JP2002184216A - 車両用灯具の反射鏡の反射面設計方法 - Google Patents
車両用灯具の反射鏡の反射面設計方法Info
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Abstract
向上される車両用灯具の反射鏡の反射面設計方法を提供
すること。 【解決手段】 車両用灯具に用いられる反射鏡の反射面
設計方法であって、第1基本曲線Qを生成する第1基本
曲線生成ステップと、複数の第2基本曲線Rを生成する
第2基本曲線生成ステップと、第1基本曲線及び複数の
第2基本曲線に基づいて、反射面RSの面形状を生成す
る面形状生成ステップと、を含み、第1基本曲線生成ス
テップにおいて、一の部分曲線Qiを生成した後に当該
部分曲線に繋がるように以降の部分曲線Qi+1を生成す
るステップを繰り返すことで、複数の部分曲線Qiが繋
がって成る1本の第1基本曲線Qを生成し、各部分曲線
Qiは、それぞれに応じた形状パラメータに基づいて生
成される。
Description
用いられる車両用灯具の反射鏡の反射面設計方法に関す
るものである。
れる光源(光源バルブ)と、光源バルブからの光を光軸
の方向へと反射する反射鏡と、反射鏡からの反射光を透
過して灯具の外部へと出射するレンズと、を有して構成
される。
て、灯具から出射される光の配光パターンは、主に、光
源バルブからの光に対する反射鏡の反射面形状やその位
置関係によって設定される。すなわち、反射鏡の反射面
へと入射された光源バルブからの光は、反射面の各部位
において、それぞれでの面形状によって決まる反射方向
や光拡散条件などの反射条件によって反射されて、反射
光として灯具から出射される。また、反射光の光拡散条
件などの反射条件の一部は、反射光が透過されるレンズ
によっても設定される。
鏡の反射面としては、特公昭45−7397号公報、及
び特開平6−267302号公報に記載されたものなど
がある。例えば、特公昭45−7397号公報に示され
ている前照灯では、反射面の長径方向の断面形状を双曲
線とし、双曲線と同一の焦点を有して双曲線に接する回
転放物面群の包絡面によって、反射面の面形状を生成し
ている。
されている前照灯では、回転放物面を反射面の基本面形
状とするとともに、光軸に直交する回転中心軸を設定し
ている。そして、この回転中心軸を中心として、光軸か
ら離れるにしたがって増加する回転角度で回転放物面の
各部位を回転させて、反射面の面形状を生成している。
ら出射される光に対しては、それぞれの灯具の種類、用
途、車両での設置位置に応じて、得られる配光パターン
が、反射鏡からの反射光が出射される範囲や、各反射方
向での光強度などについて一定の条件を満たすことが要
求される。これに対して、放物線や双曲線などの2次曲
線や回転放物面などの単純な組合せを反射面の面形状と
する上記の構成では、一般に、それぞれの灯具で要求さ
れる配光パターンを実現することが困難である。
た配光パターンなどの(1)機能に関する側面からの条
件に加えて、自動車などの車両に取り付けた状態で使用
されることから、(2)形状に関する側面からの条件
(形状制約条件)、及び(3)外観に関する側面からの
条件(外観制約条件)が課せられる。特に、近年、車体
構成上の制限や、車両のデザイン性の高まりなどによ
り、灯具に対して様々な条件が課せられるようになって
いる。
鏡においては、その面積や奥行きなどに対して課せられ
た形状面及び外観面からの制約条件を満たした上で、要
求される配光パターンが得られる反射面形状を実現しな
くてはならない。このとき、回転放物面や双曲線などを
用いた面形状からなる反射面では、反射面設計の自由度
が小さく、上記の機能、形状、外観の諸条件をすべて満
たすように反射面を作成することは困難である。
転や各部位の微調整など)を加えた面形状からなる反射
面の場合でも、反射面形状の変形と配光パターンの変化
との対応が必ずしも明確ではないために、変形による配
光パターンの制御性が充分に得られない。このため、要
