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JP2001316612A - 水性コーティング組成物の調製に用いるコーティング系 - Google Patents

水性コーティング組成物の調製に用いるコーティング系

Info

Publication number
JP2001316612A
JP2001316612A JP2001133239A JP2001133239A JP2001316612A JP 2001316612 A JP2001316612 A JP 2001316612A JP 2001133239 A JP2001133239 A JP 2001133239A JP 2001133239 A JP2001133239 A JP 2001133239A JP 2001316612 A JP2001316612 A JP 2001316612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
water
coating system
coating
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001133239A
Other languages
English (en)
Inventor
Klaus Wandelmaier
ワンデルマイヤー クラウス
Stefan Wiggershaus
ヴィガーシャウス ステファン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EIDP Inc
Original Assignee
EI Du Pont de Nemours and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=24239204&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2001316612(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by EI Du Pont de Nemours and Co filed Critical EI Du Pont de Nemours and Co
Publication of JP2001316612A publication Critical patent/JP2001316612A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
    • C09D5/36Pearl essence, e.g. coatings containing platelet-like pigments for pearl lustre
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D7/00Features of coating compositions, not provided for in group C09D5/00; Processes for incorporating ingredients in coating compositions
    • C09D7/80Processes for incorporating ingredients

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切なレオロジー、改善された被覆能力、改
善された垂れ抵抗性を有する特殊効果顔料を含有する水
性ベースコートとして有用な水性コーティング組成物の
提供。 【解決手段】 A)水を少なくとも15wt%、特殊効果顔
料、およびポリウレタン、ポリエステル、ポリアクリル
(メタクリル)酸樹脂からなる群から選択される少なく
とも1種の水希釈性樹脂、および任意選択でコーティン
グに従来から用いられている有機溶剤および添加剤を含
む含有する少なくとも1種の特殊効果組成物55〜95wt%
と、B)B1)少なくとも1種の無機層状ケイ酸塩0.3
〜5.0wt%、B2)任意選択で変性可能な、少なくとも
1種の水希釈性ポリウレタン樹脂1.0〜20.0wt%、B
3)水75.0〜98.7wt%、および任意選択でコーティング
に従来から用いられている有機溶剤および添加剤を含
む、顔料を含有しない成分5〜45wt%とを含む水性コー
ティング組成物の調製用のコーティング系による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2種の
成分を含有する水性コーティング系、および水性コーテ
ィング組成物を調製するため、特に水性ベースコートを
調製するためのその使用に関する。その水性コーティン
グ系は、車両および車両部品をコーティングするため、
特に車両修復コーティングに用いることができる。
【0002】
【従来の技術】車両コーティング、特に車両修復コーテ
ィングの分野には、水性コーティングを調製する様々な
方法がある。増えつつある色合いの数および種類に対応
するため、ならびにぴったり調和する色合いを有する完
全な修復コーティングを得るために、車両修復コーティ
ングには、様々なベースカラーが着色ペーストまたは顔
料ペーストの形状にされ、所望の色合いに応じて付与さ
れた混合配合に従って、塗布直前に特定の数のベースカ
ラーを互いに混合することにより得られる混合系が従来
から用いられている。一方、溶剤をベースとする混合系
の他に、水性コーティングをベースとする系もある。最
適なレオロジー挙動を得るために、用いる水性ベースコ
ートを、レオロジーに影響を及ぼす化合物、例えば層状
ケイ酸塩またはポリアクリレートもしくはポリウレタン
/尿素をベースとする増粘剤で変性させることが可能で
ある。それにより、レオロジーに影響を及ぼす化合物
を、それらを調製すると同時に、または混合系中の追加
の成分として、直接、水性ベースコートに添加すること
ができる。
【0003】EP−A−578645号には、車両修復
コーティング用混合系が、5wt%未満の水、顔料、水
で希釈可能なポリウレタン、アミノ樹脂、ポリアクリレ
ートおよび/またはポリエステル樹脂および有機溶剤を
含有するベースカラーAならびに水、水希釈性ポリウレ
タン、アミノ樹脂および/またはポリエステル樹脂を含
有する、顔料を含まない成分Bとともに記載されてお
り、その成分Bにはレオロジー添加剤をも含有すること
が可能である。
【0004】この混合系の不利な点は、成分Aの好まし
くない流れ挙動ならびにこれらの成分の好ましくない計
量容量、および成分Bの問題のある混和性である。さら
に、これらの混合系により調製したコーティング組成物
は、不満足な特殊効果特性に加えて、特にフランジ、エ
ッジ、またはコーナーなどの重要箇所での不十分な垂れ
抵抗性(sagging resistance)を示す。
【0005】EP−A−730626号には、水、水分
散性バインダ、顔料、および添加剤を含有する成分I
と、水、レオロジー添加剤、好ましくは層状ケイ酸塩か
らなる成分IIとの2成分系水性コーティング系が記載
されている。このコーティング系は、特に特殊効果コー
ティングの調製において好ましくないことが明らかにさ
れている。このコーティング系を用いて調製した特殊効
果コーティングは、例えば塗布およびサンダー仕上げさ
れたプライマーサーフェーサーのサンダー仕上げによる
マークから誘導される支持体のむらの不十分な被覆に加
えて、不十分な特殊効果特性および不十分な垂れ抵抗性
を示す。そのうえ、そのコーティング組成物は濾過する
のが困難である。
【0006】EP−A−608773号には、少なくと
も20wt%の水、顔料および水希釈性バインダを伴う
特殊効果モジュールと、水希釈性バインダ、水および任
意選択で有機溶剤および/または添加剤を伴うバインダ
モジュールとを含む水性コーティング組成物を調製する
ためのモジュール系が記載されている。一般に、レオロ
ジー添加剤および水、加えて任意選択の水希釈性バイン
ダを含有するレオロジーモジュールを任意選択で共に用
いることが可能であることが言及されている。しかしな
がら、かかるレオロジーモジュールの正確な組成および
取扱いについては何も言及されていない。依然として、
このモジュール系を用いて調製した水性コーティング組
成物も、特殊効果特性、被覆能力、および垂れ抵抗性に
関して不利な点を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】改善された垂れ抵抗性
に加えて、適切なレオロジー、改善された被覆能力を有
し、特殊効果顔料を含有する水性ベースコートとして有
用な水性コーティング組成物が必要とされている。さら
に、コーティング組成物は、長期間、例えば12カ月間
の貯蔵期間、安定であるほうがよく、その使用前に容易
にろ過できるほうがよい。さらに、優れた手法で支持体
を被覆するコーティングが得られるべきである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以下に示す水性コーティ
ング組成物を調製するためのコーティング系は、この必
要性を満たすものである。このコーティング系は、以下
の別個の成分: A)水と、少なくとも1種の特殊効果顔料と、ポリウレ
タン、ポリエステル、およびポリアクリル(メタクリ
ル)酸樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の
水希釈性樹脂とを含む特殊効果顔料組成物であって、そ
の水の量が前記成分Aの総重量に対して少なくとも15
wt%を占めている、少なくとも1種の特殊効果顔料組
成物55〜95wt%と、 B)B1)少なくとも1種の無機層状ケイ酸塩0.3〜
5.0wt%、 B2)少なくとも1種の水希釈性ポリウレタン樹脂1.
