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JP2002055455A - 化学増幅型レジスト材料及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

化学増幅型レジスト材料及びレジストパターンの形成方法

Info

Publication number
JP2002055455A
JP2002055455A JP2000245051A JP2000245051A JP2002055455A JP 2002055455 A JP2002055455 A JP 2002055455A JP 2000245051 A JP2000245051 A JP 2000245051A JP 2000245051 A JP2000245051 A JP 2000245051A JP 2002055455 A JP2002055455 A JP 2002055455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
resist
alkali
soluble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000245051A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Murakami
健一 村上
Satoshi Takechi
敏 武智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2000245051A priority Critical patent/JP2002055455A/ja
Publication of JP2002055455A publication Critical patent/JP2002055455A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高解像性及び高感度を有することに加えて、
特にArFレーザに対して透明であり、酸の存在下にお
いて保護基の脱離が容易に進行し、かつドライエッチン
グ耐性(耐熱性)を有する化学増幅型レジスト材料を提
供すること。 【解決手段】 保護基により保護されたアルカリ可溶性
基を含有しかつ前記保護基が酸により脱離して当該重合
体をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感
応性重合体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤
とを含んでなる化学増幅型レジスト材料であって、前記
アルカリ可溶性基の保護基が、環状炭化水素基にアリル
基が付加した構造を有するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レジスト材料に関
し、さらに詳しく述べると、高解像性及び高感度に加え
て、酸の存在下における高い脱離能力を備え、耐熱性を
付与することができ、かつパターニングの完了後に後に
全面露光、ベーキングという連続的な処理を追加して行
うことによって、ドライエッチング耐性を向上させるこ
とができる化学増幅型レジスト材料に関する。本発明
は、また、かかる新規なレジスト材料を使用したレジス
トパターンの形成方法に関する。本発明によるレジスト
材料及びレジストパターンの形成方法は、特に半導体集
積回路等の半導体装置の製造に有利に使用することがで
きる。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路は集積化が進んで
LSIやVLSIが実用化されており、また、これとと
もに、集積回路の最小パターンはサブミクロン領域に及
び、更に微細化する傾向にある。微細パターンの形成に
は、薄膜を形成した被処理基板上をレジストで被覆し、
選択露光を行って所望のパターンの潜像を形成した後に
現像してレジストパターンを作り、これをマスクとして
ドライエッチングを行い、その後にレジストを除去する
ことにより所望のパターンを得るリソグラフィ(写真食
刻)技術の使用が必須である。そして、このリソグラフ
ィにおいて使用される、回路パターン焼き付けのための
露光光源として、当初はg線(波長436nm) 、i線
(波長365nm)の紫外線光が使用されていたが、パタ
ーンの微細化に伴い、より波長の短い遠紫外線光、真空
紫外光、電子線(EB)、X線などが光源として使用さ
れるようになってきている。特に最近では、エキシマレ
ーザ(波長248nmのKrFレーザ、波長193nmのA
rFレーザ)が露光光源として注目されかつ微細パター
ンの形成に有効であると期待されており、特にKrFレ
ーザはすでに微細パターンの形成に使用されている。な
お、本願明細書では、「放射線」なる語を用いた場合、
これらのさまざまの光源からの光、すなわち、紫外線、
遠紫外線、真空紫外光、電子線、X線、各種レーザ光等
を意味するものとする。
【0003】ところで、上記したようなエキシマレーザ
をリソグラフィにおいて露光光源として使用する場合に
は、それに対応可能であり、しかも高解像性、高感度、
そして優れた耐ドライエッチング性を有するレジスト材
料を使用することが必要となる。しかし、従来のレジス
ト材料は、このような要求に応えることができない。例
えば、数多く開発されているものに、フェノール樹脂又
はノボラック樹脂をベースとするレジスト材料がある
が、これらの公知のレジスト材料は、その構造中に芳香
族環を含んでいるので、耐ドライエッチング性には優れ
ているものの、KrFレーザの波長に対して透明性が低
く、ArFレーザの波長に至ってはまったく不透明であ
る。このため、微細化に対応できるパターン精度を得る
ことができない。
【0004】また、エキシマレーザ、特にArFレーザ
に対して透明なレジスト材料の必要性に鑑みて、芳香族
環を含んでいない、メタクリル酸tert.ブチル重合
体を始めとするメタクリル酸エステル系(共)重合体か
らなるレジスト材料が提案されている。しかし、この種
のレジスト材料は、芳香族環を有しないため、耐ドライ
エッチング性(耐熱性)に欠けるという問題を有してい
る。
【0005】上述のような耐ドライエッチング性の問題
を解決するために、保護基となる部分に脱環構造を導入
したポリマーを基材樹脂として使用した化学増幅型レジ
