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JP2002040625A - 露光用マスク、レジストパターン形成方法及び露光マスク用基板の製造方法 - Google Patents

露光用マスク、レジストパターン形成方法及び露光マスク用基板の製造方法

Info

Publication number
JP2002040625A
JP2002040625A JP2001188548A JP2001188548A JP2002040625A JP 2002040625 A JP2002040625 A JP 2002040625A JP 2001188548 A JP2001188548 A JP 2001188548A JP 2001188548 A JP2001188548 A JP 2001188548A JP 2002040625 A JP2002040625 A JP 2002040625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
pattern
translucent
light
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001188548A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Ito
信一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001188548A priority Critical patent/JP2002040625A/ja
Publication of JP2002040625A publication Critical patent/JP2002040625A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ごみの付着や欠陥の発生を招くこ
となく複数の半透明膜を容易に形成することができ、工
程の簡略化をはかり得、高精度の露光マスクを提供する
ことを目的とする。 【構成】 本発明では、透光性基板上にマスクパタ―ン
を形成した露光用マスクにおいて、マスクパタ―ンは、
露光光に対する光路長が透光性基板10の透明部分とは
所定量だけ異なるように構成された半透明膜パタ―ンを
含み、且つこの半透明膜パタ―ンは同一の元素(Si)
を含む組成の異なるSi層11とSi 層12を、
それぞれ最適な膜厚に積層して形成されていることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光リソグラフィ技術に
用いられる露光用マスクに係わり、特に半透明膜パタ―
ンからなる位相シフタを形成した露光用マスク、露光マ
スク用基板、及び露光用マスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路は、高集積化、微
細化の一途を辿っている、このような半導体集積回路の
製造に際し、リソグラフィ技術は加工の要として特に重
要である。
【0003】現在のリソグラフィ技術では、マスクパタ
―ンを縮小光学系を介してLSI基板上に投影露光する
方法が主に用いられているが、高圧水銀ランプを光源と
するなら最小線幅0.5μm程度が限度である。0.5μ
m以下のパタ―ン寸法にはKrFエキシマレ―ザ或いは
電子線を用いた直接描画技術や、X線等倍露光技術の開
発が進められているが、量産性、プロセスの多用性等の
理由から、光リソグラフィに対する期待は非常に大きく
なっている。
【0004】このような状況の中で光源に対しては、g
線、i線、エキシマレ―ザ、X線等種々の光源の採用が
検討されており、またレジストに対しても新レジストの
開発やRELのような新レジスト処理が検討され、さら
には多層レジストプロセス、CEL、イメ―ジリバ―ス
法等も研究が進められている。
【0005】一方、最近では露光光源を変えずに微細化
をはかる試みがなされている。その1つの手法として、
位相シフト法がある。位相シフト法とは、光透過部に位
相反転層を設け隣接するパタ―ンからの光の回折の影響
を除去し、パタ―ン精度の向上をはかるものである。
【0006】この位相シフト法の中でも、隣接する2つ
の光透過部に対し交互に180度の位相差を設けるよう
にしたレベンソン型位相シフトマスクがある。この方法
では3つ以上のパタ―ンが隣接する場合に効果を発揮す
るのは難しい。即ち、2つのパタ―ンの光位相差を18
0度とした場合、もう1つのパタ―ンは先の2つのパタ
―ンのうち一方と同位相となる。その結果、位相差18
0度のパタ―ン同士は解像するが、位相差0度のパタ―
ン同士では非解像となるという問題がある。この問題を
解決するためには、デバイス設計を根本から見直す必要
があり、直ちに、実用化するにはかなりの困難を有す
る。
【0007】そこで位相シフト法を用い、かつデバイス
設計変更を必要としない手法としてハーフトーン型位相
シフトマスクがある。この位相シフト法の効果を最大限
に生かすには、透明部分と光半透過膜を透過した光の位
相差と両者の振幅透過率比を最適化することが重要であ
る。この位相差と振幅透過率比は、これらの膜の光学定
数(複素屈折率n−ik:ここではiは単位虚数)と膜
厚により一意的に決まる。つまり、所望の位相差と振幅
透過率比とを得るためには光学定数と膜厚とがある関係
を満足する必要がある。しかしながら、光学定数は物質
に固有の値であるため、所望の条件を単層膜で満足させ
ることは難しい。
【0008】図19は理想的なハーフトーン位相シフト
膜の構造を示したものである。この手法で形成されたマ
スクは、透光性基板1上に光透過部1aと光半透過膜1
bとを形成してなり、光半透明膜1bを光透過部1aに
対する振幅透過率10〜40%で形成し、かつここを透
過する光の位相を光透過部に対し180度変化させるも
のである。これらの目的を満足させるための第1の層2
と第1の層2により生じた位相差を併せて180度とな
るように調整する第2の層3との2層構造によって光半
透過膜1bを構成している。
【0009】このように従来のハーフトーン型位相シフ
トマスクでは、ハーフトーン部を2層構造とし第1の層
2で振幅透過率を調整し、第2の層3で第1の層2によ
って生じた位相差と併せて180℃となるように調整し
ているが、これらの層に用いる材料として従来は第1の
層にCr、MoSi等を用い、第2の層にSiO、M
gF、CaF、Al等を用いている。従っ
て、ハーフトーン部を形成するために、2種類の異なっ
た環境により膜形成を行う必要がある。例えば、第1の
膜作成のためにスパッタ装置を用いてCrを成膜し、第
2の膜作成のためにCVD法を用いてSiOを成膜す
る方法などである。
【0010】しかしながら、この種の方法では成膜を2
回に別けて行うため、搬送時のごみの付着等が生じ、欠
陥が増大するなどの問題が生じる。また、加工に際して
も、加工する元素が異なるため複数種の異質のガス(例
えばCr/SiO膜で半透明膜が構成されている場
合、Crを塩素系のガスで、SiOを弗素系のガスで
加工する)を用いてエッチングを行わなくてはならない
等の問題がある。また、第2の層に透明膜を用いている
が、透明膜は屈折率が小さいため位相シフタの膜厚は厚
くなる。このため、加工精度が悪いという問題もある。
【0011】また、露光工程ではマスク上のパターン領
域以外に存在するアライメント用あるいは検査用マーク
から露光光が漏れるのを防ぐため、ブラインドが投影露
光装置に設けられ、パターン領域外の光をカットしてい
る。なおブラインドの像はウェハ上で100μm程度の
像のぼやけを生じるため、ウェハ上でパターン領域を区
切る役割はない。このため従来は図20(a)に示すよ
うにマスク上でパターン領域外周辺を覆うように遮光パ
ターン101を形成していた。しかしながら半透明膜の
みで露光用マスクを形成した場合、従来、パターン領域
を区切ることを目的としていた、パターン領域外周辺部
に存在する遮光パターンの代わりに図20(b)に示す
ように半透明パターン201を用いることになる。この
ときパターン領域境界に存在する半透明膜を通過した光
は、ウェハ上で隣接するパターンに対し半透明膜の透過
率×露光量だけ照射することになる。このため図21に
示すように照射領域では、実質的に露光量が過剰となり
パターン領域の細りが生じたり、さらには焦点深度が不
足するという問題が生じていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、ハー
フトーン型位相シフトマスクにおいては、半透明膜の形
成に際して工程数が多くなると共に、ごみの付着、欠陥
の発生が生じるという問題があり、位相シフト効果を最
大限に発揮させることは困難であった。
【0013】また、半透明膜のみで露光用マスクを形成
した場合、従来パターン領域を区切ることを目的として
いたパターン領域外周辺分でも半透明パターンを用いる
ことになるため、パターン領域境界に存在する半透明膜
を通過した光は、ウェハ上で隣接するパターンに対し半
透明膜の透過率×露光量だけ照射することになる。この
ため照射領域では、実質的に露光量が過剰となりパター
ン領域の細りが生じたり、さらには焦点深度が不足する
という問題があった。
