JP2002050585A - 半導体の結晶成長方法 - Google Patents
半導体の結晶成長方法Info
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Abstract
体の結晶成長方法を提供する。 【解決手段】 単結晶基板1上にアルミニウム層を形成
し、そのアルミニウム層の表面を陽極酸化して得られる
多孔質アルミナ層2上にIII 族窒化物結晶層3を成長さ
せるという簡単な方法により、低欠陥の半導体が得られ
る。
Description
方法に関する。
ムガリウム(InGaN)、窒化ガリウムアルミニウム
(GaAlN)等のGaN系化合物半導体は、青色発光
ダイオード(LED)やレーザダイオード(LED)の
材料として脚光を浴びている。さらにGaN系化合物半
導体は、光素子以外にも耐熱性や耐環境性がよいため、
この特徴を活かした電子デバイス用素子の開発も行われ
ている。
が難しく、実用に耐えるGaNの基板は未だ得られてい
ない。現在広く実用化されているGaN成長用の基板は
サファイアであり、単結晶サファイア基板の上に有機金
属気相成長法(MOVPE法)等でGaNをエピタキシ
ャル成長させる方法が一般的である。
なるため、サファイア基板上に直接GaNを成長させた
のでは単結晶膜を成長させることができない。このた
め、サファイア基板上に一旦低温でAlNやGaNのバ
ッファ層を成長させ、このバッファ層で格子の歪みを緩
和させてからそのバッファ層の上にGaNを成長させる
方法が開示されている(特開昭63−188983号公
報参照)。
温成長AlN層をバッファ層として用いたGaNの成長
でも、基板と結晶の格子とのずれが生じてしまい、無数
の欠陥を有する。この欠陥は、GaN系LDを製造する
上で障害となる。
l.Phys.Lett.71(18)2638(19
97))、FIELO(Jpn.J.Appl.Phy
s.38,L184(1999))、ペンデオエピタキ
シー(MRS Internet J.Nitride
Semicond.Res.4S1,G3.38(1
999))等の成長技術が報告されているが、これらの
成長技術は、一旦成長GaNエピタキシャル層を炉外に
取り出し、表面に加工を施した後、再度炉内に戻してG
aN成長を行わなければならないという点で非常に手間
がかかる。また、必ずしも十分に欠陥密度を低減できる
わけではない。さらに、サファイアとGaNとの熱膨張
係数差に起因して基板が反るという問題があった。
し、簡単な方法で低欠陥の半導体が得られる半導体の結
晶成長方法を提供することにある。
に本発明の半導体の結晶成長方法は、基板上にアルミニ
ウム層を形成し、そのアルミニウム層の表面を陽極酸化
して得られる多孔質アルミナ層上に、基板と異なる材料
からなる半導体の単結晶を成長させるものである。
方法は、基板として六方晶系または立方晶系を有する単
結晶基板を用いてもよい。
方法は、多孔質アルミナ層の表面が、六方晶系のC面に
略配向するのが好ましい。
方法は、多孔質アルミナ層の表面が、1μm以下の周期
構造を有するようにするのが好ましい。
方法は、多孔質アルミナ層の孔の深さを0.1μm以上
とするのが好ましい。
方法は、アルミニウムの表面を陽極酸化して得られる多
孔質アルミナを基板とし、この多孔質アルミナ基板に6
60℃以上の温度で熱処理を施した後、半導体の単結晶
を成長させてもよい。
方法は、成長させる半導体として、III 族元素の窒化物
を用いてもよい。
方法は、基板として、シリコンを用いてもよい。
方法は、多孔質アルミナ層の表面に点状またはストライ
プ状の窓を有するマスクを設け、そのマスクの上に化合
物半導体単結晶を成長させてもよい。
単結晶基板上にアルミニウム層を形成し、そのアルミニ
ウム層の表面を陽極酸化して得られる多孔質アルミナを
