JP2002110683A - シリコン半導体基板の熱処理方法 - Google Patents
シリコン半導体基板の熱処理方法Info
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Abstract
Zに近接してゲッタリング源となる高密度の酸素析出物
ないしはBMDが生じ、かつ内部には酸素析出物が多く
ないウェーハを安定して得るためのシリコンウェーハの
急速昇降温熱処理方法の提供。 【解決手段】酸素濃度が11〜17×1017atoms/cm3のシリ
コン単結晶より採取した基板用素材を用い、昇温速度を
10〜30℃/秒として1100〜1300℃に加熱し、その後の冷
却は、この処理ををアルゴン雰囲気中で実施する場合は
50℃/秒以上の冷却速度、窒素または窒素を含む雰囲気
中にて実施する場合に1〜25℃/秒とする急速昇降温熱
処理方法。
Description
ら得られる集積回路を形成させるためのシリコン半導体
用基板の製造方法に関する。
れるシリコン半導体用基板(ウェーハ)は、主にチョク
ラルスキー法(CZ法)によるシリコン単結晶から製造
されている。CZ法は、石英るつぼ内の溶融したシリコ
ンに種結晶を浸けて引上げ、単結晶を成長させるもの
で、このシリコン単結晶の引上げ育成過程にて様々な微
量の不純物が混入してくる。それら不純物の中で最も多
いのは、石英るつぼから混入してくる酸素である。溶融
シリコン中に溶け込んでいる酸素は、育成されるシリコ
ン単結晶中に取り込まれ、凝固直後の高温では十分固溶
しているが、冷却するにつれて溶解度が急速に減少する
ので、通常単結晶中には過飽和な状態で存在している。
和に固溶した酸素は、その後のデバイスの製造工程にお
ける熱履歴により酸化物として析出してくるが、その析
出物はデバイスが形成されるいわゆる活性化領域に生じ
ると、他の不純物と同様にデバイスの性能を阻害する。
しかしながらその反面、シリコン基板内部に生じた析出
物はBMD(Bulk Micro Defect)とも呼ばれ、デバイ
スの製造過程でウェーハに侵入しその性能を劣化させ
る、金属不純物を捕獲するゲッタリング源として有効に
作用する。この析出物がゲッタリング源として効果的に
作用するためには、ある程度以上の量存在する必要があ
るが、その存在密度は高くなり過ぎると基板の機械的強
度が低下するなどの難点が生じてくる。
ハ表面近傍のデバイスが形成される領域すなわち活性化
領域は無欠陥とし、内部にはゲッタリング源の析出物を
生じさせる熱処理サイクルが提案されている。その代表
的なものは (a) 非酸化性雰囲気中にて、1100℃以上の高温で8〜76
時間加熱する酸素の外方拡散処理をおこなって、表面に
低酸素層すなわちDZ(denuted Zone)と呼ばれる無欠
陥層となる部分を形成させ、次いで (b) 600〜750℃の低温で加熱することにより、バルク内
に有効な析出核を形成させた後、 (c) 1000〜1150℃の中温あるいは高温で熱処理し、Si
O2の析出物を成長させて、そこにゲッタリング源とな
るBMDを形成させる、という高−低−高(または中)
サイクルと呼ばれている処理方法である。しかし、この
処理方法は多大の時間を要し、生産性がよくないという
大きな問題点がある。
ロゲンランプなどによる光の照射でウェーハに短時間の
急速昇降温焼鈍(RTA:Rapid Thermal Annealing)
処理を施すことにより、その後の製造プロセスにおける
熱履歴で生じてくる酸素析出物の分布を制御する方法が
提案されている。
は、窒素または窒素を含む雰囲気中で1175〜1275℃の温
度に3〜60秒保持後、5℃/秒以上の冷却速度で冷却する
処理をおこなう。また米国特許第5994761号の発明で
は、酸化雰囲気中での加熱により表面に数十オングスト
ロームの酸化被膜を付けた後、窒素またはアルゴンなど
不活性雰囲気中で1150〜1300℃の温度に1〜60秒保持
し、5〜200℃/秒の冷却速度で冷却している。
雰囲気中にて800℃で4時間加熱および1000℃にて16時
間加熱のようなデバイスの製造過程と同様な熱処理を施
すと酸素析出物が析出してくる。その分布は、表層の活
