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JP2002262537A - 直流機 - Google Patents

直流機

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Publication number
JP2002262537A
JP2002262537A JP2001385010A JP2001385010A JP2002262537A JP 2002262537 A JP2002262537 A JP 2002262537A JP 2001385010 A JP2001385010 A JP 2001385010A JP 2001385010 A JP2001385010 A JP 2001385010A JP 2002262537 A JP2002262537 A JP 2002262537A
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JP
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teeth
magnetic pole
main magnetic
armature
tooth
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Application number
JP2001385010A
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English (en)
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Inventor
Hiroyuki Harada
博幸 原田
Takeshi Tanaka
猛 田中
Toshihiro Yano
利弘 谷野
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asmo Co Ltd filed Critical Asmo Co Ltd
Priority to JP2001385010A priority Critical patent/JP3779204B2/ja
Publication of JP2002262537A publication Critical patent/JP2002262537A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コギングトルクの低減により、回転時の円滑な
回転及び騒音の低減を図ることができる直流機を提供す
る。 【解決手段】整流開始時に電機子コイル9が巻装される
5つのティース8aの回転方向側第1ティース8aのテ
ィースバー回転方向先端がマグネット2,3の薄肉部2
c,3cに配置されている。また、マグネット2の主磁
極部2aは、整流中の電機子コイル9が巻装される5つ
のティースの第1ティース8aの中心線に対応する位置
が該主磁極部2aの回転方向側端部に位置したとき、該
主磁極部2aの回転方向逆側端部が第5ティース8aと
第4ティース8aとの中間位置に位置するよう105°
に対応した長さにて形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネットを有し
た直流機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラシとコンミュテータを備えた直流モ
ータでは、ブラシとコンミュテータでコイルに通電して
いる電流の方向を切り替える(いわゆる整流)構成であ
るが、多くの場合切り替え時の最終時点で突然切り替わ
る現象(不足整流)が発生している。これにより、ブラ
シでの火花放電が発生し、騒音やブラシ摩耗の原因とな
る。
【0003】その対策として、マグネット中心の設置位
置に対してブラシの設置位置を回転子の回転方向と反対
する方向にずらした位置を選択することによって整流を
改善させるという方法が採られている。
【0004】しかし、このブラシの適正位置は、モータ
の回転速度やコイルの電流により変化するため、モータ
負荷が変動し回転速度やコイルの電流が変化する場合で
は、良好な整流を保つことが困難であり、本質的な対応
が望まれていた。
【0005】そこで、本願出願人は、負荷の影響を受け
ることなく常に良好な整流を行うことができる技術を先
に提案している(例えば特願平11−270566号
等)。この技術では、モータのマグネットにおいて、マ
グネットの回転方向に対する磁束分布を工夫して、負荷
が変動しても良好な整流を保つことができるようにして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうしたモ
ータにおいては、マグネットに部分的に設けられた磁束
変化部における磁束最小部に対するブラシの設置位置が
整流に影響を与え、この位置関係が不適切となると、火
花の発生が大きくなって整流を改善することができなく
なる。また、マグネットには部分的に磁束変化部が設け
られていることによって、マグネットと電機子との間に
生ずる吸引力が変化し、電機子に電流を流さないで回転
させるときに生ずる回転力である空転トルクの変化(コ
ギングトルク)が大きくなる。これは、モータの騒音及
び振動等の不具合の発生を引き起こす問題点となった。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その第1の目的は、磁束変化部(弱
磁束部)を有するマグネットに対してブラシを適正な位
置に設置し、火花の発生を抑制できる直流機を提供する
ことにある。
【0008】その第2の目的は、コギングトルクの相殺
(低減)により、回転時の円滑な回転及び騒音の低減を
図ることができる直流機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、等角度間隔に設けられ
た複数のティースを有する電機子コアに電機子コイルを
巻装して構成される電機子と、前記電機子を挟んで対向
配置されるマグネットとを備え、前記マグネットは、主
磁極部及び該主磁極部との境界近傍に第1弱磁束部を有
し電機子の回転方向に向かって徐々に磁束が増加する前
記ティース角度である延長部とからなり、整流中にブラ
シでコンミュテータのコンミ片を短絡して前記電機子コ
イルの電流の向きが反転する直流機において、整流開始
時に前記電機子コイルが巻装される前記複数のティース
