JP2001302240A - 導電性酸化物粉末およびその製造方法 - Google Patents
導電性酸化物粉末およびその製造方法Info
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- JP2001302240A JP2001302240A JP2000114575A JP2000114575A JP2001302240A JP 2001302240 A JP2001302240 A JP 2001302240A JP 2000114575 A JP2000114575 A JP 2000114575A JP 2000114575 A JP2000114575 A JP 2000114575A JP 2001302240 A JP2001302240 A JP 2001302240A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】広い比表面積と小さな一次粒子径及び高い導電
性を有する粉末を効率良く低コストで得ること。 【解決手段】インジウムとアンチモンを主成分とし、そ
れらの原子比がIn:Sb=3:(1+X)(但し、−
0.3≦X≦0.3)であるIn3SbO7系複酸化物の
結晶構造を有し、比表面積(BET値)が5m2/g以
上で、且つ一次粒子の平均粒子径が5〜1000nmで
ある導電性酸化物粉末。
性を有する粉末を効率良く低コストで得ること。 【解決手段】インジウムとアンチモンを主成分とし、そ
れらの原子比がIn:Sb=3:(1+X)(但し、−
0.3≦X≦0.3)であるIn3SbO7系複酸化物の
結晶構造を有し、比表面積(BET値)が5m2/g以
上で、且つ一次粒子の平均粒子径が5〜1000nmで
ある導電性酸化物粉末。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂、紙、繊維、
セラミックスなどの帯電防止剤、静電気除去剤、面ヒー
タなどの電気抵抗体、表面導電性を付与するための導電
性塗料、導電性インキ、および液晶ディスプレー等の透
明電極をスパッタリング法で成膜する際のスパッタリン
グターゲット、樹脂の難燃助剤などに用いられる導電性
酸化物粉末およびその製造方法に関するものである。
セラミックスなどの帯電防止剤、静電気除去剤、面ヒー
タなどの電気抵抗体、表面導電性を付与するための導電
性塗料、導電性インキ、および液晶ディスプレー等の透
明電極をスパッタリング法で成膜する際のスパッタリン
グターゲット、樹脂の難燃助剤などに用いられる導電性
酸化物粉末およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】導電性を有し、酸化雰囲気等に
対して耐性があり、また透明、白色、もしくは淡色を呈
する粉末材料として酸化物系導電性粉末が適当であり、
そのような材料は、従来、酸化インジウムを母体とし
て、それにスズを数mol%ドープしたITO(Ind
ium−Tin−Oxide)や、酸化スズを母体とし
てそれにアンチモンを数mol%ドープしたATO(A
ntimony−Tin−Oxide)、或いは酸化亜
鉛を母体として、それにアルミニウムを数mol%ドー
プしたものなどが広く知られている。
対して耐性があり、また透明、白色、もしくは淡色を呈
する粉末材料として酸化物系導電性粉末が適当であり、
そのような材料は、従来、酸化インジウムを母体とし
て、それにスズを数mol%ドープしたITO(Ind
ium−Tin−Oxide)や、酸化スズを母体とし
てそれにアンチモンを数mol%ドープしたATO(A
ntimony−Tin−Oxide)、或いは酸化亜
鉛を母体として、それにアルミニウムを数mol%ドー
プしたものなどが広く知られている。
【0003】このような導電性酸化物粉末は、樹脂など
の絶縁性材料に添加され、帯電防止や静電気除去、或い
は導電性塗料、インクなどに用いられている。また、こ
のような導電性酸化物粉末を所定の形状に成型、焼結す
ることにより、酸化物焼結体を得、これをターゲット材
料としたスパッタリング成膜方式、蒸着成膜方式、ある
いはイオンプレーティング成膜方式で、ガラス板あるい
は樹脂板等上に、表示素子用あるいは太陽電池等用の透
明電極等を形成する目的で用いられている。
の絶縁性材料に添加され、帯電防止や静電気除去、或い
は導電性塗料、インクなどに用いられている。また、こ
のような導電性酸化物粉末を所定の形状に成型、焼結す
ることにより、酸化物焼結体を得、これをターゲット材
料としたスパッタリング成膜方式、蒸着成膜方式、ある
いはイオンプレーティング成膜方式で、ガラス板あるい
は樹脂板等上に、表示素子用あるいは太陽電池等用の透
明電極等を形成する目的で用いられている。
【0004】特にITOは他の材料と比較して、導電性
が比較的良好で、かつ薄膜形成時にエッチングしやすい
などの理由で、最も多く用いられている。しかし、IT
Oは高価であり、その原因は、ITOの主原料である酸
化インジウムもしくは金属インジウムが非常に高価であ
ることに起因する。そのため、高価なITOの使用をで
きるだけ抑制するか、利用効率を上げて、製品のコスト
を抑えようとする試みが多くなされている。
が比較的良好で、かつ薄膜形成時にエッチングしやすい
などの理由で、最も多く用いられている。しかし、IT
Oは高価であり、その原因は、ITOの主原料である酸
化インジウムもしくは金属インジウムが非常に高価であ
ることに起因する。そのため、高価なITOの使用をで
きるだけ抑制するか、利用効率を上げて、製品のコスト
を抑えようとする試みが多くなされている。
【0005】一方、最近、特開平9−194212号公
報、特開平9−194259号公報に記載されているよ
うに、ITOとは異なる新規導電性酸化物材料(In3
SbO7系複酸化物)が、ITOと同等、或いはそれ以
上の高い導電性と透明性を有することがわかってきた。
この材料は、主構成成分にインジウムおよびアンチンモ
ンを用いるものであり、高価なインジウムの含有率が7
5%(金属元素mol%換算)と、ITOのインジウム
含有率(90%以上)よりもかなり低く、原料コストが
かなり安くなる利点を有している。
報、特開平9−194259号公報に記載されているよ
うに、ITOとは異なる新規導電性酸化物材料(In3
SbO7系複酸化物)が、ITOと同等、或いはそれ以
上の高い導電性と透明性を有することがわかってきた。
この材料は、主構成成分にインジウムおよびアンチンモ
ンを用いるものであり、高価なインジウムの含有率が7
5%(金属元素mol%換算)と、ITOのインジウム
含有率(90%以上)よりもかなり低く、原料コストが
かなり安くなる利点を有している。
【0006】また、In3SbO7系複酸化物粉末の製造
方法としては、酸化インジウムと酸化アンチモンを主原
料に用いた固相反応法が一般的である。この方法は、所
定の割合の酸化インジウムと酸化アンチモンをボールミ
ル等の機械的混合によって混合し、それを電気炉等で、
1300℃程度の高温で固相反応させることにより、目
的複酸化物の粉末を得るものである。
方法としては、酸化インジウムと酸化アンチモンを主原
料に用いた固相反応法が一般的である。この方法は、所
定の割合の酸化インジウムと酸化アンチモンをボールミ
ル等の機械的混合によって混合し、それを電気炉等で、
1300℃程度の高温で固相反応させることにより、目
的複酸化物の粉末を得るものである。
【0007】しかしこの方法は、基本的に固相で混合す
るために、原料粒子の粒径や形状などが影響する不均一
反応である。すなわち固相反応の主体は粒子間で直接接
触している部分から始まり、固体内のイオン拡散によっ
て進行する。そのため、反応には長い時間とかなりの高
温が必要であり、さらには、生成した粒子が大きくなっ
たり、強固な凝集を形成するため、比表面積が大きくな
ったり、粒度調整が困難であるなどの問題がある。それ
を避けるため、一般的には、混合、反応、粉砕を繰り返
して反応を完結させ、組成と、粒度の均一化が図られて
いるが、一方で工程数が増し、コストが大きくなり、さ
らに不純物の混入の割合も大きくなってしまい、上記用
途に対して使用が難しいなどの新たな問題が生じてく
る。
るために、原料粒子の粒径や形状などが影響する不均一
反応である。すなわち固相反応の主体は粒子間で直接接
触している部分から始まり、固体内のイオン拡散によっ
て進行する。そのため、反応には長い時間とかなりの高
温が必要であり、さらには、生成した粒子が大きくなっ
たり、強固な凝集を形成するため、比表面積が大きくな
ったり、粒度調整が困難であるなどの問題がある。それ
を避けるため、一般的には、混合、反応、粉砕を繰り返
して反応を完結させ、組成と、粒度の均一化が図られて
いるが、一方で工程数が増し、コストが大きくなり、さ
らに不純物の混入の割合も大きくなってしまい、上記用
途に対して使用が難しいなどの新たな問題が生じてく
る。
【0008】
【課題を解決するための具体的手段】本発明者は、上記
課題に鑑み鋭意検討の結果、上記の用途に適したITO
よりも安い材料コストで同程度以上の導電性を示すIn
3SbO7系複酸化物粉末およびその製造方法を見い出し
た。
課題に鑑み鋭意検討の結果、上記の用途に適したITO
よりも安い材料コストで同程度以上の導電性を示すIn
3SbO7系複酸化物粉末およびその製造方法を見い出し
た。
【0009】すなわち、本発明の導電性酸化物粉末は、
インジウムとアンチモンを主成分とし、その原子比がI
n:Sb=3:(1+X)(但し、−0.3≦X≦0.