性化領域には析出がなく内部には多く析出し、前述の高
−低−高(または中)サイクルと同様な結果がえられる
というものである。
の場合、短時間の処理で高密度の酸素析出物を生成でき
るが、十分な厚さのDZが安定して得られないようであ
り、米国特許第5994761号の発明では、DZが確保でき
ても内部の析出物が多くなりウェーハ強度が低下するお
それのあることや、表面の酸化膜を処理後除去しなけれ
ばならない等の問題があるように思われる。
内部にはゲッタリング源が多量に存在するというすぐれ
た形態のウェーハを、短時間のRTA処理により実現さ
せるこの方法は、デバイス用ウェーハの製造工程の合理
化に極めて望ましいと考えられるが、安定してこのよう
なウェーハを生産するには改良すべき点が多く残されて
いる。
コンウェーハの酸素析出物分布の制御を目的とした急速
昇降温熱処理において、表面には十分な厚さのDZが形
成され、このDZに近接してゲッタリング源となる高密
度の酸素析出物ないしはBMDが生じ、かつ内部には酸
素析出物が多くないウェーハを安定して得るための熱処
理方法の提供にある。
ウェーハの表面部におけるDZの形成、および内部にお
けるBMDの形成に対するRTAの効果について種々検
討を行った。まず、アルゴンまたは窒素雰囲気中にてシ
リコン単結晶から採取したウェーハの急速昇降温焼鈍処
理をおこない、その後アルゴン雰囲気中にて酸素化物析
出処理を施した結果、表面近傍は析出物がすくなく、中
心部には析出物の多いものが得られることが確認でき
た。そして、特に昇温後の冷却速度を変えることによ
り、表面近くにできた析出物のない層すなわちDZの厚
さが変化し、内部の析出物の発生量も変化することがわ
かった。
化領域となる表面から30〜40μmまでの深さには存在せ
ず、その直ぐ下の部分に多量に存在し、中心部には少な
いという分布はが望ましいと考えられる。これは、表面
直下に十分な厚さのDZと、それに近接して多数のゲッ
タリング源があり、そしてDZから離れた中心部ではゲ
ッタリング効果は期待できないので、そこには機械的強
度を低下させる析出物は少ない方がよいからである。
成させる側の表面で生じる現象は、裏面側の表面でも同
様に生じる。したがって、ウェーハの厚さ方向を横軸に
とり酸素析出物の量または析出密度を縦軸にとってその
分布を見ると、横方向両端の表面部のDZを除く内部で
は、M字形になっていることが望ましいといえる。ま
た、このようにウェーハの厚さ方向の析出物分布が、厚
さ方向の中心位置に対して対象形であることは、析出物
形成により何らかの状態変化があったとしても、ウェー
ハの反りなどの問題が生じない利点がある。
れ、かつ内部の酸素析出物がM字形分布となるような、
急速昇降温焼鈍処理条件があり得るのかどうかさらに検
討を進めることにした。その結果、酸素量のやや多い単
結晶によるウェーハを用い、急速昇降温焼鈍の昇温速度
を制御し、加熱後の冷却速度を管理することにより、M
字形の分布が実現できることが明らかになったのであ
る。このM字形分布を得るための加熱後の最適冷却速度
は、処理に用いる雰囲気によって異なり、アルゴン雰囲
気の場合は冷却をできるだけ速くする必要があり、窒素
雰囲気ではおそくしなければならない。
らかにし本発明を完成させた。本発明の要旨は次のとお
りである。 (1) 酸素濃度が11〜17×1017atoms/cm3のシリコン単結
晶より採取した基板用素材を用い、アルゴン雰囲気中で
昇温速度を10〜30℃/秒として1100〜1300℃に加熱し、
50℃/秒以上の冷却速度にて冷却することを特徴とす
る、表面に厚さ10μm以上の無欠陥層を有し、かつ酸素
析出物密度が厚さ中心部は低く表面の無欠陥層に近い方
は高い、シリコン半導体用基板の急速昇降温熱処理方
法。 (2) 酸素濃度が11〜17×1017atoms/cm3のシリコン単結
晶より採取した基板用素材を用い、窒素を含む雰囲気中
で昇温速度を10〜30℃/秒として1100〜1300℃に加熱
し、1〜25℃/秒の冷却速度にて冷却することを特徴と
する、表面に厚さ10μm以上の無欠陥層を有し、かつ酸
素析出物密度が厚さ中心部は低く表面の無欠陥層に近い