【0014】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、ごみの付着や欠陥の発生
を招くことなく複数層の半透明膜を容易に積層すること
ができ、工程の簡略化をはかり得て、かつ位相シフト効
果を最大限に発揮させることのできる露光マスク及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0015】また本発明では、半透明膜のみで露光用マ
スクを形成した場合にも、パターン領域の細りが生じた
り、さらには焦点深度が不足するというような問題のな
い露光マスクを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の露光用マスク
は、透光性基板上に、前記透光性基板の透明部との位相
差が、180±10度の範囲で異なりかつ振幅透過率1
0乃至40%となるように調整された単層の半透明層ま
たは少なくとも1層の半透明層と透明層の多層の第1の
半透明膜からなる半透明パターンと、前記半透明パター
ンの一部の領域にさらに積層され、該領域の振幅透過率
が5%以下となるように調整された遮光層あるいは振幅
透過率10乃至40%の第2の半透明膜とを具備したこ
とを特徴とする。
【0017】また、本発明の露光用マスクは、前記一部
の領域が、少なくともウェハ上に転写されたとき半導体
素子として寄与する領域の外側周辺領域を含むことを特
徴とする。
【0018】次に、本発明のレジストパターン形成方法
は、請求項1記載の露光用マスクを介してレジストが塗
布された基板上に露光を行いレジストパターンを形成す
ることを特徴とする。
【0019】本発明の露光用マスク基板の製造方法は、
透光性基板上に、前記透光性基板の透明部との位相差が
180±10度の範囲で異なりかつ振幅透過率10乃至
40%となるように調整された単層の半透明膜層または
少なくとも1層の半透明層と透明層とからなる第一の半
透明膜を形成する工程と、前記第1の半透明膜上全体ま
たは部分的に更に積層され、該領域の振幅透過率が5%
以下となるように調整された遮光層あるいは振幅透過率
10乃至40%の第2の半透明膜を形成する工程を具備
した露光用マスク基板の製造方法であって、前記第1の
半透明膜と第2の半透明膜との間に、前記遮光層あるい
は振幅透過率10乃至40%の第2の半透明膜の加工に
おいて酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜またはハロゲ
ン化膜のいずれかより構成された第3の膜を形成する工
程とを具備したことを特徴とする。
【0020】また、本発明の露光用マスクの製造方法
は、透光性基板上に、前記透光性基板の透明部との位相
差が、180±10度の範囲で異なりかつ振幅透過率1
0乃至40%となるように調整された単層の半透明層ま
たは少なくとも1層の半透明層と透明層とからなる第1
の半透明膜を形成する第1の半透明膜形成工程と、前記
第1の半透明膜上に第3の膜を形成する第3の膜形成工
程とさらにこの上層に、全体としての振幅透過率が5%
以下となるように調整された遮光層あるいは振幅透過率
10乃至40%の第2の半透明膜を形成する第2の半透
明膜形成工程と、前記第3の膜をエッチングストッパー
として前記第2の半透明膜を選択的に除去するエッチン
グ工程とを含むことを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明によれば、半透明膜を少なくとも2層で
形成し、各層の一部の元素を共通にしているので、半透
明膜を同一の装置で作成することができ、さらにそのパ
ターニングに際しても同種のエッチャントでエッチング
することができる。従って、半透明膜を形成するための
工程の簡略化をはかることが可能となる。また、半透明
膜として所望の振幅透過率と位相差を得る単一層の組成
が分かったとしても、その組成の物質を実現するのは難
しい場合がある。このとき、上記単一層の組成と、一部
組成が異なる複数の層の全体としての組成が等しくなる
ように設定すれば、作り易い安定な複数の層で結果とし
て単一層と等価な層を形成することができる。つまり、
本発明のように同一元素を含む複数種の層で半透明膜を
形成することにより、製造工程の簡略化をはかることが
できると共に、位相シフト効果を最大限に発揮させるこ
とが可能となる。
【0022】本発明の第3によれば、半透明パターンを
含むマスクにおいてパターン領域外の内少なくとも転写
によるウェハ上に光が到達する領域で、露光光を遮光す
るようにしているため、パターンの細りや焦点深度不足
を防ぐことができる。例えば、強度透過率2%を有する
i線用半透明マスクを用いたポジレジストに対する露光
結果では、0.55μmライン・アンド・スペースパタ
ーンで適性露光量で所望の寸法に改造したパターンがさ
らに露光量×マスクの強度透過率に相当する光を1度照
射されることでパターン寸法が0.49μmと所望の値
に対して約10%寸法が細るという結果となっていた。
しかしながら上記構成によればパターン領域外のうち少
なくとも転写によりウェハ上に光が到達する領域で露光
光を遮光することができる。なお、この遮光のための半
透明膜はパターン領域外を遮光する他に、パターン領域
内に用いることも可能である。すなわち、複数回の露光
により半透明マスクパターンにより形成されたウェハ上
のレジストパターンパターンが膜厚の現象を著しく生じ
た場合、半透明パターンのエッジ部分を除く領域に半透
明膜を積層させることが可能で、これによりレジストパ
ターンの膜減の低減をはかることも可能である。
【0023】本発明の第4によれば、位相シフト層を構
成する第1の半透明膜と、第2の半透明膜との間に酸化
膜または導電性膜を介在させるようにしているため、こ
の酸化膜または導電性膜がエッチングストッパーとして
として働くため、位相シフト層を良好に維持したまま選
択的に除去することができるため、容易にパターンの細
りや焦点深度不足のない良好な露光マスクを形成するこ
とが可能となる。
【0024】また酸化膜を用いる場合は同一チャンバー
内で表面酸化を行うのみでよく、形成が極めて容易であ
る。
【0025】さらに導電性膜を用いる場合は、チャージ
アップを防ぐことが可能となる。
【0026】本発明の第6によれば、水酸化膜、窒化
膜、炭化膜、ハロゲン化膜、酸化膜、導電性膜等の第3
の膜がエッチングストッパーとしてとして働くため、位
相シフト層を良好に維持したまま選択的に除去すること
ができるため、容易にパターンの細りや焦点深度不足の
ない良好な露光マスクを形成することが可能となる。
【0027】
【実施例】まず、実施例を説明する前に、本発明の基本
原理について説明する。
【0028】半透明膜を単層で用いようとした場合、半
透明膜を透過する光の位相を透明な部分を透過する光の
位相に対し180度±10%で制御することが必要で、
かつ半透明膜の透過率を所望の値にすることが必要であ
る。この±10%という値はシミュレ―ションにより位
相差を180度からずらしていき、その場合の焦点深度
の劣化が10%以内に収まる範囲は、180度±10%
程度であることから定めたものである。
【0029】半透明膜の位相シフトマスクで最大の解像
度を得るためには、半透明膜の光学定数は次の条件を満
たす必要がある。入射光の複素電界ベクトルをEO、透
明領域を透過した光の複素電界ベクトルをE1とし、半
透明膜領域を透過した光の複素電界ベクトルをE2とす
ると、それらの関係は、 E1=t1・E0……(1) E2=t2・E0……(2) となる。但し、t1、t2は振幅透過率とする。
【0030】また、位相シフトマスクで最大の効果を得
るためには、透過光の振幅透過率比及び位相差の間の関
係は、下記の(3)式及び(4)式で表され、 0.1≦|E1|/|E2|≦0.4……(3) 170度≦|δ1−δ2|≦190度……(4) となる。但し、 E1=|E1|exp(δ1) E2=|E2|exp(δ2) である。(1)、(2)式における半透明膜領域及び透
過領域の光の振幅透過率t1、t2は、これらの領域を
構成する物質と他の媒体との界面における反射率、透過
率及び膜の吸光度を考慮した該物質の膜厚Tにおける多
重反射を考えることで容易に求めることができる。物質
の反射率、透過率は、屈折率n及び消衰係数kより求め
られる。また、膜の吸光度は消衰係数kより求めること
ができる。
【0031】ところで、今問題とする半透明膜は位相シ
フタ層であるので開孔部に対し位相差180度を考慮す
ると、膜厚Tは物質の屈折率nより T=λ/2(n−1)……(5) となる。以上の変数から実測値として得られる透過率t
は、 t=F(n1,k1,n0,k0,T)……(6) により得られる。ここでn0、k0は媒体の屈折率、消
衰係数を示しており特定の値であるから、(6)式をn
1、k1の関係として振幅透過率tを一意的に求めるこ
とができる。
【0032】前述の考え方に基づき、例えば波長436
nmのg線露光を想定して、位相を180±10°、振
幅透過率を15±5%とし、屈折率nを変化させて、対
応するkを求めると図12中に実線及び破線で示すカ―
ブが描ける。図5において、縦軸は消衰係数k、横軸は
屈折率nを示し、破線(a)は振幅透過率10%、位相
170度の時のkとnの関係を示す曲線、破線(b)は