3)であるIn3SbO7系複酸化物の結晶構造を有し、
比表面積(BET値)が5m 2/g以上で、且つ一次粒
子の平均粒子径が5〜1000nmであることを特徴と
する。
インジウムとアンチモンを主成分とし、その原子比がI
n:Sb=3:(1+X)(但し、−0.3≦X≦0.
3)であるIn3SbO7系複酸化物の結晶構造を有し、
比表面積(BET値)が5m 2/g以上で、且つ一次粒
子の平均粒子径が5〜1000nmであることを特徴と
する。
【0010】また、本発明の導電性酸化物粉末は、In
3SbO7系複酸化物がスズ、珪素、ゲルマニウム、チタ
ン、ジルコニウム、鉛、クロム、モリブデン、タングス
テン、テルル、バナジウム、ニオブ、タンタル、ビスマ
ス、砒素、セリウムのIV、V、VI族の高原子価金属元
素、もしくはフッ素、臭素、ヨウ素のハロゲン元素から
選ばれる少なくとも1種類以上をドープした酸化物であ
ることを特徴とする。
3SbO7系複酸化物がスズ、珪素、ゲルマニウム、チタ
ン、ジルコニウム、鉛、クロム、モリブデン、タングス
テン、テルル、バナジウム、ニオブ、タンタル、ビスマ
ス、砒素、セリウムのIV、V、VI族の高原子価金属元
素、もしくはフッ素、臭素、ヨウ素のハロゲン元素から
選ばれる少なくとも1種類以上をドープした酸化物であ
ることを特徴とする。
【0011】また、本発明の導電性酸化物粉末は、圧粉
体の抵抗率が1Ω・cm以下であることを特徴とする。
さらに、本発明の導電性酸化物粉末は、酸素空孔を有す
ることもできる。
体の抵抗率が1Ω・cm以下であることを特徴とする。
さらに、本発明の導電性酸化物粉末は、酸素空孔を有す
ることもできる。
【0012】また、本発明の導電性In3SbO7系複酸
化物粉末の製造方法は、下記の工程により製造すること
を特徴とする。 (1)金属インジウムまたはインジウム化合物、および
金属アンチモンまたはアンチモン化合物から選ばれるそ
れぞれ1種以上を原料に用い、これらを含む溶液に沈殿
剤を添加して沈殿物を得る工程、(2)得られた沈殿物
を固液分離した後、得られた固形物を乾燥、焼成して焼
成物を得る工程、(3)得られた焼成物を粉砕し、導電
性酸化物粉末を得る工程。
化物粉末の製造方法は、下記の工程により製造すること
を特徴とする。 (1)金属インジウムまたはインジウム化合物、および
金属アンチモンまたはアンチモン化合物から選ばれるそ
れぞれ1種以上を原料に用い、これらを含む溶液に沈殿
剤を添加して沈殿物を得る工程、(2)得られた沈殿物
を固液分離した後、得られた固形物を乾燥、焼成して焼
成物を得る工程、(3)得られた焼成物を粉砕し、導電
性酸化物粉末を得る工程。
【0013】さらにまた、前記により得られた導電性酸
化物粉末を、酸素分圧が104〜10-16Paの範囲、且
つ100℃〜1200℃の温度範囲で加熱処理すること
により、酸素空孔を有するようにすることもできる。
化物粉末を、酸素分圧が104〜10-16Paの範囲、且
つ100℃〜1200℃の温度範囲で加熱処理すること
により、酸素空孔を有するようにすることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における導電性酸化物粉末の構成物質は、上記し
たように欠陥蛍石型結晶構造を有するIn3SbO7で表
される複酸化物を母体とするものであり、これを非化学
量論組成、すなわち、一般式:In3Sb1-XO7-δ[−
0.3≦X≦0.3、および−0.5≦δ≦0.5]に
した酸化物、またはスズ、珪素、ゲルマニウム、チタ
ン、ジルコニウム、鉛、クロム、モリブデン、タングス
テン、テルル、バナジウム、ニオブ、タンタル、ビスマ
ス、砒素、セリウム、等のIV、V、VI族の高原子価金属
元素、もしくはフッ素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元
素から選ばれる少なくとも1種類以上をドープした酸化
物、または還元性雰囲気でアニール処理することによ
り、酸素空孔を生成させた酸化物など、広い範囲の組成
を有するIn3SbO7系複合酸化物である。ここで、上
記のような導電性酸化物粉末を得るためには、InとS
bの原子比比が3:1−X[−0.3≦X≦0.3]で
あることが重要である。
本発明における導電性酸化物粉末の構成物質は、上記し
たように欠陥蛍石型結晶構造を有するIn3SbO7で表
される複酸化物を母体とするものであり、これを非化学
量論組成、すなわち、一般式:In3Sb1-XO7-δ[−
0.3≦X≦0.3、および−0.5≦δ≦0.5]に
した酸化物、またはスズ、珪素、ゲルマニウム、チタ
ン、ジルコニウム、鉛、クロム、モリブデン、タングス
テン、テルル、バナジウム、ニオブ、タンタル、ビスマ
ス、砒素、セリウム、等のIV、V、VI族の高原子価金属
元素、もしくはフッ素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元
素から選ばれる少なくとも1種類以上をドープした酸化
物、または還元性雰囲気でアニール処理することによ
り、酸素空孔を生成させた酸化物など、広い範囲の組成
を有するIn3SbO7系複合酸化物である。ここで、上
記のような導電性酸化物粉末を得るためには、InとS
bの原子比比が3:1−X[−0.3≦X≦0.3]で
あることが重要である。
【0015】欠陥蛍石型結晶構造は、カチオンを中心と
した8面体が互いの稜を共有してつながっているため、
高い自由電子の移動度が期待できる。また、基本組成で
あるIn:Sb=3:1の原子比から上記の範囲内でず
らした、非化学量論組成にすると、さらにキャリア電子
が注入され、電気伝導度が向上する。しかし、上記組成
をはずれると、本発明の導電性酸化物粉末を焼結後に、
高い導電性を示す欠陥蛍石型結晶構造以外の第2相が生
成してしまい、導電性が低下してしまう恐れがある。
した8面体が互いの稜を共有してつながっているため、
高い自由電子の移動度が期待できる。また、基本組成で
あるIn:Sb=3:1の原子比から上記の範囲内でず
らした、非化学量論組成にすると、さらにキャリア電子
が注入され、電気伝導度が向上する。しかし、上記組成
をはずれると、本発明の導電性酸化物粉末を焼結後に、
高い導電性を示す欠陥蛍石型結晶構造以外の第2相が生
成してしまい、導電性が低下してしまう恐れがある。
【0016】一方、上記組成の複酸化物物質のIn3+サ
イトまたはSb5+に、IV族元素である、スズ、珪素、チ
タン、ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種、ある
いはVI族元素である、クロム、モリブデン、タングステ
ンから選ばれる少なくとも1種を、それぞれド−プする
ことによって、高原子価元素の固溶置換による電荷補償
から生じるキャリア注入も可能である。このようなド−
ピングにより、さらに導電性は向上する。この場合、上
記の添加元素をそれぞれ0.01〜20原子%の割合で
ド−プすることが望ましい。この範囲を越えると、添加
した元素は固溶限を越え、これにより欠陥蛍石型構造以
外の第2相が生成して、導電性の低下を招く恐れがあ
る。このため、添加元素のド−プ量は上記の範囲行うこ
とが望ましい。
イトまたはSb5+に、IV族元素である、スズ、珪素、チ
タン、ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種、ある
いはVI族元素である、クロム、モリブデン、タングステ
ンから選ばれる少なくとも1種を、それぞれド−プする
ことによって、高原子価元素の固溶置換による電荷補償
から生じるキャリア注入も可能である。このようなド−
ピングにより、さらに導電性は向上する。この場合、上
記の添加元素をそれぞれ0.01〜20原子%の割合で
ド−プすることが望ましい。この範囲を越えると、添加
した元素は固溶限を越え、これにより欠陥蛍石型構造以
外の第2相が生成して、導電性の低下を招く恐れがあ
る。このため、添加元素のド−プ量は上記の範囲行うこ
