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JP2002226347A - 歯磨用顆粒剤及びその製造方法 - Google Patents

歯磨用顆粒剤及びその製造方法

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Publication number
JP2002226347A
JP2002226347A JP2001029212A JP2001029212A JP2002226347A JP 2002226347 A JP2002226347 A JP 2002226347A JP 2001029212 A JP2001029212 A JP 2001029212A JP 2001029212 A JP2001029212 A JP 2001029212A JP 2002226347 A JP2002226347 A JP 2002226347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
granules
primary particles
inorganic primary
particle size
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001029212A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanobu Sakai
隆伸 酒井
Katsuhiko Matsuo
勝彦 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruo Calcium Co Ltd
Original Assignee
Maruo Calcium Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruo Calcium Co Ltd filed Critical Maruo Calcium Co Ltd
Priority to JP2001029212A priority Critical patent/JP2002226347A/ja
Publication of JP2002226347A publication Critical patent/JP2002226347A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食物残渣、歯垢等の汚れを効率的に除去する
歯磨用顆粒剤を提供する。 【解決手段】 BET比表面積が4〜400m2 /gの
無機一次粒子の凝集体からなる顆粒であって、特定の不
定形指数を満足するとともに、崩壊強度が0.1〜13
g/個、平均粒子径が100〜500μmであることを
特徴とする歯磨用顆粒剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯磨用顆粒剤に関
し、更に詳しくは、歯の表面の微細な凹凸に付着した虫
歯や歯周病の原因となる食物残渣や歯垢の除去に優れた
顆粒剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、虫歯や歯周病の原因は主として歯
垢であることが知られており、その歯垢は歯と歯の間や
裂溝部、歯と歯肉の間である歯周ポケットに発生する。
また、歯の表面には、20〜100μm程度の凹凸が存
在し、その突起部や窪んだ部分を起点として歯垢が発生
することが報告されている。近年、虫歯や歯周病の原因
となる歯垢を効率よく除去でき、その効果が触知できる
るような顆粒、顆粒状の物質を配合した歯磨剤が知られ
ている。これらに配合される顆粒は実質的に球状であ
り、球状凝集粒子が使用される理由としては、歯の表面
であるエナメル質や歯肉等に傷を与えないよう考慮され
たためである。また、歯磨剤に配合する顆粒には薬剤、
酵素剤、研磨材等の機能性材料を含有させたもの、見た
目による視覚的効果を狙ったものなどがある。
【0003】歯磨剤として機能する凝集粒子、すなわち
顆粒にはさまざまな強度の物が存在し、強度を左右する
要因としては主として結合剤が挙げられる。結合剤につ
いては水溶性のものや疎水性のものが使用されている。
【0004】水溶性の結合剤としては、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等が主に使用されてい
る。これら顆粒剤は多水分系である歯磨剤では強度が著
しく低下し、審美的効果のみを得る場合には適している
が、歯垢除去といった研磨剤的な顆粒の後割を強調する
場合には適していない。また、顆粒剤を歯磨剤中に添加
する工程においても顆粒が崩壊し、また歯磨剤中におい
て均一な顆粒の粒子形状が破砕され鋭角な形状となり、
強度は低下するが口内において歯肉等を傷つける可能性
