JP2002112449A - 低圧接地電路の漏電検出保護方法と装置 - Google Patents
低圧接地電路の漏電検出保護方法と装置Info
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- JP2002112449A JP2002112449A JP2000295594A JP2000295594A JP2002112449A JP 2002112449 A JP2002112449 A JP 2002112449A JP 2000295594 A JP2000295594 A JP 2000295594A JP 2000295594 A JP2000295594 A JP 2000295594A JP 2002112449 A JP2002112449 A JP 2002112449A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高層ビルなどの複数の変電室に設置された変
圧器の二次側接地を共通接地方式とした場合、他の変電
室の変圧器の二次側で過地絡事故があったとき、別の変
電室の継電リレーが不必要動作をする場合があり、これ
を防止する必要がある。 【解決手段】 各相と大地間に補正用コンデンサ4を設
けて電路の対地静電容量に流れる充電々流に比例した補
正電流を得、この補正電流を零相変流器2で検出する充
電々流を相殺し過地絡時の充電々流による不必要動作を
防止する。
圧器の二次側接地を共通接地方式とした場合、他の変電
室の変圧器の二次側で過地絡事故があったとき、別の変
電室の継電リレーが不必要動作をする場合があり、これ
を防止する必要がある。 【解決手段】 各相と大地間に補正用コンデンサ4を設
けて電路の対地静電容量に流れる充電々流に比例した補
正電流を得、この補正電流を零相変流器2で検出する充
電々流を相殺し過地絡時の充電々流による不必要動作を
防止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧接地電路にお
ける一線接地電路の漏電検出保護技術に関し、特に、複
数変電室の変圧器の二次接地を共通接地とした場合の、
他の変電室での過地絡事故時に不必要な動作を行わない
ようにした漏電検出保護方法と装置に関する。
ける一線接地電路の漏電検出保護技術に関し、特に、複
数変電室の変圧器の二次接地を共通接地とした場合の、
他の変電室での過地絡事故時に不必要な動作を行わない
ようにした漏電検出保護方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高層ビルなどのように、多数の変
電室(変電所)(例えば、各階に)が設けられ、各変電
室の変圧器の二次接地を共通の接地線で接地する共通接
地方式がとられている場合が多い。その際、他の変電室
の変圧器の二次側で地絡事故が生じたとき、別の健全な
変電室の漏電検出器が不必要な動作をする事例が多発し
ている。
電室(変電所)(例えば、各階に)が設けられ、各変電
室の変圧器の二次接地を共通の接地線で接地する共通接
地方式がとられている場合が多い。その際、他の変電室
の変圧器の二次側で地絡事故が生じたとき、別の健全な
変電室の漏電検出器が不必要な動作をする事例が多発し
ている。
【0003】その原因は、共通接地のB種接地の接地抵
抗に事故電流が流れ、B種接地の接地抵抗により電圧が
発生し、その発生した電圧上昇分により充電々流が増加
し、漏電リレーの設定値を超えて不必要な動作をするも
のである。
抗に事故電流が流れ、B種接地の接地抵抗により電圧が
発生し、その発生した電圧上昇分により充電々流が増加
し、漏電リレーの設定値を超えて不必要な動作をするも
のである。
【0004】この現象を図5および図6によって詳細に
説明する。図5は高層ビルに複数の変電室が設置され、
各変電室に設置されている変圧器の二次側の一線は共通
接地線で接地した場合の模式図で、高層ビルHB内にA
変電室〜D変電室の複数の変電室が設けられ、各変電室
の変圧器の二次側の一線は共通接地線ELでB種接地さ
れている。EBはこのB種接地を示している。
