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JP2001304016A - 内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排ガス浄化装置

Info

Publication number
JP2001304016A
JP2001304016A JP2000130138A JP2000130138A JP2001304016A JP 2001304016 A JP2001304016 A JP 2001304016A JP 2000130138 A JP2000130138 A JP 2000130138A JP 2000130138 A JP2000130138 A JP 2000130138A JP 2001304016 A JP2001304016 A JP 2001304016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
internal combustion
combustion engine
exhaust gas
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000130138A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Nakai
英夫 中井
Kiyoshi Hatano
清 波多野
Osamu Nakayama
修 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2000130138A priority Critical patent/JP2001304016A/ja
Publication of JP2001304016A publication Critical patent/JP2001304016A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷態始動時等において排気空燃比のリッチ化
による燃費悪化とエアポンプによる駆動損失の増加とを
防止した上で、触媒を早期に活性化できる内燃機関の排
ガス浄化装置を提供する。 【解決手段】 排ガス中のCOとO2とを反応させて低
温で活性化する触媒を備え、冷態始動と判定したときに
(ステップS2がYES)、燃料噴射を圧縮行程と膨張
行程に分割して実行する2段噴射を実行する(ステップ
S6)。この2段噴射では、圧縮行程での酸素過剰な燃
焼によるO2と、膨張行程での不完全燃焼によるCOと
が同時に生成され、これらのCOとO2とが排ガスと共
に触媒上に供給されて、その反応熱により触媒が昇温さ
れる。従って、COを供給するためのリッチ化やO2
供給するための2次空気の供給が必要なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中の未燃成
分とO2とを反応させて低温で活性化する触媒を備えた
内燃機関(以下、エンジンという)の排ガス浄化装置に
関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】近年の厳しい排ガス規制に適合す
るためには、特に冷態始動時の炭化水素(HC)の排出
量を低減することが重要とされ、このような要望を満た
すべく、例えばSAE980421に記載の排ガス浄化
装置が提案されている。この排ガス処理装置は、エンジ
ンの排気通路に上流側より水(H2O)トラップ、HC
トラップ、低温活性触媒を配置すると共に、H2Oトラ
ップの上流側の排気通路内にエアポンプから2次空気を
供給し得るように構成されている。低温活性触媒はパラ
ジウム(Pd)等の白金系貴金属酸化物からなる触媒を
担持してなり、常温においても触媒上でCOとO2とを
反応させ得る特性を有す。
【0003】冷態始動時には排気空燃比がリッチ化され
ると共にエアポンプから2次空気が供給され、リッチ化
によるCOと2次空気によるO2とが低温活性触媒上で
反応することで、エンジンの暖機により排気温度が上昇
する以前に低温活性触媒は速やかに昇温され、その浄化
作用を奏する。HCトラップは冷態始動時のごく初期の
低温活性触媒が未だ昇温していないときにHCを一時的
に吸着して大気中への排出を防止し、H2Oトラップは
排ガスに含まれるH2Oを吸着して、HCトラップや低
温活性触媒への悪影響を防止する役割をなす。
【0004】ところで、リーンバーンエンジン等に用い
られる吸蔵型NOx触媒は、リーン空燃比下において発
生する窒素酸化物(NOx)を一時的に吸蔵することで
浄化作用を奏するが、燃料に含まれる硫黄(S)成分が
酸素と反応した硫黄酸化物(SOx)がNOxの代わり
に吸蔵されて浄化効率を低下させてしまう、所謂硫黄被
毒と呼ばれる問題がある。上記した低温活性触媒におい
ても同様の現象が発生することが確認されており、硫黄
被毒により常温での活性機能が劣化してしまうという問
題がある。
【0005】NOx触媒に対する硫黄被毒の対策とし
て、例えば特開平7−217474号公報等では、点火
時期のリタード等の排気昇温により触媒を高温状態(例
えば、600〜700℃前後)とした上で、空燃比のリ
ッチ化によりCOの多い還元雰囲気を生成してSOxを
除去する再生処理技術が開示されており、低温活性触媒
の場合にも同様の処理を適用することが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した排ガス処理装
置では、以下に述べる問題を有する。まず、冷態始動時
においては、COの供給のために排気空燃比をリッチ化
していることから燃費が悪化してしまう上に、O2の供
給のためにエアポンプを作動させていることから、その
駆動損失が避けられないという問題がある。
【0007】又、硫黄被毒した低温活性触媒の再生時に