方は高い、シリコン半導体用基板の急速昇降温熱処理方
法。
とM字形析出物分布の得られる理由を考えてみる。
くなく、これをDZ形成のために十分排除しようとすれ
ば、前述の高−低−高(または中)サイクルのように、
高温での長時間加熱を必要とする。RTA処理のような
短時間処理では、シリコン中の酸素の拡散などによる排
除は十分には進まず、この処理におけるDZは、酸素が
存在していても有害な析出物となって出現することが抑
止された層であると考えられる。
酸素は、温度の低下により過飽和の状態で固溶している
ので、なにか安定して存在できる場(サイト)があれ
ば、そこにまず酸化物の核のようなものが発生し、一旦
核ができればそこへ優先的に凝集して析出物が形成され
ていく。このようなサイトとしては単結晶に存在する空
孔が最適であり、空孔が一つだけでなく複数個合体すれ
ば、より容易に析出物の形成核を発生させ得ると推定さ
れる。したがって、酸化物析出の熱サイクルに先立って
おこなうRTA処理の目的は、析出サイトとなるウェー
ハ中の空孔分布の制御であるということができる。
シリコンの溶融液が凝固する過程で大量に取り込まれ
る。そのときシリコンの結晶格子間原子も同時に取り込
まれるが、空孔の数の方がはるかに多い。これら空孔と
格子間原子とは凝固後の冷却の過程で、拡散していった
り合体消滅したりして大幅に減少する。しかし、このと
きに導入された空孔や格子間原子は、単結晶から切り取
られたウェーハにもまだ多量に残存している。空孔と格
子間原子とは放射線などの照射によって生じたフレンケ
ル対のようにほぼ同数ではなく、凝固過程に由来してい
るため、空孔の数の方が圧倒的に多いのである。
ェーハの状態では、空孔と格子間原子の濃度はウェーハ
の厚さ方向に対して、いずれもそれぞれほぼ同一であ
る。このウェーハが加熱され約700℃を超えて空孔や格
子間原子が容易に動けるようになると、これらは表面へ
の拡散や衝突合体によりさらに減少していく。
ると考えられるので、表面近くでは濃度が大きく低下
し、それによって生じる濃度差により、内部から表面へ
向けてのいわゆる外方拡散が起きる。一方内部において
は、その温度に応じて動きまわる空孔と格子間原子と
は、フレンケル対が消滅するように合体減少が進む。
一般的に格子間原子(シリコン)が空孔に比し速いと考
えられている。したがって通常のゆっくりした加熱や冷
却では、表面側は低く内部の中心は高いという濃度分布
の状態で、空孔の濃度と格子間原子の濃度との差は縮ま
ることなく、両者とも減少していくと考えられる。
合、加熱時にはウェーハ表面の方が内部より速く温度が
上昇する。格子間原子や空孔は温度が高いほど活発に動
き回るので、温度の低い内部では拡散や消滅があまり進
まない間に、表面部では外方拡散が急速に進行し、しか
も格子間原子の方が速やかに動くので、格子間原子と空
孔の濃度差がどんどん拡大していく。その結果として、
内部が表面と同じ温度に到達した時点においては、厚さ
方向の表面から中心部へ向けての濃度勾配は、空孔に比
して格子間原子のそれがはるかに大きなものになってし
まう。このようにして昇温過程でできた濃度勾配の差
は、温度保持の段階に至っても容易には解消されないの
ではないかと思われる。
方拡散と対の合体消滅とが同時に進行しつつ温度が低下
していくが、生じた濃度勾配の違いから表面に近い方が
中心部よりも空孔の残存密度が高いものとなる。このよ
うにして、表面直下では空孔の外方拡散と酸素の外方拡
散も加わるのでDZが形成され、DZからさらに内部へ
入ると、上述のような空孔のM字形分布が得られること
になる。
温に滞在する時間が長くなり、外方拡散が進行すること
によって空孔が減少して行き、十分なM字形分布が得ら
れなくなってしまう。したがって、アルゴン雰囲気中で
RTA処理をおこなってM字形の酸素析出物分布を得よ
うとすれば、冷却を急速におこなわなければならないの
である。
内部の温度差が生じている時間が短くなってしまい、前
述の空孔と格子間原子の濃度勾配の差が十分大きくなる
ための時間が不足してしまう。そして、遅くしすぎると
空孔の外方拡散が進行して濃度が低下してしまい、これ