求される配光パターンを実現する反射面設計において、
設計作業の効率が低下して反射面設計に長時間を要する
という問題を生じる。
なされたものであり、配光パターンの制御性及び設計作
業の効率が向上される車両用灯具の反射鏡の反射面設計
方法を提供することを目的とする。
るために、本発明による反射面設計方法は、車両用灯具
に用いられる反射鏡の反射面設計方法であって、光源が
配置される光源位置を通り光源からの光が反射鏡によっ
て反射される方向となる光軸、及び、光軸に直交する第
1基本軸、を含む第1基本平面上に、第1基本曲線を生
成する第1基本曲線生成ステップと、第1基本曲線に対
して、第1基本平面に直交する第2基本軸方向に伸びる
複数の第2基本曲線を生成する第2基本曲線生成ステッ
プと、第1基本曲線及び複数の第2基本曲線に基づい
て、反射面の面形状を生成する面形状生成ステップと、
を含み、第1基本曲線生成ステップにおいて、一の部分
曲線を生成した後に当該部分曲線に繋がるように以降の
部分曲線を生成するステップを繰り返すことで、複数の
部分曲線が繋がって成る1本の第1基本曲線を生成し、
各部分曲線は、それぞれに応じた形状パラメータに基づ
いて生成されることを特徴とする。
計方法では、光軸(X軸)及び第1基本軸(Y軸)を含
む第1基本平面(XY平面、例えば水平面)上の単一の
第1基本曲線(XY曲線)と、第1基本曲線上の点から
ほぼ第2基本軸(Z軸)方向に伸びる複数の第2基本曲
線(XZ曲線)とを反射面形状の骨格として生成し、そ
れらに基づいて曲面を張ることによって反射面形状を生
成している。このように、骨格となる第1基本曲線及び
複数の第2基本曲線を反射面設計に用いることにより、
その設計作業の効率が向上される。
パラメータに基づいて生成し、これを順次繋げて1本の
第1基本曲線を形成しているため、第1基本曲線全体で
一つの形状パラメータを用いるような場合と比較して、
配光パターンの制御性が向上される。さらに、部分曲線
は、一方から順次生成するため、形状及び配光パターン
が滑らかになる。
射面設計方法において、第1基本曲線生成ステップにお
いて、一つ前に生成した部分曲線の位置が規定の終点を
始点とし、形状パラメータが指定されていて位置が未定
の点を終点とするとともに、始点から終点へと形状パラ
メータを満たすように曲線を生成することによって、各
部分曲線を生成することが好ましい。
を次に生成する部分曲線の始点とするとともに、未知の
終点での形状パラメータを参照して曲線を生成すること
で、反射面の設計を効率良く行うことができる。
反射面設計方法において、形状パラメータが、部分曲線
上の第1基本軸方向の座標と、その点において光源から
の光が反射される方向とによって指定されることが好ま
しい。
方向は、得られる配光パターンに直接的に対応するパラ
メータとなるので、要求される配光パターンに対応した
反射面形状の設計が容易化される。
明に係る車両用灯具の反射鏡の反射面設計方法の好適な
実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明に
おいては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を
省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ず
しも一致していない。
反射面設計方法の概略について説明する。図1は、本発
明による車両用灯具の反射鏡の反射面設計方法を概略的
に示す模式図である。図1中、符号RSは、設計の対象
となる反射面を、符号Fは、光を供給する光源(光源バ
ルブ)が配置される光源位置を、また、符号Axは、光
源位置Fを通り光源バルブからの光が反射鏡によって反
射される方向となる光軸をそれぞれ示している。これら
の光源位置F及び光軸Axは、反射面設計の基本条件と
してあらかじめ与えられる。
計される反射面RSは、光源バルブ、反射鏡、及びレン
ズからなる前照灯等の車両用灯具において、光源バルブ