とが望ましい。
【0017】本発明の導電性酸化物紛末は、比表面積
(BET値)が5m2/g以上、好ましくは10m2/g
以上、一次粒子の平均粒子径が5〜1000nm、好ま
しくは5〜200nm、であることが必要である。この
範囲を外れると、例えば該粉末を塗料に用いた場合に、
分散が十分行えなかったり、十分な導電性および光学特
性が得られなかったり、或いはスパッタリングターゲッ
トなどの焼結体製造に用いた場合に、十分な焼結性(焼
結密度)が得られない恐れがある。 さらに、本発明の
導電性酸化物粉末は、圧粉体の抵抗率が1Ω・cm以下
であることが好ましい。この範囲を外れると、例えば該
粉末を用いて静電気除去を行おうとする場合に、十分な
静電気除去が行えないことがあったり、或いは導電性塗
料、インクとしてタッチパネル用電極などに用いた場合
に、十分な導電性が無いために、所定の機能が発現しに
くい恐れがある。
(BET値)が5m2/g以上、好ましくは10m2/g
以上、一次粒子の平均粒子径が5〜1000nm、好ま
しくは5〜200nm、であることが必要である。この
範囲を外れると、例えば該粉末を塗料に用いた場合に、
分散が十分行えなかったり、十分な導電性および光学特
性が得られなかったり、或いはスパッタリングターゲッ
トなどの焼結体製造に用いた場合に、十分な焼結性(焼
結密度)が得られない恐れがある。 さらに、本発明の
導電性酸化物粉末は、圧粉体の抵抗率が1Ω・cm以下
であることが好ましい。この範囲を外れると、例えば該
粉末を用いて静電気除去を行おうとする場合に、十分な
静電気除去が行えないことがあったり、或いは導電性塗
料、インクとしてタッチパネル用電極などに用いた場合
に、十分な導電性が無いために、所定の機能が発現しに
くい恐れがある。
【0018】次に、本発明における前記導電性酸化物粉
末の製造方法について、説明する。本発明の導電性酸化
物粉末の製造方法は、金属インジウムもしくはインジウ
ム化合物、および金属アンチモンもしくはアンチモン化
合物から選ばれる、それぞれ1種以上を原料に用い、こ
れらを含む溶液に沈殿剤を添加することによって沈殿物
を得、これを固形分離、乾燥、焼成、粉砕して前記導電
性酸化物微粉末を得ることができる。なお、本発明の導
電性酸化物粉末は、CVD法、噴霧熱分解法、火炎法、
プラズマ法、レーザー法などのような気相合成法による
製造も可能であるが、これらの方法は装置が大型になり
やすく収量も少ないなど、コスト的に不利であり、後述
する液相合成法が好ましい。
末の製造方法について、説明する。本発明の導電性酸化
物粉末の製造方法は、金属インジウムもしくはインジウ
ム化合物、および金属アンチモンもしくはアンチモン化
合物から選ばれる、それぞれ1種以上を原料に用い、こ
れらを含む溶液に沈殿剤を添加することによって沈殿物
を得、これを固形分離、乾燥、焼成、粉砕して前記導電
性酸化物微粉末を得ることができる。なお、本発明の導
電性酸化物粉末は、CVD法、噴霧熱分解法、火炎法、
プラズマ法、レーザー法などのような気相合成法による
製造も可能であるが、これらの方法は装置が大型になり
やすく収量も少ないなど、コスト的に不利であり、後述
する液相合成法が好ましい。
【0019】本発明で原料に用いる金属インジウムもし
くはインジウム化合物、および金属アンチモンもしくは
アンチモン化合物は、最終的な反応後(焼成後)に酸化
物になれば良い。従って、これらの化合物としては、硝
酸塩、硫酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物(塩化物、臭化
物、フッ化物など)、水酸化物、アンモニウム塩などの
無機化合物、および、カルボン酸塩(酢酸塩、プロピオ
ン酸塩、蓚酸塩、ナフテン酸塩など)、金属アルコキシ
ド(メトキシド、エトキシド、プロポキシドなど)、有
機金属錯体(アセチルアセトナートなど)などの有機系
化合物などが挙げられる。特に、低温で完全に熱分解
し、最終的な反応後(焼成後)に目的の酸化物になりや
すく、また、安定で、取り扱いが容易であることなどの
理由で、硝酸塩、塩化物、カルボン酸塩、金属アルコキ
シドなどを原料に用いることが望ましい。 次に、上記
化合物を原料に用いた場合の溶媒であるが、基本的に上
記のインジウム化合物、アンチモン化合物が適量溶解可
能であれば良く、そのような溶媒として、水の他、有機
溶媒として、1価アルコール類(メチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ルなど)、2価アルコール類(エチレングルコール、ジ
エチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、セ
ロソルブ類(エチルセロソルブ、プロピルセロソルブな
ど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド)などを用いることができる。
くはインジウム化合物、および金属アンチモンもしくは
アンチモン化合物は、最終的な反応後(焼成後)に酸化
物になれば良い。従って、これらの化合物としては、硝
酸塩、硫酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物(塩化物、臭化
物、フッ化物など)、水酸化物、アンモニウム塩などの
無機化合物、および、カルボン酸塩(酢酸塩、プロピオ
ン酸塩、蓚酸塩、ナフテン酸塩など)、金属アルコキシ
ド(メトキシド、エトキシド、プロポキシドなど)、有
機金属錯体(アセチルアセトナートなど)などの有機系
化合物などが挙げられる。特に、低温で完全に熱分解
し、最終的な反応後(焼成後)に目的の酸化物になりや
すく、また、安定で、取り扱いが容易であることなどの
理由で、硝酸塩、塩化物、カルボン酸塩、金属アルコキ
シドなどを原料に用いることが望ましい。 次に、上記
化合物を原料に用いた場合の溶媒であるが、基本的に上
記のインジウム化合物、アンチモン化合物が適量溶解可
能であれば良く、そのような溶媒として、水の他、有機
溶媒として、1価アルコール類(メチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ルなど)、2価アルコール類(エチレングルコール、ジ
エチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、セ
ロソルブ類(エチルセロソルブ、プロピルセロソルブな
ど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド)などを用いることができる。
【0020】溶液中の各金属元素の濃度は特に限定され
ないが、0.1〜20mol/Lが望ましい。この範囲
から大きくはずれると、生産性が劣ったり、溶液が不安
定になり、所定の組成の沈殿物が得られない恐れがあ
る。さらに、溶液の安定性を増加させるため、必要に応
じて、エチルアミン、イソプロピルアミン、イソブチル
アミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミ
ン、エチレンジアミンなどを、溶液中の金属元素濃度の
0.1〜10mol%の割合で添加しても良い。
ないが、0.1〜20mol/Lが望ましい。この範囲
から大きくはずれると、生産性が劣ったり、溶液が不安
定になり、所定の組成の沈殿物が得られない恐れがあ
る。さらに、溶液の安定性を増加させるため、必要に応
じて、エチルアミン、イソプロピルアミン、イソブチル
アミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミ
ン、エチレンジアミンなどを、溶液中の金属元素濃度の
0.1〜10mol%の割合で添加しても良い。
【0021】一方、沈殿剤については、水、アンモニア
の他、水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化アンモニウムなど)、炭酸化物(炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなど)、