もM字形分布形成や、酸素析出物を十分な量得るための
核が不足してしまう。これが前述のように昇温速度に最
適範囲が存在する理由ではないかと思われる。
間原子の挙動は、雰囲気がアルゴンであっても窒素であ
っても大きくは違わないと思われた。しかしながら窒素
雰囲気中でRTA処理をおこない、M字形分布を得よう
とすれば、冷却速度を遅くする必要がある。同じ条件の
ウェーハを、雰囲気のみアルゴンまたは窒素に変えて同
じ加熱冷却条件でRTA処理し、酸素析出処理をおこな
ってみると、窒素雰囲気とした方が、はるかに多くの酸
素析出物を発生する。たとえば、冷却速度を同じ25℃/
秒としたとき、ウェーハ中心部の酸素析出物密度は、ア
ルゴン雰囲気中RTAでの場合に比し2〜3倍以上高い。
素雰囲気とした場合に、とくに高温域において表面に窒
化膜が形成され、それによって空孔が発生する可能性が
あるためと思われる。表面にて空孔が生じこれがシリコ
ン結晶中に注入されると、表面近傍での濃度低下によっ
て生じる外方拡散が大きく阻害される。しかし、格子間
原子はこのような影響を受けないので、前述のアルゴン
雰囲気にてRTAをおこなった場合と同様な挙動を示
す。したがって、アルゴン雰囲気と同じ冷却速度で冷却
すれば、空孔の残存が多くなりすぎ、十分なDZの形成
や、析出核のM字形分布が得られなくなってしまう。
注入もなくなるので、冷却速度を遅くすれば、その間に
空孔の外方拡散が進行し、空孔が少なくなって、十分な
DZの形成および析出核のM字形分布が得られるように
なってくる。また、冷却時間が長くなることにより、酸
素の外方拡散もさらに進行すると考えられる。
ーハの酸素濃度は11〜17×1017atoms/cm3とする。これ
は11×1017atoms/cm3未満の場合、DZに近い部分の酸
素析出物ないしはBMDの量が不足し、17×1017atoms
/cm3を超える場合はBMDの発生量が多くなりすぎ、
ウェーハの機械的性質が劣化するおそれがあるからであ
る。
速度は、10〜30℃/秒とする。これは、DZに近い部分
のBMD量を増してM字形分布に近づけ、よりゲッタリ
ング効果を増すためである。急速昇温時、表面が内部よ
り温度が高い温度勾配が生じ、それによってBMDの析
出核の分布がM字形に近い形に変化する。しかし昇温速
度が遅ければ温度勾配不十分でこの効果が得られず、速
すぎれば温度勾配の生じている時間が不十分でやはりこ
の効果が得られない。したがって昇温速度は10〜30℃/
秒とするのが望ましい。
到達温度は1100〜1300℃とする。温度が1100℃未満で
は、析出核のM字形への分布変化が不十分であり、1300
℃を超えるとBMDの生成が不足し、いずれの場合もR
TA処理の効果が得られなくなる。
が上記のように規制されれば短くてもよいが、10〜600
秒とするのが好ましい。これはウェーハ全体の温度の均
一性を配慮すれば、少なくとも10秒程度の保持が必要な
ためであり、600秒を超える保持では、空孔の外方拡散
が進みすぎ、内部の酸素析出物が少なくなりすぎるおそ
れがあるからである。なお点欠陥の均一分布までも十分
にするためには、望ましくは60秒超600秒までとするの
がよい。
雰囲気ガスとしてアルゴン、ヘリウムなど希ガスを用い
る場合には50℃/秒以上とし、窒素ガスないしは窒素を
含むガスを用いる場合は1〜25℃/秒とする。なお温度
が低下してくると冷却速度の影響はなくなってくるの
で、ウェーハが700℃を下回る温度に達すれば、それ以
降は冷却速度を制御しなくてもよい。
場合、50℃/秒以上で冷却する。冷却速度が50℃/秒を
下回ると、M字形は維持できても、BMDの量が少なく
なってしまうおそれがある。また、冷却速度が早くなっ
ていくとBMDが多くなり過ぎることもあるので、200
℃/秒程度までに止めておくのが好ましい。
記冷却速度は1〜25℃/秒とする。この場合、冷却速度
が25℃を超えるようになると、BMDの発生量が多くな
りすぎ、目的とするM字形の分布が得られなくなるばか
りでなく、ウェーハの強度も低下してしまう。一方、1
℃/秒を下回る冷却速度にすると、BMDはM字形の分
布にはなるが、その密度が低くなりすぎ、十分な効果が
