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JP2001324634A - グレーティング付き光導波路の製造方法 - Google Patents

グレーティング付き光導波路の製造方法

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Publication number
JP2001324634A
JP2001324634A JP2000144280A JP2000144280A JP2001324634A JP 2001324634 A JP2001324634 A JP 2001324634A JP 2000144280 A JP2000144280 A JP 2000144280A JP 2000144280 A JP2000144280 A JP 2000144280A JP 2001324634 A JP2001324634 A JP 2001324634A
Authority
JP
Japan
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optical waveguide
grating
refractive index
core
glass
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000144280A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Yamaguchi
山口  淳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピーク出力が高いレーザー光をガラス内部に
集光することによってガラスの内部に3次元的に形成さ
れた光導波路にグレーティングを形成させる方法を提供
する。 【解決手段】 光誘起屈折率変化を起こすエネルギー量
をもつレーザー光をガラス材料の内部に集光し、その集
光点をガラス材料の内部の所定経路に沿って相対移動さ
せてガラス材料の内部にコアを形成する光導波路の製造
方法において、前記レーザー光の強度、前記集光点にお
けるレーザー光の光束直径、および前記相対移動の速度
の少なくとも一つを周期的に変化させることにより、前
記コアの長さ方向に周期的な屈折率変調領域を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グレーティングが
形成されている光導波路に関し、特に、前記光導波路
が、レーザー照射によってガラス材料の内部に屈折率変
化領域を連続して形成することによって作製された、グ
レーティング付き光導波路に関する。
【0002】
【従来の方法】ガラスをベースとした光導波路は、イオ
ン交換法、火炎加水分解法等で形成されている。
【0003】イオン交換法では、ガラス基板表面に設け
た金属膜等のスリット状開口部からAg+、Tl+、K+
またはLi+イオンを含む溶融塩をガラス基板表面層に
接触させて上記Ag+等のイオンをガラス基板中のNa+
イオンと交換させて、ガラス基板表面層に上記Ag+
のイオンの濃度が高い屈折率変化領域を形成し光導波路
とすることが、たとえばJ.Lightwave Tech. Vol.16 (4)
583 (1998)に記載されている。この光導波路の屈折率
変化領域をガラス中に埋没させてコアとするためには、
上記の屈折率変化領域を形成したガラス基板を加熱し
て、ガラス基板表面層のAg+、Tl+、K+またはLi+
イオンをガラス内部に向かって拡散移動させるか、また
は再度Na+イオンを含む溶融塩中に浸漬してガラス表
面側に近いAg+、Tl+、K+またはLi+イオンとNa
+イオンを再交換する。この再イオン交換の際に電界を
印加する方法もある。Na+イオンは、Ag+、Tl+
+またはLi+イオンが形成した最表面の高屈折率領域
を表面下に移動させる。その結果、コアがガラス表面下
に埋め込まれ、低伝播損失が確保される。この方法で作
製した光導波路のコアは、径10〜200μmの半円形
またはほぼ円形の断面をもつものが多い。イオン交換法
ではイオン交換によって屈折率分布を調整しているた
め、形成された光導波路構造がガラス表面に近い部分に
限られるといった問題がある。
【0004】火炎加水分解法では、四塩化シリコンと四
塩化ゲルマニウムの火炎加水分解によりシリコン基板の
表面に下クラッド用及びコア用の2層のガラス微粒子層
を堆積させ、高温加熱により微粒子層を透明ガラス層に
改質する。次いで、フォトリソグラフィ及び反応性エッ
チングにより回路パターンをもつコア部を形成すること
が、例えばJ.Lightwave Tech. Vol.17 (5) 771 (1999)
に記載されている。この方法で作製された光導波路は、
膜厚が数μmと薄い。また、火炎加水分解法は光導波路
の作製方法が複雑であり、使用可能な材料も石英を主成
分としたガラス組成に限られる、また基板表面に堆積し
た微粒子をガラス層に改質する方法のため、円形の断面
を持つ光導波路の作製が困難であるという問題もある。
【0005】さらにイオン交換法、火炎加水分解法で
は、同一基板上に種々の二次元的パターンを持つ光導波
路を形成できるものの、三次元的に組み合わされた光導
波路を形成することは困難である。
【0006】円形の断面を持つ光導波路をガラス中に三
次元的に形成させる方法としては、例えば、特開平9−
311237号、および「超短パルスレーザーによるガ
ラス内部の光誘起屈折率変化」,レーザー研究26(2)150
〜154 (1998)に開示されているように、ピーク出力値
が高いレーザーをガラス内部に照射することによって光
導波路を形成する方法がある。この方法では、105
/cm2以上のピークパワー強度を持つレーザー光をガ
ラス内部に集光し、その集光点を相対的に移動させるこ
とによって、屈折率変化をもたらす構造変化をガラス材
料内部に起こさせ、光導波路を形成する。この方法では
レーザーの集光点を三次元的に移動させることによって
三次元的な光導波路も容易に作製できる。
【0007】近年、波長多重伝送用合分波フィルターと
して光ファイバー、光導波路にグレーティングを形成さ
せることが行われている。その応用としては、例えば光
ファイバーにおいては、波長多重通信でのキーデバイス
となると期待されているOptical Add/Drop Multiplexer
の構成部品として利用されている(J.Lightwave Tech.