おいては、低温活性触媒と共に上流側のH2Oトラップ
やHCトラップも排気昇温により昇温されることになる
が、これらのトラップは、H2OやHCを吸着するため
にアルミナ(Al23)とシリカ(SiO2)の結晶構造
をなしていることから、上記温度まで昇温すると結晶構
造が崩壊して、その吸着作用を大幅に劣化させてしまう
という問題が発生する。
【0008】一方、低温活性触媒はSと同じくHCにも
被毒することから、このHC被毒の防止を目的として、
低温活性触媒が晒される排ガスの空燃比を常に15程度
に保つ必要があり、この条件を満足させるためにエアポ
ンプをかなりの頻度で作動させていることから、上記し
た冷態始動時のみならず、その後の通常の運転時におい
てもエアポンプの駆動損失は無視できないものであっ
た。
【0009】そこで、請求項1、請求項2及び請求項5
の発明の目的は、冷態始動時等において排気空燃比のリ
ッチ化による燃費悪化とエアポンプによる駆動損失の増
加とを防止した上で、低温活性触媒を早期に活性化する
ことができる内燃機関の排ガス浄化装置を提供すること
にある。又、請求項3、請求項4及び請求項5の発明の
目的は、上流側のH2OトラップやHCトラップ等を劣
化させることなく、硫黄被毒した低温活性触媒を再生す
ることができる内燃機関の排ガス浄化装置を提供するこ
とにある。
【0010】更に、請求項6の発明の目的は、低温活性
触媒の雰囲気をリーン側に保持するためのエアポンプの
作動頻度を減らして、その駆動損失を低減することがで
きる内燃機関の排ガス浄化装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、燃焼室内に直接燃料を噴射す
る筒内噴射型内燃機関において、内燃機関の排気通路に
設けられ、未燃成分とO 2とが供給されると低温で活性
する排気浄化用の触媒と、内燃機関が冷態始動時である
ことを判定する冷態始動判定手段と、冷態始動判定手段
により内燃機関が冷態始動時であることが判定される
と、主燃焼行程後に燃料噴射を行うモードを選択するこ
とにより、未燃成分とO2とを触媒に供給して活性を促
進する冷態始動制御手段とを備えた。
【0012】従って、冷態始動時には、冷態始動制御手
段により主燃焼行程後に燃料噴射が行われ、主燃焼行程
での酸素過剰な燃焼によりO2が生成されると共に、そ
の後の燃料噴射での不完全燃焼により未燃成分(例えば
COやHC)が生成され、これらの未燃成分とO2とが
排ガスと共に触媒上に供給されて反応し、その反応熱に
より触媒が昇温される。そして、このようにしてO2
未燃成分が生成されることから、未燃成分の供給のため
に空燃比を必ずしもリッチ化する必要がなくなり、又、
2供給のためにエアポンプを作動させる必要がなくな
る。
【0013】又、請求項2の発明では、燃焼室内に直接
燃料を噴射する筒内噴射型内燃機関において、内燃機関
の排気通路に設けられ、未燃成分とO2とが供給される
と低温で活性する排気浄化用の触媒と、内燃機関が冷態
始動時であることを判定する冷態始動判定手段と、冷態
始動判定手段により内燃機関が冷態始動時であることが
判定されると、圧縮行程で燃料噴射を行う圧縮行程噴射
モードを選択すると共に、圧縮行程噴射モードでの目標
空燃比を冷態始動時以外で選択される目標空燃比より濃
化側に変更することにより、未燃成分とO2とを触媒に
供給して活性を促進する冷態始動制御手段とを備えた。
【0014】従って、冷態始動時には、冷態始動制御手
段により圧縮行程噴射モードが選択されると共に、目標
空燃比が冷態始動時以外のときの目標空燃比より濃化側
に変更される(このときの濃化側とは、ストイキよりリ
ッチ側に限定されるものでなく、冷態始動時以外のとき
に目標空燃比がリーン側であれば、冷態始動時にもリー
ン側の目標空燃比となる場合がある)。この状況では、
点火プラグ近傍が局部的に極めて燃料濃度の濃いリッチ
空燃比状態となってO2が不足することから、燃料が不
完全燃焼を引き起こして未燃成分(例えばCOやHC)
が比較的多く発生する一方、それ以外の領域では余剰O
2が生成され、これらの未燃成分とO2とが排ガスと共に
触媒上に供給されて反応し、その反応熱により触媒が昇
温される。そして、このようにしてO2と未燃成分が生
成されることから、未燃成分の供給のために空燃比を必
ずしもリッチ化する必要がなくなり、又、O2供給のた
めにエアポンプを作動させる必要がなくなる。
【0015】更に、請求項3の発明では、燃焼室内に直
接燃料を噴射する筒内噴射型内燃機関において、内燃機
関の排気通路に設けられたH2Oトラップ及び/又はH
Cトラップと、排気通路のトラップの下流側に設けら
れ、未燃成分とO2とが供給されると低温で活性する排
気浄化用の触媒と、触媒の硫黄被毒に対する再生を行う
べき時期を判定する再生時期判定手段と、再生時期判定
手段により再生を行うべき時期と判定されると、主燃焼
行程後に燃料噴射を行うモードを選択することにより、
未燃成分とO2とを触媒に供給して触媒を再生する触媒
再生手段とを備えた。
【0016】従って、触媒の再生処理時には、触媒再生
手段により主燃焼行程後に燃料噴射が行われ、主燃焼行
程での酸素過剰な燃焼によりO2が生成されると共に、
その後の燃料噴射での不完全燃焼により未燃成分(例え
ばCOやHC)が生成され、これらの未燃成分とO2
が排ガスと共に触媒上に供給されて反応し、その反応熱
により触媒が昇温されて再生する。そして、このように
未燃成分とO2との反応熱を利用して触媒を昇温させて
いるため、点火時期リタード等により排気昇温させた場
合のように、触媒と共に上流側のH2OトラップやHC
トラップが昇温されることがない。
【0017】一方、請求項4の発明では、燃焼室内に直
接燃料を噴射する筒内噴射型内燃機関において、内燃機
関の排気通路に設けられたH2Oトラップ及び/又はH
Cトラップと、排気通路のトラップの下流側に設けら
