JP2002110467A - 固体電解コンデンサとその製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサとその製造方法Info
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Abstract
可能とした、表面実装用に好適な固体電解コンデンサと
その製造方法を提供する。 【解決手段】 外部接続部を有する電極引き出し手段が
接続された両極電極箔をセパレータを介して巻回してコ
ンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子をリン酸二
水素アンモニウム水溶液中に5〜120分浸漬して修復
化成を行う。続いて、このコンデンサ素子に所定のモノ
マー又はモノマー溶液を含浸し、さらに所定の酸化剤を
含浸して、20〜180℃、30分以上加熱して、第1
の重合反応により導電性高分子層を形成する。その後、
この導電性高分子層に前記モノマーのみを注入、浸漬法
等によって付着させ、60〜250℃、5分から3時間
加熱し、このコンデンサ素子を有底筒状のアルミニウム
ケースに挿入し、開口部を絞り加工によってゴム封口す
る。
Description
サとその製造方法に係り、特に、リフロー半田時の膨れ
及び特性劣化の防止を図った、表面実装用として好適な
固体電解コンデンサとその製造方法に関するものであ
る。
な弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽
極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッ
チング箔等の形状にして誘電体を拡面化することによ
り、小型で大きな容量を得ることができることから、広
く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を
用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直
列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実
装に適している等の特質を備えていることから、電子機
器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものと
なっている。
型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁
作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在さ
せて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ
素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製
ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納
し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料として
は、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタ
ン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属
が用いられる。
体電解質としては、二酸化マンガンや7、7、8、8−
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られて
いるが、近年、電導度が高く、陽極電極の酸化皮膜層と
の密着性に優れたポリピロール、ポリチオフェン、ポリ
アニリン等の導電性高分子が着目されるようになった
(特開平2−15611号公報等)。なかでも、酸化皮
膜の厚さに対して耐電圧を高くとることができるという
理由から、小型化が図れる導電性高分子として、ポリエ
チレンジオキシチオフェン(以下、PEDTと記す)が
注目されている。
な固体電解質層を得ることができるようにするために、
ビニロン繊維を主体とした不織布からなるセパレータに
着目した技術(特開平10−340829号公報)が存
在している。
たような従来の固体電解コンデンサを、横型又は縦型の
表面実装用チップ部品とし、高温リフロー半田付けを行
うと、リフロー半田時に静電容量が減少し、漏れ電流が
上昇するといった問題点があった。なお、このような問
題は、セパレータとしてビニロン繊維を主体とした不織
布からなるセパレータを用いた場合に顕著であった。
ー半田が用いられるようになり、半田リフロー温度が2
00〜220℃から、230〜270℃へとさらに高温
化しているため、高温リフロー半田付けを行った場合で
も、金属ケースや封口ゴムの膨れが生じず、特性も劣化
しない固体電解コンデンサの開発が切望されていた。
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、リフロー半田時の膨れ及び特性劣化の防止を可能と