の回転方向側第1ティースのティースバー先端が前記第
1弱磁束部に配置されることを要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の直流機において、前記主磁極部を、整流中の電機子コ
イルが巻装されるn個のティースの第1ティースの中心
線に対応する位置が該主磁極部の回転方向側端部に位置
したとき、該主磁極部の回転方向逆側端部が第nティー
スと第(n−1)ティースとの間に位置するよう所定円
弧角度に対応した長さにて形成したことを要旨とする。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の直流機において、前記主磁極部には、前記第1
弱磁束部から前記ティース角度の整数倍角度を離れて前
記電機子の回転方向と反対する方向に向かって徐々に磁
束が増加する第2弱磁束部を設けたことを要旨とする。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の直流機において、前記第2弱磁束部は、前記第1弱磁
束部から前記ティース角度の整数倍角度を離れて主磁極
部に一箇所設けたことを要旨とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の直流機において、前記第2弱磁束部は、前記第1弱磁
束部から前記ティース角度の整数倍角度を離れて主磁極
部に複数箇所設けられていることを要旨とする。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5
のいずれか1に記載の直流機において、前記第2弱磁束
部を形成するために主磁極部の内側面を切り欠く部分の
体積は、第1弱磁束部を形成するために主磁極部の端部
から延長部の内側面を切り欠いた部分の体積と同じに設
定されていることを要旨とする。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項2乃至6
のいずれか1に記載の直流機において、前記主磁極部
を、整流中の電機子コイルが巻装されるn個のティース
の第1ティースの中心線に対応する位置が該主磁極部の
回転方向側端部に位置したとき、該主磁極部の回転方向
逆側端部が第nティースと第(n−1)ティースとの間
の中間位置に位置するよう所定円弧角度に対応した長さ
にて形成したことを要旨とする。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項2乃至6
のいずれか1に記載の直流機において、前記主磁極部
を、整流中の電機子コイルが巻装されるn個のティース
の第1ティースの中心線に対応する位置が該主磁極部の
回転方向側端部に位置したとき、該主磁極部の回転方向
逆側端部が第(n−1)ティース側の第nティースのテ
ィースバー先端位置に位置するよう所定円弧角度に対応
した長さにて形成したことを要旨とする。
【0017】請求項9に記載の発明は、請求項2乃至6
のいずれか1に記載の直流機において、前記主磁極部
を、整流中の電機子コイルが巻装されるn個のティース
の第1ティースの中心線に対応する位置が該主磁極部の
回転方向側端部に位置したとき、該主磁極部の回転方向
逆側端部が第nティース側の第(n−1)ティースのテ
ィースバー先端位置に位置するよう所定円弧角度に対応
した長さにて形成したことを要旨とする。
【0018】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至
9のいずれか1に記載の直流機において、前記コンミ片
間角度と、ブラシとコンミ片との当接幅に対応する当接
幅角度は、前記ティース間角度と同じ値に設定されてい
ることを要旨とする。
【0019】請求項11に記載の発明は、請求項1乃至
10のいずれか1に記載の直流機において、前記電機子
を挟んで対向配置されるマグネットは2つ設けられ、該
2つのマグネットは電機子中心軸に点対称に形成されて
いることを要旨とする。
【0020】(作用)請求項1〜11に記載の発明によ
れば、弱磁束部を有するマグネットに対してブラシが適
正な位置に設置される。また、コギングトルクの相殺
(低減)により、回転時の円滑な回転及び騒音の低減が
図れる。
【0021】請求項3に記載の発明によれば、電機子コ
イルの整流時に、第2弱磁束部を設けることによって生
じるコギングトルクは、第1弱磁束部によって生じたコ
ギングトルクにより相殺される。
【0022】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
に記載の発明の作用に加えて、第2弱磁束部を第1弱磁
束部と同じ形状にて形成させれば、両者の体積比が計算
せず容易に設定される。
【0023】請求項5に記載の発明によれば、請求項3
に記載の発明の作用に加えて、個々の第2弱磁束部の磁
束変化を小さくすることができることから、主磁極部に
おける磁気発生のバランス崩れが低減される。
【0024】請求項6に記載の発明によれば、請求項3
〜5に記載の発明の作用に加えて、第2弱磁束部を設け
ることによって生じるコギングトルクは、第1弱磁束部
によって生じたコギングトルクにより完全に相殺され
る。
【0025】請求項10に記載の発明によれば、整流開
始時に電機子コイルが巻装されるn個のティースの回転
方向側ティースのティースバー先端が弱磁束部に確実に
配置される。
【0026】請求項11に記載の発明によれば、請求項
1〜10に記載の発明の作用に加えて、直流機の磁気発
生がバランスよく保たれる。
【0027】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
を直流機としてのブロアモータに具体化した第1の実施
形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態の直
流機としてのブロアモータ1の概略構造を示す部分断面
図である。図2は、整流開始時におけるブロアモータ1
の概略構造を示す部分断面図である。
【0028】図1及び図2に示すように、ブロアモータ
1は、マグネット2,3、電機子4、コンミュテータ5
及びブラシ6を有している。詳述すると、本実施形態の
ブロアモータ1は、2極の直流モータであって、モータ
ハウジングヨーク7内において、N極及びS極を形成す
る2つのマグネット2,3が電機子4を挟んで対向配置
されている。電機子4は、電機子コア8とそのコア8に
巻装される電機子コイル9とを有し、直流電流の供給に
より回転駆動する。
【0029】電機子コア8には、複数のティース8aが
