JP2002080717A - フィルム用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
フィルム用ポリアミド樹脂組成物Info
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Abstract
ト処理を受けても実用的性質の低下が小さいフィルム用
ポリアミド樹脂組成物、および食品包装用ポリアミドフ
ィルム、特に、レトルト包装用フィルムとして好適に使
用されるポリアミドフィルムを提供する。 【解決手段】(A)ポリアミド樹脂 100重量部、
(B)一般式(1)で表されるヒドロキシフェニルプロピ
オン酸エステル 0.01〜1.0重量部を含有するフ
ィルム用ポリアミド樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
Description
を特定量含有するフィルム用ポリアミド組成物および食
品包装用ポリアミドフィルムに関する。詳しくは、熱安
定性、酸化安定性に優れ、かつ、レトルト処理後でも、
機械的性質、特に、引張強度保持率が高いなど実用的性
質が良好なフィルム用ポリアミド樹脂組成物、および食
品包装用ポリアミドフィルム、特に、レトルト包装用フ
ィルムとして好適に使用されるポリアミドフィルムに関
する。
スバリヤ性、強靭性、耐ピンホール性、耐熱性あるいは
耐油性などの諸特性が優れている。そのため、ポリアミ
ドは包装用フィルム、特に食品包装用分野を中心に、単
層フィルムあるいはラミネートフィルムの基材として、
また、他樹脂との共押出による多層フィルムの構成素材
として使用されている。近年、特に、レトルト食品包装
用フィルムとしての需要が増加している。
合、樹脂の流動性や生産性を考慮して、使用するポリア
ミド樹脂の融点より50〜100℃程度、高い温度で溶
融混練し、製膜することが多い。この様な温度でポリア
ミド樹脂を保持した場合、ポリアミド樹脂は部分的な架
橋や劣化することがあり、ゲル状物を生成したり、着色
したりすることがある。そのため、長時間連続してフィ
ルムを製造した場合や製造を途中で中断するような間欠
的な方法でフィルムを製造した場合、製造されたフィル
ムの表面にゲル状物が多数発生することがあり、フィル
ムとしての商品価値が低下することがあった。
ルムは、内容物を充填後、滅菌処理されるが、近年、レ
トルト処理は約130℃の熱水や水蒸気で処理されるこ
とが多く、処理条件が厳しくなっている。このような条
件でポリアミドフィルムを処理した場合、ポリアミドフ
ィルムの機械的性質、特に、引張強度の低下が大きくな
ったり、透明性が低下するなど実用的な性質が損なわれ
ることがあった。
でも、ゲル状物の発生や着色が少ないなど熱安定性が良
好なポリアミド樹脂に関する開発やレトルト処理を受け
ても、実用的性質の低下が少ないフィルム用ポリアミド
樹脂に関する研究開発が進められている。熱安定性、酸
化安定性が良好なポリアミド樹脂組成物に関しては、例
えば、特開昭59−25826号公報、特開昭59−2
31089号公報、特開昭62−149679号公報、
特開平6−16928号公報などにポリアミド樹脂とヒ
ドロキシフェニルプロピオン酸エステルを含む熱安定性
の改良されたポリアミド樹脂組成物が開示されている。
また、特開平4−28727号公報、特開平7−268
209号公報などには、レトルト処理で実用的性質の低
下が少ないレトルト食品包装用ポリアミドフィルムが開
示されている。
6号公報、特開昭59−231089号公報、特開昭6
2−149679号公報には、ヒドロキシフェニルプロ
ピオン酸エステルを含む熱安定性、酸化安定性の改良さ
れたポリアミド樹脂組成物が開示されている。しかしな
がら、これら先行文献には、ポリアミド樹脂組成物の熱
安定性、酸化安定性に関する具体的なデータは開示され
ていない。また、フィルム用途に関する具体的な記載も
なく、レトルト処理によるポリアミドフィルムの実用的
性質への影響についても技術開示や示唆がなされていな
い。特開平6−16928号公報にはポリアミド樹脂組
成物の熱安定性、酸化安定性が改良されることが開示さ
れているが、リン系酸化防止剤は必須の構成成分であ
る。また用途面でフィルムに関する記載はなく、レトル
ト処理による実用的性質への影響についても何等の技術
開示や示唆がなされていない。
端変性ポリアミド系樹脂よりなるレトルト食品包装用フ
ィルムが開示されていが、このポリアミド系樹脂の熱安
定性、酸化安定性に関しては、何等の記載も示唆もされ
ていない。また、特開平7−268209号公報には、
特定の酸化防止剤が配合されたポリアミド組成物からな
るレトルト食品包装用フィルムが開示しているが、この
ポリアミド系樹脂の熱安定性、酸化安定性に関しては、
何等の記載も示唆もされていない。
ミド樹脂組成物に関する技術やレトルト処理を受けて
も、実用的性質の低下が小さいレトルト食品包装用ポリ
アミドフィルムに関する技術はそれぞれ開示されてい
る。しかし、熱安定性、酸化安定性が良好で、かつ、レ
トルト処理を受けても実用的性質の低下が小さいフィル
ム用ポリアミド樹脂に関する技術の開示は見当たらな
