JP2001351690A - 非水電解質電池 - Google Patents
非水電解質電池Info
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- Secondary Cells (AREA)
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Abstract
と共に、過充電に対しても優れた安全性を確保する。 【解決手段】 一般式がLixM(1-y)AlyO2(但し、
0.05≦x≦1.10,0.01≦y<0.10、M
は遷移金属から選ばれる少なくとも1種以上の元素を含
む元素。)で示されるリチウム複合酸化物と炭酸リチウ
ムとを含有した正極とし、リチウム複合酸化物の含有量
に対する炭酸リチウムの含有量の割合を、1重量%以上
かつ5重量%以下とする。
Description
るものである。
子機器の小形・軽量化を次々と実現させている。それに
伴い、電源である電池に対しても、一層の小型化、軽量
化、高エネぜんルギー密度化が求められるようになって
いる。従来、一般用途の電池としては、鉛電池、ニッケ
ルカドミウム電池等の水溶液系電池が主流であった。し
かし、これらの水溶液系電池は、サイクル特性には優れ
るものの、電池重量やエネルギー密度の点では十分に満
足できるものとは言えない。
ギー密度を有し、サイクル特性にも優れた非水電解質電
池が使用され始めている。非水電解質電池の代表的なも
のとしては、リチウムイオンの可逆的インターカレーシ
ョンが可能な物質を電極材料に用いたリチウムイオン電
池がある。このようなリチウムイオン電池は、エネルギ
ー密度、充放電サイクル特性に優れることから、比較的
消費電力の大きい携帯用機器の供給電源としての用途が
期待されている。
は、過充電時に電解質や活物質の分解等の異常反応が起
こり、電池の発熱や破損に至る場合がある。このため、
過充電時における熱暴走を防止するために、正極合材中
に炭酸リチウムを添加して電気化学的な分解反応による
CO2ガスの発生を利用して、電池に装着される電流遮
断素子を作動させる方法が提案されている(例えば、特
開平4−328278号、特開平4−329268号等
参照)。なお、正極に炭酸リチウムを添加した電池で
は、電流遮断素子ではなく、電池の内圧上昇によって開
弁する安全弁によっても、上記と同様にCO2ガスの発
生により容易に安全弁を作動させることができるため、
過充電時における熱暴走を防止することができる。
ように炭酸リチウムを正極に添加した場合には、炭酸リ
チウムと電解液中の電解質とが発熱反応を起こすため
に、高温下における電池の安全性が低下するなどの悪影
響を電池に及ぼすことがあることがわかった。また、過
充電時の安全性の向上に関しても、炭酸リチウムの添加
が必ずしも効果を発揮するわけではなく、添加量や活物
質の種類により種々異なることがわかった。
利用した電池の高温下における安全性を効果的に向上さ
せると共に、過充電に対しても優れた安全性を有する電
池を提供することを目的とする。
式がLixM(1-y)AlyO2(但し、0.05≦x≦1.
10,0.01≦y<0.10、Mは遷移金属から選ば
れる少なくとも1種以上の元素を含む元素。)で示され
るリチウム複合酸化物と炭酸リチウムとを含有した正極
を備えたことを特徴とする非水電解質電池である。
チウム複合酸化物と炭酸リチウムとを正極に含有させる
ことにより、炭酸リチウム添加によるCO2ガス発生で
の過充電時の熱暴走防止効果は落とすことなく、高温下
における安全性も向上させることができる。さらに、過
充電時の安全性もさらに向上させることができ、電池の
容量を落とすこともない。
考えられる。すなわち、炭酸リチウムを正極に添加した
電池では、過充電時の電気化学的な分解反応によるCO
2ガスの発生を利用して、早期に電流遮断素子や安全弁
を作動させることにより過充電時における熱暴走を防止
することができる。しかしながら、炭酸リチウムと電解
液中の電解質とが発熱反応を起こすために、これがリチ
ウム複合酸化物等を不安定にし、電池が高温にさらされ
た場合に逆に電池の安全性を低下させてしまう場合が生
じる。これに対し、リチウム複合酸化物にアルミニウム
を添加することによってリチウム複合酸化物の熱安定性
が向上するために、炭酸リチウムの添加によることが原
因となる熱発生に伴う電池の不安定化を相殺することが
でき、このような問題を解決できるようになる。さら
に、アルミニウムの添加されたリチウム複合酸化物を用
いると、詳細なメカニズムは不明であるが、従来のリチ
ウム複合酸化物との組み合わせの場合に比べて熱暴走が
生じにくくなり、安全性が向上する。
おいて、MとAlのモル比において、Alが少なすぎる
と、正極活物質自身の熱安定性が向上せず、また、多す
ぎると正極活物質自身の充放電容量が大きく低下するこ
とになり好ましくない。正極活物質中におけるMとAl
のモル比は、このようなことからも0.01以上、0.