形成されており、そのうちのn個のティース8aの周囲
に電機子コイル9が巻き付けられている。なお、本実施
形態では、ティース8aの個数は12個であり、そのテ
ィース8aが、電機子4の周方向に30°毎に形成され
ている。つまり、隣り合うティース8aは、その中心線
のなす角(モータ電機子スロット角)θが30°(=3
60°/12)となるように形成されている。また、図
示を省略しているが、複数の電機子コイル9が5つのテ
ィース8a毎に同様に巻き付けられている。つまり、巻
線の巻装方式は分布巻である。
【0030】コンミュテータ5は、電機子4の一端に配
設され、複数のセグメント(コンミ片)5aを有して構
成されている。また、ブラシ6がコンミュテータ5に摺
接するように付勢された状態で配設されている。そし
て、図示しない直流電源から供給される直流電流が、ブ
ラシ6とコンミュテータ5のセグメント5aを経て電機
子コイル9に流入すると、電機子4が回転し始める。そ
して、いずれかのブラシ6に対して隣接する一対のセグ
メント5aが接触して、それらのセグメント5a間がブ
ラシ6を介して短絡することにより、電機子コイル9に
流れる電流の向きが変更されて、電機子4が時計回り方
向(図中、X矢印方向)に回転し続ける。本実施形態で
は、12個のセグメント5aが周方向に30°毎に設け
られており、電機子4がブラシ6に対して整流区間の3
0°回転するとき、整流中の電機子コイル9の電流の向
きが変更される。つまり、電機子4の30°の回転によ
って電機子コイル9の整流が行われる。なお、本実施形
態では、セグメント5a間角度は前記ティース8a間角
度θと同じに設定され、ブラシ6とセグメント5aとの
当接幅に対応する当接幅角度は前記ティース8a間角度
θと同じに設定されている。
【0031】前記マグネット2,3は、主磁極部2a,
3aと延長部2b,3bとを有し、主磁極部2a,3a
は、その主磁極部2a,3aの回転方向側に延長部2
b,3bが形成されている。つまり、マグネット2,3
における回転方向側の端部に延長部2b,3bが延出形
成されている。
【0032】主磁極部2a,3aは、図1に示すよう
に、円弧角度δに対応した長さとなるように形成されて
いる。その円弧角度δを前記モータ電機子スロット角θ
にて表すと、δ=θ×{n−1−(1/2)}となる。
つまり、本実施形態では、主磁極部2a,3aは、θ×
{n−1−(1/2)}(=30°×{5−1−(1/
2)}=105°)に対応した長さとなるように形成さ
れている。整流中の電機子コイル9が巻装される5つの
ティース8aの第1ティース8aの中心線に対応する位
置が主磁極部2a,3aの回転方向側端部(つまり主磁
極部2a,3aと延長部2b,3bの境界)に位置した
とき、主磁極部2a,3aの回転方向逆側端部は第5テ
ィース8aと第4ティース8aとの中間位置に位置す
る。
【0033】前記延長部2b,3bは、図1に示すよう
に、モータ電機子スロット角(つまり整流区間の角度)
θ(=30°)に対応する長さにて、回転方向に徐々に
厚くなるように形成されている。つまり、マグネット
2,3は、その主磁極部2a,3aと延長部2b,3b
との境界近傍に第1弱磁束部としての薄肉部2c,3c
が形成されている。そして、着磁されたマグネット2,
3は、前記主磁極部2a,3aと延長部2b,3bとの
境界において最小の磁束密度を有し、その磁束密度は延
長部2b,3bの薄肉部2c,3cに沿って変化する。
【0034】ここで、整流時の電機子コイル9によって
巻装される電機子コア8(5つのティース8a)とマグ
ネット2,3との位置関係を図2を用いて説明する。な
お、マグネット2とマグネット3は電機子中心に対して
対称に配置されているため、説明の便宜上、電機子コア
8(5つのティース8a)とマグネット2との位置関係
のみ説明する。
【0035】図2に示すように、電機子4が回転して電
機子コア8のコア先端(つまり第1ティース8aのティ
ースバー先端)がマグネット2の薄肉部2cに位置する
とき、1つのセグメント5aに当接しているブラシ6が
隣接の他のセグメント5aに当接し始め、電機子コイル
9の整流が開始される。言い換えれば、ブラシ6が整流
状態に入る瞬間に電機子コア8のコア先端(つまり、第
1ティース8aのティースバー先端)がマグネット2の
薄肉部2cにさしかかるようになる。
【0036】そして、電機子4が図2の回転位置から所
定角度にて時計回り方向へ回転した位置が整流中心(図
1の回転位置)となり、この位置で電機子コイル9を流
れる電流の方向が反転しつつある状態である。このと
き、前記主磁極部2aの回転方向側端部が前記第1ティ
ース8aの中心線に対応する位置に位置し、前記主磁極
部2aの回転方向逆側端部が前記第5ティース8aと第
4ティース8aとの中間位置(ティース間空隙位置)に
位置している。さらに、電機子4がこの状態(図1の回
転位置)から所定角度にて時計回り方向へ回転した回転
位置で整流が終了する。
【0037】この整流時において、電機子コア8の先端
に対向する延長部2bは、整流区間の30°の角度に対
応する部分で徐々に厚くなるように形成されている。従
って、整流中の電機子コイル9を通過する磁束量は、電
機子4の回転に応じて徐々に増加する。またこのとき、
磁束量の増加率は回転に応じて徐々に増加する。このよ
うに、整流中の電機子コイル9を通過する磁束量が変化
するため、電機子コイル9に発生する誘起電圧は、整流
初期時が小さく電機子4の回転位置に応じてマイナス側
に徐々に大きくなる。そして、この誘起電圧によって、
リアクタンス電圧が打ち消されて、不足整流が改善され
る。
【0038】また、図3は、本実施形態の電機子4が電
機子コイル9の整流開始時における位置(0°とし)か
ら1スロット分(30°)回転したときの空転トルクT
の変化(コギングトルクΔT1)を示している。本実施
形態では、電機子コイル9の整流開始時において、主磁
極部2aの回転方向逆側端部が前記第5ティース8aと
第4ティース8aとの中間位置(ティース間空隙位置)
に位置しているため、図3に示すように、コギングトル
クΔT1が小さくなる。このコギングトルクΔT1は、
従来技術のコギングトルクより約8.3割低下してい
る。
【0039】以上記述したように、本実施の形態によれ
ば、下記のような特徴を有する。 (1) 整流開始時に電機子コイル9が巻装されるn個
のティース8aの回転方向側第1ティース8aのティー
スバー先端が第1弱磁束部2cにさしかかる(配置され
る)ようになる。言い換えれば、電機子コイル9が巻装
されるn個のティース8aの回転方向側第1ティース8