した、表面実装用として好適な固体電解コンデンサとそ
の製造方法を提供することにある。
解決すべく、リフロー半田時の膨れ及び特性劣化を防止
することができる、表面実装用として好適な固体電解コ
ンデンサ及びその製造方法について鋭意検討を重ねた結
果、本発明を完成するに至ったものである。
容量が減少し、漏れ電流が上昇する原因について種々検
討したところ、以下のような結論に達した。すなわち、
コンデンサ素子に導電性高分子層を形成するには、誘電
体酸化皮膜上でモノマーを酸化重合させる。しかしなが
ら、この際に、誘電体酸化皮膜上でモノマーが重合して
ポリマーになる際の体積収縮等の原因で、誘電体酸化皮
膜の全領域に導電性高分子層が形成されないという状態
になる。そして、このような状態のまま固体電解コンデ
ンサを形成すると、リフロー加熱によって導電性高分子
層が損傷を受け、この導電性高分子の特性の劣化によっ
て漏れ電流が上昇し、誘電体酸化皮膜との間で微小な剥
離が生じて、静電容量が減少すると考えられた。
ロン繊維を主体とした不織布からなるセパレータを用い
た固体電解コンデンサを、横型又は縦型の表面実装用チ
ップ部品とし、200〜250℃で高温リフロー半田付
けを行った場合に、金属ケースや封口ゴムの膨れが生
じ、特性も劣化する原因についても種々の検討を行った
結果、以下に示すような結論に達した。
いた場合、ビニロンを高温保持することによって、又
は、重合反応後にコンデンサ素子内に残存する酸化剤と
の反応によって、ビニロンの−OH基等の末端の基がガ
ス化して、コンデンサの膨れ及び特性の劣化が生じると
考えられた。
の全領域に導電性高分子層を形成することができ、ま
た、セパレータとしてビニロン繊維を主体とした不織布
からなるセパレータを用いた場合でも、リフロー半田時
の膨れ及び特性劣化を防止することができる固体電解コ
ンデンサ及びその製造方法についてさらに検討を重ねた
結果、導電性高分子層を形成した後に、この導電性高分
子層にモノマーを付着させ、所定の温度で加熱すること
により良好な結果が得られることが判明したものであ
る。
て、本発明に係る巻回型の固体電解コンデンサの製造方
法の一例について説明する。すなわち、外部接続部を有
する電極引き出し手段が接続された両極電極箔をセパレ
ータを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコ
ンデンサ素子をリン酸二水素アンモニウム水溶液中に5
〜120分浸漬して修復化成を行う。続いて、このコン
デンサ素子に所定のモノマー又はモノマー溶液を含浸
し、さらに所定の酸化剤を含浸して、20〜180℃、
30分以上加熱して導電性高分子層を形成する。その
後、この導電性高分子層に前記モノマーのみを注入、浸
漬法等によって付着させ、60〜250℃、5分から3
時間加熱し、このコンデンサ素子を有底筒状のアルミニ
ウムケースに挿入し、開口部を絞り加工によってゴム封
口する。
子に含浸する方法としては、常温でシリンジ等により定
量注入する注入法の他、浸漬法を用いることができるこ
とは言うまでもない。また、巻回型のコンデンサ素子だ
けでなく、陽極箔と陰極箔とを平板の形で対向させたコ
ンデンサ素子を用いても良い。
としては、エチレンジオキシチオフェン(以下、EDT
と記す)、ピロール、チオフェン、フラン、アニリン及
びそれらの誘導体等、酸化重合により導電性高分子とな
るモノマーを用いることができる。
ては、FeCl3やFeClO4、Fe(有機酸アニオ
ン)塩等のFe(III)系化合物、又は無水塩化アルミニ
ウム/塩化第一銅、アルカリ金属過硫酸塩類、過硫酸ア
ンモニウム塩類、過酸化物類、過マンガン酸カリウム等
のマンガン類、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−
1,4−ベンゾキノン(DDQ)、テトラクロロ−1,
4−ベンゾキノン、テトラシアノ−1,4−ベンゾキノ
ン等のキノン類、ヨウ素、臭素等のハロゲン類、過酸、
硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫
酸、アミド硫酸等のスルホン酸、オゾン及びこれら複数
の酸化剤の組合せが挙げられる。
としては、有機スルホン酸又は有機カルボン酸、有機リ
ン酸、有機ホウ酸等が挙げられる。また、有機スルホン
酸としては、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、α−スル
ホ−ナフタレン、β−スルホ−ナフタレン、ナフタレン
ジスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸等が挙げ
られる。
電性高分子としてはPEDTが最適であるので、以下
に、PEDTを重合するために用いられるモノマー及び
酸化剤について説明する。すなわち、コンデンサ素子に
含浸するEDTとしては、EDTモノマーを用いること
ができるが、EDTと揮発性溶媒とを1:1〜1:3の
体積比で混合したモノマー溶液を用いることもできる。
