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JP2001522525A - 絶縁電力ケーブル - Google Patents

絶縁電力ケーブル

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Publication number
JP2001522525A
JP2001522525A JP54349799A JP54349799A JP2001522525A JP 2001522525 A JP2001522525 A JP 2001522525A JP 54349799 A JP54349799 A JP 54349799A JP 54349799 A JP54349799 A JP 54349799A JP 2001522525 A JP2001522525 A JP 2001522525A
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JP
Japan
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polar
cable according
cable
insulating layer
monomer
Prior art date
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Pending
Application number
JP54349799A
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English (en)
Inventor
ヨンソン,ヨナス
テルンクヴィスト,クリステル
Original Assignee
エービービー エービー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エービービー エービー filed Critical エービービー エービー
Publication of JP2001522525A publication Critical patent/JP2001522525A/ja
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Abstract

(57)【要約】 絶縁層(12;22)と1つ以上の半導電層(11;13;21;23)を有する絶縁システムを具備する絶縁電力ケーブル。絶縁層は電気絶縁性のポリマー組成物からなり、極性材料を増加させた増大した極性を有する表面領域を有する。発明に基づくケーブルは特に電力の送電又は配電システムあるいは高電圧機器の高圧配線に好適に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 絶縁電力ケーブル 技術分野 本発明は、ポリマー組成物からなる絶縁体を有する電力ケーブルに関する。本 ポリマー組成物は、典型的には押し出し加工と架橋形成によって製造される。本 発明は、特に押し出し加工と架橋形成を行ったポリエチレン、PE、組成物つま りXLPE組成物を有する電力ケーブルに関する。本発明は特に、内部半導電シ ールド、押し出し成形絶縁層および外部半絶縁シールド等からなる複数の層を有 する絶縁電力ケーブルに関するものである。 少なくとも押し出し加工された絶縁層は、典型的には架橋形成剤、スコーチ防 止剤、酸化防止剤からなる添加物を含有する架橋形成した電気的に絶縁性の組成 物を有する。本発明によるケーブルは、電気絶縁層に高電圧が加わる高電圧送電 と配電、高圧電気機器、あるいは、他の装置に好適に使用することができる。 背景技術 送電と配電に関する1次的な電力供給システムの多くは直流電流技術に基づく ものである。しかし、これらの直流用システムは急速に交流、AC、システムに よって置き換えられている。交流システムは発電、送電、および配電に関して好 ましい特性を有している。今世紀前半の近代的な電力供給システムは特に交流送 電システムに基づくものであった。1950年代までに長距離送電の需要が高ま り、この長距離送電において一定の条件下では直流を採用することに利点がある ことが知られていた。直流送電の重要な利点の一つは、絶縁ロスを事実上排除し 、送電効率を向上させると共に、設備費用を大幅に圧縮することができる点であ る。直流の漏洩電流は非常に小さいために電流を決定する際に無視することがで きるのに対して、交流の絶縁損失は電流の顕著な低下を生じる。この点はシステ ムの電圧が高いときは極めて重要になる。同様に、直流の場合は、大きな電気容 量によって不利益を生じることがない。典型的な直流送電ケーブルは、導体およ び、例えば内部半導体シールド、絶縁体と外部半導電シールドを含む複数の層か らなる絶縁システムを有する。ケーブルには、さらに、製造、設置や使用時に加 わる 機械的な損傷や外力、および、水分の浸透に抵抗するようにケーシングや補強部 材が設けられる。 現在までに提供されたほとんどすべての直流電流用ケーブルシステムは、海底 ケーブルか、これに関連して使用される地上用のケーブルであった。長距離送電 用には、圧力に起因する長さの制限が無いために質量含浸固体紙絶縁型のケーブ ルが使用されていた。