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JP2002201408A - 水性塗料用樹脂、その製造方法、及び水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料用樹脂、その製造方法、及び水性塗料組成物

Info

Publication number
JP2002201408A
JP2002201408A JP2000401855A JP2000401855A JP2002201408A JP 2002201408 A JP2002201408 A JP 2002201408A JP 2000401855 A JP2000401855 A JP 2000401855A JP 2000401855 A JP2000401855 A JP 2000401855A JP 2002201408 A JP2002201408 A JP 2002201408A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
group
component
formula
independently
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000401855A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisaichi Muramoto
壽市 村本
Tsuyoshi Inoue
強 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP2000401855A priority Critical patent/JP2002201408A/ja
Publication of JP2002201408A publication Critical patent/JP2002201408A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 多価フェノール化合物による充分な防食効果
を水性塗料、とりわけカチオン電着塗料において発現さ
せる。 【解決手段】 A)数平均分子量300〜2,000の
ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;B)一分子中に
フェノール性水酸基を2個含むフェノール化合物;C)
第2級モノアミン化合物;及びD)一般式I又はIIの
多価フェノール樹脂;を反応させて得られる数平均分子
量1,000〜10,000の水性塗料用樹脂およびそ
の製造方法。 [R〜Rは独立してH又はメチル基、R〜R
独立してH、ハロゲン、C1〜C8のアルキル基もしく
はアルコキシ基、K及びLは樹脂末端の残基、m及びn
は3〜10の整数である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、用途として塗料産
業、なかでも自動車及び一般工業用塗装分野において、
特にカチオン電着塗膜の防食性向上にとって有効な水性
塗料用樹脂に関するものであり、さらに詳細には、環境
負荷低減を目的とした実質的に鉛顔料を配合しない(鉛
フリー)電着塗膜を形成する上において、主に防食に関
して重要な役割を果たす水性塗料用樹脂及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料分野とくに自動車電着塗装分
野あるいはプレハブ建築鉄骨材等用途の工業用電着塗装
分野において、廃棄塗膜のシュレッダーダスト等に見ら
れる鉛公害の課題を解決するため、電着塗料における実
質的な鉛成分の排除(鉛フリー化)が強く求められてい
る。すなわち、例えば自動車の電着塗装に対して、鉛含
有顔料を排除し、しかも従来の鉛成分を含有する塗膜と
同等の防食性を保持することのできる塗料組成物の開発
が進められている。
【0003】上記のような電着塗料の鉛フリー化傾向に
対応するためは、鉛化合物に代替する新たな防食剤を開
発すると共に、塗膜を形成する上で主要な要素である樹
脂バインダーの防食性改良を進める必要がある。
【0004】例えば特開平5−306327号公報には
電着塗料用水性樹脂が開示されている。この発明には分
子鎖中にオキサゾリドン環を含有させたアミン変性ジグ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂が示されており、該樹
脂から成るカチオン型電着塗料が開示されている。この
樹脂から形成された塗膜は、従来の水性樹脂よりも防食
性良好な性能を有するものであるとされている。
【0005】また、特許2829814号公報では、特
定のソフトセグメントを分子鎖中に有する電着用変性樹
脂が開示されている。この発明は、樹脂の硬化性を損な
うことなく、可とう性を塗膜に付与し、耐食性と共に耐
衝撃性などの物性を向上させることが可能であるとされ
ている。
【0006】このような従来技術に見られる樹脂の変性
方法は、樹脂分子骨格部分に各々極性あるいは柔軟性を
有するセグメントを付与する上で確かに重要であるが、
さらに塗膜による防錆性を飛躍的に向上させるには、鉄
板等の基材に対する樹脂バインダーの付着性を改良する
ための新たな工夫が必要である。
【0007】かかる樹脂の付着性を改良し、鉄板等の基
材の防食性を大幅に改良する手段として、ポリビニルフ
ェノール、フェノールノボラック樹脂あるいはクレゾー
ルノボラック樹脂に代表される多価フェノール化合物の
利用が近年において注目されている。従って、上記鉛フ
リー電着塗料において、もし多価フェノール化合物を有
効に利用できれば、従来技術では成しえない優れた防食
性の発現が期待できる。
【0008】例えば、特許第2549160号公報及び
特許第2648488号公報には、基材の表面処理技術
として、ポリビニルフェノールあるいはフェノールノボ
ラック樹脂等の多価フェノールをマンニッヒ反応によっ
てカチオン変性した組成物は、金属表面処理剤として有
用であることが開示されている。
【0009】ただし、これらの発明において変性される
組成物は、該当する樹脂骨格が過度に剛直であるため、
電着塗料等の用途には適性を欠き、水性媒体中における
エマルションの分散安定性が充分でない。
【0010】また、特開平4−233978号公報に
は、リン酸エステル化エポキシ樹脂とアミノプラスト樹
脂の組み合わせに対して、さらにフェノール樹脂を配合
してなるアニオン性電着組成物が、防食性に優れること
が開示されている。
【0011】しかしながら、この開示においては、単に
疎水性のフェノール樹脂を親水性のリン酸エステル化エ
ポキシ樹脂にブレンド配合したものであるから、エマル
ションの分散安定性が充分でなく、また基材に対する樹
脂吸着量が低いことから防食性の改良レベルは不充分で
ある。
【0012】上記欠点に関しては、多価フェノールを従
来からのアミン変性エポキシ樹脂骨格中に反応によって
組み込むことで改良が試みられた。
【0013】その事例として、米国特許第5,416,
137号公報の発明では、少なくとも3官能を有するフ
ェノール化合物として少量の1,2,3−及び1,3,
5−トリヒドロキシベンゼン、あるいは1,2,4,5
−テトラヒドロキシベンゼンを、2官能性フェノールと
共にジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と反応させた
後にアミン化変性を施した樹脂が開示されている。ま