1未満であることが望ましい。
非水電解質電池において、上記リチウム複合酸化物の含
有量に対する上記炭酸リチウムの含有量の割合を、1重
量%以上かつ5重量%以下としたことを特徴とするもの
である。
正極中に含有する炭酸リチウムの割合が少なすぎると、
過充電時の電気化学的な分解反応によるCO2ガスの発
生を利用した電流遮断素子や安全弁を作動させることが
十分に発揮できない。また、炭酸リチウムの割合が多す
ぎると、正極板の抵抗が大きくなり放電容量が小さくな
ることや、炭酸リチウムと電解液中の電解質による発熱
反応が大きくなり、正極活物質自身の熱安定性を向上し
ても高温における安全性を確保することが困難になる。
このようなことから、各成分の添加量は適宜調整して用
いるが、このような範囲とすることにより、本願発明の
効果がより確実に、また、顕著に発揮されるようにな
る。
説明する。
O2(但し、0.05≦x≦1.10,0.01≦y<
0.10、Mは遷移金属から選ばれる少なくとも1種以
上の元素を含む元素。)で示されるリチウム複合酸化物
と炭酸リチウムとを含有した正極を備えたことを特徴と
する非水電解質電池であり、正極中のリチウム複合酸化
物は正極活物質として作用し、炭酸リチウムはCO2ガ
スを発生する役割をする。
遷移金属から選ばれる少なくとも1種以上の元素を含む
元素を示すが、特にCo、Ni、Mnが望ましい。例え
ば、本願発明において用いることのできるリチウム複合
酸化物としては、LixCo( 1-y)AlyO2、LixNi
(1-y)AlyO2、Li2xMn2(1-y)Al2yO4、Li
x(Co1-ZNiZ)(1-y)AlyO2等のMがCo、Ni、
Mn等の1種類の遷移金属元素からなるもの、CoとN
i、NiとMn、MnとCo等の2種類の遷移金属元素
からなるもの、CoとNiとMn等の3種類の遷移金属
元素からなるもの、さらには、LixCo(1-y ー Z)Aly
MeZO2(Meは金属元素のうちの少なくとも1種の元
素を示し、以下も同じ)、LixNi(1-y ー Z)AlyMeZ
O2、Lix(Co1-aNia)(1-y ー Z)AlyMeZO2等の
MとしてCo、Ni、Mnの遷移金属に加えてさらに別
の金属元素、例えば、Si、Ti、Sn、Mg等のうち
の少なくとも1種類が添加されたもの等があり、中で
も、LixCo(1-y)AlyO2、LixNi(1-y)Al
yO2、Lix(Co1-ZNiZ)(1-y)AlyO2、LixC
o(1-y ー Z)AlyMeZO2、LixNi(1-y ー Z)AlyMeZ
O2、Lix(Co1-aNia)(1- y ー Z)AlyMeZO2のM
としてCoまたはNiを含むものが好ましく、特に、C
oを含むものが好ましい。
物粉末と炭酸リチウム粉末、さらに、導電剤と結着剤と
を混合した合剤をペースト状にし、これをアルミニウム
等の金属集電体上に塗布形成することで作製する。
ウム複合酸化物の含有量に対する正極中における炭酸リ
チウムの含有量の割合が、1重量%以上かつ5重量%以
下となるように混合割合を調整する。
ラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等を
単体、もしくはこれらを組み合わせて使用する事ができ
る。
ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ゴム系高分
子もしくはこれらとセルロース系高分子との混合物また
はポリフッ化ビニリデンを主体とするコポリマー等を使
用することができる。
る負極も上記正極と同様にして作製することができる
が、この際用いられる負極活物質としては、例えば、リ
チウム金属、またはリチウムアルミニウム合金や熱分解
炭素、コークス類、天然黒鉛や人造黒鉛等のグラファイ
ト類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭など
リチウムを吸蔵放出する炭素材料、またはポリピロール
やポリアセチレンのようなポリマー材料を用いることが
できる。
合には、電解液溶媒として、例えば、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート
などの炭酸エステルやγ-ブチルラクトン、1,2ジメトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロ
フラン、プロピオン酸メチル等の有機溶媒を単独または
