JP2002208501A - 抵抗器、その抵抗器を用いる電子部品及びそれらの使用方法 - Google Patents
抵抗器、その抵抗器を用いる電子部品及びそれらの使用方法Info
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Abstract
を提供する。またさらに、上記抵抗器を用いる電子部品
およびその使用方法を提供する。 【解決手段】 抵抗器100は、110に示す貴金属合
金等から製造される抵抗体および121と122に示す
高伝導性の接合用電極、141と142に示すボンディ
ング電極から構成され、接合用電極の厚さtEと抵抗体
の厚さtRの比は、tE/tR>0.1に制御されてい
る。またボンディング電極141、142の横幅の1/
2より外側端部143、144には、電圧測定用のワイ
ヤを接続するのに適した位置が形成されている。このた
め抵抗器100は、電流を精度よく測定できる。
Description
抗器の使用方法に関し、例えば、高電流検出に適する低
抵抗素子部とその低抵抗素子部は導電率の高い金属導体
を有する抵抗器およびその使用方法に関する。
部品およびその使用方法に関する。
て抵抗値が小さい抵抗器を用いることは良く知られてい
る。この抵抗器を用いた大電流I(A)の検出では、既
知の低い抵抗値を有し、抵抗値の変動が少ない抵抗器R
(Ω)に、高電流I(A)を流した時の抵抗器の両端に
おける電圧降下V(V)を測定し、I=V/Rを用いて
電流値I(A)を算出する。
す。電流検出用の低抵抗器1000は、金属製の抵抗部
1400および2つの電極部1100から構成されてい
る。抵抗部1400は、例えば、Cu−Ni合金(例え
ば、CN49R)などの金属合金が用いられる。電極1
100には、はんだ付け性を考慮してはんだ1200が
施されている。
いて電流を精度よく測定するためには、電流を流したと
きの電流変化に対する抵抗値変化を小さくして電圧
(V)−電流(I)特性を良くする必要がある。また抵
抗器を精度良く使用するには、抵抗器の最適な電極の位
置に4端子構造を形成し、電圧を測定する必要がある。
すなわち、抵抗体の上下面に電極を形成し、ワイヤボン
ディングで上面より電圧測定をすることにより4端子構
造を形成する。
のパターンと接続する時の抵抗器の電極膜厚及び抵抗体
膜厚が電圧測定に及ぼす影響に関する知見がなかったた
め電流測定に適した構造を有する抵抗器を製造できなか
った。また抵抗器を用いて上記電圧測定用のボンディン
グ用のワイヤを抵抗器と接続する際に、抵抗器のどの位
置にワイヤを接続するのが電圧測定に最適であるのか不
明であった。
接続して電圧測定が行われておらず抵抗器を最適な状態
で使用することができなかった。
するためになされたものであり、その目的は、電流測定
に適した抵抗器、およびその使用方法を提供することで
ある。
術の問題点を解決するためになされた上述の電流測定に
適した抵抗器を用いる電子部品およびその使用方法を提
供することである。
の本発明に係る一実施形態の抵抗器は、以下の構成を有
する。すなわち、略板状の抵抗用合金からなる抵抗体
と、高導電率の金属からなる少なくとも二つの第一の電
極と、金属からなる少なくとも二つの第二の電極とを有
し、前記第一の電極は、前記抵抗体の第一の面かつ前記
抵抗体の両端部に、前記第二の電極は、前記第一の面に
対向する第二の面かつ前記抵抗体の両端部に、前記第一
および第二の電極が前記抵抗体を挟むように配置され、
前記第一の電極の厚さは、前記抵抗体の厚さの1/10
より大きいことを特徴とする。
融はんだ材または鉛フリー溶融はんだ材が被覆されてい
ることを特徴とする。
のワイヤを接続すべき位置が形成されていることを特徴
とする。
材料の比抵抗が、前記抵抗体に用いる抵抗体材料の比抵
抗に対して1/150より大きく1/2より小さいこと
を特徴とする。
r系合金、Cu−Ni系合金、Ni−Cr系合金、6元
系合金、7元系合金、8元系合金、9元系合金、Pd−
Pt系合金、Au−Ag合金、Au−Pt−Ag合金か
ら選ばれることを特徴とする。 また例えば、前記抵抗
体は、その厚みを研磨加工、レーザ加工、サンドブラス
ト加工またはエッチング加工のいずれかの加工により所
定の抵抗値を有するように調整されていることを特徴と
する。
実施形態の抵抗器は、以下の構成を有する。すなわち、
高導電率の金属によりなる互いに分離した少なくとも2
つの電極と、前記電極に電気的かつ機械的に結合された
略板状の抵抗用合金からなる抵抗体とを有し、前記電極
の厚みは、前記抵抗体の厚さの1/10より大きいこと
を特徴とする。
実施形態の抵抗器の使用方法は、以下の構成を有する。
すなわち、請求項1乃至請求項5に記載の抵抗器の使用
方法であって、前記第二の電極上でかつ前記第二の電極
の電流の向きに沿う長さの1/2よりも外側に電圧測定
用のワイヤを接続して使用することを特徴とする。
実施形態の抵抗器の使用方法は、以下の構成を有する。
すなわち、請求項6乃至請求項9に記載の抵抗器の使用
方法であって、前記電極が前記抵抗体の第一の面でかつ
前記抵抗体の両端部に配置され、前記抵抗体の第一の面
に対向する第二の面でかつ前記電極の電流の向きに沿う
長さの1/2よりも外側に電圧測定用のワイヤを接続し
て使用することを特徴とする。
実施形態の電子部品は、以下の構成を有する。すなわ
ち、略板状の抵抗体用合金からなる抵抗体であって、前
記抵抗体の第一の面および両端部近傍に少なくとも二つ
の第一の電極、並びに前記第一の面に対向する第二の面
および両端部近傍に少なくとも二つの第二の電極を有す
る前記抵抗体と、前記抵抗体の前記第二の電極に接続さ
れる少なくとも二つの第一の基板電極、および前記抵抗
体の前記第一の電極に金属ワイヤを介して接続される少
なくとも二つの第二の基板電極を有する絶縁基板とを有
し、前記抵抗体の前記第二の電極は、高導電率の金属に
より前記抵抗体の厚さの1/10以上に形成されている
ことを特徴とする。
融はんだ材または鉛フリー溶融はんだ材が被覆され、前
記溶融はんだ材または鉛フリー溶融はんだ材を介して前
記第一の電極が前記絶縁基板と接続されていることを特
徴とする。
イヤとは、前記抵抗体を流れる電流の向きに沿う、前記
第一の電極の長さの1/2より外側で接続されているこ
とを特徴とする。
材料の比抵抗が、前記抵抗体に用いる抵抗体材料の比抵
抗に対して1/150より大きく1/2より小さいこと
を特徴とする。
r系合金、Cu−Ni系合金、Ni−Cr系合金、6元
系合金、7元系合金、8元系合金、9元系合金、Pd−
Pt系合金、Au−Ag合金、Au−Pt−Ag合金か
ら選ばれることを特徴とする。 また例えば、前記抵抗
体は、その厚みを研磨加工、レーザ加工、サンドブラス
ト加工またはエッチング加工のいずれかの加工により所
定の抵抗値を有するように調整されていることを特徴と
する。
実施形態の電子部品は、以下の構成を有する。すなわ
ち、略板状の抵抗体用合金からなる抵抗体であって、前
記抵抗体の第一の面および両端部近傍に少なくとも二つ
の電極を有する前記抵抗体と、前記抵抗体の前記電極に
接続される少なくとも二つの第一の基板電極、および、
前記抵抗体の前記第一の面に対向する第二の面かつ両端
部近傍に金属ワイヤを介して接続される少なくとも二つ
の第二の基板電極を有する絶縁基板とを有し、前記抵抗
体の前記電極は、高導電率の金属により前記抵抗体の厚
さの1/10以上に形成されていることを特徴とする。
実施形態の電子部品の使用方法は、以下の構成を有す
る。すなわち、請求項13から請求項17の何れかに記
