[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2002053416A - 機能性材料 - Google Patents

機能性材料

Info

Publication number
JP2002053416A
JP2002053416A JP2000242074A JP2000242074A JP2002053416A JP 2002053416 A JP2002053416 A JP 2002053416A JP 2000242074 A JP2000242074 A JP 2000242074A JP 2000242074 A JP2000242074 A JP 2000242074A JP 2002053416 A JP2002053416 A JP 2002053416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
particles
composite particles
bct
inorganic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000242074A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Okamoto
弘 岡本
Shinichi Inoue
眞一 井上
Masataka Sano
昌隆 佐野
Hiroki Miyamatsu
宏樹 宮松
Takami Yoshida
貴美 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Erubu KK
Original Assignee
Erubu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Erubu KK filed Critical Erubu KK
Priority to JP2000242074A priority Critical patent/JP2002053416A/ja
Publication of JP2002053416A publication Critical patent/JP2002053416A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒機能を有する無機質粒子を用いている
にもかかわらず、有機質材料の劣化が有効に防止され、
しかも消臭性や抗微生物性が充分に発揮されるようにし
た機能性材料を提供することを目的とする。 【解決手段】 セラミックス成分(C) と、消臭性、抗微
生物性または抗アレルギー性のうちの少なくとも1つの
性質を有する動植物由来の有効成分(B) との複合体粒子
(BC)により、光触媒機能を有する無機質粒子(T) の表面
が部分的に被覆された構造を有する多元複合体粒子(BC
T) からなる機能性材料である。また、そのような多元
複合体粒子(BCT) が、対象材料(O) の内部または/およ
び表面に含有または/および担持されている機能性材料
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒機能を有す
る無機質粒子を用いた特定の複合体粒子からなる機能性
材料に関するものである。また、その特定の複合体粒子
を対象材料の内部または/および表面に含有または/お
よび担持させた機能性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光触媒機能を有する無機質粒子、殊に光
触媒酸化チタンにあっては、その光触媒反応により強い
酸化力が発揮され、それと接触する有機物を酸化分解し
て消滅させる結果、すぐれた消臭作用および抗菌作用が
発揮される。加えて、超親水性も発揮されるため、表面
に汚れが付着しにくく、たとえ汚れが付着してもこれを
容易に洗い流すことができる。そのため、光触媒酸化チ
タンに代表される光触媒機能を有する無機質粒子は、消
臭剤、抗菌剤、防汚剤などとして広く利用されている。
この場合、光触媒酸化チタンが機能を発揮するためには
紫外線の照射が必要となるが、日光や蛍光灯の下でも相
応の効果は発揮される上、最近では可視光領域の光であ
ってもその機能を発揮するものも開発されている。
【0003】ところで、光触媒機能を有する無機質粒子
(以下、光触媒酸化チタンで代表させることがある)
は、上記のように有機物を分解する作用を有するため、
これを有機質の対象物に被覆すると、対象物そのものも
劣化することになる。光触媒酸化チタンを高分子バイン
ダーとの組成物の形で塗料やコーティング剤の目的に使
用するときも、その高分子バインダーが劣化することに
なる。また、光触媒酸化チタンを樹脂成分に配合して繊
維、フィルム、その他任意の形態の成形物を製造すると
きも、成形物を構成する樹脂そのものが劣化することに
なる。
【0004】このような有機質材料(有機質対象物、高
分子バインダー、樹脂成形物など)の劣化は、光触媒酸
化チタンの本質的な作用である強力な酸化作用に基くも
のであり、しかも光触媒酸化チタンの性能が上がれば上
がるほど有機質材料の劣化作用も強くなるので、そのよ
うな劣化を確実に防ぎながら、消臭性、抗菌性、防汚性
などの作用を発揮させようとすることは、本来無理な願
望である。
【0005】さて、光触媒酸化チタンによる消臭性、抗
菌性、防汚性の発揮も、有機質材料の劣化も、光触媒酸
化チタンとの接触によりなされるので、もし光触媒酸化
チタンと有機質材料との直接接触がなされないようにす
るかあるいはその接触が大巾に低減されるようにすれ
ば、有機質材料の劣化を防ぎながら、消臭性や抗菌性が
発揮されることが期待される。このような観点から、光
触媒酸化チタンの粒子の表面を、たとえばハイドロキシ
アパタイトのような無機質で部分的に被覆する提案がな
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光触媒
酸化チタン粒子の表面をハイドロキシアパタイトのよう
な無機質(あるいはその他の無機質物質)で部分的に被
覆する工夫は、光触媒酸化チタン粒子と接触する有機質
材料の劣化を低減することはできるものの、有機質材料
の劣化が低減されるようにすればするほど、それに応じ
て、光触媒酸化チタン粒子が酸化力を発揮する部分が減
殺されることになる。そのため、光触媒酸化チタン粒子
の表面を無機質で部分的に被覆することは、功罪が半ば
し、トータル的に見て必ずしもプラスにはならない。
【0007】本発明は、このような背景下において、光
触媒機能を有する無機質粒子を用いているにもかかわら
ず、有機質材料の劣化が有効に防止され、しかも消臭性
や抗微生物性が充分に発揮されるようにした機能性材料
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の機能性材料の一
つは、セラミックス成分(C) と、消臭性、抗微生物性ま
たは抗アレルギー性のうちの少なくとも1つの性質を有
する動植物由来の有効成分(B) との複合体粒子(BC)によ
り、光触媒機能を有する無機質粒子(T) の表面が部分的
に被覆された構造を有する多元複合体粒子(BCT) からな
ることを特徴とするものである。
【0009】本発明の機能性材料の他の一つは、セラミ
ックス成分(C) と、消臭性、抗微生物性または抗アレル
ギー性のうちの少なくとも1つの性質を有する動植物由
来の有効成分(B) との複合体粒子(BC)により、光触媒機
能を有する無機質粒子(T) の表面が部分的に被覆された
構造を有する多元複合体粒子(BCT) が、対象材料(O)の
内部または/および表面に含有または/および担持され
ていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0011】〈複合体粒子(BC)〉複合体粒子(BC)は、以
下に述べるように、セラミックス成分(C) と有効成分
(B) とから構成される。この複合体粒子(BC)は、後述の
ように、セラミックス成分(C) 中の凝集力のある成分の
凝集力を利用して、セラミックス成分(C) と有効成分
(B) とを複合化したものであることが特に好ましい。
【0012】〈有効成分(B) 〉有効成分(B) としては、
消臭性、抗微生物性または抗アレルギー性のうちの少な
くとも1つの性質を有する動植物由来の有効成分が用い
られる。ここで「消臭性」は、脱臭性、悪臭消去性、有
害ガス成分除去性を包含する意味で用いており、「抗微
生物性」は、抗菌性、殺菌性、静菌性、抗カビ性、抗ウ
ィルス性を包含する意味で用いている。
【0013】動植物由来の有効成分(B) は、カテキン、
サポニン、茶抽出物、茶粉末、タンニン(酸)、キチ
ン、キトサンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の