スト材料(例えば特開平4−39665号公報や特開平
5−257284号公報を参照されたい)や、3成分共
重合体を基材樹脂として使用して、リソグラフィ性能と
耐ドライエッチング性の両者をともに向上させた化学増
幅型レジスト材料(例えば特開平7−234511号公
報や特開平11−119434号公報を参照されたい)
がすでに提案され、良好な作用効果が確認されているけ
れども、最近の高度な微細化の要求に応えるため、リソ
グラフィ性能や耐ドライエッチング性をよりいっそう向
上させることが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、した
がって、上記したような従来の技術の問題点を解決し
て、高解像性及び高感度を有することに加えて、エキシ
マレーザに対して、特に波長193nmのArFレーザに
対して透明であり、酸の存在下において保護基の脱離が
容易に進行し、かつドライエッチング耐性(耐熱性)を
有する化学増幅型レジスト材料を提供することにある。
【0007】また、本発明のもう1つの目的は、そのよ
うな化学増幅型レジスト材料を使用した、改良されたレ
ジストパターンの形成方法を提供することにある。本発
明の上記した目的及びそれ以外の目的は、以下の詳細な
説明から容易に理解することができるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、1つの面にお
いて、保護基により保護されたアルカリ可溶性基を含有
しかつ前記保護基が酸により脱離して当該重合体をアル
カリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性重合
体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含ん
でなる化学増幅型レジスト材料であって、前記アルカリ
可溶性基の保護基が、環状炭化水素基にアリル基が付加
した構造を有することを特徴とする化学増幅型レジスト
材料にある。
【0009】また、本発明は、そのもう1つの面におい
て、環状炭化水素基にアリル基が付加した構造を有する
保護基により保護されたアルカリ可溶性基を含有しかつ
前記保護基が酸により脱離して当該重合体をアルカリ可
溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性重合体と、
放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含んでなる
化学増幅型レジスト材料を被処理基板上に塗布してレジ
スト膜を形成し、前記被処理基板のプリベークを行った
後、その被処理基板上のレジスト膜を前記酸発生剤から
の酸の発生を惹起し得る放射線に選択的に露光し、そし
て前記被処理基板のポストベークを行った後、前記被処
理基板上のレジスト膜を現像して、前記露光工程におい
て形成された潜像を現像して所定のレジストパターンを
形成すること、を含んでなることを特徴とするレジスト
パターンの形成方法にある。
【0010】本発明では、化学増幅型レジスト材料にお
いて基材樹脂として使用する酸感応性重合体の保護基が
アリル基を含むことにより、酸の存在下における高い脱
離能力を備え、耐熱性を付与することができ、かつパタ
ーニング後にフラット露光、ベーキングという連続的な
プロセス手法を取り入れることにより、エッチング耐性
を向上させることができる。
【0011】なお、以下においても明らかにするけれど
も、「重合体」なる語は、それを本願明細書において使
用した場合、1種類の単量体からなる単独重合体はもち
ろんのこと、2種類もしくはそれ以上の単量体の組み合
わせからなる共重合体(2成分共重合体、3成分共重合
体など)も包含している。
【0012】
【発明の実施の形態】引き続いて、本発明をその実施の
形態について説明するが、それに先がけて、本発明者ら
が本発明の化学増幅型レジスト材料及びレジストパター
ンの形成方法を完成するに至った経緯について説明する
ことにする。一般的に、化学増幅型レジスト材料では、
光を照射することによりレジスト溶液中に含まれる酸発
生剤(光酸発生剤あるいはPAGともいう)から酸が発
生し、この酸が基材樹脂(酸感応性重合体)中のアルカ
リ可溶性部分の保護基をアタックすることにより、その
保護基が脱離して樹脂がアルカリ可溶性に変化し、この
アルカリ可溶性となった部分を現像によって溶解除去す
ることによりパターンを形成するというメカニズムを採
用している。保護基の脱離能力により、得られるパター
ンの解像性が大きく左右される。すなわち、保護基の脱
離効率が高いということは、解像性を向上させるための
1つの重要なファクターとなっている。また、耐ドライ
エッチッグ性(耐熱性)に関しては、耐ドライエッチッ
グ性が耐熱性と完全に等価であるとは必ずしも言えない
が、耐熱性を向上させることは、耐ドライエッチッグ性
を向上させる1つの重要なファクターになり得る。
【0013】本発明者らは、このような事実を認識した
上で、先に述べたような本発明の課題を解決するために
鋭意研究した。最初に、環状炭化水素基にアルキル基が
結合したものを保護部位に有する酸感応性重合体が公知
であるが、アルキル基に代えてアリル基を使用し、この
アリル基を多環式炭化水素基に結合させた酸感応性重合
体を、本発明者らが先に発明した新規なエステル合成方
法(ケトン化合物及と酸ハライド化合物をアルキルリチ
ウムの存在において1段階で反応させる1ポッド反応、
詳しくは、例えば特開平10−182552号公報を参
照されたい)に従って合成することを試み、高収率で目
的の酸感応性重合体を調製することに成功した。
【0014】次いで、上記のような方法で調製した一連
の酸感応性重合体をもとにして本発明の課題に対するア
プローチを行い、上記「課題を解決するための手段」の
項にも記載したように、放射線、特に波長193nmのA
rFレーザ等の遠紫外線に対して高い透明性を示し、良
好な脱離能力を有し、かつ耐ドライエッチッグ性(耐熱
性)に富んだ化学増幅型レジスト材料及びそれを用いた
パターン形成方法を見い出した。
【0015】本発明の化学増幅型レジスト材料におい
て、その基材樹脂として用いられる酸感応性重合体は、
保護基により保護されたアルカリ可溶性基を含有する構
造単位(モノマー)の単独もしくはその他のモノマーと
の重合によって形成されたものである。得られた酸感応
性重合体において、それと組み合わせて用いられる酸発