載された電子部品の使用方法であって、前記少なくとも
二つの第一の基板電極を介して流れる電流の測定に、前
記少なくとも二つの第二の基板電極が利用されることを
特徴とする。
実施形態の電子部品の使用方法は、以下の構成を有す
る。すなわち、請求項18から請求項22の何れかに記
載された電子部品の使用方法であって、前記少なくとも
二つの第一の基板電極を介して流れる電流の測定に、前
記少なくとも二つの第二の基板電極が利用されることを
特徴とする。
の好適な実施の形態である抵抗器および使用方法につい
て詳細に説明する。
の検出用にミリオーム程度の極めて抵抗値が小さい抵抗
器の抵抗体として用いられる合金組成は、一例であり、
特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれ
らのみに限定する趣旨のものではなく、製造する抵抗器
の必要特性や仕様に応じて決定されるものである。
形態の抵抗器について、その構造および特性を以下に説
明する。
0の導体パターン上にはんだ付けされた第1の実施の形
態である抵抗器100を示す。
体、接続端子である電極121と122、およびボンデ
ィング電極141と142から構成されている。抵抗器
100は、1つの直方体形状を有する抵抗体110に2
つの直方体形状の電極121と122および2つの直方
体形状のボンディング電極141と142を図1に示す
ように接合した構造である。
は、基板150の導体パターンと電極121と122と
が接続され、ボンディング電極141と142には、ボ
ンディング用のワイヤが例えばボンディング等によりそ
れぞれ接続されてボンディング電極141と142間の
電圧降下が測定される。なお各ボンディング電極141
と142では、各ボンディング電極141と142の横
幅に対して図1に示すように1/2より外側の位置であ
る143と144にワイヤを接続するのに適した位置が
形成されている。
50〜2000μmであり、各電極121、122の厚
さ(tE)は、約10〜500μmであり、電極120
の厚みと抵抗体110の厚みの比はtE/tR>1/1
0に設計されている。また各ボンディング電極141、
142の厚さは、約10〜100μmであり、各電極1
21、122の表面には、約2〜10μmのはんだ膜
(例えば、溶融はんだ膜)が形成されている。
されており、プリント配線板などに実装する際の基板1
50としては、例えばアルミニウム基板などの金属基板
が用いられ、その基板150もヒートシンクなどに接続
された構造となっている。
100に発生する熱は、基板150方向に伝達されるた
めに、抵抗器100と基板150との接合面が重要であ
り、抵抗器100は、基板150との接合面である電極
121、122に熱伝導の良い銅の厚板を用い、接合面
積を大きく取ることを特徴としている。
板150のパターンより抵抗器100の一方の電極12
1を介して抵抗体110に流れ、さらに抵抗体110か
ら他の1つの電極122へと流れる。また、ボンディン
グ電極141と142を基板150のパターンにアルミ
ニウムワイヤなどによりワイヤボンディングによって接
続し、高電流を流したときのパターン間、すなわち抵抗
器100の両端における電圧降下を測定する。なおボン
ディング電極141と142は、抵抗値精度を向上させ
る目的で抵抗体110に接合されている。このため図1
の構造を有する抵抗器100は、大電流での使用が可能
である。
u−Ni合金(CN49Rなど)や図2に示す各種金属
合金および各種貴金属合金が用いられ、仕様に応じて決
定される比抵抗、TCR、抵抗値変化などの各種特性に
適合する金属合金や貴金属合金などが図2より適宜選択
されて使用される。また図2以外にも、例えば、マンガ
ン・銅・ニッケル合金などを使用しても良い。
約7μΩ・cmを有する貴金属合金を使用する場合に
は、極めて低い電気抵抗を有する抵抗体110が得られ
る。例えば、これらの貴金属合金を抵抗体110として
使用する場合には、図1に示す構造の抵抗器100の抵
抗値は、約0.04〜0.15mΩとなる。
は、電気抵抗が抵抗体110に比べて小さい銅材料など
(例えば、比抵抗1.6μΩ・cm程度)が用いられ、
抵抗体110と電極121あるい抵抗体110と電極1
22とはクラッド接合により接合される。
る電極材料および抵抗体110用に用いられる抵抗体材
料とは、それらの材料の比抵抗の比が、次式に示す、電
極材料の比抵抗/抵抗体材料の比抵抗=1/150〜1
/2の条件を満たす比抵抗を有する材料を用いて作製さ
れるのがより好ましい。
しては、ニッケル材料(例えば、6.8μΩcm程
度)、アルミニウム材料(例えば、2.6μΩcm程
度)または金材料(例えば、2.0μΩcm程度)など
が用いられる。2つの電極121および122の電極面
は、高電流を測定する際に発生する熱を放熱しやすくす
るため、基板150方向に熱が伝達されやすいように電
極面積を広くとるように設計されており、熱伝導性の良
い金属(例えば銅など)を用い、接合面積を大きく取る
ことを特徴としている。
基板の導体パターンへのはんだ付け性を向上するため
に、例えば、溶融はんだ材(Sn:Pb=9:1)また
は鉛フリー溶融はんだ材の膜131および132が形成
されている。溶融はんだ材を用いることにより銅材の電
極121または122と基板の導体パターンとの間に拡
散層が形成されるため、電極の接合強度が向上しさらに
電気的信頼性もまた向上する。
0が平板からなる単純構造となっており、従来の電流検
出用低抵抗器1000に見られるような切り込み130
0が無い点である。
0の平板の厚み(図1の抵抗器100の上面の電極側、
下面の電極側に露出している抵抗体110の厚み)を変
化させることにより抵抗値を調整する。抵抗体110の
厚みを調整する方法としては、例えば、研磨加工、レー
ザ加工、サンドブラスト加工あるいはエッチング加工な
どがあり、上記方法を用いて抵抗器100が所定の抵抗
値となるように抵抗体110の厚みを調整する。なお抵
抗体510の厚みを調整する場合には、抵抗体510の
上面、下面のいずれか一方またはその両面を上記説明し
た加工方法で加工してもよい。
10中に切り込みがないため、電流を流したときの電流
経路が安定し、切り込みがある場合の抵抗値変化を1/
数10〜1/200程度に低減できる。
の極めて低い電気抵抗を有する貴金属合金を使用する
と、抵抗器100の抵抗値は、約0.04〜0.15m
Ωとなるため、高電流の測定に適した抵抗器が得られ
る。
および図3(b)に作製した抵抗器100の各部の寸法
及び抵抗器100を用いて電圧測定を行う際のワイヤの
接続位置を示す。抵抗器100の抵抗体110と基板と
接合する電極の厚さtEは、tE/tR>1/10とな
っている。
ボンディング電極141、142の横方向の幅であり、
ボンディング電極141、142中に記載した番号1〜
18は、ボンディング電極141、142に対して電圧
測定用のワイヤを接続する位置を示している。また
L1、L2は、上記1〜18の各ボンディング電極の外
側端部からの距離である。
器100の基板と接合する電極の厚さtEのみが異なる
だけであり(すなわちtE/tR<1/10に設計)、
他の寸法は抵抗器100と全て同じである。
は、それぞれ左右のボンディング電極の中央部に電圧測
定時のワイヤを接続する位置を示しており、L1/L
w1=0.5、L2/Lw2=0.5である。
れぞれボンディング電極141、142に電圧測定時の
ワイヤを接続する位置の組み合わせを示している。すな
わち、(1)は、ボンディング電極141、142の電
圧測定時のワイヤの接続位置が、L1/Lw1>0.