振幅透過率20%、位相190度の時のkとnの関係を
示す曲線、破線(c)は振幅透過率15%、位相180
度の時のkとn関係を示す曲線である。破線(a)及び
(b)の間の領域がこの時の許容範囲となり、ある物質
の屈折率n及び消衰係数kで定まる点が破線に挟まれた
範囲内であれば、その物質は単層膜でハーフトーン型位
相シフト膜の機能を持つことになる。
【0033】g線の場合この条件を満たす膜として図1
2中にポイントで示したアモルファスSiがある。しか
し、波長365nmのi線露光を考えた場合、図13に
示すように、アモルファスSi(Nガス0%のポイン
ト)は許容範囲外の値を取る。従って、i線露光ではア
モルファスSiを用いた単層ハーフトーン位相シフト膜
の形成が不可能であることが分かる。
【0034】ところで、SiをN化したSi
(Nガス80%のポイント)について同様の検討を
行うとやはり許容範囲外となる。しかし、アモルファス
SiとSiの2点を任意の曲線で結んだ場合、必
ず破線間に挟まれた領域を得ることが分かる。即ち、ア
モルファスSiとSiの中間的な物性を持つ物質
が在れば許容範囲内に入ることになる。この膜の作成に
ついては、SiとNによる反応性スパッタが有効であ
る。このとき、Nの反応比を変えることで任意の物性
の膜を得ることができる。このときの物性値を黒丸で示
す。また、黒丸を通る曲線を描くと破線間の領域を通
り、ここで得られた最適条件は、スパッタリング時の窒
素ガスの流量が15%の時のn=3.30、k=1.19
であり、膜厚をS3.5nmにすることにより振幅透過
率比が0.142、位相差が180度となる。このよう
に反応比を変えたSi膜を形成することで、所望
の単層ハーフトーン型位相シフト膜を形成することがで
きる。
【0035】また、波長248nmのKrFエキシマレ
―ザによる露光を考えた場合、i線露光の場合と同様
に、図14に示すように、アモルファスSi及びSi
の物性値は、許容範囲外となるが、これらの中間的
な物性をもつ物質は許容範囲内に入ることが分かった。
【0036】なお、境界条件の設定は位相を180度に
固定し、振幅透過率に余裕を持たせて設定したり、振幅
透過率を固定し位相に余裕を持たせて設定することも可
能である。また、許容とされる数値もレジストプロセス
等への影響及び効果を考え、本説明で述べた値を変更し
ても構わない。
【0037】上記の条件を満たす材料として我々が鋭意
研究を行った結果、シリコン、シリコンを含む混合物、
シリコンを含む混合物、ゲルマニウム、ゲルマニウムを
含む化合物、ゲルマニウムを含む混合物のいずれか1種
或いは2種以上の混合物で形成される物質、又はCr、
Al、Ti、Sn、In、Co或いは他の金属元素、金
属化合物及びこれらの酸化物、窒化物、水素化物、炭化
物、ハロゲン化物のうちいずれか1種或いは2種以上の
混合物で形成される物質について上述の2条件を満たす
ことが分かった。とりわけシリコンについてはg線領
域、SiNはi線、KrF領域で非常に有効な半透明膜
であるといえる。これらの物質の特性について表1に示
す。
【0038】 なお、半透明膜に対し、As、P、Bなどのイオンを注
入することにより、形成された膜質の若干の調整、例え
ば光学定数の調整をはかることができる。
【0039】また、シリコンに対しては500℃以上に
加熱することにより、アモルファス状態を多結晶へ、ま
た多結晶から単結晶へと連続的或いは断続的に変化させ
ることができ、所望の物性状態が得られる。
【0040】さて、今までは単一の半透明膜作成のため
の基本概念について述べたが、単一の半透明膜を作成し
ようとした場合、膜によっては化合物の組成比が難しい
場合もある。例えば、i線単層半透明膜をシリコンと窒
素の組成比を調整して作成する場合、位相差と透過率が
最適とされる屈折率nと消衰係数kを満たすときのシリ
コンと窒素の組成比は、シリコン:窒素=1:0.60
程度でなくてはならない。これは、通常シリコンを窒素
化して得られるSi膜の組成比(シリコン:窒素
=1:1.33)と比べ窒素の割合が小さく窒素流量の
微調整が必要となってくる。
【0041】このように微調整が必要な場合、単層の半
透明膜を作成するよりも2つの組成比を変化させた2種
以上の半透明膜、例えばSi(シリコン:窒素=1:
0)とSi(シリコン:窒素=1:1.33)を
用いた多層膜で形成した方が望ましい。このとき、Si
分子のスパッタ量1に対するSi分子のスパッタ
量を求めると0.042が得られ、この条件下でスパッ
タを2回に別けて行えば多層の場合と同等の所望の半透
明位相シフト膜が得られる。また、KrF用半透明膜を
i線と同様にSi膜に別けて行うと、シリコン:
窒素=1:0.9とすることが必要で、そのためにはS
i分子のスパッタ量1に対してSi分子のスパッ
タ量0.74とすることで、SiとSi膜からな
る2種の半透明膜により所望の半透明膜位相シフトを得
ることができる。
【0042】なお、これらの膜ではSiを共通元素と考
えて成膜しており、タ―ゲットにシリコンを用い、これ
をスパッタした後、窒素を流しながらシリコンをスパッ
タすることでSi膜を堆積している。このスパッ
タの工程ではタ―ゲットを1種類に固定しているため、
同一の装置を使用でき、また加工の際も共通元素Siに
対する加工のみで済むため、弗素系のガスを用いた反応
エッチングにより一度に加工することが可能である。C
rとSiOという異なった元素からなる2層半透明位
相シフト膜と比べ、成膜、加工のそれぞれにおいて工程
の省略化ができる。
【0043】また、半透明膜を形成する材料としてはS
iとSiに限るものではなく、種々の材料を選択
して使用することができる。図15〜図18に、各種材
料における屈折率と消衰係数との関係を示す。図15は
Cr−CrO、図16はAl−Al、図17は
Ti−TiO、図18はGaAs−GaAsOである。
また、これらの図において、上図はi線(波長365n
m)、下図はKrF線(波長248nm)の場合を示し
ている。これらの図において、上側の破線と下側の破線
との間の領域(許容範囲)に入るように各材料組成を決
定すればよい。ここで得られる組成は、本発明の場合だ
けでなく組成比を反応条件によりコントロ―ルして単層
の半透明膜形成する場合に適用できる。
【0044】ここで、例えばKrF露光条件のTi−T
iO遷移に見られるように、許容範囲と交わらない場合
には、本発明によるハーフトーン位相シフト膜を形成で
きないことも考えられる。また、i線露光条件のCr−
CrO遷移に見られるように許容範囲内境界に終点物質
が存在する場合、露光時に振幅透過率20%、位相差1
90度を許容範囲と見なすことが可能であれば、終点物
質をそのまま使用することができる。
【0045】実施例1 図1は、本発明の第1の実施例に係わる露光用マスクの
製造工程を示す断面図である。この露光用マスクは、半
透明膜パタ―ンとしてスパッタリング法で形成したS
i、Siの2層の半透明膜からなるパタ―ンを用
いたことを特徴とし、i線投影露光用マスクとして用い
られるものである。
【0046】まず、図1(a)に示すように、酸化シリ
コン基板10上にスパッタリング法により膜厚71nm
のシリコン膜11を作成する。引き続き窒素ガスを導入
しながらSi膜12を19nm作成した。このと
き、2層からなる半透明位相シフト膜は、酸化シリコン
基板10に対する位相差180度、振幅透過率22.4
%であった。
【0047】次いで、図1(b)に示すように、電子線
用レジスト13を膜厚0.5μmで堆積した後、さらに
導電性膜14を0.2μm程度に形成する。
【0048】次いで、図1(c)に示すように、導電性
膜14上から電子線により3μC/cmで描画し、さ
らに現像を行ってレジスト13のパタ―ンを形成する。
ここで、導電性膜14を形成するのはレジスト13が絶
縁性であるとき電子線のチャ―ジアップを防ぐためであ
る。
【0049】次いで、図1(d)に示すように、レジス
トパタ―ンをマスクとしてCFとOとの混合ガスに
よる反応性イオンエッチングにより、レジストパタ―ン
から露出するSi膜12及びシリコン膜11を順
次除去する。そして、最後にレジストパタ―ンを除去す
ることにより、図1(e)に示すように、Si
12とシリコン膜11からなる位相シフタを得ることが
できる。
【0050】なお、この例ではシリコン膜及びSi
膜の形成をスパッタリングにより行ったが、CVD法
によりそれぞれの膜を作成してもよい。さらに、シリコ
ン膜及びSi膜の加工をCDE(ケミカルドライ
エッチング)、ウェツトエッチングにより行っても構わ
ない。
【0051】このようにして形成された露光用マスクを
介して、PFR7750(日本合成ゴム製)と称されて
いるレジストを1.54μm塗布した基板に、g線で1
/5縮小露光(NA=0.54、σ=0.5)を行ってパ
タ―ンを形成した。このときの露光量は300mJ/c
であった。従来0.45μmパタ―ンでフォ―カス
マ―ジン0μmで解像していたものを、本実施例のマス
クを用いることにより0.7μmで解像することができ
た。
【0052】コンタクトホ―ルパタ―ン関しても従来の
露光で解像されなかった0.50μmパタ―ンがフォ―
カスマ―ジン1.5μmで解像することが確認された。
また、このマスクを用いて転写し形成されたレジストパ
