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JP2001327561A - チルトテーブル - Google Patents

チルトテーブル

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JP2001327561A
JP2001327561A JP2000150931A JP2000150931A JP2001327561A JP 2001327561 A JP2001327561 A JP 2001327561A JP 2000150931 A JP2000150931 A JP 2000150931A JP 2000150931 A JP2000150931 A JP 2000150931A JP 2001327561 A JP2001327561 A JP 2001327561A
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mat
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speed
tilting
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JP2000150931A
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JP4980509B2 (ja
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Akio Tagawa
田川昭夫
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Minato Medical Science Co Ltd
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Minato Medical Science Co Ltd
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Publication date
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Publication of JP2001327561A publication Critical patent/JP2001327561A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】荷重に依存しないで、所定の速度で正確に傾動
させることのできる、また、マットの高さ調節が簡単な
チルトテーブルを提供する。 【解決手段】マット部を傾動させる傾動機構部に速度制
御可能な電動モータを使用し、このモータの回転数を検
出して電気パルス信号に変換し、これを計数してパルス
数を求め、一方、所定の速度で傾動させたときのモータ
回転速度をパルス数で記憶させておき、所定の傾動速度
でパルス数と現在のパルス数とを比較し、モータの回転
速度を所定の速度になるように制御し、マットを所定の
速度で傾動させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はリハビリテーション分
野で起立訓練に用いるチルトテーブルの改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】チルトテーブルは、患者を載せたマット
を水平位から垂直位まで傾動させ、患者を強制的に立位
にし、長期臥床患者の起立訓練や、足関節が拘縮した患
者の足関節矯正訓練等をおこなうものである。
【0003】図4に従来の装置の例を示す。図4(A)
は装置の側面図で、(B)はマット部の傾動や昇降に使
用するリニアヘッドのモータを駆動する回路の例であ
る。図の41は患者を載せるマット部、42はマット部
41を傾動させるための傾動用リニアヘッド、43はマ
ット部41や傾動用リニアヘッド42等を載置し、パン
タグラフ44に載置される傾動部基台、44はマット部
41を昇降させるためのパンタグラフ、45はパンタグ
ラフを駆動しマット部1を昇降させる昇降用リニアヘッ
ド、46は装置全体を載置する基台、47は装置を移動
させるときに使用するキャスタ、48は起立訓練中に患
者の腕を支えるアーム、49は起立時に患者の足を支え
る足載せ台、4Aは制御部、4Eはモータの電源、4R
はモータに流れる電流を規定する抵抗、4Mは動力源と
なるモータである。
【0004】マット部41は、患者を載せるマットと、
マットを載置するフレームとで構成され、傾動部基台4
3と軸Oで回転自在に結合されている。また、傾動部基
台43には傾動用リニアヘッド42が固定され、傾動用