た、特開平5−222157号公報及び特開平5−29
5321号公報の発明において、1分子中にエポキシ基
を少なくとも2個有する特定の構造の脂環式エポキシ樹
脂あるいはフェノールノボラック型ポリグリシジルエー
テル樹脂に対して、1分子中にフェノール性水酸基を少
なくとも1個有するフェノール化合物を反応させた後に
アミン変性を施した樹脂が開示されている。
【0014】しかしながら、以上の発明において、例え
ば2官能性エポキシ化合物と、少なくとも3官能を有す
る多価フェノール化合物とを実際に反応させる場合、反
応系の著しい粘度上昇やゲル化が懸念されるなど反応制
御が困難であり、それを回避するためには多価フェノー
ル化合物の配合量を著しく制限するか、あるいは系のゲ
ル化点に至る前に反応を停止しなければならない等製造
方法として困難な点が指摘される。
【0015】そのため、上記米国特許第5,416,1
37号公報の発明においては、多価フェノールの配合量
は少量に限定されている。
【0016】また、上記特開平5−222157号公報
及び特開平5−295321号公報の発明においては、
多官能エポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂あるい
はクレゾールノボラック樹脂等の多価フェノール化合物
を実際に反応させる例示は無く、反応系のゲル化を防止
するために平均的に1官能に制御されたフェノール化合
物との反応例に限定されている。
【0017】上述のごとく従来技術ではアミン変性エポ
キシ樹脂のポリビニルフェノール、フェノールノボラッ
ク樹脂あるいはクレゾールノボラック樹脂等の多価フェ
ノール化合物による変性手段、方法が乏しいことから、
多価フェノール化合物による充分な防食効果を水性塗
料、とりわけカチオン電着塗料において発現させること
は困難であった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のように従来技術では未達成であったアミン変性エポキ
シ樹脂のポリビニルフェノール、フェノールノボラック
樹脂あるいはクレゾールノボラック樹脂等の多価フェノ
ール化合物による有効な変性手段を提示し、多価フェノ
ール化合物による充分な防食効果を水性塗料、とりわけ
カチオン電着塗料において発現させることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明では、(A)数平
均分子量300〜2,000のジグリシジルエーテル型
エポキシ樹脂;(B)一分子中にフェノール性水酸基を
2個含むフェノール化合物;(C)第2級モノアミン化
合物;及び(D)式(I)又は(II)
【0020】
【化7】
【0021】[式中、R1〜R3は独立して水素原子又は
メチル基であり、 R4〜R7は独立して水素原子、ハロ
ゲン原子、炭素数1から8までのアルキル基もしくはア
ルコキシ基であり、K及びLは樹脂末端の残基であり、
m及びnは独立して3〜10の整数である。]で表され
る多価フェノール樹脂;を反応させて得られる、数平均
分子量1,000〜10,000の水性塗料用樹脂を提
供するものであり、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の水性塗料用樹脂は基本的
に、以下に説明する成分(A)〜(D)を配合し反応せ
しめることによって製造されるものである。この樹脂
は、必要に応じて、成分(A)〜(D)に加えて成分
(E)を配合し反応せしめるものであってもよい。成分
の配合及び反応の方法は当業者が通常用いる方法で行な
えばよい。
【0023】成分(A)は一分子中にエポキシ基を2個
含むエポキシ化合物である。このエポキシ化合物は、本
発明の樹脂の基本骨格をなす構成要素の一つであり、樹
脂組成物からなる水性塗料塗膜の防食性を左右する。
【0024】成分(A)は、数平均分子量300〜2,
000の範囲におけるジグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂であることが望ましい。このエポキシ樹脂の分子量
が300を下回ると反応中間体であるアミン変性エポキ
シ樹脂、ひいては最終生成物である本発明の水性塗料用
樹脂の分子量が過度に低くなる結果、バインダー樹脂か
ら硬化形成される塗膜の強度等の機械的物性が低下す
る。分子量が2,000を上回ると、同中間体、ひいて
は最終生成物である本発明の水性塗料用樹脂の分子量が
過度に高くなる結果、バインダー樹脂の熱フロー時にお
ける高粘度のために硬化形成される塗膜の肌(外観)不
良を招く。
【0025】成分(A)の例としては、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル−2,2−プロパン(ビスフェノー
ルA)ジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テ
トラメチル− 4,4’−ジヒドロキシジフェニル−
2,2−プロパンジグリシジルエーテル、3,3’,
5,5’−テトラクロロ− 4,4’−ジヒドロキシジ
フェニル−2,2−プロパンジグリシジルエーテル、
3,3’,5,5’−テトラメトキシ− 4,4’−ジ
ヒドロキシジフェニル−2,2−プロパンジグリシジル
エーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2
−メタン(ビスフェノールF)ジグリシジルエーテル、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノ
ールS)ジグリシジルエーテル、及びそれら該当のジグ
リシジルエーテルと4,4’−ジヒドロキシジフェニル
−2,2−プロパン(ビスフェノールA)、4,4’−
ジヒドロキシジフェニル−2,2−メタン(ビスフェノ
ールF)あるいはビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン(ビスフェノールS)との付加重合体、レゾルシン
ジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエー
テル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、
(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グ
リセロールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエン
−α、ω−ジグリシジルエーテル(R−45EPT ナ
ガセ化成工業社製)等が挙げられる。
【0026】成分(B)は一分子中にフェノール性水酸
基を2個含むフェノール化合物である。このフェノール
化合物は成分(A)であるエポキシ化合物と相互に連結
反応することで、本発明の樹脂の基本骨格となる線状高
分子を形成するために必要な構成要素である。
【0027】成分(B)の例としては、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル−2,2−プロパン(ビスフェノー
ルA)、4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−
メタン(ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホン(ビスフェノールS)あるいは1,3