タ―ンをマスクとして基板の加工を行うことにより、よ
り良好な加工形状を得ることが可能となる。
【0053】実施例2 次に、第2の実施例について説明する。
【0054】この露光用マスクは、半透明膜パタ―ンと
してスパッタリング法により形成したシリコンとSi
膜からなるパタ―ンを用いたことを特徴とし、Kr
F用のマスクとして用いられるものである。ここでは、
酸化シリコン基板上10に膜厚74nmのシリコン膜1
1を作成する。引き続き窒素ガスを導入しながらSi
膜12を70nm作成した。このときの2層からな
る半透明位相シフト膜は、酸化シリコン基板10に対す
る位相差180度、振幅透過率21.5%であった。
【0055】そして、第1の実施例と同様にして電子線
用レジスト13を膜厚1.5μmで堆積した後、さらに
導電性膜14を0.2μm程度に形成する。この導電性
膜上から電子線により6μC/cmで描画し、さらに
現像を行ってレジストパタ―とする。
【0056】このレジストパタ―ンをマスクとしてCF
とOとの混合ガスによる反応性イオンエッチングに
よりレジストパタ―ンから露出するSi膜12及
びシリコン膜11を順次除去する。そして、最後にレジ
ストパタ―ンを除去しSi膜12とシリコン膜1
1からなる位相シフタを得ることができる。
【0057】このようにして形成された露光用マスクを
介して、XP8843(シプレ―社製)と称されている
KrF用レジストを1.0μm塗布した基板に、KrF
エキシマレ―ザで1/5縮小露光(NA=0.4、σ=
0.5)を行ってパタ―ンを形成した。このときの露光
量は40mJ/cmであった。従来0.30μmパタ
―ンでフォ―カスマ―ジン=0μmで解像していたもの
を、本実施例のマスクを用いることにより0.7μmで
解像することができた。コンタクトホ―ルパタ―ンに関
しても従来の露光で解像されなかった0.30μmパタ
―ンがフォ―カスマ―ジン−1.2μmで解像すること
が確認された。
【0058】なお、この例では位相シフタとしての窒化
シリコン膜の形成をタ―ゲットとして、シリコンを用い
窒素ガス量を制御しながらスパッタリングにより行った
が、シリコンと窒化シリコンのモザイクタ―ゲットを用
いたスパッタリンク或いはガス比を制御したCVD法等
を用いてもよい。また、膜厚を本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲において適当な厚さにしてもよい。さらに、屈折
率と振幅透過率との微調整を行うためにイオン注入や熱
処理を行い、表面の改質を行うようにしてもよい。
【0059】実施例3 次に、第3の実施例について説明する。
【0060】この実施例は、CrとCrOを用いて作
成したi線露光用マスクに関する。Crを反応性スパッ
タにより単層の半透明膜で作成する場合、Cr元素に対
し酸素元素の組成比を約1.8とする環境となるように
酸素ガスの流量を調整すれば所望の半透明位相シフト膜
が得られることを確認した。
【0061】次いで、この条件をCrとCrOの2層
膜で作成することを考えると、それぞれの分子組成比を
Cr:CrO=1:0.567とすることで酸化シリ
コン基板に対し位相差180度、振幅透過率18%を得
ることができる。
【0062】まず、図2(a)に示すように、酸化シリ
コン基板10上にスパッタリング法により膜厚70nm
のCr膜21を作成する。引き続き酸素ガスを導入しな
がらCrO膜22を42nm作成した。
【0063】次いで、第1の実施例と同様に、電子線レ
ジストを膜厚1.0μmで形成し、電子線により6μC
/cmで描画し、さらに現像を行いレジストパタ―ン
とする。
【0064】このレジストパタ―ンをマスクとしてCl
とOとの混合ガスによる反応性イオンエッチングに
より、レジストパタ―ンから露出するCr膜21及びC
rO 膜22を順次除去する。そして、最後にレジスト
パタ―ンを除去することにより、図2(b)に示すよう
なCr膜21とCrO膜22からなる位相シフタを得
ることができる。
【0065】なお、本実施例において所望の振幅透過率
が26%程度である場合にはCrO 膜を単層膜で用
い、膜厚130nmに制御すればCrO膜のみからな
る位相シフタを得ることもできる。
【0066】i線用レジスト(PFRIX500(日本
合成ゴム社製))を1.3μmの厚さに塗布した基板
に、本実施例により作成した投影露光用マスクを介して
水銀ランプのi線で1/5縮小露光(NA=0.5、σ
=0.6)を行ってパタ―ンを形成した。このときに要
した露光量は300mJ/cmであった。ライン&ス
ペ―スパタ―ンに関しては、従来の露光において0.3
5μmパタ―ンでフォ―カスマ―ジン=0μmで解像し
ていたものが、本実施例のマスクによりフォ―カスマ―
ジン=0.9μmで解像することが可能になった。
【0067】コンタクトホ―ルパタ―ン関しても、従来
の露光で解像されなかった0.40μmパタ―ンがフォ
―カスマ―ジン1.5μmで解像することが確認され
た。また、このマスクを用いて転写し、形成されたレジ
ストパタ―ンをマスクとし基板の加工を行うことで、よ
り良好な加工形状を得ることが可能である。
【0068】本実施例において、CrOからなるシフ
タ膜の形成を雰囲気ガスの組成比を制御したCVD等に
より成膜してもよい。また、本実施例でCr及びCrO
のエッチングをケミカルエッチング(CDE)又はウ
ェットエッチング(硝酸第2セリウムアンモニウム溶液
を使用)を用いても構わない。
【0069】実施例4 次に、第4の実施例について説明する。
【0070】本実施例は、AlとAlを用いて作
成したi線露光用マスクに関する。Alを反応性スパッ
タにより単層の半透明膜で作成する場合、Al元素に対
し酸素元素の組成比を約1.40とする環境となるよう
に酸素ガスの流量を調整すれば所望の半透明位相シフト
膜が得られることを確認した。
【0071】次いで、この条件をAlとAlの2
層膜で形成することを考えると、それぞれの分子組成比
をAl:Al=1:18.3とすることで酸化シ
リコン基板に対し位相差180度、振幅透過率15%を
得ることができる。
【0072】まず、図3(a)に示すように、酸化シリ
コン基板10上にスパッタリング法により膜厚23nm
のAl膜31を作成する。引き続き酸素ガスを導入しな
がらAl膜32を248nm作成した。
【0073】次いで、第1の実施例と同様に電子線レジ
ストを膜圧1.0μmで形成し、電子線により6μC/
cmで描画し、さらに現像を行ってレジストパタ―ン
とする。
【0074】このレジストパタ―ンをマスクとしてCl
とOとの混合ガスによる反応性イオンエッチングに
より、レジストパタ―ンから露出するAl及びAl
膜を順次除去する。そして、最後にレジストパタ―ン
を除去することにより、図3(b)に示すようなAl膜
31とAl膜32からなる位相シフタを得ること
ができる。
【0075】i線用レジスト(PERIX500(日本
合成ゴム社製))を1.3μmの厚さに塗布した基板
に、本実施例により作成した投影露光用マスクを介して
水銀ランプのi線で1/5縮小露光(NA=0.5、σ
=0.6)を行ってパタ―ンを形成した。このときに要
した露光量は300mJ/xmであった。
【0076】ライン&スペ―スパタ―ンに関しては、従
来の露光において0.35μmパタ―ンでフォ―カスマ
―ジン0μmで解像していたものが、本実施例のマスク
によりフォ―カスマ―ジン0.9μmで解像することが
可能になった。コンタクトホ―ルパタ―ンに関しても、
従来の露光で解像されなかった0.40μmパタ―ンが
フォ―カスマ―ジン1.5μmで解像することが確認さ
れた。また、このマスクを用いて転写し、形成されたレ
ジストパタ―ンをマスクとし基板の加工を行うことで、
より良好な加工形状を得ることが可能である。
【0077】実施例5 次に、第5の実施例について説明する。
【0078】本実施例は、AlとAlを用いて作
成したKrF線露光用マスクに関する。Alを反応性ス
パッタにより単層の半透明で形成する場合、Al元素に
対し酸素元素の組成比を約1.43とする環境となるよ
うに酸素ガスの流量を調整すれば所望の半透明位相シフ
ト膜が得られることを確認した。
【0079】この条件をAlとAlの2層膜で作
成することを考えると、それぞれの分子組成比をAl:
Al=1:10とすることで酸化シリコン基板に
対し位相差180度、振幅透過率15%を得ることがで
きる。
【0080】まず、酸化シリコン基板上10にスパッタ
リング法により膜厚14nmのAl膜31を作成する。
引き続き酸素ガスを導入しながらAl膜32を1
61nm作成した。次いで、電子線レジストを膜厚1.
0μm形成し、電子線により6μC/cmで描画し、
さらに現像を行いレジストパタ―ンとする。
【0081】このレジストパタ―ンをマスクとしてCl
とOとの混合ガスによる反応性イオンエッチングに
よりレジストパタ―ンから露出するAl膜31及びAl
膜32を順次除去する。そして、最後にレジスト
パタ―ンを除去しAl膜31とAl膜32からな
る位相シフタを得ることができる。
【0082】このようにして形成された露光用マスクを
介して、XP8843(シプレ―社製)と称されている
KrF用レジストを1.0μm塗布した基板に、KrF
エキシマレ―ザ1/5縮小露光(NA=0.4、σ=0.