二種以上を混合して使用することができる。
ClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiC
F3SO3、LiN(CF3SO2)2等を単独または二種
以上を混合して使用することができる。なかでもLiP
F6が最も望ましい。
素子や安全弁等の電池内圧の上昇により動作する安全装
置を設ける場合には、この安全装置の動作圧力を3〜2
5kg/cm2の範囲となるように設定するのが好まし
く、特に、リチウム複合酸化物の含有量に対する上記炭
酸リチウムの含有量の割合を1重量%以上かつ5重量%
以下とする場合により好ましい。これは、安全装置を良
好に動作させることができるからである。
に説明するが、下記実施例により何ら限定されるもので
はなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更し
て実施することが可能であることはいうまでもない。 <実施例1> [正極] コバルトとアルミニウムのモル比が異なる正
極活物質5種、 LiAl 0.01Co0.99O2、LiAl0.03Co
0.97O2、LiAl0.05Co0.95O2、LiAl0.07Co0.93O2、及びLi
Al0.10Co0.90O2を100重量%に対して、炭酸リチウム
をそれぞれ0.5重量%、1.5重量%、3.5重量
%、5.0重量%及び6.0重量%の割合、炭素系導電
剤であるアセチレンブラックを100重量%のLiCo
O2に対し、3重量%の割合、さらに結着剤としてのポ
リフッ化ビニリデン(PVdF)を全体の4重量%、分
散溶媒としてのNMP(N−メチルピロリドン)を加え
て混練して正極ペーストを得た。次にこの活物質ペース
トをアルミニウム箔よりなる電極基体に塗布、乾燥さ
せ、リチウム電池用正極を得た。従ってここで作製した
正極板の種類は、上記のコバルトとアルミのモル比が異
なる5種類の正極活物質と炭酸リチウム量の異なる5種
類の組み合わせとなり計25種類である。
ソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビ
ーズをリチウムイオンインターカレーション部材とし、
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を結着剤として混練
し、適宜NMPを添加してペーストとしたものを、銅箔
基体に塗布・乾燥させて負極を作製した。尚、このとき
のメソカーボンマイクロビーズは粒子径が5〜50μ
m、比表面積が1〜10m2/gである。
ジエチルカーボネートとの体積比1:1の混合溶媒に、
LiPF6をモル/1リットル溶かしたもの調整して、
これを用いた。
0%であるポリエチレン微多孔膜をセパレータとして使
用した。セパレータについても、特に制限されず、従来
から使用されている種々のセパレータを用いることがで
きる。
セパレータ、電解液を、幅30mm高さ48mm厚み5
mmの角型の電池容器に収納し、非水電解質電池を作製
した。この電池の概略構成図を図1に示す。この電池の
主な構成要素は、正極3と負極4とセパレータ5を巻回
した電極群2、電池ケース6、安全弁8、電解液(図示
せず)等である。また本実施例においては、上記正極板
だけが異なる25種類の電池を作製した。安全弁の動作
圧力は、10kg/cm2とした。
とを除いては、実施例1と同様に電池を作製した。すな
わち、上記正極活物質のコバルトとアルミニウムのモル
比だけが異なる5種類の電池を作製した。
ミニウムのモル比が100対0、すなわち、正極活物質
にLiCoO2を用いたことを除いては、実施例1と同
様に電池を作製した。すなわち、正極への炭酸リチウム
添加量だけが異なる5種類の電池を作製した。
ず、さらに正極活物質にLiCoO2を用いたことを除
いては、実施例1と同様に電池を作製した。
を各々10個ずつ、下記条件において充放電試験を行
い、電池の初期容量を測定した。 充電:570mA定電流 4.2V定電圧5h(25
℃) 放電:570mA定電流 終止電圧3.0V(25℃) [ホットプレート加熱試験]上記実施例と比較例の電池
を各々5個ずつ、下記条件において、充電した電池を1
20℃に加熱したホットプレート上において、その電池
の挙動を観察した。充電:570mA定電流 4.2V
定電圧5h(25℃) [過充電試験方法]上記実施例と従来例の電池を各々5
個ずつ、下記条件での過充電試験に供した。
の結果を表1(実施例)、表2(比較例1)、表3(比