aのティースバー先端が第1弱磁束部2cにさしかかる
ときに、該電機子コイル9を結線した両セグメント5a
がブラシ6により短絡し始まるようにそのブラシ6の位
置を設置した。
【0040】従って、第1弱磁束部2cを有するマグネ
ット2に対してブラシ6を適正な位置に設置したので、
整流が良好に行われ、火花の発生を抑制できる。 (2) 主磁極部2a,3aは所定円弧角度δに対応し
た長さにて形成されている。その所定円弧角度δは、整
流中の電機子コイル9が巻装される5つのティース8a
の第1ティース8aの中心線に対応する位置が主磁極部
2a,3aの回転方向側端部に位置したとき、主磁極部
2a,3aの回転方向逆側端部は第5ティース8aと第
4ティース8aとの中間位置に位置するよう設定されて
いる。
【0041】従って、電機子コイル9の整流開始時にお
いて、主磁極部2a,3aの回転方向逆側端部は電機子
コイル9が巻装された第5ティース8aの中心線位置に
もっとも離れて位置するため、従来技術に比べてブロア
モータ1のコギングトルクΔT1を大きく低減すること
ができる。その結果、モータ回転時の円滑な回転及び騒
音の低減を図ることができる。
【0042】(3) マグネット2,3の主磁極部2
a,3aの長さの変更によりコギングトルクを低減する
ことができ、製造も容易でコスト的にも有利である。 (4) セグメント5a間角度はティース8a間角度θ
と同じに設定され、ブラシ6とセグメント5aとの当接
幅に対応する当接幅角度もティース8a間角度θと同じ
に設定されている。
【0043】従って、整流開始時に電機子コイル9が巻
装される5つのティース8aの回転方向側ティース8a
のティースバー先端がマグネット2,3の薄肉部2c,
3cに確実に配置される。言い換えれば、電機子コイル
9が巻装される5つのティース8aの回転方向側ティー
ス8aのティースバー先端がマグネット2,3の薄肉部
2c,3cに位置するとき、整流が確実に開始されるよ
うになる。
【0044】(第2の実施形態)以下、本発明を直流機
としてのブロアモータに具体化した第2の実施形態を図
面に従って説明する。図4は、本実施形態の直流機とし
てのブロアモータ11の概略構造を示す部分断面図であ
る。図5は、整流開始時におけるブロアモータ11の概
略構造を示す部分断面図である。
【0045】図4及び図5に示すように、ブロアモータ
11は、マグネット12,13、電機子14、コンミュ
テータ15及びブラシ16を有している。詳述すると、
本実施形態のブロアモータ11は、2極の直流モータで
あって、モータハウジングヨーク17内において、N極
及びS極を形成する2つのマグネット12,13が電機
子14を挟んで対向配置されている。その2つのマグネ
ット12,13は電機子14中心軸に点対称に形成され
ている。電機子14は、電機子コア18とそのコア18
に巻装される電機子コイル19とを有し、直流電流の供
給により回転駆動する。
【0046】電機子コア18には、複数のティース18
aが形成されており、そのうちのn個のティース18a
の周囲に電機子コイル19が巻き付けられている。な
お、本実施形態では、ティース18aの個数は12個で
あり、そのティース18aが、電機子14の周方向に3
0°毎に形成されている。つまり、隣り合うティース1
8aは、その中心線のなす角(モータ電機子スロット
角)θが30°(=360°/12)となるように形成
されている。また、図示を省略しているが、複数の電機
子コイル19が5つのティース18a毎に同様に巻き付
けられている。つまり、巻線の巻装方式は分布巻であ
る。
【0047】コンミュテータ15は、電機子14の一端
に配設され、複数のセグメント15aを有して構成され
ている。また、ブラシ16がコンミュテータ15に摺接
するように付勢された状態で配設されている。そして、
図示しない直流電源から供給される直流電流が、ブラシ
16とコンミュテータ15のセグメント15aを経て電
機子コイル19に流入すると、電機子14が回転し始め
る。そして、いずれかのブラシ16に対して隣接する一
対のセグメント15aが接触して、それらのセグメント
15a間がブラシ16を介して短絡することにより、電
機子コイル19に流れる電流の向きが変更されて、電機
子14が反時計回り方向(図中、Y矢印方向)に回転し
続ける。本実施形態では、12個のセグメント15aが
周方向に30°毎に設けられており、電機子14がブラ
シ16に対して整流区間の30°回転するとき、整流中
の電機子コイル19の電流の向きが変更される。つま
り、電機子14の30°の回転によって電機子コイル1
9の整流が行われる。なお、本実施形態では、セグメン
ト15a間角度は前記ティース18a間角度θと同じに
設定され、ブラシ16とセグメント15aとの当接幅に
対応する当接幅角度は前記ティース18a間角度θと同
じに設定されている。
【0048】前記マグネット12,13は、主磁極部1
2a,13aと延長部12b,13bとを有し、主磁極
部12a,13aは、その主磁極部12a,13aの回
転方向側に延長部12b,13bが形成されている。つ
まり、マグネット12,13における回転方向側の端部
に延長部12b,13bが延出形成されている。
【0049】主磁極部12a,13aは、図4に示すよ
うに、前記モータ電機子スロット角度θの整数倍となる
開角度(4θ=120°)に対応した長さにて形成され
ている。そして、図示しないが、電機子コイル19が巻
装される5つのティース18aの第1ティース18aの
中心線に対応する位置が主磁極部12a,13aの回転
方向側端部に位置したとき、主磁極部12a,13aの
回転方向逆側端部は第5ティース18aの中心線に対応
する位置に位置するようになる。図4から見ると、前記
第1ティース18aとその1つ前のティース18aとの
中間位置が主磁極部12a,13aの回転方向側端部に
位置したとき、主磁極部12a,13aの回転方向逆側
端部が第5ティース18aと第4ティース18aとの中
間位置に位置するようになる。
【0050】延長部12b,13bは、図4に示すよう
に、モータ電機子スロット角(つまり整流区間の角度)
θ(=30°)に対応する長さにて、回転方向に徐々に
厚くなるように形成されている。つまり、マグネット1
2,13は、その主磁極部12a,13aと延長部12
b,13bとの境界に第1弱磁束部としての第1薄肉部
12c,13cが形成されている。
【0051】また、前記主磁極部12a,13aには、
該主磁極部12a,13aの回転方向側端部からモータ