い。そのため、食品包装用材料分野では、熱安定性、酸
化安定性が良好で、かつ、レトルト処理を受けても実用
的性質の低下が小さいフィルム用ポリアミド樹脂の開発
が要望されている。
望を満たすフィルム用ポリアミド樹脂を目的に種々検討
した結果、特定の酸化防止剤が特定量配合されたポリア
ミド樹脂組成物により目的を達成することを見出し、本
発明に到達した。
脂 100重量部、(B)一般式(1)で表されるヒドロ
キシフェニルプロピオン酸エステル 0.01〜1.0
重量部を含有するフィルム用ポリアミド樹脂組成物であ
る。
おいて使用される(A)ポリアミド樹脂は、3員環以上
のラクタム、アミノ酸、またはジアミンとジカルボン酸
とからなるナイロン塩を重合、または共重合することに
よって得られるポリアミド樹脂である。これらの重合、
または共重合は溶融重合、溶液重合や固相重合など公知
のポリアミドの重合方法で行うことができる。製造装置
としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多式の連続反
応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型
混練押出機などの混練反応押出機など、公知のポリアミ
ド製造装置を用いることができる。
ε―カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ラウ
ロラクタム、α―ピロリドン、α―ピペリドンなどを挙
げることができる。アミノ酸としては、例えば、6―ア
ミノカプロン酸、7―アミノヘプタン酸、9―アミノノ
ナン酸、11―アミノウンドデカン酸、12―アミノド
デカン酸などを挙げることができる。
例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウ
ンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、
2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレン
ジアミンなどの脂肪族アミン、1,3−/1,4−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、ピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メ
タン、2,2−ビス−(4’−アミノシクロヘキシル)
プロパンなどの脂環族ジアミン、およびメタキシリレン
ジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン
を挙げることができる。
は、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸、アゼライン酸、セパチン酸、ノナンジオン
酸、デカンジオン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジ
オン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフ
タル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環族カルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸(1,2−体、1,3−体1,4−体、1,5−
体、1,6−体、1,7−体、1,8−体、2,3−
体、2,6−体、2,7−体)などの芳香族ジカルボン
酸を挙げることができる。本発明においては、上記の3
員環以上のラクタム、アミノ酸、またはジアミンとジカ
ルボン酸からなるナイロン塩の重合、または共重合によ
り製造されるホモポリマーまたはコポリマーを各々単独
または混合して用いることができる。
としては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイ
ロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6
6、ナイロン69、ナイロン610、ナイロン611、
ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロ
ンMXD6、ナイロン6/66(ナイロン6とナイロン
66のコポリマー、以下、コポリマーは同様に記載)、
ナイロン6/610、ナイロン6/611、ナイロン6
/12、ナイロン6/612、ナイロン6/6T、ナイ
ロン6/6I、ナイロン6/66/610、ナイロン6
/66/12、ナイロン6/66/612、ナイロン6
6/6T、ナイロン66/6I、ナイロン6T/6I、
ナイロン66/6T/6Iなどが挙げられる。好ましい
ポリアミド樹脂としては、得られる成形品の耐熱性、機
械的強度、透明性や経済性、入手の容易さなどを考慮し
て、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、ナイロ
ンMXD6、ナイロン6/66、ナイロン6/12、ナ
イロン6/66/12である。
は、JIS K6810に準じ、98%硫酸中濃度1