化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ギ酸エ
チル等のエステル類、アセトン等のケトン類、メタノー
ル等のアルコール類、アセトニトリル等の窒素化合物等
を用いることができるが、なかでも、メタノール、エタ
ノール、アセトン等が好ましい。
したパラトルエンスルホン酸第二鉄を用いることが望ま
しい。この場合、ブタノールとパラトルエンスルホン酸
第二鉄の比率は任意で良いが、30〜60%溶液を用い
ることが望ましい。なお、EDTと酸化剤の配合比は
1:3〜1:6の範囲が好適である。
法は、注入法でも浸漬法でも良い。また、モノマーの付
着量は、コンデンサ素子の内部にポリマーを形成した後
のコンデンサ素子の空隙容積に対して、モノマーを5〜
130%付着させることが望ましい。なお、モノマーの
付着量が100%を超えても差し支えないのは、コンデ
ンサ素子の外部にモノマーが付着しても良いからであ
る。
せた後の加熱温度は、60〜250℃、好ましくは15
0〜230℃、さらに好ましくは200〜230℃であ
る。加熱温度が60℃以下だと、溶媒が揮発しきれない
ためリフロー特性が悪くなり、250℃以上だと、セパ
レータが変質するため寿命特性が悪くなる。
た場合に、加熱温度を200〜230℃とすると、PE
DTの形成と共にビニロンの加熱が行われ、末端の−O
H基等がガス化等の反応によって消失するためと考えら
れるが、樹脂被覆を行わなくてもリフロー特性が良好
で、リフロー後の漏れ電流の上昇がない。また、加熱時
間は5分〜3時間、好ましくは30分以上である。加熱
時間が5分以下だと、重合反応が促進されないためリフ
ロー特性が悪くなり、3時間以上だと、セパレータが変
質するため寿命特性が悪くなる。
しては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アン
モニウム等のリン酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等
のホウ酸系の化成液、アジピン酸アンモニウム等のアジ
ピン酸系の化成液を用いることができるが、なかでも、
リン酸二水素アンモニウムを用いることが望ましい。ま
た、浸漬時間は、5〜120分が望ましい。
ータに限定はないが、繊維径が3.0〜12.0μmの
ビニロン繊維を所定のカット長の短繊維とし、所定のバ
インダーを用いて、任意の手段により不織布としたもの
を用いることができる。なお、このセパレータとして
は、坪量が5〜30g/m2、厚さが10〜200μ
m、密度が0.1〜0.56g/cm3であることが好
ましい。
後、コンデンサ素子の外周面に樹脂を形成するとより好
適である。その理由は、リフロー時のガス発生によって
電極箔にストレスがかかっても、コンデンサ素子の外周
面が樹脂によって固定されているので、そのストレスが
緩和され、その結果、リフロー特性が向上すると考えら
れる。また、この樹脂としては、エポキシ樹脂等が用い
られる。
子を形成した後に、この導電性高分子層にモノマーを付
着、加熱してさらに高分子層を形成することによって、
この導電性高分子層でコンデンサ素子を被覆した状態と
なるので、その後に樹脂被覆を行った場合、樹脂がコン
デンサ素子の内部に浸透することを防止できる。その結
果、浸透した樹脂がコンデンサ素子内に残存している酸
化剤と反応して軟化してストレスの原因になる等の樹脂
被覆の悪影響を防止することもできる。
って製造された本発明に係る固体電解コンデンサにおい
ては、最初の重合反応によって誘電体皮膜上に導電性高
分子層を形成した後に、さらにモノマーのみを付着させ
ているので、誘電体皮膜上で未だ導電性高分子層が形成
されていない部分にこのモノマーが付着し、加熱するこ
とによって、このモノマーと先の重合反応で残存してい
る酸化剤とによって第2の重合反応が進行する。その結
果、最初の重合反応によって導電性高分子層が形成され
ていなかった部分においても新たに導電性高分子層が形
成されるので、誘電体皮膜の全領域にわたって連続して
導電性高分子層を形成することができる。
高分子層が形成されるので、その後のリフロー加熱によ
って導電性高分子層が損傷を受けても、その劣化は少な
くてすむため、特性の劣化が抑制されると考えられる。
また、誘電体皮膜上の導電性高分子層が増大するので、
初期の静電容量も増大する。さらに、第2の重合反応に
よって形成された導電性高分子層は、コンデンサ素子を
被覆した状態とするので、耐湿性も向上する。
場合には、PEDTの耐熱特性が良好であるため、25
0〜260℃の高温の鉛フリーリフローにも対応するこ
とができるようになる。
に限定されないが、第1の重合反応(最初の重合反応)
で残存していた酸化剤が、第2の重合反応によって消費
され、その残存量は大幅に減少するので、セパレータと
してビニロンを用いた場合であっても、リフロー時にビ
ニロンと酸化剤が反応することを防止できるので、ビニ
ロンの−OH基等の末端の基がガス化することもない。
その結果、ガス発生に起因するコンデンサの膨れを抑制
でき、また、ガス発生によるストレスによって引き起こ
