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JP2002200515A - クランクシャフトのピンジャーナルr溝の加工方法およびクランクシャフト - Google Patents

クランクシャフトのピンジャーナルr溝の加工方法およびクランクシャフト

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JP2002200515A
JP2002200515A JP2000401165A JP2000401165A JP2002200515A JP 2002200515 A JP2002200515 A JP 2002200515A JP 2000401165 A JP2000401165 A JP 2000401165A JP 2000401165 A JP2000401165 A JP 2000401165A JP 2002200515 A JP2002200515 A JP 2002200515A
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groove
pin journal
cutter
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Takeshi Suzuki
武之 鈴木
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Komatsu Machinery Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した疲労強度を確保でき、かつ生産性を
向上させることができるクランクシャフトのピンジャー
ナルR溝の加工方法を提供すること。 【解決手段】 R溝15の周方向の中でも基準位置Pを
含む疲労強度的に不利な部分を、角度Aの範囲でインタ
ーナルカッタ20のR溝15の周方向の相対的な送りを
小さくして加工する。従って、R溝15の表面に形成さ
れる突部の突出高さを小さくでき、角度Aの範囲では、
後工程でのロール仕上げを均一に行うことができ、安定
した疲労強度を得ることができる。また、角度Aの範囲
外では、インターナルカッタ20の送りを大きくするた
め、R溝15全体の加工に要するサイクルタイムを短縮
でき、生産性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランクシャフト
のピンジャーナルR溝の加工方法およびクランクシャフ
トに係り、特にクランクシャフトミラーによってピンジ
ャーナル端部のR溝をフライスカッタで加工する際の加
工方法、および該加工方法で加工されたクランクシャフ
トに関する。
【0002】
【背景技術】自動車のエンジン等に用いられるクランク
シャフトをクランクシャフトミラーによってフライス加
工(ミーリング加工)することが知られている。このよ
うなクランクシャフトには、コンロッドが軸支されるピ
ンジャーナルが気筒数に応じて設けられており、ピンジ
ャーナルの両端部には、周方向に連続したR溝が設けら
れる場合がある。
【0003】このR溝は従来、クランクシャフトミラー
でクランクシャフトのピンジャーナルやメインジャーナ
ルの加工を行った後、旋盤による旋削加工によって設け
られていたが、旋削加工のための設備やメンテナンス等
にかかる費用を削減するために、ピンジャーナルと同様
にクランクシャフトミラーによって加工されることが多
くなっている。そして、加工されたR溝は、次工程にお
いてロール仕上げされ、R溝での疲労強度の向上が図ら
れている。
【0004】図4(A)には、ピンジャーナル100の
R溝101部分の断面であって、該R溝101をクラン
クシャフトミラーに装着された半径Rのインターナルカ
ッタ102で加工した場合(ロール加工前の段階)が示
されており、図4(B)には、エクスターナルカッタ1
03で加工した場合が示されている。なお、図示を簡略
化するために、ピンジャーナル100の断面部分のハッ
チングを省略した。
【0005】図4(A)において、インターナルカッタ
102を用いた場合では、クランクシャフト(ピンジャ
ーナル100)を固定しておき、カッタ102を自転さ
せながらピンジャーナル100に接触させ、接触させな
がらカッタ102をさらにピンジャーナル100の外周
に沿って公転(ロータリ回転:図中の実線矢印参照)さ
せ、周方向に連続したR溝101を加工する。
【0006】一方、図4(B)において、エクスターナ
ルカッタ103を用いた場合では、カッタ103を自転
させながらピンジャーナル100に接触させるが、カッ