今日では、絶縁システム用の固体紙としてはほとんどすべ て絶縁性のオイルを含浸した紙が使用されている。パルスに対する優れた強度と 直径を小さくする可能性を有するために、ポリプロピレン紙の積層等の積層構造 を使用することが検討されている。 交流送電ケーブルの場合と同じように、直流電流用ケーブルの絶縁厚を決定す る際にも電圧の過渡変化は考慮すべき要素の一つである。ケーブルに全負荷がか かった状態で電圧が逆転するときに最も厳しい条件が生じることが知られている 。ケーブルが架線に使用されている場合には、この状況は落雷による過渡状況で 発生する。 ポリエチレン、PE、または架橋形成したポリエチレン、XLPE、に基づく 押し出し成形固体絶縁体は、交流電流の送電および配電ケーブルとして40年近 くに渡って使用されている。したがって、直流電流用の絶縁体としてXLPEや PEを使用することは長年研究されてきている。この種の絶縁体を使用したケー ブルは質量含浸ケーブルと同じ長所を有するはずである。直流電流の送電に関し ては回路長の制限が存在しない。XLPEによる絶縁体を使用したケーブルは、 質量含浸紙を使用したケーブルに比較して、より高い温度で使用できる可能性を 有している。XLPEの場合は、従来の直流ケーブルが50℃であったのに対し て90℃での使用が可能である。したがって、送電負荷を増加させることが可能 になる。しかし、フルサイズのケーブルにおいてこの可能性を十分に引き出すこ とは不可能であった。その主な理由は、直流電場にさらされた絶縁体に発生し蓄 積する空間電荷の問題である。ポリマーの電気抵抗が大きいために空間電場は電 気ストレスの分布を長期にわたって変形させる。直流電場にさらされると絶縁体 中の空間電荷に、キャパシタと同様な極性のパターンを生じる。空間電荷の蓄積 は、多くの場合、蓄積された空間電荷の極性が異なる2つのパターンに分類され る。空間電荷の蓄積は電界中の特定の点に電位上昇を生じさせる。この点は、絶 縁体の寸法と絶縁特性を検討する際に考慮する必要がある。電場中に、所定電位 の5倍ないし10倍の電位を生ずる可能性が有る。したがって、ケーブルの絶縁 の設計用電場はこの高い電位を考慮して安全率を設定することが必要になる。そ の結果、ケーブルの絶縁層には厚さの厚い絶縁層および/または高価な材料が使 用されることになる。空間電荷の蓄積は、進行の遅い現象である側面を有してお り、一定の極性が長く継続した後に逆転するような場合に重要になる。極性反転 の結果として、電気容量による電界が電流による電場に付加される。結果として 、分布形状における空間電荷の蓄積の極大点と最大電界ストレスを生じている点 が境界面から絶縁体の内部に移動する。他の特性に大きな影響を与えることなく 、絶縁抵抗を減少させるために添加物を使用することが試みられてきた。しかし 、今日まで、含浸紙を絶縁体として使用したケーブルに匹敵する電気的特性を得 ることができず、ポリマーを絶縁体として使用した直流電力ケーブルは使用され ていなかった。しかし、XLPE絶縁体に鉱物性のフィラーを使用して20kV /mmの絶縁特性を実現する250kV用ケーブルの開発に成功した実験例が報 告された(Y.Maekawa他、直流XLPEケーブルの研究開発、Jiケー ブル1991、ページ562−569)。このストレス値は、質量含浸紙を使用 したケーブルの32kV/mmに匹敵する値である。 押し出し成形によるポリマーを使用した絶縁体について考慮すべき他の点は、 絶縁システム中の絶縁層と導電又は半導電層、あるいは、絶縁層と接触する物体 との間の境界面への電荷注入である。絶縁層と接触する導体や半導電シールドが 均一でないと電荷注入の危険性は劇的に増加する。電位傾度が15−20kV/ mmよりも高いと交流用LDPE絶縁層で電荷注入が発生しやすくなると考えら れていた。IEEE論文集、Diel.Electr.Insul.,2,107(1995)のJ.Jonsson ,B Ranby,D.Mary,C.LaurentおよびC.Mayoux、あるいは、DIel.Electr.I nsul.,4,433(1997)のT.Mizuno,Y.S.Liu,W.Shionoya,K.Yasuoka,S.Is hii,H.Miyata A.Yokoyamaを参照されたい。高電圧ケーブルの絶縁層と半導電 シールドとの間で想定される100kV/mm程度の高い電気ストレスのもとで は、電荷注入の危険性は非常に高い。電荷注入はポリマー材料 の経時劣化を加速し、ケーブルの寿命を短くする危険性がある。 交流用の押し出し成形樹脂組成物は、典型的には基本ポリマーとしてポリエチ レン樹脂を使用し、さらに、架橋形成剤としての過酸化物、スコーチ防止剤、酸 化防止剤又は酸化防止剤システムを含む。押し出し成形による絶縁材の場合には 、典型的には半導電シールドもまた押し出し成形され、基本ポリマーと導電性又 は半導電性フィラーに同様の添加剤を含有する。押し出し成形された種々の層は 一般にポリエチレンベースのものであることが多い。ポリエチレン樹脂とは一般 に又本発明の適用においても、ポリエチレンベースの樹脂やエチレンモノマーが 多くの部分を占めるエチレンコポリマーをさす。従って、ポリエチレン樹脂はエ チレンと1つ又は複数のモノマーをエチレンとのコポリマー化させたものである 。低密度ポリエチレン、LDPE、は交流ケーブルの絶縁材の主たる基本材料で ある。