電機子スロット角度θの整数倍の角度(mθ)を離れて
第2弱磁束部としての第2薄肉部12d,13dを設け
ている。本実施形態では、図4に示すように、第2薄肉
部12d,13dは、主磁極部12a,13aの回転方
向側端部から時計回り方向に2θ(=60°)離れて形
成されている。そして、図4に示すように、第1薄肉部
12c,13cに前記第1ティース18aとその1つ前
のティース18aとの中間位置が位置したとき、第2薄
肉部12d,13dに第2ティース18aと第3ティー
ス18aとの中間位置が位置する。
【0052】また、前記第2薄肉部12d,13dは、
モータ回転方向において前記第1薄肉部12c,13c
と対称的に逆形状にて形成されている。言い換えれば、
第2薄肉部12d,13dと第1薄肉部12c,13c
は、回転方向における厚さの変化が相反している。つま
り、第1薄肉部12c,13cは回転方向に沿ってだん
だん厚くなる(磁束が徐々に増加する)に対して、第2
薄肉部12d,13dは反回転方向に沿ってだんだん厚
くなる(磁束が徐々に増加する)。なお、本実施形態で
は、第1薄肉部12c,13cは、主磁極部12a,1
3aと延長部12b,13bとの境界近傍部分を切り欠
いて形成されるものとすれば、第2薄肉部12d,13
dを形成するために切り欠く部分の体積は、第1薄肉部
12c,13cを形成するために切り欠いた部分の体積
と同じに設定されている。
【0053】ここで、整流時の電機子コイル19によっ
て巻装される電機子コア18(5つのティース18a)
とマグネット12,13との位置関係を図5を用いて説
明する。なお、マグネット12とマグネット13は電機
子中心に対して対称に配置されているため、説明の便宜
上、電機子コア18(5つのティース18a)とマグネ
ット12との位置関係のみ説明する。
【0054】図5に示すように、電機子14が回転して
電機子コア18のコア先端(つまり第1ティース18a
のティースバー先端)がマグネット12の薄肉部12c
にさしかかるとき、1つのセグメント15aに当接して
いるブラシ16が隣接の他のセグメント15aを当接し
始める。つまり、電機子コイル19の整流は開始する。
言い換えれば、ブラシ16が整流状態に入る瞬間に電機
子コア18のコア先端(つまり反第2ティース18a側
の第1ティース18aのティースバー先端)がマグネッ
ト12の薄肉部12cにさしかかるようになる。このと
き、第2ティース18a側の第3ティース18aのティ
ースバー先端がマグネット12の薄肉部12dにさしか
かるようになる。
【0055】そして、電機子14が図5の回転位置から
反時計回り方向へ回転すると、電機子コイル19を流れ
る電流の方向が反転する。この整流時において、電機子
コア18の先端に対向する延長部12bは、整流区間の
30°の角度に対応する部分で徐々に厚くなるように形
成されている。従って、整流中の電機子コイル19を通
過する磁束量は、電機子14の回転に応じて徐々に増加
する。またこのとき、磁束量の増加率は回転に応じて徐
々に増加する。このように、整流中の電機子コイル19
を通過する磁束量が変化するため、電機子コイル19に
発生する誘起電圧は、整流初期時が小さく電機子14の
回転位置に応じてマイナス側に徐々に大きくなる。そし
て、この誘起電圧によって、リアクタンス電圧が打ち消
されて、不足整流が改善される。
【0056】また、図6は、本実施形態の電機子14が
電機子コイル19の整流開始時における位置(0°と
し)から1スロット分(θ)回転したときの空転トルク
Tの変化(コギングトルク)を示している。図6におい
て、第1薄肉部12c,13cの存在によって生じる空
転トルクTの変化を2点鎖線A1にて示し、第2薄肉部
12d,13dを設けることによって生じる空転トルク
Tの変化を実線A2にて示す。モータ整流がモータの回
転角度θ(=30°)内で行い、第2薄肉部12d,1
3dは、前記第1薄肉部12c,13cから角度mθ
(mは整数である)を離れて設けられているため、2点
鎖線A1及び実線A2の変化周期がともに回転角度θ
(=30°)と同じなる。また、第2薄肉部12d,1
3dと第1薄肉部12c,13cとはモータの回転方向
において対称的に逆形状にて形成されているため、実線
A2と2点鎖線A1とは互いに逆方向で変化するような
正弦曲線となる。そして、第1薄肉部12c,13cの
存在によって生じる空転トルクTの変化(コギングトル
ク)と、第2薄肉部12d,13dを設けることによっ
て生じる空転トルクTの変化(コギングトルク)とは、
互いに相殺する関係となる。これにより、モータ11に
作用されるトータルのコギングトルクはほぼゼロとな
る。
【0057】以上記述したように、本実施の形態によれ
ば、下記のような特徴を有する。 (1) 主磁極部12a,13aには、第1薄肉部12
c,13cからモータ電機子スロット角度θの整数倍の
角度mθ(m=2)を離れて第2薄肉部12d,13d
を設けた。その第2薄肉部12d,13dの回転方向に
おける厚さの変化が第1薄肉部12c,13cと反対し
ている。
【0058】従って、電機子コイル19の整流時に、第
1薄肉部12c,13cの存在によって生じたコギング
トルクを相殺するコギングトルクが第2薄肉部12d,
13dを設けることによって生じる。その結果、モータ
11のコギングトルクの低減を図ることができ、モータ
回転時の円滑な回転及び騒音の低減を図ることができ
る。
【0059】(2) 第2薄肉部12d,13dを形成
するために切り欠く部分の体積は、第1薄肉部12c,
13cを形成するために切り欠いた部分の体積と同じに
設定されている。従って、第1薄肉部12c,13cの
存在によって生じたコギングトルクと、第2薄肉部12
d,13dを設けることによって生じるコギングトルク
との大きさは同じとなり、両者の相殺によりモータ11
に作用されるトータルのコギングトルクはほぼゼロとな
る。その結果、モータ回転時の円滑な回転及び騒音の低
減を確実に図ることができる。
【0060】(3) マグネット12,13の主磁極部
12a,13aに第2薄肉部12d,13dを設けるこ
とによりコギングトルクを低減することができるため、
製造も容易でコスト的にも有利である。
【0061】(4) 電機子14を挟んで対向配置され
る2つのマグネット12,13は電機子14中心軸に点
対称に形成されている。従って、モータ11の磁気発生
をバランスよく保つことができる。
【0062】なお、本実施形態では、第1薄肉部12
c,13cから第2薄肉部12d,13dの離間角度m
θは、第1薄肉部12c,13cの磁束最小点(主磁極