リニアヘッド42のヘッド先端部は軸Cでマット部41
に接続されており、傾動機構部を構成している。このた
め、傾動用リニアヘッド42を作動させると、マット部
41は軸Oを中心に傾動する。
【0005】傾動部基台43はパンタグラフ44の上に
載置され、パンタグラフ44は基台46に載置されてい
る。また、パンタグラフ44の可動脚側に昇降用リニア
ヘッド45が接続され、昇降部を構成している。このた
め、昇降用リニアヘッド45を作動させると、パンタグ
ラフ44の高さが変化し、傾動部基台43とその上に載
置したマット部41等を昇降させることができる。
【0006】制御部4Aは装置全体の制御を行うもの
で、図には示していないが、そのパネル面に、昇降、傾
動、訓練開始、緊急停止、タイマーその他のスイッチ類
や、傾斜角度や治療時間等の表示器等を設けている。
【0007】以下に、図4に示したチルトテーブルの使
用法を説明する。訓練の前に、図4のように、アーム4
8をマット部41の裏に収納し、制御部4Aのパネル面
に付けた傾動スイッチを操作し、傾動用リニアヘッド4
2を作動させてマット部41を水平にしておき、そこに
患者が乗ったストレッチャーを横付けする。
【0008】ストレッチャーとチルトテーブルのマット
の高さが異なると、患者を移乗させるための介助者の労
力が大きくなるので、制御部4Aの昇降スイッチを操作
して昇降用リニアヘッド45を作動させ、マット部41
の高さをストレッチャーの高さに合わせる。その後、患
者をマット部41に移乗させ、さらに、患者を足底部が
足載せ台49に接する位置に移動させ、図には記載して
いないが、ベルトで患者の大腿部や腹部等をマット部4
1に固定し、訓練中に患者が落下しないようにする。足
関節矯正訓練ではさらに、足関節の変形に合わせて足載
せ台49の角度を調節し、足の長さが左右で異なる場合
は、足載せ台49を身長方向に調節しておく。その後ア
ーム48をマット部41上の患者の前面にセットし、訓
練中の患者に持たせる。
【0009】このような準備が終了した後、操作部4A
の治療開始スイッチを押すと、まず、昇降用リニアヘッ
ド45が作動してマット部41を最低位まで低くし、続
いて、傾動用リニアヘッド42を作動させ、マット部4
1を垂直にして強制的に患者を起立させ、治療時間中、
この姿勢を持続させる。訓練開始時に、まずマット部1
を低い位置まで下げるのは、訓練前にストレッチャーか
ら移乗させる際、マット部41をストレッチャーに合わ
せて高くしているので、そのまま起立させると、患者の
目線が高くなり、患者は不安感を持つので、これを避け
るためである。起立訓練には、適切な傾動速度がある。
この傾動速度は厳密なものではないが、早すぎると訓練
初期の患者には心臓等への負担が大きく、遅すぎると訓
練後期の患者にはまどろこしく感じられ訓練校かが低下
する。また、ばらつきが大きいと、患者に応じた適切な
訓練ができなくなる。このため適切と考えられる速度を
設定している。強制的に立位にし、起立姿勢を持続する
ことがこの訓練であり、長期臥床患者は立位姿勢に順応
することができ、また、足関節に変形がある場合は自重
によって変形を矯正することができる。
【0010】訓練時間が終了すると、自動的に傾動用リ
ニアヘッド42が作動し、マット部41を水平にする。
しかし、前述のように、訓練開始直後、一旦、マッ部4
1を低くした後起立させているので、訓練終了後にマッ
ト部41が水平になったとき、マット部41の高さはス
トレッチャーよりも低くなっている。このままでは移乗
させ難いので、再度制御部4Aの昇降スイッチを操作し
て、マット部41をストレッチャーの高さに合わせて、
患者を移乗させる。
【0011】ここでは、傾動と昇降の駆動源にリニアヘ
ッドを用いた例を示した。リニアヘッドはモータの回転
運動を直線運動に変換するものであり、この例では、リ
ニアヘッドの推力でマット部を傾動又は昇降させるよう
にしている。装置によっては、リニアヘッドの代わり
に、油圧シリンダや、モータと歯車を組み合わせたも
の、エアシリンダ等も用いられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のリニアヘッドを
用いたチルトテーブルは特開平8−196574に、油
圧シリンダを用いたものは実平2−32284に、それ
ぞれ技術が開示されている。しかし従来のチルトテーブ
ルは一定速度で傾動させるようにしていたので、図4
(B)に示すように、リニアヘッドに一定の電流を流し
ていた。このため、負荷(患者の体重)が一定であれば
一定の速度で傾動するが、負荷が異なると傾動速度が変
化するという問題があった。油圧シリンダ用いたものは
作動油量を一定にして使用していたので、やはり負荷の
影響を受ける。
【0013】一方、疾患の程度によって傾動速度を変化