がある。
【0005】一方、水不溶性の結合剤としては、例えば
ワックスを結合剤とする方法(特開昭49−13224
9号、特開昭50−81594号)、炭酸カルシウム等
の研磨剤粉末を水不溶性でエタノール溶解性の結合剤、
例えばエチルセルロースで造粒する方法(特開昭58−
126806号)が報告されている。しかし、これらの
水不溶性結合剤は多水分系組成物である歯磨剤中におい
ては安定するが、硬度が高く、口中で不快感を与える場
合がある。また、不快感を与えない硬度に調整した場合
は、口中で触知できないという問題を含んでいる。さら
に、炭酸カルシウム等の研磨材粉末を水不溶性でエタノ
ール溶解性の結合剤、例えばエチルセルロースで造粒す
る方法では、エチルセルロース結合剤を有機溶媒に溶か
して使用するため、火災など危険性を伴い、防止設備や
厳格な操作が必要になり、コスト・アップ、作業性の低
下が避けられない。
【0006】これら顆粒の製造方法としては、球状顆粒
状の凝集粒子が収率良く得られる噴霧造粒方法が報告さ
れている。また、押出造粒方法などのように、角張った
粒子が得られる方法においても、最終的にはマルメライ
ザーなどによる球状化操作が行われている。しかし乍
ら、球状の顆粒は粒子1個あたりに存在する凸部が少な
いため球の曲率相当分までしか掻き取りができず、この
結果、歯の表面の微細な凹凸や歯間の隅部の歯垢が効率
的に除去されない。この問題は、粒子径の小さな球状顆
粒を使用することで顆粒の曲率は小さくなり、微細な部
分までの歯垢除去が可能となるものの、歯垢の掻き取り
効果を触知できる顆粒は得られなくなる。また同時に、
顆粒自体が小さいため、歯の表面、歯間隅部の歯垢除去
力が低下することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解消し、特定の有機及び無機化合物の結合剤を使用せ
ず、無機一次粒子自体が本来的に有する結合力や液体の
有する架橋力を利用して凝集させて得られる顆粒が、一
定の崩壊強度を有し、多水分組成物である歯磨剤中にお
いても所要の強度を保持し、効率的に歯垢の除去が可能
な顆粒剤として有効であることを見出し本発明に至っ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の請求項1は、BET比表面積が4〜400m
2 /gの無機一次粒子の凝集体からなる顆粒であって、
下記式(1)を満足するとともに、崩壊強度が0.1〜
13g/個、平均粒子径が100〜500μmであるこ
とを特徴とする歯磨用顆粒剤を内容とする。 30≦A≦90 (1) A:顆粒粒子の不定形を示す指数(%)で、下記式
(2)で求められる粒子投影面積の外接円に対する面積
率を示す。
【0009】好ましい態様としての請求項2は、顆粒を
構成する無機一次粒子が下記式(3)〜(5)を満足す
る請求項1記載の歯磨剤組成物である。 0.1≦B≦20 (3) 1≦C≦15 但し、C=d90/d10 (4) 0.1≦D≦100 (5) 但し、 B:顆粒を構成する無機一次粒子の平均粒子径(μm)
で、マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計によ
り測定した粒子の50%粒径(d50) C:顆粒を構成する無機一次粒子のシャープネス係数 d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子の篩通過側累積90%径(μm) d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子の篩通過側累積10%径(μm) D:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計によ
り測定した顆粒を構成する無機一次粒子の最大粒子径
(μm)。
【0010】好ましい態様としての請求項3は、顆粒を
構成する無機一次粒子が炭酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸ナトリウム、
水酸化アルミニウム、シリカ、リン酸マグネシウム、ピ
ロリン酸カルシウム、ゼオライト、炭酸マグネシウム、
ベンガラ、及び硫酸カルシウムからなる群より選ばれる
少なくとも1種である請求項1又は2記載の歯磨用顆粒
剤である。
【0011】上記歯磨用顆粒剤を製造するための請求項
4は、無機一次粒子を液体中に分散させ、該分散体を脱
水、乾燥させることにより前記無機一次粒子を凝集させ
凝集体とすることを特徴とする歯磨用顆粒剤の製造方法
を内容とする。
【0012】好ましい態様としての請求項5は、凝集体
を更に粉砕する請求項4記載の製造方法である。
【0013】好ましい態様としての請求項6は、凝集体
同士を更に接触・衝突させることにより前記凝集体の角
を除去する請求項4又は5記載の製造方法である。