タ103を公転させず、クランクシャフト(ピンジャー
ナル100)側をメインジャーナル軸を中心として低速
で自転(図中の実線矢印参照)させてR溝101を加工
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インターナ
ルカッタ102の公転時の送りや、エクスターナルカッ
タ103を用いた場合のピンジャーナル100側の自転
時の送りは、クランクシャフトミラーでの加工に要する
サイクルタイムが全体の生産性を阻害しない程度に設定
されるが、その送りが大き過ぎると、R溝101の外周
面には、図4(A)、(B)に示すような多角形状の突
部104が形成され、この突部104の突出高さδによ
っては、後のロール仕上げによる表面の塑性変形がR溝
101の周方向で均一におこなわれず、疲労強度にばら
つきが生じる可能性がある。
【0008】このために現状では、インターナルカッタ
102の送りや、エクスターナルカッタ103を用いた
場合のピンジャーナル100側の送りを小さくし、突部
104の突出高さδを十分に小さくしてロール仕上げに
よる強度上のばらつきをなくしている。従って、R溝1
01自身の加工に要するサイクルタイムが長くなり、生
産性が必ずしも良好とはいえないという問題がある。
【0009】本発明の目的は、クランクシャフトミラー
等によるフライス加工でR溝を設けた場合でも、安定し
た疲労強度を確保でき、かつ生産性を向上させることが
できるクランクシャフトのピンジャーナルR溝の加工方
法およびクランクシャフトを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のクランクシャフ
トのピンジャーナルR溝の加工方法は、クランクシャフ
トのピンジャーナル端部に設けられたR溝のフライスカ
ッタによる加工方法であって、前記R溝の加工時に、該
R溝の周方向における疲労強度的に不利な部分では、前
記ピンジャーナルとカッタとの前記周方向の相対的な送
りを、他の部分の送りよりも小さくして加工することを
特徴とする。この際、用いられるカッタとしては、内刃
式のインターナルカッタであってもよく、外刃式のエク
スターナルカッタであってもよい。
【0011】このような方法によれば、R溝の疲労強度
的に不利な部分を加工するにあたり、インターナルカッ
タを用いた場合には、当該インターナルカッタの公転時
の送りを他の部分の送りよりも小さくし、エクスターナ
ルカッタを用いた場合には、クランクシャフト側の自転
時の送りを他の部分の送りよりも小さくする。このた
め、疲労強度的に不利な部分では、R溝の表面に形成さ
れる突部の突出高さが小さくなるため、ロール仕上げが
均一に行われて安定した疲労強度が確実に得られる。ま
た、小さな送りで加工する部分は、疲労強度的に不利な
部分のみであり、他の部分の加工をより大きな送りで加
工するので、その分R溝全体の加工に要するサイクルタ
イムが短縮され、生産性が向上する。以上により、前記
目的が達成される。
【0012】また、本発明の加工方法では、前記相対的
な送りを小さくする部分は、前記ピンジャーナルに加わ
る曲げ応力が最大となる部分を中心として、前記周方向
の両側にそれぞれ少なくとも3°以上、60°以下の範
囲であることを特徴とする。ピンジャーナルに加わる曲
げ応力が最大となる部分を含むその近傍が疲労強度的に
は不利な部分となるが、最大曲げ応力が加わる位置には
変動が生じることもあるため、送りを小さくする部分を
3°よりも狭くしたのでは、その変動を吸収できない可
能性がある。反対に、60°よりも広くすると、小さな
送りで加工する部分が多くなってサイクルタイムが長く
なり、十分な生産性が得られない可能性がある。
【0013】そして、特に、前記相対的な送りを小さく
する部分は、前記クランクシャフトのメインジャーナル
の軸中心に最も近い部分を中心として、前記周方向の両
側にそれぞれ少なくとも3°以上、60°以下の範囲で
あることが望ましい。エンジン駆動時においては、爆発
行程でクランクシャフトのピンジャーナルに加わる曲げ
応力が最大になるが、この爆発行程では、ピストンが上
死点に近い位置にあるため、ピンジャーナルにはメイン
ジャーナルの軸中心に対して最も近い部分を最大として
その遠い部分に向けて曲げ応力が加わる。従って、R溝
では、周方向の中でもメインジャーナルの軸中心に最も
近い部分が疲労強度的に不利な部分となり、この部分を
中心として送りを小さくする範囲が設定されることによ
り、曲げ応力に確実に対抗することが可能になる。
【0014】さらに、本発明の加工方法では、前記相対
的な送りは、前記R溝の外周面に形成される突部の突出
高さが0.02mm以下となるように設定されていること
