JP2001341484A - ボールペン及びボールペンチップ - Google Patents
ボールペン及びボールペンチップInfo
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- JP2001341484A JP2001341484A JP2000167938A JP2000167938A JP2001341484A JP 2001341484 A JP2001341484 A JP 2001341484A JP 2000167938 A JP2000167938 A JP 2000167938A JP 2000167938 A JP2000167938 A JP 2000167938A JP 2001341484 A JP2001341484 A JP 2001341484A
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Abstract
も、滑らかな書き味、安定したインキ供給のできるボー
ルペンチップ及びボールペンを提供する。 【解決手段】 筆記用ボール10とチップ本体11とを
有し、チップ本体11は、インキが導入されるインキ導
通孔12と、一端が開放されたボール収納室40とを備
えており、ボール収納室40は、インキ導通孔12に連
通する連通孔45と、筆記用ボール40を支持する座部
43とを有し、筆記用ボール10を開放端42側から一
部露出して回転可能に収納するボールペンチップ5にお
いて、ボール収納室40の座部43が、筆記用ボール1
0の反露出側の極点近傍を支持するように形成されると
共に、連通孔45が、座部43が筆記用ボール10を接
触支持する支持領域44を除く領域に設けている。
Description
ールペンチップに関する。
ルペンチップの中に筆記用ボールが回転可能に保持さ
れ、インキ収納部のインキを筆記用ボールに導き、筆記
用ボールの回転に応じてインキを紙等に付着させるもの
である。
ボールペンチップ100の先端部を示した断面図、
(b)は(a)のA−A’断面図、(c)は(a)のA
−A’断面斜視図である。
が開放された凹型円筒状のボール収納室101が設けら
れ、筆記用ボール102が一部を開放端103から露出
させながら回転可能に収納されている。このボール収納
室101は収納室内壁104を有し、開放端103はや
やかしめられて窄んでおり、開放端103に対向する部
位には、座部105が設けられている。
ーパ面で、中央孔106に収斂しインキ導通孔107と
連通していると共に、座部105には放射状に延びる溝
108が設けられ、この溝108はインキ導通孔107
まで貫通している。
使用するなど、筆記用ボール102に対して軸方向の力
が加えられた場合に、筆記用ボール102で中央孔10
6が塞がれてインキの流路が絶たれることを防ぐバイパ
スの役目をしている。
通常、筆記用ボール102とボール収納室101の収納
室内壁104との間に使用インキに応じた僅かな隙間P
を持たせ、この隙間Pによってインキの流出量を調整し
適度な流出を確保している。
収納室の中心軸に垂直でボールの中心を通る平面とボー
ルが交差する外周円)部分よりも開放端103側の部分
と収納室内壁104との間にインキ流通路109を確保
するための隙間Pを持たせており、開放端103でも隙
間Pを得るために、筆記用ボール102に軸方向にVの
自由度を持たせている。
うにボール収納室101と筆記用ボール102との間に
隙間Pを設けているため、筆記用ボール102の回転に
応じて座面105との接触点が一点のときもあれば複数
点のときも生じ、底面105によって安定した筆記用ボ
ール102の支持を行うことができなかった。
105が溝108によって凸凹状態であり、その上を筆
記用ボール102が転がるため、接触状態が変動する毎
に微細な衝撃が生じ、これが筆記用ボール102のスム
ーズな動きを阻害して書き味を損なう要因となってい
た。
座部105に設けられた溝108の縁に応力が集中する
ため、溝108の縁が摩耗するなどしてインク通路が狭
められ、ボール収納室101へのインキの供給量が低下
して掠れの要因となっていた。
すようにしたボールペンが開発されている。このような
ボールペンに用いるインキは通常のインキに比べて大粒
子を有する光輝性顔料を含んでいる。そこで、このよう
な光輝性顔料を含んだインキを用いたボールペンでは通