5、L2/Lw2>0.5の条件を満たす場合のワイヤ
の接続位置の組み合わせを示している。
L2/Lw2>0.5の条件を満たす位置にワイヤを接
続する組み合わせを示しており、(3)は、L1/L
w1>0.5、L2/Lw2<0.5の条件を満たす位
置にワイヤを接続する組み合わせを示しており、(4)
は、L1/Lw1<0.5、L2/Lw2<0.5の条
件を満たす位置にワイヤを接続する組み合わせを示して
いる。
した抵抗器100による電圧測定結果を比較用抵抗器を
用いた電圧測定結果と合わせて示す。
示した測定条件(1)〜(4)に対応する。なお、抵抗
器100等を用いて測定された電圧Vは、次式に示す電
圧の変動値ΔV(基準電圧V0に対する測定電圧)を用
いて整理して表示した。
変動値(ΔV)を基板に接合する接合電極の厚さ
(tE)と抵抗体の厚さ(tR)の比がtE/tR>1
/10の場合とtE/tR≦1/10の場合に分けて表
示した。
形態の抵抗器100(tE/tR>1/10)の場合に
おいて、ワイヤを接続する位置が電圧の変動値ΔVに及
ぼす影響について説明する。
比較すると、条件(4)(L1/L w1<0.5、L2
/Lw2<0.5)は、電圧変動(ΔV)が±0.1%
と最も小さく最適条件である。すなわち、電圧測定用ワ
イヤをボンディング電極141、142に接続する場
合、左右ボンディング電極141、142の横幅に対し
てワイヤを電極の外側端部からどちらも1/2より外側
の電極表面部の位置に接続するのが電圧変動を最小にす
る。
通りである。すなわち、条件(1)の場合(L1/L
w1>0.5、L2/Lw2>0.5)は、電圧変動
(ΔV)が±5〜10%と最も大きく、安定した電圧測
定に適さない条件である。すなわち、電圧測定用ワイヤ
をボンディング電極141、142に接続する場合、左
右ボンディング電極141、142の横幅に対してワイ
ヤを電極の外側端部からどちらも1/2より大きい電極
の内側表面部の位置に接続すると電圧変動が最大とな
る。
(2つのワイヤのうち一方のワイヤを電極の外側端部か
ら1/2より小さいすなわち外側の電極表面位置に、他
方のワイヤを電極の外側端部から1/2より大きいすな
わち内側の電極表面位置に接続する)は、電圧変動(Δ
V)は±3〜5%であり、条件(1)と条件(4)の中
間の条件である。
器(tE/tR<1/10)において、ワイヤを接続す
る位置が電圧変動ΔVに及ぼす影響について説明する。
比較すると、電圧変動ΔVは、条件(1)〜(4)の全
ての条件で±10%以上となり、抵抗器100で得られ
た電圧変動ΔVに比べて大きい。
ンディング電極に接続する位置を変化させても電圧変動
ΔVが変化しないことから、比較用抵抗器電圧測定時に
おいては、ワイヤを左右ボンディング電極に接続する位
置の影響を受けない。
抗器100および比較用抵抗器の結果より、電圧の変動
ΔVを低く抑え精度良く電圧を測定するためには、抵抗
体および接続電極が、電極材料の比抵抗/抵抗体材料の
比抵抗=1/150〜1/2の条件を満たす材料を用い
て作製され、抵抗器の構造として、接合電極の厚さ(t
E)と抵抗体の厚さ(tR)の比がtE/tR>1/1
0の条件を満たす必要(抵抗器100の構造)がある。
用いて電圧を測定する場合には、条件(4)に示す条
件、すなわちL1/Lw1<0.5、L2/Lw2<
0.5の条件を満たすボンディング電極141、142
の位置にワイヤを接続する(電極の横幅に対するワイヤ
の接続位置を電極端部からどちらも1/2より外側の位
置)と、電圧変動(ΔV)を例えば±0.1%以内の最
小変動に抑えることができる。
て説明する。
た抵抗器100を用いて電圧を測定する場合(tE/t
R>1/10)を示しており、図6は、基板1510、
1520上に載置された比較用抵抗器を用いて電圧を測
定する場合(tE/tR<1/10)を示している。
(A)を検出する場合、抵抗器R(Ω)に、高電流I
(A)を流した時の抵抗器の両端における電圧降下V
(V)を測定し、I=V/Rを用いて電流値I(A)を
算出する。
うに基板のパターン151と接合電極121および基板
のパターン152と接合電極122とを接続し、パター
ン152からパターン151に電流を流しながらボンデ
ィング電極141、142間の電圧を測定する。また図
5または図6には、抵抗体110中を通過する電流Iの
流れも合わせて示している。
の電圧を正確に測定するためには、ボンディング電極1
41、142間に電流が殆ど流れない条件で測定するの
が望ましく、ボンディング電極141、142間に電流
が流れると電圧測定に誤差を生じることになる。
測定する場合の抵抗体110中を通過する電流Iの流れ
について説明する。抵抗器100では接合電極の厚さ
(tE)はtE/tR>1/10となるように、すなわ
ち抵抗体110に対して比較的厚くなるように設計され
ている。そのため、接合電極の導体抵抗は低くなること
から抵抗体110中を通過する電流Iは、接合電極12
2、121間の最短距離(図5中で太く記載した最短経
路)をほとんどの電流が流れ、残りの電流が図中のその
他の経路を流れることになる。
路にも電流は流れるが、最短経路より遠くなる経路ほど
流れる電流は少なくなる。このため、抵抗器100は、
電圧測定時にボンディング電極142とボンディング電
極141間に流れる電流を少なく抑えることができるの
で正確な電圧測定ができる。
ディング電極142に対する抵抗体110を流れる電流
の影響を比較すると、ボンディング電極142中の斜線
部で示した外側(電極部分143)の方が内側(電極部
分145)に比べて抵抗体110中を流れる電流Iの影
響を受けにくくなる。同様なことは、ボンディング電極
141についてもいえる。すなわち、ボンディング電極
141中の斜線部で示した外側(電極部分144)の方
が内側(電極部分146)に比べて抵抗体110中を流
れる電流Iの影響を受けにくくなる。
圧を測定するには、抵抗体110を流れる電流経路から
離れた位置にワイヤを接続して電圧を測定すればよいこ
とがわかる。すなわちワイヤを接続する位置は、ボンデ
ィング電極142の外側(電極部分143)とボンディ
ング電極141の外側(電極部分144)が最適の位置
であり、一方、逆にボンディング電極142の内側(電
極部分145)とボンディング電極141の内側(電極
部分146)が最悪の位置であることがわかる。上記説
明したことが図4で抵抗器100を用いて条件(1)〜