押し出し成形された絶縁層の物理特性と、製造、搬送、保存および使用時 の影響による劣化と分解に対する耐性を向上させるために、ポリエチレンを基材 とする組成物は典型的には以下の添加物を含有する: −安定剤、つまり、酸化防止剤、酸化と照射による分解を阻止する電子捕獲剤 ; −潤滑剤、つまり加工性を向上させるためのステアリン酸; −電気ストレス耐性を向上させ、耐水性を向上させるためのポリエチレングリ コールやシリコーン等の添加物; −加熱、X線や紫外線の照射によって自由ラジカルに分解してポリエチレン樹 脂の架橋形成を開始させる、 − 架橋密度を向上させる不飽和化合物、 − 不十分の架橋を排除するスコーチ遅延剤 と共に使用される過酸化物やシラン等の架橋促進剤。 添加物の種類は多く、これらの可能な組み合わせは基本的に無限である。添加 物の選択又は添加物のグループの選択にあたっては、他の特性をそのまま、ある いは他の特性を向上させながら、特定の特性を向上させることが目的である。し かし、現実には、添加物の組み合わせを変更する際に生じる副作用を予測するこ とはほとんど不可能である。好ましくない影響の発生を抑制することは常に目標 ではあるが、目的とする特性を向上させるためには小さな悪影響は受容しなけれ ばならない場合も有る。 交流用ケーブルに使用する押し出し成形用架橋形成ポリエチレンベース樹脂絶 縁材の典型的なものは、下記を含む: 前述のように添加剤を含み、メルトフローインデックスが0.4−2.5g/ 10分である低密度ポリエチレン(922kg/m3)97.1−98.9重量 %: これに限定されないが、例えば、化学表示としては4,4−チオ−ビス(6− ター−ブチル−m−クレソル)であるSANTONOX R(Flexsys社)の酸 化防止剤0.1−0.5重量%: これに限定されないが、例えば、化学表示としては過酸化ディキュミル(dicu myl peroxide)であるDICUP R(Hercules Chem社)の架橋材1.0−2 .4重量%。 この種のXLPE組成物は直流条件下では空間電荷を生じる傾向が強く、直流 用絶縁材料としては不適当であることが知られている。しかし、架橋形成したケ ーブルを高温で真空中に長時間維持するガス抜き工程を経ることにより直流環境 においても空間電荷の蓄積傾向が抑制されることも知られている。ガス抜き工程 によって、アセトフェノンやキュミルアルコール(Cumyl Alcohol)のような過酸 化物による分解生成物が絶縁層から除去される結果、空間電荷の蓄積が抑制され るものと理解されている。ガス抜き工程は紙の含浸工程に比較して時間のかかる バッチプロセスであり、したがって費用がかかる。この理由のために、ガス抜き 工程を排除することが望ましい。交流用押し出し成形絶縁体として最も良く知ら れている架橋ポリエチレン組成物は、電荷蓄積傾向のために直流電流ケーブルと して使用することは不適当である。 電圧耐性を向上させ、空間電荷の蓄積を抑制する2つの目的のために少量のカ ルボニル基からなる添加物をLDPEに添加することが知られている。このカル ボニル機の添加は、ポリエチレンの酸化又はカーボンモノキサイドとエチレンの コポリマー化によって行われる。さらに、J.JonssonとC.TornkvistによるProc .Nord-IS、217(1996)に記載されているように、ポリエチレンにカルボニル 基を0.4−1.0%添加することで電荷注入を抑制することができることが知 られている。その理由としては、カルボニル基が空間電荷のトラップとして作用 し、空間電荷の移動が抑制され、直流電場にさらされた絶縁体の空間電荷の蓄積 の結果として生じる極性パターンが発達しないことが挙げられる。しかし、40 ℃以上の高温に昇温された時のトラップ解除と、それによる空間電荷の蓄積が知 られている。有機酸と無水物を添加した場合にも同様の結果となる。ポリマーに 極性ユニットを導入して直流による絶縁破壊耐性を向上させるポリエチレンの改 変が提案されている。例えば、日本国特許出願公開第210610号は、無水マ レイン酸、MAH等の無水物をそのためにポリエチレンに添加する。その結果得 られる架橋絶縁体は、架橋ポリマー鎖構造の極性が増大したことにより空間電荷 の蓄積が減少し、架橋構造中に注入されたMAH基が空間電荷のトラップとして 作用すると結論付けられた。日本国特許出願公開公報第210610号によれば 、約0.02から約0.5重量%のMAHを添加した架橋ポリエチレンは空間電 荷の蓄積が抑制された結果、直流ケーブル用の絶縁材として使用できることが報 告されている。架橋構造の極性改変と架橋構造絶縁体における空間電荷の蓄積抑 制のために使用される他の添加物は、アイオノマー、アクリルメタル塩、カルボ キシル酸およびアセテートである。 送電と配電用ケーブルと電力の送電と配電のための絶縁体として好適に使用す ることができる押し出し成形XLPE組成物を含むポリマーを基材とする絶縁シ ステムによって絶縁されたケーブルを提案することが望まれる。ケーブルは典型 的には含浸やガス抜き工程のような時間のかかるバッチ工程、つまり、安定で持 続的な絶縁特性や高く安定な絶縁耐性を得るための真空処理、無しで実施するこ とのできる押し出しXLPE工程で製造することができなければならない。