有機酸類(蟻酸、蓚酸など)を用いることができる。特
に、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素アンモニウム、蓚酸を用いると、沈殿物中
のアルカリ金属等の不純物の混入が少なくて済み、沈殿
物の洗浄工程を短縮できるなどの利点がある。上記沈殿
剤は、水もしくはアルコール類などの有機溶媒に溶解さ
せた溶液で用い、濃度範囲は特に限定されないが、通常
は0.1〜10mol/Lの範囲で用いる。
の他、水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化アンモニウムなど)、炭酸化物(炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなど)、
有機酸類(蟻酸、蓚酸など)を用いることができる。特
に、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素アンモニウム、蓚酸を用いると、沈殿物中
のアルカリ金属等の不純物の混入が少なくて済み、沈殿
物の洗浄工程を短縮できるなどの利点がある。上記沈殿
剤は、水もしくはアルコール類などの有機溶媒に溶解さ
せた溶液で用い、濃度範囲は特に限定されないが、通常
は0.1〜10mol/Lの範囲で用いる。
【0022】沈殿剤の使用については、上記沈殿剤を含
む溶液を、目的とする金属化合物溶液に滴下しても、逆
に目的とする金属化合物溶液を、上記沈殿剤溶液に滴下
しても良い。このような滴下混合による沈殿形成時に
は、組成と結晶成長の均一化のため沈殿溶液を撹拌した
方が良く、また温度も特に範囲限定されないが、組成と
結晶成長の均一化のために一定に保持して行った方が良
い。さらに、各種溶媒に溶質として各種化合物を溶解さ
せた溶液は、沈殿剤を添加し、目的の沈殿物を得る前
に、加水分解等の予期せぬ化学反応を起こし、目的の組
成の沈殿物が得られない場合を除いて異なる種類を用い
て良いが、操作上、同じ種類を用いた方が良い。
む溶液を、目的とする金属化合物溶液に滴下しても、逆
に目的とする金属化合物溶液を、上記沈殿剤溶液に滴下
しても良い。このような滴下混合による沈殿形成時に
は、組成と結晶成長の均一化のため沈殿溶液を撹拌した
方が良く、また温度も特に範囲限定されないが、組成と
結晶成長の均一化のために一定に保持して行った方が良
い。さらに、各種溶媒に溶質として各種化合物を溶解さ
せた溶液は、沈殿剤を添加し、目的の沈殿物を得る前
に、加水分解等の予期せぬ化学反応を起こし、目的の組
成の沈殿物が得られない場合を除いて異なる種類を用い
て良いが、操作上、同じ種類を用いた方が良い。
【0023】沈殿を形成後、得られた沈殿物の固液分離
は、通常、濾過法もしくは遠心分離法が用いられる。濾
過法を用いる場合には、吸引濾過やフィルタープレス等
を行うと濾過時間が短縮できるので好ましい。濾過後は
沈殿物から、アルカリイオンや陰イオンなどの不純物イ
オンを除去する目的で、溶液に用いた溶媒や純水等で十
分に洗浄を行うことが望ましい。濾過後は乾燥を行う
が、この場合には通常、室温〜300℃の温度範囲で1
〜50時間行うが、特に150℃以下で行えば、粒子の
凝集が抑えられ、目的とする粉末が得られやすい。
は、通常、濾過法もしくは遠心分離法が用いられる。濾
過法を用いる場合には、吸引濾過やフィルタープレス等
を行うと濾過時間が短縮できるので好ましい。濾過後は
沈殿物から、アルカリイオンや陰イオンなどの不純物イ
オンを除去する目的で、溶液に用いた溶媒や純水等で十
分に洗浄を行うことが望ましい。濾過後は乾燥を行う
が、この場合には通常、室温〜300℃の温度範囲で1
〜50時間行うが、特に150℃以下で行えば、粒子の
凝集が抑えられ、目的とする粉末が得られやすい。
【0024】焼成条件は、沈殿物が水酸化物、無機酸
塩、有機酸塩などの場合により異なるが、300℃〜1
350℃の温度範囲で、0.5〜50時間行うことが望
ましい。焼成温度が上記範囲よりも低温もしくは短時間
だと目的の酸化物への分解および反応が不十分であり適
当ではない。また、上記範囲よりも高温の場合は、アン
チモン成分の昇華分解が起こりやすく、長時間の場合は
酸化物の粒成長が促進され好ましくない。焼成後の粉
砕、解砕は、通常、ボールミル、振動ミル、ジェットミ
ル、遊星型ボールミル、ダイノールミル等の粉砕機を用
いて、0.1〜100時間程度行う。
塩、有機酸塩などの場合により異なるが、300℃〜1
350℃の温度範囲で、0.5〜50時間行うことが望
ましい。焼成温度が上記範囲よりも低温もしくは短時間
だと目的の酸化物への分解および反応が不十分であり適
当ではない。また、上記範囲よりも高温の場合は、アン
チモン成分の昇華分解が起こりやすく、長時間の場合は
酸化物の粒成長が促進され好ましくない。焼成後の粉
砕、解砕は、通常、ボールミル、振動ミル、ジェットミ
ル、遊星型ボールミル、ダイノールミル等の粉砕機を用
いて、0.1〜100時間程度行う。
【0025】さらに、上記工程で得られた酸化物粉末を
大気中より小さな酸素分圧雰囲気で加熱処理することに
より酸素空孔を生成させ、それによる電荷補償から生じ
るキャリア電子の注入が可能となる。前記処理は、還元
または不活性雰囲気、または減圧真空雰囲気で100℃
〜1200℃の温度範囲、処理時間0.1〜50時間行
うことが望ましい。この時の雰囲気は、酸素分圧104
〜10-16Pa程度であり、減圧真空中、もしくはヘリ
ウム、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素ガス、二酸化
炭素ガス、一酸化炭素ガス、水素ガス、およびこれらの
ガスから選ばれる2種類以上の混合ガス中での処理によ
って行われる。加熱温度は使用するガス(酸素分圧)に
よって異なるが、酸素分圧が実用的な104〜10-16P
aの範囲であれば、例えば水素中であれば約100〜4
00℃程度、窒素中であれば約800〜1200℃程度
が好ましい。なお、余り処理し過ぎると分解反応(還
元)が進行し目的の結晶構造が消失してしまう。
大気中より小さな酸素分圧雰囲気で加熱処理することに
より酸素空孔を生成させ、それによる電荷補償から生じ
るキャリア電子の注入が可能となる。前記処理は、還元
または不活性雰囲気、または減圧真空雰囲気で100℃
〜1200℃の温度範囲、処理時間0.1〜50時間行
うことが望ましい。この時の雰囲気は、酸素分圧104
〜10-16Pa程度であり、減圧真空中、もしくはヘリ
ウム、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素ガス、二酸化
炭素ガス、一酸化炭素ガス、水素ガス、およびこれらの
ガスから選ばれる2種類以上の混合ガス中での処理によ
って行われる。加熱温度は使用するガス(酸素分圧)に
よって異なるが、酸素分圧が実用的な104〜10-16P
aの範囲であれば、例えば水素中であれば約100〜4
00℃程度、窒素中であれば約800〜1200℃程度
が好ましい。なお、余り処理し過ぎると分解反応(還
元)が進行し目的の結晶構造が消失してしまう。
【0026】本発明の導電性酸化物粉末は、各種の樹脂
と混合することにより、樹脂の帯電防止および難燃性の
機能を付与することが可能となる。使用できる樹脂は、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢
酸ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリイミドなどの各種樹脂の他、PTFE、PFA
などのフッ素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アル
キッド樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂などが挙げら
れる。
と混合することにより、樹脂の帯電防止および難燃性の
機能を付与することが可能となる。使用できる樹脂は、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢
酸ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリイミドなどの各種樹脂の他、PTFE、PFA
などのフッ素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アル
キッド樹脂、シリコーン樹脂、ABS樹脂などが挙げら
れる。
【0027】上記の用途に対して、本発明の導電性酸化
物粉末は、樹脂100重量部に対して1〜500重量部
添加することが望ましい。添加量が少ないと導電性が不
十分となり、所定の帯電防止機能または難燃機能が得ら
れない。一方、多いと樹脂本来の物性が得られなくな
る。以上のような樹脂と導電性酸化物微粉末との混合
は、通常、ロール成型機または射出成型機を用いて樹脂
に導電性酸化物微粉末を練りこむ方法、もしくは、樹脂
溶液と導電性酸化物微粉末を直接混合した後、成型する
方法などが用いられる。
物粉末は、樹脂100重量部に対して1〜500重量部
添加することが望ましい。添加量が少ないと導電性が不
十分となり、所定の帯電防止機能または難燃機能が得ら
れない。一方、多いと樹脂本来の物性が得られなくな
る。以上のような樹脂と導電性酸化物微粉末との混合
は、通常、ロール成型機または射出成型機を用いて樹脂
に導電性酸化物微粉末を練りこむ方法、もしくは、樹脂
溶液と導電性酸化物微粉末を直接混合した後、成型する
方法などが用いられる。
【0028】また、導電性酸化物粉末を導電性塗料およ
びインクに用いる場合、有機樹脂、溶剤中に導電性酸化
物粉末を分散させてインキ化させ、通常、スクリーン印
刷、スプレー法、スピンコート法、ブレードコート法な
どで、樹脂版、ガラス板等に塗布し乾燥させて、目的の
導電性被膜を得る。この時、場合によっては200〜7
00℃程度の焼成によって、低抵抗化、高密着化も行わ
れる。
びインクに用いる場合、有機樹脂、溶剤中に導電性酸化
物粉末を分散させてインキ化させ、通常、スクリーン印
刷、スプレー法、スピンコート法、ブレードコート法な
どで、樹脂版、ガラス板等に塗布し乾燥させて、目的の
導電性被膜を得る。この時、場合によっては200〜7
00℃程度の焼成によって、低抵抗化、高密着化も行わ
れる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに説明
するが、かかる実施例により限定されるものではない。
するが、かかる実施例により限定されるものではない。
【0030】(物性測定方法)物性測定は以下の方法に
より行った。 (1)化合物の同定 結晶構造はXRD(粉末X線回折装置)を用い、元素組
成はEDX(エネルギー分散型X線分光装置)用いた。 (2)比表面積 市販の全自動BET式比表面積測定装置を用いた。 (3)一次粒子の平均粒径 BET法比表面積、SEM(走査型電子顕微鏡)、およ
びXRDより求めた。( 4)粉体抵抗率 粉末に100Kg/cm2荷重をかけた時の抵抗値を測
定し、荷重時の粉末充填体積より算出した。
より行った。 (1)化合物の同定 結晶構造はXRD(粉末X線回折装置)を用い、元素組
成はEDX(エネルギー分散型X線分光装置)用いた。 (2)比表面積 市販の全自動BET式比表面積測定装置を用いた。 (3)一次粒子の平均粒径 BET法比表面積、SEM(走査型電子顕微鏡)、およ
びXRDより求めた。( 4)粉体抵抗率 粉末に100Kg/cm2荷重をかけた時の抵抗値を測
定し、荷重時の粉末充填体積より算出した。
【0031】(実施例1)純度99.9%の塩化インジ
ウム221.18gと純度99.9%の三塩化アンチモ
ン76.04gを秤量後、純水1000gに完全に溶解
させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の水溶液を
得た。この水溶液をアンモニア水(28%)300gを
純水3000gに溶解させた水溶液中に、60℃の加温
下で撹拌しながら滴下し、最終pH10にてIn−Sb
共沈水酸化物を析出させた。次に、デカンテーションに
よって上澄みを分離除去した。さらに沈殿物に純水30
00gを加えてデカンテーションを合計5回繰り返すこ
とにより、沈殿を十分洗浄した。この後、吸引濾過に
て、沈殿を濾別して、In−Sb共沈水酸化物を得た。
得られた沈殿物をステンレス製バットに置き、乾燥機に
て、150℃、12時間乾燥させた後、乾燥物をアルミ
ナ坩堝中で、大気雰囲気、1100℃、6時間焼成し
た。焼成後、焼成物をφ3mmのSi3N4ボールとエタ
ノールを用いた湿式ボールミルにて12時間粉砕した。
ウム221.18gと純度99.9%の三塩化アンチモ
ン76.04gを秤量後、純水1000gに完全に溶解
させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の水溶液を
得た。この水溶液をアンモニア水(28%)300gを
純水3000gに溶解させた水溶液中に、60℃の加温
下で撹拌しながら滴下し、最終pH10にてIn−Sb
共沈水酸化物を析出させた。次に、デカンテーションに
よって上澄みを分離除去した。さらに沈殿物に純水30
00gを加えてデカンテーションを合計5回繰り返すこ
とにより、沈殿を十分洗浄した。この後、吸引濾過に
て、沈殿を濾別して、In−Sb共沈水酸化物を得た。
得られた沈殿物をステンレス製バットに置き、乾燥機に
て、150℃、12時間乾燥させた後、乾燥物をアルミ
ナ坩堝中で、大気雰囲気、1100℃、6時間焼成し
た。焼成後、焼成物をφ3mmのSi3N4ボールとエタ
ノールを用いた湿式ボールミルにて12時間粉砕した。
【0032】以上のようにして得られた粉末は、XRD
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、14.3m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は72.1nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.5Ω・cmであった。
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、14.3m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は72.1nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.5Ω・cmであった。
【0033】(実施例2)純度99.99%の金属イン
ジウム114.82gと純度99.999%の金属アン
チモン40.58gを秤量後、濃硝酸500gに完全に
溶解させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の溶液
を得た。この溶液をアンモニア水(28%)1000g
を純水3000gに溶解させた水溶液中に、60℃の加
温下で撹拌しながら滴下し、最終pH10にてIn−S
b共沈水酸化物を析出させた。次に、デカンテーション
によって上澄みを分離除去した。さらに沈殿物に純水3
000gを加えてデカンテーションを合計5回繰り返す
ことにより、沈殿を十分洗浄した。この後、吸引濾過に
て、沈殿を濾別して、In−Sb共沈水酸化物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で得られた沈殿物を乾
燥、焼成し、粉砕し、目的の導電性酸化物粉末を得た。
ジウム114.82gと純度99.999%の金属アン
チモン40.58gを秤量後、濃硝酸500gに完全に
溶解させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の溶液