説明する。図5は高層ビルに複数の変電室が設置され、
各変電室に設置されている変圧器の二次側の一線は共通
接地線で接地した場合の模式図で、高層ビルHB内にA
変電室〜D変電室の複数の変電室が設けられ、各変電室
の変圧器の二次側の一線は共通接地線ELでB種接地さ
れている。EBはこのB種接地を示している。
【0005】図6は図5中のC変電室内の変圧器の二次
側が△結線され、A変電室内の変圧器の二次側が単相3
線により配電され、△結線のv相と単相3線の中性点と
を共通接地線ELでB種接地した場合の例で、このよう
に共通接地された場合においてA変電室の電路wのF点
で過地絡事故が発生したとき、C変電室内の漏電リレー
が不必要な動作をする場合がある。
側が△結線され、A変電室内の変圧器の二次側が単相3
線により配電され、△結線のv相と単相3線の中性点と
を共通接地線ELでB種接地した場合の例で、このよう
に共通接地された場合においてA変電室の電路wのF点
で過地絡事故が発生したとき、C変電室内の漏電リレー
が不必要な動作をする場合がある。
【0006】その理由は、A変電室の配電線の電路wで
過地絡事故が発生すると、接地電流Igは、地絡点Fか
ら点線で示すようにB種接地EB−共通接地線EL−中性
点N−電路wを通して流れる。
過地絡事故が発生すると、接地電流Igは、地絡点Fか
ら点線で示すようにB種接地EB−共通接地線EL−中性
点N−電路wを通して流れる。
【0007】この地絡電流Igが大きいと(過地絡)、
B種接地EBの接地抵抗RBにより高い電圧が発生する。
例えば、接地抵抗10Ωで地絡電流10Aの場合は、1
00Vが発生する。この電圧はC変電室の接地点の電圧
を上昇させ、その電圧上昇分により、対地静電容量C
w,Cuに流れる電流が増加し、また事故が無い状態で
は流れていなかった接地相(v相)の対地静電容量Cv
にも電流が流れ、零相変流器ZCTはこれらを検出して
C変電室内に設置されている漏電リレーの設定値を超え
ると当該漏電リレーは動作し、遮断器を遮断することに
なる。この動作はC変電室内が健全時の動作であるから
不必要動作となる。
B種接地EBの接地抵抗RBにより高い電圧が発生する。
例えば、接地抵抗10Ωで地絡電流10Aの場合は、1
00Vが発生する。この電圧はC変電室の接地点の電圧
を上昇させ、その電圧上昇分により、対地静電容量C
w,Cuに流れる電流が増加し、また事故が無い状態で
は流れていなかった接地相(v相)の対地静電容量Cv
にも電流が流れ、零相変流器ZCTはこれらを検出して
C変電室内に設置されている漏電リレーの設定値を超え
ると当該漏電リレーは動作し、遮断器を遮断することに
なる。この動作はC変電室内が健全時の動作であるから
不必要動作となる。
【0008】このような不必要動作は、共通接地方式で
あれば、同一変電室内に複数の変圧器が設置されていて
他の変圧器の二次側で過地絡事故が発生した場合にも起
こり得る。
あれば、同一変電室内に複数の変圧器が設置されていて
他の変圧器の二次側で過地絡事故が発生した場合にも起
こり得る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本願の発明者は、上記
のような不必要動作を防止するために種々の手段を試み
た。
のような不必要動作を防止するために種々の手段を試み
た。
【0010】Y結線の中性点接地電路の場合も、充電々
流が増加すると不必要動作を起こすおそれがあるが、Y
結線の場合は中性点と大地間の電圧Veと、事故時に流
れる零相電流Ioとの位相比較で負荷側事故か否かを比
較的簡単に判別することができる。
流が増加すると不必要動作を起こすおそれがあるが、Y
結線の場合は中性点と大地間の電圧Veと、事故時に流
れる零相電流Ioとの位相比較で負荷側事故か否かを比
較的簡単に判別することができる。
【0011】即ち、他の電路の地絡事故の場合、自回路
の(又は負荷側の)零相電流Ioは充電々流であるから
事故時の中性点と大地間の電圧Veに対して進み90°
位相となり、負荷側の事故の場合は、VeとIoはほぼ
180°逆位相となる。
の(又は負荷側の)零相電流Ioは充電々流であるから