成分であることが特に望ましい。これらの有効成分(B)
は、たとえば抗微生物性を例にとると、その種類によっ
て有効な菌やウィルスの種類が相違するので、目的に応
じて有効成分(B) の種類を選択し、あるいは2種以上の
有効成分(B) を併用する。
【0014】カテキン(その属性体も含まれるものとす
る)としては、モノマー状のものやオリゴマー状のもの
が用いられる(テアフラビンも含まれる)。本発明にお
いて用いるカテキンとして特に重要性の高いものは、カ
テキンの濃度を高めた茶由来のカテキン製剤である。茶
カテキンの主たる成分は、エピガロカテキン、エピガロ
カテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレー
トなどであるが、個々の成分に単離する必要はないの
で、これらの混合物からなる茶カテキンを濃厚に含む製
剤(殊に20%以上、好ましくは25%以上含むもの)
をそのまま好適に用いることができる。市販の茶由来の
カテキン製剤には30%品、50%品、60%品、70
%品、80%品、90%品などがあるので、入手は容易
である。なおカテキンは、阿仙薬をはじめ茶以外の多種
の植物にも含まれているので、それらの植物由来のカテ
キン類を用いることもできる。
【0015】サポニンは、有機溶剤や水を用いて茶葉や
茶の種子からサポニンを含む成分を抽出し、ついでカラ
ムクロマトなどの手段を用いて繰り返し精製を行うこと
により取得できる。サポニンは、茶以外の多種の植物、
たとえば、ニンジン、チクセツニンジン、ダイズ、サイ
コ、アマチャヅル、ヘチマ、オンジ、キキョウ、セネ
ガ、バクモンドウ、モクツウ、チモ、ゴシツ、カンゾ
ウ、サンキライなどにも含まれている。ただし、入手の
容易さ、夾雑物の少なさ、染着性などの点から、先に述
べた茶由来の茶サポニンが特に好適である。サポニンに
は、ステロイド系サポニン、トリテルペノイド系サポニ
ンなどがあり、原料植物の種類によっても、ステロイド
系サポニンの多いもの、トリテルペノイド系サポニンの
多いものなどがあるが、本発明の目的にはこれらをいず
れも使用することができる。
【0016】茶の抽出物または茶粉末としては、一番茶
・二番茶・三番茶の粉茶、深むし、かぶせなどの粉末、
またはこれらの茶の抽出物、紅茶やウーロン茶の抽出物
を用いることができる。
【0017】タンニン(酸)としては、市販の精製され
たタンニン酸を用いることができ、また五倍子、没食子
などタンニン酸を多量に含む高タンニン酸含有天然植物
の抽出物またはその半精製物をそのまま用いることもで
きる。
【0018】キチン、キトサンについては、現在では各
社から種々のアセチル化度や種々の分子量のものが市販
されているので、それを用いることができる。キチンお
よびキトサンのうちでは、キトサンの方が、抗菌性およ
びセラミックス成分(C) との複合化の容易性の点で有利
である。
【0019】〈セラミックス成分(C) 〉セラミックス成
分(C) としては、セラミックスの範疇に属するものであ
れば種々のものが用いられるが、含水ケイ酸ゲルを経て
得られるシリカゲル、無機質焼結助剤−無機質凝集剤を
組み合わせたもの、または、セラミックス粒子−無機質
焼結助剤−無機質凝集剤を組み合わせたものが特に好適
に用いられる。これらを用いれば、凝集力を利用して有
効成分(B) との複合化を図ることができる。
【0020】このうちシリカゲルとしては、含水ケイ酸
ゲルを経て得られるシリカゲルが好適に用いられる。こ
のときには、ケイ酸塩の水溶液を酸と混合することによ
りpHを調整して含水ゲルとなし、さらにこの含水ゲル
を水洗してイオンを除去してから乾燥することによりシ
リカゲルを得る。ケイ酸塩としては、Na2O・n SiO2で表
わされるケイ酸ナトリウムや、 K2O・n SiO2で表わされ
るケイ酸カリウムが用いられ、特に前者のケイ酸ナトリ
ウムが重要である。ケイ酸塩の濃厚水溶液は一般に水ガ
ラスと呼ばれ、市販の代表的な水ガラスのSiO2含有量は
22〜38重量%、Na2O含有量は5〜19重量%であ
る。
【0021】無機質焼結助剤としては、リン酸、硫酸、
硝酸、炭酸などの無機酸の多価金属塩(アルミニウム、
亜鉛、マグネシウム、カルシウム、マンガン等)やアル
カリ金属塩;アルカリ金属やアルカリ土(類)金属のフ
ッ化物やケイフッ化物があげられる。これらは通常は含
水塩ないし水和物を水に溶解した形で使用に供される。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウ
ムなどがあげられ、アルカリ土(類)金属としては、マ
グネシウムやカルシウムがあげられる。
【0022】無機質凝集剤としては、ゾル状または溶液
状の無機質凝集剤、殊に、ゾル状の無水ケイ酸または溶
液状のケイ酸塩(ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム)
が好適に用いられる。ゾル状の無水ケイ酸には、水を媒
体とする通常のコロイダルシリカのほか、アルコール等
の有機溶媒を媒体とするオルガノシリカゾルがある。
【0023】セラミックス粒子−無機質焼結助剤−無機
質凝集剤におけるセラミックス粒子としては、各種の粘
土鉱物、酸化物、水酸化物、複合酸化物、窒化物、炭化
物、ケイ化物、ホウ化物、ゼオライト、クリストバライ
ト、ケイ藻土、ケイ酸の多価金属塩などがあげられる。
粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイトなどがあげ
られる。酸化物としては、アルミナ、チタニア、シリ
カ、ジルコニア、マグネシア、酸化亜鉛などが例示され
る。水酸化物としては、アルミニウム、亜鉛、マグネシ
ウム、カルシウム、マンガンの水酸化物などがあげられ
る。複合酸化物の例はミョウバンである。窒化物の例
は、窒化ケイ素、窒化ホウ素などである。炭化物の例
は、炭化ケイ素、炭化ホウ素などである。ケイ酸の多価
金属塩としては、アルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウ
ム塩、カルシウム塩、マンガン塩などがあげられる。ケ
イ酸のアルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウ
ム塩、カリウム塩などがあげられる。
【0024】各成分の割合は、無機質焼結助剤−無機質
凝集剤の組み合わせにあっては、無機質焼結助剤の固形
分100重量部に対し、無機質凝集剤が固形分で20〜
150重量部程度あるいはそれ以上とすることが多い。
セラミックス粒子−無機質焼結助剤−無機質凝集剤の組
み合わせにあっては、セラミックス粒子を主体とし、無
機質焼結助剤および無機質凝集剤はそれぞれの役割を発
揮する量とするが、セラミックス粒子100重量部に対
し、無機質焼結助剤が固形分で 0.5〜20重量部程度、
無機質凝集剤が固形分で 0.5〜25重量部程度とするこ
とが多い。ただし、これらの量的割合は、上記範囲に限
られるものではない。
【0025】セラミックス成分(C) の少なくとも一部
は、フッ素化セラミックス(CF)であることも好ましい。
フッ素化セラミックス(CF)は、任意のセラミックスのフ
ッ素化物(ケイフッ化物を含む)またはF基を有するセ
ラミックスを用いることができる。フッ素化セラミック
ス(CF)の代表例は、次に述べるようなタルクのフッ素化
物またはF基を有する合成マイカである。
【0026】タルクのフッ素化物は、たとえば、タルク
を、珪フッ化カリウム、珪フッ化ソーダ、フッ化リチウ
ムのようなフッ化物と高温(たとえば600〜1000
℃あるいはその前後、殊に800℃程度)で焼成反応さ
せることにより製造することができる。フッ化物として
珪フッ化カリウムを用いると、得られるタルクのフッ素
化物は非膨潤性を示し、フッ化物として珪フッ化ソーダ
やフッ化リチウムを用いると、得られるタルクのフッ素
化物は膨潤性を示すことが多い。
【0027】F基を有する合成マイカは、たとえば、酸
化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO) 、フッ化マ
グネシウム(MgF2)、酸化ケイ素(SiO2)などの混合物を高
温(たとえば1000〜1600℃あるいはその前後、
殊に1350℃程度)で溶融させてガラス化し、再度た
とえば1100℃程度にまで再加熱して、四ケイ素マイ
カを析出させ、これを珪フッ化カリウムの水溶液中に分
散させてから加熱乾燥することにより製造することがで
きる。ただし、この処方以外にも種々の製造法が可能で
ある。たとえば、「そこが知りたい 粘土の科学、日刊
工業新聞社発行、1993年7月30日初版1刷発行」
の146〜161頁には、合成マイカについて説明があ
る。「フィラー活用事典、株式会社大成社発行、199
4年5月31日初版第1刷発行」の243〜246頁に
も、合成マイカについて説明がある。