れ、未燃成分とO2とが供給されると低温で活性する排
気浄化用の触媒と、触媒の硫黄被毒に対する再生を行う
べき時期を判定する再生時期判定手段と、再生時期判定
手段により再生を行うべき時期と判定されると、圧縮行
程で燃料噴射を行う圧縮行程噴射モードを選択すると共
に、圧縮行程噴射モードでの目標空燃比を上記触媒の再
生時以外で選択される目標空燃比より濃化側に変更する
ことにより、未燃成分とO2とを触媒に供給して触媒を
再生する触媒再生手段とを備えた。
【0018】従って、触媒の再生処理時には、触媒再生
手段により圧縮行程噴射モードが選択されると共に、目
標空燃比が触媒再生時以外のときの目標空燃比より濃化
側に変更される(このときの濃化側とは、ストイキより
リッチ側に限定されるものでなく、触媒再生時以外のと
きに目標空燃比がリーン側であれば、冷態始動時にもリ
ーン側の目標空燃比となる場合がある)。この状況で
は、点火プラグ近傍が局部的に極めて燃料濃度の濃いリ
ッチ空燃比状態となってO2が不足することから、燃料
が不完全燃焼を引き起こして未燃成分(例えばCOやH
C)が比較的多く発生する一方、それ以外の領域では余
剰O2が生成され、これらの未燃成分とO2とが排ガスと
共に触媒上に供給されて反応し、その反応熱により触媒
が昇温されて再生する。そして、このように未燃成分と
2との反応熱を利用して触媒を昇温させているため、
点火時期リタード等により排気昇温させた場合のよう
に、触媒と共に上流側のH2OトラップやHCトラップ
が昇温されることがない。
【0019】又、請求項5の発明では、請求項1乃至請
求項4の内燃機関に、触媒の上流側に2次空気を供給す
る2次空気供給手段を更に備え、触媒が所定温度以上
で、且つ濃化側空燃比雰囲気にあることが判定される
と、2次空気供給手段を作動させて排ガス中に2次空気
を供給するものである。従って、触媒が所定温度以上
で、且つ濃化側空燃比雰囲気にあるときには、2次空気
の供給により空燃比がリーン側に抑制されることから、
この条件の成立が防止され、その結果、この条件下で発
生するシンタリング等による触媒劣化が未然に回避され
る。そして、このように2次空気供給手段は、条件が成
立したときのみに作動されるため、その作動頻度が減少
する。
【0020】更に、請求項6の発明では、空燃比を希薄
側に設定したリーン運転を実行可能なリーンバーン内燃
機関において、内燃機関の排気通路に設けられ、未燃成
分とO2とが供給されると低温で活性する排気浄化用の
触媒と、触媒の上流側に2次空気を供給して、触媒の雰
囲気を希薄側空燃比に保持する2次空気供給手段と、内
燃機関がリーン運転を実行する運転領域において、2次
空気供給手段の作動を抑制する2次空気抑制手段とを備
えた。
【0021】従って、触媒の雰囲気が濃化側空燃比とな
ったときに発生するHC被毒等を防止するために、2次
空気供給手段により2次空気が供給されて、触媒の雰囲
気が常に希薄側空燃比に保持される。そして、内燃機関
がリーン運転を実行する運転領域では、元々触媒の雰囲
気が希薄側空燃比であることからHC被毒等の虞はな
く、2次空気供給手段の作動が抑制されて作動頻度が減
少する。
【0022】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、本発明を
筒内噴射型内燃機関の排ガス浄化装置に具体化した第1
実施形態を説明する。本実施形態は、請求項1、請求項
3、請求項5及び請求項6の発明に対応するものであ
る。
【0023】図1は第1実施形態の内燃機関の排ガス浄
化装置を示す全体構成図であり、この図に示すように、
エンジン1は筒内噴射型火花点火式の直列4気筒ガソリ
ンエンジンとして構成されている。エンジン1のシリン
ダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ2と共に電磁式の
燃料噴射弁3が取り付けられ、この燃料噴射弁3から燃
焼室内に直接燃料が噴射されるようになっている。シリ
ンダヘッドには各気筒毎に略直立方向に吸気ポート4a
が形成されており、これらの吸気ポート4aは吸気マニ
ホールド4を介してスロットルバルブ5と接続され、ス
ロットルバルブ5は図示しない吸気通路と接続されてい
る。
【0024】又、シリンダヘッドには略水平方向に排気
ポート7aが形成されており、これらの排気ポート7a
には三元触媒8を備えた排気マニホールド7が接続され
ている。排気マニホールド7には排気通路6が接続さ
れ、この排気通路6の車両の床下位置には、上流側より
2Oトラップ9、HCトラップ10、第1の低温活性
触媒11、第2の低温活性触媒12が設けられている。
又、H2Oトラップ9の上流側において、排気通路6に
はチェックバルブ13とカットオフバルブ14を介して
2次空気供給手段としてのエアポンプ15が接続されて
いる。
【0025】ここで、HCトラップ10は、例えば30
0℃程度を境界として低温時にHCを吸着し、高温時に
は吸着したHCを脱離する特性を有す。又、低温活性触
媒11,12は、パラジウム(Pd)等の白金系貴金属
酸化物からなる触媒を担持してなり、常温においても触
媒上でCOとO2とを反応させ得る特性を有す。一方、
車室内には入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不
揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカ
ウンタ等を備えたECU(電子コントロールユニット)
21が設置されている。ECU21の入力側には、スロ
ットルバルブ5の開度θthを検出するスロットルセンサ
22、エンジン1の回転速度Neを検出する回転速度セ
ンサ23、冷却水温Twを検出する水温センサ24、空
燃比センサ25,26等が接続されており、これらセン
サ類からの検出情報が入力される。ECU21の出力側
には、上記した点火プラグ2、燃料噴射弁3、カットオ