−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシン)等が挙げられ
る。
【0028】成分(C)は第2級モノアミン化合物であ
る。この第2級モノアミン化合物は、主に成分(A)中
に存在するエポキシ基の一部と付加反応し、本発明の樹
脂に第3級アミノ基を導入するものである。第3級アミ
ノ基は、たとえば、有機又は無機酸と中和することによ
って親水性基を成し、樹脂を水中に分散させるために必
要な構成要素である。
【0029】この際に成分(C)は一分子中に少なくと
も1個の1級水酸基を有する、少なくとも1種類の第2
級アミン(C1)を含んでいることが好ましい。これは
本発明の水性樹脂が水性塗料塗膜を形成する場合、例え
ば、塗料組成物中に別途存在するブロックイソシアネー
トに代表される架橋剤と相互に架橋反応する樹脂構成要
素となるからである。
【0030】次に成分(C)である第2級モノアミン化
合物の例を挙げる。まず、成分(C1)である一分子中
に少なくとも1個の1級水酸基を有する第2級アミンの
例としては、2−(メチルアミノ)エタノール、2−
(エチルアミノ)エタノール、4−(メチルアミノ)ブ
タノール、4−(エチルアミノ)ブタノール、ジエタノ
ールアミン、ジブタノールアミン等を挙げることができ
る。
【0031】成分(C)はC1成分の他に、一分子中に
炭素数2〜18の範囲のアルキル基を有するジアルキル
アミン(C2)を含んでいてもよい。成分(C2)の例
としては、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチ
ルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルア
ミン、メチルブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメ
チルプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジヘ
キシルアミン、ジn−オクチルアミン、ジ2−エチルヘ
キシルアミン、N−メチルヘキシルアミン、N−メチル
ラウリルアミン、N−エチル−イソ−アミルアミン、ジ
ステアリルアミン等を挙げることができる。
【0032】それ以外の第2級モノアミンとしては、ジ
フェニルアミン、ジベンジルアミンあるいはアミノエチ
ルエタノールアミンメチルイソブチルケチミンの様なケ
チミンブロック1級アミノ基含有2級アミンも必用に応
じて使用することができる。
【0033】また、これら成分(C)とは別にトリエチ
ルアミン酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩
などの第3級アミン酸塩の所定量を反応させ、樹脂骨格
に第4級アンモニウム塩基を必要に応じて一部導入して
もかまわない。
【0034】成分(D)は、上記化学式(I)又は(I
I)で表される多価フェノール樹脂である。式(I)又
は(II)中、K及びLは樹脂末端の残基であり、通常は
水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、
置換基を有していても良いクロマン基、又は炭素数1〜
8のアルキル基やハロゲン原子が芳香核に置換していて
も良いフェノール基もしくはクレゾール基等である。こ
の多価フェノール樹脂中のフェノール性水酸基の一部
が、主に成分(A)中に残存するエポキシ基の一部と付
加反応することで、本発明の樹脂分子骨格に対してグラ
フト導入される構成要素である。
【0035】この多価フェノール樹脂は、本発明の樹脂
に対して、例えば電着塗料を成した際に、形成される塗
装塗膜の防食性を著しく向上させる上で、極めて重要な
構成要素である。多価フェノール樹脂の数平均分子量と
しては、300〜1,500程度が好ましい。この分子
量が300を下回ると反応中間体であるアミン変性エポ
キシ樹脂、ひいては最終生成物である本発明の水性塗料
用樹脂の分子量が過度に低くなる結果、バインダー樹脂
から硬化形成される塗膜の強度等の機械的物性が低下す
る。分子量が1,500を上回ると、同中間体、ひいて
は最終生成物である本発明の水性塗料用樹脂の分子量が
過度に高くなる結果、バインダー樹脂の熱フロー時にお
ける高粘度のために硬化形成される塗膜の肌(外観)不
良を招く。
【0036】成分(D)の例としては、ポリ4−ヒドロ
キシスチレン、4−ヒドロキシスチレンと他のビニルモ
ノマーとのブロック共重合体、ポリα―メチル−4−ヒ
ドロキシスチレンあるいはα―メチル−4−ヒドロキシ
スチレンと他のビニルモノマーとのブロック共重合体等
のポリビニルフェノール化合物あるいは、ポリα―メチ
ルビニルフェノール化合物(ただし、上記樹脂分子の末
端に2,2,4−トリメチル−4−(4−ヒドロキシフ
ェニル)クロマン、2,2,4−トリメチル−2−(4
−ヒドロキシフェニル)クロマンあるいは2,2,4−
トリメチル−4−(4−ヒドロキシフェニル)−6−
(α,α―ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)クロマ
ン等のクロマン構造を含んでいても良い)、フェノール
ノボラック、クレゾールノボラック、t−ブチル置換フ
ェノールノボラック、n−オクチル置換フェノールノボ
ラック、t−ブチル置換フェノール/n−オクチル置換
フェノールノボラック、t−ブトキシ置換フェノールノ
ボラック、ハロゲン原子(クロル又はブロム)置換フェ
ノールノボラックあるいはポリイソプロピリデンフェノ
ール等が挙げられる。
【0037】成分(E)はモノカルボン酸、モノフェノ
ール又はモノチオールである。これらは主に成分(A)
中に残存するエポキシ基の一部と付加反応し、本発明の
樹脂にアルキル基を導入するための構成要素である。
【0038】本発明の樹脂を水性媒体中に分散する場合
に、成分(E)の分子中の該当するアルキル基に基づく
疎水性を付与し、成分(C)によって導入される3級ア
ミノ基に基づく親水性とバランス化させることによっ
て、適度な乳化分散性を樹脂分子に付与するために有効
である。
【0039】従って、成分(E)であるモノカルボン
酸、モノフェノール又はモノチオールは適当な大きさの
アルキル基を有することが好ましい。アルキル基の大き
さは炭素数4〜18程度が好ましい。
【0040】成分(E)の例としては、n−ブタン酸、
n−ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、n−オクチル
酸、2−エチル3−メチル5,5’−ジメチルヘキサン
酸、ヤシ油、ダイズ油あるいはアマニ油等の植物性脂肪
酸、ノニルフェノール、t−ドデシルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン
等が挙げられる。
【0041】本発明の水性塗料用樹脂を製造しようとす
る際に、例えば成分(A)における2官能性エポキシ化
合物と、成分(D)における少なくとも3官能を有する
多価フェノール化合物とをそのまま反応させると、実際
には反応系の著しい粘度上昇やゲル化が懸念されるなど
反応制御が困難である。
【0042】従って、それを回避するために、本発明で
は上記の製法上の課題を解決するための新規な製造上の
手段を提供している。次に本発明の樹脂にの製造方法に
ついて具体的に説明する。
【0043】成分(A)〜(D)を樹脂構成要素として
反応させる場合においては、まず、成分(A)と成分
(B)とを、式
【0044】