Vol.16 (2) 265 (1999))。このグレーティングは光フ
ァイバー、光導波路上に直接フィルターが形成されてい
るため光線路との結合性がよく、長手方向に膨大な数の
グレーティング層が設けられるためスペクトル特性の設
計自由度が大きいなどの優れた特徴を有する。このこと
から、光導波路としてグレーティングが形成できないこ
とは、その光導波路の用途が非常に限定されることを意
味する。
【0008】火炎加水分解法またはその他の方法によっ
て作られた光導波路にグレーティングを形成させるに
は、例えば特開平10−339821号公報に記載され
ているように、コア部に、2光束干渉露光法によりまた
は位相格子マスク法により、紫外線を照射することによ
ってコア部にドープされているドーパント(GeO2、P
2O5、TiO2等)の結合を切断して結合欠陥を生じさせる
ことで、コア部に屈折率が周期的に変化するグレーティ
ングを形成させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピーク
出力値が高いレーザーをガラス内部に照射することによ
って光導波路を形成する方法によって作製した光導波路
は、コア部とクラッド部においてガラスの組成は同じで
あり,コア部分のみに選択的に結合欠陥を生じさせて、
周期的な屈折率変化を作ることはできない。
【0010】本発明は、ピーク出力が高いレーザー光を
ガラス内部に集光することによってガラスの内部に3次
元的に形成された光導波路にグレーティングを形成させ
る方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、レーザー光
の強度を変化させると形成される光導波路の径が変化す
ることを利用して、周期的にレーザー光の強度を変化さ
せると光導波路にグレーティングが形成できることを見
出した。
【0012】本発明は、光誘起屈折率変化を起こすエネ
ルギー量をもつレーザー光をガラス材料の内部に集光
し、その集光点をガラス材料の内部の所定経路に沿って
相対移動させてガラス材料の内部にコアを形成する光導
波路の製造方法において、前記レーザー光の強度、前記
集光点におけるレーザー光の光束直径、および前記相対
移動の速度の少なくとも一つを周期的に変化させること
により、前記コアの長さ方向に周期的な屈折率変調領域
を形成することを特徴とするグレーティング付き光導波
路の製造方法である。
【0013】本発明のグレーティング付き光導波路は、
光誘起屈折率変化を起こすエネルギー量をもつレーザー
光をガラス内部(形状は平板状、球状、塊状等のいずれ
でもよい)に集光して屈折率変化をもたらす構造変化を
ガラス材料内部に起こさせ、その集光点を相対的に移動
させることで光導波路を作製し、その任意の場所で光導
波路を作製するのに用いられるレーザー光の強度を周期
的に変化させてグレーティングを形成することで容易に
製造できる。
【0014】レーザー光としては、ガラスの種類によっ
ても異なるが、光誘起屈折率変化を起こすためには、集
光点において105W/cm2以上のピークパワー強度を
有することが望ましい。ピークパワー強度は、「1パル
ス当りの出力エネルギー(J)」/「パルス幅(秒)」
の比で表されるピーク出力(W)を照射単位面積当りで
表した値である。ピークパワー強度が105W/cm2
満たないと光誘起屈折率変化が起こらず、光導波路が形
成されない。ピークパワー強度が高いほど光誘起屈折率
変化が促進され、光導波路が容易に形成される。しか
し、非常に大きなエネルギー量、例えば105W/cm2
以上の連続発振レーザー光を実用的に得ることは困難で
ある。そこで、パルス幅を狭くすることによりピーク出
力を高くしたパルスレーザーの使用が好ましい。
【0015】レーザー光は、レンズ等の集光装置により
集光される。このとき、ガラス材料の内部に位置するよ
うに集光点を調整する。この集光点をガラス材料の内部
で相対移動させることにより、光導波路として働く、細
長い屈折率変化領域(高屈折率のコア領域)がガラス材
料の内部に形成される。具体的には、レーザー光の集光
点に対しガラス材料を連続的に移動させ、あるいはガラ