【0028】またセラミックス成分(C) の一部は、低硬
度で劈開性を有する板状鉱物であることも好ましい。低
硬度で劈開性を有する板状鉱物の代表例はタルクと天然
マイカである。超微粉グレードのものを用いるときは、
種々の手段を講じて粉砕を行い、あるいは粉砕物のうち
特に微粉の部分のみを分級により取得し、できるだけ粒
径が小さいものを得るようにする。
【0029】ここでタルクは、滑石と呼ばれる鉱石の粉
砕物であって、白色〜灰色の滑りのある脂肪感ある無機
質粉末である。タルクの化学組成は、産地によって多少
異なるものの、基本的には 4SiO2・3MgO・H2O で表わさ
れる。タルクの結晶構造は、表面にケイ酸、2層目に水
酸基を持ったマグネシア、3層目にケイ酸となった3層
構造となっている。この特異な結晶構造に起因して、タ
ルクは滑りやすい性質を有しており、また無機質鉱物の
中では、モース硬度が1と最も硬度が低いものである。
【0030】天然マイカとしては、絹雲母(セリサイ
ト)、白雲母(マスコバイト)、金雲母(フロゴパイ
ト)、フッ素金雲母、着色元素が結晶中に配位した着色
マイカ、雲母チタン、紫外線吸収マイカなどがあげられ
る。マイカの硬度は、モース硬度で 2.5〜3.2 程度のも
のが多い。
【0031】セラミックス成分(C) としては、そのほ
か、水を吸って膨潤する性質を有する粘土鉱物、たとえ
ば、セピオライト、バーミキュライト、ベントナイト、
セリサイト粘土などを用いることも好ましい。これらの
中では、特異な繊維状構造を有するセピオライトが特に
重要である。
【0032】セラミックス成分(C) の一部は、酸化亜鉛
であることも好ましい。酸化亜鉛は、セラミックスであ
りながら、それ自体が消臭能力を有するからである。
【0033】〈複合体粒子(BC)〉複合体粒子(BC)の複合
体の形態としては、 ・セラミックス(C) の層間に有効成分(B) が取り込まれ
ている形態、 ・セラミックス(C) の製造が凝集工程を伴う場合、その
凝集粒子の間に有効成分(B) が混在している形態、 ・セラミックス(C) に有効成分(B) が配位している形態 などがあげられる。これらの中では、セラミックス成分
(C) 中の凝集力のある成分の凝集力を利用して、セラミ
ックス成分(C) と有効成分(B) とを複合化した複合体粒
子の形態が特に重要である。
【0034】セラミックス成分(C) が含水ケイ酸ゲルを
経て得られるシリカゲルであるときは、ケイ酸塩水溶液
と酸との混合前、混合時または混合後のゲル化反応完了
前に有効成分(B) を添加して、その有効成分(B) をシリ
カゲル中に含有をせることが望ましい。このようにする
と、有効成分(B) を含有する状態でセラミックスを凝集
させることができる。
【0035】セラミックス成分(C) が無機質焼結助剤−
無機質凝集剤を組み合わせたものである場合は、有効成
分(B) を含有する状態でセラミックスを凝集させること
が好ましい。例をあげると、無機質焼結助剤の一例とし
てのリン酸アルミニウムの水溶液に有効成分(B) を粉末
であるいは水溶液またはアルコール溶液として混合し、
pHを3〜4に調整して、無機質凝集剤の一例としての
コロイダルシリカのコロイド液を混合して系のpHを中
性程度にもっていくと、凝集が起こるので、その凝集物
をルツボや蒸発皿に移し、乾燥器または電気炉にて乾燥
するまで加熱処理する。
【0036】セラミックス成分(C) がセラミックス粒子
−無機質焼結助剤−無機質凝集剤を組み合わせたもので
あるときも、有効成分(B) を含有する状態でセラミック
スを凝集させることが好ましい。例をあげると、ケイ酸
アルミニウム、アルミナ、チタニア等のセラミックス粒
子に無機質焼結助剤の一例としてのリン酸アルミニウム
の水溶液を硬練りペースト程度の粘度になるように加え
て混練し、続いて有効成分(B) を粉末であるいは水溶液
またはアルコール溶液として混合し(あるいはセラミッ
クス粒子に有効成分(B) を混合しておいてから無機質焼
結助剤を混練し)、また必要に応じてリン酸アルミニウ
ムの水溶液を追加混合し、pHを3〜4に調整して、無
機質凝集剤の一例としてのコロイダルシリカのコロイド
液を混合して系のpHを中性程度にもっていくと、凝集
が起こるので、その凝集物をルツボや蒸発皿に移し、乾
燥器または電気炉にて乾燥するまで加熱処理する。
【0037】セラミックス成分(C) の少なくとも一部が
フッ素化セラミックス(CF)であるときは、そのフッ素化
セラミックス(CF)は、セラミックスの製造工程の任意の
工程において有効成分(B) を共存させ、複合化を図るこ
とも好ましい。
【0038】〈光触媒機能を有する無機質粒子(T) 〉光
触媒機能を有する無機質粒子(T) としては、特に好適に
は、X線粒径がたとえば100nm以下、殊に50nm以
下、さらには20nm以下というような超微細酸化チタン
の粒子があげられる。この超微細酸化チタンの表面を金
属または金属化合物(亜鉛、金、銀、銅、白金、ケイ
素、鉄や、これらの金属の酸化物や水酸化物)で修飾し
たものも好適に用いることができる。一例をあげると、
超微細酸化チタンの分散液と、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫
酸亜鉛等の亜鉛塩と、アルカリ物質の水溶液とを混合
し、ついで中和して析出させ、洗浄、乾燥することによ
り、修飾物を得ることができる。なお、酸化チタンの結
晶形にはアナターゼ形とルチル形とがあるが、光触媒機
能のすぐれているアナターゼ形の方が好適である。ま
た、酸化チタンと共にあるいは酸化チタンに代えて、光
触媒作用を有する他の種々の無機質粒子を用いることが
できる。
【0039】〈多元複合体粒子(BCT) 〉多元複合体粒子
(BCT) は、上述のセラミックス成分(C) と有効成分(B)
との複合体粒子(BC)により、光触媒機能を有する無機質
粒子(T) の表面が部分的に被覆された構造を有する。
【0040】このような多元複合体粒子(BCT) は、たと
えば、次のような方法によって製造することができる。
他にも種々の方法が可能である。
【0041】(イ)複合体粒子(BC)製造用の原料に光触
媒機能を有する無機質粒子(T) を混合した状態で、複合
体粒子(BC)を製造し、ついで取り出して乾燥し、必要に
応じ熱処理する方法。 (ロ)セラミックス成分(C) 製造用の原料に光触媒機能
を有する無機質粒子(T)を配合して溶融した後、粉砕
し、これを有効成分(B) を配合したセラミックス成分
(C) 製造用の原料水溶液に投入して混合してから乾燥
し、さらに必要に応じ熱処理する方法。 (ハ)複合体粒子(BC)を含む処理液中に光触媒機能を有
する無機質粒子(T) を投入して浸漬した後、取り出して
乾燥し、さらに必要に応じ熱処理する方法。 (ニ)任意の方法により光触媒機能を有する無機質粒子
(T) の表面にセラミックス成分(C) の被膜を形成した
後、有効成分(B) を配合したセラミックス成分(C)製造
用の原料(たとえばコロイダルシリカや水溶性ケイ酸の
水溶液)で処理し、ついで加熱処理を行って、その加熱
工程中に上記の無機質粒子(T) の表面に形成しているセ
ラミックス成分(C) の被膜にクラックを生じさせて、そ
の無機質粒子(T) の地肌を露出させる方法。
【0042】多元複合体粒子(BCT) に占める各成分の割
合は種々に設定できるものの、複合体粒子(BC)と光触媒
機能を有する無機質粒子(T) との合計量を100重量部
とするとき、複合体粒子(BC)が10〜70重量部(殊に
15〜60重量部)、光触媒機能を有する無機質粒子
(T) が90〜30重量部(殊に85〜40重量部)とす
ることが好ましい。複合体粒子(BC)の割合が極端に少な
いときには、光触媒機能を有する無機質粒子(T) による
有機質材料の劣化を充分には防止することができず、一
方複合体粒子(BC)の割合が極端に多いときは、光触媒機
能を有する無機質粒子(T) による光触媒機能の減殺が許
容範囲を越えることになる。
【0043】多元複合体粒子(BCT) のうち複合体粒子(B
C)に占めるセラミックス成分(C) と有効成分(B) の割合
は、複合体粒子(BC)を100重量%とするとき、セラミ
ックス成分(C) が99〜30重量%(殊に98〜40重
量%)、有効成分(B) が1〜70重量%(殊に2〜60
重量%)とすることが好ましい。このような範囲におい
て、本発明の目的にとってバランスがとれるからであ
る。
【0044】〈対象材料(O) 〉多元複合体粒子(BCT)
は、その粒子の形態のままで、消臭剤や抗微生物剤の用
途に使用することができるが、対象材料(O) の内部また
は/および表面に含有または/および担持させた状態で
使用することも好ましい。
【0045】対象材料(O) としては、基材(O1)またはコ
ーティング組成物(O2)があげられる。基材(O1)として
は、天然繊維、再生繊維、合成繊維、半合成繊維、ある