常のインキを用いる場合に比べて、前記した筆記用ボー
ル102の軸方向の自由度Vを広げると共に隙間Pや溝
108の幅Wを広げて大粒子顔料による目詰まりを防い
でいる。このため、筆記用ボール102のボール収納室
101内での移動範囲が一層広がると共に座部105の
凸凹状態が大きくなり、この結果、座部105と筆記用
ボール102との接触状態の変動によって生じる微細衝
撃が大きくなって筆記用ボール102のスムーズな動き
が一層阻害されていた。
案されるもので、筆記用ボールの回転を円滑にするボー
ルペンチップ及びボールペンを提供することにある。ま
た、光輝性顔料などの大粒子顔料を含んだインキを用い
た場合でも、書き味及び安定したインキ供給のできるボ
ールペンチップ及びボールペンを提供することにある。
れる本発明のボールペンチップは、筆記用ボールとチッ
プ本体とを有し、チップ本体は、インキ収納部からイン
キが導入されるインキ導通孔と、このインキ導通孔と連
通され、一端が開放されたボール収納室とを備えてお
り、ボール収納室は、インキ導通孔に連通する連通孔
と、筆記用ボールを支持する座部とを有し、筆記用ボー
ルを開放端側から一部露出させながら回転可能に収納す
るボールペンチップにおいて、ボール収納室の座部が筆
記用ボールの反露出側の極点近傍を支持するように形成
されるとともに、連通孔を、座部が筆記用ボールを接触
支持する支持領域を除く領域に設ける構成とされてい
る。
支持領域の外側の領域に設けているので、座部に含まれ
る支持領域内には連通孔の開孔に掛かる凸凹はない。こ
れにより、座部で筆記用ボールを安定して支持するの
で、筆記用ボールは円滑に回転する。また、筆記用ボー
ルとボール収納室内壁との隙間を大きくしても、支持領
域の外側に連通孔を設ければ支持領域内に凸凹が生じな
いので、筆記用ボールの円滑な動きが損なわれない。ま
た、連通孔を支持領域の外側の領域に設けるので、筆記
用ボールの動きによって連通孔が塞がることがない。こ
れにより、連通孔を通じたボール収納室へのインキ供給
が筆記用ボールの動きに依存しなくなり、インキ供給が
安定する。また、支持領域の外側の領域であれば、必要
な大きさや数の連通孔を自由に設けることができる。
ボール収納室に設けられた座部が、ボール収納室の中心
軸に垂直に交差する平面で形成され、座部は筆記用ボー
ルの反露出側の極点と点接触して支持する構成とするこ
ともできる。このボールペンチップによれば、筆記用ボ
ールは軸方向において平面の座部で常に一点支持されて
回転する。これにより、筆記用ボールと座部との摩擦が
減少し、筆記用ボールは円滑に回転する。
連通孔を座部の周囲に形成した構成とすれば、ボールペ
ンチップ自体が傾斜するなどしても連通孔を通じた筆記
用ボールへのインキ供給が不均一にならず、安定したイ
ンキ供給が行える。特に、座部の周囲に放射状に連通孔
を配すれば、一層インキ供給を安定させることができ
る。
料を切削加工して作られたものとすれば、チップ自体の
摩耗強度が向上する。則ち、ボール収納室の摩耗が減少
するので、筆記用ボールがボール収納室から飛び出す所
謂ボール飛びなどが生じにくくなり、ボールペンチップ
の耐久性が向上する。
ンでは、インキ収納部と、インキ収納部に接続され筆記
用ボールを一部露出させながら回転可能に収納するボー
ルペンチップを有したボールペンにおいて、請求項1乃
至4のいずれかに記載した本発明のボールペンチップを
用いた構成としている。このボールペンによれば、書き
味、安定したインキ供給及び耐久性を実現できる。
ンキ収納部に、光輝性顔料として、ガラスフレーク顔
料、金属被覆無機顔料、多重層フィルム粉、金属箔粉、
金属被覆樹脂フィルム粉の光輝性顔料の内、少なくとも
いずれかの光輝性顔料を含むインキが収納された構成と
することもできる。これらのインキに含まれる光輝性顔
料は大粒子径を有しているが、目詰まりを防ぐために筆
記用ボールとボール収納室との隙間を広げ連通孔の大き
さを拡大しても筆記用ボールの円滑な動きが損なわれな
い。則ち、筆跡に光輝感と立体感とを持たせつつ円滑な
書き味と安定したインキ供給が行える。
ンキ収納部に、メジアン径が19μm以上のアルミニウ
ム金属粉顔料を含むインキが収納された構成とすること
もできる。このような大粒径を有する光輝性顔料を含む
インキであっても、前記したように筆跡に強い光輝感と