0〜20.0wt%、 B3)水75.0〜98.7wt% を含む、顔料を含有しない組成物5〜45wt%のB成
分との組合せを含む。
【0009】成分A中に存在する特殊効果顔料は、支持
体上のコーティング中に入射光角または観測角に応じ
て、色および/または明るさの変化を付与する板状構造
を有する。成分Aおよび成分Bのwt%は合計100w
t%となり、B1、B2、およびB3のwt%を合計す
ると、成分Bの100wt%となる。成分B中での、B
1の量は0.5〜3.0wt%であることが好ましく、
B2の量は2.0〜10.0wt%であることが好まし
く、水の量は87.0〜97.5wt%であることが好
ましい。本発明による好ましいコーティング系は、成分
Aを70〜95wt%と成分をB5〜30wt%含有す
る。
【0010】成分Aと成分Bを共に混合することによっ
て、その水性コーティング組成物を調製し、その結果得
られた水性コーティング組成物によって、車両および車
両部品などの支持体に用いる水性ベースコートとしての
驚くべき結果が得られる。その成分から調製した水性コ
ーティング組成物と同様に、その成分自身も貯蔵に対し
て安定である。該組成物は優れたレオロジーを示す。該
組成物は、特に重要な箇所での非常に良好な特殊効果特
性および良好な垂れ抵抗性、サンダー仕上げによるマー
クなどの表面むらのマスキングを含む、非常に良好な支
持体の被覆も示す。
【0011】本発明によるコーティング系は、個々の成
分の組合せの一部として追加の成分、例えば以下に示す
成分C、D、およびE: C)水と、少なくとも1種の着色顔料と、ポリウレタ
ン、ポリエステルおよびポリアクリル(メタクリル)酸
樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の水希釈
性樹脂を含む少なくとも1種の着色組成物と、 D)少なくとも1種の架橋剤を含む少なくとも1種の架
橋組成物と、 E)少なくとも1種の水希釈性バインダ樹脂を含む少な
くとも1種のバインダ組成物 のうちの少なくとも1種を含むことが可能である。
【0012】これらの追加の成分は、組成物の有利なコ
ーティング特性を損なうことなく、成分Aおよび成分B
から調製した水性コーティング組成物の有用性を拡張す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によるコーティング系には
各成分が、1種または複数種存在していも良い。単純化
するために、この後はそれぞれの成分の説明には単数を
用いる。
【0014】成分Aは、1種または複数種の水希釈性バ
インダを含有する。水希釈性バインダは、従来の水希釈
性ポリウレタン、ポリエステル、および/またはポリア
クリル(メタクリル)酸樹脂であり、当業者には公知の
その変性樹脂が含まれる。
【0015】十分な水希釈性、つまり水中での十分な分
散性を得るために、上述の水希釈性バインダをイオン性
および/または非イオン性で変性することができる。ア
ニオン性および/または非イオン性の変性が好ましい。
アニオン性の変性は、例えば少なくとも一部中和された
カルボキシル基を介して達成することができる。非イオ
ン性の変性は、例えばポリエチレンオキシド単位を組み
込むことによって達成することができる。
【0016】水希釈性ポリウレタン樹脂の例としては、
例えば1000から500000g/mol、好ましく
は5000から300000g/molの数平均分子量
Mnと、10から100mgKOH/g、好ましくは2
0から80mgKOH/gの酸価と、0から400mg
KOH/gのヒドロキシル価とを有するものが挙げられ
る。使用可能な適切なポリウレタン樹脂は、例えばイソ
シアネート基に対して、また1分子当たり少なくとも2
つの遊離イソシアネート基を有するポリイソシアネート
基に対して反応性のある化合物を反応させることによっ
て調製される。
【0017】高分子量のポリオール、例えば分子量50
0〜6000g/molの好ましくはポリエステルポリ
オール、ポリエーテルポリオールおよび/またはポリカ
ーボネートポリオールを、イソシアネート基に対して反
応性のある化合物として用いることが可能である。分子
量60〜400g/molを有する低分子量のポリオー
ルも共に用いることが可能である。脂肪族および/また
は脂環式ジイソシアネートを、好ましくはポリイソシア
ネートとして用いることができる。有用なポリイソシア
ネートの例としては、フェニレンジイソシアネート、キ
シレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、ジクロロヘキシ
ルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられ
る。十分な水希釈性を得るために、例えば上述のアニオ
ン性基でポリウレタン樹脂を変性することが可能であ
る。イソシアネート基に対して活性な少なくとも1つの
基、およびアニオンを生成することが可能な少なくとも
1つの基を有する化合物を介して、アニオン性基を導入
することができる。この種類の好ましい化合物は、ジヒ
ドロキシカルボン酸であり、特に好ましくはジメチロー
ルプロピオン酸である。
【0018】さらに、このようにして得られたポリウレ
タン樹脂を連鎖延長にさらし、分子量を増加することが
可能である。例えば、NCO−官能性ポリウレタンプレ
ポリマーを、イソシアネート基に対して反応性のある化
合物と反応させることが可能である。イソシアネート基
に対して反応性のある化合物は、特にヒドロキシル基お
よび/または第二アミノ基および/または第一アミノ基