させたいという要望もあった。つまり、訓練初期には患
者の負担にならないようにゆっくりと傾動させ、訓練が
進み症状が回復すると早く傾動させたいという要望があ
った。また、1回の傾動時の傾動速度を一定ではなく、
傾動角度に応じて傾動速度を変化させたいという要望も
あった。これを解決するために、実公平6−1139
は、油圧シリンダを用いたチルトテーブルにおいて、作
動油の量を調節して、傾動速度を制御する技術を開示し
ている。しかしこの考案による装置は、油圧シリンダの
他に、作動油の流量や流路などを制御する制御弁類を追
加する必要があるので、高価になる。また、応答速度が
遅いので、きめ細かな制御には限度がある。
【0014】リニアヘッドを用いたチルトテーブルで
も、マット部の傾動角度をポテンショメータで検出し、
傾動速度を制御する技術は実用化されている。しかしこ
の方法で正確な速度分解能を得ようとすると、高周波回
路が必要になり、温度特性の補償等も必要になり、電気
回路が複雑になる。本発明の第1の課題は、これらの課
題を解決し、正確に所定の速度でマット部を傾動させ、
しかも、任意に傾動速度を制御することができる、構成
が簡単で安価な、信頼性の高いチルトテーブルを提供す
ることである。
【0015】一方、前述のように、起立訓練前後に、頻
繁にのマット部41の高さを調節する。これは簡単そう
に見えるが、実際には微調節には手間がかかる。また、
訓練中に起立性低血圧等に患者状態が急変することもあ
り、手早く対応しなければならこともある。本発明はの
第2の課題は、これらの課題を解決し、面倒な高さ調節
をワンタッチでできるようにし、介助者の労力を省力化
し、緊急時に手早く対応できるようにすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明では、患者を載せるマット部
(1)と、マット部(1)を傾動させる傾動機構部
(2)と、マット部(1)や傾動機構部(2)等を載置
する基台(3)と、装置の制御をおこなう制御部(4)
とを有するチルトテーブルにおいて、傾動機構部(2)
の動力源に速度制御が可能な電動モータ(12)を用
い、マット部(1)を所定の速度で傾動させたときの電
動モータ(12)の回転速度を検出してパルス信号に変
換し、このパルス信号を所定の時間窓で計数してパルス
数N0を求めて予め記憶させておき、マット部(1)を
傾動させたときの電動モータ(12)の回転速度を検出
してパルス信号に変換し、このパルス信号を所定の時間
窓で計数してパルス数Nを求め、測定したパルス数Nと
記憶させているパルス数N0とを比較部(15)で比較
し、比較部(15)の出力を受けとり、パルス数NとN
0との差が所定の範囲に入るようにモータ電源制御部(1
7)でモータ電源(11)を制御して、モータ(12)
の回転速度を制御し、マット部(1)が所定の速度で傾
動するようにした。
【0017】また、請求項2記載の発明では、電動モー
タ(12)にDCモータを用い、DCモータの電源(1
1)を測定し、DCモータが回転したとき生じる電源の
リップルを抽出してパルス変換するようにして、パルス
変換部(13)とし、測定したパルス頻度Nと設定した
パルス頻度N0とを比較し、両者の差が所定の範囲に入
るように、モータ電源(11)を制御するようにした。
これにより、簡単で安価なパルス変換部13を実現する
ことができる。
【0018】さらに、請求項3記載の発明にでは、DC
モータ(22)の電源(21)にスイッチングレギュレ
ータ(24)を用い、高速で精度良くモータの回転数を
制御することができるようにした。
【0019】第2の課題を解決するために、請求項4記
載の発明では、マット部(1)を垂直方向に昇降させる
昇降部を有するチルトテーブルに、床からマット部
(1)までの高さを検出する高さ検出手段と、マット部
(1)の高さを記憶する記憶手段と、復帰スイッチと、
を付加し、復帰スイッチを押すだけで、マット部(1)
の高さを、記憶させた高さに、自動的に調節するように
した。これにより、ワンタッチで、簡単に、マット部
(1)の高さを所定の高さにすることができる。
【0020】請求項5記載の発明では、より正確に高さ
を検出することができるように、マット部(1)を昇降
させる昇降機構部の駆動源に電動モータを用い、請求項
1から3に記載した方法で、モータ回転速度を検出して
これを電気パルス信号に変換し、パルス計数をするよう
にし、予め、マット部(1)の基準からの高さとパルス
数の関係を求めておき、昇降時にパルス数を計数し、基
準位からの高さとパルスの関係を参照して、マット部
(1)の高さを求めるようにした。
【0021】
【作用】請求項1記載の発明により、マット部の傾動速
度はモータの回転速度で測定し、モータの回転速度はパ