が望ましい。0.02mmよりも大きいと、ロール仕上げ
時の表面の塑性変形が均一に行われにくく、安定した疲
労強度が得られない可能性が高い。
【0015】一方、本発明のクランクシャフトは、前述
の加工方法によって加工されたクランクシャフトであ
り、当該加工方法を作用することで同様な作用効果が得
られ、前記目的が達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るクラン
クシャフト10を示す正面図、図2は、クランクシャフ
ト10のピンジャーナル14の要部を示す拡大図、図3
は、該要部を示す断面図である。
【0017】クランクシャフト10は、自動車のエンジ
ン等に用いられるものであって、本実施形態では、直列
四気筒のエンジンに用いられるものである。従って、ク
ランクシャフト10の回転軸と同じ軸中心Cを有する複
数のメインジャーナル11間には、カウンタウェイト1
2が一体に設けられたクランクウェブ13を介して合計
四つ(図1では三つを図示)のピンジャーナル14が設
けられている。
【0018】ピンジャーナル14の両端には、本発明の
加工方法で加工されるR溝15が該ピンジャーナル14
の全周にわたって設けられている。このR溝15は、ピ
ンジャーナル14全体の周面をインターナルカッタを使
用したクランクシャフトミラーで加工した後、同様なク
ランクシャフトミラーで加工される。この際、本実施形
態では、図2に示すインターナルカッタ20を用いた。
【0019】インターナルカッタ20は、ここでの詳細
な図示を省略するが、円環状のカッタ本体21と、カッ
タ本体21の厚み方向の両端側に設けられたカッタチッ
プ22とを備えている。カッタチップ22は、カッタ本
体21の内周に沿ってほぼ等間隔に複数設けられてい
る。図2に示すように、カッタチップ22の幅方向の間
隔は、ピンジャーナル14両端のR溝15間の間隔に対
応しており、一つのインターナルカッタ20で両側のR
溝15を同時に加工することが可能である。
【0020】この際、ピンジャーナル14の周方向に対
するインターナルカッタ20の公転時の送り(ロータリ
送り)は大小の略二段階に設定されている。すなわち、
図3において、一段目としては、R溝15の周方向にお
いて、メインジャーナル11の軸中心Cに最も近い位置
としての基準位置Pから、周方向の両側にそれぞれ角度
Aの範囲を加工する際の小さい送りである。なお、基準
位置Pは、エンジン駆動中にピンジャーナル14に加わ
る曲げ応力が最大となる部分であり、疲労強度的に不利
な部分の略中心である。
【0021】この一段目の送りは、R溝15表面に形成
される突部104(図4)の突出高さδが0.02mm以
下、好ましくは0.01mm以下となるように、次式
(1)によって概ね決定される。0.02mmよりも大き
いと、後のロール仕上げが良好に行われず、R溝15部
分での疲労強度が安定しない可能性が高い。また、突出
高さδを0.01mm以下にすれば、ロール加工での仕上
げ状態をさらに良好にでき、ひいてはピンジャーナル1
4の角度A内での疲労強度をより安定させることができ
る。
【0022】ここで、(1)式中のfはインターナルカ
ッタ20の公転時の送り、Rはインターナルカッタ20
のチップ22の刃先までの半径、rはピンジャーナル1
4の半径、δは突部104の突出高さである。また
(1)式は、カッタ本体21の周方向の刃数(有効刃
数)が一枚の場合である。
【0023】
【数1】
【0024】また、角度Aとしては、基準位置Pから少
なくとも3°以上、60°以下、好ましくは少なくとも
10°以上、45°以下、より好ましくは少なくとも2
0°以上、30°以下に設定される。ピンジャーナル1
4に加わる曲げ応力が最大となる位置はばらついたり、
エンジンの回転数に応じて意図的に変更される場合が考
えられ、角度Aが3°よりも狭いと、そのようなばらつ
きや変動を許容できない可能性がある。反対に、60°
よりも大きいと、送りの小さい部分が多くなって加工に
要するサイクルタイムが長くなり、加工性を阻害する。
従って、角度Aが少なくとも20°以上であれば、応力
が最大となる位置が変更されても、その変動を一層確実
に許容でき、また、30°以下であれば、サイクルタイ
ムを大幅に短縮できる。
【0025】一方、二段目としては、前記角度Aの範囲
外の大きな送りであり、この送りは、R溝15の加工に
要するサイクルタイムや、後のロール仕上げが支障なく
行えること等を勘案し、できるだけ大きく設定されてい
る。
【0026】なお、二段階ある送りは実際、連続した加
工途中で瞬間的に変更されるのではなく、大小の送りの
中間程度の送りによる加工を経て段階的に変更される。