を有する化合物である。OH−官能性ポリウレタンプレ
ポリマーは、例えばポリイソシアネートで連鎖延長する
ことができる。
【0019】水希釈性ポリウレタン樹脂には、例えばシ
リコン変性または(メタ)アクリル化ポリウレタン樹脂
などの変性された形の樹脂が含まれる。(メタ)アクリ
ル化ポリウレタン樹脂は、例えば、1つまたは複数の共
重合性不飽和モノマー存在下でのカルボキシル基および
側鎖ならびに任意選択でビニル末端基を有するポリウレ
タンマクロモノマーのラジカル重合によって調製するこ
とが可能である。
【0020】使用可能な水希釈性ポリウレタン樹脂の例
は、米国特許第5,492,961号、米国特許第5,
141,987号、米国特許第5,556,912号、
DE−A−41 15 042号、米国特許第5,63
5,559号、DE−A−43 23 896号、米国
特許第5,691,425号、DE−A−42 285
10号、米国特許第5,854,337号、米国特許第
4,489,135号に記載されている。
【0021】水希釈性ポリアクリル(メタクリル)酸樹
脂の例には、水性コーティングに適したすべての水溶性
または水分散性ポリアクリル(メタクリル)酸樹脂が含
まれる。例えば、それらは、1000〜200000g
/molの数平均分子量Mnと、15〜150mgKO
H/gの酸価と、0〜400mgKOH/gのヒドロキ
シル価とを有するものが考えられる。その水希釈性ポリ
アクリル(メタクリル)酸樹脂もまた、オリゴマーまた
は高分子量ポリエステルおよび/またはポリウレタン樹
脂存在下で調製することができる。
【0022】水希釈性ポリエステル樹脂の例には、水性
コーティングに適したすべての水溶性または水分散性ポ
リエステル樹脂、例えば500〜5000g/molの
分子量Mnと、15〜150mgKOH/gの酸価と、
0〜400mgKOH/gのヒドロキシル価とを有する
ものが含まれる。
【0023】それぞれの水希釈性バインダを、個々にま
たはバインダ混合物として用いることが可能である。
【0024】水希釈性ポリウレタン樹脂を成分A中のバ
インダとして用いることが好ましく、水希釈性ポリウレ
タン樹脂混合物であることが特に好ましい。適切な混合
物としては、例えば米国特許第5,492,961号に
記載の(メタ)アクリル化ポリウレタン樹脂と炭酸基含
有ポリウレタン樹脂との混合物、または米国特許第5,
556,912号に記載のように、ポリイソシアネート
を用いてOH−官能性ポリウレタンプレポリマーを連鎖
延長することによって調製される、カーボネート基を含
有しない(メタ)アクリル化ポリウレタン樹脂とポリウ
レタン樹脂との混合物が好ましい。
【0025】好ましいポリウレタン樹脂またはポリウレ
タン樹脂混合物もまた、上述の他の水希釈性バインダと
組み合わせて用いることができる。
【0026】水希釈性バインダは、物理的に乾燥性であ
るか、または共有結合の形成により架橋することが可能
である。可能性のある架橋性基は、例えばヒドロキシル
基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、アセトア
セチル基、および不飽和基である。架橋性基が存在する
場合には、ヒドロキシル基が好ましい。
【0027】共有結合の形成により、水希釈性バインダ
が架橋可能な場合には、それらは、それ自体で架橋また
は外部で架橋することが可能である。しかしながら、外
部での架橋が好ましい。
【0028】成分Aはさらに、特殊効果顔料を含有す
る。使用可能な特殊効果顔料の例としては、例えばアル
ミニウムまたは銅からなるメタリック顔料、例えば二酸
化チタン被覆アルミニウム、酸化鉄被覆アルミニウム、
または混合酸化物被覆アルミニウムなどの、金属酸化物
によってコーティングされたメタリック顔料などの干渉
顔料、例えば二酸化チタン被覆雲母および/または他の
金属酸化物、例えばFe 23および/またはCr23
コーティングされた雲母などの被覆雲母、酸化鉄フレー
クおよびグラファイト顔料が挙げられる。特殊効果を付
与する、使用可能な顔料の他の例は、いわゆるOV−顔
料(OV=光学可変性)である。これらの顔料は、固有
の多層性薄層干渉構造を有する顔料フレークである。そ
の層はそれぞれ、例えば高反射金属層(例えば、アルミ
ニウム、クロム等)、透明誘電性層(例えば、Si
2、MgF2、TiO2等)および半透明金属層(例え
ば、Cr、Al、Ni、Mo等)から構成されている。
中間に高反射金属層を有する対照構造もまた可能であ
る。同様に、他の層状構造、例えば非金属中心層(例え
ば、SiO2)も可能である。特殊効果を付与する使用
可能な他の顔料は、いわゆるLCP−顔料(LCP=液
晶ポリマー)である。これらは、キラル相を有する液晶
構造物質を配向および三次元架橋することによって得ら
れる顔料である。使用可能なすべての特殊効果顔料をそ
れぞれ、個々にまたは組み合わせて用いることが可能で
ある。
【0029】成分Aはさらに、成分Aの総重量に対し
て、好ましくは少なくとも25wt%、さらに好ましく
は30〜75wt%の水を含有する。
【0030】成分Aは、水性コーティング組成物中で従
来から用いられている有機溶剤および添加剤を含有する
こともまた可能である。
【0031】その有機溶剤は、コーティング技術で従来
から用いられている溶剤である。これらは、バインダの
調製から生成するか、または別々に添加される。適切な
溶剤の例としては、例えばプロパノール、ブタノール、
ヘキサノールなどの一価または多価アルコール、例えば