生剤から露光の結果として酸が発生せしめられると、ア
ルカリ可溶性基を保護していた保護基が酸により脱離す
るので、露光前においてアルカリ不溶性であった重合体
がアルカリ可溶性に変化する。アルカリ可溶性となった
重合体は、したがって、引き続くアルカリ現像によって
溶解除去せしめられ、所望とするレジストパターンが得
られる。
【0016】本発明の酸感応性重合体において、それを
構成する構造単位は、この技術分野において一般的ない
ろいろな構造を採用することができるけれども、通常、
(メタ)アクリレート系モノマー、すなわち、アクリレ
ート系及びメタアクリレート系モノマー、シクロオレフ
ィン系モノマー、ビニルフェノール系モノマー、ビニル
安息香酸系モノマー、N−置換マレイミド系モノマー、
スチレン系モノマーなどを包含する。すなわち、本発明
の酸感応性重合体は、このようなモノマーをポリマー主
鎖として有する。このようなモノマーのなかでも、特に
(メタ)アクリレート系モノマー及びシクロオレフィン
系モノマーが好ましい。なお、このようなモノマーは、
単独で使用して、単独重合体の形成に関与してもよく、
さもなければ、上述のあるいはその他のモノマーと組み
合わせて使用して、2成分共重合体、3成分共重合体等
の共重合体の形成に関与してもよい。
【0017】さらに具体的に説明すると、本発明の酸感
応性重合体では、安価でかつ解像性等のリソグラフィ性
能の有利性をとるならば、アクリレート又はメタクリレ
ートの単独重合体又はそれらの共重合体が有用であり、
一方、ドライエッチング耐性を重視するならば、ノルボ
ルネンなどのシクロオレフィンの単独重合体又はそれら
の共重合体が有用である。場合によっては、これらの重
合体又は共重合体を混合形態で、ハイブリッド重合体と
して使用してもよい。両者の利点を併せ持つことができ
るので、アクリレート又はメタクリレートとシクロオレ
フィンのハイブリッド重合体がとりわけ有用である。
【0018】本発明の実施において、保護基により保護
されるべきアルカリ可溶性基は、化学増幅型レジストの
分野において一般的に使用されているいろいろな基を包
含することができるけれども、好ましくはカルボン酸
基、スルホン酸基、アミド基、ヒドロキシル基、イミド
基、フェノール基などであり、特にカルボン酸基、スル
ホン酸基、アミド基及びヒドロキシル基が好ましい。こ
のようなアルカリ可溶性基のなかでも、保護基の脱離効
率や実用面を考慮すると、カルボン酸基がとりわけ有用
である。
【0019】本発明の酸感応性重合体では、特定構造の
アルカリ可溶性基の存在が重要である。すなわち、材料
面からのアプローチとして、ドライエッチング耐性(耐
熱性)を付与する部分に、環状炭化水素基にアリル基が
付加した構造を有する保護基を配置した場合、保護基の
脱離は実用的なエネルギーにて進行することが確認でき
た。
【0020】本発明の実施において有用なアルカリ可溶
性基の保護基は、それを一般式で示すと、次式(I)に
よって表すことができる。
【0021】
【化2】
【0022】上式において、X1 及びX2 は、同一もし
くは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表すか
あるいは置換もしくは非置換の、アルキル基、アルキレ
ン基又はアリル基を表し、X3 は、水素原子を表すかあ
るいは置換もしくは非置換の、アルキル基、アルキレン
基又は環状アルキレン基を表し、そしてZは、記載の炭
素原子ととも環状炭化水素基を完成するのに必要な複数
個の原子を表す。
【0023】保護基に付加されたアリル基は、保護基の
なかでも構造上好都合の位置に不飽和結合を有するため
に、脱離後の環状炭化水素化合物を共役安定構造にする
ことができるので、脱離効率が極めて良好になるものと
考察される(次式を参照されたい)。
【0024】
【化3】
【0025】また、上記のような作用効果を得るため、
アリル基は、その保護基の脱離中間体において共役安定
になり得る二重結合を1個以上含んだアリル誘導体基で
あることが好ましい。以下に列挙されるものに限定され
るわけではないけれども、好適なアリル誘導体基は、次
式によって表すことができる。
【0026】
【化4】
【0027】ここで、アリル誘導体基の炭素原子の数
は、上記したような程度のものが実用上最適な範囲であ
る。なぜなら、炭素原子の数が上記した基の数以上に増
加すると、モノマー合成における反応の起こりにくさや
ポリマーへの重合時の立体障害が大きくなるからであ
る。また、保護基の骨格を構成する環状炭化水素基Z
は、いろいろな環状炭化水素基を包含するというもの
の、好ましくは、少なくとも1個の環状構造を有する多
環もしくは縮合環の形状を有する炭化水素基である。こ
のような炭化水素基は、ドライエッチング耐性に向上に
特に貢献するからである。特に好適な環状炭化水素基Z
は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれ
ども、次のような化合物を骨格とするものである。
【0028】(1)アダマンタン及びその誘導体、
(2)ノルボルナン及びその誘導体、(3)パーヒドロ
アントラセン及びその誘導体、(4)パーヒドロナフタ
レン及びその誘導体、(5)トリシクロ〔5.2.1.
2,6 〕デカン及びその誘導体、(6)シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、
ビシクロヘキサン及びその誘導体、(7)スピロ〔4,
4〕ノナン及びその誘導体、(8)スピロ〔4,5〕デ
カン及びその誘導体、(9)ビシクロ〔2,2,2〕オ
クタン及びその誘導体。
【0029】これらの化合物は、それぞれ、次のような
構造式で表される。なお、構造式(6)は、ビシクロヘ
キサンの例である。
【0030】
【化5】
【0031】本発明の化学増幅型レジスト材料において
基材樹脂として有利に使用することのできる酸感応性重
合体は、前記した通りである。本発明のさらなる理解の
ため、好適な酸感応性重合体(共重合体も含む)を特に
アルカリ可溶性基がカルボン酸エステル基でありかつポ
リマー主鎖が(メタ)アクリレートである場合を参照し
てさらに具体的に説明すると、次の通りである。なお、
先にも説明したように、ポリマー主鎖は(メタ)アクリ
レートに限定されるものではなく、(メタ)アクリレー
トとシクロオレフィンの組み合わせなども有利に使用可
能である。
【0032】酸感応性重合体は、例えば、次式(II)に