ただし、この中間程度の送りでの加工は、インターナル
カッタ20への負荷やR溝15の仕上げ面等を考慮して
行われるものであって、加工範囲としても非常に狭く、
本発明での作用効果に実質的に影響するものではないか
ら、本実施形態で詳説するのを省略する。
【0027】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。R溝15の周方向の中でも基準位置P
を含む疲労強度的に不利な部分を、角度Aの範囲でイン
ターナルカッタ20の公転時の送りを小さくして加工す
るので、R溝15の表面に形成される突部104の突出
高さδを小さくできる。このため、角度Aの範囲では、
後工程でのロール仕上げを均一に行うことができ、安定
した疲労強度を得ることができる。また、角度Aの範囲
外では、インターナルカッタ20の送りを大きくするた
め、R溝15全体の加工に要するサイクルタイムを短縮
でき、生産性を向上させることができる。
【0028】角度Aは、基準位置Pから少なくとも3°
以上に設定されるので、ピンジャーナル14での曲げ応
力が最大となる位置が多少ずれても、そのずれを確実に
許容でき、疲労強度を確実に確保できる。さらに、角度
Aは、基準位置Pから60°以下に設定されるので、送
りを小さくする範囲が過剰に広くなく、サイクルタイム
が極端に長くなる心配がない。
【0029】インターナルカッタ20の送りを小さくす
る部分は、メインジャーナル11の軸中心Cに最も近い
部分を中心として、その範囲が設定されているため、ク
ランクシャフト10をエンジンに組み込んだ際にピンジ
ャーナル14に最も曲げ応力が加わる可能性がある爆発
行程において、その曲げ応力に確実に対抗することがで
き、信頼性の高いエンジンを供給することができる。
【0030】インターナルカッタ20の送りは、前記
(1)式に基づき、R溝15の外周面に形成される突部
104の突出高さδが0.02mm以下となるように設定
されているため、ロール仕上げ時の表面の塑性変形をよ
り均一に行え、一層安定した疲労強度を得ることができ
る。そして、前記(1)式はカッタに設けられた一つの
場合であるため、インターナルカッタ20の周方向に沿
って複数のチップ22が設けられている本実施形態で
は、(1)式で求めた送りで加工すると、実際にはより
小さい突出高さδの突部104を形成できる。
【0031】R溝15は、インターナルカッタ20を用
いたクランクシャフトミラーで加工されるので、加工時
の中心位置補正をピンジャーナル14毎に行え、旧来の
ような旋盤による切削加工のように、同一回転位相のピ
ンジャーナル毎に旋盤を設け、これらのピン中心の心出
しを行うなどの面倒な作業を省くことができ、この点で
も作業性を良好にできる。また、旧来では、ピンジャー
ナル14の外周面をクランクシャフトミラーで加工し、
R溝15を旋盤で加工していたために、形態の異なる工
作機械部分が二種類必要となり、設備やメンテナンスに
経費がかかっていたが、本実施形態では、ピンジャーナ
ル14自身の加工もR溝15の加工も同じクランクシャ
フトミラーで行え、経済的に有利である。
【0032】なお、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等
を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、インターナルカッタ20が
用いられていたが、複数のチップが外周側に設けられた
エクスターナルカッタを用いて本発明に係る加工方法を
実施してもよい。
【0033】クランクシャフトに設けられるピンジャー
ナルの数等は任意であり、前記実施形態のものに限定さ
れない。
【0034】R溝15の加工は、ピンジャーナル14自
身の加工の後に行ってもよく、場合によっては、ピンジ
ャーナル14の加工と同時に行ってもよい。このような
場合、インターナルカッタ20には、ピンジャーナル1
4の外周等を加工するためのチップも設けられることに
なる。
【0035】
【実施例】本発明の実施例として、前記実施形態に基づ
き、以下の条件でR溝15の加工を行い、その時のサイ
クルタイムを測定した。 ・切削速度 140m/min ・カッタ半径:R 45mm ・有効刃数(チップ数) 10枚 ・カッタ回転数 235rpm ・角度:A 約25° ・送り(角度A内):f 1.5mm/回転 ・送り(角度A外):f 5.0mm/回転 ・ピンジャーナル半径:r 22.5mm ・加工長さ 141mm 以上の条件では、角度A内、すなわち送りの小さい部分
の加工時間が3.4秒、角度A外、すなわち送りの大き
い部分の加工時間が6.2秒であった。従って、R溝1