フバルブ14、エアポンプ15等が接続されている。
【0026】そして、ECU21は各センサから入力さ
れる情報に基づいて、エンジン1を含めた本発明に係る
排ガス浄化装置の総合的な制御を実行する。燃料噴射量
制御については、例えば図2の制御マップに従って、ス
ロットル開度θth等から求めた目標平均有効圧Pe(エ
ンジン負荷を表す)とエンジン回転速度Neとから、最
適な燃料噴射モード及び目標空燃比が決定される。例え
ば、アイドル運転時や低速走行時のような低負荷低回転
域では、目標空燃比をリーン側に設定して圧縮行程で燃
料噴射を実行する圧縮行程リーンモードが選択され、目
標平均有効圧Peやエンジン回転速度Neの増加に伴っ
て、吸気行程で燃料噴射を実行して空燃比センサ25か
らの信号に基づいて空燃比をストイキに制御するS−F
/Bモード、目標空燃比をリッチ側に設定して吸気行程
で燃料噴射を実行する吸気行程リッチモードへと順次切
換えられる。
【0027】又、このように筒内噴射型エンジン1では
燃料噴射時期を自由に設定可能なことから、後述する冷
態始動時と低温活性触媒11,12の再生処理時には、
燃料噴射を圧縮行程と膨張行程に分割して実行する所謂
2段噴射を実行している。この2段噴射は、圧縮行程で
噴射(以下、主噴射という)された燃料を燃焼室内で燃
焼させると共に、燃焼後に残存した前炎反応生成物を利
用して、膨張行程で追加噴射(以下、副噴射という)さ
れた燃料を自己着火させて燃焼させるものである。
【0028】この2段噴射では、圧縮行程での酸素過剰
な燃焼によるO2と、膨張行程での不完全燃焼によるC
Oとが同時に生成されることから、全体空燃比(主噴射
と副噴射を合わせた空燃比)としては必ずしもリッチと
することなく排ガス中のO2とCOとを増加可能であ
り、これらのO2とCOの生成量は、例えば全体空燃
比、主噴射と副噴射との燃料比率、副噴射の時期、副噴
射の燃料を自己着火させるために行われる点火リタード
の量等(以下、制御パラメータという)に応じて変化す
ることから、排ガス中に多量の余剰COと余剰O2とが
残存するように、上記各制御パラメータが設定される。
【0029】次に、以上のように構成された筒内噴射型
内燃機関の排ガス浄化装置において、エンジン1の冷態
始動時に低温活性触媒11,12を昇温させるために実
施される処理を説明する。この処理は、請求項1の発明
に対応するものである。ECU21はエンジン1の始動
時に図3に示す始動時制御ルーチンを所定の制御インタ
ーバルで実行する。まず、ステップS2で例えば冷却水
温Tw等に基づいて冷態始動か否かを判定し(冷態始動
判定手段)、エンジン1が既に温態であってNO(否
定)の判定を下したときには、ステップS4に移行して
通常の燃料噴射制御を実行し、例えば、そのときの冷却
水温Tw等に応じて燃料噴射モードを設定して、そのモ
ードに応じた行程(圧縮行程や吸気行程)において主噴
射のみを実施してエンジン1を始動させる。
【0030】又、始動時のエンジン1が冷態であってス
テップS2でYES(肯定)の判定を下したときには、
ステップS6に移行して2段噴射を実行する(冷態始動
制御手段)。上記したように、このときの2段噴射は、
排ガス中に多量の余剰COと余剰O2とが含まれるよう
に上記した各制御パラメータが設定され、これらのパラ
メータに基づいて圧縮行程で主噴射が、膨張行程で副噴
射がそれぞれ実行される。次いで、ECU21はステッ
プS8で昇温処理の終了条件が成立したか否かを判定す
る。例えば、低温活性触媒11,12の温度Tcataが昇
温完了温度として設定された所定値に達したり、或いは
温度上昇が鈍って平衡状態となったりしたときには終了
条件が成立したと判定する。尚、このときの触媒温度T
cataはセンサによる実測値や、エンジン回転速度Neや
エンジン負荷の時間変化からの推定値が適用される。ス
テップS8の判定がNOのときには前記ステップS6に
戻って2段噴射を継続し、判定がYESになると前記ス
テップS4に移行して通常の燃料噴射制御を実行してル
ーチンを終了する。
【0031】上記したステップS6の2段噴射により燃
焼後の排ガス中には多量のO2とCOが残存し、これら
のO2とCOは排ガスと共に第1及び第2の低温活性触
媒11,12に到達して、これらの触媒11,12上で
反応する。この反応熱により各低温活性触媒11,12
は上流側の三元触媒8やH2Oトラップ9、HCトラッ
プ10に先行して昇温されて活性温度(250〜300
℃)に達し、その後に排気熱による昇温作用で三元触媒
8やH2Oトラップ9、HCトラップ10が昇温される
ことになる。
【0032】冷態始動のごく初期の低温活性触媒11,
12が未だ昇温されない時点では、排ガス中のHCはH
Cトラップ10に吸着されて排気中への排出が防止さ
れ、又、排ガス中のH2OはH2Oトラップ9に吸着され
て下流側のHCトラップ10や低温活性触媒11,12
に対するH2Oの悪影響が防止される。そして、排気熱
によりHCトラップ10が昇温されると、HCトラップ
10から離脱したHCは下流側の第1及び第2の低温活
性触媒11,12により浄化される。
【0033】以上のように本実施形態の排ガス浄化装置
では、筒内噴射型エンジン1の特性を活用した2段噴射
によりO2とCOを生成して冷態始動時の低温活性触媒
11,12を昇温しており、この2段噴射では全体空燃
比を必ずしもリッチ化する必要がないことから、排気空
燃比のリッチ化によりCOを生成する従来例に比較して
燃料噴射量を減少可能となる。又、O2供給のためにエ
アポンプ15を作動させる必要もないことから、この冷
態始動時にはエアポンプ15を停止させたままでよい。
よって、排気空燃比のリッチ化による燃費悪化とエアポ
ンプ15による駆動損失の増加とを防止した上で、低温
活性触媒11,12を早期に活性化することができる
(請求項1の発明の作用・効果に対応)。