より表されるメタ(アクリレート)重合体である。
【0033】
【化6】
【0034】上式において、RI は、プロトン(水
素)、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル基、例
えばメチル基あるいはエチル基、メチロール基などを表
し、Aは、前式(I)の保護基に相当し、例えば、アリ
ル基で置換された脂環式炭化水素基、例えば、アダマン
チル、ノルボルニル、シクロヘキシル、トリシクロ
〔5.2.1.0〕デカン、ビシクロ〔2,2,2〕オ
クタンなどを表し、そしてnは任意の正の整数である。
【0035】また、酸感応性共重合体は、例えば、次式
(III )及び(IV)により表されるメタ(アクリレー
ト)系2成分共重合体である。なお、メタ(アクリレー
ト)3成分共重合体もこれに準じて構成することができ
る。
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】上式において、RI 、A及びnは、それぞ
れ、前記定義に同じであり、Yは、任意の置換基、好ま
しくは、例えば、アルキル基、例えばt−ブチル基な
ど、エーテル基、例えばフェノキシ基など、脂環式基、
例えばアダマンチル、ノルボルニル、シクロヘキシル、
トリシクロ〔5.2.1.0〕デカン、ビシクロ〔2,
2,2〕オクタンなど、あるいは次式の基:
【0039】
【化9】
【0040】などを表し、式中、R1、R2及びR3は、それ
ぞれ、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基又は
アルキレン基、例えばメチル基、エチル基、メチレン基
など、その他を表し、そしてBは、任意の置換基、好ま
しくは、例えば、カルボキシル基、あるいは次式の基:
【0041】
【化10】
【0042】などを表し、式中、置換基D中のR4は、水
素原子又は置換もしくは非置換のアルキル基、例えばメ
チル基あるいはエチル基であり、そしてm及びnは、そ
れぞれ、任意の正の整数である。前記した酸感応性重合
体又は共重合体は、必要に応じて、アルカリ可溶性の重
合体又は共重合体、例えば、ノボラック樹脂、フェノー
ル樹脂、イミド樹脂、カルボン酸含有樹脂、その他を追
加的に含有していてもよい。
【0043】上記したような酸感応性重合体は、特開平
10−182552号公報に記載されるような手法に従
って有利に製造することができる。すなわち、酸感応性
重合体の形成に必要な単量体を適当な重合開始剤の存在
において重合せしめることによって1ポッド反応で有利
に製造することができる。ここで、使用する重合条件及
び重合開始剤は、常用されている広い範囲のもののなか
から任意に選択して使用することができる。例えば、適
当な重合開始剤の一例として、次のようなものを挙げる
ことができる。 AIBN(アゾイソブチロニトリル):
【0044】
【化11】
【0045】MAIB(ジメチル−2,2−アゾイソビ
スブチラート):
【0046】
【化12】
【0047】酸感応性重合体を調製した後、その重合体
の溶液に酸発生剤を添加してレジスト溶液とする。ここ
で、酸感応性重合体と組み合わせて用いられる酸発生剤
は、レジストの化学において一般的に用いられている酸
発生剤、すなわち、紫外線、遠紫外線、真空紫外線、電
子線、X線、レーザ光などの放射線の照射によりプロト
ン酸を生じる物質であることができる。適当な酸発生剤
は、以下に列挙するものに限定されないけれども、例え
ば特開平10−182552号公報において一般式を参
照して記載されている次のようなものを包含する。 (1)ジアゾニウム塩、(2)ヨードニウム塩、(3)
スルホニウム塩、(4)スルホン酸エステル類、(5)
オキサアゾール誘導体、(6)s−トリアジン誘導体、
(7)ジスルホン誘導体、(8)イミド化合物、(9)
その他、例えばオキシムスルホネート、ジアゾナフトキ
ノン、ベンゾイントシレートなど。
【0048】上記したような酸発生剤は、それをレジス
ト材料に含ませる時、広い濃度範囲にわたって変更する
ことができ、一般には約1〜30重量%の濃度範囲、好
ましくは約1〜15重量%の濃度範囲である。また、そ
のようなレジスト材料の溶液の調製に用いる溶媒は、レ
ジストの種類、塗布条件、その他のファクタに応じてい
ろいろに変更し得るというものの、好ましくは、例えば
シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチルなどの有
機溶媒である。必要に応じて、このような溶媒に組み合
わせて、補助溶媒を使用してもよい。
【0049】上記のようにして調製したレジスト溶液を
用いると、一般的なリソグラフィ工程を経ることによ
り、十分に実用的なレベルのパターン形成が可能であ
る。本発明は、そのもう1つの面において、本発明の化
学増幅型レジスト材料を使用したレジストパターンの形
成方法にある。この本発明方法は、上記したように、本
発明の化学増幅型レジスト材料を被処理基板上に塗布し
てレジスト膜を形成し、被処理基板のプリベーク(ソフ
トベークともいう)を行った後、その被処理基板上のレ
ジスト膜をレジスト材料中の酸発生剤からの酸の発生を
惹起し得る放射線に選択的に露光し、そして被処理基板
のポストベークを行った後、被処理基板上のレジスト膜
を現像して、前記露光工程において形成された潜像を現
像して所定のレジストパターンを形成すること、を特徴
とする。
【0050】さらに具体的に説明すると、本発明のレジ
ストパターンの形成方法は、例えば、次のようにして有
利に実施することができる。最初に、好ましくは特開平
10−182552号公報に記載の方法によって調製し
た化学増幅型レジストの溶液を被処理基板上に塗布す
る。ここで使用する被処理基板は、半導体装置及びその
他の装置において通常用いられているウェハ基板を始め
としていかなる基板であってもよい。これらの基板は、
場合によっては、レジストとの密着性を向上させるため
に、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)などの
ような密着促進剤で前処理しておくことが好ましい。
【0051】レジスト溶液の塗布は、スピンコータ、デ
ィップコータ、ローラコータなどのような常用の塗布装
置を使用して行うことができる。形成されるレジスト膜
の膜厚は、そのレジスト膜の使途などのファクターに応
じて広く変更し得るというものの、通常約0.3〜2.