【数6】(a)/(b)=1.5〜2.5
【0045】[式中、(a)は成分(A)中のエポキシ
基のモル数であり、(b)は成分(B)中のフェノール
性水酸基のモル数である。]を満足する量で、配合して
反応せしめる。次いで、成分(C)を、式
【0046】
【数7】{(a)−(b)}/(c)=1.1〜3
【0047】[式中、(a)及び(b)は上記と同意義
であり、(c)は成分(C)中の第2級アミノ基のモル
数である。]を満足する量で配合して反応せしめる。最
後に、成分(D)を全樹脂成分の3〜30重量%の量で
配合して反応せしめる。
【0048】ここで、成分(A)中のエポキシ基のモル
数(a)と成分(B)中のフェノール性水酸基のモル数
(b)との比率(a)/(b)が1.5未満の場合は、
樹脂骨格全体のバランスが疎水性に偏るために、塗料化
の際に水性樹脂エマルションを調製し難くなる。
【0049】逆に同比率が2.5を超える場合は、樹脂
骨格全体のバランスが、親水性に偏るために塗膜性能と
して耐水性が低下し、耐食性が不充分になる。
【0050】また成分(C)中の2級アミノ基のモル数
(c)の反応量が少量で、上記関係式{(a)−
(b)}/(c)において3を超える場合は、残存する
エポキシ基が過多となる結果、次の工程として多価フェ
ノール化合物を反応させた場合、系の粘度が上昇、ゲル
化に至る。
【0051】逆に成分(C)の反応量が多量で、同関係
式において、1.1未満の場合は、残存するエポキシ基
が不足する結果、次の工程として多価フェノール化合物
との反応が充分でなく、本発明の効果を発揮できない。
【0052】成分(D)の配合量が、全樹脂成分の3重
量%を下回る場合は、成分(D)のグラフト導入に基づ
く発明の効果、すなわち防食性の向上が認められない。
【0053】また30重量%を超える場合は、成分
(D)導入量の過多により反応系の粘度が高くなり、か
つ樹脂分子が疎水性に偏るために塗料化の際に水性樹脂
エマルションを調製し難くなる。成分(D)の好ましい
配合量は、全樹脂成分の5〜20重量%である。
【0054】成分(A)〜(E)を樹脂構成要素として
反応させる場合においては、まず、成分(A)と成分
(B)とを、式
【0055】
【数8】(a)/(b)=1.5〜2.5
【0056】[式中、(a)は成分(A)中のエポキシ
基のモル数であり、(b)は成分(B)中のフェノール
性水酸基のモル数である。]を満足する量で、配合して
反応せしめる。次いで、成分(E)を、式
【0057】
【数9】(e)/(c)=0.1〜1、及び {(a)−(b)}/{(c)+(e)}=1.1〜3
【0058】[式中、(a)及び(b)は上記と同意義
であり、(c)は成分(C)中の第2級アミノ基のモル
数であり、(e)は成分(E)中のカルボキシル基、フ
ェノール性水酸基又はチオール基のモル数である。]を
満足する量で配合して反応せしめる。更に、成分(C)
を上記関係式を満足する量で配合して反応せしめるる。
最後に、成分(D)を全樹脂成分の3〜30重量%の量
で配合して反応せしめる。
【0059】ここで、成分(E)中のカルボキシル基、
フェノール性水酸基あるいはチオール基のモル数(e)
と成分(C)中の2級アミノ基のモル数(c)との比率
(e)/(c)が0.1未満の場合は、成分(E)のア
ルキル基導入に基づく分子の親水・疎水バランス(HL
B)効果が充分発現されない。
【0060】逆に同比率が、1を超える場合は、樹脂骨
格全体のバランスが疎水性に偏るために、塗料化の際に
水性樹脂エマルションを調製し難くなる。
【0061】また、成分(C)中の2級アミノ基のモル
数(c)及び成分(E)中のカルボキシル基、フェノー
ル性水酸基あるいはチオール基のモル数(e)の合計量
が多量で、上記関係式{(a)−(b)}/{(c)+
(e)}において、1.1未満の場合は、残存するエポ
キシ基が不足する結果、次の工程として多価フェノール
化合物との反応が充分でなく、本発明の効果を発揮でき
ない。
【0062】逆に成分(C)及び成分(E)の合計量が
少量で、同関係式において、3を超える場合は、残存す
るエポキシ基が過多となる結果、次の工程として多価フ
ェノール化合物を反応させた場合、系の粘度が上昇、ゲ
ル化に至る。
【0063】また、成分(A)〜(E)を樹脂構成要素
として反応させる他の場合においては、まず、成分
(A)と成分(B)と成分(E)とを、式
【0064】
【数10】(a)/(b)=1.5〜2.5、 (e)/(c)=0.1〜1、及び {(a)−(b)}/{(c)+(e)}=1.1〜3
【0065】[式中、(a)は成分(A)中のエポキシ
基のモル数であり、(b)は成分(B)中のフェノール
性水酸基のモル数であり、(c)は成分(C)中の第2
級アミノ基のモル数であり、(e)は成分(E)中のカ
ルボキシル基、フェノール性水酸基又はチオール基のモ
ル数である。]を満足する量で、配合して反応せしめ
る。次いで、成分(C)を上記関係式を満足する量で配
合して反応せしめる。最後に成分(D)を全樹脂成分の
3〜30重量%の量で配合して反応せしめる。
【0066】また、工程短縮のため上記成分(A)〜
(E)よりなる製造工程のうち、成分(A)と成分
(B)の反応による第1工程と、それらの反応物に成分
(C)を反応させる第2工程とを合わせて同時に行って
もよい。
【0067】他の実施形態において、本発明の水性塗料
用樹脂は、以下に説明する成分(X)と上記成分(D)
とを配合し反応せしめることによって製造されるもので
ある。
【0068】成分(X)はアミン変性エポキシ樹脂であ
る。アミン変性エポキシ樹脂は、典型的には、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の一部をアミン化合
物で開環して製造される。また、成分(X)は、上記で
説明した成分(A)〜(C)もしくは成分(A)〜
(C)及び成分(E)を反応させて調製される反応中間
体であってもよい。
【0069】ビスフェノール型エポキシ樹脂の典型例は
ビスフェノールA型又はビスフェノールF型エポキシ樹
脂である。前者の市販品としてはエピコート828(油
化シェルエポキシ(株)、エポキシ当量180〜19
0)、エピコート1001(同、エポキシ当量450〜
500)、エピコート1010(同、エポキシ当量30
00〜4000)などがあり、後者の市販品としてはエ
ピコート807、(同、エポキシ当量170)などがあ
る。
【0070】アミン化合物の例としては、ブチルアミ
ン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミ
ン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエ
チルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン
酢酸塩、ジエチルジスルフィド・酢酸混合物などのほ
か、アミノエチルエタノールアミンのケチミン、ジエチ
レントリアミンのジケチミンなどの1級アミンをブロッ
クした2級アミンがある。アミン類は複数のものを併用
して用いてもよい。
【0071】アミン変性エポキシ樹脂は、例えば特開平
11−209663号公報記載の製造方法等に従って樹
脂中のエポキシ基の一部に対して3級スルホニウム塩、
4級アンモニウム塩あるいは4級リン酸塩等のカチオン
変性を行ったものでもよい。
【0072】このアミン変性エポキシ樹脂は、一分子中
に含まれるエポキシ基の数が1個以下、好ましくは0.
