JP2001332310A - リチウムイオン電池の容量推定方法および劣化判定装置ならびにリチウムイオン電池パック - Google Patents
リチウムイオン電池の容量推定方法および劣化判定装置ならびにリチウムイオン電池パックInfo
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Abstract
Liイオン電池の劣化を判定する簡便な装置、ならび
に、電池の容量を推定する機能を備えたLiイオン電池
パックを提供すること。 【解決手段】Liイオン電池を定電流定電圧方式によっ
て充電する際に、該電池の公称容量をC0としたときの
充電電流をC0/(20時間)以下とし、定電流充電中の
充電電圧があらかじめ設定された電圧Vsに達してから
充電上限電圧Vcに達するまでの時間tを求め、該電池
の推定比容量Ce/C0を関係式:C e/C0=At+B
(ここに、AおよびBは正値定数である)によって算出
することを特徴とするリチウムイオン電池の容量推定方
法と、該方法によってリチウムイオン電池の劣化を判定
する装置と、該容量推定方法を実行する手段を備えたリ
チウムイオン電池パックとを構成する。
Description
池の容量推定方法および劣化判定装置ならびにリチウム
イオン電池パックに関するものである。
下、セルと称す)あるいは複数個のセルを直列接続、並
列接続、あるいは両者の併用によって接続したものを、
安全制御回路あるいは充放電制御回路と一体化して「自
立電源としての二次電池」としたものを意味する。
化、携帯型化によって、電池の需要が高まっている。そ
れに応じて電池の改良、開発はますます活発化してい
る。また、電池の新しい適用領域も拡大してきている。
これら搭載された電池の信頼性向上の要求も高くなって
きている。特に、従来の鉛電池やニッケルカドミウム電
池(以下、Ni/Cd電池と称す)に比べて体積当た
り、あるいは重量当たり大幅な高エネルギー密度を有す
るニッケル水素電池(以下、Ni/MH電池と称す)や
リチウムイオン電池(以下、Liイオン電池と称す)で
は、その内部に蓄えられているエネルギーが大きいた
め、電池の異常に伴って起こる事故による被害の程度も
より深刻となりうるので、信頼性の確保が重要な課題と
なっている。
チウムを挿入脱離できる金属酸化物、負極にリチウムを
挿入脱離できる炭素化合物、電解液にリチウム塩を溶質
とし非水有機化合物をそれぞれ用いて構成される。
i/MH電池が過充電による副反応で発生するガスを吸
収する反応機構を有するのに対して、Liイオン電池に
は過充電により発生するガスの吸収反応を持たない、な
ど安全性維持の点で大きな制約がある。さらに、複数の
Liイオン電池を直列に配置して使用する場合には、電
池の劣化が進行すると個々の電池特性のアンバランスが
過充電や過放電をもたらし、安全性の点で大きな不安要
素となりうる。
の的確な劣化状態の把握とタイムリーな電池の交換が挙
げられる。Ni/MH電池やLiイオン電池の高エネル
ギー密度電池に関しては、1994年に提唱されたスマ
ートバッテリーシステム(SBS)が充電制御、残存容
量判定などを含めたバッテリーマネジメントシステムと
して、改良を加えながら普及してきている(www.sbs-fo
rum.org 参照)。これらの電池制御・管理は、製造メー
カ、電池種類などの情報の他、常時電池の電流、電圧、
温度などをモニタする膨大な情報データ管理に基づく方
法が採用されているのみであり、このような方式は極め
て高価な方式であり、製品価格の高騰を来していた。
劣化状態の監視については、Liイオン電池搭載の機器
のモデルチェンジが頻繁に実施されていることもあっ
て、使用時間の確保と監視を重視する余り、なおざりに
されている傾向がある。
などの制御・管理の手段であり、電池の劣化状態まで把
握する機能は有しておらず、電池、または電池パックの
交換は使用者の勘に頼っているのが現状であった。
Liイオン電池の制御・管理方式などが提案されている
が、その方式においては、電池の劣化は、すでに測定さ
れた容量の表示から判断されるのみであり、充電の後に
使用される電池が劣化しているか否かを正しく判定する
ことは必ずしも可能でない。
り、その課題は、Liイオン電池の容量を推定する簡便
な方法、Liイオン電池の劣化を判定する簡便な装置、
ならびに、電池の容量を推定する機能を備えたLiイオ
ン電池パックを提供することにある。
に、本発明においては、請求項1に記載したように、リ
チウムイオン電池の容量推定方法であって、リチウムイ
オン電池を定電流定電圧方式によって充電する際に、該
リチウムイオン電池の公称容量をC0としたときの充電
電流をC0/(20時間)以下とし、定電流充電中の充電
電圧があらかじめ設定された電圧Vsに達してから充電
上限電圧Vcに達するまでの時間tを求め、該電池の推
定比容量Ce/C0(ここに、Ceはこの電池の推定容
量である)を関係式、 Ce/C0=At+B (1) (ここに、AおよびBは該電池、電圧Vs、電圧Vcお
よび該定電流充電中の充電電流によって定まる正値定数
である)によって算出することを特徴とするリチウムイ
オン電池の容量推定方法を構成する。
したように、請求項1に記載のリチウムイオン電池の容
量推定方法であって、容量推定の対象となるリチウムイ
オン電池と同一種類のリチウムイオン電池を用い、1回
の全充電時間が3日以上10日以下であり、該リチウム
イオン電池の公称容量をC0としたときの充電電流がC
0/(20時間)以下である定電流定電圧方式による充電
期間と、放電電流がC0/(5時間)以上C0/(0.5時
間)以下であり放電終止電圧がVdである放電期間と、
必要に応じて該充電期間と該放電期間との間に設けられ
る休止期間とを有する充放電サイクルを3回以上繰り返