立体感とを持たせつつ、円滑な書き味を維持し安定なイ
ンキ供給が行える。
収納部には、粒子径が20μm以上の顔料を含むインキ
が収納された構成とすることもできる。このような大粒
子径を有する顔料であっても、前記したように隙間を広
げると共に連通孔を拡大することによって、円滑な書き
味を維持し安定なインキ供給が行える。
収納部には、幅寸法が20μm以上の部分を持つ粒子を
有する顔料を含んだインキが収納された構成とすること
もできる。ここで言う幅寸法とは、対向する平行平面で
粒子を挟んだ場合の平面間の寸法を言う。従って、平行
平面で挟まれた粒子の向きに応じて、平行平面間隔が最
大となる場合の寸法を最大幅寸法、平行平面間隔が最小
となる場合の寸法を最小幅寸法と定義できる。この定義
に基づくと、粒子の最小幅寸法が前記隙間よりも充分小
さければ、たとえその粒子の最大幅寸法が隙間に比べて
非常に大きい大粒子顔料でも隙間を通過可能である。こ
のような粒子形状としては、細長い糸形状や棒形状或い
は薄板形状、短冊形状、偏平形状など種々の形状が挙げ
られる。従って、顔料の有する粒子の内、最大と思われ
る粒子について最大幅寸法及び最小幅寸法を把握すれ
ば、顔料に合わせて隙間を調整したり、或いは、隙間に
合わせてインキに含有する顔料を選定することができ
る。特に、本発明のボールペンによれば、隙間を広くし
た場合でも筆記用ボールの円滑な回転が損なわれず、イ
ンキの性状に合わせた設計が容易である。
インキ収納部には、偏平形状の粒子を有する顔料を含ん
だインキが収納され、この偏平形状の粒子の最大長がボ
ール収納室内壁と筆記用ボールとの隙間よりも大きく、
且つ、この偏平形状の粒子の厚さがボール収納室内壁と
筆記用ボールとの隙間よりも小さい構成とすることもで
きる。このボールペンによれば、偏平形状の粒子の最大
長は隙間よりも大きいが、この偏平形状の粒子は筆記用
ボールの表面に厚み方向に付着するため、粒子の厚さよ
りも広い隙間をスムーズに流出することができる。これ
により、大粒子顔料を含むインキであるにもかかわらず
インキ詰まりを生じない。ここでいう偏平形状の粒子と
は、その最大長に対して厚みが充分小さい粒子全般を指
すもので、粒子の全体形状は種々のものが含まれる。
実施形態を説明する。図1(a)は、本発明の実施形態
に係るボールペンチップ5の先端部の断面図である。ま
た、(b)は(a)のA−A’断面図、(c)は(a)
のA−A’断面斜視図であり、いずれも筆記用ボールを
取り外して示している。
10とチップ本体11とで構成される。チップ本体11
は、インキ収納部(不図示)からインキが導入されるイ
ンキ導通孔12と、インキ導通孔12と連通され、一端
が開放された凹型円筒状のボール収納室40を備えてい
る。
端42から筆記用ボール10を一部露出させて回転可能
に収納している。開放端42と対向する部分は開放端4
2側に向けて中心軸に対して回転対称な円錐台状に形成
され、その円錐台の頂平面は中心軸と垂直な円形平面に
形成されて筆記用ボール10を支持する座部43を構成
している。この座部43で筆記用ボール10の反露出側
の極点(ボール収納室40の中心軸上に筆記用ボール1
0の中心を置いたとき、中心軸と筆記用ボール10表面
との交差する点)10aを点支持する。また、座部43
の周囲の傾斜部分には、インキ導通孔12に連通する4
つの連通孔45を中心軸に対して放射状に配している。
ムーズに流出させるために、筆記用ボール10の赤道部
(ボール収納室40の中心軸に対して垂直で筆記用ボー
ル10の中心を通る平面が、筆記用ボール10の表面と
交差する円)よりも開放端42側とボール収納室40の
収納室内壁41との間に、隙間Pを設けてインキ流通路
46を確保している。また、開放端42が窄められてい
るため、開放端42でも同様に隙間Pを得るべく、筆記
用ボール10に中心軸方向に対してVの自由度を持たせ
ている(筆記用ボール10が座部43に当接した状態か
ら破線で示す状態まで移動可能)。
方向に対しては常に座部43によって一点支持され、中
心軸に垂直な方向は、ボール収納室40の収納室内壁4
1で常に一点支持される。これにより、筆記用ボール1
0が座部43と接触する領域は、支持領域44で示した
円内部域となる。
筆記用ボール10は軸方向に対して座部43で一点支持
されるので、筆記用ボール10とボール収納室40との
摩擦が減少し、筆記用ボール10は円滑に回転する。ま