いはそれから作られる繊維製品、たとえば、原料繊維
(鞘−芯型やバイメタル型の複合繊維を含む)、糸(モ
ノフィラメント、マルチフィラメント糸、紡績糸、紡毛
糸、カバリング糸等)、パイル、綿(わた)状物、織
布、不織布、編布、植毛布など任意であり、また他の材
質の繊維や糸との混合品、混紡品、交織品、交編品、引
き揃え品などであってもよい。基材(O1)としては、フィ
ルム、シート、ボトル、各種部品などもあげられる。コ
ーティング組成物(O2)としては、塗料、コーティング
剤、インク、接着剤、シール材、化粧品などがあげられ
る。
【0046】基材(O1)またはコーティング組成物(O2)
が、樹脂を主剤とするものあるいは樹脂を被膜形成成分
とするものであるときの樹脂としては、熱可塑性樹脂、
熱硬化型樹脂、常温硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化
型樹脂などがあげられる。「樹脂」の用語の中には、通
常の合成樹脂のほか、エラストマーないしゴムや、セル
ロース系高分子のような高分子も含まれるものとする。
【0047】基材(O1)が樹脂成形物であるときは、その
成形物は、通常の単独の成形物であってもよく、また内
側成分Xと外側成分Yとで構成された芯鞘接合型または
バイメタル接合型の複合成形物であってもよい。複合成
形物の場合には、内側成分X、外側成分Yの樹脂成分が
それぞれ第1樹脂、第2樹脂からなる。これら第1樹脂
と第2樹脂とは、同種の樹脂、異種の樹脂のいずれであ
ってもよい。そして、内側成分Xの第1樹脂および外側
成分Yの第2樹脂の少なくとも一方に、有効成分(B) お
よびセラミックス成分(C) が配合される。
【0048】樹脂、あるいは複合成形物の場合の第1樹
脂、第2樹脂としては、溶融成形が可能な樹脂や、溶液
成形またはエマルジョン成形が可能な樹脂が用いられ
る。なお先にも述べたように、「樹脂」の用語の中に
は、エラストマーないしゴムや、セルロース系高分子の
ような高分子も含まれるものとする。
【0049】溶融成形の場合の成形法としては、押出成
形法、射出成形法、圧縮成形法、トランスファー成形法
をはじめとする種々の溶融成形法を採用することができ
る。溶融成形が可能な樹脂の例は、ポリオレフィン系樹
脂(エチレンやプロピレンを主体とするオレフィンのホ
モポリマーやコポリマー、ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー等)、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン6−66、ナイロン610、ナイロ
ン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4
6、ナイロンMXD6、ポリアミド系熱可塑性エラスト
マー等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系
熱可塑性エラストマー、ポリ乳酸等)、ポリ塩化ビニル
系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂
((メタ)アクリレートや(メタ)アクリロニトリルを
主体とするホモポリマーやコポリマー等)、ポリウレタ
ン系樹脂(ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等)、
ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン、ハイインパクトポ
リスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン系熱
可塑性エラストマー等)、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重
合体系樹脂、各種耐熱性樹脂、各種高強度樹脂などであ
り、他の種々の溶融成形用樹脂も使用可能である。
【0050】溶液成形またはエマルジョン成形が可能な
樹脂としては、セルロース系高分子(ビスコースレーヨ
ン、アンモニアレーヨン、アセテート、トリアセテート
等)、アクリロニトリル系ポリマー、ポリウレタン系ポ
リマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビ
ニリデン系ポリマー、ポリ塩化ビニル系ポリマーなどが
例示できる。ある種の高分子(たとえばミヨシ油脂株式
会社製の「ランディCPシリーズ」)もエマルジョン成
形が可能であるので、ここに言う樹脂として使用するこ
とができる。
【0051】〈含有または担持方法〉本発明の機能性材
料は、対象材料(O) の内部または/および表面に、上述
の多元複合体粒子(BCT) とを含有または/および担持さ
せたものである。
【0052】(含有方法)対象材料(O) の内部に多元複
合体粒子(BCT) を含有させるときは、基材(O1)用の成形
原料(たとえばペレットないし粉粒物段階の成形原料)
に多元複合体粒子(BCT) を配合し、ついでそれを押出成
形やその他の成形に供する。多元複合体粒子(BCT) の配
合量は、たとえば 0.1〜30重量%程度とすることがで
きる。多元複合体粒子(BCT) のうちの有効成分(B) の配
合量は、たとえば 0.1〜30重量%程度とすることがで
きる。多元複合体粒子(BCT) のうちのセラミックス成分
(C)の配合量は、たとえば 0.1〜60重量%程度とする
ことができる。一旦多元複合体粒子(BCT) の濃度の高い
マスターバッチを作り、それを基材(O1)用の成形原料を
適当な割合で混合して溶融成形などの成形に供すること
もできる。
【0053】基材(O1)用の成形原料に多元複合体粒子(B
CT) を配合して成形に供するときは、得られた成形物を
水と接触するような使い方をするときであっても、その
成形物から容易には有効成分(B) が失われないので、た
とえば時々水洗を行うような用途であっても比較的長期
にわたり機能性が維持されるという利点もある。
【0054】成形用原料には、もし必要なら、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、艶消し
剤、流動性改善剤、可塑剤、難燃剤などの助剤を内添し
ておくことができる。特に内添材料を配合した側の樹脂
には、特に溶融成形の場合、酸化防止剤等の安定剤と共
に、金属石鹸をはじめとする凝集防止性ないし分散性の
向上に有効な成形助剤を併用配合して、内添材料の均一
分散を確保することも好ましく、また有効成分(B) の担
持性を向上させるため、銅塩、鉄塩、カルシウム塩、チ
タン塩、アルミニウム塩、銀塩、スズ塩、亜鉛塩、クロ
ム塩、コバルト塩などの金属イオン源を適当量共存させ
ておくこともできる。
【0055】フィラメント状のものを得る場合、成形後
は延伸を行うことが多い。延伸倍率に特に限定はないも
のの、倍率が余りに小さいときは、用途によっては強度
が不足する傾向があるので、延伸倍率は3倍以上、殊に
4倍以上とするのが通常である。延伸倍率の上限は一般
には10倍程度までである。なお、延伸を必要としない
用途もあるので、延伸は必須ではない。フィルムまたは
シート状のものを得るときも、必要に応じ成形後に延伸
を行うことができる。
【0056】殊に複合成形物である場合、その外側成分
Yに、第2樹脂の種類や内添物の量を選択または制御し
て熱融着性を持たせるようにすれば、熱融着品を得るこ
とができる。たとえば、芯鞘接合型の複合フィラメント
や、バイメタル接合型のフィルムを細巾にスリットした
線条を用いて、編織物(ネット、織布、編布)や不織布
を製造したとき、熱融着によりフィラメントや線条の交
叉点を融着することができるので実用時や二次加工時に
おける目ずれを防止することができ、あるいはそのよう
な編織物や不織布を枠体などに熱融着により固定するこ
とができる。
【0057】対象材料(O) がコーティング組成物(O2)で
あるときは、そのコーティング組成物(O2)の調製時に多
元複合体粒子(BCT) を配合すればよい。コーティング組
成物(O2)を構成する他の成分は、被膜形成成分、媒体、
添加剤などである。
【0058】このときのコーティング組成物(O2)中の各
成分の割合は、固形分基準で、たとえば、多元複合体粒
子(BCT) が 0.1〜90重量%(殊に1〜80重量%)程
度とすることが多い。多元複合体粒子(BCT) 中の各成分
の割合は、先に述べたような割合とする。
【0059】(担持方法)対象材料(O) が繊維などの基
材(O1)であるときは、多元複合体粒子(BCT) の担持は、
次のようにしてなされる。なお多元複合体粒子(BCT) と
共に、さらに有効成分(B) やセラミックス成分(C) を併
用してもよい。またこのときの基材(O1)として、予め有
効成分(B) やセラミックス成分(C) あるいはこれらの複
合体粒子(BC)を内添して成形してあるものを用いてもよ