からの光を反射し、レンズを介して灯具から出射させる
反射鏡の反射面として用いられるものである。
の座標軸をそれぞれ示すように、光軸Axの方向である
灯具の前後方向をX軸とする。また、このX軸に直交し
第1基本軸となる軸(例えば、灯具の水平方向)をY軸
とし、X軸及びY軸に直交し第2基本軸となる軸(例え
ば、灯具の垂直方向)をZ軸とする。
反射面RSの面形状は、X軸(光軸Ax)及びY軸を含
む第1基本平面であるXY平面上のXY曲線(第1基本
曲線)Qと、XY曲線Q上の複数の点からそれぞれほぼ
Z軸方向に伸びる複数のXZ曲線(第2基本曲線)Rと
を骨格とし、これらに基づいて曲面を張ることによって
反射面形状を生成する。
XY平面上において設定された複数の基点Pそれぞれの
位置に基づいて生成された部分曲線を繋げることで形成
されている。図1においては、例として、X軸上にある
基点P0を含む12個の基点P-5〜P6を複数の部分曲線
でなめらかに接続して生成されたXY曲線Qが示されて
いる。
Rは、XY曲線Q上にある複数の基点Pそれぞれから、
ほぼZ軸方向に伸びる曲線からなる。図1においては、
例として、上記した基点P-5〜P6それぞれから、Z軸
方向に伸びる12本のXZ曲線R-5〜R6が示されてい
る。
Q、及び複数のXZ曲線Rの生成を含む反射面RSの設
計を実行するための反射面設計方法について説明する。
ブから供給された光(入射光)の反射面RSへの入射角
度α、及び反射面RSで反射された反射光の光軸Axか
らみた反射角度βについて、図2を用いて定義してお
く。
ように、光軸AxであるX軸に対してXY平面上で定義
される。入射角度αは、光源位置FからXY曲線Q(反
射面RS)上の点Aへの入射光の光路とX軸とがなす角
度によって、X軸の負の方向を0°として定義される。
また、反射角度βは、XY曲線Q上の点Aからの反射光
の光路とX軸とがなす角度によって、X軸の正の方向を
0°として定義される。図2においては、XY曲線Q上
の点A1、A2において、入射角度がα1、α2、反射角度
がβ1、β2でそれぞれ反射される2つの光路l1、l
2を、例として示してある。
の反射面設計方法の一実施形態を示すフローチャートで
ある。なお、以下においては、反射面RSのうち、Y≧
0かつZ≧0のYZ平面での第1象限内にある面部分
(図1での右上部分)の反射面形状の生成を例として説
明する。ただし、他の象限内の面部分についても、同様
な方法で面形状を生成することができる。それらの各面
部分については、第1象限について求められた面形状を
そのまま用いても良いし、それぞれ別々の面形状として
生成し、それらを合わせて全体の反射面形状とすること
も可能である。
ず、反射面RSの設計の基本的な諸条件(パラメータ)
を設定する(ステップS100)。この基本的なパラメ
ータとしては、光源位置FのX座標、及び始点での焦点
距離f0などがある。また、必要に応じて、反射面RS
の上端、下端のZ座標なども設定される。ただし、光源
位置FのX座標は通常では0として、反射面形状の生成
に用いる座標系の原点が光源位置Fとされる。
及び反射面RSの面形状の生成に用いられる複数の基点
Pの基点個数を指定する(S101)。この基点個数
は、基点の個数自体によって指定しても良いし、あるい
は、XY曲線Qの分割数によって指定することもでき
る。XY曲線Qの分割数によって基点個数を指定した場
合には、基点個数=分割数+1となる。ここでは、XY
曲線Qの分割数がnとして指定されたものとする。尚、
この分割数が、後述のXY部分曲線Qiの本数となる
(図5参照)。
03において、XY部分曲線Qiそれぞれに対する形状
パラメータを指定する。本実施形態では、形状パラメー
タとして、XY部分曲線Qiの端点となる各基点PiのY
軸方向の位置、及び、各基点Piでの反射方向を用いて
いる。まず、XY平面上に設定される複数(n+1個)
の基点P0〜Pnについて、それぞれのY軸方向の位置を
指定する(S102)。このY軸方向の位置は、例え