ス材料の内部でレーザー光の集光点を連続的に移動させ
ることにより、集光点を相対移動させる。
【0016】グレーティングはレーザー光の強度を周期
的に変化させることにより作製する。レーザー光の強度
を変化させると、形成される光導波路の高屈折率コア径
はその強度の大小に応じて増加または減少するように変
化する。従って上記相対移動させながら、所定の範囲の
位置でレーザー光の強度を周期的に変化させることによ
り、前記コアの長さ方向に周期的に形成される屈折率変
調領域すなわち、光導波路径の変化が形成され、それを
制御することによって光導波路にグレーティングが形成
できる。
【0017】光導波路グレーティングは以下のように説
明される。光導波路の長さ方向にZ軸をとり、グレーテ
ィング部を0≦z≦Lとし、この部分でコアの屈折率n
(z)が下記式(1)、
【数1】n(z)=n0+Δn・cos(2πz/Λ) (1) と表されるとする。ここでn0はグレーティング部のコ
アの平均屈折率、Δnは屈折率変化量、Λはグレーティ
ング周期である。このようなグレーティングは下記式
(2)、
【数2】λB=2n0Λ (2) で表されるBragg(ブラッグ)波長λB(真空中の波長)
およびその近傍の光を選択的に反射するフィルターとな
る。
【0018】光導波路を作製する速度、すなわちガラス
内部でのレーザー集光点の移動速度をvとした場合、グ
レーティングの周期がΛ[=λB/(2n0)]となるよ
うにするためには、レーザー光の強度を、下記式(3)
で表される周期T、
【数3】T=Λ/v=λB/(2n0v) (3) で変化させる必要がある。
【0019】上記に述べたように、レーザー光のピーク
パワーを大きくするためにはパルスレーザーの使用が望
ましい。レーザーのパルスの繰り返し周波数が低いほど
ピークパワーを大きくすることが容易になるが、あまり
遅いとブラッグ回折格子1周期に数パルスしか照射され
ないことになり、この場合は光導波路径の変化が滑らか
ではなくなりブラッグ回折格子を満たさない。ブラッグ
回折格子1周期当りに最低100パルスは照射されなけ
ればならないと考えると、レーザーのパルス繰り返し周
波数Hは式(4)で表される数値以上でなければならな
い。この繰り返し周波数Hとしては通常は10kHz以
上である。
【数4】H=100・v/Λ (4)
【0020】レーザー光強度の周期的な変化は、レーザ
ーの出力自体を変化させてもよいが、その場合はレーザ
ーの発振が不安定となるため、レーザー発振装置の外部
で行うことが望ましい。外部でレーザー光を周期的に変
化させることは、レーザー光の経路の途中に強度を周期
的に変化させるための装置を設置することによって達成
できる。周期的に変化させるための装置としては、濃度
の異なるNDフィルターを周期的に切りかえるもの、絞
りの径を周期的に変化させてビーム径を変化させるもの
等が考えられる。また、レーザー発振装置の外部で強度
を周期的に変化させる他の方法として以下のものがあ
る。まずレーザー光を経路の途中で二つ以上にわけ、ま
た合流するように光学系を組む。二つ以上にわけられた
部分でそれぞれの経路の光を遮断するためのスイッチを
それぞれ設置する。合流させるレーザー光の組み合わせ
をスイッチで調節することによって周期的にレーザー光
強度を変化させることによってグレーティングを作製す
る。
【0021】以上は、ブラッグ回折格子によるグレーテ
ィングの形成方法について述べたが、それ以外に、光の
進行方向のクラッドモードへの結合を利用した長周期回
折格子によるグレーティングの形成方法にも適用するこ
とができる。
【0022】以上は、レーザー光の強度を周期的に変化
させることにより前記コアの長さ方向に周期的な屈折率
変調領域を形成してグレーティング付き光導波路を製造
する場合について説明したが、レーザー光の強度の周期
的変化に代えて、集光点におけるレーザー光束直径を周
期的に変化させても、コアの長さ方向に周期的な屈折率
変調領域を形成してグレーティング付き光導波路を製造
することができる。集光点におけるレーザー光束直径
は、集光レンズに入射させるレーザー光のビーム幅を周
期的に変化させることによっておこなうことができる。