それぞれC1からC6アルキルを有するジエチレングリ
コールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジ
アルキルエーテルなどのグリコールエーテルまたはエス
テル、エトキシプロパノール、ブチルグリコール、例え
ばエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグ
リコール、N−メチルピロルリドンおよびケトン、例え
ばメチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンな
どのケトン、例えばトルエン、キシレン、または直鎖ま
たは枝分れ鎖の脂肪族C6〜C12炭化水素などの芳香
化合物または脂肪酸の炭化水素である。有機溶剤が存在
する場合には、水混和性有機溶剤であることが好まし
い。存在する場合には、有機溶剤は例えば、成分Aの総
重量に対して多くても10〜15wt%までの比率で存
在する。
【0032】コーティングに従来から用いられている添
加剤の例としては、均展材、高分散ケイ酸または高分子
尿素化合物などのレオロジーに影響を及ぼす薬剤、カル
ボキシル基含有ポリアクリレート増粘剤またはポリウレ
タンをベースとする会合型増粘剤などの増粘剤、脱泡
剤、界面活性剤、クレーター防止剤、バインダ、および
硬化促進剤が挙げられる。添加剤は、当業者には公知の
従来の量で用いられる。
【0033】本発明によるコーティング系の成分Aは、
このように完成したコーティング組成物または混合系成
分であり、例えば混合着色剤または顔料ペースト状であ
る。成分Aは、着色剤と特殊効果顔料との組合せを含有
することもまた可能である。成分Aは、単一成分であろ
うと、複数成分であろうと、特殊効果顔料のみを有する
ことが好ましい。それにより、コーティング系に用いる
1種または複数種の特殊効果顔料を提供することができ
る。
【0034】好ましい成分Aは、 A1)少なくとも1種の水希釈性ポリウレタン樹脂、任
意選択で変性ポリウレタン樹脂と、 A2)少なくとも1種の特殊効果顔料、および任意選択
で少なくとも1種の着色顔料と、 A3)水25〜75wt%と、任意選択で、コーティン
グに従来から用いられている有機溶剤および添加剤とを
含む。
【0035】成分Aは、例えば重量比0.02:1から
10:1の特殊効果または全顔料とバインダとを含むこ
とが可能である。このため、顔料とバインダとの比は、
例えば用いる顔料の種類、および成分Aが混合着色剤で
あるか、顔料ペーストであるかどうかに依存する。
【0036】当業者に公知の手法で、個々の成分を混合
および均質化することによって、成分Aを調製すること
ができる。例えばペースト状で提供される市販の特殊効
果顔料に、水希釈性有機溶剤および任意選択で添加剤を
添加し、続いてせん断応力下で、その顔料を水希釈性バ
インダと混合する。しかしながら、ペースト樹脂もまた
成分Aの調製に用いることができる。
【0037】成分Bは、本発明に必須のレオロジー添加
剤であり、その必須成分として少なくとも1種の水希釈
性ポリウレタン樹脂を含有する。基本的に、当業者に公
知のすべての水希釈性ポリウレタン樹脂を用いることが
可能であって、水性コーティングの配合に用いられる。
例えば、任意選択で、成分Aの説明で上述の変性水希釈
性ポリウレタン樹脂が含まれる水希釈性ポリウレタン樹
脂が適している。それらは、フィルム形成性ポリウレタ
ン樹脂バインダ、または上述の種類のポリウレタンペー
スト樹脂であっても良い。
【0038】10〜50mgKOH/gの酸価、300
0〜200000の数平均分子量Mnを有する水希釈性
ポリウレタン樹脂であって、米国特許第4,558,0
90号の実施例に記載されているように、35〜200
mgKOH/gのOH価、500〜5000g/mol
の分子量を有する少なくとも1種のポリエステルポリオ
ールを、NCO基に対して反応性のある少なくとも1つ
の基およびアニオンを生成可能な少なくとも1つの酸基
を有する化合物と、少なくとも1種のポリイソシアネー
ト、好ましくはジイソシアネートと反応させることによ
って得られるポリウレタンペースト樹脂が特に適切であ
る。ドイツ特許出願DE−A−19849 321号に
記載のように、固体樹脂100g中の尿素基含有量10
〜300mmol、固体樹脂100g中のウレタン基含
有量20〜300mmol、OH価20〜250、数平
均分子量Mn1000〜20000g/molを有する
ヒドロキシ官能性ポリウレタン尿素樹脂もまた便宜的に
有用である。
【0039】成分Bはさらに、レオロジー添加剤用の必
須成分として、少なくとも1種の無機層状ケイ酸塩を含
有する。例えば、層状構造を有する、アルミニウム−マ
グネシウム−ケイ酸塩、ナトリウム−マグネシウム−ケ
イ酸塩およびナトリウム−マグネシウム−フルオロ−リ
チウム−ケイ酸塩などの無機層状ケイ酸塩を用いること
ができる。使用可能な層状ケイ酸塩の例としては、ベン
トナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、およびヘ
クトライトの種類のケイ酸塩が挙げられる。天然に存在
する層状ケイ酸塩を用いることも可能であるが、合成製
造された層状ケイ酸塩が好ましい。その層状ケイ酸塩は
当業者には公知であり、例えば、Optigel(登録
商標)製品およびLaponite(登録商標)製品と
して市販されている。
【0040】成分Bはさらに、水、任意選択で、コーテ
ィングに従来から用いられている有機溶剤および添加剤
を含有する。コーティングで従来から用いられている有