【0014】好ましい態様としての請求項7は、液体が
水である請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法
である。
【0015】好ましい態様としての請求項8は、無機一
次粒子が炭酸カルシウムである請求項4〜7のいずれか
1項に記載の製造方法である。
【0016】
【発明実施の形態】本発明における顆粒は、微細な水不
溶性の無機一次粒子を凝集させて成る凝集体粒子であ
る。顆粒を構成する無機一次粒子のBET比表面積には
好ましい範囲が存在し、BET比表面積を4〜400m
2 /gに選定する必要がある。すなわち、BET比表面
積が4m2 /gより小さくなると顆粒を構成する無機一
次粒子の平均粒子径は大きくなり、無機一次粒子自体の
結合力が小さくなる。その結果、顆粒の崩壊強度が小さ
くなり、大きな粒子が口中に分散し歯肉および歯の表面
のエナメル質を傷つける危険性が大きくなる。また逆
に、無機一次粒子のBET比表面積が400m2 /gを
超えると無機一次粒子自体の結合力が大きくなり、その
結果、顆粒の崩壊強度が大きくなり、歯肉や歯の表面の
エナメル質を傷つける危険性が大きくなる。
【0017】また、本発明の顆粒には適正な崩壊強度が
存在し、0.1〜13g/個であることが必要であり、
好ましくは0.5〜10g/個、更に好ましくは1〜8
g/個に設定する必要がある。崩壊強度が0.1g/個
より小さくなると粒子がすぐに崩壊してしまい顆粒とし
ての歯垢や食物残渣の除去能力が極端に小さくなる。ま
た、顆粒の崩壊強度が13g/個より大きくなると、口
腔内での異物感が高まり、更にはその顆粒強度によりエ
ナメル質を傷つける危険性が高まる。
【0018】さらに、本発明においては無機一次粒子の
凝集体である顆粒の平均粒子径を100〜500μmに
設定する必要がある。顆粒の平均粒子径が100μmよ
り小さい場合は顆粒自体が触知されにくく、顆粒の配合
効果が得られにくい。また顆粒の平均粒子径が500μ
mより大きくなると崩壊強度とのかねあいがあるものの
異物感が大きくなりすぎる。
【0019】無機一次粒子からなる歯垢除去効果を触知
できる顆粒の不定形を示す指数Aは、特に食物残渣や歯
垢の除去に影響を及ぼす。本発明でいう不定形を示す指
数Aは、下記式(2)で定義されるように、粒子投影面
積の外接円に対する面積率をいい、下記式(1)、好ま
しくは下記式(6)、更に好ましくは(7)を満足する
ように選定する必要がある。
【0020】
【0021】 30≦A≦90 (1) 35≦A≦85 (6) 45≦A≦75 (7)
【0022】上記構成とすることにより、比較的大きな
歯間等の溝やその隅部の歯垢や食物残渣を球状顆粒より
も効率よく除去することができる。この機構について
は、不定形である顆粒の角の部分の曲率が球状顆粒より
鋭角であるため、同粒子径の球状顆粒よりも歯間の溝や
隅部に顆粒が到達し易くなり、より高い歯垢、食物残渣
等の掻き取り効果が得られるのである。
【0023】さらに説明すると、本発明における不定形
の顆粒は、突起部、すなわち角が丸められた状態の粒子
であり、上記不定形指数の範囲内に調節することによ
り、歯間や裂溝部における顆粒1個の接触面積が同粒子
径の球状顆粒に比べ大きくなり、歯垢や食べかすを除去
する作用が著しく向上する。不定形指数が30%より小
さくなると、顆粒粒子の形状が針状または鱗片状に近い
形となり、歯肉や歯の表面のエナメル質等を傷つける可
能性が高くなる。不定形指数が90%を超えると顆粒粒
子は実質的に球状粒子に近くなり、歯垢除去作用が著し
く低下する。
【0024】本発明の顆粒は微細な一次粒子を凝集させ
て成る粒子であり、その一次粒子の平均粒子径には好ま
しい平均粒子径が存在し、下記式(3)を満足し、好ま
しくは下記式(8)、更に好ましくは下記式(9)を満
足するように選定する。
【0025】 0.1≦B≦20 (3) 1≦B≦15 (8) 5≦B≦10 (9)
【0026】無機一次粒子の平均粒子径Bが20μmよ
り大きくなると歯の表面の微細な凹凸よりも大きな粒子
の存在比が高くなり、ミクロ汚れの除去率の低下をを引
き起こす。また、無機一次粒子の平均粒子径Bが0.1
μmより小さくなると逆に粒子1個の歯磨力が低下し、
ミクロ汚れを除去するための効率の良い顆粒剤が得られ
ない。すなわち上記構成とすることにより、歯垢の除去
率が著しく向上する。尚、本発明における平均粒子径に
ついて説明する。例えば合成炭酸カルシウムの場合は、
CO2 ガスを消石灰(Ca(OH)2 )スラリーに導入
して炭酸カルシウム(CaCO3 )を析出させ、この炭
酸カルシウムスラリーを脱水、乾燥して粉体化するが、
本発明の顆粒は、この脱水、乾燥工程で一次粒子を凝集
させて顆粒を形成させる。この場合の平均粒子径は、脱
水、乾燥以前の炭酸カルシウム水スラリーとして存在す
る粒子の平均粒子径である。一方、重質炭酸カルシウム