される固体電解質層の誘電体皮膜からの剥離や誘電体皮
膜の損傷に起因すると考えられる静電容量の減少や漏れ
電流の上昇も抑制することができる。
いては、モノマーと酸化剤をコンデンサ素子に含浸した
後、加熱重合するが、通常、重合時にはコンデンサ素子
を立てた状態になるので、高分子がコンデンサ素子の下
方へ移動して上方には空隙が形成される。しかしなが
ら、本発明においては、この部分にもモノマーが浸透し
ていき、その後の加熱によって重合するので、導電性高
分子をまんべんなく形成することができるので好適であ
る。
に説明する。なお、本発明に係る固体電解コンデンサ
は、以下の実施例1及び実施例2のように作成した。ま
た、比較例1として、最初の重合反応を行った後、新た
にモノマー及び酸化剤の両方を添加して第2の重合反応
を行い、樹脂被覆した固体電解コンデンサを用い、比較
例2として、最初の重合反応を行った後、比較例1と同
様の加熱処理のみを行い、樹脂被覆した固体電解コンデ
ンサを用いた。また、従来例として、最初の重合反応を
行った後、樹脂被覆した固体電解コンデンサを用いた。
た陽極箔と陰極箔に電極引き出し手段を接続し、両電極
箔を繊維径が7.5μmのビニロン繊維を主体とするビ
ニロン不織布からなるセパレータを介して巻回して、素
子形状が6.3φ×5Lのコンデンサ素子を形成した。
そして、このコンデンサ素子をリン酸二水素アンモニウ
ム水溶液に40分間浸漬して、修復化成を行った。続い
て、このコンデンサ素子に、注入法によりEDTモノマ
ー10mgを含浸し、さらに酸化剤溶液として55%の
パラトルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液30m
gを含浸して、170℃、60分加熱して第1の重合反
応により、PEDTからなる固体電解質層を形成した。
その後、このコンデンサ素子に、EDTモノマー20m
gを含浸し、180℃で60分加熱して第2の重合反応
により、PEDTからなる固体電解質層を形成した。
素子を有底筒状のアルミニウムケースに挿入し、開口部
を絞り加工によってゴム封口し、再化成を行って固体電
解コンデンサを形成した。なお、第1の重合反応におけ
るEDTモノマーと酸化剤との配合比は、1:5とし
た。また、この固体電解コンデンサの定格電圧は4W
V、定格容量は150μFである。
1の重合反応によりPEDTからなる固体電解質層を形
成した後、このコンデンサ素子に、EDTモノマー20
mgを含浸し、200℃で30分加熱して第2の重合反
応により、PEDTからなる固体電解質層を形成した。
その後、樹脂被覆は行わずに、このコンデンサ素子を有
底筒状のアルミニウムケースに挿入し、開口部を絞り加
工によってゴム封口して固体電解コンデンサを形成し
た。その他は実施例1と同様の条件で固体電解コンデン
サを形成した。
1の重合反応によりPEDTからなる固体電解質層を形
成した後、このコンデンサ素子に、EDTモノマー20
mgと55%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のブタノ
ール溶液30mgの混合液を含浸し、200℃で60分
加熱して、第2の重合反応によりPEDTからなる固体
電解質層を形成した。その後、樹脂被覆を行って、この
コンデンサ素子を有底筒状のアルミニウムケースに挿入
し、開口部を絞り加工によってゴム封口して固体電解コ
ンデンサを形成した。その他は実施例1と同様の条件で
固体電解コンデンサを形成した。
1の重合反応によりPEDTからなる固体電解質層を形
成した後、このコンデンサ素子を200℃で60分加熱
し、その後、樹脂被覆を行って、このコンデンサ素子を
有底筒状のアルミニウムケースに挿入し、開口部を絞り
加工によってゴム封口して固体電解コンデンサを形成し
た。その他は実施例1と同様の条件で固体電解コンデン
サを形成した。
の重合反応によりPEDTからなる固体電解質層を形成
した後、樹脂被覆を行って、このコンデンサ素子を有底
筒状のアルミニウムケースに挿入し、開口部を絞り加工
によってゴム封口して固体電解コンデンサを形成した。
その他は実施例1と同様の条件で固体電解コンデンサを
形成した。
施例1、実施例2、比較例1、比較例2及び従来例の各
固体電解コンデンサについて、初期特性とリフロー試験
後の特性を調べたところ、表1に示すような結果が得ら
れた。なお、リフロー試験条件は、ピーク温度250
℃、230℃で40秒のリフロー半田を行ったものであ
る。
ータを用い、最初の重合反応によってPEDTを形成し
た後に樹脂被覆のみを行った従来例においては、リフロ
ー試験後の静電容量の減少率は50%と大きく、漏れ電
流(LC)も1000mμAと大幅に増大した。さら
に、リフロー試験後に封口ゴムに膨れが認められた。ま
た、最初の重合反応の後、加熱処理を行った点のみが異
なる比較例2と比べてみると、従来例においては、漏れ
電流(LC)が比較例2の10倍であった。このことか
ら、加熱処理を行った結果、PEDTがセパレータの周
囲に形成された状態で加熱処理され、ビニロン繊維の−
OH基等の末端の基がガス化等の反応によって減少した