事故時の中性点と大地間の電圧Veに対して進み90°
位相となり、負荷側の事故の場合は、VeとIoはほぼ
180°逆位相となる。
【0012】従って、中性点と大地間の電圧を検出する
ようにしておき、この電圧と零相変流器に流れる電流と
を位相を比較することで不必要動作を防止することがで
きた。
ようにしておき、この電圧と零相変流器に流れる電流と
を位相を比較することで不必要動作を防止することがで
きた。
【0013】しかし、△結線および単相の一線接地電路
ではY結線のように中性点は無く、接地点はu、v、w
相の何れかとなり、他の電路の過地絡時に接地点と大地
間の電圧と零相電流を位相比較しても充電々流は進み9
0°位相とはならず、他の電路の事故をおこした相によ
り変化し不定となる。
ではY結線のように中性点は無く、接地点はu、v、w
相の何れかとなり、他の電路の過地絡時に接地点と大地
間の電圧と零相電流を位相比較しても充電々流は進み9
0°位相とはならず、他の電路の事故をおこした相によ
り変化し不定となる。
【0014】また、何等かの方法で中性点を作りその中
性点と大地間の電圧と零相電流とを位相比較する方法も
考えられるが、他の電路の事故相によっては充電々流と
事故電流が同相となる場合があり位相比較だけでは判別
できないことが判明した。
性点と大地間の電圧と零相電流とを位相比較する方法も
考えられるが、他の電路の事故相によっては充電々流と
事故電流が同相となる場合があり位相比較だけでは判別
できないことが判明した。
【0015】また、電路の中性点と大地間の電圧をVo
として取り出し、この電圧Voと同相分の電流Ioを算
出して抵抗成分電流Igrを求め、この抵抗成分電流I
gr分で漏電リレーを動作させることも試みたが、過地
絡事故でないときは問題はないが、過地絡事故時におい
てはB種接地抵抗により接地相と大地間に電圧Veが発
生するため、正確な値ではなくなる。
として取り出し、この電圧Voと同相分の電流Ioを算
出して抵抗成分電流Igrを求め、この抵抗成分電流I
gr分で漏電リレーを動作させることも試みたが、過地
絡事故でないときは問題はないが、過地絡事故時におい
てはB種接地抵抗により接地相と大地間に電圧Veが発
生するため、正確な値ではなくなる。
【0016】即ち、真の抵抗成分電流Igrの値は、地
絡した相と大地間とに発生した絶縁抵抗分による電流分
であるから、地絡した相と大地間の電圧と同相の電流と
なり、過地絡事故時は、中性点と大地間の電圧Voとの
同相分を求めてもそれは真の低抗成分電流Igrの値で
はなく、実際のIgr分より小さくなり、検出できない
場合がある。
絡した相と大地間とに発生した絶縁抵抗分による電流分
であるから、地絡した相と大地間の電圧と同相の電流と
なり、過地絡事故時は、中性点と大地間の電圧Voとの
同相分を求めてもそれは真の低抗成分電流Igrの値で
はなく、実際のIgr分より小さくなり、検出できない
場合がある。
【0017】以上の点に鑑み本発明は、一線接地電路の
共通接地でも不必要動作の無い漏電検出保護方法と装置
を提供することを目的とする。
共通接地でも不必要動作の無い漏電検出保護方法と装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】過地絡時における不必要
動作は、過地絡時に、B種接地低抗に流れる電流で電位
が上昇し、その上昇分の電圧によって対地静電容量に流
れる充電々流が増加することによって生ずることに着目
し、本発明はこの過地絡時に増加する充電々流を減殺す
ることで上記の不必要動作を防止するようにしたもので
ある。
動作は、過地絡時に、B種接地低抗に流れる電流で電位
が上昇し、その上昇分の電圧によって対地静電容量に流
れる充電々流が増加することによって生ずることに着目
し、本発明はこの過地絡時に増加する充電々流を減殺す
ることで上記の不必要動作を防止するようにしたもので
ある。
【0019】即ち、低圧一線接地電路の零相電流を検出
する零相電流検出手段と、該零相電流検出手段の検出信
号を入力し、その値があらかじめ設定した設定値に達し
たとき動作する漏電リレーと、前記電路の各相と大地間