ケー ブルの絶縁はさらに空間電荷の蓄積傾向が小さく、直流絶縁破壊耐性が高く、パ ルス耐性が高く、絶縁抵抗が高く、電荷注入に対して高い耐性を有していなけれ ばならない。この特性によって製造時間と製造コストが減少し、ケーブルの絶縁 体を連続又は少なくとも半連続工程によって製造することが可能になるために技 術的利点および経済的な利点をもたらすことになる。さらに、信頼性、維持管理 の軽減および質量含浸紙を使用したケーブルの耐用年数を維持又は改善するもの でなければならない。本発明に基づくケーブルは、さらに、高電圧、使用電圧の 上昇を許容することができ、取り扱い性と耐久性を改善する。 特に、絶縁材として使用された押し出し成形架橋構造のPE組成物が3次元架 橋構造を有し、絶縁層中の電荷の移動を制限し、電荷蓄積傾向を減少させ、電荷 注入に対する耐性を向上し、絶縁層内における空間電荷の発展形態又はパターン を制御する絶縁ケーブルが望まれる。電荷の移動を抑制することは高電圧で使用 する絶縁導体において非常に大きな意味を持つ。本発明に基づくケーブルで達成 される電荷の移動の減少は、ケーブルの絶縁体を設計する際に使用する安全率を 小さくすることによってさらに経済効果を生じさせる。特に、その種のケーブル は送電と配電に使用する条件の下では望ましいものである。そのようなケーブル は、発電機、変圧器、リアクター、モータ等、高電圧を使用する機器の導線、あ るいは、それ以外の種々の、絶縁体が高電圧にさらされる高電圧機器用の導電線 としても魅力あるものである。 発明の要旨 上述のような需要にこたえる絶縁電力ケーブルを提供することが本発明の目的 である。請求項1の前提部分に記載した押し出し成形架橋ポリエチレン組成物を 導体の周囲に設けたポリマー絶縁ケーブルにおいて、請求項1の特徴部分に記載 した内容を特徴とするケーブルによってこれを可能にする。本発明によるケーブ ルの更なる改良は、請求項2ないし請求項17に記載する。本発明に基づくケー ブルの請求項18又は19に記載した特に好適な使用方法を提案することもまた 本発明の目的である。 発明の開示 少なくとも1つのポリマーに基づく絶縁層と、1つ又はそれ以上の半導電性層 からなる絶縁システムについて、留意すべき点がいくつか存在する。重要な点の ひとつは、電荷の移動性の制限であり、そのためには: −高電圧ストレス特に高電圧の直流が流れた際のポリマー性絶縁層内における 空間電荷の蓄積傾向を抑制すること; −電荷注入に耐えるよう絶縁層の許容能力を向上させること; −絶縁システム内における空間電荷の状態又はパターンの発達を制御する手段 を設けること。本発明は、絶縁層の表面領域の極性を増大させることで、電荷の 移動性を顕著に抑制し、それによって求められている空間電荷蓄積の抑制、電荷 注入に対する耐性の向上、絶縁層内において発達する電荷状態又はパターンを制 御する手段を提供する。極性を向上させた表面領域は適当な極性材料の比率が増 大している。極性基は電化のトラップとして作用し、電荷の移動性が抑制される 。これにより、絶縁体が直流電界にさらされた場合にも、架橋絶縁体内部の空間 電荷は顕著に減少する。さらに、極性を付加された表面領域は又絶縁層の電荷注 入に対する耐性が向上する。空間電荷に対してトラップとして作用する、極性を 増加させた表面領域中の極性基は、絶縁層内に有害な極性パターンや状態が発生 するのを防止する、空間電荷の状態やパターンの発達を制御する手段を提供する 。本発明は特に、絶縁システムが、押し出し成形された架橋ポリエチレンをベー スとした組成物、XLPE組成物を含むケーブルに好適に使用される。典型的に は、そのような絶縁システムは、絶縁層の近傍に設けた1つ又はそれ以上の半導 電層を有する。好ましくは、本発明によるケーブルは、下記を有する: −導体の上にこれを取り囲むように設けた第1の内部半導電シールドと: −第1の内部半導電シールドの上にこれを取り囲むように設けた絶縁層とを有 し、絶縁層は、絶縁層の内部であって内部半導電シールドと絶縁層の接触面近傍 に設けた第1の内部極性増加表面領域を有する。 好ましい実施態様の1つによれば、ケーブルの絶縁システムはさらに、絶縁層 の上にこれを取り囲むように設けた第2の外部半導電シールドを有し、絶縁層の 外部半導電シールドと絶縁層との間の外部境界領域近傍に第2の外部極性増加表 面領域を有する。 本発明によるケーブルの極性増加領域に好適に使用することができる極性剤は カルボニル基である。カルボニル基は極性増加領域に、ポリエチレンの酸化また は極性増加領域においてエチレンとカーボンモノキサイドをコポリマー化するこ とによって得られる。カルボニル基の好ましい含有量は0.1ないし1.5重量% である。最も好ましいカルボニル基の含有量は0.4ないし1.0重量%である。 本発明の他の実施例は、有機酸または無水物が絶縁層に添加されたものである。 これらの添加物は、空間電荷の蓄積、電荷注入に対する耐性およびすでに述べた 空間電荷の発達を排除する空間電荷の制御に関して同様な効果を有する。 本発明の他の実施態様によれば、絶縁層はポリマー鎖中に極性ユニットを有す る。同様に、これらの極性ユニットは空間電荷のトラップとして作用し、空間電 荷の移動が抑制され、架橋絶縁層内の空間電荷の蓄積が顕著に減少する。