(4)の4条件で異なる電圧変動を示した理由である。
定する場合の抵抗体1100中を通過する電流Iの流れ
について説明する。比較抵抗器では接合電極の厚さ(t
E)はtE/tR<1/10となるように設計されてい
る。そのため、接合電極の導体抵抗は高くなることから
抵抗体1110中を通過する電流Iは、接合電極122
0、1210間の最短距離(図6中で太く記載した最短
経路)を流れる電流が図5に比べ減少し、図6中の最短
経路以外の経路を流れる電流が増加する。
れる電流は最短経路より遠くなる経路ほど減少するが、
図5に比べかなり多くなる。このため、比較抵抗器を用
いて電圧測定を行う場合には、ボンディング電極141
0とボンディング電極1420間に流れる電流を少なく
抑えることが難しくなるので電圧変動が大きくなり正確
な電圧測定ができ難くなる。
ディング電極1410に対する抵抗体1100を流れる
電流の影響を比較すると、ボンディング電極1420中
の斜線部で示した外側(電極部分1430)と内側(電
極部分1450)における抵抗体110中を流れる電流
Iの影響に大差がない。同様なことは、ボンディング電
極1410でもいえ、ボンディング電極1410中の斜
線部で示した外側(電極部分1440)と内側(電極部
分1460)との抵抗体1100中を流れる電流Iの影
響に大差がない。
に抵抗体1100中を流れる電流Iの影響を大きく受け
るため精度良く電圧を測定することが難しくなる。ま
た、図6よりボンディング電極1410、1420にお
いて、外側(電極部分1430、1440)と内側(電
極部分1450、1460)では抵抗体1100中を流
れる電流Iの影響に大差がないため、ボンディング電極
1410、1420のどの位置を用いても精度良く電圧
を測定することが難しくなる。上記説明したことが図4
で比較抵抗器を用いて条件(1)〜(4)の4条件すべ
てで、±10%以上の誤差を含む電圧変動を示した理由
である。
製造する際には、電極材料の比抵抗/抵抗体材料の比抵
抗=1/150〜1/2の条件を満たす比抵抗を有する
材料を用いて抵抗体および電極を作製し、抵抗体と接続
電極の厚さの比を1/10以上とすると精度良く電圧を
測定できる抵抗器を製造することができ、この抵抗器を
用いて電圧を測定する場合には、ワイヤを接続する位置
をボンディング電極の中心部より外側を用いて接続する
ことにより、さらに精度良く電圧を測定できる。
形態の抵抗器について、その構造および特性を以下に説
明する。
0の導体パターン上にはんだ付けされた第2の実施の形
態である抵抗器500を示す。抵抗器500は、510
の金属製の抵抗体、接続端子である電極521と522
から構成されている。
は、基板550の導体パターンと電極521と522と
が接続され、抵抗体上の図7に示す542と543位置
にワイヤが例えばワイヤボンディング等によりそれぞれ
接続され、542と543間の電圧降下が測定される。
なお図7に例を示す542と543の幅は、電極521
と522の横幅の1/2であり、ワイヤを接続するのに
適した位置として形成されたものである。
る抵抗体510に2つの直方体形状の電極521を図7
に示すように接合した構造である。抵抗体510の厚さ
(t R)は、例えば約50〜2000μmであり、各電
極521、522の厚さ(t E)は、例えば約10〜5
00μmであり、電極521、522の厚みと抵抗体5
10の厚みの比はtE/tR>1/10に設計されてい
る。また、各電極の表面には、約2〜10μmの溶融は
んだ膜531、532が形成されている。
されており、プリント配線板などに実装する際の基板5
50としては、例えばアルミニウム基板やガラスエポキ
シ基板、メタルコア基板(アルミニウムなどの金属上に
窒化ホウ素などの絶縁接着層を介してCuパターンが貼
り付けられている放熱性を考慮した基板)、DBC基板
(ダイレクトボンディングカッパー基板で、アルミナや
窒化アルミの高放熱性の基材に接着層を介さず直接銅パ
ターンをダイレクトに貼り付けた基板)などが用いら
れ、その基板550もヒートシンクなどに接続された構
造となっている。
500に発生する熱は、基板550方向に伝達されるた
めに、抵抗器500と基板550との接合面が重要であ
り、抵抗器500は、基板550との接合面である電極
521、522に熱伝導の良い銅の厚板を用い、接合面
積を大きく取ることを特徴としている。
板550のパターンより抵抗器500の一方の電極52
1を介して抵抗体510に流れ、さらに抵抗体510か
ら他の1つの電極522へと流れる。また、抵抗体51
0上の542や543に示した位置と基板550の所定
パターンとをアルミニウムワイヤなどによりワイヤボン
ディングすることによって接続し、高電流を流したとき
のパターン間、すなわち抵抗器500の両端における電
圧降下を測定する。このため図8の構造を有する抵抗器
500は、大電流での使用が可能である。
続する例を示したが、ワイヤボンディングなしでも基板
ランドパターンより電圧測定用ランドパターンを取り出
して電圧降下を測定することも可能である。
u−Ni合金(CN49Rなど)や図4に示す各種金属
合金および各種貴金属合金が用いられ、仕様に応じて決
定される比抵抗、TCR、抵抗値変化などの各種特性に
適合する金属合金や貴金属合金などが図4より適宜選択
されて使用される。また図4以外にも、例えば、マンガ
ン・銅・ニッケル合金などを使用しても良い。
用する場合には、約2〜約7μΩ・cmと極めて低い電
気抵抗を有する抵抗体110が得られ、例えば、これら
の貴金属合金を抵抗体510として使用する場合には、
図8に示す構造の抵抗器500の抵抗値は、約0.04
〜0.15mΩとなる。
は、電気抵抗が抵抗体510に比べて小さい銅材料(例
えば、1.6μΩ・cm程度)が用いられ、抵抗体51
0と電極521あるい抵抗体510と電極522とはク
ラッド接合により接合される。
る電極材料および抵抗体510用に用いられる抵抗体材
料とは、それらの材料の比抵抗の比が次式に示す、電極
材料の比抵抗/抵抗体材料の比抵抗=1/150〜1/
2の条件を満たす比抵抗を有する材料を用いて作製され
るのがより好ましい。
は、高電流を測定する際に発生する熱を放熱しやすくす
るため、基板550方向に熱が伝達されやすいように電
極面積を広くとるように設計されており、熱伝導性の良
い銅の厚板を用い、接合面積を大きく取ることを特徴と
している。
基板の導体パターンへのはんだ付け性を向上するため