基板として、この多孔質アルミナ基板上に、半導体単結
晶を成長させた後、多孔質部分から成長した半導体結晶
だけ剥離するものである。
ウム層を形成し、そのアルミニウム層の表面を陽極酸化
して得られる多孔質アルミナ層上にIII 族窒化物結晶を
成長させるという簡単な方法により低欠陥の半導体が得
られる。
図面に基づいて詳述する。
用したGaNエピタキシャル基板の一実施の形態を示す
断面模式図である。
基板1上に多孔質アルミナ層2及びIII 族窒化物単結晶
層3が順次形成されたものである。
ル成長させるには、下地となる基板と結晶系とが同じで
格子定数差が無く(少なく)、かつ熱膨張係数が近い必
要がある。
結晶基板は無く、サファイア基板が用いられているのが
現状である。
じ六方晶系(厳密には六方晶系ではないが、近似でき
る。)であるが、格子定数、熱膨張係数とも、III 族窒
化物結晶とはかなり異なっている。このため、サファイ
ア上に成長したGaNは、欠陥密度が高く、かつ基板が
反るという問題がある。
エピタキシー等の方法は、基板表面にマスクを設け、結
晶の核発生密度を限定し、下地からの欠陥の伝播を防止
することにより、エピタキシャル層中の欠陥密度低減を
図っている。
に述べた必要条件を満たすものとして発明者らがはじめ
て見出だしたものである。
ミナは、六方晶系をとり、自発的にC軸配向する。例え
ば、Applied Physics Letters
のVol.76,No.1,p.49に多孔質アルミナ
の配向について報告がなされている。このため、多結晶
の金属アルミニウム基板又は基板上の多結晶の金属アル
ミニウム膜に陽極酸化を施すだけで簡単にC軸配向した
多孔質アルミナが得られる。
質アルミナもサファイアもほとんど変わらない。但し、
表面が多孔質であるということは、孔の上には結晶の核
発生が起こらないため、結果的にELOやペンデオエピ
タキシーを行っているのと同じことになり、欠陥の発生
を大幅に抑えることができる。しかも、従来のELOや
ペンデオエピタキシーとは異なり、一旦GaN膜を成長
させてからその表面に加工を施すというプロセスが不用
で、簡単に低欠陥結晶を得ることができる。さらに、熱
膨張係数差の問題については、基板表面が多孔質である
ことから、熱膨張係数差に起因する歪みが多孔質部分で
吸収され、基板が反るということがない。
として、基板上にGaNを厚く成長させ、後で基板だけ
を剥がすという方法が研究されている。しかし、基板に
サファイア等を用いた場合、簡単に基板を取り除く方法
がないという問題がある。例えばJpn.J.App
l.Phys.Vol.38(1999)p.L217
にはレーザパルスを使って基板を剥がす技術が報告され
ている。また、サファイア以外の基板を用いた場合でも
基板だけをエッチングで溶かす等の作業が必要になる
が、ここで、本発明に係る結晶成長方法を用いれば、多
孔質層の領域は機械的な結合が弱くなっているため、従
来よりもより簡単にGaN層だけを剥がすことができ
る。
mのシリコン基板上に、金属アルミニウム層を1μmス
パッタで形成し、その金属アルミニウム層の表面を、3
%蓚酸水溶液中で、電界電圧12Vの陽極酸化処理を行
った。その結果、金属アルミニウムが酸化され、多孔質
アルミナ層が形成された。多孔質層を形成した基板をM
OCVD炉に入れ、常圧、1100℃の水素雰囲気で1
0分間熱処理を施した後、600℃でGaNバッファ層
を25nm、1100℃でGaN層を2μm成長させ
た。得られたGaNは、平坦な鏡面を呈していた。この
GaN層の表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察し、
表面に現れるピットの密度を計数したところ、3×10
5 個cm-3であった。従来法でサファイア基板上に成長
したGaNの表面には109 〜1010個cm-3のピット