極性ユ ニットは空間電荷のトラップとして作用し、空間電荷の蓄積を抑制し、電荷注入 耐性を向上させ、絶縁層内における極性パターンの発達を抑制する手段を提供す る。本発明の1実施態様に基づくケーブルは、無水マレイン酸、MAH、が極性 増加領域のポリエチレンに取り込まれたXLPEベースの絶縁層を有する。その 結果得られる架橋絶縁層は空間電荷の蓄積傾向が抑制されており、電荷注入に対 する耐性が高い。この効果はいずれも極性を増加させた表面領域における架橋ポ リマー鎖の向上した極性に起因する。ポリマー鎖構造の極性ユニットはさらに、 避けなければならない極性のパターンまたは性質が発達することを制御する手段 を提供する。0.01ないし1.0重量%のMAHを有する架橋ポリエチレンは 所望の空間電荷蓄積、電荷注入耐性および空間電荷蓄積状態の制御を達成するこ とが可能な直流ケーブル用絶縁層の極性増加領域としてふさわしい架橋組成物で あることが分かった。所望の空間電荷蓄積、電荷注入耐性および空間電荷蓄積状 態の制御のためのこの種の極性改善に好適な添加物は、アイオノマー、アクリル 金属塩、カルボキシル酸、およびアセテートである。 本発明のさらに別の実施態様によれば、一般式CH2=CR−CO−X−(C H2n−N(CH32またはCH2=CR−CO−O−(CH2−CH2O)m−H であらわされる極性コ−モノマーを有する極性増加表面領域を有するXLPE絶 縁層がポリエチレン鎖に導入された。この一般式において、nは2または3、m は1と20の間の数、Rは水素またはCH3、Xは酸素またはNHである。好ま しくは、mは1,5,6または9のいずれかである。極性コ−モノマーは、この 場合、ポリエチレン鎖に導入されポリマライゼーション中、鎖の骨格のセグメン トを構成するか、グラフティング処理によってサイドグループとなる。極性モノ マーの典型的な量は、絶縁層の極性増加表面領域においてポリマー総重量の0. 1重量%以上であれば好適である。0.1ないし5重量%の極性コ−モノマーが 好適に使用される。最も好ましくは、極性コ−モノマーの量は0.5ないし1.5 重量%である。本実施例に基づく好ましい極性コ−モノマーは、メタクリルアミ ドに基づくもので一般式CH2=C(CH3)−CO−NH−(CH2n−N(C H32で表される。ここで、nは2または3である。n=3であり、ジメチルア ミノ−プロピルメタクリル−アミド(DMAPMA)と称するコ−モノマーが最 も好適である。本発明によるケーブルの絶縁層の極性増加領域のポリマー鎖に好 適に注入される他のコ−モノマーとしては、以下のものが有る: −一般式CH2=CH−CO−NH−(CH2n−N(CH32で表されるア クリルアミドに基づくコ−モノマー。ここでnは2または3である。 −一般式CH2=C(CH3)−CO−O−(CH2n−N(CH32で表され るメタクリルエステルに基づくコ−モノマー。ここで、nは2または3である。 −一般式CH2=CH−CO−O−(CH2n−N(CH32で表されるアク リルエステルに基づくコ−モノマー。ここでnは2または3である。 −一般式CH2=C(CH3)−CO−O−(CH2−CH2O−)mHで表され るメタクリル酸とオリゴマーエチレングリコールに基づくコ−モノマー。ここで mは1〜20までの数であり、好ましくは1,5,6または9である;および、 −一般式CH2=CH−CO−O−(CH2−CH2O−)mHで表されるアク リル酸とオリゴマーエチレングリコールに基づくコ−モノマー。ここでmは1〜 20までの数であり、好ましくは1,5,6または9である。 本発明に基づく絶縁電力ケーブルは、順不同で下記の工程を含む方法によって 製造することができる: −所望の極性増加組成物が得られるような極性基または極性ユニットを有する 組成物の配合; −導体の周囲に設けたポリマーに基づく絶縁層の表面領域における極性ユニッ トまたは極性基が増大したポリエチレン組成物と少なくとも1つの半導電層の押 し出し成形;および、 −極性を増加したPE組成物を架橋させて絶縁層の表面近傍を極性の増加した XLPEとする。 以下の記載では本発明に従ってケーブルの処理方法を説明する。極性を増加さ せた表面領域に極性基を与えるために、当該領域のポリマー組成物、つまり、ポ リエチレンは本発明によるケーブルの絶縁層の表面領域に好適に使用することが できるカルボニル基を含む組成物を得るために酸化させる。別な方法では、カー ボンモノキサイドとエチレンのコーポリマライゼーションによってカルボニル基 を導入する。絶縁層の極性が増加した表面領域に使用することができる組成物は 又、極性モノマーを重合反応の前または最中にエチレンに付加する混合工程によ って製造することもできる。この方法によって、コモノマーがポリマーの骨格に 組み込まれポリエチレン鎖に取り込まれる。極性コ−モノマーは、典型的には最 終的に得られるポリマーに対して0.05ないし5重量%、好ましくは0.3ない し1.5重量%含まれる。他の方法としては、エチレンと極性モノマーを同様の 方法によってコーポリマライズするが、コ−モノマーの量を格段に多く最終的に 得られるポリマーの5ないし40重量%、好ましくは25ないし35重量%にす る方法が有る。極性コ−モノマーの量が多いこのコーポリマーを、極性コ−モノ マーの量が前述の値と同程度になるようにポリエチレンによって希釈する。