に設けた補正用コンデンサを備え、該補正用コンデンサ
で、電路の対地静電容量に流れる充電々流に比例した補
正電流を得、該補正電流を零相電流検出手段で検出する
充電々流を減殺して、充電々流によって生ずる過地絡時
の不必要動作をなくするようにする。
する零相電流検出手段と、該零相電流検出手段の検出信
号を入力し、その値があらかじめ設定した設定値に達し
たとき動作する漏電リレーと、前記電路の各相と大地間
に設けた補正用コンデンサを備え、該補正用コンデンサ
で、電路の対地静電容量に流れる充電々流に比例した補
正電流を得、該補正電流を零相電流検出手段で検出する
充電々流を減殺して、充電々流によって生ずる過地絡時
の不必要動作をなくするようにする。
【0020】この充電電流を減殺する手段は、零相電流
検出手段によって行ってもよいし、又は漏電リレー内の
演算処理によって行ってもよい。
検出手段によって行ってもよいし、又は漏電リレー内の
演算処理によって行ってもよい。
【0021】このようにすることで、見掛上の充電々流
を減少することができるため、不必要動作が防止できる
とともに、漏電リレーの感度整定値を高感度に整定する
ことができる。
を減少することができるため、不必要動作が防止できる
とともに、漏電リレーの感度整定値を高感度に整定する
ことができる。
【0022】低圧接地電路の漏電検出保護装置として
は、低圧一線接地電路の零相電流を検出する零相変流器
と、該零相変流器で検出した零相電流を入力し、その値
があらかじめ設定した設定値に達したとき動作する漏電
リレーと、前記電路の各相と大地間に設けた補正用コン
デンサを備え、該補正用コンデンサで補正電流を得、こ
の補正電流を零相変流器の一次側に零相電流を減殺する
方向に挿入して構成する。
は、低圧一線接地電路の零相電流を検出する零相変流器
と、該零相変流器で検出した零相電流を入力し、その値
があらかじめ設定した設定値に達したとき動作する漏電
リレーと、前記電路の各相と大地間に設けた補正用コン
デンサを備え、該補正用コンデンサで補正電流を得、こ
の補正電流を零相変流器の一次側に零相電流を減殺する
方向に挿入して構成する。
【0023】上記の補正用コンデンサはその静電容量を
小さくし、零相変流器の一次側に調整用導体を複数回巻
回して貫通し、該調整用導体に補正電流を零相電流を減
殺する方向に流すように構成することで、補正用コンデ
ンサの容量を電路の対地静電容量の何分の一の容量で実
現できる。
小さくし、零相変流器の一次側に調整用導体を複数回巻
回して貫通し、該調整用導体に補正電流を零相電流を減
殺する方向に流すように構成することで、補正用コンデ
ンサの容量を電路の対地静電容量の何分の一の容量で実
現できる。
【0024】また、一次側に補正電流を流す調整用導
体、二次側に調整した補正電流を得る2次巻線を有する
変流器を設け、この2次巻線を零相変流器の二次側に零
相電流を減殺する方向に並列接続するか、又は両二次側
の出力信号を漏電リレー内で合成するようにしてもよ
い。
体、二次側に調整した補正電流を得る2次巻線を有する
変流器を設け、この2次巻線を零相変流器の二次側に零
相電流を減殺する方向に並列接続するか、又は両二次側
の出力信号を漏電リレー内で合成するようにしてもよ
い。
【0025】また、上記の調整用導体は、複数巻回した
導体からなり切替手段により巻回数を調整可能に構成す
ることが好ましく、このように構成し、見掛上の調整電
流を増加することにより補正用コンデンサの静電容量を
電路の対地静電容量の何分の一かにすることができる。
導体からなり切替手段により巻回数を調整可能に構成す
ることが好ましく、このように構成し、見掛上の調整電
流を増加することにより補正用コンデンサの静電容量を
電路の対地静電容量の何分の一かにすることができる。
【0026】なお、本発明は過地絡による充電々流の増
加は、B種接地抵抗に生じる電圧上昇による増加分であ
るから、三相三線の△結線の一線接地、△結線の一相の
中間点接地、Y結線の中性線接地、単相三線の中性線接
地、および単相二線の一線接地の各電路に用いることが
できる。
加は、B種接地抵抗に生じる電圧上昇による増加分であ