ルス信号に変換してパルス数Nとして測定される。一
方、所定の速度で傾動しているときのモータ回転速度に
対応するパルス数N0を予め測定し記憶させている。こ
の記憶しているパルス頻度N0と測定したパルス頻度N
とを比較し、その差が所定の範囲に入るように、モータ
電源を制御し、モータの回転速度、つまり、マットの傾
動速度を制御する。このため、マット部の傾動速度を所
定の値に正確に制御することができる。設定パルス頻度
0は任意に変更できるので、これを経時的に変化させ
ると、これに追従させて、モータの回転速度、つまり、
マット部の傾動速度を、任意に変化させることができ
る。
【0022】請求項2記載の発明では、マット部を傾動
させるモータにDCモータを使用し、モータ電源を測定
し、モータが回転したとき発生する電源のリップルを抽
出してパルス変換するようにした。このパルス信号は、
パルス計数部で一定の窓時間で計数され、パルス数Nが
得られる。一方、予め、所定の傾動速度時のパルス数N
0を記憶している。パルス頻度NとN0を比較し、両者の
差が所定の範囲内に入るように、モータ電源を制御す
る。本請求記載の発明により、簡単で安価な回路構成で
パルス変換部を実現することができ、正確にモータの回
転速度を制御することができる。
【0023】請求項3記載の発明では、モータの電源に
スイッチングレギュレータを用いたので、モータ電源制
御部の信号に高速に応答してモータの回転速度を制御す
ることができる。
【0024】請求項4記載の発明により、高さ検出手段
により現在のマット部の高さを検出し、復帰スイッチを
押すと、自動的に、記憶している所定の高さにマットの
高さを調節する。
【0025】請求項4記載の発明により、精度の高い高
さ検出手段を実現することができたので、復帰スイッチ
を押したとき、マット部1の高さをより正確に調節する
ことができる。
【0026】
【実施例】図1(A)は本発明の概観例であり、(B)
は使用するモータを制御する概念を示す回路である。モ
ータの回転速度は、図1(B)に示すように、モータに
流す電流を変化させて制御する。図1の1は患者を乗せ
るマット部、2はマット部を傾動させる傾動用リニアヘ
ッド、3はマット部1や傾動用リニアヘッド2等を載置
する傾動部基台、4は昇降用のパンタグラフ、5はパン
タグラフの可動脚を駆動してマット部1等を昇降させる
昇降用リニアヘッド、6は昇降用リニアヘッド4やパン
タグラフ6等装置全体を載置する基台、7は基台6に付
けたキャスタ、8は訓練中に患者が手で持つアーム、9
は患者の足を載せる足載せ台、Aは装置の制御部、Bは
パンタグラフ4の脚の傾きを測定するポテンショメー
タ、Oは傾動部基台3とマット部1の結合部の回動軸、
Cはマット部1と傾動用リニアヘッド2の接続部であ
る。
【0027】制御部Aは装置の制御をおこなうもので、
そのパネル面に、昇降、傾動、訓練開始、緊急停止、タ
イマーその他のスイッチ類や、表示器等を設けている。
この例では、制御部Aは傾動部基台3に設置されている
が、取り付け位置はどこでもよく、チルトテーブル本体
と離して設置してもよい。マット部1は患者が載るマッ
トと、このマットを支持するフレームとから構成され、
このフレームにアーム8や足載せ台9、図には示してい
ないが患者固定バンド等を取り付けている。
【0028】マット部1は、傾動部基台3に、水平方向
の軸Oを中心に回動自在に載置されている。また、傾動
部基台3には傾動用リニアヘッド2が載置され、傾動用
リニアヘッド2の先端はマット部1とC点で接続され、
傾動部を構成している。このため、傾動用リニアヘッド
2を伸縮させると、軸Oを中心にマット部1を傾動させ
ることができる。
【0029】マット部1の傾動速度は、ほぼリニアヘッ
ドの直動速度に、つまり、内蔵モータの回転速度に対応
するので、この実施例では、傾動速度をモータの回転速
度で間接的に検出するようにした。図1(C)は請求項
1記載の発明によるモータ制御回路の例である。図の1
1はモータ電源、12は速度制御可能なモータ、13は
モータの回転数に比例したパルス数を出力するパルス変
換部、14はパルス変換部13の出力のパルスを所定の
時間窓で計数するパルス計数部、16は所定のモータ回
転数に対応するパルス数を記憶させる傾動速度設定メモ
リ、15はパルス計数部で計数されたパルス数Nと傾動
速度設定メモリ15に記憶させている所定のパルス数N
0を比較する比較部、17は比較部15の出力を受け取
り、図1(C)のようなアルゴリズムでモータ電源11
を制御するモータ電源制御部である。パルス変換部13
には光学式や磁気式のタコメータ等を使用することがで
きる。また、傾動速度設定メモリ15の内容は任意に書
き換えできるようにしている。
【0030】まず、マット部1を所定の速度で傾動させ
