JP2002215067A5 - - Google Patents
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Description
【発明の名称】発光素子、及び表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】反射部材と、発光層と、位相差板と、偏光板とをこの順に備える発光素子であって、前記発光層と前記位相差板との間に、偏光分離手段を設け、前記偏光分離手段は、前記発光層の発光波長範囲の一部または全部を含み、なおかつ可視波長範囲よりも狭い波長範囲の光であって、前記発光層側から前記偏光分離手段側へ向かう光のうち、前記位相差板の作用により前記偏光板で吸収される直線偏光に変換される偏光成分は反射し、それ以外の光は透過するものであり、前記反射部材は少なくとも垂直入射した円偏光は回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であることを特徴とする発光素子。
【請求項2】前記偏光分離手段がコレステリック液層層であり、前記位相差板が1/4波長板であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】反射部材と、発光層と、位相差板と、偏光板とをこの順に備える発光素子であって、前記位相差板と前記偏光板との間に、偏光分離手段を設け、前記偏光分離手段は、前記発光層の発光波長範囲の一部または全部を含み、なおかつ可視波長範囲よりも狭い波長範囲の光であって、前記発光層側から前記偏光分離手段へ向かう光のうち、前記偏光板で吸収される直線偏光成分は反射し、それ以外の光は透過する直線偏光分離手段であり、前記位相差板は1/4波長板であり、前記反射部材は少なくとも垂直入射した円偏光を回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であることを特徴とする発光素子。
【請求項4】前記発光層が透明電極と金属電極とに挟まれた有機薄膜であり、前記金属電極が前記反射部材を兼ねた反射性の金属電極であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】マトリクス状に配置された複数の発光素子と、前記発光素子の発光動作を画像情報に基づいて制御する制御手段を有する表示装置であって、前記発光素子として請求項1から4のいずれかに記載の発光素子を使用したことを特徴とする表示装置。
【請求項6】マトリクス状に配置した複数の画素を構成する発光素子と、該発光素子の発光動作を画像情報に基づいて制御する制御手段を有する表示装置において、前記発光素子は反射部材を兼ねる金属電極と、有機薄膜からなる発光層と、透明電極とを積層した構造の有機エレクトロルミネッセンス素子と、位相差板と、偏光板とをこの順に備える発光素子であって、前記発光層と前記位相差板との間に、偏光分離手段を設け、前記偏光分離手段は、前記発光層の発光波長範囲の一部または全部を含み、なおかつ可視波長範囲よりも狭い波長範囲の光であって、前記発光層側から前記偏光分離手段側へ向かう光のうち、前記位相差板の作用により前記偏光板で吸収される直線偏光に変換される偏光成分は反射し、それ以外の光は透過するものであり、前記反射部材は少なくとも垂直入射した円偏光は回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であることを特徴とする表示装置。
【請求項7】前記偏光分離手段がコレステリック液層層であり、前記位相差板が1/4波長板であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】前記発光層の発光色が画素により異なり、前記偏光分離手段が反射する光の波長範囲が、該発光色に対応して画素により異なることを特徴とする請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】前記複数の画素を構成する発光層が、それぞれ赤色発光の発光層、緑色発光の発光層、及び青色発光の発光層のいずれかから構成されるカラー表示を行う表示装置であって、該赤色発光の発光層に対応する位置には赤色光を反射する偏光分離手段、該緑色発光の発光層に対応する位置には緑色光を反射する偏光分離手段、該青色発光の発光層に対応する位置には青色光を反射する偏光分離手段をそれぞれパターン形成したことを特徴とする請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項10】前記偏光分離手段が前記画素を構成する前記発光層の発光領域に対応してマトリクス状にパターン形成され、前記偏光分離手段のパターンの間にブラックマトリクスが形成されていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】前記ブラックマトリクスの開口部が、前記画素を構成する前記発光層の発光領域よりも広いことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】前記画素を構成する発光層が白色光を発光する発光層であり、該画素を構成する発光層の発光領域に対応する位置にそれぞれ赤色光を反射する偏光分離手段、緑色光を反射する偏光分離手段、青色光を反射する偏光分離手段をパターン形成し、さらに赤色光を反射する偏光分離手段と偏光板との間には赤色光を透過するカラーフィルターを、緑色光を反射する偏光分離手段と偏光板との間には緑色光を透過するカラーフィルターを、青色光を反射する偏光分離手段と偏光板との間には青色光を透過するカラーフィルターをそれぞれパターン形成したことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
本発明は発光素子とこの発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置に関し、特に発光層の裏面に光反射部材を有する有機エレクトロルミネッセンス素子などの発光素子と、これを備える表示装置に利用して有効な技術に関するものである。
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子と称する)は、有機薄膜からなる発光層に電流を注入することにより、電気エネルギーを光エネルギーに変換して発光する素子である。有機EL素子から構成される表示装置は液晶表示装置に代表される非発光型の表示装置とは異なり、自発光型であるためバックライトなどの補助光源が不要なことから、薄型、軽量であり、さらに視野角が広く、表示の応答速度が早いといった特徴を有する。
図19は従来の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。この有機EL素子は透明基板400に陽極である透明電極200、ホール輸送層102、発光層100、電子輸送層101、光反射機能を有する金属電極からなる陰極300を順次積層した構造となっている。
陽極である透明電極200と陰極300との間に直流電圧を印加すると、透明電極200から注入されたホールがホール輸送層102を経由して、また、陰極300から注入された電子が電子輸送層101を経由して、それぞれが発光層100に到達し、電子−ホールの再結合が生じて、ここから所定の波長分布を有する発光が生じる。
発光層100から出射した光のうち透明電極200側に向かった光は透明電極200を通過し、透明基板400から出射する。また、陰極300に向かった光は陰極300で反射して、発光層100、透明電極200等を通過して同じく透明基板400から出射する。
従って、このような有機EL素子の発光動作を制御することで表示を行う表示装置では、陰極を反射率の高い電極にして透明電極側から出射する光量を増やすことが、明るい画像を得るために重要である。
ところで、このような素子構造では発光していない状態では、陰極が反射率の高い鏡のような状態であるため、周囲の景色等が写り込み、黒(暗)表示が十分に暗くならない。つまり、周囲が明るい環境下では黒表示が暗くならず、コントラスト比が低下するという課題を生ずる。この課題を解決する方法として透明基板400の光出射面側に円偏光板800を配置した構造が実用化されている。円偏光板は偏光板600と1/4波長板700から構成される。
円偏光板800は以下の通り作用する。周囲から有機EL素子に入射する外光2000は一般に非偏光であり、偏光板600を通過する際、特定の直線偏光は透過し、これと直交する直線偏光は吸収される。偏光板600を透過した直線偏光は1/4波長板700の作用を受けて、円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)となる。1/4波長板700を通過した光は陰極300で反射する際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。陰極300で反射した光2000Rは再び1/4波長板700に入射し、これを通過する際、その作用を受けて今度は偏光板600で吸収される直線偏光に変換されて、偏光板600で吸収されるため外部には戻らなくなる。つまり、外光の陰極300での反射はカットされるため黒表示が暗くなり、コントラスト比が著しく改善される。このような構造は特表平8−509834号公報、特開平9−127885号公報等に記載されている。
ところで、有機EL素子を用いた表示装置のフルカラー化に関しては、いくつかの方式が提案・実証されている。例えば青色発光素子と蛍光性の色変換層(CCM:color changing mediums)を組み合わせた方式(以下、CCM法)、白色発光と赤色(R),緑色(G),青色(B)の3原色のカラーフィルタを組み合わせた方式(以下、RGB by white法)、3原色(R,G,B)の発光素子からなる画素を直接パターニングする方式(以下、RGB並置型)などが提案されている。
CCM法は青色発光層で発生した光で蛍光性の色変換用蛍光色素層を励起し、青色から緑色、赤色へ変換し3原色発光を得るものである。この方式は色変換効率が低いと素子効率が低くなる。さらに明るい環境下では外光により色変換層が励起されて明るくなり、黒表示が暗くならないためコントラスト比が低下する。
RGB by white法は作成する発光素子が白色の1種類だけなので、製造が最も容易という特長を有するが、カラーフィルターを用いることから、原理的に光の利用効率が1/3以下に低下する。
RGB並置型は同一基板上に3種の素子をそれぞれ作成する必要があるため、製造プロセスがやや複雑になるが、光の損失が最も少なく、発光効率の面からは理想的な方式といわれている。また、RGBのパターニング(塗り分け)については、分子量の低い蛍光色素や金属錯体などのいわゆる低分子系の材料を用いる場合は、シャドウマスクを用いた有機層の真空蒸着によりRGBを微細な塗り分けする技術が提案されている。
また、π共役ポリマーや色素を高分子化した色素含有ポリマーなどのポリマー系の材料を用いる場合は、フォトエッチングでポリイミドの土手を形成することで、画素領域を分離し、インクジェットにより有機材料を印刷することで、RGBを微細な塗り分ける技術が提案されている(情報映像メディア学会誌Vol.54,No8,pp1115〜1120)。
【発明が解決しようとする課題】
円偏光板を備えた従来技術によれば、有機EL素子の光反射機能を有する電極(陰極)での外光反射が円偏光板の作用により低減できるため、明るい環境下でも高いコントラスト比を実現することができる。しかし、発光時は発光層から出射した光の一部が円偏光板で吸収されるため、表示が暗くなるという課題を有する。これは、一般に発光層から出射する光は非偏光であるため、円偏光板を構成する偏光板で少なくとも1/2の光が吸収されるためである。
また、有機EL素子でフルカラーの表示装置を実現する場合、RGB並置型が素子効率の面から最も好ましい。しかし、現状の有機EL素子は色によっては発光の波長範囲が広く、色純度が高いとはいえない。各原色の色純度を高くするためにカラーフィルタを併用するということが考えられるが、この場合はカラーフィルターで光が吸収されるため、光の利用効率が低下して表示が暗くなる。
本発明は上記実状を鑑み成されたもので、その目的は発光層から出射した光を効率良く表示に寄与させることで、明るい表示を実現すると同時に、発光層裏面の電極などの反射部材による外光の反射を低減することで、明るい環境下でも高いコントラスト比の表示を実現する有機EL素子などの発光素子、及びこの発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置を提供することにある。
さらに、明るさを損なうことなく色純度を高めた発光素子、及びこの発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置を提供することにある。この他の目的については以下の記述から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の発光素子は、発光層と位相差板との間に偏光分離手段(コレステリック液晶層)を配置する。偏光分離手段は発光層の発光波長範囲の一部または全部を含み、なおかつ可視波長範囲よりも狭い波長範囲の光であって、前記発光層側から前記偏光分離手段側へ向かう光のうち、前記位相差板の作用により前記偏光板で吸収される直線偏光に変換される偏光成分は反射し、それ以外の光は透過するものとする。
また、発光層の裏面側に位置する反射部材は少なくとも垂直入射した円偏光は回転方向が逆の円偏光として反射する反射面とする。発光層から出射した光のうち、従来、偏光板で吸収されていた偏光成分は偏光板で吸収される前に偏光分離手段で反射して、反射部材へ向かう。偏光分離手段で反射し、反射部材へ向かう光は円偏光であり、反射部材での反射により偏光分離手段を透過する円偏光、すなわち、位相差板の作用により偏光板を透過する直線偏光に変換される円偏光となるため、偏光板で吸収されることなく利用される。
つまり、従来、発光層から出射し、偏光板で吸収され、無駄となっていた光を偏光板で吸収される前に偏光分離手段で反射して、再利用することで発光素子を明るくすることができる。
【発明の実施の形態】
即ち、上記目的を達成するため本発明の発光素子は、発光層とこの発光層の裏面に配置した光反射部材とを有する発光素子において、前記発光層の表面側に発光層から出射する光に対応した所定の波長範囲の光を反射と透過により2種類の円偏光成分に分離する偏光分離手段と、位相差板と偏光板とを配置したものである。
偏光分離手段としては例えばコレステリック液晶層を用いることができ、この際、コレステリック液晶層の選択反射の波長範囲は、発光層の発光波長範囲と同じ、或いはこれよりも狭くする。また、位相差板としては1/4波長板を用いる。
この構造の発光素子では発光層から出射した光は直接、あるいは発光層の裏面に配置した反射部材で反射した後、偏光分離手段を構成するコレステリック液晶層に入射する。コレステリック液晶層に入射した光は、コレステリック液晶の選択反射により一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これとは逆回りの円偏光(右回りの円偏光)成分は透過する。コレステリック液晶層を透過した光は位相差板の作用により円偏光から直線偏光に変換され、偏光板で吸収されることなく透過して観察者へ向かう。
一方、コレステリック液晶層で反射した光は、発光層裏面の反射部材で反射して再びコレステリック液晶層に向うが、反射部材での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となる。このため今度はコレステリック液晶層を透過して位相差板の作用により、偏光板を透過する直線偏光に変換された後、偏光板を透過して観察者へ向う。つまり、従来、偏光板で吸収され、無駄となっていた光を偏光板で吸収される前に偏光分離手段(コレステリック液晶層)で反射して、再利用することで発光素子を明るくすることができる。
さらに偏光分離手段(コレステリック液晶層)で反射して再利用される光の波長範囲が、発光層の発光波長範囲よりも狭ければ、実際に素子から出射する光の波長分布は発光層の発光波長分布よりも急峻な分布になるため、発光層の発光自体よりも色純度の高い色光となる。
また、明るい環境下において発光素子に入射する外光は一般に非偏光であるため、偏光板を通過する際、少なくともその半分が吸収される。偏光板を通過した光は位相差板を透過する際、その作用を受け、円偏光(例えば右回りの円偏光)となりコレステリック液晶層を透過する。コレステリック液晶層を透過した光は反射部材で反射する際、回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)となり、再びコレステリック液晶層に入射する。コレステリック液晶層に入射した光のうち、選択反射波長以外の波長の光はそのまま透過して、位相差板の作用を受けて偏光板で吸収される直線偏光となり、偏光板で吸収されるため外部には透過しない。
一方、選択反射波長に相当する波長の光はコレステリック液晶層で反射して、再び反射部材でも反射した後、コレステリック液晶層、位相差板、偏光板を通過して外部に出る。この光はわずかなため明るい環境下であっても、黒(暗)表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できる。
以下、本発明の具体的な実施例を参照図面により説明する。図1は本発明の発光素子の基本構成と動作原理を説明するための概略断面図である。図1に示す通り、本発明に係る発光素子24は図示しない基板上に形成された透明電極200からなる陽極と、鏡面反射手段を兼ねる陰極300と、陽極と陰極の間に形成した有機層110とから構成される有機EL素子150と、有機EL素子150の透明電極200側に順に配置した偏光分離手段500と、位相差板700と、偏光板600とから構成される。
有機EL素子150の有機層110は陽極(透明電極200)と陰極300との間に陰極300側から順に電子輸送層101、発光層100、ホール輸送層102を積層配置したものを用いることができる。
尚、発光層100と電子輸送層101は兼用できる材料を用いることで1層としても良い。また、有機EL素子150の構造としては、この他に陽極(透明電極200)とホール輸送層102の間に陽極バッファ層を配置したものを用いてもよい。陽極バッファ層としてはCuPcを用いることができる。CuPcは陽極とホール輸送層のコンタクトを向上する役割を果たすものと考えられる。
陽極(透明電極200)には仕事関数の高い透明な電極材料を用いれば良く、例えばITO(Indium Tin Oxide)が好適である。また、将来的にはInZnOを用いることができるようになるであろう。
陰極300には仕事関数の低いAl,Mg,Mg-Ag合金やAl-Li合金などを用いることができる。Al単体では駆動電圧が高く、寿命が短いことから有機層との間に極薄いLi化合物(酸化リチウムLi2O ,LiFフッ化リチウムなど)を挿入してAl−Li合金に匹敵する特性を得るようにしたものを用いても良い。
また、陰極に接する部分の有機層をリチウムやストリンチウムなどの反応性の高い金属でドーピングして、駆動電圧を低くするようにしても良い。尚、陰極300は光の反射率が高い材料から構成されることが、発光層から出射した光の利用効率向上の面から望ましい。
さらに、陰極300は後述する理由から少なくとも垂直入射した円偏光を回転方向が逆の円偏光として反射する鏡面であることが、外光反射の低減、及び発光層から出射した光の利用効率向上という面から望ましい。
有機層110は陽極(透明電極200)と陰極300との間に所定の電圧が印加されたとき所望の色で発光する材料を用いる。