るから、三相三線の△結線の一線接地、△結線の一相の
中間点接地、Y結線の中性線接地、単相三線の中性線接
地、および単相二線の一線接地の各電路に用いることが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。
によって説明する。
【0028】図1は請求項1および2記載の発明の実施
の形態の回路図で、図面において1は変電室内の変圧器
を示し、二次側は△結線され、そのu、v、w相の中の
v相がB種接地されている。EBはこのB種接地点を示
し、RBはB種接地抵抗を示している。
の形態の回路図で、図面において1は変電室内の変圧器
を示し、二次側は△結線され、そのu、v、w相の中の
v相がB種接地されている。EBはこのB種接地点を示
し、RBはB種接地抵抗を示している。
【0029】2は零相電流を検出する零相変流器、3は
零相変流器2の2次出力(検出信号)を入力し、検出信
号があらかじめ設定した設定値を超えたとき動作する漏
電リレーを示す。
零相変流器2の2次出力(検出信号)を入力し、検出信
号があらかじめ設定した設定値を超えたとき動作する漏
電リレーを示す。
【0030】4は補正用コンデンサで、接地相を含む各
相と大地間に設けられ、対地静電容量C0の充電々流に
比例する補正電流を得る。この補正電流は、零相変流器
2の一次導体と同様に挿入された導体に、零相電流とは
逆向き方向(減殺方向)に流れるようにする。
相と大地間に設けられ、対地静電容量C0の充電々流に
比例する補正電流を得る。この補正電流は、零相変流器
2の一次導体と同様に挿入された導体に、零相電流とは
逆向き方向(減殺方向)に流れるようにする。
【0031】今、他の電路で過地絡事故が発生し、B種
接地点EBに地絡電流が流れると、図6で説明したよう
に、B種接地の接地抵抗RBに高い電圧が発生し、接地
点の電圧を上昇させる。この電圧の上昇分によって対地
静電容量C0に流れる充電々流が増加し零相変流器2は
これを検出する。このとき同時に補正用コンデンサ4に
流れる補正電流も増加し、この補正電流は検出した充電
々流を打ち消す方向に零相変流器に作用するため、零相
変流器2の出力は増加しない。
接地点EBに地絡電流が流れると、図6で説明したよう
に、B種接地の接地抵抗RBに高い電圧が発生し、接地
点の電圧を上昇させる。この電圧の上昇分によって対地
静電容量C0に流れる充電々流が増加し零相変流器2は
これを検出する。このとき同時に補正用コンデンサ4に
流れる補正電流も増加し、この補正電流は検出した充電
々流を打ち消す方向に零相変流器に作用するため、零相
変流器2の出力は増加しない。
【0032】このとき、接地相のv相についても充電々
流が流れるが、接地相にも補正用コンデンサを設けてあ
るので問題はない。
流が流れるが、接地相にも補正用コンデンサを設けてあ
るので問題はない。
【0033】このように、他の電路での過地絡事故によ
り対地静電容量に流れる充電々流が増加しても、その増
加分を補正電流で減殺するので、充電々流を見込んで感
度を低く設定する必要はなくなり不必要動作も防止でき
る。
り対地静電容量に流れる充電々流が増加しても、その増
加分を補正電流で減殺するので、充電々流を見込んで感
度を低く設定する必要はなくなり不必要動作も防止でき
る。
【0034】次に、自電路の負荷側で絶縁劣化が生じた
場合は、この絶縁劣化により流れる地絡電流は、抵抗成
分電流であり、補正用コンデンサ4による電流は抵抗成
分電流とは位相が90°異なるため、抵抗成分電流は減
殺されることはなく正常に検出して動作することができ
る。
場合は、この絶縁劣化により流れる地絡電流は、抵抗成
分電流であり、補正用コンデンサ4による電流は抵抗成
分電流とは位相が90°異なるため、抵抗成分電流は減
殺されることはなく正常に検出して動作することができ
る。
【0035】図2は、図6のように一方の変電所内の変
圧器1の二次側の△結線のv相と、他の変電所内の単相
変圧器1’の二次側単相3線の中性線Nとを共通接地線
ELでB種接地したものに本発明を適用した場合であ
る。
圧器1の二次側の△結線のv相と、他の変電所内の単相