%、温度25℃の条件で測定された相対粘度ηrが、2
〜6、好ましくは2〜5の範囲のものである。相対粘度
が低すぎると、得られる成形品の機械的強度が不十分な
ことがあり、高すぎるとフィルム製造が困難になること
がある。
(1)で表されるヒドロキシフェニルプロピオン酸エス
テルは(以下、これを単にヒドロキシフェニルプロピオ
ン酸エステルと呼ぶ。)、3−(3−アルキルー5−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、ま
たはその酸塩化物、酸無水物などの反応性誘導体と3,
9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウン
デカン類とを公知の方法で反応させることにより製造す
ることができる。
フェニルプロピオン酸エステルにおいて、R1は、メチ
ル基、エチル基、プロピル基を示すが、熱および酸化安
定性の点でメチル基が好ましい。ヒドロキシフェニルプ
ロピオン酸エステルの具体例としては、3,9−ビス
[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフエニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメ
チルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5・5]ウンデカン、3,9−ビス[2−〔3−(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−エチルフエニル)
プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウン
デカン、3,9−ビス[2−〔2−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフエニル)プロピオ
ニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンな
どがあるが、これらの中では、3,9−ビス[2−〔3
−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフエ
ニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチ
ル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・
5]ウンデカンが好ましく使用される。
アミド樹脂100重量部と、(B)ヒドロキシフェニル
プロピオン酸エステル0.01〜1.0重量部、好まし
くは、0.01〜0.5重量部、より好ましくは0.0
5〜0.25重量部を含有するものである。ヒドロキシ
フェニルプロピオン酸エステルの配合量が0.01重量
部未満になると、改良効果が必ずしも充分に発揮され
ず、また1.0重量部を超えて配合しても、それに見合
う効果の向上が期待できず、経済的に不利となる。
られるフィルムの特性を損なわない範囲内で、ヒドロキ
シフェニルプロピオン酸エステル以外の公知のフェノー
ル系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)−4,4‘−ビフェニレンフォスファ
イトなどのリン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、紫
外線吸収剤を含む耐候剤、ステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸ママグネシウムなどの金属石鹸、メチレンビ
スアミド、エチレンビスアミドなどのビスアミド化合
物、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、アルキル
スルホネート、第4級アンモニウムサルフェートなどの
帯電防止剤、シリカ、タルク、モンモリナイトなどの各
種フィラー、ブロッキング防止剤、染料、顔料などの各
種添加剤が配合されていてもよい。
ミド樹脂とヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルお
よび必要に応じて各種添加剤を配合し、公知の方法で混
合することによって製造される。例えば、タンブラーや
ミキサーなどの公知の混合装置を使用し、ポリアミド樹
脂とヒドロキシフェニルプロピオン酸エステルとをドラ
イブレンドして製造する方法、ヒドロキシフェニルプロ
ピオン酸エステルを可溶な溶媒に溶解させた溶液をポリ
アミド樹脂に散布した後、溶媒を蒸発させて製造する方
法、ポリアミド樹脂とヒドロキシフェニルプロピオン酸
エステルを公知の一軸または二軸の押出機を用いて溶融
混練して、製造する方法などがある。
ムを製造する方法としては、公知のポリアミドのフィル
ム製造方法を適用することができる。例えば、本発明の
ポリアミド樹脂組成物を押出機で溶融混練し、T−ダイ
あるいはコートハンガーダイによりフラットフィルム状
に押出し、キャスティングロール面上にキャスティン
グ、冷却してフィルムを製造するキャスティング法、リ
ング状ダイにより筒状に溶融押出したチューブ状物を空