など乾式で粉砕した製品の場合は、それを一度水スラリ
ーににもどした状態での粒子の平均粒子径を、また湿式
粉砕品については、脱水、乾燥する前のペースト又は水
スラリー状態での粒子の平均粒子径である。湿式粉砕品
は、一般にガラスビーズ、セラミック等の粉砕媒体を介
在させた状態で水またはソルベント等の系で粉砕して得
られる。
【0027】また、顆粒を構成する無機一次粒子のシャ
ープネス係数は、顆粒の崩壊性、顆粒崩壊後のミクロ汚
れ除去に貢献する無機一次粒子の分散性に影響を及ぼ
す。これらの特性を考慮して、本発明では無機一次粒子
のシャープネス係数Cは下記式(4)、好ましくは下記
式(10)、更に好ましくは下記式(11)を満足する
よう選定する必要がある。
【0028】 1≦C≦15 (4) 1≦C≦13 (10) 1≦C≦10 (11) 但し、C=d90/d10 d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子の篩通過側累積90%径(μm) d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子の篩通過側累積10%径(μm)
【0029】すなわち、顆粒を構成する一次粒子におい
ては、好ましい粒度分布構成が存在する。粒度分布のシ
ャープネスを示す指数Cが15を超えると粒度分布のシ
ャープさが失われる方向に移行し、顆粒崩壊に伴う無機
一次粒子の分散性が悪くなる。また、指数Cの値が1に
近づくほど無機一次粒子は均一な粒子構成となり、顆粒
崩壊後の分散性及び除去効率が良好となり、またミクロ
汚れ除去の効率が向上する。
【0030】歯磨き効果を触知できる顆粒を構成する無
機一次粒子の粒度分布構成についても、好ましい最大粒
子径が存在し、無機一次粒子の最大粒子径D(μm)が
下記式(5)、好ましくは下記式(11)、更に好まし
くは下記式(12)を満足するように無機粒子を選定す
る必要がある。
【0031】 0.1≦D≦100 (5) 0.1≦D≦90 (12) 0.1≦D≦80 (13)
【0032】すなわち、歯の表面の微細な凹凸の大きさ
は20〜100μm程度であり、この凹凸を中心にして
歯垢が形成される。しかし、顆粒が崩壊した後、それを
構成する無機一次粒子中の最大粒子径が100μmを超
えると無機一次粒子において除去力および崩壊強度が大
きい不定形一次粒子の存在が高くなり、口内における歯
肉や歯の表面を構成するエナメル質を傷つける危険性が
高まる。逆に無機一次粒子を構成する最大粒子径が0.
1μmより小さくなると構成される1次粒子の除去力が
低下し、除去効率が著しく低下する傾向がある。
【0033】本発明の顆粒を構成する無機一次粒子であ
る無機粒子は、一般的に歯磨剤に使用されるものであれ
ばよく、具体的に例示すると、炭酸カルシウム、リン酸
カルシウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸ナトリ
ウム、水酸化アルミニウム、シリカ、リン酸マグネシウ
ム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライト、炭酸マグネシ
ウム、ベンガラ、硫酸カルシウム等が挙げられ、これら
は単独でもしくは2種以上組み合わせて用いられる。中
でも安価で歯垢除去効果の高い炭酸カルシウムが好まし
い。
【0034】本発明における顆粒は、無機一次粒子を液
体中に分散させ、該分散体を脱水、乾燥させることによ
り前記無機一次粒子を凝集させ、凝集体とすることによ
り得ることができる。液体としては、取り扱い性、環境
保全、更にはコストの点で水が好ましい。得られた顆粒
が不定形指数30≦A≦90、平均粒子径100〜50
0μmの要件を満足しない場合は、更に凝集体を粉砕し
てこれらの要件の範囲内に入るように調整される。尚、
凝集体の鋭い角は歯肉を傷つけるおそれがあるので、凝
集体同士を接触・衝突させて鋭い角を除去し丸みを帯び
た不定形粒子とすることが望ましい。特に、凝集体を粉
砕する場合には、鋭い角が発生し易いので、丸みを付与
する工程を行うのが好ましい。具体的には、例えば凝集
体を一定の距離流動させる方法、凝集体に振動を加える
方法、ミキサーに投入して攪拌する方法等が挙げられ
る。
【0035】上記の如くして得られる顆粒剤は、無機一
次粒子自体の結合力及び液体の架橋力により歯磨用顆粒
剤としては十分な強度(崩壊強度)を有する。また、脱
水、乾燥だけでは顆粒剤の強度が不足する場合は、凝集
体を接触、衝突させることにより、凝集体が圧縮され充
密化されるため十分な強度を有する凝集体を得ることが
できる。
【0036】本発明の歯磨用顆粒剤は、歯磨剤や歯磨用
ガム等に添加して使用される。歯磨剤の調製は通常の歯
磨剤に利用される他の成分を配合することができる。粘
結剤としては、カルボキシメチルセルロースアルカリ金
属塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセ
ルロース、増粘性シリカ、モンモリロナイト、カラギー
ナン、アルギン酸ナトリウム、グアガム、ペクチン等が
挙げられる。
【0037】薬用成分としては、アラントイン、トラネ
キサム酸、ビタミンE、ビタミンC、ニガリ、フッ化ナ
トリウム、フッ化錫、カルバゾクロム、プロポリス、グ
リチルレチン酸、クロルヘキシジン、塩化セチルピリジ
ニウム、フッ化モノフルオロリン酸ナトリウム、デキス
トラナーゼ、ムタナーゼ、塩化ナトリウム、アズレン、
β−グリチルレチン酸、ジヒドコレステロール、イソプ
ロピルメチルフェノール、トリクロロカルバニリド、ハ
ロカルバン、ヒノキチオール、塩化セチルピリジニウム
等が挙げられる。
【0038】湿潤剤としては、ソルビット、プロピレン
グリコール1,3ブチレングリコール、エチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールキシキリット、マルチット、ラクチット、エリスリ
トール等が、また甘味剤としては、例えばサッカリンナ
トリウム、ステピオサイド、タイマチン、アスパラチル
フェニルアラニンメチルエステル等が挙げられる。
【0039】界面活性剤としては、糖又は糖アルコール
の脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非
イオン界面活性剤:アルキル硫酸エステル塩、高級脂肪
酸モノグリセリドサルフエート塩、高級脂肪酸モノグリ
セリドスルホネート塩、N−メチル−N−長鎖アシルタ
ウリン塩、N−長鎖アシルザルコシネート、N−長鎖ア
シル−β−アラニン等のN−長鎖アシルアミノ酸塩等の
アニオン界面活性剤:2−アルキル−N−カルボキシメ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、
塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ラウリルジメチ
ルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ
る。
【0040】防腐剤としては、例えばパラベン、p−オ
キシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル、p−
オキシ安息香酸プロピル、p−オキシ安息香酸ブチル、
安息香酸ナトリウム等が挙げられ、その他香料成分とし
ては例えばメントール及びメントールを含む天然物:バ
ジル、カンファー、キャラウエイ、カルダモン、コリア
ンダー、ゼラニウム、ジンジャー、ローレル、ラベンダ
ー、メース、ナンツメグ、ペッパー、ローズ、ローズマ
リー、タイム、イランイラン、ジャスミン、バニラ、ヒ
ソップ、ラバンジン、オリス、キャロットシード、ダパ
ナ、エレミ、オスマンタスの精油及び抽出物:ボニオネ
ール及びその誘導体:ヘリオトロピン:α−、β−、γ
−、δ−イオノン及びこれらの誘導体:チモール、バニ
リン、エチルバニリン、マルトール並びにエチルマルト
ール等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種
類以上を組み合わせて配合することができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例を挙げて更に
具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例、比
較例により何ら制限を受けるものではない。
【0042】実施例1 表1に示す性状の炭酸カルシウムスラリーをフィルター
プレスにて脱水、乾燥し、ブロック状の炭酸カルシウム
を得た。このブロック状炭酸カルシウムを衝撃式粉砕機
により粉砕して不定形炭酸カルシウム顆粒を得た。さら
に、ヘンシェルミキサーで混合を行い、炭酸カルシウム
粒子同士を接触・衝突させて鋭角な角を落として丸味を
付与するとともに、粒子表面の密度が密になり充密化し
た不定形炭酸カルシウム顆粒を得た。この顆粒を振動篩
機にて粒子径を調節し、平均粒子径が212μmである
不定形炭酸カルシウム顆粒剤を得た。
【0043】実施例2 表1に示す性状の炭酸カルシウムスラリーをフィルター
プレスにて脱水、乾燥し、ブロック状の炭酸カルシウム
を得た。このブロック状炭酸カルシウムを衝撃式粉砕機
により不定形炭酸カルシウム顆粒を得た。この炭酸カル
シウム顆粒を振動篩上で一定時間円周運動させ、炭酸カ
ルシウム同士を振動篩上で接触・衝突させて不定形炭酸
カルシウム顆粒の角を丸めるとともに、粒子表面の密度
が密になり充密化した、平均粒子径が163μmである
不定形炭酸カルシウム顆粒剤を得た。
【0044】実施例3 表1に示す性状のゼオライト含有スラリーを脱水、乾燥
して得られた固形状ゼオライトを直接ヘンシェルミキサ