変圧器1’の二次側単相3線の中性線Nとを共通接地線
ELでB種接地したものに本発明を適用した場合であ
る。
【0036】図6の場合と同様に、単相変圧器1’の電
路wのF点で地絡事故が発生すると、地絡電流Igが流
れ、その電流を零相変流器2’が検出し、その値が漏電
リレー3’の設定値を超えると漏電リレー4’は動作し
所定の保護動作をする。
路wのF点で地絡事故が発生すると、地絡電流Igが流
れ、その電流を零相変流器2’が検出し、その値が漏電
リレー3’の設定値を超えると漏電リレー4’は動作し
所定の保護動作をする。
【0037】一方、この地絡電流によってB種接地点E
Bの電圧は、接地抵抗RBによって上昇し、対地静電容量
C’0に流れる電流と補正用コンデンサ4’に流れる電
流が共に増加するが、互いに打ち消し合い、地絡電流の
検出には何等影響を与えることはない。
Bの電圧は、接地抵抗RBによって上昇し、対地静電容量
C’0に流れる電流と補正用コンデンサ4’に流れる電
流が共に増加するが、互いに打ち消し合い、地絡電流の
検出には何等影響を与えることはない。
【0038】三相変圧器1側は上述したように、地絡電
流は流れず、且つ対地静電容量に流れる充電々流は、補
正用コンデンサの充電々流に減殺され、不必要動作を起
こすことはない。
流は流れず、且つ対地静電容量に流れる充電々流は、補
正用コンデンサの充電々流に減殺され、不必要動作を起
こすことはない。
【0039】過地絡による充電々流の増加は、上述の通
りB種接地抵抗に生ずる電圧の上昇電圧分によるもので
あるから、三相三線の△結線の一線接地、△結線の中間
点接地、Y結線の中性線接地、単相三線の中性線接地、
および単相二線の一線接地の各電路に用いることができ
る。
りB種接地抵抗に生ずる電圧の上昇電圧分によるもので
あるから、三相三線の△結線の一線接地、△結線の中間
点接地、Y結線の中性線接地、単相三線の中性線接地、
および単相二線の一線接地の各電路に用いることができ
る。
【0040】図3は請求項3に記載した発明の実施の形
態の回路図を示す。
態の回路図を示す。
【0041】補正用コンデンサ4の静電容量は、電路の
負荷側の対地静電容量に見合う静電容量のコンデンサを
用意すれば良いが、実際にはそうのようなコンデンサを
用意することは困難である。そこで、本発明では、電路
の対地静電容量の何分の一かの小容量のコンデンサを用
意し、これに流れる電流を調整して対地静電容量に流れ
る充電々流に相当した補正電流を得るようにするもので
ある。
負荷側の対地静電容量に見合う静電容量のコンデンサを
用意すれば良いが、実際にはそうのようなコンデンサを
用意することは困難である。そこで、本発明では、電路
の対地静電容量の何分の一かの小容量のコンデンサを用
意し、これに流れる電流を調整して対地静電容量に流れ
る充電々流に相当した補正電流を得るようにするもので
ある。
【0042】図3の5はこの調整手段を示し、零相変流
器2を貫通する一次導体(本例では接地線EL)と同様
に複数の調整用導体5aを貫通させ、これらの調整用導
体5aを切り換えるターン切替手段5bを設け、補正用
コンデンサ4と大地(B種接地)間に挿入し、補正電流
を流すターンを可変する。
器2を貫通する一次導体(本例では接地線EL)と同様
に複数の調整用導体5aを貫通させ、これらの調整用導
体5aを切り換えるターン切替手段5bを設け、補正用
コンデンサ4と大地(B種接地)間に挿入し、補正電流
を流すターンを可変する。
【0043】例えば、図3に示すようにターン切替手段
5bは、切換接点S1〜S6と可動接触子Snからなる切
替スイッチで形成し、可動接触子Snが接点S1に接触
しているときは、1ターンに補正電流が流れ、接点S6
に接触しているときは、1〜6ターンに補正電流が流れ
るように調整可能にする。そして、この補正電流の流れ
る方向は、接地線ELに流れる零相電流とは逆方向とな
るようになし、調整用導体5aに流れる補正電流にター
ン数を乗じた電流がB種接地線ELに流れる電流とほぼ
同じになるようにターン数を調整する。勿論完全に一致
する必要は無く、漏電リレー3の設定感度値以下であれ
ばよい。