得られなくなる。またM字形分布は、冷却速度を遅くす
るほうが明瞭に現れ、厚さ方向中央部の析出密度の低下
をはっきりさせるには1〜5℃/秒とするのが望ましい。
みでもよいが、貴ガスを90%以下の範囲で混合した雰囲
気を用いてもよい。またいずれの雰囲気にしても、水分
や酸素などの不純成分はできるだけ少なくすることが望
ましい。
晶から採取した厚さ700μmの素材ウェーハを用い、ハロ
ゲンランプの光源を用いた急速加熱冷却処理装置によ
り、アルゴン雰囲気中にてRTA処理をおこなった。12
80℃に60秒で昇温し(昇温速度:21℃/秒)、その温度
に120秒保持後冷却を開始した。700℃までの冷却速度
を、5、25、50または70℃/秒の4種に変えたウェーハを
作製し、これらのウェーハはアルゴン雰囲気中にて800
℃、4時間および1000℃、16時間の析出処理をおこなっ
た後、断面を研磨してライトエッチングをおこない、光
学顕微鏡観察により析出物の深さ方向の分布を測定し
た。
なように、冷却速度が25℃/秒の場合、析出物密度は小
さく、M字形分布が得られていない。これに対し、冷却
速度が50℃/秒または70℃/秒では、析出物密度は高く
M字形に分布していることがわかる。また50℃/秒の場
合よりも70℃/秒の方が内部の析出物密度が大きく、冷
却速度を速くするのが好ましいことを示している。
を用い、同じ装置にて窒素雰囲気としてRTA処理をお
こなった。加熱条件は実施例1と同様にしたが、保持時
間は70秒とした。冷却速度は1、3、5、25、50または70
℃/秒と変えて6種のウェーハを得た。これらを実施例
1と同様アルゴン雰囲気中にて800℃、4時間および1000
℃、16時間の析出処理をおこない、析出物分布の深さ方
向分布を測定した。
ン雰囲気では析出物のM字形分布は、50℃/秒以上の冷
却速度で得られたが、窒素雰囲気の場合、この50℃/秒
以上では中央部の析出密度が高く、その上表面部も高く
なって十分なDZが得られていない。これに対し25℃/
秒の冷却速度ではM字形分布となり、さらに5℃/秒、3
℃/秒、1℃/秒と遅くすれば、十分なDZとそれに接
近して析出物密度の高い部分があり、中央部は析出物密
度が低いという典型的なM字形分布となっている。
ば、デバイスを製造する過程における熱処理過程におい
て、十分な厚さのDZが形成され、このDZに近接して
ゲッタリング源となる高密度の酸素析出物ないしはBM
Dが生じ、かつ内部には酸素析出物が多くない結果をも
たらすシリコンウェーハを容易に得ることができる。従
来、このようなウェーハは、高温の長時間にわたる熱処
理と、さらに温度を変えた熱処理によってようやく得ら
れていたが、本発明の適用により短時間の処理にて同様
な効果を得ることができ、半導体デバイス製造の生産性
向上、コスト合理化に寄与する効果は大きい。
速度を変えておこなったウェーハの、酸素析出物析出密
度の深さ方向分布測定結果を示す図である。
を変えておこなったウェーハの、酸素析出物析出密度の
深さ方向分布測定結果を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】酸素濃度が11〜17×1017atoms/cm3のシリ
コン単結晶より採取した基板用素材を用い、アルゴン雰
囲気中で昇温速度を10〜30℃/秒として1100〜1300℃に
加熱し、50℃/秒以上の冷却速度にて冷却することを特
徴とする、表面に厚さ10μm以上の無欠陥層を有し、か
つ酸素析出物密度が厚さ中心部は低く表面の無欠陥層に
近い方は高いシリコン半導体用基板の急速昇降温熱処理
方法。 - 【請求項2】酸素濃度が11〜17×1017atoms/cm3のシリ
コン単結晶より採取した基板用素材を用い、窒素を含む
雰囲気中で昇温速度を10〜30℃/秒として1100〜1300℃
に加熱し、1〜25℃/秒の冷却速度にて冷却することを
特徴とする、表面に厚さ10μm以上の無欠陥層を有し、
かつ酸素析出物密度が厚さ中心部は低く表面の無欠陥層
に近い方は高いシリコン半導体用基板の急速昇降温熱処
理方法。
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