ーに投入し混合した。ミキサー内では固形状ゼオライト
が粉砕され、同時には粒子同士の接触、衝突により、角
が丸められるとともに、粒子表面の密度が密になり充密
化した、平均粒子径が305μmの不定形ゼオライト顆
粒剤を得た。
【0045】実施例4 表1に示性状の炭酸カルシウム含有スラリーをフィルタ
ープレスにて脱水、乾燥してブロック状の炭酸カルシウ
ムを得た。このブロック状炭酸カルシウムをヘンシェル
ミキサーに投入し、粉砕及び同時に接触・衝突による丸
み付与と充密化を行い、更に振動篩にて分級し、平均粒
子径440μmである不定形炭酸カルシウム顆粒剤を得
た。
【0046】比較例1 表1に示す性状の炭酸カルシウムの70重量%の水スラ
リーを使用し、ヘンシェルミキサーにて造粒を行った。
その後、乾燥し、振動篩にて粒子径の調整を行い、平均
粒子径が128μmである球状炭酸カルシウム顆粒剤を
得た。
【0047】比較例2 表1に示す性状のシリカを60重量%、メタケイ酸アル
ミニウムを40重量%を含有する水スラリーをスプレー
ドライアーを使用して噴霧造粒し、更に振動篩にて粒子
径の調節を行い、平均粒子径が146μmである球状シ
リカ顆粒剤を得た。
【0048】比較例3 表1に示す性状の炭酸カルシウムを60重量%、無水ケ
イ酸を40重量%を含有する水スラリーからスプレード
ライヤーを使用して噴霧造粒を行い、更に振動篩にて粒
子径を調整し、平均粒子径が155μmである球状炭酸
カルシウム顆粒剤を得た。
【0049】比較例4 表1に示す性状のシリカを60重量%、カルボキシメチ
ルセルロースを40重量%を含有する水スラリーからス
プレードライヤーを使用して噴霧造粒を行い、更に振動
篩にて粒子径を調整し、平均粒子径が640μmである
球状シリカ顆粒剤を得た。
【0050】上記実施例1〜4及び比較例1〜4で得ら
れた顆粒剤を用いて下記組成の練歯磨剤を調製し、下記
の方法によりミクロ汚れ除去力等を評価した。結果を表
1に示す。
【0051】 (歯磨剤組成) 顆粒剤 15.0(%) ポリエチレングリコール 10.5(%) ソルビット液 30.0(%) イオタカラギーナン 2.0(%) ラウリル硫酸ナトリウム 1.2(%) サッカリンナトリウム 0.1(%) パラベン 0.1(%) 香料 0.8(%) 水 残量 計 100.0(%)
【0052】(1)平均粒子径の測定 レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社:マ
イクロトラックFRA)を用いて測定した。
【0053】(2)崩壊強度の測定 微少圧縮試験機(島津製作所MCTM−500)を用い
て粒子一個の崩壊強度を測定した。
【0054】(3)ミクロ汚れ除去力の評価 歯表面に存在する微細な凹凸のモデルとして磨りガラス
(凹凸のサイズ:幅20〜100μm、深さ約5μm)
を用い、さらに、歯間、裂溝部を想定して、ガラス表面
に幅1mm、深さ0.5mmの溝を1cm間隔でストラ
イプ状に加工したものを使用した。この磨り硝子に、モ
デル歯垢として油性インクを塗布した。次に、練歯磨剤
を1g歯刷子に塗布した後、下記条件で500g荷重で
200ストロークブラッシングし、ブラッシング前後の
油性インクの量を画像解析し、油性インクの除去率
(%)を算出した。 ガラス板:磨りガラス(15×20×2mm) ブラッシングマシーン:ブラシ摩耗試験機HEIDON
−14 ストローク幅:30mm ストローク速度:100回/min
【0055】(4)不定形を示す指数 電子顕微鏡写真に写った粒子をランダムに20点選択
し、上記式(2)により外接円に対する面積率(%)を
求め、その値の平均値を算出した。
【0056】(5)BET比表面積 比表面積測定装置(ユアサアイオニクス、NOVA10
00)によりN2ガスを用いて測定した。
【0057】(6)崩壊虐待試験 レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社:マ
イクロトラックFRA)を使用して評価を行った。粒度
分布計による測定の分散媒には水を使用し、測定直後の
顆粒の平均粒子径と10分間の経過後(その間、顆粒は
測定機系内を循環している)の顆粒の平均粒子径を測定
し、粒子径の低下率を測定した。
【0058】(7)顆粒剤の触知・感触評価 15人のパネラーに歯磨剤を使用してもらい、触知につ
いては、磨き始めから磨き終わりまで顆粒を触知できた
人数をカウントし、また、感触については、良いと感じ
た人数をカウントした。
【0059】
【表1】
【0060】表1の結果から明らかなように、本発明の
歯磨用顆粒剤は球状の顆粒剤に比べ歯間、裂溝部等の歯
垢、食物残渣の除去に優れ、また、顆粒を構成する無機
一次粒子の粒子構成を特定することによりミクロ汚れ除
去にも優れていることがわかる。
【0061】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明の歯磨用顆粒剤は