5)を行ってパタ―ンを形成した。このときの露光量は
40mJ/cmであった。そして、従来0.30μm
パタ―ンでフォ―カスマ―ジン=0μmで解像していた
ものを、本実施例のマスクを用いることにより、フォ―
カスマ―ジン=0.7μmで解像することができた。
【0083】また、コンタクトホ―ルパタ―ンに関して
も、従来の露光で解像されなかった0.30μmパタ―
ンが、フォ―カスマ―ジン=1.2μmで解像すること
が確認された。
【0084】実施例6 次に、第6の実施例について説明する。
【0085】本実施例は、TiとTiOを用いて作成
したi線露光用マスクに関する。Tiを反応性スパッタ
により単層の半透明膜で作成する場合、Ti元素に対し
酸素元素の組成比を約0.61とする環境となるように
酸素ガスの流量を調整すれば所望の半透明位相シフト膜
が得られることを確認した。
【0086】この条件をTiとTiOの2層膜で作成
することを考えると、それぞれの分子組成比をTi:T
iO=1:0.43とすることで酸化シリコン基板に
対し位相差180度、振幅透過率15.4%を得ること
ができる。
【0087】まず、図4(a)に示すように、酸化シリ
コン基板10上にスパッタリング法により膜厚196n
mのTi膜41を作成する。引き続き酸素ガスを導入し
ながらTiO膜42を84nm作成した。
【0088】次いで、電子線レジストを膜厚1.0μm
で形成し、電子線により6μC/cmで描画し、さら
に現像を行いレジストパタ―ンとする。このレジストパ
タ―ンをマスクとして弗素系のガスによる反応性イオン
エッチングにより、レジストパタ―ンから露出するTi
膜41及びTiO膜42を順次除去する。
【0089】そして、最後にレジストパタ―ンを除去す
ることにより、図4(b)に示すようなTi膜41とT
iO膜42からなる位相シフトを得ることができる。
【0090】i線用レジスト(PFRIX500(日本
合成ゴム社製))を1.3μmの厚さに塗布した基板
に、本実施例により作成した投影露光用マスクを介して
水銀ランプのi線で1/5縮小露光(NA=0.5、σ
=0.6)を行ってパタ―ンを形成した。このときに要
した露光量は300mJ/cmであった。
【0091】ライン&スペ―スパタ―ンに関しては、従
来の露光において0.35μmパタ―ンでフォ―カスマ
―ジン=0μmで解像していたものが、本実施例のマス
クによりフォ―カスマ―ジン=0.9μmで解像するこ
とが可能になった。コンタクトホ―ルパタ―ンに関して
も、従来の露光で解像されなかった0.40μmパタ―
ンがフォ―カスマ―ジン1.5μmで解像することが確
認された。また、このマスクを用いて転写し、形成され
たレジストパタ―ンをマスクとし基板の加工を行うこと
で、より良好な加工形状を得ることが可能である。
【0092】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。例えば、各実施例において、第1の
半透明膜と第2の半透明膜の材料を入れ替えても構わな
い。また、実施例では2種類の半透明膜を用いている
が、3種類以上の半透明膜を用いてもよい。さらに、同
一の半透明膜(2種類以上)を複数回積層するようにし
てもよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、
種々変形して実施することができる。
【0093】実施例7 図5は、本発明の第7の実施例の露光マスク用基板の製
造工程を示す断面図である。この露光マスク用基板は、
g線用位相シフトマスクを作成するための基板であり、
透明基板60上に、半透明膜としてスパッタリング法で
アモルファスシリコン膜61を形成し、表面酸化を行い
酸化シリコン膜62を形成し、この上層にさらにシリコ
ンをターゲットとして第2のアモルファスシリコン膜6
3を形成したものである。
【0094】すなわちまず、図5(a)に示すように、
厚さ2.5mmの石英基板60上にスパッタリング法に
より膜厚59nmのアモルファスシリコン膜61を作成
する。このアモルファスシリコン膜61の屈折率n=
4.93で石英基板に対する振幅透過率は17.4%であ
った。
【0095】引き続き図5(b)に示すようにこのアモ
ルファスシリコン膜61の表面を酸素元素を含むプラズ
マ中で酸化して酸化シリコン膜62を形成する。
【0096】さらにこの上に図5(c)に示すように、
シリコンをターゲットとしたスパッタリング法により第
2のアモルファスシリコン膜63を59nm堆積した。
この様にして得られた2層膜の振幅透過率は酸化シリコ
ン膜も含めて3.0%であった。このようにして露光マ
スク用基板が得られるが、第2の半透明膜としてのアモ
ルファスシリコン膜の膜厚は振幅透過率が第1のアモル
ファスシリコン膜および酸化シリコン膜も含めて5.0
%以下になるような値であれば良い。
【0097】次に、この露光マスク用基板を用い露光用
マスクを形成する方法について説明する。
【0098】まず、図6(a)に示すように前記図5
(a)乃至図5(c)に示す工程で得られた露光マスク
用基板表面に電子線レジスト64を膜厚500nmで形
成し、さらに塗布性導電膜65を膜厚200nmとなる
ように形成する。
【0099】次いで、図6(b)に示すように電子線に
よりデバイスパターンとデバイスパターン外領域を含む
データにより描画を行い、現像しレジストパターン64
aを形成する。ここでも、塗布性導電膜65上から電子
線によりで描画し、さらに現像を行ってレジストパタ―
ン64aを形成する。ここで、塗布性導電膜65を形成
するのはレジスト64が絶縁性であるとき電子線のチャ
―ジアップを防ぐためである。また図中Bはパターン領
域とパターン外領域の境界を示す。
【0100】次いで、図6(c)に示すように、レジス
トパタ―ンをマスクとしてCFガスによる反応性イオ
ンエッチングにより、レジストパタ―ンから露出する第
2のアモルファスシリコン膜63をエッチング除去した
のち、ガスを切り換えCFとOとの混合ガスによる
反応性イオンエッチングにより、酸化シリコン膜62の
エッチングを行いさらにガスを切り換えCFにして第
1のアモルファスシリコン膜61をエッチング除去し
た。
【0101】この後、図6(d)に示すように、レジス
トパタ―ンを除去する。
【0102】このようにして図6(e)に示すように第
1のアモルファスシリコンおよび第2のアモルファスシ
リコンからなる2層構造の位相シフトパターンを形成し
た後、電子線レジスト66を膜厚500nmで形成し、
さらに塗布性導電膜67を膜厚200nmとなるように
形成する。
【0103】次いで、図6(f)に示すように電子線に
よりデバイスパターン外領域にレジスト膜が残るように
作成されたデータにより描画を行い、現像しレジストパ
ターン66aを形成する。ここでも、塗布性導電膜67
上から電子線により描画し、さらに現像を行ってレジス
トパタ―ン66aを形成する。
【0104】次いで、図6(g)に示すように、このレ
ジストパタ―ンをマスクとしてCF ガスによる反応性
イオンエッチングにより、酸化シリコン膜62をエッチ
ングストッパーとしてパタ―ン領域内の第2のアモルフ
ァスシリコン膜63をエッチング除去し、さらにこの酸
化シリコン膜62をエッチング除去する。
【0105】最後に、図6(h)に示すように、このレ
ジストパタ―ンを除去した。
【0106】このようにして形成された露光用マスク
は、デバイスパターン領域では第1のアモルファスシリ
コン膜のみよりなる振幅透過率17.4%の半透明膜、
デバイスパターン領域外では振幅透過率3%の遮光膜と
なっている。
【0107】従ってパターン領域外の内少なくとも転写
によるウェハ上に光が到達する領域で、露光光を遮光す
るようにしているため、複数回の露光を行う場合にもパ
ターンの細りや焦点深度不足を防ぐことができる。
【0108】実施例8 なお、前記実施例ではg線用の露光マスクについて説明
したが、ここではi線用の露光マスクについて説明す
る。
【0109】図5(a)乃至(c)に示した実施例6と
同様に、厚さ2.5mmの石英基板上にシリコンをター
ゲットとし、窒素雰囲気中でスパッタリング法により膜
厚80nmの第1の窒化シリコン膜SiNβ(0.6≦
β≦0.8)を作成する。この窒化シリコン膜の屈折率
はn=3.40で石英基板に対する振幅透過率は15.1
%であった。
【0110】引き続きこの窒化シリコン膜の表面を酸素
元素を含むプラズマ中で酸化して酸化シリコン膜を形成
する。
【0111】さらにこの上に、シリコンをターゲットと
したスパッタリング法により膜厚80nmの第2の窒化
シリコン膜SiNβ(0.6≦β≦0.8)を作成する。
この様にして得られた2層膜の振幅透過率は酸化シリコ
ン膜も含めて2.2%であった。なお、第2の窒化シリ
コン膜にかえてシリコン膜を用いるようにしてもよい。
また第2の窒化シリコン膜あるいはシリコン膜の膜厚は
2層膜の振幅透過率として5%以下となるような値であ
ればどのような値でもよい。
【0112】次に、この露光マスク用基板を用い露光用
マスクを形成する方法について説明する。
【0113】まず、図6(a)乃至図6(h)に示した
のと同様に、前記工程で得られた露光マスク用基板に電
子線レジストを膜厚500nmで形成し、さらに塗布性
導電膜65を膜厚200nmとなるように形成する。
【0114】次いで、電子線によりデバイスパターンと
デバイスパターン外領域を含むデータにより描画を行
い、現像しレジストパターンを形成する。ここでも、塗
布性導電膜上から電子線によりで描画し、さらに現像を