赤色発光用の材料としては、例えばホール輸送層102はα−NPD( N、N'−ジ(α−ナフチル)−N、N'-ジフェニル1、1'−ビフェニル−4、4'−ジアミン)や、トリフェニルジアミン誘導体TPD(N,N'−ビス(3−メチルフェニル)1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン)、電子輸送性発光層(電子輸送層101と発光層100を兼用)は、Alq3「トリス(8−キノリノレート)アルミニウム)」にDCM−1「4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル」−4H−ピランを分散したものを用いることができる。
緑色発光用の材料としては、例えばホール輸送層102はα-NPDや、トリフェニルジアミン誘導体TPD、電子輸送性発光層(電子輸送層101と発光層100を兼用)はAlq3や、Bebqや、キナクリドンでドーピングしたAlq3を用いることができる。
青色発光用の材料としては、例えばホール輸送層102はα−NPDや、トリフェニルジアミン誘導体TPD、発光層100はDPVBi「4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル」や、これとBCzVBi「(4,4’−ビス(2−カルバゾールビニレン)ビフェニル」からなる材料、或いはジスチリルアリレーン誘導体をホストとし、ジスチリルアミン誘導体をゲストとしてドーピングしたもの、電子輸送層102としてはAlq3を用いることができる。
また、電子輸送性発光層(電子輸送層101と発光層100を兼用)として、Zn(oxz)2「2−(o−ヒドロキシフェニル)−ベンズオキサゾールの亜鉛錯体」を用いることができる。
さらに、上記低分子系の材料の他にポリマー系の材料を用いることができる。ポリマー系の材料としてはPEDT/PSS(Polyethylene dioxythiopheneとPolystyrene sulphonateの混合層)とPPV「(Poly(p−Phenylene Vinylene)」の積層膜をホール輸送層102、発光層として用いることができる。また、緑色の発光はPPVに緑インクを調合したもの、赤色の発光は緑インクに赤発光ドーパントとしてローダミン101を添加調合したもので実現でき、青色の発光層としてはF8「Poly(dioctylfluorene)」を用いることができる。尚、F8は電子輸送層101としても機能する。
また、ポリマー系の材料としてはこの他にPVK(ポリビニルカルバゾール)のような色素含有ポリマーを用いることができる。
いずれにしても有機層110を構成する各層は数十nm程度と薄く、これを透過する光の偏光状態はほぼ維持されるものである。
以上から構成される有機EL素子150では、陽極である透明電極200と陰極300とに直流電源900を接続し、透明電極200と陰極300との間に直流電圧を印加すると、透明電極200から注入されたホールがホール輸送層102を経由して、また、陰極300から注入された電子が電子輸送層101を経由して、それぞれが発光層に到達し、電子-ホールの再結合が生じてここから所定の波長の発光が生じると考えられるものである。
透明電極200の有機層110とは反対側には順に偏光分離手段500、位相差板700、偏光板600が積層配置される。偏光分離手段500は所定の波長範囲の光を反射と透過により、2種類の円偏光成分に分離する機能を有するものである。偏光分離手段500としてはコレステリック液晶層が好適である。
コレステリック液晶層はヘリカルな分子配列に基づく特異な光学特性を示すもので、ヘリカル軸に平行に入射した光はコレステリック螺旋のピッチに対応する波長において、螺旋の回転方向に応じて一方の回転方向の円偏光成分は反射し、他方は透過するという選択反射を示すものである。
コレステリック液晶層による選択反射の中心波長λ0と、その波長帯域Δλはそれぞれ式(1)、式(2)で表される。
λ0=nm・p …(1)
Δλ=Δn・p …(2)
ここで、pはコレステリック液晶層の螺旋ピッチ、nmは液晶の平均屈折率、Δnは液晶の複屈折であり、液晶分子の長軸に平行及び垂直な方向の屈折率をそれぞれne、nOとするとnmと、Δnはそれぞれ式(3)、式(4)で表される。
nm=√((ne 2+nO 2)/2) …(3)
Δn=ne−nO …(4)
ここで、例えば、複数の発光素子24を整列配置し、これらの発光動作を制御してフルカラー表示を行う表示装置を実現しようとする場合、発光素子24を構成する有機EL素子150の発光のピーク波長(最大強度となる波長)は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の3原色に対応したものとするとよい。つまり、画素毎に有機EL素子150の発光のピーク波長を3原色に対応させて異なったものとする。これに対応してコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲、あるいは選択反射の中心波長λOを有機EL素子150の発光波長範囲や発光のピーク波長に対応させる。
図2はコレステリック液晶層に非偏光の光を入射した場合のコレステリック液晶層における透過率の波長依存性を示すグラフであり、それぞれR,G,Bの3原色に対応した選択反射の一例を示したものである。
例えば有機EL素子150の発光色が青色の場合は偏光分離手段500として、図2で示すB反射の特性を示すコレステリック液晶層を配置すれば良い。つまり、偏光分離手段500は有機EL素子150の発光色に対応した選択反射の波長範囲を有するコレステリック液晶層で構成するようにすれば良い。
位相差板700及び偏光板600は従来技術において、所謂円偏光板を構成するものである。つまり、偏光板600はこれを通過する光のうち特定の直線偏光は透過し、これと直交する直線偏光は吸収するものである。
また、位相差板700は偏光板600を通過した直線偏光を、円偏光に変換する1/4波長板として機能するものを用いる。偏光板600は延伸させたポリビニルアルコールにヨウ素を吸収させて、偏光機能を付与した膜の両面にトリアセチルセルロースの保護層を施したものを用いることができる。
位相差板700は透明な一軸延伸した高分子フィルム、例えばポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリスチレン、ポリアリレート等を用いることができる。尚、一般に位相差板を構成する透明体には屈折率の波長依存性(波長分散)があるため、太陽光や照明光などの外光のように波長範囲が広い光に対しては、一種類の位相差板では十分な性能が得られない。このため波長分散の異なる2種類の位相差フィルムを、その光学軸をずらして張り合わせ、広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板を構成するようにしてもよい。
尚、偏光板600を透過し、位相差板700を通過した光の円偏光の回転方向が、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層が選択反射を示す円偏光(例えば左回りの円偏光)とは、逆回りの円偏光(右回りの円偏光)となるように位相差板700の遅相軸の向きを決定することが重要である。
次に本発光素子の動作を図1により説明する。
透明電極200と陰極300とに直流電源900を接続し、電流を流すと発光層100から所定の波長の発光が生じる。発光層100から出射した光のうち透明電極200側に向かった光1000は、そのまま透明電極200を透過して偏光分離手段500に入射する。また、発光層100から出射した光のうち陰極300側に向かった光1001は、陰極300で反射した後、同じく透明電極200を透過して偏光分離手段500に入射する。
この際、発光層100から出射した光は非偏光であるため、偏光分離手段500に入射する光は偏光分離手段500であるコレステリック液晶層の選択反射により、一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは右回りの円偏光)成分は透過し、これとは逆回りの円偏光(左回りの円偏光)成分は反射する。
偏光分離手段500を透過した光1002は、位相差板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
一方、偏光分離手段500で反射した光1003は、陰極300で反射して再び偏光分離手段500に向かうが、陰極300での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となるため、今度は偏光分離手段500を透過する。偏光分離手段500を透過した光1003は、位相差板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向う。
従って、発光層100から出射した光は、大部分が偏光板で吸収されることなく、観察者1000に向う。つまり、従来、偏光板で吸収され、無駄となっていた光を有効に再利用することで、発光素子の輝度が向上するという効果がある。
また光取出方法としては偏光分離手段500を透過した光1002と偏光分離手段500で反射した光1003とを取り出すことができるので、光の効率が良い。
次に、明るい環境下で周囲から発光素子24に入射する外光について説明する。周囲から発光素子24に入射する外光3000は一般に非偏光であるが、偏光板600を通過する際に所定の直線偏光は吸収され、これと偏光面が直交する直線偏光は透過する。偏光板600を透過した直線偏光は位相差板700の作用を受け、円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)となる。
位相差板700を通過した光は偏光分離手段500を透過して、陰極300で反射する際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。陰極300で反射した光は偏光分離手段500に入射するが、偏光分離手段500であるコレステリック液晶層における選択反射における波長範囲以外の波長の光3001は、そのまま透過し、選択反射の波長範囲に相当する波長の光は反射する。偏光分離手段500を透過した光(左回りの円偏光)は、位相差板700の作用を受けて偏光板600で吸収される直線偏光となり、偏光板600で吸収されるため外部には戻らない。
一方、偏光分離手段500で反射した光3002は、陰極300で反射して再び偏光分離手段500に向かうが、陰極300での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となるため、今度は偏光分離手段500を透過する。偏光分離手段500を透過した光3002(右回りの円偏光)は、位相差板700の作用により、偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向う。
つまり、発光素子24に入射した外光3000は、まずそのうちの少なくとも半分が偏光板600で吸収される。更に偏光板600を透過した光は陰極300で反射して、偏光分離手段500に入射するが、このうち偏光分離手段500を透過した光3001は偏光板600で吸収される。従って、外部へ出射する光は偏光分離手段500の選択反射の波長範囲に相当するわずかな光3002のみである。
つまり、本発明の発光素子では明るい環境下であっても、外光の大部分がカットされるため、黒表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できるという効果がある。
尚、図2に例示した通り、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長分布は、一般に急峻な分布をしており、選択反射の波長範囲は採用する液晶のΔnと螺旋ピッチpにより、有機EL素子の発光の波長範囲よりも小さくすることが可能である。
ここで、一般に発光の中心波長が同じであっても、発光の波長範囲が広く、なだらかな波長分布の場合には、色純度(色度図上での白色光源からの距離の比)が低くなる。従って、偏光分離手段500で反射して再利用される光の波長範囲を、発光層の発光の波長範囲よりも狭く、急峻な分布にすれば、実際に素子から出射する光の波長分布は、発光層の発光波長分布よりも狭く、急峻になるため、発光層からの発光よりも色純度を高くすることができる。
つまり、本発明の発光素子では有機EL素子150自体の発光の色純度に対して、偏光分離手段500で反射して再利用される光の分だけ、色純度を高くすることができるという効果がある。
また、この発光素子を複数整列配置し、個々の発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置の場合には、R,G,Bの3原色に対応する発光素子の色純度をそれぞれ高めることで、表色範囲の広い表示装置が実現できるという効果もある。
さらに、明るい環境下での外光の反射は、偏光分離手段500であるコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲が狭ければ、小さくなるためより高いコントラスト比が得られるという効果がある。
図3及び図4はそれぞれ本発明に係わる発光素子の出射光の相対強度と波長の関係を示すグラフと、色度を示すxy色度図であり、青色発光の有機EL素子150に、偏光分離手段500として図2で例示した青色の波長に選択反射の波長範囲(B反射)を有するコレステリック液晶層を用いた場合の結果である。また、両図とも比較のため、同じ有機EL素子を用い円偏光板を配置した従来方式の結果を併記し、さらに図4には参考のためNTSCの色度を併記した。
図3に示す通り、本発明では従来偏光板で吸収されていた光を再利用することで、光の強度が増加する。特に、青色の光として有効な波長範囲の光の強度が増加しており、図4の色度図に示す通り、色純度は従来(54%)から3%向上し、色度がNTSCの青色の値により近づいている。また、本実施例では輝度が従来の約1.5倍に向上した。
図5及び図6は同じく本発明における発光素子の光の相対強度と波長の関係を示すグラフと、色度を示すxy色度図であり、緑色発光の有機EL素子150に、偏光分離手段500として図2で例示した緑色の波長に選択反射の波長範囲(G反射)を有するコレステリック液晶層を用いた場合の結果である。また、両図とも比較のため、同じ有機EL素子を用い円偏光板を配置した従来方式の結果を併記し、さらに図6には参考のためNTSCの色度を併記した。
図5に示す通り、本発明では従来偏光板で吸収されていた光を再利用することで光の強度が増加する。特に、緑色の光として有効な波長範囲の光の強度が増加しており、図6の色度図に示す通り、色純度は従来(94.5%)から1.5%向上し、色度がNTSCの緑色の値に近づいている。また、本実施例では輝度が従来の約1.6倍に向上した。さらに、明るい環境下(垂直照度180lxの条件)でのコントラスト比は有機EL素子150単体の場合が19であるのに対し、本発光素子では36に向上した。
赤色に関しても赤色発光の有機EL素子150に偏光分離手段500として、赤色の波長に選択反射の波長範囲を有するコレステリック液晶層を用いることで、青色、緑色と同様、色純度の向上、輝度の向上といった効果が得られる。
尚、有機EL素子150の発光の波長範囲と、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲との関係が本発明の発光素子では重要である。
つまり、重視する特性によってその関係を変えても良い。例えば、色純度と明るい環境下でのコントラスト比を重視する場合は、有機EL素子150の発光の波長範囲よりも、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲を狭くすることが望ましい。この場合、選択反射の波長範囲が狭ければ狭いほど外光の反射が減り、コントラスト比は向上するが、その分輝度の向上効果が減るので、使用環境(想定される周囲の明るさ)を考慮した上で、選択反射帯域を決定するようにすると良い。
また、絶対的な輝度を重視する場合は有機EL素子150の発光の波長範囲と、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲を略一致させ、再利用できる光量を最大にすることが有効である。
コントラスト比と輝度を両立するには、有機EL素子の発光の波長範囲を狭くした上で、有機EL素子150の発光の波長範囲と偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲を略一致させる。ここで、有機EL素子の発光の分布を半値幅が75nmのガウス型と仮定して計算すると、R,G,Bともに十分な色度(色純度)が得られる(映像メディア学会誌Vol.54,No8,p1116)。従って、コントラスト比と輝度を両立するには有機EL素子の発光波長の半値幅と、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射波長の半値幅を75nm以下とすると良いだろう。
尚、偏光分離手段500であるコレステリック液晶層にR,G,Bで同じ液晶材料を使用する場合、選択反射の波長範囲は原理的に選択反射の中心波長が長くなるほど広くなる。つまり、赤色光に対応したコレステリック液晶層は青色や緑色に対応したコレステリック液晶層に比べて、原理的に選択反射の波長範囲が広くなりコントラスト比の向上効果や、色純度の向上効果が小さくなる。
従って、この場合には赤色光に対応したコレステリック液晶層の選択反射の中心波長は、有機EL素子の発光ピーク波長あるいは中心波長より長波長側に設定して可視波長範囲における選択反射の波長範囲が、有機EL素子の発光の波長範囲と略一致するようにすると良い。
尚、本発明は発光層の裏面に反射部材を有する発光素子において、この前面に偏光分離手段と、位相差板と、偏光板とを配置したものであり、この要件を満たすものであれば、上記実施例に記載のない構成であっても同様な効果が得られることは明らかであろう。
(表示装置の実施例1)
次に本発明の発光素子を複数整列配置し、これら複数の発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置について説明する。図7は本発明にかかる表示装置1の全体のレイアウトを模式的に示すブロック図であり、図8はその表示部2に構成されたアクティブマトリクスの等価回路図である。
図7に示すように,表示装置1は、基板6のほぼ中央部に表示部2が設けられる。表示部2の上側には、データ線7に対して画像信号を出力するデータ駆動回路3、左側にはゲート線8に対して走査信号を出力する走査駆動回路4が設置されている。これらの駆動回路3,4はNチャネル型とPチャネル型のTFT(Thin Film Transistor)による相補型回路から構成されるシフトレジスタ回路,レベルシフタ回路,アナログスイッチ回路などから構成される。
表示装置1では、液晶表示装置のアクティブマトリクスと同様、第1の基板6上に複数のゲート線と、該ゲート線の延在方向に対して交差する方向に延在させた複数のデータ線が設けられており、図8に示すようにそれらのゲート線G1,G2,…,Gmとデータ線D1,D2,…,Dnとの交差するところにマトリクス状に画素20が配置される。
各画素は発光素子24と、蓄積容量23と、ゲート電極がゲート線に接続し、ソース・ドレイン電極の一方がデータ線に接続され、他方が蓄積容量23に接続されているNチャネル型のTFTからなるスイッチトランジスタ21と、ゲート電極が該蓄積容量23に接続し、ソース電極が上記データ線と同じ方向に延在する共通電位線9に接続され、ドレイン電極が発光素子24を構成する有機EL素子の一方の電極(陰極)に接続されているNチャネル型のTFTからなるドライバトランジスタ22とから構成されている。
また、発光素子24を構成する有機EL素子の他方の電極(陽極)は、画素共通の電流供給線に接続されて一定の電位Vaに保たれる。発光素子24はR,G,Bのいずれかの色光を発するものが、所定の順序でマトリクス状に配置される。