98以下、より好ましくは0.75以下である必要があ
る。一分子中のエポキシ基数が平均1個を上回ると、多
価フェノール樹脂(D)を反応させた場合、系の粘度が
上昇、ゲル化に至る。
【0073】また、アミン変性エポキシ樹脂(成分
(X))は数平均分子量が350〜4,000、好まし
くは500〜3,000、より好ましくは800〜2,
000である。数平均分子量が350を下回ると、最終
生成物である本発明の水性塗料用樹脂の分子量が過度に
低くなる結果、バインダー樹脂から硬化形成される塗膜
の強度等の機械的物性が低下する。数平均分子量が40
00を上回ると、最終生成物である本発明の水性塗料用
樹脂の分子量が過度に高くなる結果、バインダー樹脂の
熱フロー時における高粘度のために硬化形成される塗膜
の肌(外観)不良を招く。
【0074】この実施形態において、本発明の水性塗料
用樹脂を製造する場合は、まず、成分(X)を提供す
る。次いで、成分(D)を全樹脂成分の3〜30重量%
の量で配合して反応せしめればよい。
【0075】本発明の水性塗料用樹脂は、数平均分子量
が1,000〜10,000の範囲となるように調製す
ることが好ましい。数平均分子量が1000未満の場合
は、硬化形成塗膜の耐溶剤性及び耐食性等の物性が劣る
ことがある。反対に10,000を超える場合は、樹脂
溶液の粘度制御が難しく合成が困難なばかりか、得られ
た樹脂の乳化分散等の操作上ハンドリングが困難となる
ことがある。さらに高粘度であるがゆえに加熱・硬化時
のフロー性が悪く塗膜外観を著しく損ねる場合がある。
【0076】また樹脂のヒドロキシル価が50〜250
の範囲となるように分子設計することが好ましい。ヒド
ロキシル価が50未満では塗膜の硬化不良を招き、反対
に250を超えると硬化後塗膜中に過剰の水酸基が残存
する結果、耐水性が低下することがある。
【0077】本発明の水性塗料用樹脂は、そのままエマ
ルションとして水中に乳化分散させるか、あるいは各樹
脂中のアミノ基を中和できる量の酢酸、蟻酸、乳酸等の
有機酸で中和処理し、カチオン化エマルションとして水
中に乳化分散させることができる。
【0078】通常、水性塗料組成物は、水性媒体中に、
バインダー、顔料、溶剤及び耐食性付与剤等種々の添加
剤を含有する。バインダーは一般に官能基を有するカチ
オン性樹脂とこれを硬化させる硬化剤とを含む。
【0079】例えば、水性媒体中に、本発明の樹脂、硬
化剤、顔料、溶剤及び耐食性付与剤等種々の添加剤を配
合することにより、水性塗料組成物、特に、カチオン電
着塗料組成物を得ることができる。
【0080】硬化剤としては、加熱時に樹脂成分を硬化
させることが可能であれば、どのような種類のものでも
良いが、その中でも電着樹脂の硬化剤として好適なブロ
ックドポリイソシアネートが推奨される。
【0081】上記ブロックドポリイソシアネートの原料
であるポリイソシアネートの例としては、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(3量体を含む)、テトラメチレン
ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシ
ルイソシアネート)等の脂環族ポリイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の
芳香族ジイソシアネートが挙げられる。これらを適当な
封止剤でブロック化することにより、上記ブロックドポ
リイソシアネートを得ることができる。
【0082】上記封止剤の例としては、n−ブタノー
ル、n−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノー
ル、ラウリルアルコール、フェノールカルビノール、メ
チルフェニルカルビノール等の一価のアルキル(又は芳
香族)アルコール類、エチレングリコールモノヘキシル
エーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシル
エーテル等のセロソルブ類、フェノール、パラーt−ブ
チルフェノール、クレゾール等のフェノール類、ジメチ
ルケトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイ
ソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、シ
クロヘキサノンオキシム等のオキシム類、及びε−カプ
ロラクタム、γ−ブチロラクタムに代表されるラクタム
類が好ましく用いられる。とくにオキシム類及びラクタ
ム類の封止剤は低温で解離するため、低温硬化性の観点
から好適である。
【0083】上記ブロックドポリイソシアネートは封止
剤の単独あるいは複数種の使用によってあらかじめブロ
ック化しておくことが望まれる。ブロック化率について
は、あらかじめ樹脂組成物と反応させる目的がなけれ
ば、塗料の貯蔵安定性確保のためにも100%にしてお
くことが好ましい。
【0084】上記ブロックドポリイソシアネートの樹脂
組成物量に対する配合比は、硬化塗膜の利用目的などで
必要とされる架橋度に応じて異なるが、塗膜物性や上塗
り塗装適合性を考慮すると15〜40重量%の範囲が好
ましい。この配合比が15重量%未満では塗膜硬化不良
を招く結果、機械的強度などの塗膜物性が低くなること
があり、また、上塗り塗装時に塗料シンナーによって塗
膜が侵されるなど外観不良を招く場合がある。一方、4
0重量%を超えると、逆に硬化過剰となって、耐衝撃性
等の塗膜物性不良などを招くことがある。なお、ブロッ
クドポリイソシアネートは、塗膜物性や硬化度の調節等
の都合により、複数種を組み合わせて使用しても良い。
【0085】本発明の水性塗料組成物では必要により顔
料を配合することができる。顔料は通常塗料に使用され
るものならばとくに制限なく使用することができる。そ
の例としては、カーボンブラック、二酸化チタン、グラ
ファイト等の着色顔料、カオリン、珪酸アルミ(クレ
ー)、タルク等の体質顔料、リンモリブデン酸アルミ、
珪酸鉛、硫酸鉛、ジンククロメート、ストロンチウムク
ロメート等の防錆顔料が挙げられる。特に二酸化チタン
及びカーボンブラックは着色顔料として隠蔽性が高く、
しかも安価であることから、電着塗膜用に最適である。
なお、上記顔料は単独で使用することもできるが、目的
に合わせて複数使用するのが一般的である。
【0086】上記顔料は、別途調製されたカチオン性分
散樹脂によって、水性分散ペーストを形成した上で水性
塗料組成物中に配合される。
【0087】また上記顔料は複層硬化膜中において、全
顔料重量(P)に対する、複層硬化膜を形成する顔料以
外の全ビヒクル成分の重量(V)の比率P/Vで表わす
と1/10〜1/3の範囲であることが好ましい。ここ
で顔料以外の全ビヒクル成分とは、顔料以外の塗料を構
成する全固形成分(互いに不相溶な主樹脂成分、それぞ
れの硬化剤及び顔料分散樹脂等)を意味する。上記P/
Vが1/10未満では、顔料不足により塗膜に対する光
線及び水分などの腐食要因の遮断性が過度に低下し、実
用レベルでの耐候性や耐食性を発現できないことがあ
る。また、P/Vが1/3を超えると、顔料過多により
硬化時の粘性増大を招き、フロー性が低下して塗膜外観
が著しく悪くなることがある。なお、この比率は、本発
明で用いられる水性塗料組成物中における、全顔料重量
に対する全ビヒクル成分の重量と実質的に同じである。
【0088】本発明の水性塗料組成物は、上記樹脂成分
及び上記硬化剤を含むものであり、その調製は、樹脂成
分、及び硬化剤を一括して混合した後、中和剤を含む水