本発 明に基づくケーブルの絶縁層に極性を増加させた領域を製造するためのさらに他 の方法は、極性モノマーをエチレンのホモポリマーにグラフトする方法である。 グラフト工程は、重合ステップの後に独立工程として実施することもできるし、 ポリエチレンベースのケーブル絶縁層の押し出しおよび/または架橋工程と共に 実施することもできる。 架橋形成ポリエチレン、XLPE、に基づく絶縁層に極性増加表面領域を有す る押し出し成形架橋絶縁システムを有する本発明のケーブルは、以下に示す顕著 な特徴を有する: −空間電荷の蓄積傾向が顕著に減少する; −電荷注入に対する耐性が顕著に向上する; −発達する空間電荷パターンあるいは状態に対する制御手段を有する;さらに 、 −直流絶縁破壊耐性が向上する。 本発明に基づくケーブルは、押し出し成形、架橋形成およびその他の高温状態 によって、押し出し成形絶縁システムの優れた性能と安定性を提供する。 通常認識されているように、XLPE組成物中に含まれる未反応の過酸化架橋 形成剤または減成生成物を最小限に押さえられることが、空間電荷の蓄積傾向を 抑制するために好ましい。従って、本願発明によるケーブルにおいて押し出し成 形され架橋形成されるPE組成物中の過酸化成分は、5%未満、好ましくは2% 未満であることが望ましい。ケーブルの絶縁層に含まれる過剰な過酸化物の残留 物を予め排除しておくこと、または減少させておくことが、過酸化物による架橋 形成剤のコスト低減に重要であり、より本質的には減成生成物中の過酸化架橋形 成剤は、空間電荷の原因となるメタン、クミルアルコールやアセトフェノン等の 好ましくない副産物を形成する可能性があるので重要である。 本発明によるケーブルは、時間のかかるバッチ処理なしで、高圧直流送電線、 または絶縁層が高電圧ストレスを受ける状態での送電または配電ケーブルとして 使用することができる。押し出し成形したXLPE組成物を含む絶縁システムを 有する従来のケーブルに比較した場合の、本発明の長所および特性の向上が、従 来技術によるケーブルに伴う種々の欠点なしに、本発明によって達成される。顕 著に減少した空間電荷の蓄積傾向、電荷注入に対する向上した耐性によって、含 浸紙を使用したケーブルと同等以上の直流絶縁破壊耐性が確保される。空間電荷 の発達を制御する可能性によって、ケーブルの絶縁層の内部で好ましくない空間 電荷が蓄積されることを防止することができる。さらに、本発明に基づくケーブ ルの絶縁特性は長期安定しており、ケーブルの使用年限が維持または延長される 。このことは特に絶縁層に極性を増加させた領域を設けることによって達成され る。押し出し成形と架橋形成に先立ち、あるいはその間、温度、圧力、処理時間 やガス環境等の状態からなる、重合組成物の処理を適宜詳細に制御することによ ってさらに向上する。 本発明のケーブルは、さらに、含浸やガス抜き等のバッチ処理工程なしで連続 的製造することが可能である特徴を有し、ケーブルの技術的な性能を犠牲にする ことなく製造時間の短縮とコストの低減を図ることができる。 上述のケーブルは、優れた温度特性と優れた電気特性が組み合わせられている ことにより、特に送電網や機器における高電圧電流の送電や配電に特に好適に使 用することができる。この点は、その種の設備が長期の使用を前提に設計されて いる点およびこれらの設備は例えば海底のように接近やメンテナンスが困難な場 所で使用されていることを考慮すると特に重要である。本発明に基づく高圧送電 ケーブルのさらに他の長所は、完全なケーブル長または部材の長さに対するバッ チ処理を含まずに連続プロセスによって製造することができるために、従来のケ ーブルに比較してコストの点で優れることである。 本発明に基づくケーブルは、空間電荷の蓄積傾向が押さえられていることおよ び特に電荷注入に対する耐性が優れていることから電圧ストレス等の高い電界ス トレスに耐え、制御されない空間電荷の蓄積や電荷の注入によって絶縁層と半導 電層の間で破壊的な現象が生じる可能性が無いので、発電機、変圧器、リアクタ ーやモータのような高電圧を使用する機器の絶縁導体として好適に使用すること ができる。 図面の簡単な説明 添付の図面と実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。 図1は、本発明の1実施例に基づく高電圧の送電に好適なケーブルを示したも のである。 図2は、本発明の他の実施例に基づく、電気機器用の高電圧絶縁巻き線として 使用するケーブルを示したものである。 図3a,3b,3cおよび3dは、従来の交流ケーブルで使用されているXL PE組成物の平板と本発明に基づいて絶縁ケーブルに使用する極性を増加させた 組成物の空間電荷記録を比較した図である。 好ましい実施態様と実施例の記載 図1に示した本発明に基づく高電圧送電ケーブルの実施例は、中心から外側に 向かって; −標準的な多線導体10; −導体10の外周であって絶縁体12の内部に設けられた第1の押し出し成形 半導電性シールド11; −絶縁層12と内部半導電性シールド11の近傍の、第1の極性増加した表面 領域120と、絶縁層12と外部半導電性シールド13との近傍の第2の極性増 加領域125を含む既述の押し出し成形され架橋形成した組成物を有する押し出 し成形絶縁層12; −絶縁層12の外側に設けられた第2の押し出し成形半導電性シールド13; −金属スクリーン14;および、 −金属スクリーン14の外側に設けられた外皮またはシース15。