上記構成によれば、走査信号によってスイッチトランジスタ21がオン状態になると、データ線から画像信号がスイッチトランジスタ21を介して蓄積容量23に書き込まれる。従って、ドライバトランジスタ22のゲート電極は、スイッチトランジスタ21がオフ状態になっても、蓄積容量23により画像信号に相当する電位に保持される。
ドライバトランジスタ22は、定電流性に優れるソース接地モードでの駆動状態に保たれ続けて,電流供給線からの電流が発光素子24を構成する有機EL素子を流れるので、発光素子24は発光状態に維持される。このときの発光輝度は、蓄積容量23に書き込まれるデータに依存する。発光の停止は,ドライバトランジスタ22をオフ状態とすることで実現する。
次に図9及び図10を用いて表示装置1の構造を説明する。図9は表示装置1における画素部の平面構造の一部概略図を示し、図10は図9上のA−A’に沿った断面構造を示す。ガラスなどの平坦な第1の基板6上に、スイッチトランジスタ21,ドライバトランジスタ22を形成するための島状のシリコン膜が形成され、その表面にゲート絶縁膜が形成されている。ゲート絶縁膜上には,ゲート電極,ゲート線,蓄積容量用電極が形成され、その後ゲート電極に自己整合的にソース・ドレイン領域が形成されている。さらに第1の層間絶縁膜50が設けられ、コンタクトホールを介してデータ線,共通電位線,蓄積容量用電極が形成されている。
さらに第2の層間絶縁膜51と絶縁材料からなる平坦化膜52が積層形成され、その上に発光素子24の陰極300となる光反射機能を有する電極がしま状にパターン形成されている。陰極300は第2の層間絶縁膜51及び平坦化膜52のコンタクトホールを介してドライバトランジスタ22のドレインと接続されている。平坦化膜52の上には、陰極300が形成された領域を取り囲むように光吸収性の黒色顔料を分散した感光性樹脂材料からなる隔壁60が形成されている。隔壁60はフォトリソグラフィ法により形成される。
陰極300にはR,G,Bいずれかの色に発光する発光層を有する有機層110が所定の配置でパターン形成される。有機層110は上述の構成及び材料から選択すれば良い。有機層110のパターニングは有機層110が低分子系の場合には、公知のシャドーマスクによる真空蒸着有機膜のパターニング成膜技術(例えばS.Miyaguchi,et al,"Organic LED Fullcolor Passive−matrix Display", Journal of the SID,vol.7, No.3,pp221−226(1999)に記載)を用いれば良い。この工程の際、隔壁60はシャドウマスクの突き当て部材として使用することができる。
また、有機層110をポリマー系の材料で構成する場合は公知のインクジェットパターニング技術(例えば、T.Shimoda,et al "Multicolor Pixel Patterning of Light−Emitting Polymers by Ink−Jet Printing",SID99, Digest,pp.376(1999)に記載)を用いれば良い。この工程の際、隔壁60は画素領域を分離する土手として機能する。
有機層110の上には対向電極である陽極(透明電極200)が全面的に形成されている。透明電極200は図示しない電流供給線と接続される。透明電極200の上には透明な絶縁材料からなる平坦化膜70が形成される。平坦化膜70は透明電極200を保護すると同時に、この上に配置する部材の積層を容易にするためのものである。
平坦化膜70としては透明なアクリル系樹脂、カルド系樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド系樹脂等の有機材料を用いれば良い。これらの有機材料はスピンコート法などで成膜することで、その表面が比較的容易に平坦化できる。
平坦化膜70の上には光学的に等方で透明かつ平坦な基板からなる第2の基板90が配置される。
第2の基板90には一方の面にブラックマトリクス層(BM層)80と偏光分離手段500が形成され、他方の面に位相差板700と偏光板600が積層配置されている。第2の基板90は偏光分離手段500が形成された面が、第1の基板6の有機層110形成面と対向するように配置する。第2の基板90上に形成された偏光分離手段500は、有機層110の発光層の発光色に対応した選択反射の波長範囲を有するコレステリック液晶層がパターン形成されており、コレステリック液晶層の選択反射の波長範囲と有機層110における発光の波長範囲の関係は上記説明の通りとする。
第1の基板6と第2の基板90はパターン形成された有機層110の位置と、パターン形成されたコレステリック液晶層の位置が略一致するように重合せて、透明粘着材により全面を密着するか、表示部の周囲を枠状のシール材でシールし,窒素を封入して、密閉接着する。
図11は表示装置1の一部断面を示す概略構成図である。また、図12は表示装置1の一部正面図である。図11に示す通り、赤色(R)発光の有機層110Rの上には、赤色に対応した選択反射の波長範囲を有するR反射のコレステリック液晶層500Rを、緑色 ( G ) 発光の有機層110Gの上には緑色に対応した選択反射の波長範囲を有するG反射のコレステリック液晶層500Gを、青色(B)発光の有機層110Bの上には青色に対応した選択反射の波長範囲を有するB反射のコレステリック液晶層500Bを配置する。
また、図12に示す通り、第2の基板90に形成したBM層80は第1の基板6に形成された隔壁60よりも小さく形成する。これは、BM層80を隔壁よりも小さくすることで有機層110からの発光がBM層80で遮られて表示が暗くなることを避けるためであり、位置合わせの際のマージンを確保するためでもある。
次に第2の基板90のBM層80及び偏光分離手段500の形成方法について説明する。
BM層80としては液晶表示装置に使用されているものと同様、金属クロム、酸化クロム、カーボンブラックなどの遮光性顔料を分散させた感光性樹脂を用いることが出来る。本発明の発光素子では特にBM層に外光反射の低減による画質の向上(明環境下での高コントラスト比の維持)が要求されるため、低い反射率が要求される。この要求からBM層としては最も反射率が低くできる遮光性顔料を分散させた感光性樹脂を用いたものが望ましい。
しかし、本発明の発光素子ではBM層80より外側、つまり観察者側には位相差板700と偏光板600が配置され、これらが円偏光板として機能するため反射率が高い金属クロムであっても、金属クロムでの外光反射は抑制されるため使用してもかまわない。
次に第2の基板90にBM層80を形成する工程の一例を説明する。図13は遮光性顔料を分散させた感光性樹脂によるBM層80の形成工程の説明図である。
(a)まず光学的に等方で透明、かつ平坦な第2の基板90上にカーボンブラックを分散したネガ型感光性樹脂85をスピンコーターやダイコーターなどにより塗布する。この際、第2の基板90上にあらかじめ密着性を向上させる薄膜を形成しておいても良い。
第2の基板90としてはガラスの他、キャスティング法(溶液流延法)により成膜したポリカーボネートフィルムや、トリアセチルセルロースフィルム等のポリマーフィルム、或いは射出成形により形成した脂環式アクリル樹脂(商品名オプトレッツ:日立化成製)等の光学的に等方なプラスチックシートやプラスチックフィルムなどを用いることができる。
(b)次に塗布された層をホットプレートなどを用いて仮硬化し、ネガ型感光性樹脂85の感度に合致した波長を有する露光装置により所定のパターンを有するマスク86を用いて露光する。(c)その後、現像することで露光された部分がBM層80として残り、マスクにより遮光された部分は溶出し、基板面が露出する。(d)引き続き洗浄、乾燥を行い、アクリル樹脂、あるいはポリイミド系樹脂などの透明樹脂を塗布して、表面を平坦化する平坦化膜88を構成する。
次にBM層80が形成された第2の基板90にコレステリック液晶層からなる偏光分離手段500を形成する方法の例を説明する。
面内にR,G,Bに対応した選択反射の波長範囲を有するコレステリック液晶層を形成する方法は、公知の技術を用いればよく、例えば異なる液晶材料を印刷する方法や、液晶ポリマーを一面に塗工してから何らかの方法でR反射,G反射,B反射をパターン形成する方法がある。
液晶ポリマーを一面に塗工してから何らかの方法でR,G,Bをパターン形成する方法としては、選択反射波長の温度依存性を利用して温度を変えながら、架橋により構造を固定する方法「例えばR.Maurer,etale,SID94, Digest,pp399−402(1994)に記載」や、選択反射波長を光照射により制御する方法(例えば特開2000−147236号公報)などがある。
面内にR,G,Bに対応した選択反射の波長帯域を有するコレステリック液晶層をパターン形成する方法は、所望の選択反射が得られる領域がパターン形成される方法であれば、いずれの方法であっても良い。
図14はBM層80が形成された第2の基板90にパターン形成されたコレステリック液晶層からなる偏光分離手段500を、形成する方法の一例を説明するための図である。
ここでは選択反射波長を光照射により制御する方法について説明する。この方法は、シッフ塩基を介して光学活性基を結合したモノマーユニットを一成分とする側鎖型液晶ポリマーに光酸発生剤を添加した系において、紫外線照射により光学活性基を切断することで選択反射波長を制御する方法である。つまり、液晶ポリマー(共重合体)は光学活性基を含有するモノマー単位の含有率に基づいて、コレステリック液晶の螺旋ピッチが変化し、選択反射波長は当該ピッチで決定されるため、前記含有率の制御で選択反射波長を制御する方法である。光学活性基を含有するモノマー単位の含有率が高いほどピッチが小さくなり、選択反射の波長範囲は短波長側にシフトする。
このため、青色以下の選択反射波長を示す液晶ポリマーをベースに用い、適宜フォトマスクを介して、まず緑色、赤色の選択反射を示すべき領域に紫外線を照射し、加熱配向処理を施した後、改めて赤色の選択反射を示すべき領域に緑色から赤色へ選択反射波長をシフトするだけの紫外線照射を行い、加熱配向処理することによって目的のR反射,G反射,B反射にパターン形成されたコレステリック液晶層を形成する。
次に図14を参照しながら工程の一例を説明する。(e)まず、第2の基板90のBM層80が形成された面に図示しない配向膜としてポリビニルアルコール層を設け、それをレーヨン布でラビング処理した処理面に液晶ポリマーを塗布する。液晶ポリマーとしては、(化1)に示されるネマチック性の液晶モノマーと、(化2)に示される光学活性基を含有するモノマーとの共重合体からなる側鎖型コレステリック液晶ポリマーを使用することができる。
【化1】
【化2】
この液晶ポリマーを溶解させたシクロヘキサノン溶液に2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3'−クロロ−4'−メトキシ−β−スチリル)トリアジンを加えたものを基板90上に塗布し、乾燥後、160℃で5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷して、選択反射における中心波長440nmの非流動性のコレステリック液晶層500Bを得る。
(f)次に非流動性の液晶層500Bに透過率100%と0%の2領域を有するフォトマスク550を介して緑色、赤色の選択反射を示すべき領域に紫外線を照射し、再度160℃、5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷して、パターニングされた選択反射の中心波長が540nmの非流動性のコレステリック液晶層500Gを得る。
(g)さらにフォトマスク551を介して赤色の選択反射を示すべき領域に紫外線を照射した後、再度160℃、5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷してパターニングされた選択反射における中心波長630nmの非流動性のコレステリック液晶層500Rを得る。
上によりR反射,G反射,B反射にパターン形成されたコレステリック液晶層が形成される。尚、コレステリック液晶層の表面には必要に応じて透明な保護層を設けても良い。
BM層80と偏光分離手段500が形成された第2の基板90は偏光分離手段500が形成された面が、第1の基板6の有機層110形成面と対向するように配置する。この際、第1の基板6と第2の基板90はパターン形成された有機層110の位置と、パターン形成されたコレステリック液晶層の位置が略一致するように位置合せをした上で、重ね合わせて透明粘着材により全面を密閉接着するか、表示部以外の領域を枠状のシール材により接着して、空間に窒素を封入した状態で密閉する。
第2の基板90の偏光分離手段500が形成された面とは逆の面には位相差板700及び偏光板600が積層配置される。位相差板700及び偏光板600は上記説明の通りであり、それぞれアクリル系の透明接着剤により光学的に結合されるよう接着される。
尚、第2の基板の代わりに位相差板に直接偏光分離手段を形成しても良い。この場合はコレステリック液晶層をパターン形成する工程で熱などにより、位相差などの特性が変化しない材質を用いると良い。
次に表示装置1の表示動作を図8、図15を用いて説明する。図15(a)はゲート線G1,G2,…,Gmに順次印加される電圧VG1,VG2,…,VGmのタイムチャートである。また、図15(b)は1行1列に位置するゲート電圧VG1とデータ電圧VD1,及び蓄積容量23の電圧状態を例示する図である。
図15(a)に示すとおりゲート線G1,G2,…Gmには順次スイッチトランジスタ21をターンオンする電圧VG1,VG2,…VGmが印加される。時刻t=t0にゲート線G1にスイッチトランジスタ21をターンオンする電圧VG1が印加されると、1フレーム期間Tf内に垂直方向の走査を1回終えて、再びゲート線G1にターンオン電圧が印加されるのは時刻t=t0+Tfである。
この駆動スキームでは,1本のゲート線にターンオン電圧が印加される時間は、Tf/m以下となる。一般的に、Tfの値としては、1/60秒程度が用いられる。
あるゲート線にターンオン電圧が印加されているときは、そのゲート線に接続されたスイッチトランジスタは全てオン状態となり、これに同期してデータ線D1,D2,…,Dnには画像信号に応じたデータ電圧が印加される。これは所謂線順次走査方式と呼ばれ、アクティブマトリクス液晶では一般的に用いられている方式である。
次に1行1列に位置する画素20に着目し、ゲート電圧VG1とデータ電圧VD1、及び蓄積容量23の電圧状態を図15(b)を参照しながら説明する。t=t0において、VG1に同期したデータ電圧VD1の値をd1とし、次フレームt=t0+Tfにおいてのデータ電圧をd2とする。この場合、ゲート線G1にターンオン電圧が印加されている間に、これらのデータ電圧は蓄積容量23に蓄えられ、1フレーム期間はほぼそれらの値に保たれる。これらの電圧値は,ドライバトランジスタ22のゲート電圧を規定し、これによりトランジスタを流れる電流値が制御されるので、これらと共通電位配線によって印加される電圧(一定)と、発光素子24の透明電極に印加されている電圧Va(一定)とで決まる一定の電流が発光素子24を流れ、所定の発光を生じる。
つまり、発光量を制御すべき画素に対応したゲート線にターンオン電圧が印加されるのに同期して、画像情報に対応した電圧をデータ線に印加することで、画素の発光量を制御することができる。従って、表示部2を構成する複数の画素の発光量を画像情報に応じて制御することで、所望の画像を表示することができる。尚、発光素子24の陰極及び陽極の両端に電圧が印加されてから、発光が始まるまでの応答時間は通常1μs以下であるため、動きの速い画像にも追随できる画像表示を実現できる。
ここで、一般に有機EL素子はこれに流れる電流を大きくすると、その発光量が大きくなり明るい表示が得られるが、その分消費電力が大きくなり、素子の寿命(例えば、発光量が初期の半分になるまでの時間)が短くなる。
本発明の表示装置1の発光素子24は上述の通り、偏光分離手段の作用により、従来、偏光板で吸収され損失となっていた光も表示光として利用できるため、輝度が1.6倍以上に向上する。このため、同じ消費電力であれば、より輝度が高く、明るい表示の表示装置を実現できるという効果が有る。或いは、同じ輝度(明るさ)であれば、発光素子に流れる電流を小さくできるので、消費電力が小さくなり、さらに寿命が長い表示装置を実現できるという効果がある。
さらに表示装置1は上述において発光素子24の偏光分離手段の作用により、発光層からの発光色自体より、観察者側へ出射する色光の色純度が向上するという効果がある。このため、表示装置の表示色範囲が広がるという効果がある。
また、表示装置1では各画素の発光素子の周囲に光吸収性の顔料を分散した隔壁を設けた。この隔壁により発光層から基板面に平行な方向へ出射する光は遮断されるため、画素のぼやけが無い表示が得られる。さらにこの隔壁は、発光層から出射して偏光分離手段で反射した光が、別の画素へ漏れることを防ぐため、混色やぼやけを防止する効果がある。つまり、各画素は隔壁により光学的に分離されるため混色やぼやけのない高品位な表示が得られる。
また、この隔壁を偏光分離手段側に設けたBM層よりも広い領域に形成することで、パターン形成された発光層と、パターン形成された偏光分離手段の位置合せのマージン確保による生産性の向上、及び外光反射の低減による明環境下でのコントラスト比の向上といった効果を得られる。
さらに、この隔壁は有機EL素子が形成された第1の基板と、偏光分離手段が形成された第2の基板を重ね合わせる際のスペーサーとして機能させることができ、この場合は有機EL素子と偏光分離手段との接触による欠陥の発生を防止する効果がある。
尚、本実施例では偏光分離手段と、有機EL素子を異なる基板上に形成し、最後に重ね合わせるようにした。これは、同一の基板に両者を形成する場合、例えば有機層が既に形成された基板に偏光分離手段をパターニングする場合、偏光分離手段のパターニング工程において基板の温度が上がり有機層が劣化するなどの不具合が生じるからである。
つまり、偏光分離手段と有機EL素子を異なる基板に形成するようにすれば、それぞれの工程の自由度は広がり、互いに劣化させることがないのでより高性能な素子を構成できる。ただし、本発明は例えば将来、耐熱性の高い有機材料が開発されれば、偏光分離手段と有機EL素子を同一の基板に形成することを拒むものではない。
尚、本発明の表示装置では偏光分離手段と陰極との距離が長いと偏光分離手段で反射した光が本来の画素とは、別の画素の陰極へ漏れて解像度が低下したり、発光層から出射した光や、偏光分離手段で反射した光が隔壁などで吸収されて観察者へ向かう光が、減ってしまうなどの弊害を生じる。このため、偏光分離手段と陰極との距離はできるだけ短いことが、画質及び発光層から出射した光の利用効率向上の面から望ましい。
ここで、有機EL素子と偏光分離手段の間に基板が介在する場合、基板がガラスであれば、基板の厚さだけで数百μm、プラスチックフィルムであっても数十μm以上となり、偏光分離手段と陰極の距離が長くなってしまう。
これに対し、本表示装置では有機EL素子からの光の取り出しを有機EL素子が形成された第1の基板とは逆の方向からとし、さらに透明で薄い平坦化膜や絶縁膜を介して偏光分離手段を重ね合わせる構成とした。この構成により偏光分離手段と陰極との距離は10μm以下と短くできるため、隔壁などで吸収され、損失となる光が減り、発光光の利用効率が向上してより明るい表示が得られる。さらにこの場合は、偏光分離手段で反射した光が異なる画素へ漏れて、解像度の低下や、混色などを起すことがないので、高品位な表示が得られるという効果がある。
表示装置の表示部を構成する画素の配置は、ストライプ配置、モザイク配置、デルタ配置等のいずれの配置でもよく、表示装置の仕様に合せて適切な配置を選択すれば良い。尚、上記実施例ではアクティブマトリクス駆動の表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、TFTを設けずに本発明の発光素子の陽極及び陰極をそれぞれ垂直走査線、水平走査線に直結して駆動する単純マトリクス駆動の表示装置に適用しても良い。