が観察されることから、欠陥密度が非常に小さいGaN
エピタキシャル層が得られる。成長したGaN層のX線
回折法によるロッキングカーブの半値幅は220sec
であった。
基板では、通常300sec程度の値が得られているの
で、この値と比較して、十分に結晶性の高いエピタキシ
ャル層が得られる。また、基板の中央と周縁部との高さ
の差を測り、反りの評価を行ったところ、2μmであっ
た。
たエピタキシャル基板では通常50μmもの反りが観察
されるので、本発明に係るエピタキシャル基板の反りは
格段に少ないと言える。
質アルミナ層を形成したシリコン基板を準備し、そのシ
リコン基板の上にMOCVD法でGaNエピタキシャル
成長を行った。ここで、実施例1との違いは、低温成長
GaNバッファ層を成長させず、多孔質アルミナ上に直
接高温でGaNを成長させた点である。従来のサファイ
ア基板法のGaNエピタキシャル成長では、低温バッフ
ァ層を挿入しないと、単結晶GaNは得られないが、本
発明に係る半導体の結晶成長方法では、低温バッファ層
がなくても、GaNの単結晶エピタキシャル基板が得ら
れた。得られたGaNの欠陥密度は、バッファ層を挿入
した場合と大差なく、4×105 個cm-3であった。ま
た、基板の反りも2μmであり格段に少なかった。
μmのシリコン基板上に、金属アルミニウムを2μm蒸
着し、得られたアルミニウム層の表面を、8%硫酸水溶
液で電界電圧10Vの陽極酸化処理を行った。その結
果、アルミニウムが酸化され、多孔質アルミナ層が形成
された。この多孔質基板上にSiO2 膜をプラズマCV
D法で400nm積層し、さらにフォトリソグラフィに
よりSiO2 膜に直径1μm、ピッチ5μmの窓を開け
た。マスクをかけた基板をMOCVD炉に入れ、常圧、
600℃でGaNバッファ層を20nm、1050℃で
GaN層を2μm成長させた。得られたGaNは、平坦
な鏡面を呈していた。この表面を原子間力顕微鏡(AF
M)で観察し、表面に現れるピットの密度を計数したと
ころ、2×104 個cm-3であった。
μmのシリコン基板上に、蒸着により厚さ5μmのアル
ミニウム層を形成し、そのアルミニウム層の表面を5%
硫酸水溶液中で、電界電圧20Vの陽極酸化処理を行っ
た。その結果、アルミニウムが酸化され、多孔質アルミ
ナ層が形成された。多孔質層を形成した基板をHVPE
炉に入れ、減圧、水素雰囲気1100℃で10分間、熱
処理を施した後、1100℃でGaN層を200μm成
長させた。得られたGaNは、平坦な鏡面を呈してい
た。この基板に、室温〜600℃の急熱、急冷サイクル
を10回施したところ、Si基板とGaNとの熱膨張差
により、多孔質層に歪が加わり、自然に基板とエピタキ
シャル層とが剥離した。剥離して得られたGaN層には
多孔質アルミナの一部が付着していたが、クラックの発
生は観察されなかった。付着していたアルミナは、Ga
Nを研磨することで容易に除去することができた。この
ようにしてGaNの自立基板が得られた。GaN基板の
表面を原子間力顕微鏡で観察し、表面に現れるピットの
密度を計数したところ、8×105 個cm-3であった。
また、GaN基板の反りは、前述の測定法で5μm以下
に収まっていた。
件は、基板の抵抗率や表面積、エッチング液の組成、
量、電界電圧等によって大きく左右されるので、一義的
に決めることはできない。エッチング液と電界電圧とを
選択することで規則性の高い微小構造が得られる条件が
存在する(NATURE Vol.337 P147
(1989)等参照)。エッチング液には、硫酸、燐
酸、シュウ酸等が知られている。
に略配向していることは、その多孔質アルミナの上に成
長する窒化物結晶の成長方位を揃える上で必要なことで
ある。
的な周期を有する構造であることは、その多孔質アルミ
ナの上に成長する窒化物結晶の核発生密度のばらつきを