ば、各基点のY座標によって指定することが好ましい。
あるいは、各基点での光源位置Fからの光の入射角度α
によって指定しても良い。ここでは、各基点P0〜Pnの
Y座標y0〜ynによってY軸方向の位置が指定されたも
のとする。ただし、全体の始点である基点P0のY座標
は、y0=0である。また、他の基点P1〜PnのY座標
は、条件yi-1<yi(i=1〜n)を満たすように、光
軸Ax側から順に指定される。
基点Pi(i=0〜n)において光源位置Fからの入射
光が反射される方向となる反射方向を指定する(S10
3)。この反射方向は、例えば、各基点で反射される反
射光の光軸Axからみた反射角度βによって指定するこ
とが好ましい。あるいは、灯具から所定距離を置いた面
での配光パターンにおける位置によって指定しても良
い。ここでは、各基点P 0〜Pnでの反射角度β0〜βnに
よって反射方向が指定されたものとする。
び反射角度β0〜βnの指定(形状パラメータの指定)が
終了したら、複数の基点P0〜PnそれぞれのXY平面上
での位置を決定するとともに、決定された基点P0〜Pn
それぞれの位置に基づいて、XY平面上の第1基本曲線
となるXY曲線Qを生成する(S104、第1基本曲線
生成ステップ)。ここでは、隣接する各基点Pi-1〜Pi
(i=1〜n)間のXY曲線の部分をXY部分曲線Qi
(i=1〜n)とし、基点Piの決定及びXY部分曲線
Qiの生成を順に行う。それぞれの基点Pi及びXY部分
曲線Qiは、形状パラメータとして指定されたY座標
yi、反射角度βi、及び隣接する基点Pi-1またはPi+1
の位置などを参照して生成される。具体的なXY部分曲
線Qiの生成方法については、後述する。
されたXY曲線Qに対して、基点P 0〜Pnそれぞれから
ほぼZ軸方向に伸びる複数の第2基本曲線となるXZ曲
線R 0〜Rnを生成する(S105、第2基本曲線生成ス
テップ)。各XZ曲線Riは、例えば、対応する基点Pi
を通る所定形状の曲線(例えば、放物線や双曲線)によ
って、XZ平面上、またはXY平面に直交するとともに
XZ平面から所定角度傾いた平面上で生成される。
を生成したら、それらの曲線Q、R 0〜Rnに基づいて、
反射面RSの面形状を生成する(S106、面形状生成
ステップ)。以上によって、反射面RSの設計を終了す
る。
状を、その外形が光軸Axの方向からみて略長方形とし
て示しているが、最終的に反射鏡として作成される反射
面の外形は、車体側から課せられる形状制約条件などの
諸条件に基づいて決定される。この場合、上記した面形
状の生成を終了した後、反射面RSの実際の外形形状
(デザイン形状)に合わせて不要な部分を削除するトリ
ム化が行われる。
(光軸Ax)及びY軸を含むXY平面(例えば水平面)
上の単一のXY曲線Qと、XY曲線Q上の点からほぼZ
軸方向(例えば垂直方向)に伸びる複数のXZ曲線Rと
を反射面RSの骨格として生成し、それらに基づいて曲
面を張ることによって反射面RSの面形状を生成してい
る。このように、骨格となるXY曲線(第1基本曲線)
及び複数のXZ曲線(第2基本曲線)を反射面設計に用
いることにより、その設計作業の効率が向上される。
線Qiに応じたY座標(基点位置)、及び反射角度(反
射方向)等の形状パラメータを、複数の基点iそれぞれ
に対して指定している。これによって、各基点及びXY
部分曲線に対して、位置や反射条件に関する形状パラメ
ータを指定して反射面形状の生成を指示することが可能
となり、配光パターンの制御性が向上される。
距離などによって指定せず、その基点Pでの光の反射条
件となる反射方向によって指定している。このとき、形
状パラメータとして用いられる反射角度などの反射方向
は、得られる配光パターンに直接的に対応するパラメー
タとなるので、要求される配光パターンに対応した反射
面形状の設計が容易化される。
る複数のXZ曲線R0〜Rnの生成方法については、各基
点Piに対して指定された反射方向に平行で、かつ、第
1基本平面であるXY平面に直交する第2基本平面(X