に、例えば、溶融はんだ材(Sn:Pb=9:1)また
は鉛フリー溶融はんだ材の膜531および532が形成
されている。溶融はんだ材を用いることにより銅材の電
極521または522と基板の導体パターンとの間に拡
散層が形成されるため、電極の接合強度が向上しさらに
電気的信頼性もまた向上する。
0が平板からなる単純構造となっており、従来の図12
におけるシャント抵抗器1000に見られるような切り
込み1300が無い点である。
0の平板の厚み(図7の抵抗器500の上面および下面
の電極側に露出している抵抗体510の厚み)を変化さ
せることにより抵抗値を調整する。抵抗体510の厚み
を調整する方法としては、例えば、研磨加工、レーザ加
工、サンドブラスト加工あるいはエッチング加工などが
あり、上記方法を用いて抵抗器500が所定の抵抗値と
なるように抵抗体510の厚みを調整する。なお抵抗体
510の厚みを調整する場合には、抵抗体510の上
面、下面のいずれか一方またはその両面を上記説明した
加工方法で加工してもよい。
10中に切り込みがないため、電流を流したときの電流
経路が安定し、切り込みがある場合の抵抗値変化(ΔR
/R)を1/数10〜1/200程度に低減できる。
の極めて低い電気抵抗を有する貴金属合金を使用する
と、抵抗器500の抵抗値は、約0.04〜0.15m
Ωとなるため、高電流の測定に適した抵抗器が得られ
る。
および図8(b)に上記の製造方法で作製した抵抗器5
00の各部の寸法及び抵抗器500を用いて電圧測定を
行う際のワイヤの接続位置を示す。抵抗器500の抵抗
体510と基板と接合する電極の厚さtEは、tE/t
R>1/10となっている。
w1、Lw2は、接合電極電極522、521と同じ横
幅であり、抵抗体510の左側表面部542および右側
表面部543に記載した番号1〜18を付した位置は、
電圧測定時にワイヤを接続する位置を示している。すな
わち、L1は、抵抗体510の左外側端部からの距離で
あり、L2は、抵抗体510の右外側端部からの距離で
ある。
器500の基板と接合する電極の厚さtEのみが異なる
だけであり(すなわちtE/tR<1/10に設計)、
他の寸法は抵抗器500と全て同じである。
は、それぞれ電圧測定時のワイヤを抵抗体510の表面
に接続する位置を示しており、L1/Lw1=0.5、
L2/Lw2=0.5である。
れぞれ抵抗体510の表面に電圧測定時のワイヤを接続
する位置の組み合わせを示している。すなわち、(1)
は、ワイヤの接続位置が、L1/Lw1>0.5、L2
/Lw2>0.5の条件を満たす場合のワイヤの接続位
置の組み合わせを示している。
L2/Lw2<0.5の条件を満たす位置にワイヤを接
続する組み合わせを示しており、(3)は、L1/L
w1<0.5、L2/Lw2>0.5の条件を満たす位
置にワイヤを接続する組み合わせを示しており、(4)
は、L1/Lw1<0.5、L2/Lw2<0.5の条
件を満たす位置にワイヤを接続する組み合わせを示して
いる。
した抵抗器500による電圧測定結果を比較用抵抗器を
用いた電圧測定結果と合わせて示す。
示した測定条件(1)〜(4)に対応する。なお、抵抗
器500等を用いて測定された電圧Vは、次式に示す電
圧の変動値ΔV(基準電圧V0に対する測定電圧)を用
いて整理して表示した。
変動値(ΔV)を基板に接合する接合電極の厚さ
(tE)と抵抗体の厚さ(tR)の比がtE/tR>1
/10の場合とtE/tR≦1/10の場合に分けて表
示した。
形態の抵抗器500(tE/tR>1/10)の場合に
おいて、ワイヤを接続する位置が電圧の変動値ΔVに及
ぼす影響について説明する。
比較すると、条件(4)(L1/L w1<0.5、L2
/Lw2<0.5)は、電圧変動(ΔV)が±0.1%
以内と最も小さく最適条件である。すなわち、電圧測定
用ワイヤを抵抗体510の表面部に接続する際に、図8
の542および543(外側端部から1/2より小とな
る抵抗体表面部)の位置に接続すると電圧変動を最小に
することができる。
通りである。すなわち、条件(1)の場合(L1/L
w1>0.5、L2/Lw2>0.5)は、電圧変動
(ΔV)が±5〜10%と最も大きく、安定した電圧測
定に適さない条件である。すなわち、電圧測定用ワイヤ
を抵抗体510の表面部に接続する際に、図8の544
および546(外側端部から1/2より大となる抵抗体
表面部)の位置に接続すると電圧変動が最大となる。
また、条件(2)または条件(3)の場合(2つのワイ
ヤのうち一方のワイヤを抵抗体510の外側端部から1
/2より小さい位置すなわち外側の位置に、他方のワイ
ヤを抵抗体510の外側端部から1/2より大きい位置
すなわち内側の位置に接続する)は、電圧変動(ΔV)
は±3〜5%であり、条件(1)と条件(4)の中間の
条件である。
器(tE/tR<1/10)において、ワイヤを接続す
る位置が電圧変動ΔVに及ぼす影響について説明する。
比較すると、電圧変動ΔVは、条件(1)〜(4)の全
ての条件で±10%以上となり、抵抗器500で得られ
た電圧変動ΔVに比べて大きい。
置を変化させても電圧変動ΔVが変化しないことから、
比較用抵抗器を用いた電圧測定時においては、ワイヤを
接続する位置の影響を受けない。
抗器500および比較用抵抗器の結果より、電圧の変動
ΔVを低く抑え精度良く電圧を測定するためには、抵抗
器の構造として、接合電極の厚さ(tE)と抵抗体の厚
さ(tR)の比がtE/tR>1/10の条件を満たす
必要(抵抗器100の構造)がある。
用いて電圧を測定する場合には、条件(4)に示す条
件、すなわちL1/Lw1<0.5、L2/Lw2<
0.5の条件を満たす542、543の抵抗体の位置に
ワイヤを接続する(電極の横幅に対するワイヤの接続位
置を電極端部からどちらも1/2より外側の位置)と、
電圧変動(ΔV)を例えば±0.1%以内の最小変動に
抑えることができる。
用いて説明する。
上に載置された抵抗器500を用いて電圧を測定する場
合(tE/tR>1/10)を示しており、図11は、
基板のパターン1551、1552上に載置された比較
用抵抗器を用いて電圧を測定する場合(tE/tR<1
/10)を示している。図10または図11で抵抗器を
用いて電流I(A)を検出する場合、抵抗器R(Ω)
に、高電流I(A)を流した時の抵抗器の両端における
電圧降下V(V)を測定し、I=V/Rを用いて電流値
I(A)を算出する。