【0034】一方、低温活性触媒11,12は使用に伴
ってSOxが蓄積されて浄化作用を低下させるため、S
Oxをパージする再生処理を実行する必要があり、以
下、この再生処理について説明する。この処理は、請求
項3の発明に対応するものである。ECU21は定期的
に低温活性触媒11,12に蓄積されたSOxの量(被
毒S量Qs)の推定処理を実行し(再生時期判定手
段)、被毒S量Qsが所定値に達したときには、図4に
示すSOxパージルーチンを所定の制御インターバルで
実行する。被毒S量Qsの推定は、例えば単位時間当た
りの燃料噴射量を基本として空燃比A/F、燃料中のS
含有量、触媒温度等に応じて補正して低温活性触媒1
1,12に吸着されるSOxの量を算出し、その値を逐
次積算することで求められる。
【0035】SOxパージルーチンが開始されると、E
CU21はステップS12で再生カウンタCをリセット
し、続くステップS14で、SOxパージを継続する再
生時間Tpurgeを決定する。即ち、SOxの放出・還元
速度はエンジン1の運転状態に応じて変化することか
ら、予めエンジン回転速度Ne及びエンジン負荷に応じ
て設定されたマップに従って再生時間Tpurgeを設定す
る。例えば、エンジン回転速度Ne及び目標平均有効圧
Peの増加に伴ってSOxの放出・還元速度が増加する
ことから、それに応じて再生時間Tpurgeは減少設定さ
れる。
【0036】その後、ステップS16で2段噴射を実行
する。このときの2段噴射では上記した冷態始動時と同
様に、昇温に貢献する多量の余剰COと余剰O2が排ガ
ス中に残存するように各制御パラメータが設定され、こ
れらのCOとO2が低温活性触媒11,12上で反応す
ることにより迅速な昇温が達成される。続くステップS
18では、低温活性触媒11,12の温度Tcataが予め
設定された再生開始温度T0に達したか否かを判定す
る。尚,このときの触媒温度Tcataも、センサによる実
測値や推定値が適用される。
【0037】ここで、低温活性触媒11,12からSO
xをパージするには以下の何れかの条件を満たす必要が
あり、何れの条件で再生処理を行うかは予め選択されて
いる。そして、上記した再生開始温度T0は、選択した
条件中に規定された触媒温度条件(700℃又は600
℃)の近傍に設定されている。つまり、ステップS18
でYESの判定が下されたときには、低温活性触媒1
1,12がSOxをパージ可能な状態となったことを意
味する。 a)低温活性触媒11,12が700℃以上に保持され
て、空燃比15程度の排ガスに晒される(以下、この条
件を高温リーンという) b)低温活性触媒11,12が600℃以上に保持され
て、空燃比13程度の排ガスに晒される(以下、この条
件を中温リッチという) ステップS18の判定がNOのときにはステップS16
に戻って2段噴射を継続し、判定がYESになるとステ
ップS20で2段噴射噴射の制御内容を切換える。即
ち、この時点で低温活性触媒11,12はパージ可能な
温度に達していることから、その後は温度を維持しなが
ら、a)又はb)の空燃比条件(15又は13)が継続
されるように、各制御パラメータが設定し直される(再
生制御手段)。例えば、高温リーンでは、中温リッチに
比較してリーン側の排気空燃比を実現する必要があるこ
とから、より多量のO2が生成される燃焼状態となるよ
うに制御パラメータの設定が行われる。
【0038】その後、ステップS22で再生カウンタC
をインクリメントし、ステップS24で再生カウンタC
が再生時間Tpurgeに対応する値Cpurgeに達したか否か
を判定する。判定がNOのときにはステップS20に戻
って2段噴射を継続し、判定がYESになるとルーチン
を終了する。よって、その後はエンジン1の運転状態に
応じた通常の燃料噴射制御に復帰することになる。
【0039】以上のように本実施形態の排ガス浄化装置
では、低温活性触媒11,12の再生時にも2段噴射を
利用しており、2段噴射で生成したO2とCOの反応に
より低温活性触媒11,12を高温リーン又は中温リッ
チの条件まで昇温してSOxパージしている。その結
果、従来例のような点火時期リタード等による排気昇温
を実施した場合とは相違して、上流側のH2Oトラップ
9とHCトラップ10はSOxパージの間も耐熱許容温
度以下に保持される。よって、上流側のH2Oトラップ
9やHCトラップ10等を劣化させることなく、硫黄被
毒した低温活性触媒11,12を再生することができる
(請求項3の発明の作用・効果に対応)。
【0040】しかも、高温リーンでSOxパージする場
合であっても、その際の空燃比条件(15以上)を2段
噴射によるO2供給で実現できるため、エアポンプ15
による2次空気供給を一切必要とせず、その駆動損失を
低減できるという利点もある。ところで、低温活性触媒
11,12は、HCによる被毒防止のために排気空燃比
を常に15程度に保つ必要があり、一方、SOxパージ
等には、高温リーンの温度条件(700℃以上)で排気
空燃比がリッチ側(15未満)に変動したとき(以下、
この条件を高温リッチという)に発生する所謂シンタリ
ング(粒子の粗大化により活性温度の低下を引き起こす
現象)を防止する必要があり、それらの対策として、2
次空気の供給によるリーン補正が行われており、以下、
その制御について説明する。これらの処理は、請求項5
及び請求項6の発明に対応するものである。
【0041】ECU21は図5に示すエアポンプ制御ル
ーチンを所定の制御インターバルで実行しており、ま
ず、ステップS32で低温活性触媒11,12の再生処
理を実行中か否かを判定し、NOのときにはステップS
34で低温活性触媒11,12の出口側の空燃比A/F
out(即ち、低温活性触媒11,12が晒されている排
ガスの空燃比)が15未満か否かを判定する。判定がN
Oのときにはルーーチンを終了し、判定がYESのとき
にはステップS36でエアポンプ15を作動させた後に