植物残渣や歯垢の除去に優れており、また本発明の製造
方法によれば、有機、無機の接着剤を使用することな
く、一次粒子自体の結合力や液体の架橋力を利用して、
安価且つ容易に歯磨用顆粒剤を提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月6日(2001.2.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明の歯磨用顆粒剤は
食物残渣や歯垢の除去に優れており、また本発明の製造
方法によれば、有機、無機の接着剤を使用することな
く、一次粒子自体の結合力や液体の架橋力を利用して、
安価且つ容易に歯磨用顆粒剤を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB171 AB221 AB231 AB291 AB321 AB322 AB361 AB441 AB442 AC132 AC482 AC782 AC862 AD042 AD352 CC41 DD16 EE36 EE37

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BET比表面積が4〜400m2 /gの
    無機一次粒子の凝集体からなる顆粒であって、下記式
    (1)を満足するとともに、崩壊強度が0.1〜13g
    /個、平均粒子径が100〜500μmであることを特
    徴とする歯磨用顆粒剤。 30≦A≦90 (1) A:顆粒粒子の不定形を示す指数(%)で、下記式
    (2)で求められる粒子投影面積の外接円に対する面積
    率を示す。
  2. 【請求項2】 顆粒を構成する無機一次粒子が下記式
    (3)〜(5)を満足する請求項1記載の歯磨剤組成
    物。 0.1≦B≦20 (3) 1≦C≦15 但し、C=d90/d10 (4) 0.1≦D≦100 (5) 但し、 B:顆粒を構成する無機一次粒子の平均粒子径(μm)
    で、マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計によ
    り測定した粒子の50%粒径(d50) C:顆粒を構成する無機一次粒子のシャープネス係数 d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
    により測定した粒子の篩通過側累積90%径(μm) d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
    により測定した粒子の篩通過側累積10%径(μm) D:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計によ
    り測定した顆粒を構成する無機一次粒子の最大粒子径
    (μm)。
  3. 【請求項3】 顆粒を構成する無機一次粒子が炭酸カル
    シウム、リン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、メ
    タリン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、シリカ、リ
    ン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ゼオライ
    ト、炭酸マグネシウム、ベンガラ、及び硫酸カルシウム
    からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1
    又は2記載の歯磨用顆粒剤。
  4. 【請求項4】 無機一次粒子を液体中に分散させ、該分
    散体を脱水、乾燥させることにより前記無機一次粒子を
    凝集させ凝集体とすることを特徴とする歯磨用顆粒剤の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 凝集体を更に粉砕する請求項4記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 凝集体同士を更に接触・衝突させること
    により前記凝集体の角を除去する請求項4又は5記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 液体が水である請求項4〜6のいずれか
    1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 無機一次粒子が炭酸カルシウムである請
    求項4〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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