行ってレジストパタ―ンを形成する。
【0115】次いで、レジストパタ―ンをマスクとして
CF+O+Nの混合ガスによる反応性イオンエッ
チングにより、レジストパタ―ンから露出する第2の窒
化シリコン膜をエッチング除去したのち、ガスを切り換
えCFとOとの混合ガスによる反応性イオンエッチ
ングにより、酸化シリコン膜のエッチングを行いさらに
ガスを切り換えCF+O+Nの混合ガスにして第
1の窒化シリコン膜をエッチング除去し、レジストパタ
―ンを除去する。
【0116】このようにして第1および第2の窒化シリ
コンからなる2層構造の位相シフトパターンを形成した
後、電子線レジストを膜厚500nmで形成し、さらに
塗布性導電膜を膜厚200nmとなるように形成する。
【0117】次いで、電子線によりデバイスパターン外
領域にレジスト膜が残るように作成されたデータにより
描画を行い、現像しレジストパターンを形成する。
【0118】さらに、このレジストパタ―ンをマスクと
してCF+O+Nの混合ガスによる反応性イオン
エッチングにより、酸化シリコン膜をエッチングストッ
パーとしてパタ―ン領域内の第2の窒化シリコン膜をエ
ッチング除去し、さらにこの酸化シリコン膜をエッチン
グ除去する。
【0119】最後に、このレジストパタ―ンを除去し
た。
【0120】このようにして形成された露光用マスク
は、デバイスパターン領域では第1の窒化シリコン膜の
みよりなる振幅透過率15.1%の半透明膜、デバイス
パターン領域外では振幅透過率2.2%の遮光膜となっ
ている。
【0121】この場合も実施例7の場合と同様、パター
ン領域外の内少なくとも転写によるウェハ上に光が到達
する領域で、露光光を遮光するようにしているため、複
数回の露光を行う場合にもパターンの細りや焦点深度不
足を防ぐことができる。
【0122】実施例9 図7は、本発明の第9の実施例の露光マスク用基板の製
造工程を示す断面図である。この露光マスク用基板は、
i線用位相シフトマスクを作成するための基板であり、
透明基板70上に、半透明膜としてスパッタリング法で
Cr膜71を形成し、この上層に塗布硝子層72を形成
し、この上層にさらにCrをターゲットとしてスパッタ
リング法でCr膜73を形成したものである。
【0123】すなわちまず、図7(a)に示すように、
厚さ2.5mmの石英基板70上にスパッタリング法に
より膜厚35nmの第1のCr膜71を作成する。この
第1のCr膜71の屈折率はn=1.98で石英基板に
対する振幅透過率は20.2%であった。
【0124】引き続き図7(b)に示すようにこのCr
膜71の上層に塗布硝子72を膜厚329nmで形成す
る。このとき位相差はCr膜と塗布硝子のそれぞれの位
相差を考慮し180度とした。
【0125】さらにこの上に図7(c)に示すように、
Crをターゲットとしたスパッタリング法により第2の
Cr膜73を35nm堆積した。この様にして得られた
2層膜の振幅透過率は塗布硝子膜も含めて4.0%であ
った。
【0126】次に、この露光マスク用基板を用い露光用
マスクを形成する方法について説明する。
【0127】まず、図8(a)に示すように前記図7
(a)乃至図7(c)に示す工程で得られた露光マスク
用基板表面に電子線レジスト74を膜厚500nmで形
成する。
【0128】次いで、図8(b)に示すように電子線に
よりデバイスパターンとデバイスパターン外領域を含む
データにより描画を行い、現像しレジストパターン74
aを形成する。ここで図中Bはパターン領域とパターン
外領域の境界を示す。
【0129】次いで、図8(c)に示すように、レジス
トパタ―ンをマスクとしてCClガスによる反応性イ
オンエッチングにより、レジストパタ―ンから露出する
第2のCr膜73をエッチング除去したのち、ガスを切
り換えCFとOとの混合ガスによる反応性イオンエ
ッチングにより、酸化シリコン膜72のエッチングを行
いさらにガスを切り換えCClにして第1のCr膜7
1をエッチング除去した。この後、図8(d)に示すよ
うに、レジストパタ―ンを除去する。
【0130】このようにして図8(e)に示すように第
1のCrおよび第2のCrからなる2層構造の位相シフ
トパターン75を形成した後、電子線レジスト76、導
電性膜77を膜厚500nmで形成する。
【0131】次いで、図8(f)に示すように電子線に
よりデバイスパターン外領域にレジスト膜が残るように
作成されたデータにより描画を行い、現像しレジストパ
ターン76aを形成する。
【0132】次いで、図8(g)に示すように、このレ
ジストパタ―ンをマスクとしてCClガスによる反応
性イオンエッチングにより、塗布硝子72をエッチング
ストッパーとしてパタ―ン領域内の第2のCr膜73を
エッチング除去し、さらにこの塗布硝子膜72をエッチ
ング除去する。
【0133】最後に、図8(h)に示すように、このレ
ジストパタ―ンを除去した。
【0134】このようにして形成された露光用マスク
は、デバイスパターン領域では第1のCr膜のみよりな
る振幅透過率20.2%の半透明膜、デバイスパターン
領域外では振幅透過率4%の遮光膜となっている。
【0135】従ってパターン領域外の内少なくとも転写
によるウェハ上に光が到達する領域で、露光光を遮光す
るようにしているため、複数回の露光を行う場合にもパ
ターンの細りや焦点深度不足を防ぐことができる。
【0136】実施例10 次に、本発明の第10の実施例として他の露光マスク用
基板について説明する。この例ではパターン領域外に遮
光膜を形成することのできる露光マスク用基板である。
図9は、本発明の第10の実施例の露光マスク用基板の
製造工程を示す断面図である。この露光マスク用基板
は、i線用位相シフトマスクを作成するための基板であ
り、透明基板80上に、位相シフタとなる半透明膜とし
て窒化シリコン膜SiN0.681を形成し、この上層
に遮光膜としてCr膜82を形成しさらにこの上層を反
射防止層としてのCrO膜83で被覆したことを特徴と
するものである。
【0137】すなわちまず、図9(a)に示すように、
厚さ2.5mmの酸化シリコン基板80上に、シリコン
をターゲットとした窒素雰囲気下で反応性スパッタリン
グを行い、Si1モルに対し窒素0.6モルの均一な窒
化シリコン膜SiN0.6を膜厚75nmとなるように
堆積する。ここで窒化シリコン膜SiN0.6は水銀ラ
ンプのi線に対しその膜内で光の位相が254度であ
り、75nmの空気中を進む光の位相74度に対し18
0度位相が遅れるように設計されている。このSiN
0.6膜81のi線に対する振幅透過率は3%であっ
た。
【0138】引き続き図9(b)に示すようにこの窒化
シリコン膜SiN0.681の上層に遮光膜として膜厚
75nmのCr膜82をスパッタリング法により形成す
る。
【0139】そしてさらにこの上に図9(c)に示すよ
うに、酸素雰囲気中でCrをターゲットとしたスパッタ
リング法により反射防止層としてCrO膜83を30n
m堆積した。
【0140】次に、この露光マスク用基板を用い前述し
た例と同様の方法で露光用マスクを形成する。
【0141】実施例11 次に、本発明の第11の実施例として他の露光マスク用
基板について説明する。この例でもパターン領域外に遮
光膜を形成することのできる露光マスク用基板である。
この露光マスク用基板は、KrFエキシマレーザ用位相
シフトマスクを作成するための基板であり、厚さ2.5
mmの酸化シリコン基板上に、位相シフタとなる半透明
膜として窒化シリコン膜SiN0.9を形成し、この上
層に遮光膜としてCr膜を形成しさらにこの上層を反射
防止層としてのCrO膜で被覆したことを特徴とするも
のである。
【0142】すなわちまず、厚さ2.5mmの酸化シリ
コン基板上に、シリコンをターゲットとした窒素雰囲気
下で反応性スパッタリングを行い、Si1モルに対し窒
素0.9モルの均一な窒化シリコン膜SiN0.9を膜厚
80nmとなるように堆積する。ここで窒化シリコン膜
SiN0.9はKrFエキシマレーザの248nmの光
に対しその膜内で光の位相が296度であり、80nm
の空気中を進む光の位相116度に対し180度位相が
遅れるように設計されている。このSiN0. 膜のK
rFエキシマレーザの248nmの光に対する振幅透過
率は4%であった。
【0143】引き続きこの窒化シリコン膜SiN0.9
の上層に遮光膜として膜厚79nmのCr膜をスパッタ
リング法により形成する。
【0144】そしてさらにこの上に、酸素雰囲気中でC
rをターゲットとしたスパッタリング法により反射防止
層としてCrO膜を30nm堆積した。
【0145】なお、ここでSiNとCrとの間に導電性
膜であるSnOを介在させて他は前記実施例12と同様
の構成としても同様の結果となる。
【0146】実施例12 次に、本発明の第12の実施例として他の露光マスク用
基板について説明する。この例でもパターン領域外に遮
光膜を形成することのできる露光マスク用基板である。
この露光マスク用基板は、KrFエキシマレーザ用位相
シフトマスクを作成するための基板であり、厚さ2.5
mmの酸化シリコン基板上に、位相シフタとなる半透明
膜として窒化シリコン膜SiN1.8を形成し、この上
層に遮光膜としてCr膜を形成しさらにこの上層を反射
防止層としてのCrO膜で被覆したことを特徴とするも
のである。
【0147】すなわちまず、厚さ2.5mmの酸化シリ
コン基板上に、シリコンをターゲットとした窒素雰囲気
下で反応性スパッタリングを行い、Si1モルに対し酸
素1.8モルの均一な窒化シリコン膜SiO1.8を膜厚