Z平面から反射方向に傾いた平面)上で、それぞれのX
Z曲線Riを生成することが好ましい。このとき、XZ
曲線Ri全体が指定された反射方向を向き、XZ曲線Ri
上の各点からの反射光が、ほぼ同一の反射方向に出射さ
れることとなる。したがって、各XZ曲線Riと、得ら
れる配光パターンでの各パターン部分との対応が単純化
されるので、配光パターンの制御性がさらに向上され
る。
面設計方法におけるXY曲線の生成方法(S104)、
複数のXZ曲線の生成方法(S105)、及び反射面R
Sの面形状の生成方法(S106)について、具体的な
実施例を参照して説明する。
及び図5を参照して説明する。図4は、XY曲線の生成
方法の一実施例を示すフローチャートである。また、図
5は、図4に示したXY曲線の生成方法を説明する図で
ある。
成方法では、指定された分割数n(基点個数n+1)に
よって、XY曲線の生成を行っている。つまり、XY曲
線Qをn本のXY部分曲線Qi(i=1〜n)を繋げて
生成している。また、基点Piの決定、及びXY部分曲
線Qiの生成の順序としては、最も内側(光軸Ax側)
でX軸上の基点P0から、外側に向かって順次行うこと
としている。
始点となる基点P0(x0,y0)=(x0,0)の位置を
決定する(ステップS200)。このX軸上にある基点
P0の位置は、指定された光源位置F(通常は(0,
0))及び焦点距離f0から、ただちに決定される。な
お、パラメータとして設定された焦点距離f0(図9参
照)は、この基点P0の位置決定に用いられ、他の基点
の位置決定には、直接は用いられない。
して(S201)、基点Piの決定、及びXY部分曲線
Qiの生成(i=1〜n)を開始する(S202)。ま
ず、基点P1に対応するXY部分曲線Q1を生成し、次い
で、これに繋がるようにXY部分曲線Q2を生成する。
以降、i=nとなるまで、このようにXY部分曲線Qi
の生成を繰り返す。ここで、基点Pi及びXY曲線Qiに
対して指定されている形状パラメータとしては、基点P
iのY軸方向の位置を指定するY座標yi、及び基点Pi
での光の反射方向を指定する反射角度βiがある。
法、及びXY部分曲線Qiの生成方法を示している。こ
の図5に示すように、位置が既定の基点Pi-1を始点Ps
とし、位置が未定の基点Piを終点Peとする(S20
3)。つまり、各XY部分曲線Q iの始点は、一つ前に
生成したXY部分曲線Qi-1の終点となる。このとき、
始点Psの位置(xs,ys)=(xi-1,yi-1)は、い
ずれも既知、終点Peの位置(xe,ye)=(xi,
yi)は、yeが形状パラメータとして指定されていて既
知、xeが未知である。また、始点Psでの入射角度αs
=αi-1及び反射角度βs=βi-1は、いずれも既知、終
点Peでの入射角度αe=αi及び反射角度βe=βiは、
αeが未知、反射角度βeが形状パラメータとして指定さ
れていて既知である。
るXY部分曲線Q1〜Qi-1を、指定されている形状パラ
メータを満たすように終点Peに向けて延長する。そし
て、基点Pi=Peの位置を決定するとともに、基点Ps
〜Pe間のXY部分曲線Qiを生成する(S204)。
Qiの生成を終了したら、i=nであるかどうかを判断
する(S205)。i<nであれば、生成されていない
XY部分曲線Qiがあるので、i=i+1として(S2
06)、次の基点の決定、及びXY部分曲線の生成を行
う。i=nであれば、すべての基点Pi(i=0〜n)
の決定、及びXY部分曲線Qi(i=1〜n)の生成を
終了しているので、得られたXY部分曲線Qiから1本
のXY曲線Qを生成して(S207)、基点の決定及び
XY曲線の生成を終了する。
曲線Qi(i=1〜n)をその領域に応じた形状パラメ
ータに基づいて生成し、これを順次繋げて1本のXY曲
線(第1基本曲線)を形成しているため、XY曲線全体
で一つの形状パラメータを用いるような場合と比較し
て、配光パターンの制御性が向上される。さらに、XY
部分曲線Qiは、一方から順次生成するため、形状及び