機溶剤および添加剤は、例えば成分Aの説明で上述のも
のである。
【0041】成分B中の層状ケイ酸塩の量および本発明
によるコーティング系中の成分Bの量は、本発明による
コーティング系で成分Aの量に対して約0.1〜1.5
wt%の層状ケイ酸塩含有量が得られるように選択でき
ることが好ましい。
【0042】成分Bは、層状ケイ酸塩に加えて、さらに
レオロジー添加剤を含有することが可能である。水性コ
ーティングで従来から用いられているレオロジー制御添
加剤をさらに、レオロジー添加剤として用いることが可
能である。例えば、イオン性基および/または会合作用
を有する基を含有する、ポリビニルアルコール、ポリ
(メタ)アクリルアミド、ポリアクリル(メタクリル)
酸、スチレン−マレイン酸無水物またはエチレン−マレ
イン酸無水物コポリマーおよびその誘導体ならびにポリ
ウレタンなどの合成ポリマーである。例えば、EP−A
−38 127号に記載のような、架橋ポリマー微粒子
をさらに用いることが可能である。
【0043】さらに、レオロジー添加剤が同様に成分A
に含有される場合、それは本発明によるコーティング系
の水性コーティング組成物の配合にとって有利である。
しかしながら、特に層状ケイ酸塩はレオロジー添加剤と
して、好ましくは成分A中に含まれないほうがよい。成
分Aの適切なレオロジー添加剤は、例えばイオン性基お
よび/または会合作用を有する基を含有し、ポリ(メ
タ)アクリルアミド、ポリアクリル(メタクリル)酸、
および/またはポリウレタンをベースとするレオロジー
添加剤である。
【0044】さらに、成分C、Dおよび/またはEが、
水性コーティング組成物の調製用の本発明によるコーテ
ィング系に存在することが可能である。
【0045】着色成分Cは、水希釈性バインダ(1種ま
たは複数種)を含有する。その水希釈性バインダは、成
分Aで上述されているような、当業者に公知の従来の水
希釈性ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはポリ
アクリル(メタクリル)酸樹脂である。好ましい水希釈
性樹脂は、成分Aに用いるものと同一である。
【0046】成分Cはさらに、着色顔料を含有する。適
切な着色顔料は、コーティングに従来から用いられてい
る有機または無機性のすべての顔料である。無機または
有機着色顔料の例としては、二酸化チタン顔料、超微紛
二酸化チタン顔料、酸化鉄顔料、カーボンブラック、ア
ゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリ
レン、またはピロロピロール顔料が挙げられる。任意選
択で、可溶性染料および/または透明顔料もまた含まれ
る。
【0047】成分Cはさらに、水を含有し、好ましくは
少なくとも25wt%、さらに好ましくは25〜75w
t%の水を含有する。
【0048】さらに、成分Cは、同様にコーティングで
従来から用いられている有機溶剤および添加剤、例えば
成分Aの説明で上述のものを含有する。
【0049】本発明によるコーティング系の成分Cは成
分Aと同様に、このように完成したコーティング組成物
または混合系成分であることが可能であり、例えば混合
着色剤または顔料ペースト状であっても良い。成分C
は、着色顔料の組合せも含有することが可能である。
【0050】好ましい成分Cは、 C1)少なくとも1種の水希釈性ポリウレタン樹脂と、 C2)少なくとも1種の着色顔料と、 C3)水25〜75wt%と、 任意選択で、コーティングに従来から用いられている有
機溶剤および添加剤とを含有する。
【0051】これにより、成分Cは、0.01:1から
10:1の比の顔料とバインダを有する。このため、顔
料とバインダとの比は、例えば用いる顔料の種類、およ
び成分Cが混合着色剤であるか、顔料ペーストであるか
どうかに依存する。
【0052】適切な凝集体中で分散および均質化するこ
とによって、従来の手法で成分Cを調製することができ
る。例えば、一部の水希釈性バインダ中で着色顔料を摩
砕し、水希釈性バインダの残りの部分で仕上げることに
より、これを行うことができる。しかしながら、顔料の
摩砕は、従来のペースト樹脂、例えばポリウレタンペー
スト樹脂中でもまた行うことができる。それに続いて、
水希釈性バインダで仕上げが行われる。しかしながら、
ペースト樹脂のみを用いて成分Cを調製することもまた
可能である。この場合には、次いで、成分Cを顔料ペー
ストとして直接使用する。使用可能な好ましいポリウレ
タンペースト樹脂の例は、米国特許第4,558,09
0号およびドイツ特許出願DE−A−198 49 3
21号に記載されている。
【0053】成分Dは1種または複数種の架橋剤を含有
する。本発明によるコーティング系の他の成分のうちの
少なくとも1種中で架橋性基を有するバインダを用いる
場合、成分Dを用いることができる。成分D中の架橋剤
の種類は、他の成分中の水希釈性バインダの架橋性官能
基によって異なる。架橋剤は例えば、フェノール−ホル
ムアルデヒドなどのホルムアルデヒド−縮合樹脂、アミ
ン−ホルムアルデヒド縮合樹脂、ならびにブロックおよ
び非ブロックポリイシアネートである。架橋剤として適
切なアミノ樹脂は、例えばアミノトリアジンおよびアミ
ドトリアジンをアルデヒドで変換することによって調製
される、アルキル化縮合生成物である。架橋剤として適
切なポリイソシアネートは、例えば脂肪族、脂環式、芳
香脂肪族および/または芳香族結合遊離イソシアネート
基を有する有機ポリイソシアネートである。それらは室
温で液状であるか、または有機溶剤を添加することによ