して、各サイクルにおいて、定電流充電中の充電電圧が
あらかじめ設定された電圧Vsに達してから充電上限電
圧Vcに達するまでの時間tn(ここに、nは各サイク
ルに付した番号である)と、各サイクルごとに放電電流
を時間に関して積分して得られる放電容量Cnとを記録
し、記録された該時間tnと該放電容量Cnとから、上
記関係式(1)におけるAおよびBの値を確定すること
を特徴とするリチウムイオン電池の容量推定方法を構成
する。
したように、リチウムイオン電池の劣化判定装置であっ
て、リチウムイオン電池を定電流定電圧方式によって充
電する際の上記時間tを求める手段と、該時間tを用い
上記関係式(1)によって該リチウムイオン電池の推定
比容量Ce/C0を算出する演算回路と、該推定比容量
Ce/C0の値に基づいて該リチウムイオン電池の劣化
状態を判定する判定演算回路と、該判定演算回路による
判定結果を表示する手段あるいは該判定結果に基づき、
必要に応じて、該リチウムイオン電池の劣化を警告する
警告音を発する手段とを備えていることを特徴とするリ
チウムイオン電池の劣化判定装置を構成する。
したように、ICを内蔵した充放電制御手段を備えたリ
チウムイオン電池パックにおいて、該ICあるいは該I
Cに付設して増設されたICが、該リチウムイオン電池
パック中のリチウムイオン電池の上記推定比容量Ce/
C0の算出に用いる数値を記憶するメモリと、該数値が
該メモリに記憶された場合に該リチウムイオン電池を定
電流定電圧方式によって充電する際の上記時間tと該数
値とから上記関係式(1)によって該推定比容量Ce/
C0を算出する演算回路と、該演算回路が算出した該推
定比容量Ce/C0算出結果を出力する手段とを有して
いることを特徴とするリチウムイオン電池パックを構成
する。
iイオン電池の容量推定方法においては、リチウムイオ
ン電池を定電流定電圧方式によって充電する際に、該リ
チウムイオン電池の公称容量をC0としたときの充電電
流をC0/(20時間)以下とし、定電流充電中の充電電
圧があらかじめ設定された電圧Vsに達してから充電上
限電圧Vcに達するまでの時間tを求め、該電池の推定
比容量Ce/C0(ここに、Ceはこの電池の推定容量
である)を関係式、 Ce/C0=At+B (1) (ここに、AおよびBは該電池、電圧Vs、電圧Vcお
よび該定電流充電中の充電電流によって定まる正値定数
である)によって算出することを特徴とする。
法を図面を用いてさらに詳しく説明する。
(CC-CV)方式によって充電した場合の充電電圧
(図中、電池電圧と表示)と充電電流との経時変化を示
した図である。
パック中のLiイオン電池(以下、これらをLiイオン
電池と総称する)を、まず、定電流(CC)モードによ
って、所定の一定電流Icで、あらかじめ設定された上
限電圧Vc(通常は4.1V/セル、または4.2V/セル
である)まで充電し、充電電圧が上限電圧Vcに到達し
た後、定電圧(CV)モードの充電が開始され、充電電
圧(図1においては電池電圧と表示)はVcで一定のま
ま、充電電流が時間とともに減衰する。
法においては、上記CC-CV方式による充電におい
て、定電流(CC)モードの充電中、放電終止電圧Vd
以上、上記上限電圧Vc以下に設定された電圧Vsに充
電電圧が到達してから、定電流モード充電が終了する
(すなわち、充電電圧がVcに達する)までの経過時間
tをモニタし、この時間tを用い、このLiイオン電池
の上記推定比容量Ce/C 0を上記関係式(1)によっ
て算出することを特徴とする。
よく行えるように、上記CC-CV方式による充電にお
ける上記一定電流IcをC0/(20時間)以下とする。
これを超える電流で充電を行うと、上記関係式(1)に
よる容量の推定における誤差が大きくなる。
である場合に、この電流を(1/T)CmAと表す。たと
えば、C0/(20時間)は0.05CmAと表わされ
る。
となるLiイオン電池は、1回当たりの充電時間が30
日以下であるような使用条件で使用されるものであるこ
とが好ましい。1回の充電時間が30日を超えるような
長期の充電時間では、過充電による劣化の程度が異なっ
たり、電池構成材料の経時劣化が顕著となり、大きな容
量推定誤差を生じるおそれがあり好ましくない。
測開始時の充電電圧Vsは放電終止電圧Vd以上、充電
上限電圧Vcより少なくとも0.2V低い電圧とするこ
とが好ましい。時間計測開始電圧Vsが充電上限電圧V
cより0.2V未満の差の電圧範囲内にあるときは、計
測する所要時間tが短くなりすぎて大きな推定誤差を生
じるおそれがあり好ましくない。
適用は電池の劣化が、満充電状態から放電終止電圧Vd
まで放電したときの放電容量C(これは放電電流を時間
に関して積分して得られる)が公称容量C0の50%以
上の範囲にある場合に限定される。50%未満に電池の
比容量C/C0が低下するような大きく劣化した場合に
は、所要時間tと比容量C/C0の間に上記関係式
(1)で示されるような直線関係(式の左辺を比容量C
/C0で置き換えて考える)が成立しなくなり、該関係
式を使用して容量を推定したときの誤差が大きくなって
好ましくない。
イオン電池の搭載機器、または充電器の充電条件におけ
る定電流(CC)モード充電所要時間tと、その条件下
における比容量C/C0との関係であることを前提とし
ている。もし、上記関係式(1)を作成したときのCC
モードの充電電流値と、搭載機器、または充電器のCC
モードの充電電流値が異なる場合には、あらかじめ別
途、それぞれの充電条件におけるCCモード充電所要時
間を求めておき、該関係式(1)作成時の条件における
所要時間teと搭載装置、または充電器に相当する条件
での所要時間tmとの比te/tmを上記関係式(1)
のtに乗じて換算する必要がある。