配光パターンが滑らかになる。また、一つ前のXY部分
曲線Qi-1の位置が既定の終点を次に生成するXY部分
曲線Qiの始点としているため、反射面の設計を効率良
く行うことができる。
する。図6は、XZ曲線の生成方法の一実施例を示すフ
ローチャートである。また、図7は、図6に示したXZ
曲線の生成方法を説明する図である。
成方法では、各基点Piに対して指定された反射方向に
平行で、かつ、XY平面(第1基本平面)に直交するU
Z平面(第2基本平面、XZ平面から反射方向に傾いた
平面)を設定し、そのUZ平面上で、XZ曲線Riの生
成を行っている。このUZ平面は、各基点Piごとに設
定される。また、XZ曲線Riの生成の順序としては、
最も内側(光軸Ax側)でXZ平面上のXZ曲線R0か
ら、外側に向かって順次行うこととしている。
曲線Riの生成(i=0〜n)を開始する(S30
2)。ここで、XZ曲線Riに対して指定されているパ
ラメータとしては、既に決定されている基点Piの位置
(xi,yi)、及びXZ曲線Ri(基点Pi)での光の反
射方向を指定する反射角度βiがある。あるいは、上端
反射角度、下端反射角度、上下調整係数、前後調整係数
などがさらに指定されている場合もある(図9参照)。
面を設定する(S303)。図7は、基点番号iでのX
Z曲線Riの生成方法を示している。この図7に示すよ
うに、X軸、Y軸、及びZ軸からなる座標軸に対して、
X軸に代えてUi軸を、また、Y軸に代えてVi軸を設定
する。Ui軸は、基点Piでの反射角度βiで指定される
反射方向に平行で、Z軸に直交する軸として設定され
る。また、Vi軸は、Ui軸及びZ軸に直交する軸として
設定される。そして、このUi軸及びZ軸から、基点Pi
を含む平面として、図7に示すUiZ平面が設定され
る。
形状パラメータを決定する(S304)。例えば、XZ
曲線Riを放物線によって生成する場合には、光源位置
F及び基点Piの位置関係や、基点Piに対して指定され
ている反射方向などを参照して、必要な形状パラメータ
として放物線の焦点距離fiなどが決定される。また、
XZ曲線Riの上端、下端での反射角度や調整係数など
がデフォルト値以外に指定されていれば(図9参照)、
それらに基づいて形状パラメータの決定または調整が行
われる。この場合、曲線としては、放物線に限らず、必
要に応じて他の2次曲線や3次以上の曲線などが用いら
れる。特に、3次以上の曲線とした場合には、曲線形状
の微調整を行うために好適である。
形状パラメータに基づいて、UiZ平面上で、放物線ま
たは3次以上の曲線などによってXZ曲線Riを生成す
る(S305)。
であるかどうかを判断する(S306)。i<nであれ
ば、生成されていないXZ曲線があるので、i=i+1
として(S307)、次のXZ曲線の生成を行う。i=
nであれば、すべてのXZ曲線Ri(i=0〜n)の生
成を終了しているので、得られた複数のXZ曲線Riか
ら反射面RSの面形状を生成して(S308)、XZ曲
線の生成及び反射面形状の生成を終了する。
は、すべてのXZ曲線の生成を終了してから全体として
面形状の生成を行っても良いが、XY曲線Qを分割した
XY曲線Qiと同様に、反射面RSをn個の反射面RSi
(i=1〜n)に分割し、各XZ曲線Riの生成が終了
するごとに順次面形状を生成しても良い。例えば、図7
においては、生成が終了したXZ曲線Riと、既に生成
されているXZ曲線Ri -1との間での反射面RSiの面形
状の生成が示されている。
成の反射面設計システムを適用することができる。図8
は、反射面設計システムの一実施形態の構成を示すブロ
ック図である。
面RSの設計に用いられるパラメータを設計者に入力さ
せるパラメータ入力部2と、入力されたパラメータに基
づいて反射面RSを生成する反射面生成部3とを備えて
構成されている。
分曲線の数)や、各基点P0〜PnのY座標y0〜yn、及
び、各基点P0〜Pnでの反射角度β0〜βn等の形状パラ
メータを入力することができる。このパラメータ入力部