部12a,13aと延長部12b,13bとの境界)か
ら第2薄肉部12d,13dの磁束最小点までの離間角
度を言う。
【0063】尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施
してもよい。 ○第1の実施形態においては、図7に示すように、マグ
ネット22,23を構成する主磁極部22a,23a
を、所定円弧角度δ1(=θ×{n−1−(1/2)}
+t/2=30°×{5−1−(1/2)}+t/2=
105°+t/2)に対応した長さにて形成してもよ
い。ここで、tは隣り合うティース28aの両近接ティ
ースバー先端間の開度角である。そして、整流中の電機
子コイル29が巻装される5つのティース28aの第1
ティース28aの中心線に対応する位置が主磁極部22
a,23aの回転方向側端部に位置したとき、主磁極部
22a,23aの回転方向逆側端部が第4ティース28
a側の第5ティース28aのティースバー先端に位置す
る。この場合、電機子コイル29の整流開始時、主磁極
部22a,23aの回転方向逆側端部は電機子コイル2
9が巻装された第5ティース28aの中心線位置に離れ
て位置するため、ブロアモータ21のコギングトルクを
低減することができ、モータ回転時の円滑な回転及び騒
音の低減を図ることができる。
【0064】○第1の実施形態においては、図8に示す
ように、マグネット32,33を構成する主磁極部32
a,33aを、所定円弧角度δ2(=θ×{n−1−
(1/2)}−t/2=30°×{5−1−(1/
2)}−t/2=105°−t/2)に対応した長さに
て形成してもよい。ここで、tは隣り合うティース38
aの両近接ティースバー先端間の開度角である。そし
て、整流中の電機子コイル39が巻装される5つのティ
ース38aの第1ティース38aの中心線に対応する位
置が主磁極部32a,33aの回転方向側端部に位置し
たとき、主磁極部32a,33aの回転方向逆側端部が
第5ティース38a側の第4ティース38aのティース
バー先端に位置する。この場合、電機子コイル39の整
流開始時、主磁極部32a,33aの回転方向逆側端部
は電機子コイル39が巻装された第5ティース38aの
中心線位置に離れて位置するため、ブロアモータ31の
コギングトルクを低減することができ、モータ回転時の
円滑な回転及び騒音の低減を図ることができる。
【0065】○第1の実施形態においては、図示しない
が、マグネットを構成する主磁極部を、所定円弧角度δ
3(δ3≠δ、δ2<δ3<δ1)に対応した長さにて
形成してもよい。そして、整流中の電機子コイルが巻装
される5つのティースの第1ティースの中心線に対応す
る位置が主磁極部の回転方向側端部に位置したとき、主
磁極部の回転方向逆側端部が第5ティースと第4ティー
スとの中間位置を除いた第5ティースと第4ティースと
の間の任意位置に位置する。この場合、第1の実施形態
及び上記別例とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0066】○第1の実施形態及び上記各別例では、整
流時において、電機子コイルを通過する合成磁束量を増
加させるべく、マグネットの延長部の厚さを変更するも
のであったが、これに限定するものではない。例えば、
図9に示すように、厚さが一定のマグネット40におい
て、主磁極部40aと延長部40bとの境界Aにおける
磁気双極子の着磁強弱を変更して具体化してもよい。ま
た、図10に示すように、厚さが一定のマグネット50
において、主磁極部50aと延長部50bとの境界Bに
おける磁気双極子の配向を変更して具体化してもよい。
さらに、図11に示すように、マグネット60の厚さを
均一させるように、主磁極部60aと延長部60bとの
間の薄肉部60cに弱着磁材料60dを埋め込んで形成
してもよい。これらの場合、第1の実施形態及び上記各
別例と同様な効果を得ることができる。
【0067】○第2の実施形態においては、図12に示
すように、主磁極部72a,73aに、第2弱磁束部を
構成する薄肉部72e,73eと薄肉部72f,73f
及び薄肉部72g,73gを設けてもよい。詳述する
と、主磁極部72a,73aには、前記第1薄肉部72
c,73cから30°(θ)を離れて薄肉部72e,7
3e、前記第1薄肉部72c,73cから60°(2
θ)を離れて薄肉部72f,73f、前記第1薄肉部7
2c,73cから90°(3θ)を離れて薄肉部72
g,73gを、それらの厚さの変化が前記薄肉部72
c,72dと反対するように主磁極部72a,73aの
内側面を切り欠いて設ける。しかも、薄肉部72e,7
3eと薄肉部72f,73f及び薄肉部72g,73g
を形成するために主磁極部72a,73aの内側面を切
り欠いた各部分の体積の総積分値は、前記第2弱磁束部
としての第2薄肉部72d,73dを形成するために切
り欠いた体積の値と同じしている。この場合、薄肉部7
2e,73eと薄肉部72f,73f及び薄肉部72
g,73gによるコギングトルクの大きさは第1薄肉部
72c,73cによるコギングトルクの大きさと同じと
なり、同じ回転角度におけるコギングトルクの生成方向
は互いに逆となる。
【0068】その結果、第2の実施形態とほぼ同様な効
果を得ることができるとともに、薄肉部72e,73e
と薄肉部72f,73f及び薄肉部72g,73gを、
第1薄肉部72c,73cより浅く主磁極部72a,7
3aの内側面を切り欠いて形成しているため、マグネッ
ト72,73全体の剛性低下を防止できる。
【0069】なお、薄肉部72e,73eと薄肉部72
f,73f及び薄肉部72g,73gのうち、いずれか
一つの薄肉部を省略して実施してもよい。この場合、残
る二つの薄肉部を、該二つの薄肉部によるコギングトル
クの大きさは第1薄肉部72c,73cによるコギング
トルクの大きさと同じになるように形成すればよい。
【0070】○また、第2の実施形態の第2薄肉部12
d,13d、又は、上記別例の薄肉部72e,73eと
薄肉部72f,73f及び薄肉部72g,73gあるい
はその中の二つの薄肉部を、それらによる空転トルクT
の変化(コギングトルク)は図6に一点鎖線A3で示す
ように、第1薄肉部12c(72c),13c(73
c)によるコギングトルクより小さくなるように形成し
てもよい。この場合、両者のコギングトルクの相殺によ
りモータに作用されるトータルのコギングトルクはゼロ
にならないが、コギングトルクの低減を図ることができ
る。
【0071】○第2の実施形態では、第2薄肉部12
d,13dは、第1薄肉部12c,13cから角度2θ