を得た。この溶液をアンモニア水(28%)1000g
を純水3000gに溶解させた水溶液中に、60℃の加
温下で撹拌しながら滴下し、最終pH10にてIn−S
b共沈水酸化物を析出させた。次に、デカンテーション
によって上澄みを分離除去した。さらに沈殿物に純水3
000gを加えてデカンテーションを合計5回繰り返す
ことにより、沈殿を十分洗浄した。この後、吸引濾過に
て、沈殿を濾別して、In−Sb共沈水酸化物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で得られた沈殿物を乾
燥、焼成し、粉砕し、目的の導電性酸化物粉末を得た。
【0034】以上のようにして得られた粉末は、XRD
測定およびEDX測定の結果、In 3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、14.0m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は61.1nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.5Ω・cmであった。
測定およびEDX測定の結果、In 3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、14.0m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は61.1nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.5Ω・cmであった。
【0035】(実施例3)純度99.9%の硝酸インジ
ウム3水和物354.88gと純度99.9%の三塩化
アンチモン76.04gを秤量後、純水1000gに完
全に溶解させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の
水溶液を得た。この水溶液をNH4HCO3500gを純
水5000gに溶解させた水溶液中に、60℃の加温下
で撹拌しながら滴下し、最終pH9にてIn−Sb共沈
水酸化物を析出させた。次に、デカンテーションによっ
て上澄みを分離除去した。さらに沈殿物に純水3000
gを加えてデカンテーションを合計5回繰り返すことに
より、沈殿を十分洗浄した。この後、吸引濾過にて、沈
殿を濾別して、In−Sb共沈水酸化物を得た。その
後、実施例1と同様の方法で得られた沈殿物を乾燥、焼
成、粉砕し、目的の導電性酸化物粉末を得た。
ウム3水和物354.88gと純度99.9%の三塩化
アンチモン76.04gを秤量後、純水1000gに完
全に溶解させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の
水溶液を得た。この水溶液をNH4HCO3500gを純
水5000gに溶解させた水溶液中に、60℃の加温下
で撹拌しながら滴下し、最終pH9にてIn−Sb共沈
水酸化物を析出させた。次に、デカンテーションによっ
て上澄みを分離除去した。さらに沈殿物に純水3000
gを加えてデカンテーションを合計5回繰り返すことに
より、沈殿を十分洗浄した。この後、吸引濾過にて、沈
殿を濾別して、In−Sb共沈水酸化物を得た。その
後、実施例1と同様の方法で得られた沈殿物を乾燥、焼
成、粉砕し、目的の導電性酸化物粉末を得た。
【0036】以上のようにして得られた粉末は、XRD
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、14.5m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は70.6nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.4Ω・cmであった。
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、14.5m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は70.6nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.4Ω・cmであった。
【0037】(実施例4)実施例1と同様の原料、およ
び方法によって、In−Sb共沈水酸化物を得た。得ら
れた沈殿物をステンレス製バットに置き、乾燥機にて、
150℃、12時間乾燥させた後、乾燥物をアルミナ坩
堝中で、大気雰囲気、1300℃、6時間焼成した。焼
成後、焼成物をφ3mmのSi3N4ボールとエタノール
を用いた湿式ボールミルにて12時間粉砕した。
び方法によって、In−Sb共沈水酸化物を得た。得ら
れた沈殿物をステンレス製バットに置き、乾燥機にて、
150℃、12時間乾燥させた後、乾燥物をアルミナ坩
堝中で、大気雰囲気、1300℃、6時間焼成した。焼
成後、焼成物をφ3mmのSi3N4ボールとエタノール
を用いた湿式ボールミルにて12時間粉砕した。
【0038】以上のようにして得られた粉末は、XRD
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、10.1m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は215.5nmであった。さらに、この粉末
の粉体抵抗率は0.1Ω・cmであった。
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、10.1m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は215.5nmであった。さらに、この粉末
の粉体抵抗率は0.1Ω・cmであった。
【0039】(実施例5)純度99.9%の塩化インジ
ウム221.18gと純度99.9%の三塩化アンチモ
ン76.04gを秤量後、純水1000gに完全に溶解
させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の水溶液を
得た。この水溶液を蓚酸2水和物500gを純水300
0gに溶解させた水溶液中に、60℃の加温下で撹拌し
ながら滴下し、In−Sb共沈蓚酸塩を析出させた。次
に、デカンテーションによって上澄みを分離除去した。
さらに沈殿物に純水3000gを加えてデカンテーショ
ンを合計5回繰り返すことにより、沈殿を十分洗浄し
た。この後、吸引濾過にて、沈殿を濾別して、In−S
b共沈蓚酸塩を得た。
ウム221.18gと純度99.9%の三塩化アンチモ
ン76.04gを秤量後、純水1000gに完全に溶解
させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の水溶液を
得た。この水溶液を蓚酸2水和物500gを純水300
0gに溶解させた水溶液中に、60℃の加温下で撹拌し
ながら滴下し、In−Sb共沈蓚酸塩を析出させた。次
に、デカンテーションによって上澄みを分離除去した。
さらに沈殿物に純水3000gを加えてデカンテーショ
ンを合計5回繰り返すことにより、沈殿を十分洗浄し
た。この後、吸引濾過にて、沈殿を濾別して、In−S
b共沈蓚酸塩を得た。
【0040】得られた沈殿物をステンレス製バットに置
き、乾燥機にて200℃、12時間乾燥させた後、乾燥
物をアルミナ坩堝中で、大気雰囲気、1000℃、6時
間焼成した。焼成後、焼成物をφ3mmのSi3N4ボー
ルとエタノールを用いた湿式ボールミルにて12時間粉
砕した。
き、乾燥機にて200℃、12時間乾燥させた後、乾燥
物をアルミナ坩堝中で、大気雰囲気、1000℃、6時
間焼成した。焼成後、焼成物をφ3mmのSi3N4ボー
ルとエタノールを用いた湿式ボールミルにて12時間粉
砕した。
【0041】以上のようにして得られた粉末は、XRD