率(全充電期間におけるCCモード充電の充電割合)は
電流値が小さいほど大きくなる、すなわち、電流値が小
さいほど充電達成率が大きくなるからである。また、そ
の割合は、電池サイズ、電池形状、製造メーカ、電池構
成材料などによって異なるため、別途、実際に試験を実
施して電流値の影響を把握する必要がある。 (実施の形態2)実施の形態1において、Liイオン電
池の容量を推定するためには、上記関係式(1)を、あ
らかじめ作成しておかなければならない。そのために
は、関係式(1)中の定数AおよびBの値を決定しなけ
ればならない。その場合に、容量推定の対象となるLi
イオン電池と同種類の電池、または電池パックを試験し
て上記定数AおよびBを決定するのが最も妥当である。
なぜならば、市販のLiイオン電池は、使用する正極活
汚物質、負極カーボンおよび電解液の種類が多様であ
り、電池の劣化に伴う充電電圧挙動の変化だけでなく、
初期の電池の充電挙動も異なっているからである。
象となるリチウムイオン電池と同一種類のリチウムイオ
ン電池を用い、1回の全充電時間が3日以上10日以下
であり、該リチウムイオン電池の公称容量をC0とした
ときの充電電流がC0/(20時間)以下である定電流定
電圧方式による充電期間と、放電電流がC0/(5時間)
以上C0/(0.5時間)以下であり放電終止電圧がVd
である放電期間と、必要に応じて該充電期間と該放電期
間との間に設けられる休止期間とを有する充放電サイク
ルを3回以上繰り返して、各サイクルにおいて、定電流
充電中の充電電圧があらかじめ設定された電圧Vsに達
してから充電上限電圧Vcに達するまでの時間tn(こ
こに、nは各サイクルに付した番号である)と、各サイ
クルごとに放電電流を時間に関して積分して得られる放
電容量Cnとを記録し、記録された該時間tnと該放電
容量Cnとから、上記関係式(1)におけるAおよびB
の値を確定する。
発明における容量推定実施の対象となるLiイオン電池
と同種の電池を用い、実施対象となる電池の使用条件と
同様に、0.05CmA以下(C0/(20時間)以下)
の充電電流値の定電流(CC)充電によって上限電圧V
cまで充電し、電池、または電池パックの電圧が上限電
圧Vcに到達した後、定電圧(CV)充電によって充電
を継続する定電流定電圧(CC−CV)方式による充電
を行い、充電時間は3日以上30日以下に設定し、放電
は0.2CmA以上2.0CmA以下(C0/(5時間)
以上、C0/(0.5時間)以下)の電流値と該電池の使
用条件と同様の放電終止電圧Vdに設定し、必要ならば
これらの充電と放電の間に一定の休止時間を設けて、こ
のような充放電サイクルを3回以上実施して、各充放電
サイクルにおける、充電上限電圧Vcと放電終止電圧V
dの間の、Vd以上(Vc−0.2V)以下の任意の電
圧Vsに充電電圧が到達してから定電流(CC)モード
の充電が完了する(充電電圧が充電上限電圧Vcに到達
する)までに要した時間tn(ここに、nは各サイクル
に付した番号である)と、各サイクルごとに放電電流を
時間に関して積分して得られる放電容量Cnとを記録
し、記録された該時間tnと該放電容量Cnとから、上
記関係式(1)におけるAおよびBの値を確定する。す
なわち、関係式(1)の左辺をCn/C0で置き換え、
右辺におけるtをtnで置き換えた関係式が、Cn/C
0とtnとの関係を最もよく表すように、AおよびBの
値を確定する。
0日以下とする。充電時間を3日以上10日以下に設定
することにより、サイクルごとの電池の劣化が適度に進
み、精度の良い関係式(1)を作成するために必要なデ
ータを効率的に取得できる。1サイクル当たりの充電時
間が30日を超える長期間であると、過充電による劣化
の程度が大きくなり、また電池構成材料の経時劣化が顕
著となり、所要時間t nと比容量Cn/C0の間に上記
関係式(1)で示される直線関係(式の左辺を比容量C
n/C0で置き換え、右辺におけるtをtnで置き換え
て考える)が成り立たなくなることにより、これらのデ
ータから決定した定数AおよびBを使用した関係式では
大きな誤差を生じる恐れがあり好ましくない。
日より長く設定すると1サイクル当たりの経過時間が長
くなり、データ取得に時間がかかって同様に好ましくな
い。
未満に設定すると、充放電サイクルによる電極の劣化が
顕著となり、逆に過充電による劣化の程度は小さくな
り、この場合に決定した定数AおよびBを適用した上記
関係式(1)を用いた容量推定では、頻繁に充放電する
ような限定された使用方法を除き、放電と充電が毎回異
なるような実使用では、容量推定誤差が大きくなって好
ましくない。
値は、0.2CmA以上2.0CmA以下に設定する。
1.0CmA以上2.0CmA以下に設定すればさらに
効率のよいデータ取得が可能となる。0.2CmA未満
の低放電電流の場合、完全放電に時間がかかり好ましく
ない。また、2.0CmAより大きな放電電流では、放
電時間自体が短くなりすぎ、放電容量の測定値にばらつ
きが生じたり、劣化が進むと、容量が急激に低下して精
度の良い関係式(1)を作成することができなくなるた
め好ましくない。
は、装置の設定の制約などにより、必要ならば充電と放
電との間に一定時間の休止を設定することができる。
る充放電サイクル試験においては、各サイクルごとに、
充電の定電流(CC)モードにおける放電終止電圧Vd
以上充電上限電圧Vcより0.2V低い(Vc−0.2
V)以下の使用電圧範囲内の任意の電圧VsからCCモ
ードが終了するまでの時間tと、引き続く放電の充電比
容量Cn/C0を各充放電サイクルごとに測定する。測
定した時間tと比容量Cn/C0とをプロットし、関係
式(1)に適用して定数AおよびBを決定する。
Ceが実容量Cの±20%以内の範囲にあるように高精