性媒体中で水性エマルション化する方法による。なお、
上記中和剤の例としては、塩酸、硝酸、リン酸等の無機
酸及び蟻酸、酢酸、乳酸、スルファミン酸、アセチルグ
リシン酸等の有機酸を挙げることができる。
【0089】さらに必要に応じて上記顔料の分散ペース
トを配合することによって調製される。
【0090】上記水性塗料組成物は、固形分濃度が15
〜25重量%の範囲となるように調整することが好まし
い。固形分濃度の調節には水性媒体(水単独か又は水と
親水性有機溶剤との混合物)を使用して行う。また、塗
料組成物中には少量の添加剤を導入しても良い。添加剤
の例としては紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、
塗膜表面平滑剤、硬化促進剤(有機スズ化合物など)な
どを挙げることができる。
【0091】本発明の水性塗料組成物を用いて電着塗膜
を得るためには、被塗物である導電性基材に陰極(カソ
ード極)端子を接続し、上記水性塗料組成物の浴温15
〜35℃、負荷電圧100〜400Vの条件で、乾燥膜
厚10〜50μm、好ましくは20〜40μmとなる量
の塗膜を電着塗装する。その後140〜200℃、好ま
しくは160〜180℃で10〜30分間焼き付ける。
【0092】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。各例中の「部」は「重量
部」を表し、「%」は「重量%」を表す。
【0093】実施例1 (水性塗料用樹脂の製造)攪拌機、デカンター、窒素導
入管、温度計及び滴下ロートを備え付けた反応容器に、
エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ダウケミカル社製、商品名「DER−331J」)9
40部(a=5)、メチルイソブチルケトン145部、
ビスフェノールA306部(b=2.68)及びジメチ
ルベンジルアミン0.8部を仕込み、系内の温度を13
0℃まで昇温した後、エポキシ当量が537になるまで
約2時間反応を行った。次にジ2−エチルヘキシルアミ
ン104部(c1=0.43)、ジブチルアミン28部
(c2=0.22)、ジエチレントリアミンジケチミン
(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)94部
(c3=0.26)、N−メチルエタノールアミン65
部(c4=0.87)及びメチルイソブチルケトン22
2部の混合物を添加し120℃で30分間反応させるこ
とによりカチオン変性樹脂中間体を得た。さらに、式
(II)中R1及びR2がメチル基であり、R4、R5及びR
6が水素原子であり、Kがフェノール基であり、Lが水
素原子であり、nが5.6であり、そして数平均分子量
が約800であるポリイソプロピリデンフェノール22
7部(全樹脂成分の15.5重量%)を添加した後、系
内の温度を120℃に保持して約1時間反応させ、固形
分濃度82%の樹脂溶液を得た。製造樹脂の数平均分子
量は1,800、水酸基価は180であった。
【0094】実施例2 (水性塗料用樹脂の製造)攪拌機、デカンター、窒素導
入管、温度計及び滴下ロートを備え付けた反応容器に、
エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ダウケミカル社製、商品名「DER−331J」)9
40部(a=5)、メチルイソブチルケトン145部、
ビスフェノールA306部(b=2.68)及びジメチ
ルベンジルアミン0.8部を仕込み、系内の温度を13
0℃まで昇温した後、エポキシ当量が537になるまで
約1.5時間反応を続けた。次に2−エチルヘキサン酸
62部(e=0.43)を加えてさらにエポキシ当量が
693になるまで約0.5時間反応を行った。さらにジ
ブチルアミン28部(c1=0.22)、ジエチレント
リアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチル
ケトン溶液)94部(c2=0.26)、N−メチルエ
タノールアミン65部(c3=0.87)及びメチルイ
ソブチルケトン166部の混合物を添加し120℃で3
0分間反応させることによりカチオン変性樹脂中間体を
得た。さらに、式(II)中R1、R2、R 4、R5及びR6
が水素原子であり、Kがフェノール基であり、Lが水素
原子であり、nが9であり、そして数平均分子量が約
1,000であるポリメチレンフェノール(昭和高分子
社製、商品名「BRG−558」)227部(全樹脂成
分の13.4重量%)を添加した後、系内の温度を12
0℃に保持して約1時間反応させ、固形分濃度82%の
樹脂溶液を得た。製造樹脂の数平均分子量は2,10
0、水酸基価は200であった。
【0095】実施例3 (水性塗料用樹脂の製造)攪拌機、デカンター、窒素導
入管、温度計及び滴下ロートを備え付けた反応容器に、
エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ダウケミカル社製、商品名「DER−331J」)9
40部(a=5)、メチルイソブチルケトン145部、
ビスフェノールA306部(b=2.68)及びジメチ
ルベンジルアミン0.8部を仕込み、系内の温度を13
0℃まで昇温した後、エポキシ当量が537になるまで
約1.5時間反応を続けた。次に2−エチルヘキサン酸
62部(e=0.43)を加えてさらにエポキシ当量が
693になるまで約0.5時間反応を行った。さらにジ
ブチルアミン28部(c1=0.22)、ジエチレント
リアミンジケチミン(固形分73%のメチルイソブチル
ケトン溶液)94部(c2=0.26)、N−メチルエ
タノールアミン65部(c3=0.87)及びメチルイ
ソブチルケトン166部の混合物を添加し120℃で3
0分間反応させることによりカチオン変性樹脂中間体を
得た。さらに、式(I)中R1、R2、R 3、R4、R5
6及びR7が水素原子であり、Kが水素原子であり、L
が2,2,4−トリメチル−4−(4−ヒドロキシフェ
ニル)クロマンであり、mが4であり、そして数平均分
子量が約800であるポリ4−ヒドロキシスチレン(三
井化学社製、商品名「BPA−ZK」)214部(全樹
脂分の12.7重量%)を添加した後、系内の温度を1
20℃に保持して約1時間反応させ、固形分濃度82%
の樹脂溶液を得た。製造樹脂の数平均分子量は1,90
0、水酸基価は180であった。
【0096】実施例4 (水性塗料用樹脂の製造)攪拌機、デカンター、窒素導
入管、温度計及び滴下ロートを備え付けた反応容器に、
エポキシ当量188のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ダウケミカル社製、商品名「DER−331J」)8
46部(a1=4.5)、1,6−ヘキサンジオールジ
グリシジルエーテル(ナガセ化学社製、商品名「デナコ
ールEX−212」)58部(a2=0.5)、メチル
イソブチルケトン143部、ビスフェノールA355部
(b=3.11)、2−エチルヘキサン酸31部(e=
0.22)及びジメチルベンジルアミン0.8部を仕込
み、系内の温度を130℃まで昇温した後、エポキシ当
量が772になるまで約2時間反応を行った。さらにジ
エチレントリアミンジケチミン(固形分73%のメチル
イソブチルケトン溶液)94部(c1=0.26)、N
−メチルエタノールアミン65部(c2=0.87)及
びメチルイソブチルケトン190部の混合物を添加し1
20℃で30分間反応させることによりカチオン変性樹
脂中間体を得た。さらに、式(I)中R 1、R2、R3