(表示装置の実施例2)
次に本発明における表示装置の他の実施例について説明する。図16は本発明の表示装置の概略を示す一部断面図である。この表示装置は有機層110Wの発光色が白色であることと、カラーフィルタ−を有すること以外、基本的な構成は上記実施例と同じであるため、同じ部分には同じ符号を付け詳細な説明は省略する。
図16に示すとおり、本表示装置は図11を参照して説明した上記実施例において、R,G,Bにパターン形成されていた有機層を全て白色発光の有機層110Wに変更し、第2の基板90と偏光分離手段500との間に、それぞれR,G,Bに相当する光を透過するカラーフィルタ−900R,900G,900Bをパターン形成したものである。
白色発光を実現する有機層としては、発光色の異なる複数の発光層を積層する構成と、一つの発光層中に発光色が異なる色素をドーピングする構成がある。
前者の構成としては、例えばTPD、Alq3のAlq3を部分的にナイルレッドでドープし、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)を組合せたものがある。また、後者としては、PVKに3種類の色素、例えば1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)、クマリン6、DCM1をドープしたものがある。いずれにせよ、白色発光の有機層としては発光効率が高く、寿命の長い白色発光が得られるものを用いることが望ましい。
次にカラーフィルター及び偏光分離手段の作製工程について説明する。図17は第2の基板90上にカラーフィルター及び偏光分離手段を作製する際の工程を説明するための図である。以下、カラーフィルター及び偏光分離手段の作製工程について図面を参照しながら説明する。(A)光学的に等方で透明、かつ平坦な第2の基板90上に、金属クロム、酸化クロム、あるいは光吸収性の顔料を分散した感光性樹脂からなるBM層80をパターン形成する。
(B)BM層が形成された基板90に染色法、顔料分散法、あるいは印刷法などの公知の技術(次世代液晶ディスプレイ技術、内田龍男編著、工業調査会)により、R,G,Bの各色光を透過するカラーフィルターをパターン形成する。
(C)さらにこの上に、透明な樹脂材料からなるオーバーコート層910を形成する。
(D)オーバーコート層910の上に図示しない配向膜としてポリビニルアルコール層を設け、ラビング処理した処理面に上記実施例と同様、液晶ポリマーの溶液を塗布し、乾燥後、160℃で5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷して、青色に選択反射の中心波長を有する非流動性のコレステリック液晶層500Bを得る。
(E)次に非流動性の液晶層500Bに透過率100%と0%の2領域を有するフォトマスク550を介して、緑色、赤色の選択反射を示すべき領域、つまり緑色光を透過するカラーフィルター900G、及び赤色光を透過するカラーフィルタ900Rに対応する位置に紫外線を照射し、再度160℃、5分間加熱配向処理して室温にて放冷して、パターン形成された緑色に選択反射の中心波長を有する非流動性のコレステリック液晶層500Gを得る。
(F)さらにフォトマスク551を介して赤色の選択反射を示すべき領域、つまりに赤色光を透過するカラーフィルタ900Rに対応する位置に紫外線を照射した後、再度160℃、5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷してパターン形成された赤色に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層500Rを得る。以上により、R反射,G反射,B反射にパターン形成されたコレステリック液晶層が形成される。コレステリック液晶層には必要に応じて透明な保護層を設けても良い。
このようにBM層80とカラーフィルター、及びコレステリック液晶層からなる偏光分離手段500が形成された第2の基板90は偏光分離手段500が形成された面が第1の基板6の有機層110Wを形成した面が対向するよう重ね合わせる。この際、第1の基板6と第2の基板90はパターン形成された有機層110Wの位置と、パターン形成されたコレステリック液晶層の位置が略一致するように位置合せをした上で、透明粘着材により全面を密着するか、表示部を囲む枠状のシール材により窒素を封入して密閉接着する。
尚、パターン形成された有機層と、パターン形成された偏光分離手段の位置合せは、赤色を表示すべき画素の有機層の位置には、赤色に選択反射波長を有するコレステリック液晶層及び赤色のカラーフィルターを配置し、緑色を表示すべき画素の有機層の位置には、緑色に選択反射波長を有するコレステリック液晶層及び緑色のカラーフィルターを配置し、青色を表示すべき画素の有機層の位置には、青色に選択反射波長を有するコレステリック液晶層及び青色のカラーフィルターを配置する。
また、第2の基板90の偏光分離手段500が形成された面とは、逆の面には位相差板700及び偏光板600をアクリル系の透明接着剤により光学的に結合されるよう接着する。
次にこの表示装置の動作を説明する。この表示装置の発光動作は上記実施例と同じである。つまり、発光量を制御すべき画素に対応したゲート線にターンオン電圧が印加されるのに同期して、画像情報に対応した電圧をデータ線に印加することで画素の発光量を制御するものであり、表示部を構成する複数の画素の発光量を画像情報に応じて制御することで、所望の画像を表示するものである。
有機層110Wから出射した光は直接、または陰極で反射した後、偏光分離手段に入射する。偏光分離手段は各画素が表示すべき色光に選択反射波長を有するコレステリック液晶層がパターン形成されたものである。このため、赤色を表示すべき画素の有機層110Wから出射して偏光分離手段500Rに入射した光は、偏光分離手段500Rを構成するコレステリック液晶層の選択反射により、赤色に対応する所定の波長範囲であって、なおかつ一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これ以外の光は透過する。
偏光分離手段500Rを透過した光のうち、赤色に対応する所定の波長範囲の光は右回りの円偏光のみとなっており、これ以外の波長の光は非偏光である。
偏光分離手段500Rを透過した光は、赤色光を透過する赤色カラーフィルター900Rに入射して、赤色に対応する所定の波長範囲以外の光は、赤色カラーフィルター900Rでほとんど吸収される。
偏光分離手段500Rを透過した光のうち赤色に対応する所定の波長範囲の光は、赤色カラーフィルタ900Rを透過し、位相差板700の作用により円偏光から直線偏光に変換され、偏光板600で吸収されることなく透過して観察者1000の方向へ向う。
一方、偏光分離手段500で反射した光は、陰極300で反射して再び偏光分離手段500Rに向うが、陰極300での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(ここでは右回りの円偏光)となるため、今度は偏光分離手段500Rを透過する。偏光分離手段500を透過した光は赤色カラーフィルタ900Rも透過して、位相差板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
つまり、赤色を表示する画素に対応する有機層110Wから出射した白色光のうち、赤色に対応する所定の波長範囲の光のみが、カラーフィルタ500Rや偏光板600で吸収されることなく、観察者1000に向かうため明るい赤色光が得られる。
緑色、(あるいは青色)を表示する画素に対応する有機層110Wから出射した白色光に関しても同様に、緑色(あるいは青色)に対応する所定の波長範囲の光のみが、カラーフィルタ500G(あるいはカラーフィルタ500B)や、偏光板600で吸収されることなく、観察者1000に向かうため明るい緑色光(あるいは青色光)が得られる。
つまり従来、偏光板で吸収され、無駄となっていた光を有効に利用することで、発光素子の輝度が向上し、明るい表示ができるという効果がある。
また、明るい環境下で表示装置の発光素子に入射する外光は、偏光板600を通過する際、少なくともその半分が吸収される。偏光板600を透過した光は位相差板700を透過する際、その作用を受け、円偏光となり、カラーフィルタを通過する際、さらにその2/3が吸収される。カラーフィルタを透過した光は陰極300で反射し、さらに偏光分離手段で反射した後、再び陰極300で反射して、偏光選択手段、カラーフィルタ、位相差板、偏光板を透過して観察者1000の方向へ向かう。従って、明るい環境下であっても外光の大部分がカットされるため、暗表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できるという効果がある。
ここで、一般に発光の中心波長が同じである場合、発光の波長範囲が狭く、急峻な分布の場合には色純度が高くなる。また、コレステリック液晶層の選択反射の波長分布は、顔料や染料を使用した通常のカラーフィルターの透過波長分布よりも、波長範囲を狭くすることができ、波長分布が急峻である。
このため、本表示装置は、従来の白色発光有機EL素子にR,G,Bのカラーフィルターを組み合わせたカラー表示装置に比べて、R,G,B単色の色純度が高く、表示色範囲が広い表示装置を実現することができる。また、本実施例の表示装置においても上記実施例と同様な構造部分については同じ効果が得られることは、云うまでもない。
(発光素子の他の実施例)
次に本発明における発光素子の他の実施例を示す図面を参照しながら説明する。図18は本発明における発光素子の他の実施例における基本構成と動作原理を説明するための一部概略断面図である。この発光素子は上記実施例において、偏光分離手段として用いたコレステリック液晶層の代わりに、所定の波長範囲の直線円偏光成分は反射し、他の成分は透過する偏光分離手段(以下、直線偏光分離手段と呼ぶ)555を用いたものである。このため上記実施例と共通な部分には同じ符号を付け、詳細な説明は省略する。
図18に示す通り、本発光素子は図示しない基板上に形成された透明電極200からなる陽極と、鏡面反射手段を兼ねる陰極300と、陽極と陰極の間に形成した有機層110とから構成される有機EL素子150と、有機EL素子150の透明電極200側から順に積層配置した位相差板700と、直線偏光分離手段555と、偏光板600から構成される。
直線偏光分離手段555はシート状でこれに入射する光のうちの所定の波長範囲における直線偏光成分は反射し、これ以外の光は透過する機能を有するものである。偏光分離手段555の構成は種々考えられ、例えば、国際出願の国際公開番号:WO95/27919に記載の複屈折反射型偏光フィルムやSID92、Digest、p427に記載の頂角が略90度のプリズムアレイを2枚重ね、その重ね合わせ部に誘電体多層膜による偏光分離面を形成したものを使用することができる。この際、直線偏光分離手段で反射する波長範囲は、有機EL素子の発光の波長範囲と略一致させる。
位相差板700及び偏光板600は従来技術における、いわゆる円偏光板を構成するものを用いれば良い。つまり、偏光板600はこれを通過する光のうち特定の直線偏光は透過し、これと直交する直線偏光は吸収するものである。また、位相差板700は偏光板600を通過した直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板として機能するものを用いる。
直線偏光分離手段555はこの円偏光板を構成する偏光板600と位相差板700の間に配置するが、この際、偏光分離手段555の直線偏光の透過軸は偏光板600の直線偏光の透過軸と一致するように配置する。
次に本発光素子の動作を図18により説明する。透明電極200と陰極300とに直流電源900を接続し、透明電極200と陰極300との間に直流電圧を印加すると発光層100から所定の波長の発光が生じる。発光層100から出射した光のうち透明電極200側に向かった光1100はそのまま透明電極200、及び位相差板700を透過して直線偏光分離手段555に入射する。
また、発光層100から出射した光のうち陰極300側に向った光1101は陰極300で反射して、同じく透明電極200及び位相差板700を透過して直線偏光分離手段555に入射する。この際、発光層100から出射し、直線偏光分離手段555に入射する光は非偏光であるため、偏光板600で吸収されるべき直線偏光成分は反射し、偏光板600を透過する直線円偏光成分は透過する。偏光分離手段555を透過した光1102は偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
一方、直線偏光分離手段555で反射した直線偏光光1103は、位相差板700を通過して陰極300へ向うが、位相差板700を通過する際、その作用を受けて円偏光(ここでは例えば左回りの円偏光)に変換される。陰極300へ向かった光1103は陰極300での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となり、再び位相差板700を通過する際に、その作用を受けて今度は直線偏光分離手段555を透過する直線偏光に変換される。このため直線偏光分離手段555及び偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
つまり、本発光素子では発光層100から出射した光のうち、従来、光板で吸収され、損失となっていた光を有効に再利用するため観察者1000へ向かう光量が増加し、輝度が向上するという効果がある。
次に、周囲が明るい環境下で外部から発光素子に入射する外光の挙動について説明する。周囲から発光素子に入射する外光3100は非偏光であるが、偏光板600を通過する際に所定の直線偏光は吸収され、これと直交する直線偏光のみが透過する。偏光板600を透過した直線偏光は直線偏光分離手段555も透過し、位相差板700の作用を受け、円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)となる。
位相差板700を通過した光は陰極300で反射する際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。陰極300で反射した光は再び位相差板700を通過する際、今度は偏光板600で吸収される直線偏光に変換された後、直線偏光分離手段555に入射する。直線偏光分離手段555では有機EL素子の発光波長範囲に相当する波長範囲の光は反射し、それ以外の波長の光は透過する。直線偏光分離手段555を透過した光3101は偏光板600で吸収されるため外部には戻らない。
一方、直線偏光分離手段555で反射した光3102は位相差板700を通過する際、その作用を受け、左回りの円偏光に変換され、陰極300で再度反射する際、位相がπずれて回転方向が逆の右回りの円偏光となる。陰極300で再度反射した光は位相差板700を通過する際、今度は偏光板600を透過する直線偏光に変換されるため、直線偏光分離手段555及び偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
つまり、発光素子に入射した外光3100のうち少なくとも半分が偏光板600で吸収される。偏光板600を透過した光は、直線偏光分離手段555及び位相差板700等を透過して、陰極300で反射して、再び直線偏光分離手段555に入射するが、このうち直線偏光分離手段555を透過する光3101は偏光板600で吸収される。従って、外部へ出射する光は直線偏光分離手段555で反射される波長範囲のわずかな光3102のみである。つまり、本発明の発光素子においても上記実施例と同様、明るい環境下であっても外光の大部分がカットされるため、暗表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できるという効果がある。
また、直線偏光分離手段555の直線偏光の反射波長範囲を有機EL素子の発光の波長範囲よりも狭くすることで観察者1000へ向かう色光の色純度を向上したり、明るい環境下でのコントラスト比をさらに向上することができるといった効果がある。
【発明の効果】
上記の通り、本発明によれば、発光素子はコレステリック液晶層などから構成される偏光分離手段の作用により、従来、偏光板で吸収され、損失となっていた光を有効に再利用することで、観察者へ向かう光量が増加し、輝度が向上するという効果がある。そのうえ、偏光分離手段で反射して再利用される光の波長範囲の制御により、発光層からの発光自体よりも高い色純度の色光が得られるという効果がある。
さらに明るい環境下であっても外光の反射の大部分がカットされるため、黒表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できるという効果がある。
また、本発明の表示装置ではこれを構成する発光素子が偏光分離手段の作用により、従来、偏光板で吸収され損失となっていた光も表示光として利用できるため輝度が向上する。
このため、同じ消費電力であれば、より輝度が高く、明るい表示の表示装置を実現できるという効果がある。或いは、同じ輝度(明るさ)であれば、発光素子に流れる電流を小さくできるので、消費電力が小さくなり、さらに寿命が長い表示装置を実現できるという効果がある。
さらに本発明の表示装置では表示装置を構成する発光素子から出射する色光の色純度が高いため、表示装置の表色範囲が広い高品位な表示が実現できるという効果がある。
さらに本発明の表示装置では各画素の発光素子の周囲に設けた光吸収性の隔壁により、各画素が光学的に分離されるため、混色やぼやけのない高品位な表示が得られるという効果がある。また、本発明の表示装置では有機EL素子と偏光分離手段の間に基板が介在しない構成とすることで光の利用効率が向上し、さらに混色やぼやけのない高品位な表示が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である発光素子の一部を示す概略断面図である。
【図2】本発明の発光素子に係るコレステリック液晶層の透過スペクトルの一例を示すグラフである。
【図3】本発明の発光素子における光の相対強度と波長の関係の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の発光素子における色度の一例を示す色度図である。
【図5】本発明の発光素子における光の相対強度と波長の関係の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の発光素子における色度の一例を示す色度図である。
【図7】本発明の表示装置である全体のレイアウトを模式的に示すブロック図である。
【図8】本発明の表示装置の表示部を構成するアクティブマトリクスの等価回路図である。
【図9】本発明の表示装置の画素部における構造の一部を示す平面図である。
【図10】図9のA−A´線断面図である。
【図11】本発明の表示装置の一部断面を示す概略構成図である。
【図12】本発明の表示装置の一部平面図である。
【図13】本発明におけるブラックマトリクス層の形成工程を説明する断面図である。
【図14】本発明における偏光分離手段のパターン形成工程を説明する断面図である。
【図15】本発明の表示装置の表示動作を説明するためのタイムチャートである。
【図16】本発明の表示装置における概略構成の一部を示す断面図である。
【図17】本発明の他の実施例であるカラーフィルター及び偏光分離手段の形成工程を説
明する断面図である。
【図18】本発明の他の実施例としての発光素子の一部を示す概略断面図である。