(m=2)離れて主磁極部12a,13aに形成され
た。これに対して、第2薄肉部12d,13dを、第1
薄肉部12c,13cから角度0°(m=0)又はθ
(m=1)あるいは3θ(m=3)離れて主磁極部12
a,13aに形成してもよい。
【0072】○第2の実施形態及び別例では、マグネッ
ト12(72)の第2弱磁束部とマグネット13(7
3)の第2弱磁束部は、それぞれ第1弱磁束部から同じ
角度離れて形成された、つまり同一の角度mθにて実施
した。これに対して、マグネット12(72)の第2弱
磁束部がマグネット12(72)の第1弱磁束部から離
れた角度と、マグネット13(73)の第2弱磁束部が
マグネット13(73)の第1弱磁束部から離れた角度
を異なる角度にて実施してもよい。つまり、マグネット
12(72)の第2弱磁束部がマグネット12(72)
の第1弱磁束部から離れた角度をmθにするとき、マグ
ネット13(73)の第2弱磁束部がマグネット13
(73)の第1弱磁束部から離れた角度をm’θ(m’
≠m)にしてもよい。
【0073】○同様に、第2の実施形態においては、図
示しないが、厚さが一定のマグネット12(72),1
3(73)において、第1及び第2弱磁束部を磁気双極
子の着磁強弱又は方向を変更して形成してもよい。ま
た、マグネット12(72),13(73)の厚さを均
一させるように、前記第1及び第2弱磁束部における切
り欠いた部分に弱着磁材料を埋め込んで形成してもよ
い。この場合、上記実施形態とほぼ同様な効果を得るこ
とができる。
【0074】○第2の実施形態では、主磁極部12a
(72a),13a(73a)は、モータ電機子スロッ
ト角度θの整数倍となる開角度(4θ=120°)に対
応した長さにて形成された。これに対して、主磁極部1
2a(72a),13a(73a)を、モータ電機子ス
ロット角度θの{n−1−(1/2)}倍となる開角度
に対応した長さにて形成してもよい。ここで、nは同一
電機子コイルが巻装されるティースの個数である。つま
り、主磁極部12a(72a),13a(73a)を、
モータ電機子スロット角度θの{n−1−(1/2)}
(=5−1−(1/2)=3.5)倍となる開角度
(3.5×30°=105°)に対応した長さにて形成
してもよい。この場合、各薄肉部により生じるコギング
トルクが小さくなる。
【0075】○また、主磁極部12a(72a),13
a(73a)を、モータ電機子スロット角度θの{n−
1−(1/2)±t/2}倍となる開角度に対応した長
さにて形成してもよい。ここで、nは同一電機子コイル
が巻装されるティースの個数であり、tは隣り合うティ
ースの両近接ティースバー先端間の開度角である。
【0076】○上記各実施形態及び別例では、弱磁束部
の形成としてマグネットをその内側面から切り欠いて薄
肉状にしていたが、図13(a)(b)に示すように、
弱磁束部はマグネットをその外周面からくり抜いて形成
してもよい。詳述すると、マグネット82の外周面82
aの所定場所に凹部82bを形成する。その凹部82b
は前記外周面82aからマグネット82をくり抜くこと
によって形成される。これによれば、扇形のマグネット
82に対して後加工で弱磁束部(凹部)82bを形成す
るとき、外周面82aから切削を行うので、切削工具の
作業範囲が制限されず、切削作業が容易である。また、
弱磁束部はマグネット82をその外周面82aからくり
抜いた凹部82bであるため、マグネット82の側壁8
2cを残すことで、薄肉化された部分の強度の維持がで
きる。
【0077】○本発明をティースが12個以外の複数個
設けられたモータに具体化して実施してもよい。同一電
機子コイルが巻装されるティースを5個以外のn個にて
実施してもよい。
【0078】○本発明を直流機としてのブロアモータに
具体化したが、ブロアモータ以外の直流機としてのその
他のモータに具体化してもよい。 ○上記各実施形態と別例に記載された円弧角度とは、円
弧長に対応した中心角のことを指している。
【0079】次に上記各実施形態及び別例から把握でき
る技術的思想について以下に追記する。 (1)等角度間隔に設けられた複数のティースを有する
電機子コアに電機子コイルを巻装して構成される電機子
と、前記電機子を挟んで対向配置されるマグネットとを
備え、前記マグネットは、主磁極部及び該主磁極部との
境界近傍に第1弱磁束部を有し電機子の回転方向に向か
って徐々に磁束が増加する前記ティース角度である延長
部とからなり、整流中にブラシでコンミュテータのコン
ミ片を短絡して前記電機子コイルの電流の向きが反転す
る直流機において、電機子コイルが巻装されるn個のテ
ィースの回転方向側第1ティースのティースバー先端が
第1弱磁束部に配置されるとき、該電機子コイルを結線
した両セグメントがブラシにより短絡し始まるようにそ
のブラシの位置を設置したことを特徴とする直流機。
【0080】従って、第1弱磁束部を有するマグネット
に対してブラシを適正な位置に設置したので、整流が良
好に行われ、火花の発生を抑制できる。
【0081】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
直流機のコギングトルクを大きく低減することができ、
直流機回転時の円滑な回転及び騒音の低減を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の直流モータの概略構成を示
す部分断面図。
【図2】 第1の実施形態の整流開始時における直流モ
ータの概略構造を示す部分断面図。
【図3】 第1の実施形態の直流モータのコギングトル
クを示すグラフ。
【図4】 第2の実施形態の直流モータの概略構成を示
す部分断面図。
【図5】 第2の実施形態の整流開始時における直流モ
ータの概略構造を示す部分断面図。
【図6】 第2の実施形態の直流モータのコギングトル
クを示すグラフ。
【図7】 別例の直流モータの概略構成を示す部分断面
図。
【図8】 別例の直流モータの概略構成を示す部分断面
図。
【図9】 別例のマグネットを示す説明図。
【図10】別例のマグネットを示す説明図。
【図11】別例のマグネットを示す説明図。
【図12】別例の直流モータの概略構成を示す部分断面
図。
【図13】別例のマグネットを示す(a)要部斜視図、
(b)要部平面図。
【符号の説明】
1,11,21,31,71…直流機としてのブロアモ
ータ、2,12,22,32,72,3,13,23,
33,73…マグネット、2a,12a,22a,32
a,72a,3a,13a,23a,33a,73a…