5bは、切換接点S1〜S6と可動接触子Snからなる切
替スイッチで形成し、可動接触子Snが接点S1に接触
しているときは、1ターンに補正電流が流れ、接点S6
に接触しているときは、1〜6ターンに補正電流が流れ
るように調整可能にする。そして、この補正電流の流れ
る方向は、接地線ELに流れる零相電流とは逆方向とな
るようになし、調整用導体5aに流れる補正電流にター
ン数を乗じた電流がB種接地線ELに流れる電流とほぼ
同じになるようにターン数を調整する。勿論完全に一致
する必要は無く、漏電リレー3の設定感度値以下であれ
ばよい。
【0044】このように調整手段5を設けることで、補
正用コンデンサ4は静電容量の小さいものを使用するこ
とが可能となる。
正用コンデンサ4は静電容量の小さいものを使用するこ
とが可能となる。
【0045】図4は請求項4に記載した発明の実施の形
態を示す回路図で、零相変流器2とは別の変流器6を設
け、該変流器6に調整手段7を設けて補正電流を流すよ
うにし、二次側の出力信号を零相変流器2の二次側に零
相電流を減殺する方向に並列接続したものである。
態を示す回路図で、零相変流器2とは別の変流器6を設
け、該変流器6に調整手段7を設けて補正電流を流すよ
うにし、二次側の出力信号を零相変流器2の二次側に零
相電流を減殺する方向に並列接続したものである。
【0046】変流器6は、零相変流器と同様の構成をな
し、貫通する複数の調整用導体7aと、これを切り換え
てターン数を調整するターン切替手段7bとからなり、
補正用コンデンサ4と大地(B種接地)間に挿入され
る。そして、この切替手段7bの切り替え調整によっ
て、二次側の出力信号が零相変流器2の二次側の出力信
号に見合う値に調整する。
し、貫通する複数の調整用導体7aと、これを切り換え
てターン数を調整するターン切替手段7bとからなり、
補正用コンデンサ4と大地(B種接地)間に挿入され
る。そして、この切替手段7bの切り替え調整によっ
て、二次側の出力信号が零相変流器2の二次側の出力信
号に見合う値に調整する。
【0047】この変流器6の二次出力信号と零相変流器
2の二次出力信号とは別個に取り出して漏電リレー3に
入力し、漏電リレー内で演算処理により減算するように
してもよい。
2の二次出力信号とは別個に取り出して漏電リレー3に
入力し、漏電リレー内で演算処理により減算するように
してもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明は次の効果を奏する。 (1)共通接地電路における、過地絡時の不要動作を無
くすことができる。 (2)高層ビルの各変電室に、信号配線を引き回すこと
なく個別に対応できる。 (3)既設の漏電継電器に容易に対応することができ
る。 (4)安価な漏電継電器が使えるため経済的である。 (5)各種の接地電路に対応できる。 (6)見かけ上の充電々流を小さくできるため、感度整
定値を高感度にできる。
くすことができる。 (2)高層ビルの各変電室に、信号配線を引き回すこと
なく個別に対応できる。 (3)既設の漏電継電器に容易に対応することができ
る。 (4)安価な漏電継電器が使えるため経済的である。 (5)各種の接地電路に対応できる。 (6)見かけ上の充電々流を小さくできるため、感度整
定値を高感度にできる。
【図1】本発明の請求項1および2記載の実施の形態の
回路図。
回路図。
【図2】請求項1および2記載の他の実施の形態の回路
図。
図。
【図3】本発明の請求項3記載の実施の形態の回路図。
【図4】本発明の請求項4記載の実施の形態の回路図。
1…変圧器 2…零相変流器 3…漏電リレー 4…補正用コンデンサ 5…調整手段 5a…調整用導体 5b…ターン切替手段 6…変流器 6a…調整用導体 6b…ターン切替手段 61…調整手段
Claims (5)
- 【請求項1】 低圧一線接地電路の零相電流を検出する
零相電流検出手段と、該零相電流検出手段の検出信号を
入力し、その値があらかじめ設定した設定値に達したと
き動作する漏電リレーと、前記電路の各相と大地間に設
けた補正用コンデンサを備え、該補正用コンデンサで、
電路の対地静電容量に流れる充電々流に比例した補正電