冷あるいは水冷してフィルムを製造するチューブラー法
等がある。製造されたフィルムは未延伸の状態で使用で
きるが、通常、延伸フィルムとして使用されることが多
い。延伸フィルムとしては、一軸延伸フィルム、同時二
軸延伸フィルム、逐次二軸延伸フィルムなどであり、こ
れらは、ロール式一軸延伸法、テンター式逐次二軸延伸
法、テンター式同時二軸延伸法、チューブラー延伸法な
ど公知の延伸方法によって製造される。また、延伸工程
はポリアミドフィルムの製造に引続き、連続して実施し
ても良いし、ポリアミドフィルムを一旦巻き取り、別工
程として延伸を実施しても良い。
て異なるが、通常、一軸延伸フィルムの場合、1.5〜
5倍、好ましくは、1.8〜3.5倍である。また、テ
ンター式二軸延伸フィルムは、通常、フィルム製造の巻
取方向(縦方向)の延伸倍率は1.5〜4倍、巻取方向
と直角の方向(横方向)の延伸倍率は1.5〜5倍であ
る。チューブラー法で延伸する場合、縦方向1.5〜4
倍、横方向1.5〜4倍である。
れるフィルムは、他の高分子フィルムやアルミニウム箔
などと積層体にして、使用することができる。積層され
る他の高分子フィルムとしては低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体、アイオノマー樹脂などから得られるフィ
ルムを挙げることができる。
との積層体を製造する方法は、公知の方法が適用でき
る。例えば、ポリアミドフィルムと他の1種もしくは2
種以上の高分子フィルムを接着剤で接着する方法や、ポ
リアミド樹脂と1種もしくは2種以上の他の高分子フィ
ルムを構成する高分子化合物を、接着性樹脂を介して多
層口金から溶融共押出しする方法などを適用することが
できる。
るフィルムは熱安定性、酸化安定性が良好で、長時間連
続運転しても、ゲル状物の発生が少なく、かつ、レトル
ト処理を受けても、実用的性質の低下が小さいため、生
麺、加工食品、漬物、肉類などの食品包装用材料に適し
ており、特に、レトルト食品包装用材料として好適に利
用される。
発明をさらに詳しく説明するが、これらの例に限定され
ないのは勿論である。以下、実施例、比較例で使用した
ポリアミド樹脂、酸化防止剤、評価方法を記載する。
LON 1022B,相対粘度3.6) (B−1):3,9-ビス[2−〔3−(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフエニル)プロピオニル
オキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン:住友化
学工業株式会社製商品名 スミライザー GA−80 (B−2):ペンタエリスリチル−テトラキス[3−
(3,5−ジーt−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
株式会社製 商品名 イルガノックス1010 (B−3):オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]:チ
バ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 商品名 イ
ルガノックス1076 (P):トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォ
スファイト:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会
社製 商品名 イルガフォス168
製、TEX30型)に供給し、押出機設定温度250
℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、溶融混練
して、造粒し、ペレットを製造した。このペレットを乾
燥後、再度、同一条件で造粒し、製造したペレットを乾
燥した。このペレットをTダイを備えた単軸押出機(ユ
ニオンプラスチック製USV25−28−200)に供
給し、押出機設定温度250℃、スクリュー回転数40
rpm、冷却ロール温度40℃の条件に設定し、厚さ4
0μmのポリアミドフィルムを30分間製造した後、押
出機設定温度を維持した状態でスクリューを停止して、
フィルムの製造を1時間中断した。それから、スクリュ
ーを回転させ、ポリアミドフィルムの製造を再開し、ポ
リアミドフィルムを30分間製造した後、再度、押出機
設定温度を維持した状態でスクリューを停止して、フィ
ルムの製造を1時間中断した。この操作をもう一度繰り
返した後、フィルムの製造を再開し、スクリューの回転
開始から30分後のフィルムをフィルムゲルカウンター
(FUTEC製フッィシュアイカウンター)を使用し
て、0.04m2当り、径200μm以上のゲル状物個
数をオンラインで測定した。ゲル状物の数が少ないほ
ど、熱安定性は良好となる。
製、TEX30型)に供給し、押出機設定温度250
℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、溶融混練
して、造粒し、ペレットを製造した。このペレットを乾
燥後、再度、同一条件で造粒し、製造したペレットを乾