たとき、パルス変換部13でモータ12の回転速度を検
出して電気的なパルス信号に変換し、パルス変換部13
の出力をパルス計数部14で計数し、このパルス数N0
を傾動速度設定メモリ15に記憶させておく。計数の時
間窓は、使用するモータや傾動速度などを勘案して、実
験的に求めればよい。
【0031】マット部1を傾動させるとモータ12が回
転し、その回転数に比例したパルス頻度のパルスがパル
ス変換回路13から出力され、この信号はパルス計数回
路14で計数され、パルス数Nが得られる。比較部15
で、測定されたパルス数Nと記憶されている設定速度の
パルス数N 0とを比較し、その大小関係を表す信号を出
力する。比較部15の出力を受けて、モータ電源制御部
17は、図1(C)のアルゴリズムで、モータ電源11
を制御する。
【0032】つまり、パルス数NがN0よりも大きいと
きは、モータ12は所定の速度よりも早く回転している
と判断し、モータ電源制御部17で、モータ12の回転
速度が低下するように、モータ電源11を制御する。逆
に、NがN0よりも小さいときは、モータ12は所定の
速度よりも遅く回転していると判断し、モータ電源制御
部17で、モータ回転速度を上げるように、モータ電源
11を制御する。NとN0との差が一定範囲内であれ
ば、モータ電源11の制御はしない。このようにして、
常にモータ21の回転速度が所定の回転速度になるよう
に制御するので、マット部の傾動速度を正確に所定の速
度にすることができる。しかも、患者の体重の影響を受
けず、所定の速度で傾動させることができる。パルス計
数部14の計数時間窓は、必要な制御速度などを考慮し
て決定し、また、比較部15でNとN0の差が所定範囲
内と判断する不感帯は、マット部1の動きがスムースに
なるように決定している。この不感帯を小さくすると、
細かな動きが発生し、逆に、大きすぎると、大きく指導
するように運動するので、これらを勘案して、不感帯を
設定する。
【0033】請求項1記載の発明によると、傾動速度設
定メモリ15の内容を任意に書き換えることができ、こ
のため、様々な傾動パターンを実現することができる。
図2(A)は、傾動中、傾動速度設定メモリ15に記憶
させたN0を一定にしたときの傾動速度の図である。縦
軸は傾動速度、横軸は傾動角度である。しかし実際に
は、モータ12を一定速度で回転させると、図1(A)
の構成では、一定の傾動速度にはならないので、N0
変化させて一定の傾動速度にしている。図2(B)は、
一回の傾動時には傾動速度は一定であるが、傾動時毎に
傾動速度を切り替えたときの図である。この方法によ
り、訓練初期にはゆっくりした傾動速度で、回復してく
ると早い傾動速度でといったような、疾患の程度に応じ
たきめの細かい訓練をおこなうことができる。
【0034】図2(C)は、傾動を開始するとき、傾動
速度設定メモリ15の内容をゼロからN0まで連続的に
変化させ、停止時には逆に、N0からゼロまで変化させ
たときの例である。これにより、傾動開始時と停止時
に、機械的衝撃が発生しないので、患者に不安感や不快
感を与えない。図2(D)は一回の傾動時に、さまざま
に傾動速度を変化させる傾動パターンの例である。最初
はゆっくり、その後は早く傾動させるように、といった
患者に適した傾動をおこなうことができる。
【0035】請求項2記載の発明の実施例を、図3
(A)に示す。図の11はモータ電源、12はDCモー
タ、13はパルス変換部である。モータ12が回転する
と、逆起電力が発生し、電源にリップルが乗る。パルス
変換部13は、リップルの乗った直流を交流増幅し、リ
ップル成分だけを抽出して増幅し、これを波形整形回路
にかけることで、モータ12の回転数と比例した頻度の
パルス信号を得ることができる。図3(B)のVはリッ
プルの乗った電源電流の信号であり、これを直流増幅回
路で増幅し、波形成期回路をとおすと、図3(B)のp
に示すように、モータ回転と同期したパルス信号を得る
ことができる。
【0036】このようにして得たパルス信号は、図1
(C)のパルス計数部14で計数してパルス数Nを求
め、傾動速度設定メモリ16に記憶させているパルス数
0と比較部15で比較し、比較部15での出力を読ん
で、図1(C)のアルゴリズムに従って、モータ電源制
御部17でモータ電源11を制御する。このように、請
求項2記載の発明によると、簡単に、且つ安価な構成
で、モータの回転数に比例した頻度のパルス信号を得る
ことができ、モータ回転数を、つまりマットの傾動速度
を正確に、所定の速度に制御することができる。
【0037】請求項3記載の発明では、図1(C)のモ
ータ制御回路のモータ電源にスイッチングレギュレータ
を用い、モータ電源制御部17の信号でスイッチングレ
ギュレータの出力を制御するようにした。通常は、DC
モータの電源に、半端整流回路を用いることが多く、サ