ルーチンを終了する。エアポンプ15の作動により排気
通路6内に2次空気が供給され、これにより出口側空燃
比A/Foutは15以上のリーン側に抑制され、低温活
性触媒11,12のHCによる被毒が未然に防止され
る。
【0042】一方、前記ステップS32でYESの判定
を下したときには、ステップS38で上記した高温リッ
チの条件が成立しているか否かを判定し、NOのときに
はルーチンを終了する。ステップS38の判定がYES
のときには前記ステップS36に移行してエアポンプ1
5を作動させる。2次空気の供給により出口側空燃比A
/Foutは15以上のリーン側に抑制されて高温リーン
の条件が成立し、低温活性触媒11,12のシンタリン
グによる活性温度の低下が未然に防止される。
【0043】以上のように本実施形態の排ガス浄化装置
では、エアポンプ15からの2次空気の供給により出口
側空燃比A/Foutを常に15程度に保持している。そ
して、図2に制御マップから明らかなように、圧縮行程
リーンモードの領域ではステップS32の条件に該当し
ないことから、エアポンプ15を作動させる必要は一切
ない(2次空気抑制手段)。つまり、リーン運転を行わ
ない通常のエンジンに比較して、圧縮行程リーンモード
の領域分だけエアポンプ15の作動頻度が減少すること
から、その駆動損失を大幅に低減させることができる
(請求項6の発明の作用・効果に対応)。
【0044】又、低温活性触媒11,12の再生処理時
には、エアポンプ15からの2次空気の供給により出口
側空燃比A/Foutを15以上のリーン側に抑制し、高
温リッチの条件が成立するのを防止している。そして、
上記のように正常な高温リーン或いは中温リッチの条件
で再生処理を実施している場合には、エアポンプ15に
よる2次空気供給を一切必要としないことから、再生処
理中においては、高温リッチの条件が成立した場合のみ
にエアポンプ15を作動させればよいこととなり、上記
した駆動損失を一層低減することができる(請求項5の
発明の作用・効果に対応)。 [第2実施形態]次に、本発明を別の筒内噴射型内燃機
関の排ガス浄化装置に具体化した第2実施形態を説明す
る。本実施形態は、請求項2、請求項4、請求項5及び
請求項6の発明に対応するものである。
【0045】ここで、本実施形態の排ガス浄化装置の構
成は第1実施形態のものと同様であり、相違点は、冷態
始動時に行われる低温活性触媒11,12の昇温処理、
及びSOxをパージする再生処理にある。従って、相違
点を重点的に説明する。ECU21はエンジン1の始動
時に図6に示す始動時制御ルーチンを所定の制御インタ
ーバルで実行する。図3と図6との比較から明らかなよ
うに、本実施形態では、第1実施形態のステップS4の
2段噴射に代えて、ステップS102で圧縮スライトリ
ーン(圧縮S/L)モードを実行している(冷態始動制
御手段)。この圧縮S/Lモードは、圧縮行程において
空燃比をストイキよりもリーン寄りのスライトリーン空
燃比(例えば、値14.7〜値20、好ましくは値1
4.7〜値16)に制御するモードである。
【0046】そして、この圧縮S/Lモードでは、点火
プラグ2近傍が局部的に極めて燃料濃度の濃いリッチ空
燃比状態となってO2が不足することから、燃料が不完
全燃焼を引き起こしてCOが比較的多く発生する一方、
それ以外の領域では余剰O2が生成される。つまり、図
8を参照すると、空燃比A/Fを変えて圧縮行程噴射を
行った場合のO2濃度とCO濃度が実線で示され、空燃
比A/Fを変えて吸気行程噴射を行った場合の同様の結
果が一点鎖線で比較して示されているが、このように、
吸気行程噴射に比較して圧縮行程噴射ではストイキを含
む全ての空燃比領域でCO濃度が格段に高いことがわか
る。
【0047】従って、圧縮S/Lモードにおいても、第
1実施形態で実施した2段噴射と同様に、燃焼後の排ガ
ス中に多量のO2とCOが残存し、これらのO2とCOが
排ガスと共に第1及び第2の低温活性触媒11,12に
到達し、触媒11,12上で反応して昇温作用を奏す
る。以上のように本実施形態の排ガス浄化装置では、筒
内噴射型エンジン1の特性を活用した圧縮S/Lモード
によりO2とCOを生成して冷態始動時の低温活性触媒
11,12を昇温しており、この圧縮S/Lモードでは
空燃比をストイキよりややリーン側としていることか
ら、排気空燃比のリッチ化によりCOを生成する従来例
に比較して燃料噴射量を減少可能となる。又、O2供給
のためにエアポンプ15を作動させる必要もないことか
ら、この冷態始動時にはエアポンプ15を停止させたま
までよい。よって、排気空燃比のリッチ化による燃費悪
化とエアポンプ15による駆動損失の増加とを防止した
上で、低温活性触媒11,12を早期に活性化すること
ができる(請求項2の発明の作用・効果に対応)。
【0048】一方、ECU21は低温活性触媒11,1
2の被毒S量Qsが所定値に達したときには(再生時期
判定手段)、図7に示すSOxパージルーチンを所定の
制御インターバルで実行する。図4と図7との比較から
明らかなように、この場合にも、第1実施形態のステッ
プS16及びステップS20の2段噴射に代えて、ステ
ップS104及びステップS106で圧縮S/Lモード
を実行している(触媒再生手段)。従って、この圧縮S
/Lモードにより、排ガス中に多量のO2とCOが残存
して低温活性触媒11,12に供給され、その反応熱に
より低温活性触媒11,12は高温リーン又は中温リッ
チの条件を満たす状態に保持されてSOxパージが行わ
れる。
【0049】以上のように本実施形態の排ガス浄化装置
では、低温活性触媒11,12の再生時にも圧縮S/L
モードを利用しており、圧縮S/Lモードで生成したO
2とCOの反応により低温活性触媒11,12を高温リ
ーン又は中温リッチの条件まで昇温してSOxパージし
ている。その結果、従来例のような点火時期リタード等
による排気昇温を実施した場合とは相違して、上流側の