燥した。このペレットをTダイを備えた単軸押出機(プ
ラスチック工学研究所製40mmφEx)に供給し、押
出機設定温度250℃、スクリュー回転数40rpm、
冷却ロール温度40℃の条件に設定し、厚さ150μm
の評価用ポリアミドフィルムを製造した。 (2)黄色度YIの評価 上記で得た評価用フィルムを180℃のオーブン中に5
時間保持し、エージング処理を行った。エージング処理
前後の評価用フィルムからそれぞれ縦5.0cm、横
5.0cmのサンプルを切出し、カラーコンピューター
(スガ試験機株式会社製 SM−5−IS−2B)を使
用して、黄色度YIを測定した。耐熱変色性の指標値と
して、エージング処理前後のフィルムの黄色度YIの変
化値ΔYIを求めた。変化値ΔYIが小さいほど酸化安
定性(耐熱変色性)は良好となる。ΔYI=(エージン
グ処理後のYI)−(エージング処理前のYI)
製、TEX30型)に供給し、押出機設定温度250
℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、溶融混練
して、造粒し、ペレットを製造、乾燥した。このペレッ
トをTダイを備えた単軸押出機(プラスチック工学研究
所製、Plaborφ40Ex型)に供給し、押出機設
定温度250℃、スクリュー回転数40rpm、冷却ロ
ール温度30℃の条件に設定して、厚さ100μmのポ
リアミドフィルムを製造した。このフィルムからサンプ
ルを切出し、評価用の未延伸フィルムとした。次いで、
未延伸フィルムから縦90mm、横90mmのサンプル
を切出し、岩本製作所製二軸延伸機に取付け、延伸温度
70℃で同時二軸延伸を行い、縦2.8倍、横2.8倍
に延伸した後、210℃で熱固定して、レトルト処理を
行う二軸延伸フィルムを得た。
50mm)をレトルト食品用オートクレーブ(トミー精
工製、SR−240)に入れ、135℃、全圧3.2kg
/cm2(ゲージ圧)、空気分圧1.0kg/cm2(ゲージ
圧)の条件で30分間処理した。
張強度保持率は[(レトルト処理後引張強度)/(レト
ルト処理前引張強度)]×100(%)で求めた。引張
強度保持率の値が高いほどレトルト処理による影響が小
さいことを示す。
第1表に示した量の(B)酸化防止剤を配合し、前記の
方法でフィルムを製造し、熱安定性、酸化安定性、およ
びレトルト処理評価用フィルム作成した。このフィルム
を使用し、フィルム表面のゲル状物の数、黄色度YIお
よび引張強度を測定し、結果を第1表に示した。
ロキシフェニルプロピオン酸エステルを含有するポリア
ミド樹脂組成物は、熱,酸化安定性に優れ、かつレトル
ト処理後の引張強度保持率が高く、耐熱水性の良好なフ
ィルム用ポリアミド樹脂組成物であり、特に、食品包装
用フィルム用途に好適なポリアミド樹脂組成物である。
Claims (3)
- 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂 100重量部、
(B)一般式(1)で表されるヒドロキシフェニルプロピ
オン酸エステル 0.01〜1.0重量部を含有するフ
ィルム用ポリアミド樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜3のアルキル基を表す。) - 【請求項2】請求項1記載の(B)ヒドロキシフェニル
プロピオン酸エステルが3,9−ビス[2−〔3−(3
−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフエニル)
プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウン
デカンであることを特徴とするフィルム用ポリアミド樹
脂組成物。 - 【請求項3】請求項1または請求項2記載のフィルム用
ポリアミド樹脂組成物から得られる食品包装用ポリアミ
ドフィルム。
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JP2000204134 | 2000-07-05 | ||
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JP (1) | JP4474807B2 (ja) |
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JPWO2004113071A1 (ja) * | 2003-06-18 | 2006-07-27 | グンゼ株式会社 | ポリアミド系多層フィルム |
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2001
- 2001-06-26 JP JP2001192306A patent/JP4474807B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPWO2004113071A1 (ja) * | 2003-06-18 | 2006-07-27 | グンゼ株式会社 | ポリアミド系多層フィルム |
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