また同様にガラス材料の内部で集光点を相対移動させる
速度を周期的に変化させることによっても前記コアの長
さ方向に周期的な屈折率変調領域を形成することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。 [実施例1]表1に示すガラス組成を有し、縦20mm、
横20mm、厚み5mmの直方体形状の試料1に、図1に示
すようにパルスレーザー光2をレンズ3で集光して照射
した。パルスレーザー光2としては、アルゴンレーザー
で励起したTi:Al2O3レーザーから発振されたパルス幅15
0フェムト秒、繰り返し周波数200kHz、波長800nm、平均
出力600mWのレーザー光を使用した。第一のNDフィルタ
ーを透過させて強度450mWに調整したレーザー光を、
NAが0.3で倍率が10倍の対物レンズで集光し、試
料1の内部に集光点を生じるように照射し、試料1をそ
の一端から他方端に向けて矢印5の方向に50μm/sの
速度で移動させながら光導波路を作製した。
【0024】
【表1】 ───────────────── モル% 実施例1 実施例2 −−−−−−−−−−−−−−−−− SiO2 70.6 37.5 B2O3 0 12.5 Al2O3 14.0 25.0 P2O3 0.7 0 Na2O 1.6 25.0 Li2O 9.3 0 MgO 1.0 0 TiO2 1.6 0 ZrO2 1.2 0 ─────────────────
【0025】上記方法で作製した光導波路のコアの長さ
のほぼ中央部の7mmにわたってグレーティングを作製
した。レーザー光の強度の周期的な変化は、前記第一ND
フィルターに隣接させて設けた第二のNDフィルターを調
整することで行った。このNDフィルターとしては回転式
円盤状のものを用い、光の透過率がなだらかに変化し、
最高透過率が最低透過率の10%増になるように、そし
てその変化が1回転に5回繰り返されるように設定し
た。レーザー光の集光点が相対的に移動して光導波路の
ほぼ中央の7mmにある間は、この円盤状のNDフィルタ
ーを24回転/秒で回転させることによりレーザー光の
強度を変化させ(変化の周期T=0.00833秒)、
前記7mm以外の位置では円盤状のNDフィルターの回転
を止めて最低透過率部分をレーザー光が通過するように
調節した。
【0026】このグレーティング付き光導波路を以下の
方法で評価した。1.3μmに中心発振波長を有するLEDの
光を1.3μm用シングルモード光ファイバーによって作
製した光導波路の端面まで導き、光導波路他端からの出
射光強度が最大になるようにアライメントする。この出
射光を1.3μm用シングルモード光ファイバーで光スペ
クトルアナライザーに導いて透過スペクトルを測定し
た。グレーティングを形成させなかった光導波路の透過
スペクトルを同様の方法で測定し、その差を見ることで
グレーティングの効果を評価した。図2にグレーティン
グを形成した光導波路について測定した透過スペクトル
を示す。この図に示すように、1298nmの波長において透
過率が約23dB低くなっており、これから、1298nmを
中心とした半値幅約1.5nmの選択的な反射が起こってい
ることがわかる。なお、グレーティングを形成させなか
った光導波路の透過スペクトルは図2に示すような1298
nmを中心とした透過率の急激な減少は全く観察されなか
った。
【0027】[実施例2]表1に示すガラス組成を有
し、20mm×20mm×5mmの直方体形状の試料に、図1
に示すようにパルスレーザー光2をレンズ3で集光して
照射した。パルスレーザー光2としては、アルゴンレー
ザー励起のTi:Al2O3レーザーから発振されたパルス幅15
0フェムト秒、繰り返し周波数200kHz、波長800nm、平均
出力600mWのレーザー光を使用した。レーザー強度が4
70mWとなるようにNDフィルターを透過させて調整した
後、ビームを途中で強度比1:9となるように2本の経
路に分け、強度が弱い経路の途中にレーザー光が遮断で
きるスイッチを設置した。分けられた2本のビームが合
流するように光学系を組み、合流したレーザー光をNA0.