り液化される。一般に、ポリイソシアネートは23℃で
粘度1から6000mPas、好ましくは5mPasを
超えて3000mPas未満の粘度を有する。かかるポ
リイソシアネートは当業者には公知であり、市販されて
いる。
【0054】そのポリイソシアネートは、平均NCO−
官能価1.5から5、好ましくは2から3を有する、脂
肪族および/または脂環式結合イソシアネート基のみを
有するポリイソシアネートまたはポリイソシアネート混
合物であることが好ましい。
【0055】例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−
イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)および
/またはビス(イソシアナトシクロヘキシル)−メタン
と、ビウレット、アロファネート、ウレタンおよび/ま
たはイソシアヌレート基を有するこれらのジイソシアネ
ートの既知の誘導体をベースとする「コートポリイソシ
アネート」が特に適しており、例えば三量化または水ま
たはトリメチロールプロパンなどのアルコールを用いた
反応によって得ることができる。
【0056】さらに、立体障害を受けるポリイソシアネ
ートもまた適している。後者の例としては、1,1,
6,6−テトラメチル−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,5−ジブチル−ペンタ−メチルジイソシアネー
ト、p−またはm−テトラメチルキシレンジイソシアネ
ート、および対応する同族体水和物が挙げられる。
【0057】しかしながら、用いるバインダ中に対応す
る反応性基が提供される限りは、コーティング産業で公
知の他の架橋剤もまた用いることが可能である。
【0058】ポリイソシアネート架橋剤は成分D中に含
まれることが好ましい。
【0059】成分Dは、水、コーティングに従来から用
いられている1種または複数種の有機溶剤および/また
は添加剤を含有することもまた可能である。コーティン
グに従来から用いられている有機溶剤および添加剤は、
例えば成分Aの説明で上述のものである。
【0060】使用する場合、成分Dの量は、水性コーテ
ィング組成物中に混合する場合には、コーティング系の
他の成分中に存在する架橋性樹脂を架橋するための架橋
剤の量を提供する量である。
【0061】1種または複数種の追加のバインダを有す
る、成分Aおよび成分Bおよび、任意選択で成分Cおよ
び成分Dから調製したコーティング組成物、いわゆる
「レットダウン」樹脂を補足したい場合には、成分Eを
用いることが可能である。したがって、成分Dは、1種
または複数種の水希釈性レットダウン樹脂を含有する。
ペースト樹脂と特に指示されていない場合には、レット
ダウン樹脂は、例えば成分Aの説明で上述の水希釈性バ
インダでもよい。レットダウンバインダは、成分A、成
分Bおよび/または任意選択で成分Cの水希釈性バイン
ダと同一、またはそれらと異なってもよいが、これらの
成分の水希釈性バインダと相溶性がなければならない。
【0062】本発明によるコーティング系では、顔料含
有成分はそれぞれ、1種または複数種の成分A、および
任意選択で1種または複数種の成分Cであることが可能
であり、場合により、それぞれの成分は、成分Aまたは
成分Cの説明の範囲内にある組成物を有する。特定の数
および量のこれらの成分を混合することによって、それ
ぞれが所望の特殊効果の色合いを有する、多数の様々な
着色特殊効果コーティングを得るために、さらに多くの
成分Aおよび成分Cが存在することが好ましい。
【0063】コーティング組成物を調製するために、本
発明によるコーティング系の成分A、成分Bおよび、任
意選択で成分C、成分D、および/または成分Eを共に
混合し、それぞれ所望の特殊効果水性コーティング組成
物が得られる。単に撹拌することによって、混合を行う
ことができる。特に成分Aおよび成分Bの優れた混和性
および任意選択で成分Cの優れた混和性が特に有利であ
る。成分Aおよび成分B、および任意選択で成分C、成
分Dおよび/または成分Eの混合は、塗布の直前に行う
ことが好ましい。一般に、必要な場合には、吹付け粘度
を調整するため、塗布前に、さらに水および/または有
機溶剤を用いることもある。
【0064】本発明によるコーティング系で調製した着
色水性コーティング組成物を、多層コーティングに対し
て便宜的に用いることが可能である。特に、それらは多
層コーティングの特殊効果ベースコート層の調製に適し
ている。
【0065】したがって、本発明は、裸のまたはプレコ
ーティングされた支持体上に特殊効果水性ベースコート
組成物のベースコート層を塗布し、透明クリアコート組
成物のクリアコート層を、このようにして得られたベー
スコート層に塗布し、本発明によるコーティング系で調
製された着色および/または特殊効果水性ベースコート
組成物のベースコート層を塗布する、多層コーティング
プロセスにおいて本発明によるコーティング系を用いて
調製した、着色水性コーティング組成物の使用にもまた
関するものである。
【0066】本発明によるコーティング系を用いて調製
した着色水性コーティング組成物の塗布は、従来の方法
に従って、好ましくは吹付け塗布によって行う。コーテ
ィング組成物は、例えば乾燥フィルム厚さ10〜30μ
mになるように塗布される。例えば、鉄、亜鉛、アルミ
ニウム、マグネシウム、またはその合金、およびポリウ
レタン、ポリカーボネート、またはポリオレフィンなど
の金属およびプラスチック支持体、特に車産業で公知の