2を操作することで、図3のフローチャートにおける指
定ステップS101〜S103を実行することができ
る。また、反射面RSの設計に先立って設定される光源
位置FのX座標や始点での焦点距離f0などの基本的な
パラメータ(S100参照)についても、同様にこのパ
ラメータ入力部2から入力される構成としても良い。
を決定するとともにXY曲線Qを生成するXY曲線生成
部(第1基本曲線生成部)31と、XZ曲線R0〜Rnを
生成するXZ曲線生成部(第2基本曲線生成部)32
と、生成されたXY曲線Q及びXZ曲線R0〜Rnに基づ
いて反射面RSの面形状を生成する面形状生成部33と
を有している。これらの各生成部31〜33が機能する
ことで、それぞれ図3のフローチャートにおける各生成
ステップS104〜S106が実現される。
は、反射面RSの設計に用いられる設計画面を設計者に
表示する設計画面表示部(ディスプレイ)4と、設計画
面を作成するとともにその表示を設計画面表示部4に指
示する画面表示指示部5とをさらに備えている。
現化するには、XY曲線、複数のXZ曲線、及び反射面
形状等を生成するCPU、システム1の処理動作に必要
なプログラム等が記憶されたROM、プログラム実行中
に一時的にデータが記憶されるRAM、ハードディスク
等の外部記憶装置、マウスやキーボード等の入力装置、
及び、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示
装置等のハードウエアが利用される。
上述した反射面設計方法を適用するとともに、基点個
数、Y座標、及び反射角度(反射方向)の各パラメータ
を、それぞれ設計者に入力させることによって指定して
いる。
を入力させる構成とすることによって、例えば、各基点
のY軸方向の位置を、適宜間隔を変えつつ指定するな
ど、それぞれの灯具での具体的な条件などを考慮して、
最適なパラメータを指定することが可能となる。ただ
し、これらの各パラメータは、例えば、各基点のY軸方
向の位置をY軸に対して等間隔に指定するなど、適当な
パラメータの指定方法をあらかじめ定めておいて、自動
的に指定を行うことも可能である。或いは、パラメータ
入力部2より基点個数、基点位置、反射方向等を入力さ
せるのではなく、これらの情報をデータベースに記憶さ
せておき、反射面生成部3がデータベース内の記憶情報
を読み出すようにしてもよい。
に、各形状パラメータを設計者に入力させる場合には、
設計画面表示部4に入力画面を表示し、これを参照して
形状パラメータを入力させることができる。図9に、こ
のような入力画面の構成の一例を示す。この入力画面4
0は、複数の基点Pについて、基点個数の入力を指示
し、または入力された基点個数を表示する基点個数表示
領域41と、複数の基点P及びXY曲線Qについてのパ
ラメータの入力を指示するとともに、入力されたパラメ
ータを表示するXY曲線パラメータ表示領域42と、X
Z曲線Rについてのパラメータの入力を指示するととも
に、入力されたパラメータを表示するXZ曲線パラメー
タ表示領域43とを有して構成されている。
(X方向)、反射面上端(Z方向)、反射面下端(Z方
向)、及び焦点距離についても、それぞれ表示領域が設
けられている。また、基点個数表示領域41において
は、XY曲線Qの分割数、すなわちXY部分曲線Qiの
数によって基点個数(基点個数=分割数+1)が指定
(図9では分割数=9、基点個数=10)されている。
は、XY曲線Qの生成に用いられる複数の基点Pのそれ
ぞれに対して、各パラメータを指定するように構成され
ている。具体的には、各基点Pの番号(0〜9)を表示
する領域42aと、各基点PのY座標の入力を指示する
領域42bと、各基点Pでの反射角度の入力を指示する
領域42cとを有して構成されている。
は、複数のXZ曲線Rの生成に用いられる複数の基点P
のそれぞれに対して、各パラメータを指定するように構
成されている。具体的には、各基点Pの番号(0〜9)
を表示する領域43aと、各基点Pから伸びるXZ曲線