94nmとなるように堆積する。ここで窒化シリコン膜
SiO1.8はKrFエキシマレーザの248nmの光
に対しその膜内で光の位相が355度であり、94nm
の空気中を進む光の位相175度に対し180度位相が
遅れるように設計されている。このSiO1. 膜のK
rFエキシマレーザの248nmの光に対する振幅透過
率は4%であった。
【0148】引き続きこの窒化シリコン膜SiO1.8
の上層に遮光膜として膜厚70nmのCr膜をスパッタ
リング法により形成する。
【0149】そしてさらにこの上に、酸素雰囲気中でC
rをターゲットとしたスパッタリング法により反射防止
層としてCrO膜を30nm堆積した。
【0150】実施例13 次に、本発明の第13の実施例として他の露光マスク用
基板について説明する。この例でもパターン領域外に遮
光膜を形成することのできる露光マスク用基板である。
この露光マスク用基板は、水銀ランプのi線用位相シフ
トマスクを作成するための基板であり、厚さ2.5mm
の酸化シリコン基板上に、位相シフタとなる半透明膜と
して窒化シリコン膜SiN0.6を形成し、この上層に
導電性膜としてSnOを10nm堆積した後遮光膜とし
てCr膜を形成しさらにこの上層を反射防止層としての
CrO膜で被覆したことを特徴とするものである。
【0151】すなわちまず、厚さ2.5mmの酸化シリ
コン基板上に、シリコンをターゲットとした窒素雰囲気
下で反応性スパッタリングを行い、Si1モルに対し窒
素1.8モルの均一な窒化シリコン膜SiN0.6を膜厚
75nmとなるように堆積する。ここで窒化シリコン膜
SiN0.6はi線に対しその膜内で光の位相が254
度であり、75nmの空気中を進む光の位相74度に対
し180度位相が遅れるように設計されている。このS
iN0.6膜のi線に対する振幅透過率は3%であっ
た。引き続きこの窒化シリコン膜SiN0.6の上層に
導電性膜としてスパッタリングによりSnOを10nm
堆積した後、遮光膜として膜厚70nmのCr膜をスパ
ッタリング法により形成する。
【0152】そしてさらにこの上に、酸素雰囲気中でC
rをターゲットとしたスパッタリング法により反射防止
層としてCrO膜を30nm堆積した。
【0153】なお、この導電性膜SnOは透明基板上に
直接形成し、この上層に窒化シリコン膜を形成し他は前
記実施例13と同様の構成としても同様の結果となる。
【0154】実施例14 次に、本発明の第14の実施例として他の露光マスク用
基板について説明する。この例でもパターン領域外に遮
光膜を形成することのできる露光マスク用基板である。
この露光マスク用基板は、KrFエキシマレーザの24
8nmの光用位相シフトマスクを作成するための基板で
あり、厚さ2.5mmの酸化シリコン基板上に、位相シ
フタとなる半透明膜として窒化シリコン膜SiN0.9
を膜厚80nmに形成し、この上層に導電性膜としてS
nOを10nm堆積した後、この上層に遮光膜としてC
r膜を形成しさらにこの上層を反射防止層としてのCr
O膜で被覆したことを特徴とするものである。
【0155】すなわちまず、厚さ2.5mmの酸化シリ
コン基板上に、シリコンをターゲットとした窒素雰囲気
下で反応性スパッタリングを行い、Si1モルに対し窒
素0.9モルの均一な窒化シリコン膜SiN0.9を膜厚
80nmとなるように堆積する。ここで窒化シリコン膜
SiN0.9はKrFエキシマレーザの248nmの光
に対しその膜内で光の位相が296度であり、80nm
の空気中を進む光の位相116度に対し180度位相が
遅れるように設計されている。このSiN0. 膜のK
rFエキシマレーザの248nmの光に対する振幅透過
率は4%であった。
【0156】引き続きこの窒化シリコン膜SiN0.9
の上層に導電性膜としてスパッタリングによりSnOを
8nm堆積した後、遮光膜として膜厚70nmのCr膜
をスパッタリング法により形成する。
【0157】そしてさらにこの上に、酸素雰囲気中でC
rをターゲットとしたスパッタリング法により反射防止
層としてCrO膜を30nm堆積した。
【0158】実施例15 次に、本発明の第15の実施例として他の露光マスク用
基板について説明する。この例でもパターン領域外に遮
光膜を形成することのできる露光マスク用基板である。
この露光マスク用基板は、水銀ランプのi線用位相シフ
トマスクを作成するための基板であり、厚さ2.5mm
の酸化シリコン基板上に、導電性膜としてSnOを10
nm堆積したのち、位相シフタとなる半透明膜として酸
化シリコン膜SiOとシリコン膜との2層膜を形成し
た後、、この上層に遮光膜としてCr膜を形成しさらに
この上層を反射防止層としてのCrO膜で被覆したこと
を特徴とするものである。
【0159】すなわちまず、厚さ2.5mmの酸化シリ
コン基板上に、スパッタリング法によりSnOを10n
m堆積し、この上層にCVD法により膜厚150nmの
酸化シリコン膜を形成した後膜厚37nmのシリコン膜
をスパッタリング法で形成する。ここでこの2層膜を透
過した光はi線に対しその膜内で光の位相が364度で
あり、187nmの空気中を進む光の位相184度に対
し180度位相が遅れるように設計されている。この2
層膜のi線に対する振幅透過率は2.5%であった。
【0160】引き続きこの2層膜の上層に、遮光膜とし
て膜厚70nmのCr膜をスパッタリング法により形成
する。
【0161】そしてさらにこの上に、酸素雰囲気中でC
rをターゲットとしたスパッタリング法により反射防止
層としてCrO膜を30nm堆積した。
【0162】なお、この導電性膜SnOは透明基板上に
直接形成したが、2層膜の上層に形成してもよい。
【0163】実施例16 次に、この露光マスク用基板を用い前述した例と同様の
方法で露光用マスクを形成する。ここでは前記実施例1
1で作成した露光マスク用基板を用いる。この露光マス
ク用基板は、KrFエキシマレーザ用位相シフトマスク
を作成するための基板であり、厚さ2.5mmの酸化シ
リコン基板90上に、位相シフタとなる半透明膜として
窒化シリコン膜SiN0.991を形成し、この上層に
遮光膜としてCr膜92を形成しさらにこの上層を反射
防止層としてのCrO膜93で被覆して構成されてい
る。
【0164】まず、図10(a)に示すように露光マス
ク用基板表面に電子線レジスト94を膜厚500nmで
形成し、さらに塗布性導電膜95を膜厚200nmとな
るように形成する。
【0165】次いで、図10(b)に示すように電子線
により4μC/cmでデバイスパターンとデバイスパ
ターン外領域を含むデータにより描画を行い、現像しレ
ジストパターン94aを形成する。ここでも、塗布性導
電膜95上から電子線により描画し、さらに現像を行っ
てレジストパタ―ン94aを形成する。また図中Bはパ
ターン領域とパターン外領域の境界を示す。
【0166】次いで、図10(c)に示すように、レジ
ストパタ―ンをマスクとしてClガスによる反応性イ
オンエッチングにより、レジストパタ―ンから露出する
Cr膜およびCrO膜をエッチング除去したのち、ガス
を切り換えCFとOとの混合ガスによる反応性イオ
ンエッチングにより、露出している窒化シリコン膜Si
0.991をエッチング除去する。
【0167】この後、図10(d)に示すように、硫酸
と過酸化水素水の混合溶液によりレジストパタ―ンを除
去する。これにより遮光膜と半透明膜からなる位相シフ
トパターンが形成されるが、この際同時に不要な遮光膜
を除去するための露光を行うためのアライメントマーク
Mが形成される。
【0168】このようにして図10(e)に示すように
遮光膜と半透明膜からなる位相シフトパターンを形成し
た後、電子線レジスト96を膜厚500nmで形成し、
さらに塗布性導電膜97を膜厚200nmとなるように
形成する。
【0169】次いで、図10(f)に示すように電子線
により4μC/cmでデバイスパターン外領域にレジ
スト膜が残るように作成されたデータにより描画を行
い、現像しレジストパターン96aを形成する。ここで
も、塗布性導電膜97上から電子線により描画し、さら
に現像を行ってレジストパタ―ン96aを形成する。
【0170】次いで、図10(g)に示すように、この
レジストパタ―ンをマスクとしてClガスによる反応
性イオンエッチングにより、CrO膜93/Cr膜92
をエッチング除去する。
【0171】最後に、図10(h)に示すように、硫酸
と過酸化水素水の混合溶液によりこのレジストパタ―ン
を除去した。
【0172】このようにして形成された露光用マスク
は、デバイスパターン領域では窒化シリコンとシリコン
との2層膜よりなる半透明膜、デバイスパターン領域外
ではCr膜を含む遮光膜となっている。
【0173】従ってパターン領域外の内少なくとも転写
によるウェハ上に光が到達する領域で、露光光を遮光す
るようにしているため、複数回の露光を行う場合にもパ
ターンの細りや焦点深度不足を防ぐことができる。
【0174】実施例17なお、前記実施例では露光マス
ク用基板に位相シフト層としての半透明膜と遮光膜との
両方の形成されたものを用いた場合について説明した
が、ここではCr膜92とCrO膜93の形成された露
光マスク用基板を用いて、枠部すなわちパターン領域外
の遮光膜パターンを形成した後、位相シフト層パターン
を形成する方法について説明する。
【0175】まず、図11(a)に示すように、厚さ
2.5mmの酸化シリコン基板90にCr膜92とCr
O膜93の形成された露光マスク用基板に電子線レジス
ト94を膜厚500nmで形成し、さらに塗布性導電膜