ため、リフロー時のガス発生が抑制されたものと考えら
れる。
重合反応によってPEDTを形成した後、さらにEDT
及び酸化剤の両方を含浸し加熱して第2の重合反応を行
い、樹脂被覆をした比較例1と、最初の重合反応の後、
比較例1と同様の加熱処理と樹脂被覆を行った比較例2
とを比べてみると、両者の結果に有意差は認められなか
った。この理由は、第2の重合反応の際に、EDT及び
酸化剤の両方を含浸しても、これらの溶液がコンデンサ
素子の内部に浸透せず、そのために第2の重合反応によ
ってPEDTが形成されなかったためであると考えられ
る。
施例2においては、リフロー試験後の静電容量の減少率
はそれぞれ10%、7%と、従来例及び比較例と比べて
大幅に低減した。また、漏れ電流(LC)もそれぞれ2
7mμA、5mμAと、従来例及び比較例と比べて大幅
に低減した。さらに、両者共、リフロー試験後に封口ゴ
ムに膨れは認められなかった。
と、第2の重合反応のための加熱条件を200℃30分
とし、樹脂被覆を行わなかった実施例2の方が良好な結
果が得られた。その理由は、加熱温度を200℃とする
と、PEDTの形成と共にビニロンの加熱が行われ、末
端の−OH基等がガス化等の反応によって消失するため
と思われるが、リフロー時のガス発生が防止され、ガス
発生によるストレスがないため、漏れ電流が減少したと
考えられる。従って、加熱温度を200℃程度とした場
合には、樹脂被覆の必要もなくなり、製造工程を短縮化
することができることが分かった。
PEDT層にEDTを付着させ、加熱してさらに重合反
応を起こさせ、最初の重合反応によって残存していた酸
化剤をすべて重合反応に消費した場合には、リフロー半
田時の膨れ及び特性劣化を防止できることが分かった。
さらに、加熱温度を調整することにより、樹脂被覆を行
わなくても良くなり、製造工程を短縮化できることが分
かった。
フロー半田時の膨れ及び特性劣化の防止を可能とした、
表面実装用に好適な固体電解コンデンサとその製造方法
を提供することができる。
Claims (10)
- 【請求項1】 電極引き出し手段が接続された両極電極
箔をセパレータを介して対向配置すると共に、両極電極
箔間に所定のモノマーと酸化剤を含浸させ、酸化重合に
より導電性高分子からなる固体電解質層を形成したコン
デンサ素子を備えた固体電解コンデンサにおいて、 前記導電性高分子を形成した後、この導電性高分子層に
新たに前記モノマーのみを付着させ、加熱することによ
り、新たな導電性高分子層を形成したことを特徴とする
固体電解コンデンサ。 - 【請求項2】 前記導電性高分子がポリエチレンジオキ
シチオフェンであることを特徴とする請求項1に記載の
固体電解コンデンサ。 - 【請求項3】 前記モノマーがエチレンジオキシチオフ
ェンであることを特徴とする請求項1に記載の固体電解
コンデンサ。 - 【請求項4】 前記セパレータが、ビニロン繊維からな
る不織布により構成されていることを特徴とする請求項
1に記載の固体電解コンデンサ。 - 【請求項5】 前記コンデンサ素子が、前記両極電極箔
をセパレータを介して巻回して構成されていることを特
徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の固
体電解コンデンサ。 - 【請求項6】 外部接続部を有する電極引き出し手段が
接続された両極電極箔をセパレータを介して対向配置し
てコンデンサ素子を形成し、修復化成を行った後、この
コンデンサ素子に所定のモノマーと酸化剤を含浸させて
導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、その後、
前記導電性高分子層に新たに前記モノマーのみを付着さ
せ、加熱することにより、新たな導電性高分子層を形成
することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項7】 前記導電性高分子がポリエチレンジオキ
シチオフェンであることを特徴とする請求項6に記載の
固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項8】 前記モノマーがエチレンジオキシチオフ
ェンであることを特徴とする請求項6に記載の固体電解
コンデンサの製造方法。 - 【請求項9】 前記セパレータが、ビニロン繊維からな
る不織布により構成されていることを特徴とする請求項
6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。 - 【請求項10】 前記コンデンサ素子が、前記両極電極
箔をセパレータを介して巻回して構成されていることを
特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれか一に記載の
固体電解コンデンサの製造方法。
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Publications (1)
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