Rの上端での反射角度の入力を指示する領域43bと、
各基点Pから伸びるXZ曲線Rの下端での反射角度の入
力を指示する領域43cと、各基点Pから伸びるXZ曲
線Rに対する上下調整係数の入力を指示する領域43d
と、各基点Pから伸びるXZ曲線Rに対する前後調整係
数の入力を指示する領域43eとを有して構成されてい
る。
れの領域内の各入力欄に、入力されるパラメータ値の例
が表示された状態で示されている。また、これらの表示
領域内の各入力欄は、設計者がパラメータ値を入力する
前では、空欄またはデフォルト値が表示された状態で示
される。
設計方法は、上記した実施形態及び実施例に限られるも
のではなく、様々な変形が可能である。例えば、各基点
及びXY部分曲線に対する形状パラメータについては、
各基点のY座標及び反射角度によって指定する上記の方
法に限られず、他のパラメータによって形状パラメータ
を指定してもよい。また、XY部分曲線を生成する順序
については、外側の基点から内側に向かって実行しても
よい。
面設計方法によれば、骨格となる第1基本曲線及び複数
の第2基本曲線を反射面設計に用いることにより、その
設計作業の効率を向上させることができる。また、各部
分曲線をその領域に応じた形状パラメータに基づいて生
成し、これを順次繋げて1本の第1基本曲線を形成して
いるため、第1基本曲線全体で一つの形状パラメータを
用いるような場合と比較して、配光パターンの制御性を
向上させることができる。
に示す模式図である。
反射角度を示す図である。
形態を示すフローチャートである。
ャートである。
である。
ャートである。
である。
実施形態の構成を示すブロック図である。
反射面生成部、31…XY曲線生成部、32…XZ曲線
生成部、33…面形状生成部、4…設計画面表示部、5
…画面表示指示部、40…入力画面、41…基点個数表
示領域、42…XY曲線パラメータ表示領域、43…X
Z曲線パラメータ表示領域、RS…反射面、F…光源位
置、Ax…光軸、P…基点、Q…XY曲線(第1基本曲
線)、R…XZ曲線(第2基本曲線)、Qi…XY部分
曲線。
Claims (3)
- 【請求項1】 車両用灯具に用いられる反射鏡の反射面
設計方法であって、 光源が配置される光源位置を通り前記光源からの光が反
射鏡によって反射される方向となる光軸、及び、前記光
軸に直交する第1基本軸、を含む第1基本平面上に、第
1基本曲線を生成する第1基本曲線生成ステップと、 前記第1基本曲線に対して、前記第1基本平面に直交す
る第2基本軸方向に伸びる複数の第2基本曲線を生成す
る第2基本曲線生成ステップと、 前記第1基本曲線及び前記複数の第2基本曲線に基づい
て、前記反射面の面形状を生成する面形状生成ステップ
と、を含み、 前記第1基本曲線生成ステップにおいて、 一の部分曲線を生成した後に当該部分曲線に繋がるよう
に以降の部分曲線を生成するステップを繰り返すこと
で、前記複数の部分曲線が繋がって成る1本の前記第1
基本曲線を生成し、 前記各部分曲線は、それぞれに応じた形状パラメータに
基づいて生成されることを特徴とする車両灯具の反射鏡
の反射面設計方法。 - 【請求項2】 前記第1基本曲線生成ステップにおい
て、 一つ前に生成した前記部分曲線の位置が規定の終点を始
点とし、前記形状パラメータが指定されていて位置が未
定の点を終点とするとともに、 前記始点から前記終点へと前記形状パラメータを満たす
ように曲線を生成することによって、前記各部分曲線を
生成することを特徴とする請求項1記載の車両灯具の反
射鏡の反射面設計方法。 - 【請求項3】 前記形状パラメータが、前記部分曲線上
の前記第1基本軸方向の座標と、その点において前記光
源からの光が反射される方向とによって指定されること
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両灯具の反
射鏡の反射面設計方法。
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