5の加工に要するサイクルタイムは9.6秒であった。
【0036】次に、比較例として、以下の従来の条件
(R溝15全周のカッタ送りを前記疲労強度的に不利な
部分のカッタ送りと同じにした)でR溝15の加工を行
い、その時のサイクルタイムを測定した。 ・切削速度 140m/min (同上) ・カッタ半径:R 45mm (同上) ・有効刃数(チップ数) 10枚 (同上) ・カッタ回転数 235rpm (同上) ・送り(全周):f 1.5mm/回転 ・ピンジャーナル半径:r 22.5mm (同上) ・加工長さ 141mm (同上) 以上の従来の条件では、R溝15の加工に要するサイク
ルタイムは24.1秒であった。
【0037】この実施例および比較例によれば、前記実
施形態に基づいた加工でのサイクルタイムの方が従来に
比較して14.5秒短いことが確認され、生産性が向上
すると認められる。また、前記実施例において、角度A
内での送りによれば、(1)式から求められる突部10
4の突出高さδは0.0095mmとなるが、実際には有
効刃数が10枚であるために、突出高さδはこの値より
も格段に小さいと推測され、ロール加工を均一に行って
ピンジャーナル14の疲労強度を十分に向上させること
ができると思われる。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
クランクシャフトミラー等によるフライス加工でR溝を
設けた場合でも、安定した疲労強度を確保でき、かつ生
産性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るクランクシャフトを
示す正面図である。
【図2】前記実施形態のピンジャーナルの要部を示す拡
大図である。
【図3】前記要部を示す断面図である。
【図4】背景技術を説明するための図である。
【符号の説明】
10 クランクシャフト 14 ピンジャーナル 15 R溝 20 フライスカッタであるインターナルカッタ 104 突部 A 角度 P 基準位置 δ 突出高さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトのピンジャーナル端部
    に設けられたR溝のフライスカッタによる加工方法にお
    いて、 前記R溝の加工時に、該R溝の周方向における疲労強度
    的に不利な部分では、前記ピンジャーナルとカッタとの
    前記周方向の相対的な送りを、他の部分の送りよりも小
    さくして加工することを特徴とするクランクシャフトの
    ピンジャーナルR溝の加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のクランクシャフトのピ
    ンジャーナルR溝の加工方法において、 前記相対的な送りを小さくする部分は、前記ピンジャー
    ナルに加わる曲げ応力が最大となる部分を中心として、
    前記周方向の両側にそれぞれ少なくとも3°以上、60
    °以下の範囲であることを特徴とするクランクシャフト
    のピンジャーナルR溝の加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のクランクシャフトのピ
    ンジャーナルR溝の加工方法において、 前記相対的な送りを小さくする部分は、前記クランクシ
    ャフトのメインジャーナルの軸中心に最も近い部分を中
    心として、前記周方向の両側にそれぞれ少なくとも3°
    以上、60°以下の範囲であることを特徴とするクラン
    クシャフトのピンジャーナルR溝の加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかにク
    ランクシャフトのピンジャーナルR溝の加工方法におい
    て、 前記相対的な送りは、前記R溝の外周面に形成される突
    部の突出高さが0.02mm以下となるように設定されて
    いることを特徴とするクランクシャフトのピンジャーナ
    ルR溝の加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のクランクシャフトのピンジャーナルR溝の加工方法
    において、 前記カッタは、インターナルカッタまたはエクスターナ
    ルカッタであることを特徴とするクランクシャフトのピ
    ンジャーナルR溝の加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載された加工方法で加工されたことを特徴とするクラン
    クシャフト。
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