95を膜厚200nmとなるように形成する。
【0176】次いで、図11(b)に示すように、電子
線によりアライメントマークMおよびデバイスパターン
外領域の遮光膜形成を目的としたデータにより描画を行
い、現像しレジストパターンを形成する。ここでも、塗
布性導電膜上から電子線により描画し、さらに現像を行
ってレジストパタ―ンを形成する。
【0177】次いで、図11(c)に示すように、レジ
ストパタ―ンをマスクとしてClガスによる反応性イ
オンエッチングにより、レジストパタ―ンから露出する
CrO/Cr膜をエッチング除去し、レジストパタ―ン
を除去する。
【0178】このようにしてアライメントマークMおよ
びデバイスパターン外領域の遮光膜を形成した後、図1
1(d)に示すように、シリコンをターゲットとした窒
素雰囲気下で反応性スパッタリングを行い、Si1モル
に対し窒素0.6モルの均一な窒化シリコン膜SiN
0.6を膜厚75nmとなるように堆積する。ここで窒
化シリコン膜SiN0.6は水銀ランプのi線に対しそ
の膜内で光の位相が254度であり、75nmの空気中
を進む光の位相74度に対し180度位相が遅れるよう
に設計されている。このSiN0.6膜91のi線に対
する振幅透過率は3%であった。
【0179】そして、図11(e)に示すように、電子
線レジスト96を膜厚500nmで形成し、さらに塗布
性導電膜97を膜厚200nmとなるように形成する。
【0180】次いで、図11(f)に示すように、電子
線によりデバイスパターンおよびデバイスパターン外領
域が残るように作成されたデータにより描画を行い、現
像しレジストパターンを形成する。
【0181】さらに、図11(g)に示すように、この
レジストパタ―ンをマスクとしてCF+Oの混合ガ
スによる反応性イオンエッチングにより、SiN0.6
膜91をエッチングする。
【0182】最後に、図11(h)に示すように、この
レジストパタ―ンを除去した。
【0183】このようにして形成された露光用マスク
は、前記実施例16と同様デバイスパターン領域では窒
化シリコン膜のみよりなる半透明膜、デバイスパターン
領域外では遮光膜となっている。
【0184】この場合も、パターン領域外の内少なくと
も転写によるウェハ上に光が到達する領域で、露光光を
遮光するようにしているため、複数回の露光を行う場合
にもパターンの細りや焦点深度不足を防ぐことができ
る。
【0185】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。また、実施例では2種類の半透明膜
を用いているが、3種類以上の半透明膜を用いてもよ
い。さらに、同一の半透明膜(2種類以上)を複数回積
層するようにしてもよい。その他、本発明の要旨を逸脱
しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0186】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
露光用マスクに用いられる複数の半透明膜からなるパタ
―ンについて、少なくとも1種類の同一元素を各々の膜
に含ませることで、工程の簡略化をはかり且つ位相シフ
ト効果を最大限に発揮することのできる露光用マスクを
実現することがて可能となる。
【0187】また本発明によれば、半透明膜を透過した
光によるパターン領域外への光照射を防ぐためにパター
ン領域外で透過率が5%以下となるようにしているた
め、2重露光を防ぎ、パターン細りもなく信頼性の高い
パターン形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の露光用マスクの製造工程を示す
断面図
【図2】第3の実施例の露光用マスクの製造工程を示す
断面図
【図3】第4の実施例の露光用マスクの製造工程を示す
断面図
【図4】第6の実施例の露光用マスクの製造工程を示す
断面図
【図5】第7の実施例の露光用マスク用基板の製造工程
を示す断面図
【図6】第7の実施例の露光用マスク用基板を用いた露
光用マスクの製造工程を示す断面図
【図7】第8の実施例の露光用マスク用基板の製造工程
を示す断面図
【図8】第8の実施例の露光用マスク用基板を用いた露
光用マスクの製造工程を示す断面図
【図9】第10の実施例の露光用マスク用基板の製造工
程を示す断面図
【図10】第16の実施例の露光用マスクの製造工程を
示す断面図
【図11】第17の実施例の露光用マスクの製造工程を
示す断面図
【図12】半透明膜パタ―ン単層膜で形成する際に満足
すべき光学定数の範囲及び光学定数の実測値を示す特性
【図13】半透明膜パタ―ン単層膜で形成する際に満足
すべき光学定数の範囲及び光学定数の実測値を示す特性
【図14】半透明膜パタ―ン単層膜で形成する際に満足
すべき光学定数の範囲及び光学定数の実測値を示す特性
【図15】Cr−CrOにおける屈折率と消衰係数と
の関係を示す特性図
【図16】Al−Alにおける屈折率と消衰係数
との関係を示す特性図、
【図17】Ti−TiOにおける屈折率と消衰係数との
関係を示す特性図
【図18】GaAs−GaAsOにおける屈折率と消衰
係数との関係を示す特性図
【図19】理想的なハ―フト―ン位相シフト膜の構造を
示す断面図
【図20】従来例のハ―フト―ン位相シフト膜を用いて
露光を行う場合のパターン領域外のパターンおよび露光
状態を示す図
【図21】従来例のハ―フト―ン位相シフト膜を用いて
露光を行った場合の露光後のパターン領域の状態を示す
【符号の説明】
10…透光性基板、 11…シリコン膜、 12…Si膜、 13…レジスト、 14…導電性膜、 21…Cr膜、 22…CrO膜、 31…Al膜、 32…Al膜、 41…Ti膜、 42…TiO膜、 60…石英基板 61…アモルファスシリコン膜 62…酸化シリコン膜 63…第2のアモルファスシリコン膜 64…レジスト 65…塗布性導電膜 66…電子線レジスト 67…塗布性導電膜 70…石英基板 71…Cr膜 72…塗布硝子層 73…Cr膜 74…電子線レジスト 80…透明基板 81…窒化シリコン膜 82…Cr膜 83…CrO膜 90…酸化シリコン基板 91…窒化シリコン膜 92…Cr膜 93…CrO膜 94…電子線レジスト 95…塗布性導電膜 96…電子線レジスト 97…塗布性導電膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板上に、 前記透光性基板の透明部との位相差が、180±10度
    の範囲で異なりかつ振幅透過率10乃至40%となるよ
    うに調整された単層の半透明層または少なくとも1層の
    半透明層と透明層の多層の第1の半透明膜からなる半透
    明パターンと、 前記半透明パターンの一部の領域にさらに積層され、該
    領域の振幅透過率が5%以下となるように調整された遮
    光層あるいは振幅透過率10乃至40%の第2の半透明
    膜とを具備したことを特徴とする露光用マスク。
  2. 【請求項2】 前記一部の領域が、少なくともウェハ上
    に転写されたとき半導体素子として寄与する領域の外側
    周辺領域を含むことを特徴とする請求項1記載の露光用
    マスク。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の露光用マスクを介してレ
    ジストが塗布された基板上に露光を行いレジストパター
    ンを形成することを特徴とする、レジストパターン形成
    方法。
  4. 【請求項4】 透光性基板上に、 前記透光性基板の透明部との位相差が180±10度の
    範囲で異なりかつ振幅透過率10乃至40%となるよう
    に調整された単層の半透明膜層または少なくとも1層の
    半透明層と透明層とからなる第一の半透明膜を形成する
    工程と、 前記第1の半透明膜上全体または部分的に更に積層さ
    れ、該領域の振幅透過率が5%以下となるように調整さ
    れた遮光層あるいは振幅透過率10乃至40%の第2の
    半透明膜を形成する工程を具備した露光用マスク基板の
    製造方法であって、 前記第1の半透明膜と第2の半透明膜との間に、前記遮
    光層あるいは振幅透過率10乃至40%の第2の半透明
    膜の加工において酸化膜、窒化膜、水素化膜、炭化膜ま
    たはハロゲン化膜のいずれかより構成された第3の膜を
    形成する工程とを具備したことを特徴とする露光用マス
    ク基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 透光性基板上に、前記透光性基板の透明
    部との位相差が、180±10度の範囲で異なりかつ振
    幅透過率10乃至40%となるように調整された単層の
    半透明層または少なくとも1層の半透明層と透明層とか
    らなる第1の半透明膜を形成する第1の半透明膜形成工
    程と、 前記第1の半透明膜上に第3の膜を形成する第3の膜形
    成工程とさらにこの上層に、全体としての振幅透過率が
    5%以下となるように調整された遮光層あるいは振幅透
    過率10乃至40%の第2の半透明膜を形成する第2の
    半透明膜形成工程と、 前記第3の膜をエッチングストッパーとして前記第2の
    半透明膜を選択的に除去するエッチング工程とを含むこ
    とを特徴とする露光用マスクの製造方法。
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