度とするために必要な時間tnと比容量Cn/C0のデ
ータを充足するため、3サイクル以上充放電を実施す
る。
関係式(1)の定数AおよびBの決定に対してわずか2
ポイントのデータとなり高精度の容量推定が不可能とな
って好ましくない。
を決定するために実施する上記充放電サイクル試験の環
境温度は特に規定されないが、Liイオン電池の使用温
度範囲として製造メーカが推奨する温度範囲内で、好ま
しくは実際に使用する環境温度と同様の温度で実施する
ことが好ましい。もし、上記充放電サイクル試験を実施
する環境温度が、容量推定を行う実使用上の環境温度と
大きく異なる場合は、放電容量の温度依存性のデータか
ら容量を補正して定数AおよびBを決定する。 (実施の形態3)本発明に係るLiイオン電池の劣化判
定装置においては、リチウムイオン電池を定電流定電圧
方式によって充電する際の上記時間tを求める手段と、
該時間tを用い上記関係式(1)によって該リチウムイ
オン電池の推定比容量Ce/C0を算出する演算回路
と、該演算回路によって算出された該推定比容量Ce/
C0の値を表示する手段あるいは該推定比容量Ce/C
0の値に基づく該リチウムイオン電池の劣化状態の判定
結果を表示する手段あるいは該判定結果に基づき、必要
に応じて、該リチウムイオン電池の劣化を警告する警告
音を発する手段とを備えていることを特徴とする。
あって、本発明に係るLiイオン電池の容量推定方法の
機能と、該容量推定の結果に基づいて該リチウムイオン
電池の劣化状態を判定する機能とを備えた装置の一構成
概念を示したものである。
1には、Liイオン電池2a、2b、2cが搭載され、
これらの電池2a、2b、2cは電源部1内の電池制御
部3で充放電、安全に関する制御がなされる。4は電源
部1内の充電器であり、電池制御部3で制御をうけて電
池2a、2b、2cを充電する。5は論理部であり、論
理部5には、インターフェイス6とCPU7とメモリ8
とキーボードコントローラ9とがあり、電池制御部3は
インターフェイス6を介してCPU7と繋がり、搭載電
池2a、2b、2cに関する情報や制御の実施の指示を
受け、逆に、電池制御に関するデータをCPU7に送出
する。論理部5内において、CPU7とメモリ8とは、
制御の指示、データの演算、電池の制御に関する情報の
蓄積、データの記憶などを行う。電池2a、2b、2c
のID入力などはキーボードコントローラ9を介して行
う。キーボードコントローラ9にはデータ送出のための
配線10が接続されている。
7の空きメモリなどにあらかじめ入力されるか、あるい
は必要ならばCPU7に加えてメモリチップを増設して
入力される。さらに、論理部5内には、関係式(1)に
よって該リチウムイオン電池の推定比容量Ce/C0を
算出する演算回路および該推定比容量Ce/C0の値に
基づいて該リチウムイオン電池の劣化状態を判定する判
定演算回路が組み込まれており、論理部5内において該
判定演算回路による判定結果が形成される。CPU7
は、電池制御部3に、定電流(CC)モード充電におけ
る充電電圧が、使用電圧範囲内の電圧Vsに達してから
CCモード充電がCVモード充電に切り替えられるまで
の時間tを測定する指示を行い、逆に、電池制御部3か
ら充電時間tのデータを受け取る。さらに、CPU7
は、受け取った時間tを関係式(1)に代入して演算を
行い、推定比容量Ce/C0の値を算出し、さらに該推
定比容量Ce/C0の値に基づいて該リチウムイオン電
池の劣化状態を判定するする。すなわち、論理部5は、
本発明に係るLiイオン電池の容量推定方法および劣化
状態判定の機能をも備えている。必要ならば、この推定
比容量Ce/C0の値をメモリ8に記憶させる。
置は、図2に示された装置を、配線10を介して、該リ
チウムイオン電池の劣化状態の判定結果を表示する手段
あるいは該判定結果に基づき、必要に応じて、該リチウ
ムイオン電池の劣化を警告する警告音を発する手段を備
えた装置と連結することによって構成される。配線10
を介して、図2に示された装置と連結される上記装置
が、上記演算回路によって算出された推定比容量Ce/
C0の値を表示する手段をも備えていれば該リチウムイ
オン電池の劣化を定量的に把握することができて好都合
である。
電池の劣化判定装置を構成することができる。ただし、
本発明は、上記概念になるLiイオン電池の劣化判定装
置が構成できれば、何ら上記の構成に限定されることは
ない。 (実施の形態4)本発明におけるLiイオン電池の容量
推定方法は、またLiイオン電池のパック内の制御用マ
イコン、あるいは必要ならば簡単な増設メモリをパック
内に付与することによって電池パックに適用することが
できる。本発明におけるLiイオン電池の容量推定方法
を電池パックに適用して、本発明に係るLiイオン電池
パックを構成する具体的一構成例を図3に示す。
路構成を示した図であり、Liイオン電池(12-1、
12-2、12-3)を3セル直列にして搭載した場合を
示している。
り、12-1、12-2、12-3はLiイオン電池であ
る。13は保護用ICであり、電圧、電流、温度などの
モニタ、ソフト的な安全制御を行う。14-A、14-
B、14-C、14-1、14-2、14-3はパック本体
11内、および各電池の充電電流制御を目的とするFE
Tであり、15は温度ヒューズであるPTC素子、16
は電流ヒューズであり、それぞれ温度上昇時、異常大電
流時に電流を遮断する役目を負う。17はプラス端子、
18はマイナス端子であり、19は情報出力、コントロ
ールのための端子である。
13内にタイマーを搭載し、空きメモリに上記関係式
(1)をあらかじめ入力し、推定比容量Ce/C0を算
出する演算回路を形成しておく。
され、定電流定電圧(CC−CV)方式による充電が行
われる場合に、図3におけるLiイオン電池12-1、