パターン552と接合電極522および基板のパターン
551と接合電極521とを接続し、パターン552か
らパターン551に電流を流しながら例えば抵抗体表面
部の542と543間の電圧を測定する。また図11で
いえば基板のパターン1552と接合電極1522およ
び基板のパターン1551と接合電極1521とを接続
し、パターン1552からパターン1551に電流を流
しながら例えば抵抗体表面部の1542と1543間の
電圧を測定する。また図10または図11には、抵抗体
510または1510中を通過する電流Iの流れも合わ
せて示している。
間の電圧を正確に測定するためには、抵抗体表面部の5
42と543間に電流が殆ど流れない条件で測定するの
が望ましく電流が流れると電圧測定に誤差を生じること
になる。
を測定する場合の抵抗体510中を通過する電流Iの流
れについて説明する。抵抗器500では接合電極の厚さ
(t E)はtE/tR>1/10となるように、すなわ
ち抵抗体510に対して比較的厚くなるように設計され
ている。そのため、接合電極の導体抵抗は低くなること
から抵抗体510中を通過する電流Iは、接合電極52
1、522の最短距離(図10中で太く記載した最短経
路)をほとんどの電流が流れ、残りの電流が図中の他の
経路を流れることになる。
経路に流れる電流は、最短経路より遠くなる経路ほど流
れる電流が少なくなる。このため例えば抵抗体表面部5
42と543間における抵抗器500の電圧を正確に測
定するためには、抵抗体表面部542と543間に電流
が殆ど流れない条件で電圧を測定するほど正確な電圧測
定ができる。
接続位置542と544における抵抗体510を流れる
電流の影響を比較すると、542の方が544に比べて
抵抗体510中を流れる電流Iの影響を受けにくくな
る。同様なことは、ワイヤの接続位置543と546に
ついてもいえる。すなわち、543の方が546に比べ
て抵抗体510中を流れる電流Iの影響を受けにくくな
る。
電圧を測定するには、抵抗体510を流れる電流経路か
ら離れた位置にワイヤを接続して電圧を測定すればよい
ことがわかる。すなわちワイヤを接続する位置は、54
2と543の組み合わせが最適の位置であり、一方、逆
に544と546の組み合わせが最悪の位置であること
がわかる。上記説明したことが図9で抵抗器500を用
いて条件(1)〜(4)の4条件で異なる電圧変動を示
した理由である。
定結果は、抵抗器100における図4に示した測定結果
とほぼ同じである。このことは、電圧測定においては抵
抗器100のようにボンディング電極を使用しても抵抗
器500のようにボンディング電極を使用しなくても両
者の測定結果に変化を生じないことを示している。この
理由は、電圧測定時の電圧変動は、抵抗体内部を通過す
る電流経路に依存するためである。すなわち抵抗器10
0と抵抗器500における電流経路および最短経路は図
5と図10に示すように全く同じである。また電圧測定
用にワイヤを接続する位置が両者で同じであれば、電圧
測定時に電圧変動の原因となる電流分布は同じである。
そのため、図3と図8に示すようワイヤを接続する位置
が同一の(1)〜(4)の条件では、ボンディング電極
を使用しても使用しなくても電圧測定時の電圧変動に差
がない結果が得られたものである。
測定する場合の抵抗体1510中を通過する電流Iの流
れについて説明する。比較抵抗器では接合電極の厚さは
tE/tR<1/10となるように設計されている。そ
のため、接合電極の導体抵抗は高くなることから抵抗体
1510中を通過する電流Iは、接合電極1522、1
521の最短距離(図11中で太く記載した最短経路)
を流れる電流が図10に比べ減少し、図11中の最短経
路以外の経路を流れる電流が増加する。
流れる電流は最短経路より遠くなる経路ほど減少する
が、図10に比べかなり多くなる。このため、比較抵抗
器を用いて電圧測定を行う際に測定部に流れる電流を少
なく抑えることが難しくなるので電圧変動が大きくなり
正確な電圧測定ができ難くなる。
表面部1542、1544を流れる電流の影響を比較す
ると、1542と1544中を流れる電流Iの影響に大
差がない。同様なことは、抵抗体の表面部1543、1
546でもいえ、抵抗体の表面部1543、1546を
流れる電流Iの影響に大差がない。
に抵抗体1510中を流れる電流Iの影響を大きく受け
るため精度良く電圧を測定することが難しくし、ワイヤ
接続部の位置を変えても精度良く電圧を測定することが
できない。上記説明したことが図9で比較抵抗器を用い
て条件(1)〜(4)の4条件すべてで、±10%以上
の誤差を含む電圧変動を示した理由である。
の形態で説明したように、上述構造の抵抗器を製造する
際には、抵抗体と接続電極の厚さの比を1/10以上と
すると精度良く電圧を測定できる抵抗器を製造すること
ができる。
用いて電圧を測定する場合には、電圧測定用のワイヤを
接続する位置をボンディング電極の中心部より外側、す
なわち電極の電流の向きに沿う長さの1/2よりも外側
に電圧測定用のワイヤを接続して使用することにより、
さらに精度良く電圧を測定できる。
用いて電圧を測定する場合には、電圧測定用のワイヤを
抵抗体に接続する位置を、図7に示す542および54
3の位置(すなわち、抵抗体の両端部に電極521、5
22が配置された第1面に対向する抵抗体の第二の面で
かつ電極の電流の向きに沿う長さの1/2よりも外側の
位置)に、電圧測定用のワイヤを接続して使用すること
により、さらに精度良く電圧を測定できる。
よび第2の実施の形態では、抵抗器およびその抵抗器を
用いた使用方法について説明した。しかしながら、上記
抵抗器を電圧測定用部品として使用する場合には、ユー
ザは、例えば、第1の実施の形態および第2の実施の形
態で説明したように、上記の抵抗器を電圧測定用のワイ
ヤを用いて接続する必要があり、ユーザにとっては、こ
の電圧測定用のワイヤの接続が手間となる場合がある。
ワイヤ接続が億劫な場合には、例えば、上記説明した抵
抗器を予め専用基板の最適な位置に電圧測定用ワイヤを
用いて接続し、電圧測定用の電子部品としてモジュール
化したものをユーザに提供することも可能である。
イヤボンディングなどの作業の手間を省くことができる
ため、さらに容易に電圧測定を実施可能である。
施の形態および第4の実施の形態では、第1の実施の形
態および第2の実施の形態で説明した抵抗器を用いて作
製した電圧測定用の電子部品およびそれらの使用方法に
ついて詳細に説明する。