較例2,3)に示す。本試験電池はいずれも570mA
hになるように設計されたものである。
とアルミニウムのモル比が0.93:0.07までなら
容量劣化はないが、コバルトとアルミニウムのモル比が
0.9:0.1になると容量劣化が大きくなることがわ
かる。これより、正極活物質におけるコバルトとアルミ
ニウムのモル比は、アルミニウムが0.1より小さいこ
とが望ましいのがわかる。
ホットプレート加熱試験の結果を表4(実施例)、表5
(比較例1)、表6(比較例2、3)に示す。表中、
「発煙または漏液」したものはいずれも弁が作動してお
り、「異常なし」としたものは、弁の作動も生じていな
い。
くなるほど、安全性が低下する傾向にあり、炭酸リチウ
ムの添加量が6.5重量%においては、正極活物質のコ
バルトとアルミニウムのモル比にかかわらず、電池はす
べて漏液または発煙に至った。また、正極活物質のコバ
ルトとアルミニウムのモル比が1:0、すなわちLiC
oO2の時は、正極に添加する炭酸リチウムの添加量が
1.5重量%以上であると電池は漏液または発煙に至っ
た。これは、炭酸リチウムと電解液中の電解質が発熱反
応を起こしたために、電池が熱暴走を起こすに至ったた
めと考えられる。
アルミニウムのモル比が0.01以上においては、高温
時における正極活物質の熱安定性も向上することかする
ことから、ホットプレート加熱に対しても優れた安全性
を示すことがわかった。以上から、正極活物質における
コバルトとアルミニウムのモル比は、アルミニウムが
0.01以上であり、炭酸リチウムの添加量は5重量%
以下であることが望ましいことがわかる。
る、過充電の結果を表7(実施例)、表8(比較例
1)、表9(比較例2,3)に示す。過充電試験におい
て,表中の○は異常がなかったもの、×は漏液または発
煙したものを表し、異常のなかったものでは、弁が円滑
に作動し漏液または発煙はなかった。
添加、あるいは添加量が0.5重量%では、正極活物質
におけるコバルトとアルミニウムのモル比が0.9:
0.1以外の電池はすべて漏液または発煙に至ったこと
がわかる。また、1.5重量%以上においては、過充電
時において電池が熱暴走を起こす前に、電気化学的な分
解反応によるCO2ガスの発生により安全弁を作動し
て、いずれも発煙、漏液には至らなかった。この結果か
ら、炭酸リチウムの添加量は1重量%以上であることが
望ましいことが分かる。
コバルト複合酸化物を正極活物質とした場合には、コバ
ルトとアルミニウムのモル比において、アルミニウムの
モル比を0.01以上かつ0.1未満とし、正極活物質
量に対する炭酸リチウム量を1重量%以上かつ5重量%
以下とした場合に、特に優れた熱安定性と、耐過充電性
能を有する電池が得られる。
合酸化物を正極活物質とした場合について説明したが、
上記実施形態で説明したような他のリチウム複合酸化物
を用いた場合にも同様の効果が得られる。また、本例で
は電解質として電解液を用いた例を示したが、電解質に
ポリマー電解質や固体電解質を用いたものにおいても同
様の効果が得られ、負極に金属リチウム等が用いられた
いわゆるリチウムイオン電池以外のリチウム電池の場合
にも同様の効果が得られる。
安全性、過充電に対する安全性の優れた電池を提供する
ことが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式がLixM(1-y)AlyO2(但し、
0.05≦x≦1.10,0.01≦y<0.10、M
は遷移金属から選ばれる少なくとも1種以上の元素を含
む元素。)で示されるリチウム複合酸化物と炭酸リチウ
ムとを含有した正極を備えたことを特徴とする非水電解
質電池。 - 【請求項2】 上記リチウム複合酸化物の含有量に対す
る上記炭酸リチウムの含有量の割合が、1重量%以上か
つ5重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の
非水電解質電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000173351A JP4795509B2 (ja) | 2000-06-09 | 2000-06-09 | 非水電解質電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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