12-2、12-3の両端の電圧を保護用IC13がモニ
タし、充電の定電流(CC)モード充電における充電電
圧が、放電終止電圧Vd以上で充電上限電圧Vcよりも
小となるようにあらかじめ設定された任意の開始電圧V
sに達してからCCモード充電がCVモード充電に切り
替えられるまでの経過時間tをカウントし、この測定さ
れた時間tの値を関係式(1)に代入、演算して推定比
容量Ce/C0を算出する。必要ならば、保護用IC1
3とは別にパック内の適当な位置に増設ICを設けるこ
ともできる。
ィスプレイに表示したり、あるいは警告音などを発出す
るために充電装置本体に出力される。
の最小限の変更によって、本発明に係るLiイオン電池
パックを構成することができる。ただし、本発明は、上
記概念になるLiイオン電池の容量推定が実施できれば
何ら上記の構成に限定されることはない。
方法、および該容量推定機能を具備したLiイオン電池
パックの適用としては、特にバックアップ電源など高信
頼性を必要とする機器が考えられ、該容量推定によって
的確な電池の劣化状態を把握しタイムリーな電池の交換
を実現することによって、機器のトラブルを回避する。
しかしながら、Liイオン電池を搭載する機器であれば
何ら該容量推定の方法、および容量推定機能を具備した
Liイオン電池パックを採用することに問題はなく、し
かもムダのない電池交換を実現することができるため使
用する利点はきわめて大きい。
推定方法および劣化判定装置ならびにLiイオン電池パ
ックについて、具体的実施例によって説明するが、本発
明は何らこれに限定されることはない。 (実施例1)円筒型Liイオン電池(18650型、公
称容量1350mAh)について、データ収集・保管機
能を有する電池充放電自動試験装置を用いて、試験温度
を25℃に設定し、充電電流値45mA(0.033C
mA)、充電上限電圧4.1V、充電時間30日間の定
電流定電圧(CC−CV)方式による充電と、放電電流
値1350mAh(1.0CmA)、放電終止電圧2.
75Vの放電と、充電と放電との間に休止を1時間はさ
んだ充放電サイクル試験を5サイクル実施し、各サイク
ルにおける充電開始時からCCモード充電完了までの経
過時間t(hr)と、放電電流を時間に関して積分して
得た放電容量Cの公称容量C0に対する比容量C/C0
を求めた。
充放電サイクル試験の結果を示した経過時間tと比容量
C/C0の関係を示した図であり、図中の○は上記充放
電サイクル試験で求めたデータであり、これらのデータ
から、推定比容量Ce/C0を時間tの関数として表す
上記関係式(1)における定数AおよびBを求め、下記
の関係式(2)を作成した。
なわち、時間を単位として、tを無次元数で表したもの
でなければならないが、これを、便宜上、単にtで表
す。以下の式においても同様とする。
池(公称容量1350mAh)を用意し、充電電流45
mA(0.033CmA)、充電上限電圧4.1V、充
電時間30日間の定電流定電圧(CC−CV)方式によ
る充電と、放電電流1350mA(1.0CmA)、放
電終止電圧2.75Vの放電と、充電・放電の間に10
分間の休止をはさんだ充放電サイクルを実施して、各サ
イクルごとのCCモード充電の所要時間t(hr)と放
電容量Cの公称容量C0(1350mAh)に対する比
容量C/C0とを記録し、上記に示した関係式(2)の
妥当性を検討した。
タは直線で示した関係式(2)の値に極めて近く、優れ
た容量推定結果を示しうることが判る。
関係式を作成する際に、上記の関係式と同種のLiイオ
ン電池を用い、充電電流値を135mA(0.1Cm
A)とした以外は同じ条件の試験によって関係式作成を
試みた。取得した比容量C/C 0とCCモード充電完了
までの所要時間tとの関係を図5に示した。
例として、関係式作成のために充電電流値を0.1Cm
Aに変更して取得した比容量C/C0とCCモード充電
完了までの所要時間tの関係を示した図であり、図中の
●印が取得データを示す。図5より明らかなように、充
電電流値を0.05CmAより大きくした場合、比容量
C/C0と時間tとの間には直線関係は成り立たず、精
度の高い関係式の作成は不可能であることがわかる。 (実施例2)角形Liイオン電池(公称容量600mA
h)4個を用いて、充電電流値20mA(0.033C
mA)、放電電流値600mA(1.0CmA)、充電
時間を、2.5日、3日、30日、35日間とした以外
は実施例1と同一条件で最大5サイクルまでの充放電サ
イクル試験を行い、実施例1に示したと同様の手順で1
53日間の間にそれぞれの関係式を作成した。
電池から求めた関係式は Ce/C0=0.00961×t+0.704 (3) であり、充電時間3日で試験した電池から求めた関係式
は Ce/C0=0.0167×t+0.485 (4) であり、充電時間30日で試験した電池から求めた関係
式は Ce/C0=0.0180×t+0.447 (5) であった。充電時間を35日とした場合、充放電サイク
ルは2回のみであったが、この2サイクルのデータから
関係式を作成したところ Ce/C0=0.00627×t+0.801 (6) が得られた。
を評価するため、携帯電話に搭載されていた角形Liイ
オン電池(公称容量600mAh)を脱着し、正極端
子、負極端子に結線して電池充放電自動試験装置に設置
し、充電電流20mA(0.033CmA)、充電上限
電圧4.1V、総充電時間1日間、定電流定電圧(CC
−CV)方式の充電をし、1時間の休止の後、放電電流
600mA(1.0CmA)、放電終止電圧2.75V
で放電し、定電流(CC)充電に要した時間t(hr)
と放電容量Cの公称容量に対する比容量C/C0を求め
た。その結果、CC充電時間tは15.31時間、比容
量C/C0は63.5%であった。