て、その構造および特性を以下に説明する。
電流検出用の電子部品200の構造を示す。電子部品2
00は、抵抗器100を専用基板180上に搭載してモ
ジュール化したものであり、ユーザによる抵抗器100
を用いる電流検出をより容易に実行できるように考案さ
れたものである。
122よりも高い比抵抗を有する絶縁体183上に、銅
材料などからなる複数の配線用パターン161、16
2、171、172が形成されている。また、抵抗器1
00の電極121、122は、それぞれの対向する位置
にある各配線パターン161、162に直接載置され、
またボンディング電極141と142は、電圧測定用の
ワイヤ181、182を介して基板180の各配線パタ
ーン171、172と接続されている。
におけるワイヤ181、182の接続位置は、各ボンデ
ィング電極141と142の横幅に対して図13に示す
ように1/2より外側の位置、すなわち電流の向きに沿
う電極長さの1/2より外側であるワイヤ接続に適した
位置143と144に形成されている。
用いることにより抵抗器100に電圧測定用のワイヤ1
81、182をボンディング接続する手間を省くことが
できる。また電子部品200は、小型でスペースをとら
ない構造となっているため、ユーザは、この電子部品2
00を、例えば図1に示す基板150の任意の位置に取
り付けることも可能である。また図13において、抵抗
値100のすべてとワイヤ181、182のすべてと配
線パターン161、162、171、172の各一部と
をモールド樹脂成形してもよい。
の電子部品について、その構造および特性を以下に説明
する。図14に、電流検出用の電子部品600の構造を
示す。電子部品600は、図7に示す抵抗器500を専
用基板580上に搭載してモジュール化したものであ
り、ユーザによる抵抗器500を用いる電流検出をより
容易に実行できるように考案されたものである。
522よりも高い比抵抗を有する絶縁体583上に、銅
材料などからなる複数の配線用パターン561、56
2、571、572が形成されている。また、抵抗器5
00の電極521、522は、それぞれの対向する位置
にある各配線パターン561、562と直接接続されて
おり、さらに抵抗体の542と543の位置において、
電圧測定用のワイヤ581、582を介して基板580
の各配線パターン571、572と接続されている。
を接続する542と543の位置は、抵抗体の両端部に
電極521、522が配置された第1面に対向する抵抗
体の第二の面でかつ電極の電流の向きに沿う長さの1/
2よりも外側の位置であり、この542と543の位置
で電圧測定用のワイヤ581、582を接続することに
より、さらに精度良く電圧を測定できる。
用いることにより、抵抗器500に電圧測定用のワイヤ
をボンディング接続する手間を省くことができる。また
電子部品600は小型でスペースをとらない構造となっ
ているため、ユーザは、この電子部品600を例えば、
図7に示す基板550の任意の位置に取り付けることも
可能である。
てとワイヤ581、582のすべてと配線パターン56
1、562、571、572の各一部とをモールド樹脂
成形または他の方法にてモジュール化、集積化してもよ
い。
測定に適した抵抗器およびその使用方法を提供すること
ができる。
に適した抵抗器を用いる電子部品およびその使用方法を
提供することができる。
造図である。
よびワイヤ接続位置を示した図である。
ヤ接続位置および接合電極厚さ/抵抗体の厚さによる電
圧変動値を比較した図である。
ぼす影響を説明した図である。
ぼす影響を説明した図である。
造図である。
である。
/抵抗体の厚さによる電圧変動値を比較した図である。
及ぼす影響を説明した図である。
及ぼす影響を説明した図である。
子部品の概略構造図である。
子部品の概略構造図である。
Claims (28)
- 【請求項1】略板状の抵抗用合金からなる抵抗体と、 高導電率の金属からなる少なくとも二つの第一の電極
と、 金属からなる少なくとも二つの第二の電極とを有し、 前記第一の電極は、前記抵抗体の第一の面かつ前記抵抗
体の両端部に、前記第二の電極は、前記第一の面に対向
する第二の面かつ前記抵抗体の両端部に、前記第一およ
び第二の電極が前記抵抗体を挟むように配置され、前記
第一の電極の厚さは、前記抵抗体の厚さの1/10より
大きいことを特徴とする抵抗器。 - 【請求項2】前記第一の電極の表面には溶融はんだ材ま
たは鉛フリー溶融はんだ材が被覆されていることを特徴
とする請求項1に記載の抵抗器。 - 【請求項3】前記抵抗体には、電圧測定用のワイヤを接
続すべき位置が形成されていることを特徴とする請求項
1または請求項2に記載の抵抗器。 - 【請求項4】前記第一の電極に用いる電極材料の比抵抗
が、前記抵抗体に用いる抵抗体材料の比抵抗に対して1
/150より大きく1/2より小さいことを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の抵抗器。 - 【請求項5】前記抵抗体材料は、Fe−Cr系合金、C
u−Ni系合金、Ni−Cr系合金、6元系合金、7元
系合金、8元系合金、9元系合金、Pd−Pt系合金、
Au−Ag合金、Au−Pt−Ag合金から選ばれるこ
とを特徴とする請求項4に記載の抵抗器。 - 【請求項6】前記抵抗体は、その厚みを研磨加工、レー
ザ加工、サンドブラスト加工またはエッチング加工のい
ずれかの加工により所定の抵抗値を有するように調整さ
れていることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載
の抵抗器。 - 【請求項7】高導電率の金属によりなる互いに分離した
少なくとも2つの電極と、 前記電極に電気的かつ機械的に結合された略板状の抵抗
用合金からなる抵抗体とを有し、 前記電極の厚みは、前記抵抗体の厚さの1/10より大
きいことを特徴とする抵抗器。 - 【請求項8】前記電極の表面には溶融はんだ材または鉛
フリー溶融はんだ材が被覆されていることを特徴とする
請求項7に記載の抵抗器。 - 【請求項9】前記抵抗体には、電圧測定用のワイヤを接
続すべき位置が形成されていることを特徴とする請求項
7または請求項8に記載の抵抗器。 - 【請求項10】前記電極に用いる電極材料の比抵抗が、
前記抵抗体に用いる抵抗体材料の比抵抗に対して1/1
50より大きく、1/2より小さいことを特徴とする請