2Oトラップ9とHCトラップ10はSOxパージの
間も耐熱許容温度以下に保持される。よって、上流側の
2OトラップやHCトラップ等を劣化させることな
く、硫黄被毒した低温活性触媒11,12を再生するこ
とができる(請求項4の発明の作用・効果に対応)。
【0050】一方、詳細は説明しないが、本実施形態の
排ガス浄化装置においても、第1実施形態で説明した図
5のエアポンプ制御ルーチンを実行しており、その結
果、2次空気の供給により出口側空燃比A/Foutが常
に15程度に保持されると共に、低温活性触媒11,1
2の再生処理時には、シンタリングの原因となる高温リ
ッチ条件の成立が防止される。そして、圧縮行程リーン
モードの領域ではエアポンプ15を作動させる必要がな
いことから(2次空気抑制手段)、その作動頻度を減少
させて駆動損失を大幅に低減でき(請求項6の発明の作
用・効果に対応)、更に、触媒再生時には高温リッチの
条件が成立した場合のみにエアポンプ15を作動させれ
ばよいため、駆動損失を一層低減することができる(請
求項5の発明の作用・効果に対応)。
【0051】以上で実施形態の説明を終えるが、本発明
の態様はこれらの第1及び第2実施形態に限定されるも
のではない。例えば、上記各実施形態では、筒内噴射型
エンジン1用の排ガス浄化装置として具体化したが、適
用するエンジンの種別はこれに限ることはなく、例えば
請求項6の発明の作用・効果のみを得たい場合であれ
ば、リーンバーンエンジンの排ガス浄化装置として具体
化してもよい。即ち、この場合であっても、リーン運転
域では低温活性触媒11,12がHCで被毒する虞がな
いことからエアポンプ15を作動させる必要がなく,そ
の作動頻度を減少させることができる。
【0052】又、上記各実施形態では、常温においても
COとO2とを反応させ得る低温活性触媒11,12を
備えた排ガス浄化装置に具体化したが、必ずしも常温活
性の特性は必要でなく、上流側の三元触媒8等の活性よ
り早いタイミングでCOとO 2の反応により昇温して活
性可能なものであれば、その活性温度は常温より高くて
もよい。
【0053】更に、上記第1実施形態では、2段噴射と
して主噴射を圧縮行程で、副噴射を膨張行程で行う制御
を実行したが、これら主噴射と副噴射を実行する行程は
必ずしも上記に限定されるものではなく、要は酸素過剰
な燃焼によるO2と不完全燃焼によるCOとを同時に生
成できさえすればよい。従って、例えば、主噴射を圧縮
行程で、副噴射を排気行程で行ったり、或いは主噴射を
圧縮行程で、副噴射を膨張行程と排気行程で行ったり、
更に主噴射を吸気行程で、副噴射を膨張行程で行ったり
してもよい。
【0054】一方、冷態始動時の低温活性触媒11,1
2の昇温処理とSOxパージの再生処理とを、上記第1
実施形態では2段噴射により実現し、第2実施形態では
圧縮S/Lモードにより実現したが、例えば、冷態始動
時の昇温処理には2段噴射を適用し、再生処理には圧縮
S/Lモードを適用したり、或いはその逆としてもよ
い。又、低温活性触媒11,12の再生処理において、
低温活性触媒11,12の昇温段階(図4のステップS
16、図7のステップS104)では2段噴射を適用
し、その後のSOxパージ段階(図4のステップS2
0、図7のステップS106)では圧縮S/Lモードを
適用したり、或いはその逆としてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように請求項1及び請求項
2の発明の内燃機関の排ガス浄化装置によれば、冷態始
動時等において排気空燃比のリッチ化による燃費悪化と
エアポンプによる駆動損失の増加とを防止した上で、触
媒を早期に活性化することができる。
【0056】又、請求項3及び請求項4の発明の内燃機
関の排ガス浄化装置によれば、上流側のH2Oトラップ
やHCトラップ等を劣化させることなく、硫黄被毒した
触媒を再生することができる。更に、請求項5の発明の
内燃機関の排ガス浄化装置によれば、請求項1乃至請求
項4の発明に加えて、2次空気供給手段の作動頻度を減
少させて、その駆動損失を一層低減することができる。
【0057】一方、請求項6の発明の内燃機関の排ガス
浄化装置によれば、触媒の雰囲気を希薄側空燃比に保持
するための2次空気供給手段の作動頻度を減らして、そ
の駆動損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の筒内噴射型内燃機関の排ガス浄
化装置を示す全体構成図である。
【図2】燃料噴射モードを決定するための制御マップを
示す説明図である。
【図3】ECUが実行する始動時制御ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図4】ECUが実行するSOxパージルーチンを示す
フローチャートである。
【図5】ECUが実行するエアポンプ制御ルーチンを示
すフローチャートである。
【図6】第2実施形態のECUが実行する始動時制御ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図7】ECUが実行するSOxパージルーチンを示す
フローチャートである。
【図8】圧縮行程噴射と吸気行程噴射で空燃比を変化さ
せたときのO2濃度及びCO濃度を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 6 排気通路 9 H2Oトラップ 10 HCトラップ 11,12 低温活性触媒 15 エアポンプ(2次空気供給手段) 21 ECU(冷態始動判定手段、冷態始動制御
手段、再生時期判定手段、触媒再生手段、2次空気抑制