0μmの範囲である。次いで、好ましくは、放射線を選
択的に露光する前に、上記工程で形成されたレジスト膜
を約60〜150℃、好ましくは約60〜130℃の温
度で約30〜180秒間にわたってプリベークする。こ
のプリベークには、例えばホットプレートのような加熱
手段を用いることができる。
【0052】レジスト膜の形成及びプリベーク後、その
レジスト膜を常用の露光装置で放射線に選択露光する。
適当な露光装置は、市販の紫外線(遠紫外線・真空紫外
線)露光装置、X線露光装置、電子ビーム露光装置、エ
キシマステッパ、その他である。露光条件は、その都
度、適当な条件を選択することができる。この選択露光
の結果、レジスト膜に含まれる酸発生剤から酸が発生せ
しめられる。
【0053】次いで、露光後のレジスト膜をポストベー
ク(PEB)することによって、酸を触媒とした保護基
の脱離反応を生じさせる。このポストベークは、先のプ
リベークと同様にして行うことができる。例えば、ベー
ク温度は約60〜150℃、好ましくは約80〜150
℃である。ポストベークを完了した後、露光後のレジス
ト膜を常法に従って液体現像する。ここで使用する現像
液は、この技術分野で一般的に用いられている現像液の
なかから、適当なものを任意に選択することができる。
とりわけ好ましい現像液は、テトラメチルアンモニウム
ハイドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウ
ムハイドロキシド(TEAH)、テトラプロピルアンモ
ニウムハイドロキジド(TPAH)、テトラブチルアン
モニウムハイドロキシド(TBAH)などのアンモニウ
ム化合物、モルフォリン化合物又はその混合物の水溶液
又はアルコール溶液を含む現像液である。
【0054】これらの現像剤を水に溶解するかもしく
は、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコールに溶解して現像液となす。溶解す
る現像剤の濃度は、広く変更することができるけれど
も、一般的に約0.1〜15重量%の範囲、好ましくは
約0.1〜10重量%の範囲である。現像時間は、これ
も特に限定されるわけではないけれども、一般的に約1
0秒〜5分間の範囲、好ましくは約30秒〜3分間の範
囲である。現像の結果、レジスト膜の露光域が溶解除去
せしめられて、所望とするレジストパターンを得ること
ができる。得られたレジストパターンも常法に従って純
水でリンスし、そして乾燥する。
【0055】本発明方法では、上記のようにしてレジス
トパターンを形成した後、加熱処理(ベーキング処理)
を行うことが好ましい。このベーキング処理により、ド
ライエッチング耐性が非常に高いパターンを形成するこ
とが可能となるからである。ベーキング処理は、特に、
被処理基板を放射線に全面露光した後に行うことが好ま
しい。この追加のベーキング処理は、いろいろな条件下
で行ってもよいけれども、被処理基板を40℃以上の温
度、望ましくは約130〜170℃の範囲の温度で少な
くとも30秒間、望ましくは約1〜30分間にわたって
加熱することが推奨される。
【0056】上記のようにして形成されたレジストパタ
ーンは、本発明において、LSI、VLSI等の各種の
半導体装置の製造において有利に使用することができ
る。
【0057】
【実施例】次いで、本発明をその実施例を参照して説明
する。なお、下記の実施例によって本発明が限定される
ものではないことを理解されたい。例1 2−アダマンタノンからの2−アリル−2−アダマンチ
ルメタクリレートの調製 (アリルリチウム法)5.0g(0.033モル)の2
−アダマンタノン及び50mlのテトラヒドロフラン(T
HF)を3口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、2−
アダマンタノンが完全に溶解するまで攪拌した。攪拌の
完了後、フラスコの内容物をドライアイス−アセトンに
て−40℃以下まで冷却した。次いで、フラスコの内容
物を−20〜−40℃で保ちながら、28.3ml(2−
アダマンタノンに対して1.2当量)のアリルリチウム
のヘキサン溶液をゆっくりと滴下した。滴下の完了後、
さらに30分間にわたって攪拌を継続し、その後、4.
2ml(2−アダマンタノンに対して1.3当量)のメタ
クリル酸クロリドをゆっくりと滴下した。−20℃で2
時間、そして室温で1時間、さらに反応を継続した。反
応の完了後、得られた混合物に対して水冷下に少量の氷
片を添加し、過剰のアリルリチウムを不活性化した。続
いて、50mlの飽和食塩水/ヘキサン混合物を添加し、
十分に攪拌した。得られた混合物から有機層を分離し、
その有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食
塩水で順次洗浄し、そして無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。得られた生成物を濃縮したところ、8.4g(収
率107.7%)の粗生成物が得られた。さらに続け
て、この粗生成物をシリカゲルカラムで精製したとこ
ろ、7.3g(収率95.0%)の純粋な生成物が得ら
れた。この生成物は、分析から、目的とする2−アリル
−2−アダマンチルメタクリレートであることが確認さ
れた。例2 ポリ(2−アリル−2−アダマンチルメタクリレート)
の調製 2−アリル−2−アダマンチルメタクリレートを重合容
器に仕込み、0.02モル/Lのトルエン溶液とした。
このトルエン溶液に重合開始剤、AIBN(アゾイソブ
チロニトリル)を5モル%の量で添加し、80℃で約9
時間にわたって還流攪拌下に反応させた。反応の完了
後、エバポレータにて濃縮を行い、得られた濃縮物を約
900mlのメタノール中に静かに滴下していき、白濁物
質であるホモポリマーをグラスフィルタにて吸引濾過し
た。この結果、ポリ(2−アリル−2−アダマンチルメ
タクリレート)が得られた。得られたポリマーは、重量
平均分子量(Mw)が7,000であった。例3 2−アリル−2−アダマンチルメタクリレート−メバロ
ニックラクトンメタクリレート共重合体の調製 2−アリル−2−アダマンチルメタクリレートとメバロ
ニックラクトンメタクリレートを1:1の割合で重合容
器に仕込み、3モル/Lの1,4−ジオキサン溶液とし
た。この1,4−ジオキサン溶液に重合開始剤、AIB
N(アゾイソブチロニトリル)を15モル%の量で添加
し、80℃で約9時間にわたって反応させた。反応の完
了後、メタノールを沈殿剤として精製を行った。この結
果、2−アリル−2−アダマンチルメタクリレート−メ
バロニックラクトンメタクリレート共重合体が得られ
た。
【0058】得られた共重合体は、組成比(m:n)が
1:1、重量平均分子量(Mw)が10,000、そし
て分散度(Mw/Mn)が2であった。例4 前記例2で調製したポリ(2−アリル−2−アダマンチ
ルメタクリレート)に酸発生剤としてのトリフェニルス
ルホニウムトリフレート(TPSSO3 CF3)を重合
体の2重量%の量で添加し、さらにシクロヘキサノンに
溶解した。重合体の含有量が14重量%であるレジスト
溶液が得られた。得られたレジスト溶液をKRS試料台
に塗布し、100℃のホットプレート上で60秒間プリ