い。
【0060】第1の担持方法は、バインダーを用いて、
多元複合体粒子(BCT) を基材(O1)に付着担持させるもの
である。バインダーは、有機質バインダーであっても無
機質バインダーであっても差し支えない。多元複合体粒
子(BCT) が付着力のある成分を含むときは、その成分を
バインダー代わりに用いることもできる。担持は、浸
漬、コーティング、スプレーなどの手段により行うこと
ができる。
【0061】第2の担持方法は、基材(O1)に、多元複合
体粒子(BCT) を染着法(染色類似の方法、以下同様)に
より担持させるものである。このときの基材(O1)は、繊
維または繊維製品の形状にあることが特に望ましい。
【0062】基材(O1)に多元複合体粒子(BCT) を染着法
により担持させるにあたっては、キャリア剤、フィック
ス剤、カチオン化剤、還元剤等に属する助剤、媒染剤な
どを使用してもよい。
【0063】染着処理は、多元複合体粒子(BCT) 、助
剤、媒染剤などを一緒にまたは別々に含む浴中で、基材
(O1)を同時にまたは逐次的に処理することによりなされ
る。多元複合体粒子(BCT) 、助剤、媒染剤などを一緒に
含む浴中で浴処理を行う場合、2以上の浴に分けて浴処
理を行うこともできる。別々の浴を用いる場合、浴処理
の順序は任意である。浴比は基材(O1)の重量に対し5〜
100倍程度、浴温は30〜140℃程度、処理時間は
10分〜3時間程度(殊に15分〜2時間程度)とする
ことが多いが、必ずしもこの範囲に限られるものではな
い。浴処理を100℃を越えるような高温条件下に行う
ときには、加圧下での浴処理となるので、加圧型密閉染
色機を用いるのが通常である。浴処理を行う前に、もし
必要なら、基材(O1)(殊に繊維または繊維製品)の糊抜
き、精練、漂白などを行っておくことができる。浴処理
後の基材(O1)は、必要に応じ、酸洗浄やアルカリ洗浄、
あるいはソーピングや水洗などの後処理を行ってから、
自然乾燥または熱風乾燥する。
【0064】〈含有および担持方法の組み合わせ〉上述
の含有方法および担持方法は、これらを組み合わせるこ
ともできる。たとえば、基材(O1)に多元複合体粒子(BC
T) を内添により含有させ、さらにその基材(O1)に多元
複合体粒子(BCT) を付着などにより担持させる如くであ
る。
【0065】〈用途〉上記の機能性材料は、飲料や給水
用の水、ペット用の水、浴用の水、料理用の水、洗濯用
の水、鑑賞魚用の水、食器や食材洗浄用の水、洗顔用の
水、化粧水用の水、トイレットの流し水、プール用の
水、生け花や園芸用の水などを浄化する浄水材料、フィ
ルタ材料(空調機・空気清浄機・掃除機・クリーンルー
ム用のフィルタ、浄水フィルタ等)、ファンやファン周
りの成形物、冷蔵庫の内壁パネル、衣類(衣服、芯地、
裏地、エプロン、靴下、足袋等)、履物(靴、スリッ
パ、靴中敷等)、身回り品(タオル、スカーフ、マフラ
ー、ベルト、帽子、手袋、テーブルクロス、傘地、かば
ん、バッグ、財布等)、日用品・台所用品(歯ブラシ、
洋服ブラシ、ヘアブラシ、タワシ、食器洗い、雑巾、フ
キン、垢こすり等)、医療用品・福祉関連用品・生理用
品・衛生材料、(手術着、白衣、ベッドマット、マス
ク、包帯、ガーゼ、縫合糸、吸収材、創傷保護材、オム
ツ、各種生理用品等)、化粧用部材(パフ、化粧用ブラ
シ等)、インテリア製品・内装品・家具(ホットカーペ
ット、カーペット、カーテン、椅子張り地、網戸、バス
マット等)、室内の内装材(壁用シート、床材等)、ホ
ルマリン・アセトアルデヒド等のVOC(揮発性有機化
合物)によるシックハウス症候群防止用や、MCS(多
種類化学物質過敏症)防止用の諸材料(壁装材、繊維
板、クロス等)、寝具(ふとんわた、シーツ、布団カバ
ー、毛布、マット、枕カバー、座布団等)、スポーツ用
品(スポーツ着等)、車内装品(車用カバーシート、シ
ートクロス、天井材、床材等)、浴室・トイレタリー用
品、ペット用品、包装材料などである。包装材料(食品
包装用のフィルム、シート、ボトル、トレイ等、家電製
品包装用フィルム、堆肥バッグ)、鮮度保持用フィルム
・シート、緩衝材、買物袋、ゴミ袋、包装紙、その他産
業用および民生用(テント、コンベアベルト、ホース、
ロープ、幌、帆布、養生シート、植生用ネット・マット
・不織布、工事用ネット、漁網、延縄、海苔網、釣り
糸、防鳥網、防虫網、防獣網、ろ過布、抄紙機用ドライ
キャンバス、ヘルメット用汗取り、掃除機用アタッチメ
ントブラシ、モップ、ぬいぐるみ、研磨ブラシ、縫い
糸、蚊帳等、おしぼり、カード類、使い捨て食器、文
具、日用雑貨等) 農業用フィルム、農業用簡易被覆材、寒冷紗、結束テー
プ、防草袋、防草ネット、植木用ネット、防根シート、
育苗床・ポット、をはじめとする多種の用途に有用であ
る。
【0066】〈作用〉本発明の多元複合体粒子(BCT) に
あっては、後述の図1の顕微鏡写真の模写図に見られる
ように、光触媒機能を有する無機質粒子(T) の表面に、
セラミックス成分(C) と有効成分(B) との複合体粒子(B
C)が、地が見えるようにかつまぶされるように被覆され
た構造を有する。
【0067】そのため、多元複合体粒子(BCT) を有機質
である樹脂に配合して成形したり、有機質のバインダー
と共にコーティングに供したり、有機質対象物上にコー
ティングしたりしても、それらの有機質材料の劣化が有
効に防止される。
【0068】そして、光照射時における光触媒機能を有
する無機質粒子(T) の強い酸化性は維持され、しかも表
面の複合体粒子(BC)中の有効成分(B) により、暗所にお
いても消臭性および抗微生物性が発揮される。
【0069】また、無機質粒子(T) に基く強い酸化力に
よる消臭性および抗微生物性のメカニズムと、複合体粒
子(BC)中の有効成分(B) に基く包接または化学反応によ
る消臭性および抗微生物性のメカニズムとは、異種のも
のであるので、それらによりそれぞれ単独の場合では達
成しえないようなレベルおよび領域にまですぐれた効果
が奏される。すなわち、消臭性および抗微生物性が増強
され、抗微生物スペクトルも広くなる。
【0070】加えて、光触媒機能を有する無機質粒子
(T) の表面に存在する複合体粒子(BC)にあっては、有効
成分(B) がセラミックス成分(C) と複合化しているの
で、水と接触するような使い方をしても有効成分(B) が
容易には失われず、しかも有機物である有効成分(B) は
セラミックス成分(C) により保護されているので、無機
質粒子(T) による強い酸化作用を受けがたく、その機能
が損なわれることがない。
【0071】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。「部」、「%」とあるのは重量基準で表わしたもの
である。
【0072】〈有効成分(B) の準備〉有効成分(B) とし
て、次のものを準備した。 ・(B1): カテキン(茶カテキン70%品) ・(B2): カテキン(茶カテキン30%品) ・(B3): 純度70%の茶サポニン ・(B4): 緑茶粉末 ・(B5): 緑茶の熱水抽出物を乾燥した粉末 ・(B6): 純度85%のタンニン酸 ・(B7): キトサン
【0073】〈多元複合体粒子(BCT) の製造〉 製造例1 K2O 35.5 %、SiO2 64.5%の組成に配合されたケイ酸カ
リウムを、光触媒機能を有する無機質粒子(T) の一例と
しての光触媒酸化チタン粒子(アナターゼ型)の中に所
定の割合(典型的には重量比で50:50の割合)で加
えて、1350℃×5時間の条件で溶融させ、常温の水
で急冷させたところ、ガラス化したケイ酸カリウムとガ
ラス化していない酸化チタンとが混在した混合物が得ら
れた。これをボールミルで50〜100μm 程度に微粉
砕した。この微粉砕物を、有効成分(B) を溶解させた珪
フッ化ナトリウムの10〜20%水溶液中に浸漬させ、
その後150〜250℃にて乾燥させた。これにより、
無機質粒子(T) の表面に、セラミックス成分(C) と有効
成分(B) との複合体粒子(BC)が、地が見えるようにかつ
まぶされるように被覆された多元複合体粒子(BCT) が得
られた。この多元複合体粒子(BCT) の顕微鏡写真の模写
図を図1として示す。
【0074】製造例2 光触媒機能を有する無機質粒子(T) の一例としての光触
媒酸化チタン粒子(アナターゼ型)と珪フッ化ナトリウ
ムとを所定の割合(典型的には重量比で60:40の割
合)で混合し、ルツボにて800℃×1時間の条件で焼
成した。これにより、酸化チタン粒子の表面にシリカ(S
iO2)が層状に形成された焼成体が得られた。
【0075】次に、有効成分(B) をコロイダルシリカ、
ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウムなどのケイ酸水溶液
で10〜30%濃度にしたものを接触させ、ついで11