5.31(hr)を、得られた各関係式(3)、
(4)、(5)および(6)に代入して、それぞれの推
定比容量Ce/C0と、推定誤差Err=C/C0−Ce
/C0=0.635−Ce/C0を求めた。
下である、充電時間3日とした試験で得られた関係式
(4)、および充電時間を30日とした試験で得られた
関係式(5)では、それぞれ、推定比容量Ce/C0が
74.1%、72.3%であり、推定誤差Errは−1
0.6%、−8.8%でいずれも±20%以内で良好な
推定を行えることがわかった。
試験で得られた関係式(3)を用いると推定比容量8
5.1%、推定誤差−21.6%となり、また、充電時
間を35日とした試験で得られた関係式(6)を用いる
と比容量89.7%、推定誤差26.2%となり、いず
れも誤差が大きく関係式としては用いられないことがわ
かった。
ち、充電時間を3日間とした場合の試験で得られた初期
の2サイクルのデータのみから関係式を作成すると Ce/C0=0.00579×t+0.819 (7) が得られ、これに同様にしてt=15.31を代入して
推定比容量Ce/C0と推定誤差Errを算出したとこ
ろ、推定比容量90.8%、推定誤差−27.3%とな
り、関係式を作成するためには2サイクルのみのデータ
では良好な関係式を提供できないことも明らかになっ
た。 (実施例3)実施例1と同様の円筒型Liイオン電池
(18650型、公称容量1350mAh)4個を用
い、放電電流値を135mA(0.1CmA)、270
mA(0.2CmA)、2700mA(2.0Cm
A)、および3000mA(2.2CmA)とした以外
は実施例1と同一の装置、試験条件によって充放電サイ
クル試験を行い、実施例1と同様の手順で関係式を求め
た。
ける関係式を求めるために実施した充放電サイクル試験
の結果を示した図であり、図中6−1は、充電電流値を
0.1CmAとした試験から求めた関係式 Ce/C0=0.00918×t+0.727 (8) を示す直線であり、6−2は、充電電流値を0.2Cm
Aとした試験から求めた関係式 Ce/C0=0.0242×t+0.255 (9) を示す直線であり、6−3は充電電流値を2.0CmA
とした試験から求めた関係式 Ce/C0=0.0205×t+0.372 (10) を示す直線であり、6−4は充電電流値を2.2CmA
とした試験から求めた関係式 Ce/C0=0.0521×t−0.552 (11) を示す直線である。
に使用されていたLiイオン電池パックを解体し、その
中の1本の円筒型Liイオン電池(18650型、公称
容量1350mAh)を取り出し、正極端子と電池側面
(負極)にリード線を半田付けし、これを電池充放電自
動試験装置に設置し、充電電流値45mA(0.033
CmA)、充電上限電圧4.1V、総充電時間1日間の
定電流定電圧(CC−CV)方式による充電を行い、1
時間の休止を行った後、放電電流値1350mAh
(1.0CmA)、放電終止電圧2.75Vの放電を行
い、定電流(CC)モード充電の所要時間t(hr)と
放電容量Cの公称容量C0に対する比容量C/C0を求
め、t=19.34、C/C0=0.671を得た。得
られた値t=19.34を上記に示した関係式(8)、
(9)、(10)および(11)に代入して推定比容量
Ce/C0を算出し、推定誤差Err=C/C0−Ce/
C0=0.671−Ce/C0を求めて容量推定精度を
評価した。
た試験から求めた関係式(9)では、推定比容量72.
3%、推定誤差−5.2%であり、放電電流値を2.0
CmAとした試験から求めた関係式(10)では推定比
容量76.8%、推定誤差−9.7%であり、本発明に
おける関係式を求めるための試験の放電電流値が0.2
CmA以上2.0CmA以下の範囲内のこれらの場合に
は、いずれも良好な推定結果が得られた。これに対し
て、本発明における関係式を求めるための条件が、上記
の放電電流値の範囲からはずれる、放電電流値が0.1
CmAの試験で求めた関係式(8)では、推定比容量9
0.5%、推定誤差−23.4%であり、また同じく上
記範囲からはずれる放電電流値が2.2CmAの試験で
求めた関係式(11)では、推定比容量45.6%、推
定誤差+21.5%であり、いずれも推定誤差が大き
く、精度の良いLiイオン電池の容量推定は困難である
ことが明らかになった。 (実施例4)円筒型Liイオン電池(18650型、公
称容量1350mAh)3本直列の電池パックの充電の
ため、充電上限電圧12.3V、充電電流値45mA
(0.033CmA)、総充電時間3日間とした定電流
定電圧(CC−CV)方式で充電し、充電時に該電池パ
ックの劣化判定を行う機能を有する充電器を作製した。
すなわち、図7は本実施例において作製した充電器の構
成を示した図であり、図中、20は本実施例において作
製した本発明の充電器であり、充電器20は商用電源2
1に端子22、および23で接続される。また、充電器
20に対し、Liイオン電池パック24が充電のために
端子25および26に接続され装着されるようにした。
る電気をAC/DCコンバータ27によって直流に変換
し、充電電流、パック電圧をモニタし、またサーミスタ
28により温度モニタを行いながら、電源マイコン2
9、充電制御用マイコン30により上述の充電条件と、
過充電、過放電、異常大電流、異常電池温度上昇など危
険状態を検知し回避をするための制御を行い電池パック
24を充電する。充電はスイッチ31により、充電完了
時、あるいは異常を検知した時、充電を停止する。充電
の完了、何らかの異常は制御用マイコン30から表示部
32に表示するようにした。
マイコン30に、実施例1において作成した関係式
(2)と、図8に示したフロー手順をプログラムしてあ
らかじめ入力しておき、電池電圧のモニタリングを利用