流を得、該補正電流を零相電流検出手段で検出する充電
々流を減殺して、充電々流によって生ずる過地絡時の不
必要動作をなくするようにしたことを特徴とする低圧接
地電路の漏電検出保護方法。 - 【請求項2】 低圧一線接地電路の零相電流を検出する
零相変流器と、該零相変流器で検出した零相電流を入力
し、その値があらかじめ設定した設定値に達したとき動
作する漏電リレーと、前記電路の各相と大地間に設けた
補正用コンデンサを備え、該補正用コンデンサで補正電
流を得、この補正電流を零相変流器の一次側に零相電流
を減殺する方向に挿入したことを特徴とする低圧接地電
路の漏電検出保護装置。 - 【請求項3】 補正用コンデンサの静電容量を小さく
し、零相変流器の一次側に調整用導体を複数回巻回して
貫通し、該調整用導体に補正電流を零相電流を減殺する
方向に流すようにしたことを特徴とする請求項2記載の
低圧接地電路の漏電検出保護装置。 - 【請求項4】 一次側に補正電流を流す調整用導体、二
次側に調整した補正電流を得る2次巻線を有する変流器
を設け、この2次巻線を零相変流器の二次側に零相電流
を減殺する方向に並列接続するか漏電リレー内で合成す
るようにしたことを特徴とする請求項2記載の低圧接地
電路の漏電検出保護装置。 - 【請求項5】 調整用導体は、複数巻回した導体からな
り切替手段により巻回数を調整可能としたことを特徴と
する請求項3又は4記載の低圧接地電路の漏電検出保護
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000295594A JP2002112449A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 低圧接地電路の漏電検出保護方法と装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000295594A JP2002112449A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 低圧接地電路の漏電検出保護方法と装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002112449A true JP2002112449A (ja) | 2002-04-12 |
Family
ID=18778000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000295594A Pending JP2002112449A (ja) | 2000-09-28 | 2000-09-28 | 低圧接地電路の漏電検出保護方法と装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002112449A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102621440A (zh) * | 2012-04-06 | 2012-08-01 | 刘涛 | 矿用在线漏电监测模块检测信号输入电路 |
KR102220329B1 (ko) * | 2020-01-22 | 2021-02-25 | 한국표준과학연구원 | 저압 전력선의 누설전류 벡터를 측정하기 위한 장치 및 그 방법 |
-
2000
- 2000-09-28 JP JP2000295594A patent/JP2002112449A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102621440A (zh) * | 2012-04-06 | 2012-08-01 | 刘涛 | 矿用在线漏电监测模块检测信号输入电路 |
KR102220329B1 (ko) * | 2020-01-22 | 2021-02-25 | 한국표준과학연구원 | 저압 전력선의 누설전류 벡터를 측정하기 위한 장치 및 그 방법 |
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