【図19】従来の発光素子の一部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…表示装置、2…表示部、3…データ駆動回路、4…走査駆動回路、6…第1の基板、20…画素、21…スイッチトランジスタ、22…ドライバトランジスタ、23…蓄積容量、24…発光素子、60…隔壁、70…平坦化膜、80…ブラックマトリクス(BM)層、90…第2の基板、100…発光層、101…電荷輸送層、102…ホール輸送層、110,110R,110G,110B,10W…有機層、150…有機EL素子、200…透明電極(陽極)、300…陰極、400…透明基板、500,500R,500G,500B…偏光分離手段(コレステリック液晶層)、600…偏光板、700…位相差板(1/4波長版)、900R,900G,900B…カラーフィルター。
【特許請求の範囲】
【請求項1】反射部材と、発光層と、位相差板と、偏光板とをこの順に備える発光素子であって、前記発光層と前記位相差板との間に、偏光分離手段を設け、前記偏光分離手段は、前記発光層の発光波長範囲の一部または全部を含み、なおかつ可視波長範囲よりも狭い波長範囲の光であって、前記発光層側から前記偏光分離手段側へ向かう光のうち、前記位相差板の作用により前記偏光板で吸収される直線偏光に変換される偏光成分は反射し、それ以外の光は透過するものであり、前記反射部材は少なくとも垂直入射した円偏光は回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であることを特徴とする発光素子。
【請求項2】前記偏光分離手段がコレステリック液層層であり、前記位相差板が1/4波長板であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】反射部材と、発光層と、位相差板と、偏光板とをこの順に備える発光素子であって、前記位相差板と前記偏光板との間に、偏光分離手段を設け、前記偏光分離手段は、前記発光層の発光波長範囲の一部または全部を含み、なおかつ可視波長範囲よりも狭い波長範囲の光であって、前記発光層側から前記偏光分離手段へ向かう光のうち、前記偏光板で吸収される直線偏光成分は反射し、それ以外の光は透過する直線偏光分離手段であり、前記位相差板は1/4波長板であり、前記反射部材は少なくとも垂直入射した円偏光を回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であることを特徴とする発光素子。
【請求項4】前記発光層が透明電極と金属電極とに挟まれた有機薄膜であり、前記金属電極が前記反射部材を兼ねた反射性の金属電極であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の発光素子。
【請求項5】マトリクス状に配置された複数の発光素子と、前記発光素子の発光動作を画像情報に基づいて制御する制御手段を有する表示装置であって、前記発光素子として請求項1から4のいずれかに記載の発光素子を使用したことを特徴とする表示装置。
【請求項6】マトリクス状に配置した複数の画素を構成する発光素子と、該発光素子の発光動作を画像情報に基づいて制御する制御手段を有する表示装置において、前記発光素子は反射部材を兼ねる金属電極と、有機薄膜からなる発光層と、透明電極とを積層した構造の有機エレクトロルミネッセンス素子と、位相差板と、偏光板とをこの順に備える発光素子であって、前記発光層と前記位相差板との間に、偏光分離手段を設け、前記偏光分離手段は、前記発光層の発光波長範囲の一部または全部を含み、なおかつ可視波長範囲よりも狭い波長範囲の光であって、前記発光層側から前記偏光分離手段側へ向かう光のうち、前記位相差板の作用により前記偏光板で吸収される直線偏光に変換される偏光成分は反射し、それ以外の光は透過するものであり、前記反射部材は少なくとも垂直入射した円偏光は回転方向が逆の円偏光として反射する反射面であることを特徴とする表示装置。
【請求項7】前記偏光分離手段がコレステリック液層層であり、前記位相差板が1/4波長板であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】前記発光層の発光色が画素により異なり、前記偏光分離手段が反射する光の波長範囲が、該発光色に対応して画素により異なることを特徴とする請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】前記複数の画素を構成する発光層が、それぞれ赤色発光の発光層、緑色発光の発光層、及び青色発光の発光層のいずれかから構成されるカラー表示を行う表示装置であって、該赤色発光の発光層に対応する位置には赤色光を反射する偏光分離手段、該緑色発光の発光層に対応する位置には緑色光を反射する偏光分離手段、該青色発光の発光層に対応する位置には青色光を反射する偏光分離手段をそれぞれパターン形成したことを特徴とする請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項10】前記偏光分離手段が前記画素を構成する前記発光層の発光領域に対応してマトリクス状にパターン形成され、前記偏光分離手段のパターンの間にブラックマトリクスが形成されていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】前記ブラックマトリクスの開口部が、前記画素を構成する前記発光層の発光領域よりも広いことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】前記画素を構成する発光層が白色光を発光する発光層であり、該画素を構成する発光層の発光領域に対応する位置にそれぞれ赤色光を反射する偏光分離手段、緑色光を反射する偏光分離手段、青色光を反射する偏光分離手段をパターン形成し、さらに赤色光を反射する偏光分離手段と偏光板との間には赤色光を透過するカラーフィルターを、緑色光を反射する偏光分離手段と偏光板との間には緑色光を透過するカラーフィルターを、青色光を反射する偏光分離手段と偏光板との間には青色光を透過するカラーフィルターをそれぞれパターン形成したことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
本発明は発光素子とこの発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置に関し、特に発光層の裏面に光反射部材を有する有機エレクトロルミネッセンス素子などの発光素子と、これを備える表示装置に利用して有効な技術に関するものである。
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子と称する)は、有機薄膜からなる発光層に電流を注入することにより、電気エネルギーを光エネルギーに変換して発光する素子である。有機EL素子から構成される表示装置は液晶表示装置に代表される非発光型の表示装置とは異なり、自発光型であるためバックライトなどの補助光源が不要なことから、薄型、軽量であり、さらに視野角が広く、表示の応答速度が早いといった特徴を有する。
図19は従来の有機EL素子の一例を示す概略断面図である。この有機EL素子は透明基板400に陽極である透明電極200、ホール輸送層102、発光層100、電子輸送層101、光反射機能を有する金属電極からなる陰極300を順次積層した構造となっている。
陽極である透明電極200と陰極300との間に直流電圧を印加すると、透明電極200から注入されたホールがホール輸送層102を経由して、また、陰極300から注入された電子が電子輸送層101を経由して、それぞれが発光層100に到達し、電子−ホールの再結合が生じて、ここから所定の波長分布を有する発光が生じる。
発光層100から出射した光のうち透明電極200側に向かった光は透明電極200を通過し、透明基板400から出射する。また、陰極300に向かった光は陰極300で反射して、発光層100、透明電極200等を通過して同じく透明基板400から出射する。
従って、このような有機EL素子の発光動作を制御することで表示を行う表示装置では、陰極を反射率の高い電極にして透明電極側から出射する光量を増やすことが、明るい画像を得るために重要である。
ところで、このような素子構造では発光していない状態では、陰極が反射率の高い鏡のような状態であるため、周囲の景色等が写り込み、黒(暗)表示が十分に暗くならない。つまり、周囲が明るい環境下では黒表示が暗くならず、コントラスト比が低下するという課題を生ずる。この課題を解決する方法として透明基板400の光出射面側に円偏光板800を配置した構造が実用化されている。円偏光板は偏光板600と1/4波長板700から構成される。
円偏光板800は以下の通り作用する。周囲から有機EL素子に入射する外光2000は一般に非偏光であり、偏光板600を通過する際、特定の直線偏光は透過し、これと直交する直線偏光は吸収される。偏光板600を透過した直線偏光は1/4波長板700の作用を受けて、円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)となる。1/4波長板700を通過した光は陰極300で反射する際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。陰極300で反射した光2000Rは再び1/4波長板700に入射し、これを通過する際、その作用を受けて今度は偏光板600で吸収される直線偏光に変換されて、偏光板600で吸収されるため外部には戻らなくなる。つまり、外光の陰極300での反射はカットされるため黒表示が暗くなり、コントラスト比が著しく改善される。このような構造は特表平8−509834号公報、特開平9−127885号公報等に記載されている。
ところで、有機EL素子を用いた表示装置のフルカラー化に関しては、いくつかの方式が提案・実証されている。例えば青色発光素子と蛍光性の色変換層(CCM:color changing mediums)を組み合わせた方式(以下、CCM法)、白色発光と赤色(R),緑色(G),青色(B)の3原色のカラーフィルタを組み合わせた方式(以下、RGB by white法)、3原色(R,G,B)の発光素子からなる画素を直接パターニングする方式(以下、RGB並置型)などが提案されている。
CCM法は青色発光層で発生した光で蛍光性の色変換用蛍光色素層を励起し、青色から緑色、赤色へ変換し3原色発光を得るものである。この方式は色変換効率が低いと素子効率が低くなる。さらに明るい環境下では外光により色変換層が励起されて明るくなり、黒表示が暗くならないためコントラスト比が低下する。
RGB by white法は作成する発光素子が白色の1種類だけなので、製造が最も容易という特長を有するが、カラーフィルターを用いることから、原理的に光の利用効率が1/3以下に低下する。
RGB並置型は同一基板上に3種の素子をそれぞれ作成する必要があるため、製造プロセスがやや複雑になるが、光の損失が最も少なく、発光効率の面からは理想的な方式といわれている。また、RGBのパターニング(塗り分け)については、分子量の低い蛍光色素や金属錯体などのいわゆる低分子系の材料を用いる場合は、シャドウマスクを用いた有機層の真空蒸着によりRGBを微細な塗り分けする技術が提案されている。
また、π共役ポリマーや色素を高分子化した色素含有ポリマーなどのポリマー系の材料を用いる場合は、フォトエッチングでポリイミドの土手を形成することで、画素領域を分離し、インクジェットにより有機材料を印刷することで、RGBを微細な塗り分ける技術が提案されている(情報映像メディア学会誌Vol.54,No8,pp1115〜1120)。
【発明が解決しようとする課題】
円偏光板を備えた従来技術によれば、有機EL素子の光反射機能を有する電極(陰極)での外光反射が円偏光板の作用により低減できるため、明るい環境下でも高いコントラスト比を実現することができる。しかし、発光時は発光層から出射した光の一部が円偏光板で吸収されるため、表示が暗くなるという課題を有する。これは、一般に発光層から出射する光は非偏光であるため、円偏光板を構成する偏光板で少なくとも1/2の光が吸収されるためである。
また、有機EL素子でフルカラーの表示装置を実現する場合、RGB並置型が素子効率の面から最も好ましい。しかし、現状の有機EL素子は色によっては発光の波長範囲が広く、色純度が高いとはいえない。各原色の色純度を高くするためにカラーフィルタを併用するということが考えられるが、この場合はカラーフィルターで光が吸収されるため、光の利用効率が低下して表示が暗くなる。
本発明は上記実状を鑑み成されたもので、その目的は発光層から出射した光を効率良く表示に寄与させることで、明るい表示を実現すると同時に、発光層裏面の電極などの反射部材による外光の反射を低減することで、明るい環境下でも高いコントラスト比の表示を実現する有機EL素子などの発光素子、及びこの発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置を提供することにある。
さらに、明るさを損なうことなく色純度を高めた発光素子、及びこの発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置を提供することにある。この他の目的については以下の記述から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の発光素子は、発光層と位相差板との間に偏光分離手段(コレステリック液晶層)を配置する。偏光分離手段は発光層の発光波長範囲の一部または全部を含み、なおかつ可視波長範囲よりも狭い波長範囲の光であって、前記発光層側から前記偏光分離手段側へ向かう光のうち、前記位相差板の作用により前記偏光板で吸収される直線偏光に変換される偏光成分は反射し、それ以外の光は透過するものとする。
また、発光層の裏面側に位置する反射部材は少なくとも垂直入射した円偏光は回転方向が逆の円偏光として反射する反射面とする。発光層から出射した光のうち、従来、偏光板で吸収されていた偏光成分は偏光板で吸収される前に偏光分離手段で反射して、反射部材へ向かう。偏光分離手段で反射し、反射部材へ向かう光は円偏光であり、反射部材での反射により偏光分離手段を透過する円偏光、すなわち、位相差板の作用により偏光板を透過する直線偏光に変換される円偏光となるため、偏光板で吸収されることなく利用される。
つまり、従来、発光層から出射し、偏光板で吸収され、無駄となっていた光を偏光板で吸収される前に偏光分離手段で反射して、再利用することで発光素子を明るくすることができる。
【発明の実施の形態】
即ち、上記目的を達成するため本発明の発光素子は、発光層とこの発光層の裏面に配置した光反射部材とを有する発光素子において、前記発光層の表面側に発光層から出射する光に対応した所定の波長範囲の光を反射と透過により2種類の円偏光成分に分離する偏光分離手段と、位相差板と偏光板とを配置したものである。
偏光分離手段としては例えばコレステリック液晶層を用いることができ、この際、コレステリック液晶層の選択反射の波長範囲は、発光層の発光波長範囲と同じ、或いはこれよりも狭くする。また、位相差板としては1/4波長板を用いる。
この構造の発光素子では発光層から出射した光は直接、あるいは発光層の裏面に配置した反射部材で反射した後、偏光分離手段を構成するコレステリック液晶層に入射する。コレステリック液晶層に入射した光は、コレステリック液晶の選択反射により一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これとは逆回りの円偏光(右回りの円偏光)成分は透過する。コレステリック液晶層を透過した光は位相差板の作用により円偏光から直線偏光に変換され、偏光板で吸収されることなく透過して観察者へ向かう。
一方、コレステリック液晶層で反射した光は、発光層裏面の反射部材で反射して再びコレステリック液晶層に向うが、反射部材での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となる。このため今度はコレステリック液晶層を透過して位相差板の作用により、偏光板を透過する直線偏光に変換された後、偏光板を透過して観察者へ向う。つまり、従来、偏光板で吸収され、無駄となっていた光を偏光板で吸収される前に偏光分離手段(コレステリック液晶層)で反射して、再利用することで発光素子を明るくすることができる。
さらに偏光分離手段(コレステリック液晶層)で反射して再利用される光の波長範囲が、発光層の発光波長範囲よりも狭ければ、実際に素子から出射する光の波長分布は発光層の発光波長分布よりも急峻な分布になるため、発光層の発光自体よりも色純度の高い色光となる。
また、明るい環境下において発光素子に入射する外光は一般に非偏光であるため、偏光板を通過する際、少なくともその半分が吸収される。偏光板を通過した光は位相差板を透過する際、その作用を受け、円偏光(例えば右回りの円偏光)となりコレステリック液晶層を透過する。コレステリック液晶層を透過した光は反射部材で反射する際、回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)となり、再びコレステリック液晶層に入射する。コレステリック液晶層に入射した光のうち、選択反射波長以外の波長の光はそのまま透過して、位相差板の作用を受けて偏光板で吸収される直線偏光となり、偏光板で吸収されるため外部には透過しない。
一方、選択反射波長に相当する波長の光はコレステリック液晶層で反射して、再び反射部材でも反射した後、コレステリック液晶層、位相差板、偏光板を通過して外部に出る。この光はわずかなため明るい環境下であっても、黒(暗)表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できる。
以下、本発明の具体的な実施例を参照図面により説明する。図1は本発明の発光素子の基本構成と動作原理を説明するための概略断面図である。図1に示す通り、本発明に係る発光素子24は図示しない基板上に形成された透明電極200からなる陽極と、鏡面反射手段を兼ねる陰極300と、陽極と陰極の間に形成した有機層110とから構成される有機EL素子150と、有機EL素子150の透明電極200側に順に配置した偏光分離手段500と、位相差板700と、偏光板600とから構成される。
有機EL素子150の有機層110は陽極(透明電極200)と陰極300との間に陰極300側から順に電子輸送層101、発光層100、ホール輸送層102を積層配置したものを用いることができる。
尚、発光層100と電子輸送層101は兼用できる材料を用いることで1層としても良い。また、有機EL素子150の構造としては、この他に陽極(透明電極200)とホール輸送層102の間に陽極バッファ層を配置したものを用いてもよい。陽極バッファ層としてはCuPcを用いることができる。CuPcは陽極とホール輸送層のコンタクトを向上する役割を果たすものと考えられる。
陽極(透明電極200)には仕事関数の高い透明な電極材料を用いれば良く、例えばITO(Indium Tin Oxide)が好適である。また、将来的にはInZnOを用いることができるようになるであろう。
陰極300には仕事関数の低いAl,Mg,Mg-Ag合金やAl-Li合金などを用いることができる。Al単体では駆動電圧が高く、寿命が短いことから有機層との間に極薄いLi化合物(酸化リチウムLi2O ,LiFフッ化リチウムなど)を挿入してAl−Li合金に匹敵する特性を得るようにしたものを用いても良い。
また、陰極に接する部分の有機層をリチウムやストリンチウムなどの反応性の高い金属でドーピングして、駆動電圧を低くするようにしても良い。尚、陰極300は光の反射率が高い材料から構成されることが、発光層から出射した光の利用効率向上の面から望ましい。
さらに、陰極300は後述する理由から少なくとも垂直入射した円偏光を回転方向が逆の円偏光として反射する鏡面であることが、外光反射の低減、及び発光層から出射した光の利用効率向上という面から望ましい。
有機層110は陽極(透明電極200)と陰極300との間に所定の電圧が印加されたとき所望の色で発光する材料を用いる。