半導電性の シールド11,13および、2つの極性増加領域120,125を有する絶縁層 12はいずれも押し出し成形、架橋形成され典型的にはポリエチレンベースであ る。本発明に基づくケーブルは、必要であれば、さまざまな機能を有するさまざ まな層を具備することができる。例えば、外部押し出しシールド13の外側に金 属ワイヤ状の補強部材を設けること、金属/ポリマー境界面に水分を含むと膨張 する封止組成物を設けること、金属とポリエチレンから成る軸方向の腐食防止シ ステム、シースの内側にテープまたは粉体の水分によって膨張する材料を設ける ことによる耐水密封を設けることができる。導体は、通常の複数のワイアからな る導体やセグメントによって構成された導体等、所望の形状および構成で有れば いずれでも良い。 図2に示した実施例による絶縁ケーブルは高電圧を使用する電気機器で使用す ることを意図しており、中心部から外部に向かって以下の構成を有する。 −標準的なマルチワイヤ導体20; −導体20の周囲の設けられた第1の内部半導電シールド21; −上述のように、絶縁層22と内部半導電シールド21との接触面近傍の第1 の極性が増加した表面領域220と絶縁層22と外部半導電シールド23の接触 面の近傍の第2の極性増加表面領域225を有する絶縁層22; 絶縁層22の外に設けられた第2の半導電シールド23。 半導電シールド21,23と2つの極性増加領域220,225を有する絶縁 層22は、典型的には押し出し成形、架橋形成された、典型的にはポリエチレン ベースの組成物である。ケーブルは典型的な例では上記以外の補強部材を有しな い。また、典型的な例では、外部半導電シールドが巻き線を配置するためのみぞ 等と接触するために、外皮またはシースは設けられていない。導体は、マルチワ イヤ導体やセグメントで構成された導体等、所望の形状、構造をとることができ る。 例1 本発明によるケーブルの絶縁システムの絶縁層として使用する極性増加XLP E領域を有するXLPE組成物の比較実験。 従来の交流ケーブル絶縁用のXLPE組成物の板と、本発明に基づく高電圧ケ ーブルまたは高電圧電気機器用の絶縁導体に用いるXLPE組成物の板を製造処 理し、パルスエレクトロアコスティック(PEA)手法によって空間電荷の特性 を記録することによって空間電荷傾向の評価を行った。PEA手法は関連する技 術分野では良く知られており、Takeda他によるIEEE Trans.Electr.Insul.Vo .EI-22(No.4),pp 497-501(1987)に記載されている。 a 約1重量%のジメチルアミノ−プロピルメタクリル−アミド、DMAPM A、を99重量%の低密度ポリエチレン組成物、当該低密度ポリエチレン組成物 は98重量%のメルトフローインデックスが0.8g/分である低密度ポリエチ レン組成物(922kg/m3)と2重量%の酸化防止剤および過酸化物からな る架橋剤とからなる、とを混合してポリエチレン組成物を得た。 この組成物を130℃の温度で成形して2mm厚のテスト板を得て、次に2つ の半導電電極をテスト板に成形して、これらを180℃の電気プレスで15分間 架橋形成させた。 2mm厚の架橋形成したテスト板を次に50℃の温度で、PEA分析装置を用 いて、2つの電極間に挿入して+40kVの直流電圧による電界をかけてテスト した。図3aに示した空間電荷特性が記録された。テスト板の厚さ方向に空間電 荷/体積について任意の単位を用いることができ、設置した電極において0であ り、xは設置電極から+40kVの電極方向へ向けた距離である。 b DMAPMAを含有するポリエチレン組成物の2mm厚のテスト板を比較 例として、130℃の温度でモールドして比較例とした。2つの半導電電極をこ のテスト板に接着して電気プレスを用いて250℃の温度で30分間架橋形成さ せた。 2mm厚の架橋形成したテスト板は次に50℃の温度でPEA分析装置を用い て、2つの電極の間に挿入し40kVの電圧によって生じる電荷において分析し た。一方の電極は設置しており、他方は+40kVの電位である。図3bに示し た空間電荷の特性がこのテスト板に関して記録された。空間電荷/体積に関する 単位は任意であり、テスト板の厚さ方向の関数である、つまり、設置された電極 の位置で0、設置電極から+40kVの電極に方向の距離がxである。 c 2mm厚の、例aおよびbで使用したものと同じであるがDMAPMAを 含有しない組成物を130℃の温度でモールドした。 2つの半導電電極をこのテスト板に接着して電気プレスを用いて180℃の温 度で15分間架橋形成させた。 2mm厚の架橋形成したテスト板は次に50℃の温度でPEA分析装置を用い て、2つの電極の間に挿入し40kVの電圧によって生じる電荷において分析し た。一方の電極は設置しており、他方は+40kVの電位である。このテスト板 については図3cに示した空間電荷特性が記録された。空間電荷/体積に関する 単位は任意であり、テスト板の厚さ方向の関数である、つまり、設置された電極 の位置で0、設置電極から+40kVの電極に方向の距離がxである。 d 例cで使用したポリエチレン組成物による2mm厚のテスト板を130℃ の温度でモールドした。 2つの半導電電極をこのテスト板に接着して電気プレスを用いて250℃の温 度で30分間架橋形成させた。 