しながら内蔵タイマによりCC充電時間tを測定し、上
記関係式(2)に適用して、Liイオン電池パックの容
量を推定し、その結果に基づいて劣化判定を行い、表示
部32に判定結果を表示するようにした。
D(赤:充電中、緑:充電完了)と、劣化判定結果を表
示するしED(赤:電池取りかえ、黄:まもなく電池取
りかえ、緑:電池は取りかえ不要)と、劣化判定結果の
数値表示、異常の表示を行うLCDとから構成されてい
る。
み緑のLEDが点灯し、充電中は赤のLEDが点灯し、
それ以外の異常を示す場合には両方とも点灯しない。
結果である推定比容量の値が60%未満の場合は赤のL
EDが点灯し、直ちに新しい電池パックに交換すべきで
あることを示す。また、比容量が60%以上70%未満
の場合には、まもなく、すなわち使用条件にもよるが、
数カ月以内に電池パックを交換すべきであるため黄のL
EDを点灯させる。さらに比容量が70%以上の場合
は、電池パックは新品か、相当長期間使用が可能で取り
かえる必要がないため、緑のLEDを点灯させる。
を目的として設置している。電池パックの装着不良をは
じめ、安全性に関わる警告情報など、正常に充電を行う
ことが困難であることを示したり、劣化判定結果を数値
で示したりする。また、商用電源の突然の停止の場合に
は、装着した電池パックの電圧が8.25Vより高い場
合のみ、装着電池パックから電流を供給して電源切れを
表示するようにしてある。
ずしも完全放電後に行われるとは限らないため、充電制
御用マイコン内にあらかじめ充電電圧の時間変化のデー
タを入力しておき、充電開始時の電池パック電圧をモニ
タし、8.25V(2.75V/セル)以上11.7V
(3.9V/セル、上限電圧4.1V/セルより0.2V
/セル低い値)以下の1.15Vきざみの電圧、すなわ
ち 8.25V、9.40V、10.55V、11.70
V、 で示される4つの電圧のうち、充電開始電圧より高く、
この開始電圧に最も近い値から時間計測を開始し、充電
上限電圧12.3Vに到達しCCモード充電が完了する
までの時間t”を計測して、上記入力データと比較演算
を行って8.25Vから12.3VまでのCCモード充
電所要時間tに換算して劣化判定を行うようにした。
入力した劣化判定手順フローは以下の通りである。すな
わち、 手順A:充電器に電池パックを装着して充電を開始し、
パック電圧をモニタし、パック電圧Vが V=8.25、9.40V、10.55V、11.70
V を満たす値に到達したかどうかを電圧モニタで監視 手順B:上記のいずれかの値にパック電圧Vが到達した
ら時間計測を開始し、タイマカウンタを充電上限電圧1
2.3Vまで継続する 手順C:パック電圧Vが充電上限電圧12.3Vに到達
したら時間計測終了し、充電開始電圧が放電終止電圧
8.25Vの場合はそのまま、この時間tを劣化判定に
用いる 手順D:充電開始電圧が8.25Vより高かった場合、
計測した時間は、あらかじめ内蔵しておいた充電電圧の
時間変化のデータと比較演算して、8.25Vから1
2.3VまでのCCモード充電所要時間に換算し、この
値をtとして劣化判定に用いる。求めた時間tを関係式
(2)に代入して、推定比容量Ce/C0を算出する 手順E:算出された結果をLCDとLEDに表示する。
推定結果である推定比容量の値に応じて、上述したよう
に赤、黄、緑のいずれかのLEDを点灯させ、同時にL
CDに推定比容量の数値を表示する。LCD表示は30
秒間、LEDは充電器が商用電源に接続されている間点
灯させる。
使用済みの同タイプの電池パックを装着し、充電した。
充電開始後15.7時間で劣化判定結果が表示され、L
CDには(推定)比容量62.0%と表示され、黄色の
LEDが点灯した。
動試験装置に設置し、放電電流値1350mA(1.0
CmA)、放電終止電圧8.25Vに設定して定電流放
電を実施し、放電容量を求めたところ、860.0mA
hであった。これは、比容量にすると63.7%とな
り、上記の推定比容量の誤差は約1.7%であった。
ン電池の劣化判定装置を用いて、精度の高い劣化判定を
行うことが可能であることが明らかになった。 (実施例5)充電上限電圧12.3V、充電電流45m
A(0.033CmA)、総充電時間3日間の条件で定
電流定電圧(CC−CV)モード充電を行う機能を有し
たラップトップコンピュータに搭載する、図3に示す構
成のLiイオン電池パックを作製した。上記電池パック
は円筒型セル(公称容量1350mAh)12−1、1
2−2、および12−3の3セル直列のパックであり、
保護用ICに関係式(2)と、実施例4で示したのと同
様に、充電電圧の時間変化の基礎テータをあらかじめ入
力して、放電終止電圧8.25Vより高いパック電圧か
ら充電された場合でも、8.25Vから12.3Vまで
の定電流(CC)モード充電所要時間を算出可能とする
ようにしてある。
の保護用IC13のメモリには、Liイオン電池12−
1、12−2、12−3各セルの両端の電圧をモニタ
し、CCモード充電における放電終止電圧Vd以上充電
上限電圧Vc以下のあらかじめ設定された任意の開始電
圧Vsから、該Vsより高い 充電電圧=8.25V、9.40V、10.55V、1
1.70V を満たす最も近い充電電圧からCCモード充電が完了す
る充電上限電圧12.3Vに到達するまでの経過時間t
をカウントし、この測定された時間tの値を上記関係式
(2)に代入、演算して推定比容量Ce/C0を算出す
るプログラムがあらかじめ入力してある。
パックを搭載する機器本体の液晶ディスプレイに表示す
るために装置本体に出力する機構になっている。
値がパーセントで表示されるとともに、バーの長さのパ
ーセント数値に相当する割合が塗りつぶしで示されるよ
うになっている。
開始と同時に発出される。劣化判定実施のための手順フ