赤色発光用の材料としては、例えばホール輸送層102はα−NPD( N、N'−ジ(α−ナフチル)−N、N'-ジフェニル1、1'−ビフェニル−4、4'−ジアミン)や、トリフェニルジアミン誘導体TPD(N,N'−ビス(3−メチルフェニル)1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン)、電子輸送性発光層(電子輸送層101と発光層100を兼用)は、Alq3「トリス(8−キノリノレート)アルミニウム)」にDCM−1「4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル」−4H−ピランを分散したものを用いることができる。
緑色発光用の材料としては、例えばホール輸送層102はα-NPDや、トリフェニルジアミン誘導体TPD、電子輸送性発光層(電子輸送層101と発光層100を兼用)はAlq3や、Bebqや、キナクリドンでドーピングしたAlq3を用いることができる。
青色発光用の材料としては、例えばホール輸送層102はα−NPDや、トリフェニルジアミン誘導体TPD、発光層100はDPVBi「4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル」や、これとBCzVBi「(4,4’−ビス(2−カルバゾールビニレン)ビフェニル」からなる材料、或いはジスチリルアリレーン誘導体をホストとし、ジスチリルアミン誘導体をゲストとしてドーピングしたもの、電子輸送層102としてはAlq3を用いることができる。
また、電子輸送性発光層(電子輸送層101と発光層100を兼用)として、Zn(oxz)2「2−(o−ヒドロキシフェニル)−ベンズオキサゾールの亜鉛錯体」を用いることができる。
さらに、上記低分子系の材料の他にポリマー系の材料を用いることができる。ポリマー系の材料としてはPEDT/PSS(Polyethylene dioxythiopheneとPolystyrene sulphonateの混合層)とPPV「(Poly(p−Phenylene Vinylene)」の積層膜をホール輸送層102、発光層として用いることができる。また、緑色の発光はPPVに緑インクを調合したもの、赤色の発光は緑インクに赤発光ドーパントとしてローダミン101を添加調合したもので実現でき、青色の発光層としてはF8「Poly(dioctylfluorene)」を用いることができる。尚、F8は電子輸送層101としても機能する。
また、ポリマー系の材料としてはこの他にPVK(ポリビニルカルバゾール)のような色素含有ポリマーを用いることができる。
いずれにしても有機層110を構成する各層は数十nm程度と薄く、これを透過する光の偏光状態はほぼ維持されるものである。
以上から構成される有機EL素子150では、陽極である透明電極200と陰極300とに直流電源900を接続し、透明電極200と陰極300との間に直流電圧を印加すると、透明電極200から注入されたホールがホール輸送層102を経由して、また、陰極300から注入された電子が電子輸送層101を経由して、それぞれが発光層に到達し、電子-ホールの再結合が生じてここから所定の波長の発光が生じると考えられるものである。
透明電極200の有機層110とは反対側には順に偏光分離手段500、位相差板700、偏光板600が積層配置される。偏光分離手段500は所定の波長範囲の光を反射と透過により、2種類の円偏光成分に分離する機能を有するものである。偏光分離手段500としてはコレステリック液晶層が好適である。
コレステリック液晶層はヘリカルな分子配列に基づく特異な光学特性を示すもので、ヘリカル軸に平行に入射した光はコレステリック螺旋のピッチに対応する波長において、螺旋の回転方向に応じて一方の回転方向の円偏光成分は反射し、他方は透過するという選択反射を示すものである。
コレステリック液晶層による選択反射の中心波長λ0と、その波長帯域Δλはそれぞれ式(1)、式(2)で表される。
λ0=nm・p …(1)
Δλ=Δn・p …(2)
ここで、pはコレステリック液晶層の螺旋ピッチ、nmは液晶の平均屈折率、Δnは液晶の複屈折であり、液晶分子の長軸に平行及び垂直な方向の屈折率をそれぞれne、nOとするとnmと、Δnはそれぞれ式(3)、式(4)で表される。
nm=√((ne 2+nO 2)/2) …(3)
Δn=ne−nO …(4)
ここで、例えば、複数の発光素子24を整列配置し、これらの発光動作を制御してフルカラー表示を行う表示装置を実現しようとする場合、発光素子24を構成する有機EL素子150の発光のピーク波長(最大強度となる波長)は、赤色(R),緑色(G),青色(B)の3原色に対応したものとするとよい。つまり、画素毎に有機EL素子150の発光のピーク波長を3原色に対応させて異なったものとする。これに対応してコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲、あるいは選択反射の中心波長λOを有機EL素子150の発光波長範囲や発光のピーク波長に対応させる。
図2はコレステリック液晶層に非偏光の光を入射した場合のコレステリック液晶層における透過率の波長依存性を示すグラフであり、それぞれR,G,Bの3原色に対応した選択反射の一例を示したものである。
例えば有機EL素子150の発光色が青色の場合は偏光分離手段500として、図2で示すB反射の特性を示すコレステリック液晶層を配置すれば良い。つまり、偏光分離手段500は有機EL素子150の発光色に対応した選択反射の波長範囲を有するコレステリック液晶層で構成するようにすれば良い。
位相差板700及び偏光板600は従来技術において、所謂円偏光板を構成するものである。つまり、偏光板600はこれを通過する光のうち特定の直線偏光は透過し、これと直交する直線偏光は吸収するものである。
また、位相差板700は偏光板600を通過した直線偏光を、円偏光に変換する1/4波長板として機能するものを用いる。偏光板600は延伸させたポリビニルアルコールにヨウ素を吸収させて、偏光機能を付与した膜の両面にトリアセチルセルロースの保護層を施したものを用いることができる。
位相差板700は透明な一軸延伸した高分子フィルム、例えばポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリスチレン、ポリアリレート等を用いることができる。尚、一般に位相差板を構成する透明体には屈折率の波長依存性(波長分散)があるため、太陽光や照明光などの外光のように波長範囲が広い光に対しては、一種類の位相差板では十分な性能が得られない。このため波長分散の異なる2種類の位相差フィルムを、その光学軸をずらして張り合わせ、広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板を構成するようにしてもよい。
尚、偏光板600を透過し、位相差板700を通過した光の円偏光の回転方向が、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層が選択反射を示す円偏光(例えば左回りの円偏光)とは、逆回りの円偏光(右回りの円偏光)となるように位相差板700の遅相軸の向きを決定することが重要である。
次に本発光素子の動作を図1により説明する。
透明電極200と陰極300とに直流電源900を接続し、電流を流すと発光層100から所定の波長の発光が生じる。発光層100から出射した光のうち透明電極200側に向かった光1000は、そのまま透明電極200を透過して偏光分離手段500に入射する。また、発光層100から出射した光のうち陰極300側に向かった光1001は、陰極300で反射した後、同じく透明電極200を透過して偏光分離手段500に入射する。
この際、発光層100から出射した光は非偏光であるため、偏光分離手段500に入射する光は偏光分離手段500であるコレステリック液晶層の選択反射により、一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは右回りの円偏光)成分は透過し、これとは逆回りの円偏光(左回りの円偏光)成分は反射する。
偏光分離手段500を透過した光1002は、位相差板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
一方、偏光分離手段500で反射した光1003は、陰極300で反射して再び偏光分離手段500に向かうが、陰極300での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となるため、今度は偏光分離手段500を透過する。偏光分離手段500を透過した光1003は、位相差板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向う。
従って、発光層100から出射した光は、大部分が偏光板で吸収されることなく、観察者1000に向う。つまり、従来、偏光板で吸収され、無駄となっていた光を有効に再利用することで、発光素子の輝度が向上するという効果がある。
また光取出方法としては偏光分離手段500を透過した光1002と偏光分離手段500で反射した光1003とを取り出すことができるので、光の効率が良い。
次に、明るい環境下で周囲から発光素子24に入射する外光について説明する。周囲から発光素子24に入射する外光3000は一般に非偏光であるが、偏光板600を通過する際に所定の直線偏光は吸収され、これと偏光面が直交する直線偏光は透過する。偏光板600を透過した直線偏光は位相差板700の作用を受け、円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)となる。
位相差板700を通過した光は偏光分離手段500を透過して、陰極300で反射する際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。陰極300で反射した光は偏光分離手段500に入射するが、偏光分離手段500であるコレステリック液晶層における選択反射における波長範囲以外の波長の光3001は、そのまま透過し、選択反射の波長範囲に相当する波長の光は反射する。偏光分離手段500を透過した光(左回りの円偏光)は、位相差板700の作用を受けて偏光板600で吸収される直線偏光となり、偏光板600で吸収されるため外部には戻らない。
一方、偏光分離手段500で反射した光3002は、陰極300で反射して再び偏光分離手段500に向かうが、陰極300での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となるため、今度は偏光分離手段500を透過する。偏光分離手段500を透過した光3002(右回りの円偏光)は、位相差板700の作用により、偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向う。
つまり、発光素子24に入射した外光3000は、まずそのうちの少なくとも半分が偏光板600で吸収される。更に偏光板600を透過した光は陰極300で反射して、偏光分離手段500に入射するが、このうち偏光分離手段500を透過した光3001は偏光板600で吸収される。従って、外部へ出射する光は偏光分離手段500の選択反射の波長範囲に相当するわずかな光3002のみである。
つまり、本発明の発光素子では明るい環境下であっても、外光の大部分がカットされるため、黒表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できるという効果がある。
尚、図2に例示した通り、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長分布は、一般に急峻な分布をしており、選択反射の波長範囲は採用する液晶のΔnと螺旋ピッチpにより、有機EL素子の発光の波長範囲よりも小さくすることが可能である。
ここで、一般に発光の中心波長が同じであっても、発光の波長範囲が広く、なだらかな波長分布の場合には、色純度(色度図上での白色光源からの距離の比)が低くなる。従って、偏光分離手段500で反射して再利用される光の波長範囲を、発光層の発光の波長範囲よりも狭く、急峻な分布にすれば、実際に素子から出射する光の波長分布は、発光層の発光波長分布よりも狭く、急峻になるため、発光層からの発光よりも色純度を高くすることができる。
つまり、本発明の発光素子では有機EL素子150自体の発光の色純度に対して、偏光分離手段500で反射して再利用される光の分だけ、色純度を高くすることができるという効果がある。
また、この発光素子を複数整列配置し、個々の発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置の場合には、R,G,Bの3原色に対応する発光素子の色純度をそれぞれ高めることで、表色範囲の広い表示装置が実現できるという効果もある。
さらに、明るい環境下での外光の反射は、偏光分離手段500であるコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲が狭ければ、小さくなるためより高いコントラスト比が得られるという効果がある。
図3及び図4はそれぞれ本発明に係わる発光素子の出射光の相対強度と波長の関係を示すグラフと、色度を示すxy色度図であり、青色発光の有機EL素子150に、偏光分離手段500として図2で例示した青色の波長に選択反射の波長範囲(B反射)を有するコレステリック液晶層を用いた場合の結果である。また、両図とも比較のため、同じ有機EL素子を用い円偏光板を配置した従来方式の結果を併記し、さらに図4には参考のためNTSCの色度を併記した。
図3に示す通り、本発明では従来偏光板で吸収されていた光を再利用することで、光の強度が増加する。特に、青色の光として有効な波長範囲の光の強度が増加しており、図4の色度図に示す通り、色純度は従来(54%)から3%向上し、色度がNTSCの青色の値により近づいている。また、本実施例では輝度が従来の約1.5倍に向上した。
図5及び図6は同じく本発明における発光素子の光の相対強度と波長の関係を示すグラフと、色度を示すxy色度図であり、緑色発光の有機EL素子150に、偏光分離手段500として図2で例示した緑色の波長に選択反射の波長範囲(G反射)を有するコレステリック液晶層を用いた場合の結果である。また、両図とも比較のため、同じ有機EL素子を用い円偏光板を配置した従来方式の結果を併記し、さらに図6には参考のためNTSCの色度を併記した。
図5に示す通り、本発明では従来偏光板で吸収されていた光を再利用することで光の強度が増加する。特に、緑色の光として有効な波長範囲の光の強度が増加しており、図6の色度図に示す通り、色純度は従来(94.5%)から1.5%向上し、色度がNTSCの緑色の値に近づいている。また、本実施例では輝度が従来の約1.6倍に向上した。さらに、明るい環境下(垂直照度180lxの条件)でのコントラスト比は有機EL素子150単体の場合が19であるのに対し、本発光素子では36に向上した。
赤色に関しても赤色発光の有機EL素子150に偏光分離手段500として、赤色の波長に選択反射の波長範囲を有するコレステリック液晶層を用いることで、青色、緑色と同様、色純度の向上、輝度の向上といった効果が得られる。
尚、有機EL素子150の発光の波長範囲と、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲との関係が本発明の発光素子では重要である。
つまり、重視する特性によってその関係を変えても良い。例えば、色純度と明るい環境下でのコントラスト比を重視する場合は、有機EL素子150の発光の波長範囲よりも、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲を狭くすることが望ましい。この場合、選択反射の波長範囲が狭ければ狭いほど外光の反射が減り、コントラスト比は向上するが、その分輝度の向上効果が減るので、使用環境(想定される周囲の明るさ)を考慮した上で、選択反射帯域を決定するようにすると良い。
また、絶対的な輝度を重視する場合は有機EL素子150の発光の波長範囲と、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲を略一致させ、再利用できる光量を最大にすることが有効である。
コントラスト比と輝度を両立するには、有機EL素子の発光の波長範囲を狭くした上で、有機EL素子150の発光の波長範囲と偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射の波長範囲を略一致させる。ここで、有機EL素子の発光の分布を半値幅が75nmのガウス型と仮定して計算すると、R,G,Bともに十分な色度(色純度)が得られる(映像メディア学会誌Vol.54,No8,p1116)。従って、コントラスト比と輝度を両立するには有機EL素子の発光波長の半値幅と、偏光分離手段500を構成するコレステリック液晶層の選択反射波長の半値幅を75nm以下とすると良いだろう。
尚、偏光分離手段500であるコレステリック液晶層にR,G,Bで同じ液晶材料を使用する場合、選択反射の波長範囲は原理的に選択反射の中心波長が長くなるほど広くなる。つまり、赤色光に対応したコレステリック液晶層は青色や緑色に対応したコレステリック液晶層に比べて、原理的に選択反射の波長範囲が広くなりコントラスト比の向上効果や、色純度の向上効果が小さくなる。
従って、この場合には赤色光に対応したコレステリック液晶層の選択反射の中心波長は、有機EL素子の発光ピーク波長あるいは中心波長より長波長側に設定して可視波長範囲における選択反射の波長範囲が、有機EL素子の発光の波長範囲と略一致するようにすると良い。
尚、本発明は発光層の裏面に反射部材を有する発光素子において、この前面に偏光分離手段と、位相差板と、偏光板とを配置したものであり、この要件を満たすものであれば、上記実施例に記載のない構成であっても同様な効果が得られることは明らかであろう。
(表示装置の実施例1)
次に本発明の発光素子を複数整列配置し、これら複数の発光素子の発光動作を制御して表示を行う表示装置について説明する。図7は本発明にかかる表示装置1の全体のレイアウトを模式的に示すブロック図であり、図8はその表示部2に構成されたアクティブマトリクスの等価回路図である。
図7に示すように,表示装置1は、基板6のほぼ中央部に表示部2が設けられる。表示部2の上側には、データ線7に対して画像信号を出力するデータ駆動回路3、左側にはゲート線8に対して走査信号を出力する走査駆動回路4が設置されている。これらの駆動回路3,4はNチャネル型とPチャネル型のTFT(Thin Film Transistor)による相補型回路から構成されるシフトレジスタ回路,レベルシフタ回路,アナログスイッチ回路などから構成される。
表示装置1では、液晶表示装置のアクティブマトリクスと同様、第1の基板6上に複数のゲート線と、該ゲート線の延在方向に対して交差する方向に延在させた複数のデータ線が設けられており、図8に示すようにそれらのゲート線G1,G2,…,Gmとデータ線D1,D2,…,Dnとの交差するところにマトリクス状に画素20が配置される。
各画素は発光素子24と、蓄積容量23と、ゲート電極がゲート線に接続し、ソース・ドレイン電極の一方がデータ線に接続され、他方が蓄積容量23に接続されているNチャネル型のTFTからなるスイッチトランジスタ21と、ゲート電極が該蓄積容量23に接続し、ソース電極が上記データ線と同じ方向に延在する共通電位線9に接続され、ドレイン電極が発光素子24を構成する有機EL素子の一方の電極(陰極)に接続されているNチャネル型のTFTからなるドライバトランジスタ22とから構成されている。
また、発光素子24を構成する有機EL素子の他方の電極(陽極)は、画素共通の電流供給線に接続されて一定の電位Vaに保たれる。発光素子24はR,G,Bのいずれかの色光を発するものが、所定の順序でマトリクス状に配置される。
上記構成によれば、走査信号によってスイッチトランジスタ21がオン状態になると、データ線から画像信号がスイッチトランジスタ21を介して蓄積容量23に書き込まれる。従って、ドライバトランジスタ22のゲート電極は、スイッチトランジスタ21がオフ状態になっても、蓄積容量23により画像信号に相当する電位に保持される。