2mm厚の架橋形成したテスト板は次に50℃の温度でPEA分析装置を用い て、2つの電極の間に挿入し40kVの電圧によって生じる電荷において分析し た。一方の電極は設置しており、他方は+40kVの電位である。このテスト板 については図3dに示した空間電荷特性が記録された。空間電荷/体積に関する 単位は任意であり、テスト板の厚さ方向の関数である、つまり、設置された電極 の位置で0、設置電極から+40kVの電極に方向の距離がxである。 比較テストの結論 例1a,1b,1c,1dの、直流電圧を印加して3時間後の空間電荷特性を 、それぞれ、図3a,3b,3c,3dに示す。AC XLPEケーブルに従来 用いられている絶縁材料の空間電荷蓄積は(図3c、3d参照)は高く、比較の ために示した本発明に基づく組成物の空間電荷蓄積は堅調に低減していることが 分かる。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 導体(19;20)の周囲に設けた絶縁層(12;22)と1つ以上の半 導電層(11;13;21;23)からなるポリマーベースの絶縁システムを有 する絶縁電力ケーブルにおいて、ポリマー組成物が、極性剤の配合が多い極性増 加表面領域(120;125;220;225)を有することを特徴とするケー ブル。 2. 絶縁システムが、 −導体(10;20)の周囲に設けた第1の半導電シールド(11;21)と; −第1の半導電シールドの周囲に設けた絶縁層(12;22)とを有し、 絶縁層が、内部半導電シールドと絶縁層との間に設けられた第1の内部極性増加 表面領域(120;220)を有することを特徴とする請求項1に記載のケーブ ル。 3. 絶縁システムがさらに、絶縁層(12;22)の周囲に設けた第2の外部 半導電シールド(13;23)を有し、絶縁層が、外部反導電シールドと絶縁層 との間に設けられた第2の外部極性増加表面領域(125;225)を有するこ とを特徴とする請求項2に記載のケーブル。 4. 絶縁層(12;22)が押し出し成形され架橋形成したポリエチレンベー スのXLPE組成物であることを特徴とする請求項1,2または3に記載のケー ブル。 5. 極性増加表面領域(120;125;220;225)がポリマー組成物に 導入された極性基を有することを特徴とする請求項1,2,3または4に記載のケ ーブル。 6. 極性基がカルボニル基であることを特徴とする請求項5に記載のケーブル 。 7. ポリマー鎖が極性セグメントの形の極性変化を含むものであることを特徴 とする請求項1,2,3または4に記載のケーブル。 8. 極性セグメントがポリマー鎖にグラフトされた極性のサイドグループであ ることを特徴とする請求項7に記載のケーブル。 9. 極性セグメントがポリマー鎖の骨格鎖の残基として存在することを特徴と する請求項7に記載のケーブル。 10. 極性セグメントが、一般式 CH2=CR−CO−X−(CH2n−N(CH32または CH2=CR−CO−O−(CH2−CH2O)m−H ここで、nは2又は3;mは1から20までの数;RはH又はCH3; XはOまたはNHである で表される極性コ−モノマーを含むことを特徴とする請求項9に記載のケーブル 。 11. 極性コ−モノマーが、一般式 CH2=C(CH3)−CO−NH−(CH2n−N(CH32 nは2または3 で表されることを特徴とする請求項10に記載のケーブル。 12. n=3であり、極性モノマーがジメチルアミノ−プロピルメタクリル− アミド(DMAPMA)であることを特徴とする請求項11に記載のケーブル。 13. 極性モノマーが、一般式 CH2=CH−CO−NH−(CH2n−N(CH32 で表されるアクリルアミドに基づくコ−モノマー ここで、nは2または3である ことを特徴とする請求項10に記載のケーブル。 14. 極性モノマーが、一般式 CH2=C(CH3)−CO−O−(CH2n−N(CH32 で表されるメタクリルエステルに基づくコ−モノマー ここで、nは2または3である ことを特徴とする請求項10に記載のケーブル。 15. 極性モノマーが、一般式 CH2=CH−CO−O−(CH2n−N(CH32 で表されるアクリルエステルに基づくコ−モノマー ここで、nは2または3である。 ことを特徴とする請求項10に記載のケーブル。 16. 極性モノマーが、一般式 CH2=C(CH3)−CO−O−(CH2−CH2O−)mH で表されるメタクリルサンとオリゴマーエチレングリコールに基づくコ −モノマー ここで、mは1〜20までの数であり、好ましくは1,5,6または9で ある ことを特徴とする請求項10に記載のケーブル。 17. 極性モノマーが、一般式 CH2=CH−CO−O−(CH2−CH2O−)mH で表されるアクリル酸とオリゴマーエチレングリコールに基づくコ−モ ノマー ここで、mは1〜20までの数であり、好ましくは1,5,6または9で ある ことを特徴とする請求項10に記載のケーブル。 18. 前記請求項のいずれかに記載したケーブルの、電力送電又は配電システ ム又は機器における使用。 19. 請求項1ないし17に記載したケーブルの、電力機器の高電圧配線とし ての使用。
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