求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の抵抗器。 - 【請求項11】前記抵抗体材料は、Fe−Cr系合金、
Cu−Ni系合金、Ni−Cr系合金、6元系合金、7
元系合金、8元系合金、9元系合金、Pd−Pt系合
金、Au−Ag合金、Au−Pt−Ag合金から選ばれ
ることを特徴とする請求項10に記載の抵抗器。 - 【請求項12】前記抵抗体は、その厚みを研磨加工、レ
ーザ加工、サンドブラスト加工またはエッチング加工の
いずれかの加工により所定の抵抗値を有するように調整
されていることを特徴とする請求項7乃至請求項11に
記載の抵抗器。 - 【請求項13】請求項1乃至請求項6に記載の抵抗器の
使用方法であって、 前記第二の電極上でかつ前記第二の電極の電流の向きに
沿う長さの1/2よりも外側に電圧測定用のワイヤを接
続して使用することを特徴とする抵抗器の使用方法。 - 【請求項14】請求項7乃至請求項12に記載の抵抗器
の使用方法であって、 前記電極が前記抵抗体の第一の面でかつ前記抵抗体の両
端部に配置され、前記抵抗体の第一の面に対向する第二
の面でかつ前記電極の電流の向きに沿う長さの1/2よ
りも外側に電圧測定用のワイヤを接続して使用すること
を特徴とする抵抗器の使用方法。 - 【請求項15】略板状の抵抗体用合金からなる抵抗体で
あって、前記抵抗体の第一の面および両端部近傍に少な
くとも二つの第一の電極、並びに前記第一の面に対向す
る第二の面および両端部近傍に少なくとも二つの第二の
電極を有する前記抵抗体と、 前記抵抗体の前記第二の電極に接続される少なくとも二
つの第一の基板電極、および前記抵抗体の前記第一の電
極に金属ワイヤを介して接続される少なくとも二つの第
二の基板電極を有する絶縁基板とを有し、 前記抵抗体の前記第二の電極は、高導電率の金属により
前記抵抗体の厚さの1/10以上に形成されていること
を特徴とする電子部品。 - 【請求項16】前記第一の電極の表面には溶融はんだ材
または鉛フリー溶融はんだ材が被覆され、前記溶融はん
だ材または鉛フリー溶融はんだ材を介して前記第一の電
極が前記絶縁基板と接続されていることを特徴とする請
求項15に記載の電子部品。 - 【請求項17】前記第一の電極と前記金属ワイヤとは、
前記抵抗体を流れる電流の向きに沿う、前記第一の電極
の長さの1/2より外側で接続されていることを特徴と
する請求項15または請求項16に記載の電子部品。 - 【請求項18】前記第一の電極に用いる電極材料の比抵
抗が、前記抵抗体に用いる抵抗体材料の比抵抗に対して
1/150より大きく1/2より小さいことを特徴とす
る請求項15乃至請求項17のいずれか1項に記載の電
子部品。 - 【請求項19】前記抵抗体材料は、Fe−Cr系合金、
Cu−Ni系合金、Ni−Cr系合金、6元系合金、7
元系合金、8元系合金、9元系合金、Pd−Pt系合
金、Au−Ag合金、Au−Pt−Ag合金から選ばれ
ることを特徴とする請求項18に記載の電子部品。 - 【請求項20】前記抵抗体は、その厚みを研磨加工、レ
ーザ加工、サンドブラスト加工またはエッチング加工の
いずれかの加工により所定の抵抗値を有するように調整
されていることを特徴とする請求項15乃至請求項19
に記載の電子部品。 - 【請求項21】略板状の抵抗体用合金からなる抵抗体で
あって、前記抵抗体の第一の面および両端部近傍に少な
くとも二つの電極を有する前記抵抗体と、 前記抵抗体の前記電極に接続される少なくとも二つの第
一の基板電極、および、前記抵抗体の前記第一の面に対
向する第二の面かつ両端部近傍に金属ワイヤを介して接
続される少なくとも二つの第二の基板電極を有する絶縁
基板とを有し、 前記抵抗体の前記電極は、高導電率の金属により前記抵
抗体の厚さの1/10以上に形成されていることを特徴
とする電子部品。 - 【請求項22】前記抵抗体と前記金属ワイヤとは、前記
抵抗体を流れる電流の向きに沿う、前記電極の長さの1
/2より外側で接続されていることを特徴とする請求項
21に記載された電子部品。 - 【請求項23】前記電極の表面には溶融はんだ材または
鉛フリー溶融はんだ材が被覆され、前記溶融はんだ材ま
たは鉛フリー溶融はんだ材を介して前記電極が前記絶縁
基板と接続されていることを特徴とする請求項21に記
載の電子部品。 - 【請求項24】前記抵抗体の電極に用いる材料の比抵抗
は、前記抵抗体用合金の比抵抗の1/150から1/2
の範囲であることを特徴とする請求項21乃至請求項2
3のいずれか1項に記載の電子部品。 - 【請求項25】前記抵抗体用合金は、Fe−Cr系合
金、Cu−Ni系合金、Ni−Cr系合金、6元系合
金、7元系合金、8元系合金、9元系合金、Pd−Pt
系合金、Au−Ag合金、Au−Pt−Ag合金から選
ばれることを特徴とする請求項21に記載の電子部品。 - 【請求項26】前記抵抗体は、その厚みを研磨加工、レ
ーザ加工、サンドブラスト加工またはエッチング加工の
いずれかの加工により所定の抵抗値を有するように調整
されていることを特徴とする請求項21乃至請求項25
に記載の電子部品。 - 【請求項27】請求項15から請求項20の何れかに記
載された電子部品の使用方法であって、 前記少なくとも二つの第一の基板電極を介して流れる電
流の測定に、前記少なくとも二つの第二の基板電極が利
用されることを特徴とする使用方法。 - 【請求項28】請求項21から請求項26の何れかに記
載された電子部品の使用方法であって、 前記少なくとも二つの第一の基板電極を介して流れる電
流の測定に、前記少なくとも二つの第二の基板電極が利
用されることを特徴とする使用方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10438729B2 (en) | 2017-11-10 | 2019-10-08 | Vishay Dale Electronics, Llc | Resistor with upper surface heat dissipation |
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2001
- 2001-03-07 JP JP2001063955A patent/JP3670593B2/ja not_active Expired - Lifetime
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