞれ分割構成されて
いる。この実施例の仕切り寸法は、幅=250mm、長さ=2
50mmで、各背後空気層408a,408bを仕切ってあ
り、415は底板を示している。
体402内が仕切り板411,411…で仕切られた背
後空気層408を構成し、また一つ置きの背後空気層4
08内を二等分する横状の仕切り板412を配置させ、
同じ容積の背後空気層408a,408bがそれぞれ構
成されている。仕切り寸法は、幅=250mm、長さ=500mm
及び幅=250mm、長さ=250mmで、背後空気層408aと
408bとに仕切ってある。
パネル(A)の変形例であり、箱形構造体403内が千
鳥状に配置される横状の仕切り板412,412…で仕
切られて、容積を異にする大小の背後空気層408c,
408dが構成されている。この仕切り寸法は、幅=25
0mm、長さ=200mm及び幅=250mm、長さ=300mmで大小の
背後空気層408cと408dとに仕切ってある。
体404内を仕切り板411,411…で仕切られて複
数の背後空気層408,408…が構成されている。こ
の例の仕切り寸法は、幅=250mm、長さ=500mmである。
なお、この実施例では、何れも仕切り寸法は、同じ幅=
250mmで構成されているが、上記する本発明で規定され
る条件に従って、各種所定の寸法に設定すること勿論の
ことである。
体405内を比較的大きな仕切り幅に仕切り板411、
411…で仕切った例であり、本発明の要件を満たさな
い吸音構造である。この仕切り寸法は、幅=500mm、長
さ=500mmである。
体406内に仕切りのない従来構造の吸音構造である。
なお、本実施例4に用いられる仕切り板411、412
は、上記の実施例1〜3と同様な材料のものを用いてい
る。
2(5m×2枚)の広さに各吸音パネルを敷き詰め、JIS
A1409で定める残響室法吸音率の測定方法に準じて行っ
た。
図から分かるように、各種の仕切りを設けた吸音パネル
(A)〜(D)とすることで、従来構造の仕切りを設け
ない吸音パネル(F)の特性に比較して、吸音ピーク及
び該ピークの低域側吸音特性が改善されることが分か
る。また、仕切り幅の配列が、本発明の要件を満たさな
い構造の吸音パネル(E)の場合でも、上記従来構造の
吸音パネル(F)に比較すれば、その吸音特性は向上し
ていることが分かる。
なように、本発明を採用することで、吸音ピークの低域
側の吸音性能を飛躍的に向上させることができる。な
お、図10及び図11から残響室法吸音率には、ディッ
プ周波数の悪影響は殆どないことが分かる。吸音特性が
僅かに段階状になっている部分が、ディップ周波数の影
響である。
で吸音を行うことができ、また、入射角の異なる音波に
対する吸音率の違いを是正した吸音機構を得ることがで
きる。
音機構に仕切りを付加することで得ることができる。さ
らに、厚さが制限された寸法において、より低域までの
吸音率を高めることができる。
図。
を示す概略斜視図、(B)は同概略平面図。
すグラフ。
すグラフ。
Claims (5)
- 【請求項1】 吸音材料と該吸音材料の背後の空間とを
備えた吸音機構であって、 前記空間は所定の仕切り幅Wで周期的に仕切られてお
り、 (C/W)/(1+sinθ)で示される入射角45度の入射音が示
す一次ディップ周波数が、垂直入射吸音率のピーク以下
であり、 かつ該ピークの値に対して前記垂直入射吸音率が75%
以上である周波数領域に設定されていることを特徴とす
る吸音機構。 - 【請求項2】 仕切り幅Wが所定の幅の範囲内に設定さ
れていることを特徴とする請求項1記載の吸音機構。 - 【請求項3】 異なる値の仕切り幅Wが複数設定され、 それらが組み合わされていることを特徴とする請求項1
又は2記載の吸音機構。 - 【請求項4】 背後の空間がヘルムホルツ共鳴を基本原
理とした共鳴機構の開口部であることを特徴とする請求
項1、2又は3記載の吸音機構。 - 【請求項5】 仕切りが縦横に升目状に配置されている
ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の吸音機
構。
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JP3957128B2 JP3957128B2 (ja) | 2007-08-15 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007017759A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd | 防音パネル |
JP2008015069A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Mk Seiko Co Ltd | 消音装置 |
JP2010089616A (ja) * | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Yamaha Corp | 車体構造体および荷室 |
-
2001
- 2001-02-09 JP JP2001033287A patent/JP3957128B2/ja not_active Expired - Fee Related
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