ドライバトランジスタ22は、定電流性に優れるソース接地モードでの駆動状態に保たれ続けて,電流供給線からの電流が発光素子24を構成する有機EL素子を流れるので、発光素子24は発光状態に維持される。このときの発光輝度は、蓄積容量23に書き込まれるデータに依存する。発光の停止は,ドライバトランジスタ22をオフ状態とすることで実現する。
次に図9及び図10を用いて表示装置1の構造を説明する。図9は表示装置1における画素部の平面構造の一部概略図を示し、図10は図9上のA−A’に沿った断面構造を示す。ガラスなどの平坦な第1の基板6上に、スイッチトランジスタ21,ドライバトランジスタ22を形成するための島状のシリコン膜が形成され、その表面にゲート絶縁膜が形成されている。ゲート絶縁膜上には,ゲート電極,ゲート線,蓄積容量用電極が形成され、その後ゲート電極に自己整合的にソース・ドレイン領域が形成されている。さらに第1の層間絶縁膜50が設けられ、コンタクトホールを介してデータ線,共通電位線,蓄積容量用電極が形成されている。
さらに第2の層間絶縁膜51と絶縁材料からなる平坦化膜52が積層形成され、その上に発光素子24の陰極300となる光反射機能を有する電極がしま状にパターン形成されている。陰極300は第2の層間絶縁膜51及び平坦化膜52のコンタクトホールを介してドライバトランジスタ22のドレインと接続されている。平坦化膜52の上には、陰極300が形成された領域を取り囲むように光吸収性の黒色顔料を分散した感光性樹脂材料からなる隔壁60が形成されている。隔壁60はフォトリソグラフィ法により形成される。
陰極300にはR,G,Bいずれかの色に発光する発光層を有する有機層110が所定の配置でパターン形成される。有機層110は上述の構成及び材料から選択すれば良い。有機層110のパターニングは有機層110が低分子系の場合には、公知のシャドーマスクによる真空蒸着有機膜のパターニング成膜技術(例えばS.Miyaguchi,et al,"Organic LED Fullcolor Passive−matrix Display", Journal of the SID,vol.7, No.3,pp221−226(1999)に記載)を用いれば良い。この工程の際、隔壁60はシャドウマスクの突き当て部材として使用することができる。
また、有機層110をポリマー系の材料で構成する場合は公知のインクジェットパターニング技術(例えば、T.Shimoda,et al "Multicolor Pixel Patterning of Light−Emitting Polymers by Ink−Jet Printing",SID99, Digest,pp.376(1999)に記載)を用いれば良い。この工程の際、隔壁60は画素領域を分離する土手として機能する。
有機層110の上には対向電極である陽極(透明電極200)が全面的に形成されている。透明電極200は図示しない電流供給線と接続される。透明電極200の上には透明な絶縁材料からなる平坦化膜70が形成される。平坦化膜70は透明電極200を保護すると同時に、この上に配置する部材の積層を容易にするためのものである。
平坦化膜70としては透明なアクリル系樹脂、カルド系樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド系樹脂等の有機材料を用いれば良い。これらの有機材料はスピンコート法などで成膜することで、その表面が比較的容易に平坦化できる。
平坦化膜70の上には光学的に等方で透明かつ平坦な基板からなる第2の基板90が配置される。
第2の基板90には一方の面にブラックマトリクス層(BM層)80と偏光分離手段500が形成され、他方の面に位相差板700と偏光板600が積層配置されている。第2の基板90は偏光分離手段500が形成された面が、第1の基板6の有機層110形成面と対向するように配置する。第2の基板90上に形成された偏光分離手段500は、有機層110の発光層の発光色に対応した選択反射の波長範囲を有するコレステリック液晶層がパターン形成されており、コレステリック液晶層の選択反射の波長範囲と有機層110における発光の波長範囲の関係は上記説明の通りとする。
第1の基板6と第2の基板90はパターン形成された有機層110の位置と、パターン形成されたコレステリック液晶層の位置が略一致するように重合せて、透明粘着材により全面を密着するか、表示部の周囲を枠状のシール材でシールし,窒素を封入して、密閉接着する。
図11は表示装置1の一部断面を示す概略構成図である。また、図12は表示装置1の一部正面図である。図11に示す通り、赤色(R)発光の有機層110Rの上には、赤色に対応した選択反射の波長範囲を有するR反射のコレステリック液晶層500Rを、緑色 ( G ) 発光の有機層110Gの上には緑色に対応した選択反射の波長範囲を有するG反射のコレステリック液晶層500Gを、青色(B)発光の有機層110Bの上には青色に対応した選択反射の波長範囲を有するB反射のコレステリック液晶層500Bを配置する。
また、図12に示す通り、第2の基板90に形成したBM層80は第1の基板6に形成された隔壁60よりも小さく形成する。これは、BM層80を隔壁よりも小さくすることで有機層110からの発光がBM層80で遮られて表示が暗くなることを避けるためであり、位置合わせの際のマージンを確保するためでもある。
次に第2の基板90のBM層80及び偏光分離手段500の形成方法について説明する。
BM層80としては液晶表示装置に使用されているものと同様、金属クロム、酸化クロム、カーボンブラックなどの遮光性顔料を分散させた感光性樹脂を用いることが出来る。本発明の発光素子では特にBM層に外光反射の低減による画質の向上(明環境下での高コントラスト比の維持)が要求されるため、低い反射率が要求される。この要求からBM層としては最も反射率が低くできる遮光性顔料を分散させた感光性樹脂を用いたものが望ましい。
しかし、本発明の発光素子ではBM層80より外側、つまり観察者側には位相差板700と偏光板600が配置され、これらが円偏光板として機能するため反射率が高い金属クロムであっても、金属クロムでの外光反射は抑制されるため使用してもかまわない。
次に第2の基板90にBM層80を形成する工程の一例を説明する。図13は遮光性顔料を分散させた感光性樹脂によるBM層80の形成工程の説明図である。
(a)まず光学的に等方で透明、かつ平坦な第2の基板90上にカーボンブラックを分散したネガ型感光性樹脂85をスピンコーターやダイコーターなどにより塗布する。この際、第2の基板90上にあらかじめ密着性を向上させる薄膜を形成しておいても良い。
第2の基板90としてはガラスの他、キャスティング法(溶液流延法)により成膜したポリカーボネートフィルムや、トリアセチルセルロースフィルム等のポリマーフィルム、或いは射出成形により形成した脂環式アクリル樹脂(商品名オプトレッツ:日立化成製)等の光学的に等方なプラスチックシートやプラスチックフィルムなどを用いることができる。
(b)次に塗布された層をホットプレートなどを用いて仮硬化し、ネガ型感光性樹脂85の感度に合致した波長を有する露光装置により所定のパターンを有するマスク86を用いて露光する。(c)その後、現像することで露光された部分がBM層80として残り、マスクにより遮光された部分は溶出し、基板面が露出する。(d)引き続き洗浄、乾燥を行い、アクリル樹脂、あるいはポリイミド系樹脂などの透明樹脂を塗布して、表面を平坦化する平坦化膜88を構成する。
次にBM層80が形成された第2の基板90にコレステリック液晶層からなる偏光分離手段500を形成する方法の例を説明する。
面内にR,G,Bに対応した選択反射の波長範囲を有するコレステリック液晶層を形成する方法は、公知の技術を用いればよく、例えば異なる液晶材料を印刷する方法や、液晶ポリマーを一面に塗工してから何らかの方法でR反射,G反射,B反射をパターン形成する方法がある。
液晶ポリマーを一面に塗工してから何らかの方法でR,G,Bをパターン形成する方法としては、選択反射波長の温度依存性を利用して温度を変えながら、架橋により構造を固定する方法「例えばR.Maurer,etale,SID94, Digest,pp399−402(1994)に記載」や、選択反射波長を光照射により制御する方法(例えば特開2000−147236号公報)などがある。
面内にR,G,Bに対応した選択反射の波長帯域を有するコレステリック液晶層をパターン形成する方法は、所望の選択反射が得られる領域がパターン形成される方法であれば、いずれの方法であっても良い。
図14はBM層80が形成された第2の基板90にパターン形成されたコレステリック液晶層からなる偏光分離手段500を、形成する方法の一例を説明するための図である。
ここでは選択反射波長を光照射により制御する方法について説明する。この方法は、シッフ塩基を介して光学活性基を結合したモノマーユニットを一成分とする側鎖型液晶ポリマーに光酸発生剤を添加した系において、紫外線照射により光学活性基を切断することで選択反射波長を制御する方法である。つまり、液晶ポリマー(共重合体)は光学活性基を含有するモノマー単位の含有率に基づいて、コレステリック液晶の螺旋ピッチが変化し、選択反射波長は当該ピッチで決定されるため、前記含有率の制御で選択反射波長を制御する方法である。光学活性基を含有するモノマー単位の含有率が高いほどピッチが小さくなり、選択反射の波長範囲は短波長側にシフトする。
このため、青色以下の選択反射波長を示す液晶ポリマーをベースに用い、適宜フォトマスクを介して、まず緑色、赤色の選択反射を示すべき領域に紫外線を照射し、加熱配向処理を施した後、改めて赤色の選択反射を示すべき領域に緑色から赤色へ選択反射波長をシフトするだけの紫外線照射を行い、加熱配向処理することによって目的のR反射,G反射,B反射にパターン形成されたコレステリック液晶層を形成する。
次に図14を参照しながら工程の一例を説明する。(e)まず、第2の基板90のBM層80が形成された面に図示しない配向膜としてポリビニルアルコール層を設け、それをレーヨン布でラビング処理した処理面に液晶ポリマーを塗布する。液晶ポリマーとしては、(化1)に示されるネマチック性の液晶モノマーと、(化2)に示される光学活性基を含有するモノマーとの共重合体からなる側鎖型コレステリック液晶ポリマーを使用することができる。
【化1】
【化2】
この液晶ポリマーを溶解させたシクロヘキサノン溶液に2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3'−クロロ−4'−メトキシ−β−スチリル)トリアジンを加えたものを基板90上に塗布し、乾燥後、160℃で5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷して、選択反射における中心波長440nmの非流動性のコレステリック液晶層500Bを得る。
(f)次に非流動性の液晶層500Bに透過率100%と0%の2領域を有するフォトマスク550を介して緑色、赤色の選択反射を示すべき領域に紫外線を照射し、再度160℃、5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷して、パターニングされた選択反射の中心波長が540nmの非流動性のコレステリック液晶層500Gを得る。
(g)さらにフォトマスク551を介して赤色の選択反射を示すべき領域に紫外線を照射した後、再度160℃、5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷してパターニングされた選択反射における中心波長630nmの非流動性のコレステリック液晶層500Rを得る。
上によりR反射,G反射,B反射にパターン形成されたコレステリック液晶層が形成される。尚、コレステリック液晶層の表面には必要に応じて透明な保護層を設けても良い。
BM層80と偏光分離手段500が形成された第2の基板90は偏光分離手段500が形成された面が、第1の基板6の有機層110形成面と対向するように配置する。この際、第1の基板6と第2の基板90はパターン形成された有機層110の位置と、パターン形成されたコレステリック液晶層の位置が略一致するように位置合せをした上で、重ね合わせて透明粘着材により全面を密閉接着するか、表示部以外の領域を枠状のシール材により接着して、空間に窒素を封入した状態で密閉する。
第2の基板90の偏光分離手段500が形成された面とは逆の面には位相差板700及び偏光板600が積層配置される。位相差板700及び偏光板600は上記説明の通りであり、それぞれアクリル系の透明接着剤により光学的に結合されるよう接着される。
尚、第2の基板の代わりに位相差板に直接偏光分離手段を形成しても良い。この場合はコレステリック液晶層をパターン形成する工程で熱などにより、位相差などの特性が変化しない材質を用いると良い。
次に表示装置1の表示動作を図8、図15を用いて説明する。図15(a)はゲート線G1,G2,…,Gmに順次印加される電圧VG1,VG2,…,VGmのタイムチャートである。また、図15(b)は1行1列に位置するゲート電圧VG1とデータ電圧VD1,及び蓄積容量23の電圧状態を例示する図である。
図15(a)に示すとおりゲート線G1,G2,…Gmには順次スイッチトランジスタ21をターンオンする電圧VG1,VG2,…VGmが印加される。時刻t=t0にゲート線G1にスイッチトランジスタ21をターンオンする電圧VG1が印加されると、1フレーム期間Tf内に垂直方向の走査を1回終えて、再びゲート線G1にターンオン電圧が印加されるのは時刻t=t0+Tfである。
この駆動スキームでは,1本のゲート線にターンオン電圧が印加される時間は、Tf/m以下となる。一般的に、Tfの値としては、1/60秒程度が用いられる。
あるゲート線にターンオン電圧が印加されているときは、そのゲート線に接続されたスイッチトランジスタは全てオン状態となり、これに同期してデータ線D1,D2,…,Dnには画像信号に応じたデータ電圧が印加される。これは所謂線順次走査方式と呼ばれ、アクティブマトリクス液晶では一般的に用いられている方式である。
次に1行1列に位置する画素20に着目し、ゲート電圧VG1とデータ電圧VD1、及び蓄積容量23の電圧状態を図15(b)を参照しながら説明する。t=t0において、VG1に同期したデータ電圧VD1の値をd1とし、次フレームt=t0+Tfにおいてのデータ電圧をd2とする。この場合、ゲート線G1にターンオン電圧が印加されている間に、これらのデータ電圧は蓄積容量23に蓄えられ、1フレーム期間はほぼそれらの値に保たれる。これらの電圧値は,ドライバトランジスタ22のゲート電圧を規定し、これによりトランジスタを流れる電流値が制御されるので、これらと共通電位配線によって印加される電圧(一定)と、発光素子24の透明電極に印加されている電圧Va(一定)とで決まる一定の電流が発光素子24を流れ、所定の発光を生じる。
つまり、発光量を制御すべき画素に対応したゲート線にターンオン電圧が印加されるのに同期して、画像情報に対応した電圧をデータ線に印加することで、画素の発光量を制御することができる。従って、表示部2を構成する複数の画素の発光量を画像情報に応じて制御することで、所望の画像を表示することができる。尚、発光素子24の陰極及び陽極の両端に電圧が印加されてから、発光が始まるまでの応答時間は通常1μs以下であるため、動きの速い画像にも追随できる画像表示を実現できる。
ここで、一般に有機EL素子はこれに流れる電流を大きくすると、その発光量が大きくなり明るい表示が得られるが、その分消費電力が大きくなり、素子の寿命(例えば、発光量が初期の半分になるまでの時間)が短くなる。
本発明の表示装置1の発光素子24は上述の通り、偏光分離手段の作用により、従来、偏光板で吸収され損失となっていた光も表示光として利用できるため、輝度が1.6倍以上に向上する。このため、同じ消費電力であれば、より輝度が高く、明るい表示の表示装置を実現できるという効果が有る。或いは、同じ輝度(明るさ)であれば、発光素子に流れる電流を小さくできるので、消費電力が小さくなり、さらに寿命が長い表示装置を実現できるという効果がある。
さらに表示装置1は上述において発光素子24の偏光分離手段の作用により、発光層からの発光色自体より、観察者側へ出射する色光の色純度が向上するという効果がある。このため、表示装置の表示色範囲が広がるという効果がある。
また、表示装置1では各画素の発光素子の周囲に光吸収性の顔料を分散した隔壁を設けた。この隔壁により発光層から基板面に平行な方向へ出射する光は遮断されるため、画素のぼやけが無い表示が得られる。さらにこの隔壁は、発光層から出射して偏光分離手段で反射した光が、別の画素へ漏れることを防ぐため、混色やぼやけを防止する効果がある。つまり、各画素は隔壁により光学的に分離されるため混色やぼやけのない高品位な表示が得られる。
また、この隔壁を偏光分離手段側に設けたBM層よりも広い領域に形成することで、パターン形成された発光層と、パターン形成された偏光分離手段の位置合せのマージン確保による生産性の向上、及び外光反射の低減による明環境下でのコントラスト比の向上といった効果を得られる。
さらに、この隔壁は有機EL素子が形成された第1の基板と、偏光分離手段が形成された第2の基板を重ね合わせる際のスペーサーとして機能させることができ、この場合は有機EL素子と偏光分離手段との接触による欠陥の発生を防止する効果がある。
尚、本実施例では偏光分離手段と、有機EL素子を異なる基板上に形成し、最後に重ね合わせるようにした。これは、同一の基板に両者を形成する場合、例えば有機層が既に形成された基板に偏光分離手段をパターニングする場合、偏光分離手段のパターニング工程において基板の温度が上がり有機層が劣化するなどの不具合が生じるからである。
つまり、偏光分離手段と有機EL素子を異なる基板に形成するようにすれば、それぞれの工程の自由度は広がり、互いに劣化させることがないのでより高性能な素子を構成できる。ただし、本発明は例えば将来、耐熱性の高い有機材料が開発されれば、偏光分離手段と有機EL素子を同一の基板に形成することを拒むものではない。
尚、本発明の表示装置では偏光分離手段と陰極との距離が長いと偏光分離手段で反射した光が本来の画素とは、別の画素の陰極へ漏れて解像度が低下したり、発光層から出射した光や、偏光分離手段で反射した光が隔壁などで吸収されて観察者へ向かう光が、減ってしまうなどの弊害を生じる。このため、偏光分離手段と陰極との距離はできるだけ短いことが、画質及び発光層から出射した光の利用効率向上の面から望ましい。
ここで、有機EL素子と偏光分離手段の間に基板が介在する場合、基板がガラスであれば、基板の厚さだけで数百μm、プラスチックフィルムであっても数十μm以上となり、偏光分離手段と陰極の距離が長くなってしまう。
これに対し、本表示装置では有機EL素子からの光の取り出しを有機EL素子が形成された第1の基板とは逆の方向からとし、さらに透明で薄い平坦化膜や絶縁膜を介して偏光分離手段を重ね合わせる構成とした。この構成により偏光分離手段と陰極との距離は10μm以下と短くできるため、隔壁などで吸収され、損失となる光が減り、発光光の利用効率が向上してより明るい表示が得られる。さらにこの場合は、偏光分離手段で反射した光が異なる画素へ漏れて、解像度の低下や、混色などを起すことがないので、高品位な表示が得られるという効果がある。
表示装置の表示部を構成する画素の配置は、ストライプ配置、モザイク配置、デルタ配置等のいずれの配置でもよく、表示装置の仕様に合せて適切な配置を選択すれば良い。尚、上記実施例ではアクティブマトリクス駆動の表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、TFTを設けずに本発明の発光素子の陽極及び陰極をそれぞれ垂直走査線、水平走査線に直結して駆動する単純マトリクス駆動の表示装置に適用しても良い。
(表示装置の実施例2)
次に本発明における表示装置の他の実施例について説明する。図16は本発明の表示装置の概略を示す一部断面図である。この表示装置は有機層110Wの発光色が白色であることと、カラーフィルタ−を有すること以外、基本的な構成は上記実施例と同じであるため、同じ部分には同じ符号を付け詳細な説明は省略する。