イリスタの点呼角を制御して電源の出力を制御すること
ができるが、この回路にはスムージング用のコンデンサ
が含まれるので、応答が遅く、高速のモータ回転速度制
御はできず、マットの傾動速度を十分に制御することは
できない。また、半端整流回路には商用電源の変動があ
るので、モータの回転によるリップル成分を精度良く抽
出することはできない。本請求項記載の発明では、モー
タ電源11にスイッチングレギュレータを用いたので、
モータ電源制御部17の信号を受けるとすぐに出力電源
を調整できるので、拘束のモータ制御が可能になり、こ
のため、マットの傾動速度を制度よく、安定して制御す
ることができる。
【0038】以上の実施例では、傾動駆動部にDCモー
タを使用したリニアヘッドを用いたが、パルスモータや
トルクモータ等、速度制御が可能であれば、どのような
モータを用いてもよい。本請求項記載の発明は、リニア
ヘッドを用いたものに限定しないので、ギヤとモータを
組み合わせたものに適応してもよい。
【0039】請求項4記載の発明は、マット部の高さを
検出する手段と記憶する手段と、マットを記憶した高さ
に戻す復帰スイッチを設け、復帰スイッチを押すだけ
で、マットを所定の高さにすることができるようにした
チルトテーブルに関するものである。
【0040】これを実現するために、以下のような手段
を講じた。すなわち、マット部1の高さを検出するため
に、図1に示すように、基台6とパンタグラフ4の脚の
間にポテンショメータBを置き、パンタグラフ4の脚の
傾きを電気信号で検出するようにしている。ポテンショ
メータBの出力は制御部Aでマット部1の高さに換算さ
れる。
【0041】また、図には示していないが制御部Aには
記憶用スイッチを付けており、記憶部も内蔵させてい
る。マット部1をある高さにすると、そのときのパンタ
グラフ4の脚の傾きに応じて、ポテンショメータBの出
力が得られ、これが制御部Aで高さ情報に換算される。
このとき記憶用スイッチを押すと、マット部1の高さが
記憶部に記憶される。 キー入力で高さ情報を
入力することもできる。さらに、図には示していない
が、制御部のパネル面には復帰スイッチも取り付けてお
り、復帰スイッチを押すと、記憶部に記憶させた高さ
に、マット部1を調節するようにしている。
【0042】このため、チルトテーブルをストレッチャ
ーの高さに合わせると、このときのポテンショメータB
の信号は制御部Aで高さ情報に変換されているので、制
御部Aの記憶用スイッチを押すと、マット部1の高さ情
報が記憶部に記憶される。訓練を終了したり、途中で高
さ調節をすると、その後マット部1を水平にしたとき、
ストレッチャーの高さと異なる。このとき復帰スイッチ
を押すと、マット部1の高さを記憶させた高さに、ここ
ではストレッチャーの高さに、自動的に調節するので、
楽に患者を移乗させることができる。
【0043】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明の、高さ検出の精度を向上させるものである。高さ検
出部は、モータの回転数を検出する回転速度検出部、検
出した回転速度をパルス信号に変換するパルス変換部、
パルス変換された信号を計数する計数部、基準点からの
高さとそこまで昇降させるときに発生するパルス数の関
係表、等から構成される。基準点からある高さまで昇降
させると、計測されるパルス数はいくつか、前述の関係
表を参照して求めることができる。パルス数を累計して
加算すると、そのパルス数から、マットの高さを求める
ことができる。マット部を昇降させても、基準点から上
昇させるときにパルス数を加算し、下げるときに減算す
ると、累計したパルス数から、高さを求めることができ
る。ストレッチャーや車椅子等の移動装置の高さは、種
類によってほぼ一定の高さに定められている。このた
め、復帰スイッチと記憶部を、施設で使用する移動装置
の高さの種類、例えば3種類の高さの移動装置を使用す
るなら3種類、用意しておけば、どの移動装置を使用し
ても、ワンタッチで高さ調節をおこなうことができ、移
乗の介助作業が楽になる。
【0044】以下に装置全体の一連の動作を簡単に説明
する。訓練にあたり、制御部Aの操作パネルに設けた傾
動スイッチを操作してマット部1を水平にし、アーム8
を収納して、患者の載ったストレッチャーを横付けす
る。操作パネルの昇降スイッチを操作して、昇降用リニ
アヘッド5を作動させ、マット部1の高さがストレッチ
ャーの高さと同じになるまで昇降させる。高さを合わせ
て、制御部Aの高さ記憶用キーを押すと、マット部1の
高さを記憶させることができる。既に、記憶部にストレ
ッチャーの高さが記憶させてあれば、復帰スイッチを押
すだけで、マット部1の高さを調節することができる。
【0045】その後、患者をチルトテーブルに移乗さ