3の10倍対物レンズで集光し、試料1の内部に集光点
を生じるように照射し、試料1を50μm/sの速度で移
動させながら光導波路を作製した。
【0028】上記方法で作製した光導波路のほぼ中央部
にグレーティングを7mm作製した。レーザー光の強度の
周期的な変化は、途中に入れられたスイッチを制御する
ことによって行った。中央部7mm以外の光導波路コア
形成のためにレーザ光照射させるときはスイッチを切っ
てレーザー光を遮断しておき、中央部7mmのグレーテ
ィング部分で116回/秒の周期でスイッチを入れて、
強度が弱い方のパルスレーザー光が116分の1秒の約
半分の時間は透過し、次の116分の1秒の約半分の時
間は遮断されるようにレーザー強度を調整してグレーテ
ィングを形成させた。
【0029】このグレーティング付き光導波路を以下の
方法で評価した。1.3μmに中心発振波長を有するLEDの
光を1.3μm用シングルモード光ファイバーによって作
製した光導波路の端面まで導き、光導波路他端からの出
射光強度が最大になるようにアライメントする。この出
射光を1.3μm用シングルモード光ファイバーで光スペ
クトルアナライザーに導いて透過スペクトルを測定し
た。グレーティングを形成させなかった光導波路の透過
スペクトルを同様の方法で測定し、その差を見ることで
グレーティングの効果を評価した。図3にグレーティン
グを形成した光導波路について測定した透過スペクトル
を示す。この図に示すように、1302nmの波長において透
過率が約20dB低くなっており、これから、1302nmを
中心とした半値幅約1.1nmの選択的な反射が起こってい
ることがわかる。なお、グレーティングを形成させなか
った光導波路の透過スペクトルは図3に示すような1302
nmを中心とした透過率の急激な減少は全く観察されなか
った。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光誘起屈折率変化を起こすエネルギー量を持つレーザー
光をガラス中に集光させて、その集光点を相対的に移動
させる際に、レーザー光の強度その他を周期的に変化さ
せることによって、光導波路のコアとグレーティングを
同時に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のグレーティング付き光導波路を作製
する方法を示す概略配置図(a)、およびガラス内部に
作製したグレーティング付き光導波路を示す斜視図
(b)である。
【図2】 実施例1によって作製したグレーティング付
き光導波路の透過スペクトル。
【図3】 実施例2によって作製したグレーティング付
き光導波路の透過スペクトル。
【符号の説明】
1 ガラス試料 2 パルスレーザー光 3 集光レンズ 4 集光点 5 ガラス試料の移動方向 6 光導波路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光誘起屈折率変化を起こすエネルギー量
    をもつレーザー光をガラス材料の内部に集光し、その集
    光点をガラス材料の内部の所定経路に沿って相対移動さ
    せてガラス材料の内部にコアを形成する光導波路の製造
    方法において、前記レーザー光の強度、前記集光点にお
    けるレーザー光の光束直径、および前記相対移動の速度
    の少なくとも一つを周期的に変化させることにより、前
    記コアの長さ方向に周期的な屈折率変調領域を形成する
    ことを特徴とするグレーティング付き光導波路の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記周期的変化は、前記相対移動の速度
    の平均値をv、前記グレーティングの反射波長をλB
    コアの平均屈折率をn0とすれば、λB/(2n0v)の
    周期で行われる請求項1記載のグレーティング付き光導
    波路の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザー光の強度を周期的に変化さ
    せ、前記屈折率変調領域は前記コアの径の周期的変化部
    分である請求項1または2に記載のグレーティング付き
    光導波路の製造方法。
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