主磁極部、2b,12b,22b,32b,72b,3
b,13b,23b,33b,73b…延長部、2c,
12c,22c,32c,72c,3c,13c,23
c,33c,73c…第1弱磁束部としての第1薄肉
部、12d,72e,72f,72g,13d,73
e,73f,73g…第2弱磁束部としての第2薄肉
部、4,14,24,34,74…電機子、5,15,
25,35,75…コンミュテータ、5a,15a,2
5a,35a,75a…コンミ片としてのセグメント、
6,16,26,36,76…ブラシ、8,18,2
8,38,78…電機子コア、8a,18a,28a,
38a,78a…ティース、9,19,29,39,7
9…電機子コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷野 利弘 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 Fターム(参考) 5H623 AA03 AA05 BB07 GG13 GG15 GG22 GG28 LL09 LL19

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等角度間隔に設けられた複数のティース
    を有する電機子コアに電機子コイルを巻装して構成され
    る電機子と、前記電機子を挟んで対向配置されるマグネ
    ットとを備え、 前記マグネットは、主磁極部及び該主磁極部との境界近
    傍に第1弱磁束部を有し電機子の回転方向に向かって徐
    々に磁束が増加する前記ティース角度である延長部とか
    らなり、 整流中にブラシでコンミュテータのコンミ片を短絡して
    前記電機子コイルの電流の向きが反転する直流機におい
    て、 整流開始時に前記電機子コイルが巻装される前記複数の
    ティースの回転方向側第1ティースのティースバー先端
    が前記第1弱磁束部に配置されることを特徴とする直流
    機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の直流機において、 前記主磁極部を、整流中の電機子コイルが巻装されるn
    個のティースの第1ティースの中心線に対応する位置が
    該主磁極部の回転方向側端部に位置したとき、該主磁極
    部の回転方向逆側端部が第nティースと第(n−1)テ
    ィースとの間に位置するよう所定円弧角度に対応した長
    さにて形成したことを特徴とする直流機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の直流機におい
    て、 前記主磁極部には、前記第1弱磁束部から前記ティース
    角度の整数倍角度を離れて前記電機子の回転方向と反対
    する方向に向かって徐々に磁束が増加する第2弱磁束部
    を設けたことを特徴とする直流機。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の直流機において、 前記第2弱磁束部は、前記第1弱磁束部から前記ティー
    ス角度の整数倍角度を離れて主磁極部に一箇所設けたこ
    とを特徴とする直流機。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の直流機において、 前記第2弱磁束部は、前記第1弱磁束部から前記ティー
    ス角度の整数倍角度を離れて主磁極部に複数箇所設けら
    れていることを特徴とする直流機。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれか1に記載の直
    流機において、 前記第2弱磁束部を形成するために主磁極部の内側面を
    切り欠く部分の体積は、第1弱磁束部を形成するために
    主磁極部の端部から延長部の内側面を切り欠いた部分の
    体積と同じに設定されていることを特徴とする直流機。
  7. 【請求項7】 請求項2乃至6のいずれか1に記載の直
    流機において、 前記主磁極部を、整流中の電機子コイルが巻装されるn
    個のティースの第1ティースの中心線に対応する位置が
    該主磁極部の回転方向側端部に位置したとき、該主磁極
    部の回転方向逆側端部が第nティースと第(n−1)テ
    ィースとの間の中間位置に位置するよう所定円弧角度に
    対応した長さにて形成したことを特徴とする直流機。
  8. 【請求項8】 請求項2乃至6のいずれか1に記載の直
    流機において、 前記主磁極部を、整流中の電機子コイルが巻装されるn
    個のティースの第1ティースの中心線に対応する位置が
    該主磁極部の回転方向側端部に位置したとき、該主磁極
    部の回転方向逆側端部が第(n−1)ティース側の第n
    ティースのティースバー先端位置に位置するよう所定円
    弧角度に対応した長さにて形成したことを特徴とする直
    流機。
  9. 【請求項9】 請求項2乃至6のいずれか1に記載の直
    流機において、 前記主磁極部を、整流中の電機子コイルが巻装されるn
    個のティースの第1ティースの中心線に対応する位置が
    該主磁極部の回転方向側端部に位置したとき、該主磁極
    部の回転方向逆側端部が第nティース側の第(n−1)
    ティースのティースバー先端位置に位置するよう所定円
    弧角度に対応した長さにて形成したことを特徴とする直
    流機。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか1に記載の
    直流機において、 前記コンミ片間角度と、ブラシとコンミ片との当接幅に
    対応する当接幅角度は、前記ティース間角度と同じ値に
    設定されていることを特徴とする直流機。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1に記載
    の直流機において、 前記電機子を挟んで対向配置されるマグネットは2つ設
    けられ、該2つのマグネットは電機子中心軸に点対称に
    形成されていることを特徴とする直流機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100468924C (zh) * 2003-06-10 2009-03-11 阿斯莫株式会社 具有连续排列的磁极的直流电机

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