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、15.3m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は67.7nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.5Ω・cmであった。
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、15.3m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は67.7nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.5Ω・cmであった。
【0042】(実施例6)純度99.9%の塩化インジ
ウム221.18gと純度99.9%の三塩化アンチモ
ン76.04gを秤量後、エタノール2000gに完全
に溶解させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の溶
液を得た。この溶液を蓚酸2水和物500gをエタノー
ル5000gに溶解させた溶液中に、60℃の加温下で
撹拌しながら滴下し、In−Sb共沈蓚酸塩を析出させ
た。次に、デカンテーションによって上澄みを分離除去
した。さらに沈殿物にエタノール3000gを加えてデ
カンテーションを合計5回繰り返すことにより、沈殿を
十分洗浄した。この後、吸引濾過にて、沈殿を濾別し
て、In−Sb共沈蓚酸塩を得た。その後、実施例1と
同様の方法で得られた沈殿物を乾燥、焼成、粉砕し、目
的の導電性酸化物粉末を得た。
ウム221.18gと純度99.9%の三塩化アンチモ
ン76.04gを秤量後、エタノール2000gに完全
に溶解させIn:Sb=3.0:1.0のmol比の溶
液を得た。この溶液を蓚酸2水和物500gをエタノー
ル5000gに溶解させた溶液中に、60℃の加温下で
撹拌しながら滴下し、In−Sb共沈蓚酸塩を析出させ
た。次に、デカンテーションによって上澄みを分離除去
した。さらに沈殿物にエタノール3000gを加えてデ
カンテーションを合計5回繰り返すことにより、沈殿を
十分洗浄した。この後、吸引濾過にて、沈殿を濾別し
て、In−Sb共沈蓚酸塩を得た。その後、実施例1と
同様の方法で得られた沈殿物を乾燥、焼成、粉砕し、目
的の導電性酸化物粉末を得た。
【0043】以上のようにして得られた粉末は、XRD
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、15.8m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は69.2nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.5Ω・cmであった。
測定およびEDX測定の結果、In3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、15.8m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は69.2nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.5Ω・cmであった。
【0044】(実施例7)実施例1と同様の原料、およ
び方法によって、In−Sb共沈水酸化物を得た。さら
に、実施例1と同様の方法で得られた沈殿物を乾燥、粉
砕、焼成し、目的の導電性酸化物粉末を得た。その後、
得られた粉末を、窒素気流中において、800℃、12
時間処理した。処理後、粉末をφ3mmのSi3N4ボー
ルとエタノールを用いた湿式ボールミルにて12時間粉
砕した。
び方法によって、In−Sb共沈水酸化物を得た。さら
に、実施例1と同様の方法で得られた沈殿物を乾燥、粉
砕、焼成し、目的の導電性酸化物粉末を得た。その後、
得られた粉末を、窒素気流中において、800℃、12
時間処理した。処理後、粉末をφ3mmのSi3N4ボー
ルとエタノールを用いた湿式ボールミルにて12時間粉
砕した。
【0045】以上のようにして得られた粉末は、XRD
測定およびEDX測定の結果、In 3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、13.8m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は81.5nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.06Ω・cmであった。
測定およびEDX測定の結果、In 3SbO7であること
が認められた。BET法にて得られた粉末の比表面積を
測定したところ、13.8m2/gであり、一次粒子の
平均粒径は81.5nmであった。さらに、この粉末の
粉体抵抗率は0.06Ω・cmであった。
【0046】(比較例1)純度:99.9%、BET比
表面積5m2/g、一次粒子の平均粒径100nmの酸
化インジウム粉末、およびBET比表面積3m2/g、
一次粒子の平均粒径120nmの酸化アンチモン粉末を
モル比で3:1になるように秤量し、エタノール溶媒中
で湿式ボールミル混合した。さらに、得られたスラリー
を60℃、24時間乾燥後、アルミナ坩堝中800℃、
5時間仮焼した。仮焼後の粉末を再びエタノール溶媒中
で湿式ボールミル粉砕し、乾燥後、大気雰囲気、100
0℃、6時間焼成した。焼成後、焼成物をφ3mmのS
i3N4ボールとエタノールを用いた湿式ボールミルにて
12時間粉砕した。
表面積5m2/g、一次粒子の平均粒径100nmの酸
化インジウム粉末、およびBET比表面積3m2/g、
一次粒子の平均粒径120nmの酸化アンチモン粉末を
モル比で3:1になるように秤量し、エタノール溶媒中
で湿式ボールミル混合した。さらに、得られたスラリー
を60℃、24時間乾燥後、アルミナ坩堝中800℃、
5時間仮焼した。仮焼後の粉末を再びエタノール溶媒中
で湿式ボールミル粉砕し、乾燥後、大気雰囲気、100
0℃、6時間焼成した。焼成後、焼成物をφ3mmのS
i3N4ボールとエタノールを用いた湿式ボールミルにて
12時間粉砕した。
【0047】以上のようにして得られた粉末は、XRD
測定およびEDX測定の結果、In 3SbO7ではなくル
チル型結晶構造を有するInSbO4とIn2O3の混合
物であることが認められた。さらにBET法にて得られ
た粉末の比表面積を測定したところ、2.2m2/gで
あり、一次粒子の平均粒径は525nmと大きな粒子で
あった。また、この粉末の粉体抵抗率は80Ω・cmで
あった。
測定およびEDX測定の結果、In 3SbO7ではなくル
チル型結晶構造を有するInSbO4とIn2O3の混合
物であることが認められた。さらにBET法にて得られ
た粉末の比表面積を測定したところ、2.2m2/gで
あり、一次粒子の平均粒径は525nmと大きな粒子で
あった。また、この粉末の粉体抵抗率は80Ω・cmで
あった。
【0048】(比較例2)比較例1と同様の原料、およ
び方法によって、In−Sb混合酸化物を得た。さら
に、得られたスラリーを60℃、24時間乾燥後、アル
ミナ坩堝中800℃、5時間仮焼した。仮焼後の粉末を
再びエタノール溶媒中で湿式ボールミル粉砕し、乾燥
後、大気雰囲気、1350゜C、6時間焼成した。焼成
後、焼成物をφ3mmのSi3N4ボールとエタノールを
用いた湿式ボールミルにて12時間粉砕した。
び方法によって、In−Sb混合酸化物を得た。さら
に、得られたスラリーを60℃、24時間乾燥後、アル
ミナ坩堝中800℃、5時間仮焼した。仮焼後の粉末を
再びエタノール溶媒中で湿式ボールミル粉砕し、乾燥
後、大気雰囲気、1350゜C、6時間焼成した。焼成
後、焼成物をφ3mmのSi3N4ボールとエタノールを
用いた湿式ボールミルにて12時間粉砕した。
【0049】以上のようにして得られた粉末は、XRD
測定およびEDX測定の結果、In 3SbO7であること
が認められた。この粉末の粉体抵抗率は0.1Ω・cm