ベークした。膜厚0.4μm のレジスト膜が得られた。
得られたレジスト膜の赤外スペクトルを測定したとこ
ろ、図1に示すようなスペクトル1が得られた。
【0059】次いで、上記のようにして調製したレジス
ト膜にキセノン−水銀(Xe−Hg)ランプにて3分間
の光照射を行い、さらに130℃で30秒間のわたって
ポストベークを行った。上記と同様な手法で再びレジス
ト膜の赤外スペクトルを測定したところ、図2に示すよ
うなスペクトル2が得られた。スペクトル1とスペクト
ル2の比較から、カルボニル基の吸収ピークに変化があ
ることが分かり、また、その変化から、光照射とそれに
続くポストベークによってアリルアダマンチル基が脱離
していることが確認された。例5 前記例4において調製したポリ(2−アリル−2−アダ
マンチルメタクリレート)のレジスト溶液と、比較のた
めに同様な手法に従って調製したポリ(tert.−ブ
チルメタクリレート)のレジスト溶液を、それぞれ、ヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコ
ン基板上にスピンコートし、100℃のホットプレート
上で90秒間プリベークした。膜厚0.4μm のレジス
ト膜が得られた。
【0060】次いで、得られたレジスト膜をArFエキ
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。この場合、図3に示すように、露光量を一定のステ
ップで段階的に増加させた。ArFレーザ光の照射によ
る露光の完了後、それぞれのレジスト膜を100℃のホ
ットプレート上で90秒間あるいは130℃のホットプ
レート上で90秒間ポストベークした。
【0061】以上の処理を完了した後のそれぞれのレジ
スト膜について、露光量に対する残膜厚を調べたとこ
ろ、図3にプロットするような測定結果が得られた。そ
の結果、すべてのレジスト膜において膜厚が減少してい
ることから、脱離反応が起こっていることが分かり、か
つポリ(2−アリル−2−アダマンチルメタクリレー
ト)を基材樹脂とするレジストにおいては、130℃の
ポストベークを行うと、15mJ/cm2 以上のエネルギ
ーをかけるとネガ化が進行することが分かった。例6 前記例4において調製したポリ(2−アリル−2−アダ
マンチルメタクリレート)のレジスト溶液と、比較のた
めに同様な手法に従って調製したポリ(tert.−ブ
チルメタクリレート)のレジスト溶液を、それぞれ、ヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコ
ン基板上にスピンコートし、100℃のホットプレート
上で90秒間プリベークした。膜厚0.4μm のレジス
ト膜が得られた。
【0062】次いで、得られたレジスト膜をArFエキ
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。ArFレーザ光の照射による露光の完了後、それぞ
れのレジスト膜を130℃及び150℃ののホットプレ
ート上でそれぞれ3分間ポストベークした。ポストベー
ク後のレジスト膜の表面状態を電子顕微鏡により観察し
たところ、ポストベークの条件によって異なる量で気泡
が発生していることが確認された。図4〜図7は、それ
ぞれのレジスト膜の表面状態の電子顕微鏡写真を模式的
にスケッチしたものである。
【0063】図4(写真1)…tBuMA、130℃ 発泡している。気泡のサイズは、比較的に大きい。 図5(写真2)…tBuMA、150℃ 発泡している。気泡が全面に密集し、そのサイズは比較
的に小さい。
【0064】図6(写真3)…ALAdMA、130℃ 発泡は、ほとんど認められない。発泡らしきものは認め
られるが、完全ではない。図では、参考のため、発泡と
も認められた部分を点線で示してある。 図7(写真4)…ALAdMA、150℃ 写真3(130℃)と同様に、発泡はほとんど認められ
ない。
【0065】これらの写真を総合的に評価すると、tB
uMA(比較例)の場合、発泡を避けることができない
ばかりか、130℃から150℃に温度を上げること
で、気泡の発生が格段に顕著になった。これに対して、
ALAdMA(本発明例)の場合、気泡そのものがほと
んど発生せず、また、気泡の発生の度合いは、温度によ
って影響されることがない。要するに、ALAdMAの
ほうが耐熱性に優れている。例7 レジストパターンの形成 前記例3において調製した2−アリル−2−アダマンチ
ルメタクリレート−メバロニックラクトンメタクリレー
ト共重合体に酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウ
ムトリフレート(TPSSO3 CF3 )を共重合体の2
重量%の量で添加し、さらにシクロヘキサノンに溶解し
た。共重合体の含有量が14重量%であるレジスト溶液
が得られた。得られたレジスト溶液を、ヘキサメチルジ
シラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上にス
ピンコートし、100℃のホットプレート上で60秒間
プリベークした。膜厚0.4μm のレジスト膜が得られ
た。
【0066】次いで、得られたレジスト膜をArFエキ
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を130℃のホットプレ
ート上で90秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキ
シド(TMAH)水溶液からなる現像液、東京応化製の
NMD−3、で60秒間現像し、さらに純水で30秒間
リンスした。露光に用いたレーザ光パターンに相当する
所望のレジストパターンが得られた。なお、本例での露
光エネルギーの閾値Ethは3mJ/cm2 であり、0.2
μmのL&S(ライン・アンド・スペース)パターンが
解像できた。
【0067】次いで、このレジストパターンのドライエ
ッチング耐性を評価するため、上記の同様にして膜厚1
μm でレジストを塗布したシリコン基板をRIEエッチ
ング装置に収容し、酸化膜エッチング条件(C4 8
Ar/O2 /CO)下で30秒間にわたってエッチング
を行った。エッチングレートは1,200Å/分であ
り、エッチングのプロファイルも良好であった。
【0068】比較のため、前記例5で調製したポリ(t
ert.−ブチルメタクリレート)のレジスト溶液を使
用して上記の手法を繰り返しところ、許容し得るレジス
トパターンを形成することができたけれども、ドライエ
ッチング耐性に乏しかった。すなわち、このレジストパ
ターンの場合、エッチングレートが1.5倍になり、さ
らにパターンの変形が顕著であった。例8 レジストパターンの形成 前記例4において調製したポリ(2−アリル−2−アダ
マンチルメタクリレート)のレジスト溶液をヘキサメチ
ルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上
にスピンコートし、100℃のホットプレート上で90
秒間プリベークした。膜厚0.4μm のレジスト膜が得
られた。
【0069】次いで、得られたレジスト膜をArFエキ
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を100℃のホットプレ