4、R5、R6及びR7が水素原子であり、Kが水素原子
であり、Lが2,2,4−トリメチル−4−(4−ヒド
ロキシフェニル)クロマンであり、mが4であり、そし
て数平均分子量が約800であるポリ4−ヒドロキシス
チレン(三井化学社製、商品名「BPA−ZK」)21
3部(全樹脂分の13.0重量%)を添加した後、系内
の温度を120℃に保持して約1時間反応させ、固形分
濃度82%の樹脂溶液を得た。製造樹脂の数平均分子量
は2,200、水酸基価は180であった。
【0097】製造例1 (ブロックドポリイソシアネート硬化剤の製造)攪拌
機、窒素導入管、冷却管及び温度計を備え付けた反応容
器にイソホロンジイソシアネート222部を入れ、メチ
ルイソブチルケトン56部で希釈した後ブチル錫ラウレ
ート0.2部を加え、50℃まで昇温の後、メチルエチ
ルケトオキシム17部を内容物温度が70℃を超えない
ように加えた。そして赤外吸収スペクトルによりイソシ
アネート残基の吸収が実質上消滅するまで70℃で1時
間保温し、その後n−ブタノール43部で希釈すること
によって固形分70%の目的のブロックドポリイソシア
ネートを得た。
【0098】実施例5〜8 (実施例1〜4の水性塗料用樹脂による樹脂エマルショ
ンの製造)実施例1〜4で得られた水性塗料用樹脂91
5部中へ、上記製造例1で製造したブロックドポリイソ
シアネート硬化剤357部、酢酸20部を加えた後、イ
オン交換水で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で
不揮発分36%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂
を主体とする水性エマルション(以下、E1〜E4と記す)
を得た。
【0099】比較例1 (従来型カチオン変性エポキシ樹脂の製造)攪拌機、デ
カンター、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備え付
けた反応容器に、エポキシ当量188のビスフェノール
A型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケミ
カル社製)2400部とメタノール141部、メチルイ
ソブチルケトン168部、ジラウリン酸ジブチル錫0.
5部を仕込み、40℃で攪拌し均一に溶解させた後、
2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート(80/
20重量比混合物)320部を30分間かけて滴下した
ところ発熱し、70℃まで上昇した。これにN,N−ジ
メチルベンジルアミン5部を加え、系内の温度を120
℃まで昇温し、メタノールを留去しながらエポキシ当量
が500になるまで120℃で3時間反応を続けた。さ
らに、メチルイソブチルケトン644部、ビスフェノー
ルA341部、2−エチルヘキサン酸413部を加え、
系内の温度を120℃に保持し、エポキシ当量が107
0になるまで反応させた後、系内の温度が110℃にな
るまで冷却した。ついでジエチレントリアミンジケチミ
ン(固形分73%のメチルイソブチルケトン溶液)24
1部とN−メチルエタノールアミン192部の混合物を
添加し110℃で1時間反応させることによりカチオン
変性エポキシ樹脂を得た。この樹脂の数平均分子量は2
100、水酸基価は160であった。赤外吸収スペクト
ル等の測定から、樹脂中にオキサゾリドン環(吸収波
数;1750cm-1)を有していることが確認された。
【0100】比較例2 (従来型カチオン変性エポキシ樹脂エマルションの製
造)比較例1で得られた水性塗料用樹脂915部中へ、
上記製造例1で製造したブロックドポリイソシアネート
硬化剤357部、酢酸20部を加えた後、イオン交換水
で不揮発分32%まで希釈した後、減圧下で不揮発分3
6%まで濃縮し、カチオン変性エポキシ樹脂を主体とす
る水性エマルション(以下、E5と記す)を得た。
【0101】実施例9〜12及び比較例3 実施例5〜8及び比較例2で得られた各種カチオン変性
樹脂エマルション(E1〜E5)及び脱イオン水を使用して
クリア塗料組成物(固形分濃度は全て20%)を調製し
た。各塗料中には硬化促進剤としてジブチル錫オキシド
の乳化エマルションペーストを錫量にして塗料固形分量
の1.5%になるように配合した。各種材料の組み合わ
せは下記表1に示した。
【0102】上記実施例及び比較例の配合による水性塗
料組成物を用いて、リン酸亜鉛処理鋼板に対して焼き付
け後の電着塗膜厚が20μmになるような電圧で電着塗
装し、160℃で15分間焼付けを行った。得られた電
着塗膜に対する各種性能評価結果を表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】表1中の各性能測定項目について説明す
る。
【0105】SDT 塗板にナイフで素地に達するカットを入れ、塩水浸漬試
験(5%食塩水、55℃)を480時間行い、粘着テー
プによってカット部両側から剥離した剥離部の最大幅で
示した。
【0106】SST 塗板にナイフで素地に達するクロスカットを入れ、塩水
噴霧試験(5%食塩水、35℃)を480時間行い、粘
着テープによってカット部両側から剥離した剥離部の最
大幅で示した。
【0107】CCT 塗板にナイフで素地に達するクロスカットを入れ、塗板
に対して環境サイクル変化(1サイクル分を以下に示
す)を25サイクル与えた後カット部に発生した錆幅及
び塗膜フクレの有無を測定した。
【0108】
【表2】
【0109】上記実施例及び比較例から、本実施例で製
造した水性塗料用樹脂を使用すれば、従来型カチオン変
性エポキシ樹脂を用いた場合と比較して耐食性の優秀な
電着塗膜を形成することが明らかである。
【0110】
【発明の効果】本発明の水性塗料用樹脂は、従来技術で
は未達成であったアミン変性エポキシ樹脂のポリビニル
フェノール、フェノールノボラック樹脂あるいはクレゾ
ールノボラック樹脂等の多価フェノール化合物による有
効な変性手段によって、多価フェノール化合物による充
分な防食効果を水性塗料、とりわけカチオン電着塗料に
おいて発現させたものである。
【0111】上記実施例及び比較例から従来型カチオン
変性エポキシ樹脂を用いた場合と比較して耐食性の優秀
な電着塗膜を形成することが明らかとなった。
【0112】本発明の水性塗料用樹脂は、環境負荷低減
を目的とした実質的に鉛顔料を配合しない(鉛フリー)
電着塗膜を形成する上において、主に防食に関して重要
な役割を果たすものである。
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Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)数平均分子量300〜2,000
    のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;(B)一分子
    中にフェノール性水酸基を2個含むフェノール化合物;
    (C)第2級モノアミン化合物;及び(D)式(I)又
    は(II) 【化1】 [式中、R1〜R3は独立して水素原子又はメチル基であ
    り、 R4〜R7は独立して水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1から8までのアルキル基もしくはアルコキシ基で
    あり、K及びLは樹脂末端の残基であり、m及びnは独
    立して3〜10の整数である。]で表される多価フェノ
    ール樹脂;を反応させて得られる、数平均分子量1,0