せ、足底部が足載せ台に接する位置まで移動させ、必要
に応じて足載せ台の角度等を調節し、図には記載してい
ないがバンドで患者をマット部1に固定し、アーム8を
患者の前に出して手で持たせる。制御部Aのスイッチで
治療時間をセットすると、訓練の準備が終了する。
【0046】制御部Aの治療スタートキーを押すと訓練
が始まり、自動的にマット部1の高さが最低位まで下が
り、その後ほぼ垂直になるまで傾動させ、訓練時間が終
了するまで患者を起立させて訓練をおこなう。
【0047】通常は、請求項1記載の発明により、傾動
速度設定メモリ16に所定の傾動速度(パルス数N0
を予め記憶させて、図2(A)のように、一定の速度で
傾動させる。これに、図2に示した傾動パターンを組み
合わせ、回復状態に合わせて、傾動速度を選択できるよ
うにしている。また、図2(C)の制御を組み合わせ
て、傾動を開始又は停止するときに運動がスムーズにな
るようにしている。重症の患者にも適用できるように、
図2(D)のパターンも選択できるようにしている。こ
のようにして、きめの細かい、正確で効率的な訓練をお
こなうことができる。傾動時には、マット部1の傾動速
度は、傾動用リニアヘッド2のモータの回転速度を検出
し、パルス変換し、これを計数し、パルス頻度Nが得ら
れ、傾動速度設定メモリに記憶されているパルス頻度N
0と比較され、モータの回転速度が所定の値になるよう
に、直流電源21を制御する。このため、負荷の影響を
受けないで、設定通りの正確な傾動をおこなうことがで
きる。
【0048】訓練時間が過ぎると、マット部1は自動的
に水平になるが、通常は訓練開始時に低い位置に下げた
後傾動させるので、また、訓練中に手動で高さ調節をお
こなうことがあるので、訓練終了後はストレッチャーよ
りも低くなっている。そこで、請求項4記載の発明によ
り、復帰スイッチを押すだけで、マット部1を記憶させ
た所定の高さにすることができ、楽に患者をストレッチ
ャーに移乗させることができる。請求項5記載の発明に
よると、より正確な高さ検出ができ、このため、正確な
高さ調節が可能となる。ストレッチャー用と車椅子用の
復帰スイッチを設けておけば、いずれの移動装置を使用
しても、ワンタッチで高さ調節をおこなうことができ
る。
【0049】訓練中に緊急事態が発生し、訓練を中断し
ても、復帰スイッチを押すだけで自動的にストレッチャ
ーの高さにすることができるので、手早く適切な処置を
とることができる。
【0050】以上の説明では、図1に示すような、基台
6の上に昇降機構部を載置し、その上に傾動用基台3を
載置し、その上に傾動部をおく構造の装置について説明
したが、本発明はどのような構造のチルトテーブルにも
適用できる。
【0051】
【発明の効果】請求項1記載の発明により、実際の傾動
速度を検出しながら、所定の傾動速度になるように制御
するので、負荷(患者の体重)が異なっても、常に設定
通りの正確な速度で傾動させることができ、計画的な医
学的訓練が可能になる。また、傾動速度設定メモリの内
容を任意の値に設定できるので、患者の状態に応じた傾
動速度にすることができ、効率的で効果的な訓練が可能
になる。さらに傾動を開始又は停止するとき、傾動速度
を連続的に変化させることができるので、機械的な衝撃
が生じず、患者に不安感や不快感を与えない。また、一
回の傾動時の傾動速度を任意に変化させることができる
ので、途中まで傾斜させ、一旦停止し、再度傾動すると
いうことを繰り返すことができるので、患者の状態によ
り適した訓練をおこなうことができる。
【0052】請求項2記載の発明により、安価で簡単な
構成のパルス変換部を実現することができるので、タコ
メータ等、他のセンサを追加する必要はなく、しかも、
外部出力の付いていない安価なリニアヘッドを使用する
ことができるので、チルトテーブルの価格を低減するこ
とができる。また、構成がシンプルであるので、故障も
少なくなる。
【0053】請求項3記載の発明により、高速でモータ
制御をおこなうことができるので、マットの不安定な運
動は無くなり、従来よりもスムースに傾動させることが
できる。
【0054】請求項4記載の発明により、マット部の高
さを記憶させておくと、復帰スイッチを押すだけで、マ
ット部の高さを記憶させた高さに調節することができる
ので、介助者の省力化になる。この記憶部と復帰スイッ
チは複数個設けることができるので、複数の種類の移動
装置を用いる場合にも、ワンタッチで高さ調節をおこな
うことができる。
【0055】請求項5記載の発明により、より正確にマ
ット部の高さを検出することができ、このため、復帰ス
イッチを押したときの高さ調節も正確になり、複数回施
行したときのばらつきも小さくなる。また、簡単な電気
回路だけで済み、他のセンサを使用する必要はなく、デ
ジタル出力等のない、最も簡単で安価なモータを、昇降