ート上で90秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキ
シド(TMAH)水溶液からなる現像液、東京応化製の
NMD−3、で60秒間現像し、さらに純水で30秒間
リンスした。露光に用いたレーザ光パターンに相当する
所望のレジストパターンが得られた。なお、本例での露
光エネルギーの閾値Ethは3mJ/cm2 であり、0.2
μmのL&S(ライン・アンド・スペース)パターンが
解像できた。
【0070】さらに続けて、200nm以下の短波長光
(172nm)にてシリコン基板上のレジストパターンを
全面照射してから、130℃で30秒間にわたって加熱
処理した。加熱処理後のシリコン基板をRIEエッチン
グ装置に収容し、酸化膜エッチング条件(C4 8 /A
r/O2 /CO)下で30秒間にわたってエッチングを
行った。エッチングレートは1,000Å/分であり、
エッチングのプロファイルも良好であった。特に、比較
のために実施した通常のフォトプロセス処理のみを行っ
たものに比較してパターンのうねりが改善されているこ
とから、このレジストパターンには優れたドライエッチ
ング耐性のあることが確認できた。例9 レジストパターンの形成 前記例7において調製した2−アリル−2−アダマンチ
ルメタクリレート−メバロニックラクトンメタクリレー
ト共重合体のレジスト溶液をヘキサメチルジシラザン
(HMDS)で前処理したシリコン基板上にスピンコー
トし、100℃のホットプレート上で60秒間プリベー
クした。膜厚0.4μm のレジスト膜が得られた。
【0071】次いで、得られたレジスト膜をArFエキ
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を130℃のホットプレ
ート上で90秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキ
シド(TMAH)水溶液からなる現像液、東京応化製の
NMD−3、で60秒間現像し、さらに純水で30秒間
リンスした。露光に用いたレーザ光パターンに相当する
所望のレジストパターンが得られた。なお、本例での露
光エネルギーの閾値Ethは3mJ/cm2 であり、0.2
μmのL&S(ライン・アンド・スペース)パターンが
解像できた。
【0072】得られたレジストパターンをマスクとし
て、電子線にてシリコン基板上のレジストパターンを全
面照射処理した後のレジストパターンをマスクとして、
下記のような条件下でエッチングを行った。シリコン基
板をRIEエッチング装置に収容し、酸化膜エッチング
条件(C4 8 /Ar/CO/O2 )下で30秒間にわ
たってエッチングを行った。エッチングレートは800
Å/分であり、エッチングのプロファイルも良好であっ
た。特に、レジストパターンをCD−SEMで観察した
ところ、追加的に全面露光を行った場合、エッチング後
のパターンのうねりが軽減されていることから、このレ
ジストパターンには優れたドライエッチング耐性のある
ことが確認できた。
【0073】比較のため、同様な手法に従って調製した
tert.−ブチルメタクリレート−メバロニックラク
トンメタクリレート共重合体のレジスト溶液を使用し
て、通常のフォトプロセスによりレジストパターンを形
成した。得られたレジストパターンをマスクとして、電
子線にてシリコン基板上のレジストパターンを全面照射
処理した後のレジストパターンをマスクとして、上記と
同じ条件下でエッチングを行った。レジストパターンを
CD−SEMで観察したところ、追加的に全面露光を行
った場合と行わなかった場合とで、エッチング後のパタ
ーンのうねりに差異が認められず、従来の酸感応性重合
体では何らの作用効果もないことが確認された。
【0074】最後に、本発明のさらなる理解のため、本
発明の好ましい実施の態様を以下にまとめて記載する。 (付記1)保護基により保護されたアルカリ可溶性基を
含有しかつ前記保護基が酸により脱離して当該重合体を
アルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性
重合体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを
含んでなる化学増幅型レジスト材料であって、前記アル
カリ可溶性基の保護基が、環状炭化水素基にアリル基が
付加した構造を有することを特徴とする化学増幅型レジ
スト材料。 (付記2)前記保護基のアリル基が、その保護基の脱離
中間体において共役安定になり得る二重結合を1個以上
含んだアリル誘導体基であることを特徴とする付記1に
記載の化学増幅型レジスト材料。 (付記3)前記保護基が、次式(I):
【0075】
【化13】
【0076】(上式において、X1 及びX2 は、同一も
しくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表す
かあるいは置換もしくは非置換の、アルキル基、アルキ
レン基又はアリル基を表し、X3 は、水素原子を表すか
あるいは置換もしくは非置換の、アルキル基、アルキレ
ン基又は環状アルキレン基を表し、そしてZは、記載の
炭素原子ととも環状炭化水素基を完成するのに必要な複
数個の原子を表す)により表されることを特徴とする付
記1又は2に記載の化学増幅型レジスト材料。 (付記4)前式(I)において、環状炭化水素基Zは、
少なくとも1個の環状構造を有する多環もしくは縮合環
の形状を有する炭化水素基であることを特徴とする付記
3に記載の化学増幅型レジスト材料。 (付記5)前式(I)において、環状炭化水素基Zが脂
環式炭化水素基であり、かつ前記脂環式炭化水素基が、
下記の群: (1)アダマンタン及びその誘導体 (2)ノルボルナン及びその誘導体 (3)パーヒドロアントラセン及びその誘導体 (4)パーヒドロナフタレン及びその誘導体 (5)トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン及びそ
の誘導体 (6)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチ
ルシクロヘキサン、ビシクロヘキサン及びその誘導体 (7)スピロ〔4,4〕ノナン及びその誘導体 (8)スピロ〔4,5〕デカン及びその誘導体 (9)ビシクロ〔2,2,2〕オクタン及びその誘導体 から選ばれた1員に由来することを特徴とする付記3又
は4に記載の化学増幅型レジスト材料。 (付記6)前記アルカリ可溶性基が、カルボン酸基、ス
ルホン酸基、アミド基及びヒドロキシル基からなる群か
ら選ばれた1員であることを特徴とする付記1〜5のい
ずれか1項に記載の化学増幅型レジスト材料。 (付記7)前記酸感応性重合体の構成単位が、メタ(ア
クリレート)及びシクロオレフィンを単独または組み合
わせてポリマー主鎖として有することを特徴とする付記
1〜6のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト材
料。 (付記8)環状炭化水素基にアリル基が付加した構造を
有する保護基により保護されたアルカリ可溶性基を含有
しかつ前記保護基が酸により脱離して当該重合体をアル
カリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性重合
体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含ん
でなる化学増幅型レジスト材料を被処理基板上に塗布し
てレジスト膜を形成し、前記被処理基板のプリベークを
行った後、その被処理基板上のレジスト膜を前記酸発生
剤からの酸の発生を惹起し得る放射線に選択的に露光
し、そして前記被処理基板のポストベークを行った後、
前記被処理基板上のレジスト膜を現像して、前記露光工
程において形成された潜像を現像して所定のレジストパ
ターンを形成すること、を含んでなることを特徴とする
レジストパターンの形成方法。 (付記9)所定のレジストパターンを形成した後、前記
被処理基板を放射線に全面露光する工程をさらに含むこ
とを特徴とする付記8に記載のレジストパターンの形成
方法。 (付記10)前記全面露光処理に加えて、前記被処理基
板を少なくとも30秒間にわたって加熱することを特徴
とする付記9に記載のレジストパターンの形成方法。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、基材樹脂として使用す
る酸感応性重合体のアルカリ可溶性基を保護するため
に、環状炭化水素基にアリル基が付加した構造を有する
保護基を導入することにより、実用上の感度を落とすこ
となく、脱離性能を維持したまま、基材樹脂に耐熱性を
付与することができる。また、パターニング後にフラッ
ト露光、ベーキングというプロセス手法を取り入れるこ
とにより、ドライエッチング耐性を向上させることがで
きる。よって、本発明に従うと、半導体装置の製造に適
した微細なレジストパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポストベーク前のレジスト膜のIRスペクトル
図である。
【図2】ポストベーク後のレジスト膜のIRスペクトル
図である。
【図3】レジスト膜の露光量と残膜厚の関係をプロット
したグラフである。
【図4】ポストベーク後のレジスト膜の表面状態の光学
顕微鏡写真を模式的にスケッチしたものである。
【図5】ポストベーク後のレジスト膜の表面状態の光学
顕微鏡写真を模式的にスケッチしたものである。
【図6】ポストベーク後のレジスト膜の表面状態の光学
顕微鏡写真を模式的にスケッチしたものである。
【図7】ポストベーク後のレジスト膜の表面状態の光学
顕微鏡写真を模式的にスケッチしたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA09 AB16 AC04 AC08 AD03 BE00 BE07 BE10 BF02 BG00 CB41 CB43 FA01 FA12 FA17 FA29 FA30 2H096 AA25 BA11 DA01 EA05 FA01 GA08 HA01 HA03 4J002 AA031 BB161 BC021 BC101 BG021 EB006 EQ006 EU026 EU186 EU226 EV216 EV246 EV296 FD206 GP03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保護基により保護されたアルカリ可溶性
    基を含有しかつ前記保護基が酸により脱離して当該重合
    体をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感
    応性重合体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤
    とを含んでなる化学増幅型レジスト材料であって、前記
    アルカリ可溶性基の保護基が、環状炭化水素基にアリル
    基が付加した構造を有することを特徴とする化学増幅型
    レジスト材料。
  2. 【請求項2】 前記保護基が、次式(I): 【化1】 (上式において、 X1 及びX2 は、同一もしくは異なっていてもよく、そ
    れぞれ、水素原子を表すかあるいは置換もしくは非置換
    の、アルキル基、アルキレン基又はアリル基を表し、 X3 は、水素原子を表すかあるいは置換もしくは非置換
    の、アルキル基、アルキレン基又は環状アルキレン基を
    表し、そしてZは、記載の炭素原子とともに環状炭化水
    素基を完成するのに必要な複数個の原子を表す)により
    表されることを特徴とする請求項1に記載の化学増幅型
    レジスト材料。
  3. 【請求項3】 環状炭化水素基にアリル基が付加した構
    造を有する保護基により保護されたアルカリ可溶性基を
    含有しかつ前記保護基が酸により脱離して当該重合体を
    アルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性
    重合体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを
    含んでなる化学増幅型レジスト材料を被処理基板上に塗
    布してレジスト膜を形成し、 前記被処理基板のプリベークを行った後、その被処理基
    板上のレジスト膜を前記酸発生剤からの酸の発生を惹起
    し得る放射線に選択的に露光し、そして前記被処理基板
    のポストベークを行った後、前記被処理基板上のレジス
    ト膜を現像して、前記露光工程において形成された潜像
    を現像して所定のレジストパターンを形成すること、を
    含んでなることを特徴とするレジストパターンの形成方
    法。
  4. 【請求項4】 所定のレジストパターンを形成した後、
    前記被処理基板を放射線に全面露光する工程をさらに含
    むことを特徴とする請求項3に記載のレジストパターン
    の形成方法。
  5. 【請求項5】 全面露光に加えてベーキング処理を行う
    工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のレ
    ジストパターンの形成方法。
JP2000245051A 2000-08-11 2000-08-11 化学増幅型レジスト材料及びレジストパターンの形成方法 Withdrawn JP2002055455A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009300978A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Shin-Etsu Chemical Co Ltd パターン形成方法並びにこれに用いるレジスト材料
CN101206405B (zh) * 2006-12-14 2011-11-30 住友化学株式会社 化学放大型抗蚀剂组合物

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CN101206405B (zh) * 2006-12-14 2011-11-30 住友化学株式会社 化学放大型抗蚀剂组合物
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