抑え、均一な膜成長を行わせる上で必要なことである。
孔の周期性が1μmを超えると、成長時に発生した核と
核とが多孔質アルミナ上で結合しない領域が生じ、エピ
タキシャル層中に新たな欠陥が導入されたり、孔が開く
という問題が生じてしまう。
上であることは、孔がGaNで埋まってしまわないよう
にするために必要なことである。孔の深さが0.1μm
よりも浅いと、GaN成長時に孔が埋まり、そこから方
位の異なるGaNが成長して単結晶GaNが得られな
い。
度で熱処理を施すのは、表面の配向性を高めるための処
理である。
ムの融点であり、これ以上の温度で熱処理を施すことに
よって、未酸化のアルミニウムが動きやすくなる。
ニウム層を形成した場合で説明したが、本発明はこれに
限定されず、多結晶基板やアモルファス基板にアルミニ
ウム層を形成し、陽極酸化を施して配向性を有する多孔
質層を形成してもよい。また、金属アルミニウム基板の
表面に陽極酸化を施して配向性を有する多孔質層を形成
してもよい。しかし、これらの膜は、配向性が得られる
陽極酸化の条件が狭く、また、得られた多孔質膜の配向
度も低い。
用いることができる。結晶基板は、内部に多孔質アルミ
ナ層を残したままでも、表面のIII 族窒化物結晶層だけ
を取り外して使用してもよい。また、基板となる窒化物
層を成長させた後、連続してデバイス機能を有するエピ
タキシャル層を成長させてもよい。
で、安価に、低欠陥な III族窒化物結晶を製造すること
ができる。本発明により得られたIII 族窒化物結晶は、
低欠陥なだけでなく、内部に残留する歪も少ない。ま
た、従来のようにエピタキシャル成長後の基板が反って
しまうこともない。
な優れた効果を発揮する。
導体の結晶成長方法の提供を実現することができる。
Nエピタキシャル基板の一実施の形態を示す断面模式図
である。
Claims (10)
- 【請求項1】 基板上にアルミニウム層を形成し、その
アルミニウム層の表面を陽極酸化して得られる多孔質ア
ルミナ層上に、上記基板と異なる材料からなる半導体の
単結晶を成長させることを特徴とする半導体の結晶成長
方法。 - 【請求項2】 上記基板として六方晶系または立方晶系
を有する単結晶基板を用いる請求項1に記載の半導体の
結晶成長方法。 - 【請求項3】 上記多孔質アルミナ層の表面が、六方晶
系のC面に略配向するようにする請求項1に記載の半導
体の結晶成長方法。 - 【請求項4】 上記多孔質アルミナ層の表面が、1μm
以下の周期構造を有するようにする請求項1に記載の半
導体の結晶成長方法。 - 【請求項5】 上記多孔質アルミナ層の孔の深さを0.
1μm以上とする請求項1に記載の半導体の結晶成長方
法。 - 【請求項6】 アルミニウムの表面を陽極酸化して得ら
れる多孔質アルミナを基板とし、この多孔質アルミナ基
板に660℃以上の温度で熱処理を施した後、半導体の
単結晶を成長させる請求項1に記載の半導体の結晶成長
方法。 - 【請求項7】 上記成長させる半導体として、III 族元
素の窒化物を用いる請求項1に記載の半導体の結晶成長
方法。 - 【請求項8】 上記基板として、シリコンを用いる請求
項1に記載の半導体の結晶成長方法。 - 【請求項9】 上記多孔質アルミナ層の表面に点状また
はストライプ状の窓を有するマスクを設け、そのマスク
の上に化合物半導体単結晶を成長させる請求項1に記載
の半導体の結晶成長方法。 - 【請求項10】 単結晶基板上にアルミニウム層を形成
し、そのアルミニウム層の表面を陽極酸化して得られる
多孔質アルミナを基板として、この多孔質アルミナ基板
上に、半導体単結晶を成長させた後、多孔質部分から成
長した半導体結晶だけ剥離することを特徴とする半導体
の結晶成長方法。
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