0〜250℃で脱水させたところ、酸化チタン粒子の表
面に層状に形成されているシリカ層に微細なクラックが
生じ、無機質粒子(T) の表面に、セラミックス成分(C)
と有効成分(B) との複合体粒子(BC)が、地肌が見えるよ
うにかつまぶされるように被覆された多元複合体粒子(B
CT) が得られた。
【0076】上述の製造例1または2に従い、有効成分
(B) の種類、セラミックス成分(C)の種類、各成分の量
的割合を種々変えて、表1に示す多元複合体粒子(BCT)
を製造した。
【0077】
【表1】
【0078】〈多元複合体粒子(BCT) の抗カビ性試験〉
上記で得た多元複合体粒子(BCT) を、寒天培地(市販の
変法GAM寒天培地を使用)に、その寒天培地が固化す
る前に10%宛添加、混練し、試料とした。これらの試
料につき、JIS Z2911 6.2.2 (湿式法)に準じて、抗カ
ビ効果に対する影響を恒温恒湿槽にて7日間評価した。
【0079】カビ菌は、予め調整した黒カビ菌溶液(1
00mg/500cc純水)を培地溶液1000ccに 0.5cc
ずつ植え付けた。また、カビ菌の繁殖促進は、恒温恒湿
槽を利用して、30℃、95%const.にて、7日間保持
し、最終結果を写真撮影により記録した。
【0080】条件および結果を表2に示す。No.0とある
のはブランクであって、寒天培地単体を用いた場合であ
る。なお、この試験は、室内の灯りのほかは特別の光照
射を行わないときのデータである。 (イ)カビの生育については、4日間経過後と7日間経
過後の試験体表面のカビ発生の有無および発生状態を目
視検査してし、+、−の記号による増加状況を見た。 (ロ)カビ抵抗性については、試験体におけるカビ占有
率で判定した。 (ハ)カビの生育の欄、カビ抵抗性の欄の記号の意味は
下記の通りである。なお、カビ抵抗性の「2〜3」は正
規の評価ではないが、2の評価には入るもののカビの生
育面積が3に近いものを「2〜3」と判定した。 ・カビの生育 − :カビの生育を認めない。 ± :わずかに生育を認めた。 +→++++:この順にカビの生育が著しい。 ・カビ抵抗性 1 :カビの生育は試料面積の1/3以上。 2 :カビの生育は試料面積の1/3以内。 3 :カビの生育を認めない。
【0081】
【表2】
【0082】表2から、多元複合体粒子(BCT) は、室内
の灯りのほかは特別の光照射を行わないときのデータで
あるにかかわらず、すぐれた抗カビ性が奏されることが
わかる。
【0083】〈多元複合体粒子(BCT) の抗菌性試験〉先
に述べたNo.1、No.2、No.3、No.6の多元複合体粒子(BC
T) を用い、下記の条件により、各試料の抗菌性を調べ
た。結果を表3に示す。 ・試験項目:菌数減少率試験 ・試験菌:黄色ぶどう球菌 Staphylococcus aureus ATC
C 6538P ・試験方法:JIS L 1902定量試験(統一試験方法)によ
る。 ・試験結果: 植菌数[A] 2.5×104 log A = 4.4 無加工布菌数[B] 1.2×107 log B = 7.1 (無加工布は標準綿布を使用) log B - log A = 2.7 > 1.5 (試験は有効) 殺菌活性値 = log A - log C 静菌活性値 = log B - log C
【0084】
【表3】
【0085】表3から、多元複合体粒子(BCT) は、室内
の灯りのほかは特別の光照射を行わないときのデータで
あるにかかわらず、すぐれた抗菌性が奏されることがわ
かる。
【0086】〈消臭試験および光照射による塗膜の劣化
試験〉No.1、No.2、No.3、No.6の多元複合体粒子(BCT)
30重量部を、被膜形成成分(バインダー成分)として
ポリウレタン系樹脂を固形分で15重量部含む分散液中
に投入して混合し、その混合物をポリエステルフィルム
上にコーティングしてから乾燥、キュアして、厚み約2
0μm の塗膜を形成した。参考のため、No.1において、
カテキン(B1)の添加のみを省略して製造した複合体粒子
(No.1')についても、同様にしてポリウレタン系樹脂を
被膜形成成分とする塗膜を形成した(実験例D-1')。さ
らにまた、光触媒酸化チタン粒子のみを添加して、ポリ
ウレタン系樹脂を被膜形成成分とする塗膜を形成した
(実験例D")。
【0087】この塗膜付きのフィルムを10mm×10mm
の大きさに裁断し、容量5リットルのガラス容器内に入
れ、蓋をして密閉した。蓋の内側にはブラックライトを
装着しておいた。容器の内部に所定量のアンモニア、ア
セトアルデヒド、トリメチルアミンを注入し、下記のパ
ターンで光照射を行った。実験開始時および実験終了時
(6時間直後)に容器内のヘッドスペースガスを採取
し、各臭気成分の濃度(単位は PPM)を測定した。結果
を表4に示す。 ・明暗各4hr:1時間ブラックライトを照射してから1
時間暗所に置く操作を4回繰り返した。 ・光照射4hr:光照射を連続的に4時間行った。 ・暗所下8hr:光照射を行うことなく暗所に8時間放置
した。
【0088】また、上記の消臭試験用の塗膜付きのフィ
ルムに対し、ブラックライトを合計72時間照射してか
ら、塗膜層を剥離して引張試験を行い、引張強度の低下
率から、塗膜の耐劣化性を好ましいものの順に○、□、
△、×の4段階で判定した。結果を表4に併せて示す。
【0089】
【表4】 塗膜中 光照射の NH3 CH3CHO N(CH2CH3)3 耐劣 実験例 (BCT) パターン 開始 終了 開始 終了 開始 終了 化性 Blank − 明暗各4hr 55 49 35 30 120 110 ○ Blank − 光照射4hr 55 49 35 29 120 113 ○ Blank − 暗所下8hr 55 50 35 30 120 112 ○ D-1a No.1 明暗各4hr 55 24 35 11 120 62 ○ D-1b No.1 光照射4hr 55 30 35 15 120 69 ○ D-1c No.1 暗所下8hr 55 38 35 23 120 86 ○ D-1'a No.1' 明暗各4hr 55 33 35 19 120 82 ○ D-1'b No.1' 光照射4hr 55 32 35 18 120 82 ○ D-1'c No.1' 暗所下8hr 55 46 35 28 120 107 ○ D"a TiO2 明暗各4hr 55 23 35 11 120 66 △ D"b TiO2 光照射4hr 55 25 35 12 120 67 △ D"c TiO2 暗所下8hr 55 45 35 28 120 105 △ D-2a No.2 明暗各4hr 55 25 35 12 120 63 ○ D-2b No.2 光照射4hr 55 29 35 16 120 69 ○ D-2c No.2 暗所下8hr 55 39 35 25 120 87 ○ D-3a No.3 明暗各4hr 55 25 35 12 120 63 ○ D-3b No.3 光照射4hr 55 30 35 15 120 70 ○ D-3c No.3 暗所下8hr 55 39 35 29 120 88 ○ D-6a No.6 明暗各4hr 55 24 35 13 120 64 ○ D-6b No.6 光照射4hr 55 30 35 17 120 71 ○ D-6c No.6 暗所下8hr 55 38 35 27 120 88 ○ (単位は ppm)
【0090】表4から、多元複合体粒子(BCT) を含む塗
膜は、光照射を連続的に行った場合、光照射を断続的に
行った場合、暗所に放置した場合のいずれにおいても、
各種の臭気成分に対する消臭性が発揮されることがわか
る。これに対し、No.1においてカテキン(B1)の添加のみ
を省略して製造した複合体粒子(No.1')を用いた実験例
D-1'の塗膜にあっては、実験例D-1 に比しては全体に効
果が不足する上、特に暗所での消臭効果が不足してい
た。また光触媒酸化チタン粒子のみを添加して塗膜を形
成した実験例D"の塗膜にあっては、暗所での消臭効果が
不足する上、塗膜が劣化することを免れなかった。
【0091】〈消臭試験および光照射による不織布の劣
化試験〉第1樹脂(R1)として融点163℃のポリプロピ
レン、第2樹脂(R2)として融点128℃のポリプロピレ
ンを用い、第2樹脂(R2)側には、上記No.1、No.2、No.3
の多元複合体粒子(BCT) を第2樹脂(R2)90重量部に対
し10重量部配合して(他に少量の酸化防止剤および凝
集防止剤(分散剤)も配合)、共押出成形を行った。共
押出成形は複合ダイを備えた2台の押出機により行い、
外側成分(鞘成分)Yについては第2樹脂(R2)の融点よ
り約80℃高い温度条件、内側成分(芯成分)Xについ
ては第1樹脂(R1)の融点より約70℃高い温度条件をそ
れぞれ採用した。得られた複合フィラメントを延伸して
延伸フィラメントを得、ついでこの延伸フィラメントか
ら不織布を製造した。比較のため、多元複合体粒子(BC