支持体が適している。前記支持体には、通常、例えば従
来のプライマーおよび/または従来のプライマーサーフ
ェーサーでプレコーティングされた支持体が含まれる。
そのプライマーおよび/またはプライマーサーフェーサ
ーは、車両コーティングで当業者よってプライマーサー
フェーサーおよび/またはプライマーとして用いられる
種類の従来のコーティング剤であってもよい。例えば、
それらは、物理的に乾燥性のポリウレタンおよび/また
はポリアクリル酸樹脂などの物理的に乾燥性のバイン
ダ、およびエポキシ樹脂などの化学的に架橋性のバイン
ダ、およびポリアミン硬化剤またはヒドロキシ官能性樹
脂、およびポリイソシアネート架橋剤をベースとするバ
インダ系で修復コーティングの状況内で塗布されたプラ
イマーおよび/またはプライマーサーフェーサー層であ
ってもよい。用いられるプライマーおよび/またはプラ
イマーサーフェーサーは、溶剤をベースとするもので
も、または水をベースとするものでも良い。しかしなが
ら、水性ベースコート層は、既存の無傷のコーティング
(仕上げまたは修復コーティング)または下塗りされた
新しい部品、例えば下塗りされたプラスチック製部品に
塗布することもまた可能である。
【0067】本発明によるコーティング系で調製したコ
ーティング組成物は室温で硬化、または例えば最高80
℃まで、好ましくは40から60℃の高温で強制硬化す
ることができる。しかしながら、それらは、例えば80
〜150℃の高温で硬化することもまた可能である。
【0068】続いて、塗布したベースコート組成物を透
明なクリアコートで被覆することが可能である。これに
より、ベースコート層を乾燥および/または硬化した
後、またはウェット−オン−ウェット方式で、任意選択
で蒸発分離段階の後に、クリアコートをベースコート層
に塗布することができる。クリアコートは、ウェット−
オン−ウェット方式でベースコート層に塗布することが
好ましい。蒸発分離時間は、例えば15から45分であ
るが、相対湿度により異なる。
【0069】基本的に、適切なクリアコートは、例えば
自動車のコーティングで通常使用される種類の公知のす
べての非着色または透明着色コーティング剤である。そ
のクリアコートは溶剤ベースまたは水ベースである。特
に、それらは、化学的に架橋性のバインダをベースとす
る、例えばヒドロキシ官能性バインダ成分およびポリイ
ソシアネート架橋剤をベースとする2成分系クリアコー
トである。そのクリアコートは、ベースコートの硬化に
ついては上述のように硬化することが可能である。例え
ば、室温で数時間にわたって、または例えば40℃から
60℃の温度で、例えば30から80分以内で強制乾燥
することによって、硬化を行うことができる。
【0070】本発明によるコーティング系の成分は、例
えば12カ月までの貯蔵期間、安定である。本発明によ
るコーティング系の成分で生成したコーティング組成物
は、少なくとも6カ月の貯蔵期間、安定である。そのコ
ーティング組成物は、使用前に濾過するのが容易であ
る。本発明によるコーティング系で調製したコーティン
グ組成物によって、従来技術よりも有利なコーティング
が得られる。そのコーティングは、改善された垂れ抵抗
性を示す。垂れることなく、例えば約70μm以上の層
の厚さで塗布することが可能である。これは、コーナ
ー、エッジまたはフランジまたは重なり合う領域などの
重要箇所で特に利点である。特に、被覆不良顔料を用い
た場合に、このコーティング組成物は増大した被覆能力
を示す。より少ない回数の吹付け作業で、またその結
果、少ないコーティング材料の消費で、同様の被覆能力
を得ることができる。本発明によるコーティング系で調
製したコーティング組成物により、塗布およびサンダー
仕上げされた目止め剤上のサンダー仕上げによるマーク
などの支持体のむらを非常にうまく被覆するコーティン
グが得られる。後から生じたマーク、例えばサンダー仕
上げによるマークは、その上に塗布された水性ベースコ
ートによって、目止め剤表面で認められない。さらに、
そのコーティングは、大変優れた、均一な特殊効果特性
を示す。
【0071】本発明を、以下の実施例に基づいて、さら
に詳細に説明する。
【0072】
【実施例】(実施例1)成分A)の調製 米国特許第5,556,912号、調製例1による水性
ポリウレタン分散液1、ポリウレタン分散液A((メ
タ)アクリル化ポリウレタン樹脂をベースとする)およ
びDE−A−4344063号、調製例2による水性ポ
リウレタン分散液2、ポリウレタン分散液B(ジイソシ
アネートで連鎖延長されるOH−官能性ポリウレタンプ
レポリマーをベースとする)を用いる。
【0073】成分A)を、以下の成分:ポリウレタン分
散液1を23.6重量部(30wt%固体)、ポリウレ
タン分散液2を11.8重量部(36wt%固体)、完
全に脱塩された水を46.1重量部、n−ブタノールを
7.2重量部、ブチルグリコールを4.0重量部、N−
メチルピロリドンを0.5重量部、アルミニウムのガス
発生を防ぐための市販の腐食抑制剤(Additol
XL 250、VIANOVA)を0.3重量部、増粘
剤(Viskalex HV 30、Chiba)を
2.1重量部、N,N−ジメチルエタノールアミンを
0.2重量部、市販のアルミニウムペースト(試験ベン
ゼン中65%、Eckart)4.1重量部を共に混合
することにより調製する。
【0074】(実施例2)成分C)の調製 実施例1に類似したポリウレタンバインダを用いる。
【0075】成分C)を以下の成分:ポリウレタン分散
液1を23.6重量部、ポリウレタン分散液2を11.