図16に示すとおり、本表示装置は図11を参照して説明した上記実施例において、R,G,Bにパターン形成されていた有機層を全て白色発光の有機層110Wに変更し、第2の基板90と偏光分離手段500との間に、それぞれR,G,Bに相当する光を透過するカラーフィルタ−900R,900G,900Bをパターン形成したものである。
白色発光を実現する有機層としては、発光色の異なる複数の発光層を積層する構成と、一つの発光層中に発光色が異なる色素をドーピングする構成がある。
前者の構成としては、例えばTPD、Alq3のAlq3を部分的にナイルレッドでドープし、1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)を組合せたものがある。また、後者としては、PVKに3種類の色素、例えば1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)、クマリン6、DCM1をドープしたものがある。いずれにせよ、白色発光の有機層としては発光効率が高く、寿命の長い白色発光が得られるものを用いることが望ましい。
次にカラーフィルター及び偏光分離手段の作製工程について説明する。図17は第2の基板90上にカラーフィルター及び偏光分離手段を作製する際の工程を説明するための図である。以下、カラーフィルター及び偏光分離手段の作製工程について図面を参照しながら説明する。(A)光学的に等方で透明、かつ平坦な第2の基板90上に、金属クロム、酸化クロム、あるいは光吸収性の顔料を分散した感光性樹脂からなるBM層80をパターン形成する。
(B)BM層が形成された基板90に染色法、顔料分散法、あるいは印刷法などの公知の技術(次世代液晶ディスプレイ技術、内田龍男編著、工業調査会)により、R,G,Bの各色光を透過するカラーフィルターをパターン形成する。
(C)さらにこの上に、透明な樹脂材料からなるオーバーコート層910を形成する。
(D)オーバーコート層910の上に図示しない配向膜としてポリビニルアルコール層を設け、ラビング処理した処理面に上記実施例と同様、液晶ポリマーの溶液を塗布し、乾燥後、160℃で5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷して、青色に選択反射の中心波長を有する非流動性のコレステリック液晶層500Bを得る。
(E)次に非流動性の液晶層500Bに透過率100%と0%の2領域を有するフォトマスク550を介して、緑色、赤色の選択反射を示すべき領域、つまり緑色光を透過するカラーフィルター900G、及び赤色光を透過するカラーフィルタ900Rに対応する位置に紫外線を照射し、再度160℃、5分間加熱配向処理して室温にて放冷して、パターン形成された緑色に選択反射の中心波長を有する非流動性のコレステリック液晶層500Gを得る。
(F)さらにフォトマスク551を介して赤色の選択反射を示すべき領域、つまりに赤色光を透過するカラーフィルタ900Rに対応する位置に紫外線を照射した後、再度160℃、5分間加熱配向処理した後、室温にて放冷してパターン形成された赤色に選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層500Rを得る。以上により、R反射,G反射,B反射にパターン形成されたコレステリック液晶層が形成される。コレステリック液晶層には必要に応じて透明な保護層を設けても良い。
このようにBM層80とカラーフィルター、及びコレステリック液晶層からなる偏光分離手段500が形成された第2の基板90は偏光分離手段500が形成された面が第1の基板6の有機層110Wを形成した面が対向するよう重ね合わせる。この際、第1の基板6と第2の基板90はパターン形成された有機層110Wの位置と、パターン形成されたコレステリック液晶層の位置が略一致するように位置合せをした上で、透明粘着材により全面を密着するか、表示部を囲む枠状のシール材により窒素を封入して密閉接着する。
尚、パターン形成された有機層と、パターン形成された偏光分離手段の位置合せは、赤色を表示すべき画素の有機層の位置には、赤色に選択反射波長を有するコレステリック液晶層及び赤色のカラーフィルターを配置し、緑色を表示すべき画素の有機層の位置には、緑色に選択反射波長を有するコレステリック液晶層及び緑色のカラーフィルターを配置し、青色を表示すべき画素の有機層の位置には、青色に選択反射波長を有するコレステリック液晶層及び青色のカラーフィルターを配置する。
また、第2の基板90の偏光分離手段500が形成された面とは、逆の面には位相差板700及び偏光板600をアクリル系の透明接着剤により光学的に結合されるよう接着する。
次にこの表示装置の動作を説明する。この表示装置の発光動作は上記実施例と同じである。つまり、発光量を制御すべき画素に対応したゲート線にターンオン電圧が印加されるのに同期して、画像情報に対応した電圧をデータ線に印加することで画素の発光量を制御するものであり、表示部を構成する複数の画素の発光量を画像情報に応じて制御することで、所望の画像を表示するものである。
有機層110Wから出射した光は直接、または陰極で反射した後、偏光分離手段に入射する。偏光分離手段は各画素が表示すべき色光に選択反射波長を有するコレステリック液晶層がパターン形成されたものである。このため、赤色を表示すべき画素の有機層110Wから出射して偏光分離手段500Rに入射した光は、偏光分離手段500Rを構成するコレステリック液晶層の選択反射により、赤色に対応する所定の波長範囲であって、なおかつ一方の回転方向の円偏光(例えば、ここでは左回りの円偏光)成分は反射し、これ以外の光は透過する。
偏光分離手段500Rを透過した光のうち、赤色に対応する所定の波長範囲の光は右回りの円偏光のみとなっており、これ以外の波長の光は非偏光である。
偏光分離手段500Rを透過した光は、赤色光を透過する赤色カラーフィルター900Rに入射して、赤色に対応する所定の波長範囲以外の光は、赤色カラーフィルター900Rでほとんど吸収される。
偏光分離手段500Rを透過した光のうち赤色に対応する所定の波長範囲の光は、赤色カラーフィルタ900Rを透過し、位相差板700の作用により円偏光から直線偏光に変換され、偏光板600で吸収されることなく透過して観察者1000の方向へ向う。
一方、偏光分離手段500で反射した光は、陰極300で反射して再び偏光分離手段500Rに向うが、陰極300での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(ここでは右回りの円偏光)となるため、今度は偏光分離手段500Rを透過する。偏光分離手段500を透過した光は赤色カラーフィルタ900Rも透過して、位相差板700の作用により偏光板600を透過する直線偏光に変換され、偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
つまり、赤色を表示する画素に対応する有機層110Wから出射した白色光のうち、赤色に対応する所定の波長範囲の光のみが、カラーフィルタ500Rや偏光板600で吸収されることなく、観察者1000に向かうため明るい赤色光が得られる。
緑色、(あるいは青色)を表示する画素に対応する有機層110Wから出射した白色光に関しても同様に、緑色(あるいは青色)に対応する所定の波長範囲の光のみが、カラーフィルタ500G(あるいはカラーフィルタ500B)や、偏光板600で吸収されることなく、観察者1000に向かうため明るい緑色光(あるいは青色光)が得られる。
つまり従来、偏光板で吸収され、無駄となっていた光を有効に利用することで、発光素子の輝度が向上し、明るい表示ができるという効果がある。
また、明るい環境下で表示装置の発光素子に入射する外光は、偏光板600を通過する際、少なくともその半分が吸収される。偏光板600を透過した光は位相差板700を透過する際、その作用を受け、円偏光となり、カラーフィルタを通過する際、さらにその2/3が吸収される。カラーフィルタを透過した光は陰極300で反射し、さらに偏光分離手段で反射した後、再び陰極300で反射して、偏光選択手段、カラーフィルタ、位相差板、偏光板を透過して観察者1000の方向へ向かう。従って、明るい環境下であっても外光の大部分がカットされるため、暗表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できるという効果がある。
ここで、一般に発光の中心波長が同じである場合、発光の波長範囲が狭く、急峻な分布の場合には色純度が高くなる。また、コレステリック液晶層の選択反射の波長分布は、顔料や染料を使用した通常のカラーフィルターの透過波長分布よりも、波長範囲を狭くすることができ、波長分布が急峻である。
このため、本表示装置は、従来の白色発光有機EL素子にR,G,Bのカラーフィルターを組み合わせたカラー表示装置に比べて、R,G,B単色の色純度が高く、表示色範囲が広い表示装置を実現することができる。また、本実施例の表示装置においても上記実施例と同様な構造部分については同じ効果が得られることは、云うまでもない。
(発光素子の他の実施例)
次に本発明における発光素子の他の実施例を示す図面を参照しながら説明する。図18は本発明における発光素子の他の実施例における基本構成と動作原理を説明するための一部概略断面図である。この発光素子は上記実施例において、偏光分離手段として用いたコレステリック液晶層の代わりに、所定の波長範囲の直線円偏光成分は反射し、他の成分は透過する偏光分離手段(以下、直線偏光分離手段と呼ぶ)555を用いたものである。このため上記実施例と共通な部分には同じ符号を付け、詳細な説明は省略する。
図18に示す通り、本発光素子は図示しない基板上に形成された透明電極200からなる陽極と、鏡面反射手段を兼ねる陰極300と、陽極と陰極の間に形成した有機層110とから構成される有機EL素子150と、有機EL素子150の透明電極200側から順に積層配置した位相差板700と、直線偏光分離手段555と、偏光板600から構成される。
直線偏光分離手段555はシート状でこれに入射する光のうちの所定の波長範囲における直線偏光成分は反射し、これ以外の光は透過する機能を有するものである。偏光分離手段555の構成は種々考えられ、例えば、国際出願の国際公開番号:WO95/27919に記載の複屈折反射型偏光フィルムやSID92、Digest、p427に記載の頂角が略90度のプリズムアレイを2枚重ね、その重ね合わせ部に誘電体多層膜による偏光分離面を形成したものを使用することができる。この際、直線偏光分離手段で反射する波長範囲は、有機EL素子の発光の波長範囲と略一致させる。
位相差板700及び偏光板600は従来技術における、いわゆる円偏光板を構成するものを用いれば良い。つまり、偏光板600はこれを通過する光のうち特定の直線偏光は透過し、これと直交する直線偏光は吸収するものである。また、位相差板700は偏光板600を通過した直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板として機能するものを用いる。
直線偏光分離手段555はこの円偏光板を構成する偏光板600と位相差板700の間に配置するが、この際、偏光分離手段555の直線偏光の透過軸は偏光板600の直線偏光の透過軸と一致するように配置する。
次に本発光素子の動作を図18により説明する。透明電極200と陰極300とに直流電源900を接続し、透明電極200と陰極300との間に直流電圧を印加すると発光層100から所定の波長の発光が生じる。発光層100から出射した光のうち透明電極200側に向かった光1100はそのまま透明電極200、及び位相差板700を透過して直線偏光分離手段555に入射する。
また、発光層100から出射した光のうち陰極300側に向った光1101は陰極300で反射して、同じく透明電極200及び位相差板700を透過して直線偏光分離手段555に入射する。この際、発光層100から出射し、直線偏光分離手段555に入射する光は非偏光であるため、偏光板600で吸収されるべき直線偏光成分は反射し、偏光板600を透過する直線円偏光成分は透過する。偏光分離手段555を透過した光1102は偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
一方、直線偏光分離手段555で反射した直線偏光光1103は、位相差板700を通過して陰極300へ向うが、位相差板700を通過する際、その作用を受けて円偏光(ここでは例えば左回りの円偏光)に変換される。陰極300へ向かった光1103は陰極300での反射の際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(右回りの円偏光)となり、再び位相差板700を通過する際に、その作用を受けて今度は直線偏光分離手段555を透過する直線偏光に変換される。このため直線偏光分離手段555及び偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
つまり、本発光素子では発光層100から出射した光のうち、従来、光板で吸収され、損失となっていた光を有効に再利用するため観察者1000へ向かう光量が増加し、輝度が向上するという効果がある。
次に、周囲が明るい環境下で外部から発光素子に入射する外光の挙動について説明する。周囲から発光素子に入射する外光3100は非偏光であるが、偏光板600を通過する際に所定の直線偏光は吸収され、これと直交する直線偏光のみが透過する。偏光板600を透過した直線偏光は直線偏光分離手段555も透過し、位相差板700の作用を受け、円偏光(ここでは例えば右回りの円偏光)となる。
位相差板700を通過した光は陰極300で反射する際、位相がπずれて回転方向が逆の円偏光(左回りの円偏光)になる。陰極300で反射した光は再び位相差板700を通過する際、今度は偏光板600で吸収される直線偏光に変換された後、直線偏光分離手段555に入射する。直線偏光分離手段555では有機EL素子の発光波長範囲に相当する波長範囲の光は反射し、それ以外の波長の光は透過する。直線偏光分離手段555を透過した光3101は偏光板600で吸収されるため外部には戻らない。
一方、直線偏光分離手段555で反射した光3102は位相差板700を通過する際、その作用を受け、左回りの円偏光に変換され、陰極300で再度反射する際、位相がπずれて回転方向が逆の右回りの円偏光となる。陰極300で再度反射した光は位相差板700を通過する際、今度は偏光板600を透過する直線偏光に変換されるため、直線偏光分離手段555及び偏光板600を透過して観察者1000の方向へ向かう。
つまり、発光素子に入射した外光3100のうち少なくとも半分が偏光板600で吸収される。偏光板600を透過した光は、直線偏光分離手段555及び位相差板700等を透過して、陰極300で反射して、再び直線偏光分離手段555に入射するが、このうち直線偏光分離手段555を透過する光3101は偏光板600で吸収される。従って、外部へ出射する光は直線偏光分離手段555で反射される波長範囲のわずかな光3102のみである。つまり、本発明の発光素子においても上記実施例と同様、明るい環境下であっても外光の大部分がカットされるため、暗表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できるという効果がある。
また、直線偏光分離手段555の直線偏光の反射波長範囲を有機EL素子の発光の波長範囲よりも狭くすることで観察者1000へ向かう色光の色純度を向上したり、明るい環境下でのコントラスト比をさらに向上することができるといった効果がある。
【発明の効果】
上記の通り、本発明によれば、発光素子はコレステリック液晶層などから構成される偏光分離手段の作用により、従来、偏光板で吸収され、損失となっていた光を有効に再利用することで、観察者へ向かう光量が増加し、輝度が向上するという効果がある。そのうえ、偏光分離手段で反射して再利用される光の波長範囲の制御により、発光層からの発光自体よりも高い色純度の色光が得られるという効果がある。
さらに明るい環境下であっても外光の反射の大部分がカットされるため、黒表示が暗くなり高いコントラスト比が実現できるという効果がある。
また、本発明の表示装置ではこれを構成する発光素子が偏光分離手段の作用により、従来、偏光板で吸収され損失となっていた光も表示光として利用できるため輝度が向上する。
このため、同じ消費電力であれば、より輝度が高く、明るい表示の表示装置を実現できるという効果がある。或いは、同じ輝度(明るさ)であれば、発光素子に流れる電流を小さくできるので、消費電力が小さくなり、さらに寿命が長い表示装置を実現できるという効果がある。
さらに本発明の表示装置では表示装置を構成する発光素子から出射する色光の色純度が高いため、表示装置の表色範囲が広い高品位な表示が実現できるという効果がある。
さらに本発明の表示装置では各画素の発光素子の周囲に設けた光吸収性の隔壁により、各画素が光学的に分離されるため、混色やぼやけのない高品位な表示が得られるという効果がある。また、本発明の表示装置では有機EL素子と偏光分離手段の間に基板が介在しない構成とすることで光の利用効率が向上し、さらに混色やぼやけのない高品位な表示が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である発光素子の一部を示す概略断面図である。
【図2】本発明の発光素子に係るコレステリック液晶層の透過スペクトルの一例を示すグラフである。
【図3】本発明の発光素子における光の相対強度と波長の関係の一例を示すグラフである。
【図4】本発明の発光素子における色度の一例を示す色度図である。
【図5】本発明の発光素子における光の相対強度と波長の関係の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の発光素子における色度の一例を示す色度図である。
【図7】本発明の表示装置である全体のレイアウトを模式的に示すブロック図である。
【図8】本発明の表示装置の表示部を構成するアクティブマトリクスの等価回路図である。
【図9】本発明の表示装置の画素部における構造の一部を示す平面図である。
【図10】図9のA−A´線断面図である。
【図11】本発明の表示装置の一部断面を示す概略構成図である。
【図12】本発明の表示装置の一部平面図である。
【図13】本発明におけるブラックマトリクス層の形成工程を説明する断面図である。
【図14】本発明における偏光分離手段のパターン形成工程を説明する断面図である。
【図15】本発明の表示装置の表示動作を説明するためのタイムチャートである。
【図16】本発明の表示装置における概略構成の一部を示す断面図である。
【図17】本発明の他の実施例であるカラーフィルター及び偏光分離手段の形成工程を説
明する断面図である。
【図18】本発明の他の実施例としての発光素子の一部を示す概略断面図である。
【図19】従来の発光素子の一部を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…表示装置、2…表示部、3…データ駆動回路、4…走査駆動回路、6…第1の基板、20…画素、21…スイッチトランジスタ、22…ドライバトランジスタ、23…蓄積容量、24…発光素子、60…隔壁、70…平坦化膜、80…ブラックマトリクス(BM)層、90…第2の基板、100…発光層、101…電荷輸送層、102…ホール輸送層、110,110R,110G,110B,10W…有機層、150…有機EL素子、200…透明電極(陽極)、300…陰極、400…透明基板、500,500R,500G,500B…偏光分離手段(コレステリック液晶層)、600…偏光板、700…位相差板(1/4波長版)、900R,900G,900B…カラーフィルター。
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