T) に代えて光触媒酸化チタン粒子のみを第2樹脂(R2)
90重量部に対し10重量部配合して共押出成形を行っ
た(実験例M")。
【0092】このようにして得た不織布を10mm×10
mmの大きさに裁断し、先の実験例と同様にして、消臭試
験および劣化試験を行った。結果を表5に示す。
【0093】
【表5】 塗膜中 光照射の NH3 CH3CHO N(CH2CH3)3 耐劣 実験例 (BCT) パターン 開始 終了 開始 終了 開始 終了 化性 Blank − 明暗各4hr 55 50 35 32 120 114 ○ Blank − 光照射4hr 55 50 35 33 120 114 ○ Blank − 暗所下8hr 55 51 35 32 120 115 ○ M-1a No.1 明暗各4hr 55 31 35 14 120 68 ○ M-1b No.1 光照射4hr 55 36 35 17 120 77 ○ M-1c No.1 暗所下8hr 55 45 35 26 120 99 ○ M"a TiO2 明暗各4hr 55 30 35 15 120 44 △ M"b TiO2 光照射4hr 55 35 35 16 120 75 △ M"c TiO2 暗所下8hr 55 50 35 31 120 109 △ M-2a No.2 明暗各4hr 55 30 35 15 120 68 ○ M-2b No.2 光照射4hr 55 35 35 18 120 77 ○ M-2c No.2 暗所下8hr 55 45 35 26 120 97 ○ M-3a No.3 明暗各4hr 55 32 35 16 120 69 ○ M-3b No.3 光照射4hr 55 37 35 19 120 78 ○ M-3c No.3 暗所下8hr 55 46 35 27 120 99 ○ (単位は ppm)
【0094】表5から、多元複合体粒子(BCT) を含む塗
膜は、光照射を連続的に行った場合、光照射を断続的に
行った場合、暗所に放置した場合のいずれにおいても、
各種の臭気成分に対する消臭性が発揮されることがわか
る。これに対し、光触媒酸化チタン粒子のみを添加して
塗膜を形成した実験例M"の塗膜にあっては、暗所での消
臭効果が不足する上、耐劣化性が劣っていた。
【0095】
【発明の効果】作用の項でも述べたように、本発明の機
能性材料にあっては、次のような効果が奏される。 1.この多元複合体粒子(BCT) を有機質である樹脂に配
合して成形したり、有機質のバインダーと共にコーティ
ングに供したり、有機質対象物上にコーティングしたり
しても、それらの有機質材料の劣化が有効に防止され
る。 2.光照射時における光触媒機能を有する無機質粒子
(T) の強い酸化性は維持され、しかも表面の複合体粒子
(BC)中の有効成分(B) により、暗所においても消臭性お
よび抗微生物性が発揮される。 3.無機質粒子(T) に基く強い酸化力による消臭性およ
び抗微生物性のメカニズムと、複合体粒子(BC)中の有効
成分(B) に基く包接または化学反応による消臭性および
抗微生物性のメカニズムとは、異種のものであるので、
それらによりそれぞれ単独の場合では達成しえないよう
なレベルおよび領域にまですぐれた効果が奏される。す
なわち、消臭性および抗微生物性が増強され、抗微生物
スペクトルも広くなる。 4.光触媒機能を有する無機質粒子(T) の表面に存在す
る複合体粒子(BC)にあっては、有効成分(B) がセラミッ
クス成分(C) と複合化しているので、水と接触するよう
な使い方をしても有効成分(B) が容易には失われず、し
かも有機物である有効成分(B) はセラミックス成分(C)
により保護されているので、無機質粒子(T) による強い
酸化作用を受けがたく、その機能が損なわれることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】多元複合体粒子(BCT) の顕微鏡写真の模写図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 2/16 A61L 2/16 Z 9/00 9/00 C 9/01 9/01 B H 9/16 9/16 D B01J 35/02 B01J 35/02 J C09D 7/12 C09D 7/12 201/00 201/00 (72)発明者 吉田 貴美 静岡県浜松市龍禅寺町536番地 Fターム(参考) 4C058 AA01 BB07 JJ02 JJ30 4C080 AA05 AA07 BB02 BB05 BB08 CC01 HH05 JJ03 KK08 LL02 LL03 LL10 MM02 MM31 MM32 NN02 QQ03 4G069 AA02 AA03 AA08 BA04A BA04B BA15B BA29A BA29B BA48A CA01 CA07 CA10 CA11 CA17 EA02Y FB13 FB23 FB61 4H011 AA02 BA01 BB08 BB18 BB22 BC19 BC20 DA01 4J038 EA011 HA216 KA08 KA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス成分(C) と、消臭性、抗微生
    物性または抗アレルギー性のうちの少なくとも1つの性
    質を有する動植物由来の有効成分(B) との複合体粒子(B
    C)により、光触媒機能を有する無機質粒子(T) の表面が
    部分的に被覆された構造を有する多元複合体粒子(BCT)
    からなることを特徴とする機能性材料。
  2. 【請求項2】光触媒機能を有する無機質粒子(T) が、光
    触媒酸化チタン粒子である請求項1記載の機能性材料。
  3. 【請求項3】複合体粒子(BC)が、セラミックス成分(C)
    中の凝集力のある成分の凝集力を利用して、セラミック
    ス成分(C) と有効成分(B) とを複合化したものである請
    求項1記載の機能性材料。
  4. 【請求項4】動植物由来の有効成分(B) が、カテキン、
    サポニン、茶抽出物、茶粉末、タンニン(酸)、キチン
    およびキトサンよりなる群から選ばれた少なくとも1種
    の成分である請求項1記載の機能性材料。
  5. 【請求項5】セラミックス成分(C) と、消臭性、抗微生
    物性または抗アレルギー性のうちの少なくとも1つの性
    質を有する動植物由来の有効成分(B) との複合体粒子(B
    C)により、光触媒機能を有する無機質粒子(T) の表面が
    部分的に被覆された構造を有する多元複合体粒子(BCT)
    が、対象材料(O) の内部または/および表面に含有また
    は/および担持されていることを特徴とする機能性材
    料。
  6. 【請求項6】対象材料(O) が、基材(O1)またはコーティ
    ング組成物(O2)である請求項5記載の機能性材料。
JP2000242074A 2000-08-10 2000-08-10 機能性材料 Withdrawn JP2002053416A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000242074A JP2002053416A (ja) 2000-08-10 2000-08-10 機能性材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000242074A JP2002053416A (ja) 2000-08-10 2000-08-10 機能性材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002053416A true JP2002053416A (ja) 2002-02-19

Family

ID=18733155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000242074A Withdrawn JP2002053416A (ja) 2000-08-10 2000-08-10 機能性材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002053416A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005177320A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Nippon Acp Kk 衛生用マスク
JP2005262073A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Teijin Techno Products Ltd 汚染土壌の封じ込め用袋体、および汚染土壌の封じ込め方法