駆動に使用することができるので、安価になり、故障の
頻度も少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の構成例であり、(B)はモー
タ制御の原理的な回路例、(C)は請求項1記載の発明
によるモータ制御回路の例、(D)は請求項1記載の発
明によるモータ制御のシーケンスの例であう。
【図2】請求項1記載の発明による傾動の派丹野例であ
り、(A)は一定速度の傾動パターンの例、(B)は一
定速度であるが、速度を切り替えたときの傾動パターン
の例、(C)は傾動開始時と停止時にモータの回転速度
をゼロから設定速度まで制御したときの傾動パターン、
(D)は一回の傾動時にモータ速度を変えながら傾動さ
せる傾動パターンである。
【図3】請求項2記載の発明による実施例で、(A)は
パルス変換部の構成ブロック図、(B)のVはDCモー
タの電源にリップルが乗ったときの電源波形、pはDC
モータの電源電流を交流増幅し、波形整形して得られた
パルス信号である。
【図4】従来のチルトテーブルの例であり、(A)はそ
の構成図、(B)はモータの制御回路である。
【符号の説明】
1、41・・・マット部 2、42・・・
傾動用リニアヘッド 3、43・・・傾動部基台 4,44・・・
パンタグラフ 5、45・・・昇降用リニアヘッド 6、46・・・
基台 7、47・・・キャスタ 8、48・・・
アーム 9、49・・・足載せ台 A、4A・・・
制御部 B・・・ポテンショメータ C、O・・・軸 11・・・モータ電源 12・・・・速
度制御可能なモータ 13・・・パルス変換部 14・・・・パ
ルス計数部 15・・・比較部 16・・・・傾
動速度設定メモリ 17・・・モータ電源制御部 1E、4E・・・電池(直流電源) 1R・・・・可
変抵抗 4R・・・固定抵抗 1M、4M、1
2・・・モータ V・・・モータ12の直流電源 P・・・パルス
信号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】患者を載せるマット部(1)と、マット部
    (1)を傾動させる傾動機構部と、マット部(1)や傾
    動機構部等を載置する基台(3)と、装置の制御をおこ
    なう制御部(A)とを有するチルトテーブルにおいて、
    傾動機構部の駆動源に速度制御が可能な電動モータ(1
    2)を用い、電動モータ(12)の回転速度を電気的パ
    ルス信号に変換し、このパルス信号を計数してパルス数
    Nを求めるようにし、マット部(1)の傾動速度又は傾
    動角度とパルス数Nとの関係を求めておき、また、所定
    のマット部(1)の傾動速度に対応するパルス数N0
    記憶させておき、測定したパルス数Nと記憶させている
    パルス数N0とを比較部(15)で比較し、比較部(1
    5)の出力を受けとり、パルス数NとN0との差が所定
    の範囲に入るように、モータ電源制御部(17)でモータ
    電源(11)を制御して、モータ(12)の回転速度を
    制御して、マット部(1)が所定の速度で傾動するよう
    にした、チルトテーブル。
  2. 【請求項2】電動モータ(12)にDCモータを用い、
    DCモータの電源を測定し、DCモータが回転したとき
    生じる電源のリップルを測定してパルス信号に変換する
    ようにしてパルス変換部(13)とした、請求項1記載
    のチルトテーブル。
  3. 【請求項3】モータ電源(11)にスイッチングレギュ
    レータを用いたことを特長とする、請求項1又は2記載
    のチルトテーブル。
  4. 【請求項4】マット部(1)を垂直方向に昇降させる機
    能を有する昇降式チルトテーブルに、床からマット部
    (1)までの高さを検出する高さ検出手段と、マット部
    (1)の高さを記憶する記憶手段と、復帰スイッチと、
    を付加し、復帰スイッチを押すと、マット部(1)の高
    さを、記憶させた高さに、自動的に調節するようにし
    た、チルトテーブル。
  5. 【請求項5】マット部(1)を昇降させる昇降機構部の
    駆動源に電動モータを用い、請求項1から3に記載した
    方法で、モータ回転速度を検出してこれを電気パルス信
    号に変換し、パルス計数をするようにし、マット部
    (1)の基準位からの高さとパルス数の関係を求めてお
    き、昇降時に得られたパルス数から、基準位からの高さ
    とパルスの関係を参照して、マット部(1)の高さを求
    めるようにした、高さ検出手段を有する、請求項4記載
    のチルトテーブル。
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