    00〜10,000の水性塗料用樹脂。
  2. 【請求項2】 前記成分(A)〜(D)、及び(E)炭
    素数4〜18のアルキル基を有するモノカルボン酸、モ
    ノフェノール又はモノチオール;を反応させて得られる
    請求項1記載の水性塗料用樹脂。
  3. 【請求項3】 前記第2級モノアミン化合物(C)が一
    分子中に1級水酸基を有する第2級アミン(C1)を含
    んでいる請求項1記載の水性塗料用樹脂。
  4. 【請求項4】 (X)一分子中にエポキシ基を平均1個
    以下含む数平均分子量350〜4,000のアミン変性
    エポキシ樹脂;及び(D)式(I)又は(II) 【化2】 [式中、R1〜R3は独立して水素原子又はメチル基であ
    り、 R4〜R7は独立して水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1から8までのアルキル基もしくはアルコキシ基で
    あり、K及びLは樹脂末端の残基であり、m及びnは独
    立して3〜10の整数である。]で表される多価フェノ
    ール樹脂;を反応させて得られる、数平均分子量1,0
    00〜10,000の水性塗料用樹脂。
  5. 【請求項5】 一分子中にエポキシ基を2個含むエポキ
    シ化合物(A)と一分子中にフェノール性水酸基を2個
    含むフェノール化合物(B)とを、式 【数1】(a)/(b)=1.5〜2.5 [式中、(a)は成分(A)中のエポキシ基のモル数で
    あり、(b)は成分(B)中のフェノール性水酸基のモ
    ル数である。]を満足する量で、配合して反応せしめる
    工程;第2級モノアミン化合物(C)を、式 【数2】{(a)−(b)}/(c)=1.1〜3 [式中、(a)及び(b)は上記と同意義であり、
    (c)は成分(C)中の第2級アミノ基のモル数であ
    る。]を満足する量で配合して反応せしめる工程;及び
    式(I)又は(II) 【化3】 [式中、R1〜R3は独立して水素原子又はメチル基であ
    り、 R4〜R7は独立して水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1から8までのアルキル基もしくはアルコキシ基で
    あり、K及びLは樹脂末端の残基であり、m及びnは独
    立して3〜10の整数である。]で表される多価フェノ
    ール樹脂(D)を全樹脂成分の3〜30重量%の量で配
    合して反応せしめる工程;を包含する、数平均分子量
    1,000〜10,000の水性塗料用樹脂水性塗料用
    樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 一分子中にエポキシ基を2個含むエポキ
    シ化合物(A)と一分子中にフェノール性水酸基を2個
    含むフェノール化合物(B)とを、式 【数3】(a)/(b)=1.5〜2.5 [式中、(a)は成分(A)中のエポキシ基のモル数で
    あり、(b)は成分(B)中のフェノール性水酸基のモ
    ル数である。]を満足する量で、配合して反応せしめる
    工程;炭素数4〜18のアルキル基を有するモノカルボ
    ン酸、モノフェノール又はモノチオール(E)を、式 【数4】(e)/(c)=0.1〜1、及び {(a)−(b)}/{(c)+(e)}=1.1〜3 [式中、(a)及び(b)は上記と同意義であり、
    (c)は成分(C)中の第2級アミノ基のモル数であ
    り、(e)は成分(E)中のカルボキシル基、フェノー
    ル性水酸基又はチオール基のモル数である。]を満足す
    る量で配合して反応せしめる工程;第2級モノアミン化
    合物(C)を上記関係式を満足する量で配合して反応せ
    しめる工程;及び式(I)又は(II) 【化4】 [式中、R1〜R3は独立して水素原子又はメチル基であ
    り、 R4〜R7は独立して水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1から8までのアルキル基もしくはアルコキシ基で
    あり、K及びLは樹脂末端の残基であり、m及びnは独
    立して3〜10の整数である。]で表される多価フェノ
    ール樹脂(D)を全樹脂成分の3〜30重量%の量で配
    合して反応せしめる工程;を包含する、数平均分子量
    1,000〜10,000の水性塗料用樹脂水性塗料用
    樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 一分子中にエポキシ基を2個含むエポキ
    シ化合物(A)と一分子中にフェノール性水酸基を2個
    含むフェノール化合物(B)と炭素数4〜18のアルキ
    ル基を有するモノカルボン酸、モノフェノール又はモノ
    チオール(E)とを、式 【数5】(a)/(b)=1.5〜2.5、 (e)/(c)=0.1〜1、及び {(a)−(b)}/{(c)+(e)}=1.1〜3 [式中、(a)は成分(A)中のエポキシ基のモル数で
    あり、(b)は成分(B)中のフェノール性水酸基のモ
    ル数であり、(c)は成分(C)中の第2級アミノ基の
    モル数であり、(e)は成分(E)中のカルボキシル
    基、フェノール性水酸基又はチオール基のモル数であ
    る。]を満足する量で、配合して反応せしめる工程;第
    2級モノアミン化合物(C)を上記関係式を満足する量
    で配合して反応せしめる工程;及び式(I)又は(II) 【化5】 [式中、R1〜R3は独立して水素原子又はメチル基であ
    り、 R4〜R7は独立して水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1から8までのアルキル基もしくはアルコキシ基で
    あり、K及びLは樹脂末端の残基であり、m及びnは独
    立して3〜10の整数である。]で表される多価フェノ
    ール樹脂(D)を全樹脂成分の3〜30重量%の量で配
    合して反応せしめる工程;を包含する、数平均分子量
    1,000〜10,000の水性塗料用樹脂水性塗料用
    樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 一分子中にエポキシ基を平均1個以下含
    む数平均分子量350〜4,000のアミン変性エポキ
    シ樹脂(X)を提供する工程;及び式(I)又は(II) 【化6】 [式中、R1〜R3は独立して水素原子又はメチル基であ
    り、 R4〜R7は独立して水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1から8までのアルキル基もしくはアルコキシ基で
    あり、K及びLは樹脂末端の残基であり、m及びnは独
    立して3〜10の整数である。]で表される多価フェノ
    ール樹脂(D)を全樹脂成分の3〜30重量%の量で配
    合して反応せしめる工程;を包含する、数平均分子量
    1,000〜10,000の水性塗料用樹脂水性塗料用
    樹脂の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか記載の水性塗料
    用樹脂、及び硬化剤としてブロックドポリイソシアネー
    トを含有する水性塗料組成物。
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