JP2006081971A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Erubu:Kk 機能性材料、フィルタ、化粧品原材料用組成物及び食品添加物並びにその機能性材料の製造方法
JP2008119312A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Taiyo Kagaku Co Ltd ウイルス除去フィルター
JP2012144635A (ja) * 2011-01-12 2012-08-02 Sumika Enviro-Science Co Ltd 抗アレルゲン組成物
ITBO20120317A1 (it) * 2012-06-07 2013-12-08 Next Technology Tecnotessile Societ A Naz D Metodo di realizzazione di un pannello antibatterico.
JP2014100659A (ja) * 2012-11-20 2014-06-05 Toyota Motor Corp 白金鉄合金の合成方法
JP2015174045A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 三福工業株式会社 ペレット
WO2017045432A1 (zh) * 2015-09-16 2017-03-23 苏州科大微龙农业科技有限公司 一种甜瓜白粉病纳米钛及生物硫锌锰合剂
WO2017104614A1 (ja) * 2015-12-14 2017-06-22 東洋紡株式会社 ろ材およびフィルター
WO2017221996A1 (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 倉敷繊維加工株式会社 担持体、添着シート部材、エアフィルタ、担持体の製造方法及び添着シート部材の製造方法
CN111910433A (zh) * 2020-08-24 2020-11-10 清远瑞华助剂有限公司 一种天然抗菌剂及其加工设备

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005177320A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Nippon Acp Kk 衛生用マスク
JP4570126B2 (ja) * 2003-12-22 2010-10-27 日本エー・シー・ピー株式会社 衛生用マスク
JP2005262073A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Teijin Techno Products Ltd 汚染土壌の封じ込め用袋体、および汚染土壌の封じ込め方法
JP2006081971A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Erubu:Kk 機能性材料、フィルタ、化粧品原材料用組成物及び食品添加物並びにその機能性材料の製造方法
JP2008119312A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Taiyo Kagaku Co Ltd ウイルス除去フィルター
JP2012144635A (ja) * 2011-01-12 2012-08-02 Sumika Enviro-Science Co Ltd 抗アレルゲン組成物
ITBO20120317A1 (it) * 2012-06-07 2013-12-08 Next Technology Tecnotessile Societ A Naz D Metodo di realizzazione di un pannello antibatterico.
JP2014100659A (ja) * 2012-11-20 2014-06-05 Toyota Motor Corp 白金鉄合金の合成方法
JP2015174045A (ja) * 2014-03-17 2015-10-05 三福工業株式会社 ペレット
WO2017045432A1 (zh) * 2015-09-16 2017-03-23 苏州科大微龙农业科技有限公司 一种甜瓜白粉病纳米钛及生物硫锌锰合剂
WO2017104614A1 (ja) * 2015-12-14 2017-06-22 東洋紡株式会社 ろ材およびフィルター
JPWO2017104614A1 (ja) * 2015-12-14 2018-09-27 東洋紡株式会社 ろ材およびフィルター
WO2017221996A1 (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 倉敷繊維加工株式会社 担持体、添着シート部材、エアフィルタ、担持体の製造方法及び添着シート部材の製造方法
JP6289781B1 (ja) * 2016-06-24 2018-03-07 倉敷繊維加工株式会社 担持体、添着シート部材、エアフィルタ、担持体の製造方法及び添着シート部材の製造方法
CN109312209A (zh) * 2016-06-24 2019-02-05 仓敷纤维加工株式会社 载体、附着薄膜部件、空气过滤器、载体的制造方法及附着薄膜部件的制造方法
CN109312209B (zh) * 2016-06-24 2021-09-28 仓敷纤维加工株式会社 载体、附着薄膜部件、空气过滤器、载体的制造方法及附着薄膜部件的制造方法
CN111910433A (zh) * 2020-08-24 2020-11-10 清远瑞华助剂有限公司 一种天然抗菌剂及其加工设备
WO2022041422A1 (zh) * 2020-08-24 2022-03-03 清远瑞华助剂有限公司 天然抗菌剂及其加工设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6015816A (en) Antimicrobial compositions
US6841244B2 (en) Anti-microbial fiber and fibrous products
US9943079B2 (en) Modified mineral-based fillers
EP3253819B1 (en) Antimicrobial material comprising synergistic combinations of metal oxides
US9089138B2 (en) Organosilane-nonionic water stable quaternary ammonium compositions and methods
US20090223411A1 (en) Organosilane-nonionic-water stable quaternary ammonium compositions and methods
KR100665980B1 (ko) 복합성형물 및 그 제조방법
JP4357166B2 (ja) 抗菌・防黴・防藻性組成物
JP2002316909A (ja) 機能性材料
JP2002053416A (ja) 機能性材料
US8216559B2 (en) Deodorant fiber and fibrous article and product made thereof
WO2008086982A1 (de) Kupferenthaltende formmasse aus polyester ihre herstellung und verwendung
KR200415108Y1 (ko) 은나노가 흡착된 항균 청소용 걸레
JP2001072785A (ja) 機能性生分解性プラスチックス成形物およびその製造法
JP2005132724A (ja) 抗菌性無機酸化物微粒子およびその製造方法
JP3300085B2 (ja) 吸着性組成物およびその製造法
DE102007003662A1 (de) Kupfer(I)enthaltende Formmasse aus Polyester, ihre Herstellung und Verwendung
JP2002087916A (ja) 機能性材料
JP2001226827A (ja) 複合成形物およびその製造法
JP2001286541A (ja) 機能性組成物、機能性樹脂組成物および機能性成形物
DE102007003649A1 (de) Kupfer(II)enthaltende Formmasse aus Polyester, ihre Herstellung und Verwendung
JP2002209986A (ja) 機能性材料
CN206266760U (zh) 一种自芳香天然抗菌除臭纤维
JP2001335698A (ja) 機能性樹脂組成物
JP2000204277A (ja) 機能性成形物およびその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071106