ローは、図8において、結果の表示が機器本体のディス
プレイに表示されるために本体に結果を送出する以外は
図8と同様である。
装着し、1時間使用した後、商用電源に接続して充電を
開始し、充電開始後に表示されたディスプレイを見たと
ころ、上記電池パックの比容量推定結果は73%と表示
された。充電完了のサインがディスプレイ上に現れたの
を確認して、この機器をOFFにし、上記電池パックを
脱着し、適当な接続コードを用いて、電池充放電自動試
験装置に接続し、放電電流1350mA(1.0Cm
A)、放電終止電圧8.25Vで放電させ容量を測定し
た。その結果、放電容量は1093.5mAh、比容量
にして81.0%であった。
た比容量推定機能による比容量推定結果は誤差−8.0
%と優れた推定精度を示すことが明らかになった。
て、Liイオン電池の容量を推定する簡便な方法、Li
イオン電池の劣化を判定する簡便な装置、ならびに、電
池の容量を推定する機能を備えたLiイオン電池パック
を提供することが可能になり、Liイオン電池の管理に
おいてきわめて大きな貢献を果たすことができる。
流定電圧(CC-CV)方式充電における充電電圧(電
池電圧)と充電電流値の時間的変化の概念を説明した図
である。
を具体的に適用するLiイオン電池搭載装置の一般的な
電源部周辺の一構成概念を示した図である。
オン電池パックの一般的な回路構成例を示した図であ
る。
の結果を示した経過時間tと比容量の関係を示した図で
ある。
流値を0.1CmAにして充放電サイクルで求めたCC
モード充電の所要時間tと比容量との関係を示した図で
ある。
充電の所要時間tと比容量との関係を示した図であり、
求めた関係式を示した図である。
成を示した図である。
順を示したフロー図である。
電池制御部、4…充電器、5…論理部、6…インターフ
ェイス、7…CPU、8…メモリ、9…キーボードコン
トローラ、10…配線、11…電池パック本体、12-
1、12-2、12-3…Liイオン電池、13…保護用
IC、14-A、14-B、14-C、14-1、14-
2、14-3…FET、15…PTC素子、16…電流
ヒューズ、17…プラス端子、18…マイナス端子、1
9…情報出力、コントロールのための端子、20…充電
器、21…商用電源、22、23…商用電源と充電器と
を接続する端子、24…Liイオン電池パック、25、
26…充電器と電池パックとを接続する端子、27…A
C/DCコンバータ、28…サーミスタ、29…電源マ
イコン、30…充電制御用マイコン、31…スイツチ、
32…表示部。
Claims (4)
- 【請求項1】リチウムイオン電池の容量推定方法であっ
て、 リチウムイオン電池を定電流定電圧方式によって充電す
る際に、該リチウムイオン電池の公称容量をC0とした
ときの充電電流をC0/(20時間)以下とし、定電流充
電中の充電電圧があらかじめ設定された電圧Vsに達し
てから充電上限電圧Vcに達するまでの時間tを求め、
該電池の推定比容量Ce/C0(ここに、Ceはこの電
池の推定容量である)を関係式、 Ce/C0=At+B (1) (ここに、AおよびBは該電池、電圧Vs、電圧Vcお
よび該定電流充電中の充電電流によって定まる正値定数
である)によって算出することを特徴とするリチウムイ
オン電池の容量推定方法。 - 【請求項2】請求項1に記載のリチウムイオン電池の容
量推定方法であって、 容量推定の対象となるリチウムイオン電池と同一種類の
リチウムイオン電池を用い、 1回の全充電時間が3日以上10日以下であり、該リチ
ウムイオン電池の公称容量をC0としたときの充電電流
がC0/(20時間)以下である定電流定電圧方式による
充電期間と、放電電流がC0/(5時間)以上C0/(0.
5時間)以下であり放電終止電圧がVdである放電期間
と、必要に応じて該充電期間と該放電期間との間に設け
られる休止期間とを有する充放電サイクルを3回以上繰
り返して、 各サイクルにおいて、定電流充電中の充電電圧があらか
じめ設定された電圧Vsに達してから充電上限電圧Vc
に達するまでの時間tn(ここに、nは各サイクルに付
した番号である)と、各サイクルごとに放電電流を時間
に関して積分して得られる放電容量Cnとを記録し、記
録された該時間tnと該放電容量Cnとから、上記関係
式(1)におけるAおよびBの値を確定することを特徴
とするリチウムイオン電池の容量推定方法。 - 【請求項3】リチウムイオン電池の劣化判定装置であっ
て、 リチウムイオン電池を定電流定電圧方式によって充電す
る際の上記時間tを求める手段と、該時間tを用い上記
関係式(1)によって該リチウムイオン電池の推定比容
量Ce/C0を算出する演算回路と、該推定比容量Ce/
C0の値に基づいて該リチウムイオン電池の劣化状態を
判定する判定演算回路と、該判定演算回路による判定結
果を表示する手段あるいは該判定結果に基づき、必要に
応じて、該リチウムイオン電池の劣化を警告する警告音
を発する手段とを備えていることを特徴とするリチウム
イオン電池の劣化判定装置。 - 【請求項4】ICを内蔵した充放電制御手段を備えたリ
チウムイオン電池パックにおいて、該ICあるいは該I
Cに付設して増設されたICが、該リチウムイオン電池
パック中のリチウムイオン電池の上記推定比容量Ce/
C0の算出に用いる数値を記憶するメモリと、該数値が
該メモリに記憶された場合に該リチウムイオン電池を定
電流定電圧方式によって充電する際の上記時間tと該数
値とから上記関係式(1)によって該推定比容量Ce/
C0を算出する演算回路と、該演算回路が算出した該推
定比容量Ce/C0算出結果を出力する手段とを有して
いることを特徴とするリチウムイオン電池パック。
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