であったが、粉末の比表面積を測定したところ、0.5
m2/gであり、一次粒子の平均粒径は972nmとか
なり大きな粒子であった。
測定およびEDX測定の結果、In 3SbO7であること
が認められた。この粉末の粉体抵抗率は0.1Ω・cm
であったが、粉末の比表面積を測定したところ、0.5
m2/gであり、一次粒子の平均粒径は972nmとか
なり大きな粒子であった。
【0050】
【本発明の効果】本発明により得られたIn3SbO7系
複酸化物よりなる導電性酸化物粉末は、広い比表面積と
小さな一次粒子径及び高い導電性を有するので、帯電防
止剤、静電気除去剤、電気抵抗体、導電性塗料、導電性
インク、スパッタリングターゲット、難燃助剤などの用
途に有効であるとともに、本発明の製造法により、該粉
末が効率良く得られので従来材料よりも低コストで製造
可能である等の著効を有する。
複酸化物よりなる導電性酸化物粉末は、広い比表面積と
小さな一次粒子径及び高い導電性を有するので、帯電防
止剤、静電気除去剤、電気抵抗体、導電性塗料、導電性
インク、スパッタリングターゲット、難燃助剤などの用
途に有効であるとともに、本発明の製造法により、該粉
末が効率良く得られので従来材料よりも低コストで製造
可能である等の著効を有する。
Claims (6)
- 【請求項1】インジウムとアンチモンを主成分とし、そ
れらの原子比がIn:Sb=3:(1+X)(但し、−
0.3≦X≦0.3)であるIn3SbO7系複酸化物の
結晶構造を有し、比表面積(BET値)が5m2/g以
上で、且つ一次粒子の平均粒子径が5〜1000nmで
あることを特徴とする導電性酸化物粉末。 - 【請求項2】In3SbO7系複酸化物は、スズ、珪素、
ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、鉛、クロム、モ
リブデン、タングステン、テルル、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル、ビスマス、砒素、セリウムのIV、V、VI
族の高原子価金属元素、もしくはフッ素、臭素、ヨウ素
のハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種類以上をド
ープした酸化物であることを特徴とする請求項1記載の
導電性酸化物粉末。 - 【請求項3】圧粉体の抵抗率が1Ω・cm以下であるこ
とを特徴とする請求項1または2記載の導電性酸化物粉
末。 - 【請求項4】酸素空孔を有することを特徴とする請求項
1乃至3記載の導電性酸化物粉末。 - 【請求項5】請求項1記載の導電性酸化物粉末を下記工
程により製造することを特徴とする導電性酸化物粉末の
製造方法。 (1)金属インジウムまたはインジウム化合物、および
金属アンチモンまたはアンチモン化合物から選ばれるそ
れぞれ1種以上を原料に用い、これらを含む溶液に沈殿
剤を添加して沈殿物を得る工程、(2)得られた沈殿物
を固液分離した後、得られた固形物を乾燥および焼成し
て焼成物を得る工程、(3)得られた焼成物を粉砕し、
導電性酸化物粉末を得る工程。 - 【請求項6】請求項5記載の方法により得られた導電性
酸化物粉末を、酸素分圧が104〜10-16Paの範囲、
且つ100℃〜1200℃の温度範囲で加熱処理するこ
とを特徴とする請求項4記載の導電性酸化物粉末の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000114575A JP2001302240A (ja) | 2000-04-17 | 2000-04-17 | 導電性酸化物粉末およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000114575A JP2001302240A (ja) | 2000-04-17 | 2000-04-17 | 導電性酸化物粉末およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001302240A true JP2001302240A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18626361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000114575A Abandoned JP2001302240A (ja) | 2000-04-17 | 2000-04-17 | 導電性酸化物粉末およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001302240A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002289053A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-04 | Sumitomo Chem Co Ltd | 透明導電性膜の製造方法 |
JP2005022953A (ja) * | 2003-04-01 | 2005-01-27 | Hitachi Maxell Ltd | 複合化酸化インジウム粒子およびその製造方法、ならびに導電性塗料、導電性塗膜および導電性シート |
CN1305077C (zh) * | 2002-11-25 | 2007-03-14 | Tdk株式会社 | 导电组合物及陶瓷电子元件 |
JP2014047361A (ja) * | 2012-08-29 | 2014-03-17 | Research Institute For Electromagnetic Materials | 複相構造薄膜材料 |
CN109504235A (zh) * | 2018-11-15 | 2019-03-22 | 佛山科学技术学院 | 一种适用于电子产品的环保阻燃涂料 |
KR20190096974A (ko) * | 2018-02-08 | 2019-08-20 | 미쓰비시 마테리알 가부시키가이샤 | 산화물 스퍼터링 타깃, 및 산화물 스퍼터링 타깃의 제조 방법 |
-
2000
- 2000-04-17 JP JP2000114575A patent/JP2001302240A/ja not_active Abandoned
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002289053A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-04 | Sumitomo Chem Co Ltd | 透明導電性膜の製造方法 |
CN1305077C (zh) * | 2002-11-25 | 2007-03-14 | Tdk株式会社 | 导电组合物及陶瓷电子元件 |
JP2005022953A (ja) * | 2003-04-01 | 2005-01-27 | Hitachi Maxell Ltd | 複合化酸化インジウム粒子およびその製造方法、ならびに導電性塗料、導電性塗膜および導電性シート |
JP2014047361A (ja) * | 2012-08-29 | 2014-03-17 | Research Institute For Electromagnetic Materials | 複相構造薄膜材料 |
KR20190096974A (ko) * | 2018-02-08 | 2019-08-20 | 미쓰비시 마테리알 가부시키가이샤 | 산화물 스퍼터링 타깃, 및 산화물 스퍼터링 타깃의 제조 방법 |
KR102115126B1 (ko) | 2018-02-08 | 2020-05-25 | 미쓰비시 마테리알 가부시키가이샤 | 산화물 스퍼터링 타깃, 및 산화물 스퍼터링 타깃의 제조 방법 |
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