手段)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/24 R E F02D 41/02 335 F02D 41/02 335 41/20 335 41/20 335 41/34 41/34 H (72)発明者 中山 修 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA12 AA17 AA24 AA28 AB03 AB08 AB10 BA03 BA11 BA14 BA15 BA19 BA33 CA23 CA24 CB02 CB03 CB08 DA01 DA02 DB06 DB10 EA01 EA07 EA16 EA18 EA30 EA34 FA02 FA04 FA12 FA13 FB02 FB10 FB11 FB12 FC02 FC07 GB05W GB06W GB07W HA03 HA19 HA20 HA36 HA37 HA42 HA47 3G301 HA01 HA04 HA15 JA21 JA33 KA01 LA08 LB04 LC10 MA19 NA08 NB06 NC02 ND05 ND18 NE01 NE13 PA11Z PB05Z PD02Z PD04Z PD11Z PE01Z PE06Z PE08Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射
    型内燃機関において、 上記内燃機関の排気通路に設けられ、未燃成分とO2
    が供給されると低温で活性する排気浄化用の触媒と、 上記内燃機関が冷態始動時であることを判定する冷態始
    動判定手段と、 上記冷態始動判定手段により上記内燃機関が冷態始動時
    であることが判定されると、主燃焼行程後に燃料噴射を
    行うモードを選択することにより、上記未燃成分とO2
    とを上記触媒に供給して活性を促進する冷態始動制御手
    段とを備えたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装
    置。
  2. 【請求項2】 燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射
    型内燃機関において、 上記内燃機関の排気通路に設けられ、未燃成分とO2
    が供給されると低温で活性する排気浄化用の触媒と、 上記内燃機関が冷態始動時であることを判定する冷態始
    動判定手段と、 上記冷態始動判定手段により上記内燃機関が冷態始動時
    であることが判定されると、圧縮行程で燃料噴射を行う
    圧縮行程噴射モードを選択すると共に、該圧縮行程噴射
    モードでの目標空燃比を冷態始動時以外で選択される目
    標空燃比より濃化側に変更することにより、上記未燃成
    分とO2とを上記触媒に供給して活性を促進する冷態始
    動制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の排ガ
    ス浄化装置。
  3. 【請求項3】 燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射
    型内燃機関において、 上記内燃機関の排気通路に設けられたH2Oトラップ及
    び/又はHCトラップと、 上記排気通路の上記トラップの下流側に設けられ、未燃
    成分とO2とが供給されると低温で活性する排気浄化用
    の触媒と、 上記触媒の硫黄被毒に対する再生を行うべき時期を判定
    する再生時期判定手段と、 上記再生時期判定手段により再生を行うべき時期と判定
    されると、主燃焼行程後に燃料噴射を行うモードを選択
    することにより、上記未燃成分とO2とを上記触媒に供
    給して該触媒を再生する触媒再生手段とを備えたことを
    特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射
    型内燃機関において、 上記内燃機関の排気通路に設けられたH2Oトラップ及
    び/又はHCトラップと、 上記排気通路の上記トラップの下流側に設けられ、未燃
    成分とO2とが供給されると低温で活性する排気浄化用
    の触媒と、 上記触媒の硫黄被毒に対する再生を行うべき時期を判定
    する再生時期判定手段と、 上記再生時期判定手段により再生を行うべき時期と判定
    されると、圧縮行程で燃料噴射を行う圧縮行程噴射モー
    ドを選択すると共に、該圧縮行程噴射モードでの目標空
    燃比を上記触媒の再生時以外で選択される目標空燃比よ
    り濃化側に変更することにより、上記未燃成分とO2
    を上記触媒に供給して該触媒を再生する触媒再生手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 上記内燃機関は上記触媒の上流側に2次
    空気を供給する2次空気供給手段を更に備え、 上記触媒が所定温度以上で、且つ濃化側空燃比雰囲気に
    あることが判定されると、上記2次空気供給手段を作動
    させて排ガス中に2次空気を供給することを特徴とする
    請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関
    の排ガス浄化装置。
  6. 【請求項6】 空燃比を希薄側に設定したリーン運転を
    実行可能なリーンバーン内燃機関において、 上記内燃機関の排気通路に設けられ、未燃成分とO2
    が供給されると低温で活性する排気浄化用の触媒と、 上記触媒の上流側に2次空気を供給して、該触媒の雰囲
    気を希薄側空燃比に保持する2次空気供給手段と、 上記内燃機関がリーン運転を実行する運転領域におい
    て、上記2次空気供給手段の作動を抑制する2次空気抑
    制手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の排ガス浄
    化装置。
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