8重量部、完全に脱塩された水を21.1重量部、ブチ
ルグリコールを12.1重量部、増粘剤(Viskal
ex HV 30、Chiba)を1.3重量部、N,
N−ジメチルエタノールアミンを0.14重量部、二酸
化チタン顔料を22.1重量部、脱泡剤(Tego F
oamex805、Tego−Chemie)を0.1
6重量部、市販のポリウレタン摩砕助剤8.1重量部を
共に混合することにより調製する。
【0076】(実施例3)成分B)の調製 以下の成分:市販の層状ケイ酸塩(Optigel S
H、Sudchemie)を1重量部、米国特許第4,
558,090号、実施例に対応するポリウレタン樹脂
分散液(ペースト樹脂)を10重量部、完全に脱塩され
た水89重量部を共に混合する。
【0077】(実施例4)比較例−比較成分B)の調製 以下の成分:市販のケイ酸塩(Optigel SH、
Sudchemie)を1重量部、完全に脱塩された水
99重量部を共に混合する。
【0078】(実施例5)水性ベースコートの調製 実施例1に従って調製した成分A)61.7重量部、実
施例3に従って調製した成分B)13.6重量部、実施
例2に従って調製した成分C)24.7重量部を共に撹
拌しながら混合し、完全に脱塩した水10重量部で吹付
け粘度を調整する。
【0079】(実施例6)比較水性ベースコートの調製 実施例1に従って調製した成分A)61.7重量部、比
較例4に従って調製した成分B)13.6重量部、実施
例2に従って調製した成分C)24.7重量部を共に撹
拌しながら混合し、完全に脱塩した水10重量部で吹付
け粘度を調整する。
【0080】(実施例7)塗布実施例 市販の溶剤をベースとする2成分系プライマーサーフェ
ーサー(イソシアネート架橋性)(Standox(登
録商標)2K−Nonstop−Fullprime
r、Standox(登録商標)2K−Harter)
を、乾燥フィルム厚さ約60μmになるように陰極電着
コーティングによってコーティングされた鋼プレートに
塗布し、60℃で30分間硬化し、続いてサンダー仕上
げを行った。実施例5に従って調製したそれぞれの水性
ベースコートおよび実施例6に従って調製したそれぞれ
の比較用水性ベースコートをこのようにして得られたプ
ライマーサーフェーサー層に、一回の吹付けパスで、乾
燥フィルム全体の厚さが約12μmになるように塗布し
た。
【0081】続いて、約20分間の蒸発分離の後、この
ようにして得られた水性コーティング層をそれぞれ、市
販の2成分系溶剤をベースとするクリアコート(イソシ
アネート架橋性)(Standocryl(登録商標)
2K−HS−Klarlack、Standox(登録
商標)2K−HS−Harter、long)でコーテ
ィングした。10分間の蒸発分離の後、そのコーティン
グを60℃で30分間硬化した。
【0082】コーティングの技術的結果を以下の表に示
す。
【0083】
【表1】
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、適切なレオロジー、改
善された被覆能力ならびに改善された垂れ抵抗性を有す
る、特殊効果顔料を含有する水性ベースコートとして有
用な水性コーティング組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ステファン ヴィガーシャウス ドイツ 58332 シュヴェールム グロー ベ ヴァイデ 15 Fターム(参考) 4J038 CG031 DD001 DG001 DG002 DG112 GA06 HA456 KA03 KA08 MA08 MA14 PB05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)水と、少なくとも1種の特殊効果顔
    料と、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびポリ
    アクリル(メタクリル)酸樹脂からなる群から選択され
    る少なくとも1種の水希釈性樹脂とを含む特殊効果顔料
    組成物であって、前記の水の量が前記成分Aの総重量に
    対して少なくとも15wt%を占める、55〜95wt
    %の少なくとも1種の特殊効果顔料組成物と、 B)B1)少なくとも1種の無機層状ケイ酸塩0.3〜
    5.0wt%、 B2)少なくとも1種の水希釈性ポリウレタン樹脂1.
    0〜20.0wt%、 B3)水75.0〜98.7wt%、 を含む、顔料を含有しない組成物であって、B1、B2
    およびB3の重量パーセントを合計すると前記成分Bの
    100wt%となる、前記成分Aと成分Bとの総重量の
    100%に対して5〜45wt%の、顔料を含有しない
    組成物とを別個の成分として、組合されることを特徴と
    する水性コーティング組成物の調製用コーティング系。
  2. 【請求項2】 前記成分Aが、水30〜75wt%を含
    有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング
    系。
  3. 【請求項3】 前記成分Bが、成分B1を0.5〜3.
    0wt%、成分B2を2.0〜10wt%、成分B3を
    87〜97.5wt%含有することを特徴とする請求項
    1または2に記載のコーティング系。
  4. 【請求項4】 前記成分A中の前記樹脂が、前記の水希
    釈性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項
    1、2または3に記載のコーティング系。
  5. 【請求項5】 前記成分B中の前記水希釈性ポリウレタ
    ン樹脂が、酸価10〜50mgKOH/gおよび数平均
    分子量Mn3000〜200000を有し、OH価35
    〜200mgKOH/gおよび分子量500〜5000
    g/molを有する少なくとも1種のポリエステルポリ
    オールを、NCO基に対して反応性である少なくとも1
    つの基およびアニオンを生成することが可能な少なくと
    も1つの酸性基を有する化合物および少なくとも1つの
    ポリイソシアネートと反応させることによって得られる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載
    のコーティング系。
  6. 【請求項6】 前記成分Bの量が、前記成分B中の前記
    無機層状ケイ酸塩B1の量が前記成分Aの量に対して
    0.1〜1.5wt%であるような量であることを特徴
    とする請求項1から5のいずれか一項に記載のコーティ
    ング系。
  7. 【請求項7】 前記成分Aおよび前記成分Bに加えて、 C)水と、少なくとも1種の着色顔料と、ポリウレタン
    樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアクリル(メタクリ
    ル)酸樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の
    水希釈性樹脂とを含む少なくとも1種の着色組成物と、 D)少なくとも1種の架橋剤を含む少なくとも1種の架
    橋組成物と、 E)少なくとも1種の水希釈性バインダを含む少なくと
    も1種のバインダ組成物と からなる群から選択される、少なくとも1種の別個のさ
    らなる成分を含有することを特徴とする請求項1から6
    のいずれか一項に記載のコーティング系。
  8. 【請求項8】 前記成分C中の樹脂が、前記ポリウレタ
    ンであることを特徴とする請求項7に記載のコーティン
    グ系。
  9. 【請求項9】 前記成分D中の前記架橋剤が、少なくと
    も1種のポリイソシアネートを含有することを特徴とす
    る請求項7または8に記載のコーティング系。
  10. 【請求項10】 水性ベースコートの調製用の請求項1
    から9のいずれか一項に記載のコーティング系の使用。
  11. 【請求項11】 車両修復コーティングにおける、車両
    および/または車両部品のコーティング用の請求項1か
    ら9のいずれか一項に記載のコーティング系の使用。
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