た、筆記用ボール10とボール収納室40との隙間Pを
広げても、筆記用ボール10は軸方向で一点支持される
ので筆記用ボール10の円滑な回転は損なわれない。ま
た、筆記用ボール10が連通孔45の溝に掛かることが
ないので、インキの流出が影響を受けることがなく、安
定したインキ供給が可能である。
工して作られるので、筆記用ボール10の回転による座
部43の摩耗は微少である。仮に、筆記用ボール10に
強大な力が加わるなどして座部43の支持領域44に僅
かな陥没が生じても、支持領域44が座部43の内部に
ある限り連通孔45の溝には掛からない。これによ
り、、筆記用ボール10の円滑な回転は損なわれず、イ
ンキの流出にも影響を与えない。
では、座部43の微少な摩耗に対しても円滑な書き味が
維持されるので、金属材料に代えてプラスチック樹脂材
を射出成形したボールペンチップとしても、良好な書き
味と耐久性が得られる。
45のボール収納室40側の開口部近傍に空隙47が形
成されるが、座部43周辺の傾斜角度を、筆記用ボール
10が接触しない範囲で変化させて空隙47の大きさを
調整できる。この空隙47を調整して適当なインキ溜ま
りとすれば、筆記用ボール10のインキ供給が一層安定
する。
平面で形成した例を示しているが、筆記用ボール10の
すわりやボール収納室40との摩擦状況を考慮して、筆
記用ボール10の方向あるいは逆の方向に僅かに湾曲さ
せた曲面などで形成することもできる。
るボールペンチップ5’の先端部を示す断面図、(b)
は(a)のB−B’断面図を筆記用ボールを取り外して
示したものである。前記したボールペンチップ5と同一
の構成部分については同一の符号を付している。このボ
ールペンチップ5’では、中心軸に垂直な円形平面の中
央部によって座部43を形成しており、座部43に含ま
れる支持領域44の外側の領域に3つの連通孔45を放
射状に形成している。このボールペンチップ5’によれ
ば、前記したボールペンチップ5と同様に円滑な書き
味、安定したインキの流出が得られる。また、座部43
周辺が円形平面であるので、金属加工用ツールを比較的
容易に製作可能である。
るボールペンチップ5”の先端部を示す断面図、(b)
は(a)のC−C’断面図を筆記用ボールを取り外して
示したものである。尚、前記したボールペンチップ1と
同一の構成部分については同一の符号を付している。こ
のボールペンチップ5”では、中心軸に垂直な円形平面
の中央に、開放端42側に向けて円柱状の座部43を突
出させて形成し、2つの大きな連通孔45が座部43を
挟むように設けられている。このボールペンチップ5”
によっても、円滑な書き味、スムーズなインキの流出を
得ることができる。
5’,5”は、いずれも連通孔45を支持領域44の外
側の領域に設ける構成としている。この構成条件を満足
しておれば他の部分の形状や配置、則ち座部43の形
状、隙間Pの大きさ、連通孔45の形状や数、空隙47
の形状などを自由に設定しても、筆記用ボール10の円
滑な回転が損なわれない。これにより、例えば大粒子顔
料等を含むインキを収納したボールペンに用いる場合で
あっても、隙間P、連通孔45の形状を大きくすれば良
好なインキ流出を得ることができ、しかも書き味が損な
われない。
を用いた本発明のボールペンの実施形態を図面を参照し
て説明する。ここで、本発明のボールペンは、光輝性顔
料などを含んだ特殊なインキを使用することを前提とし
たものであるので、ボールペンの物理的構造の説明に先
立って、使用するインキの性状等について詳細に説明す
る。
においてガラスフレーク顔料や金属被覆無機顔料等の光
輝性顔料を含む光輝性水性インキ組成物を開示すると共
に、特願2000−002393号において多重層フィ
ルム粉を含む水性インキ組成物を、また、特願2000
−002382号において金属箔粉或いは金属被覆樹脂
フィルム粉を含む水性インキ組成物を開示している。こ
れらの光輝性顔料を含む水性インキは、強い光輝感と立
体感とを併せ持つ筆跡や塗膜を得るものである。本実施
形態のボールペンに用いるインキは、チキソトロピー性
を有する水性インキであり、光輝性顔料として、ガラス
フレーク顔料、金属被覆無機顔料、多重層フィルム粉、
金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉の少なくともい
ずれかを含有する。このような光輝性顔料は、偏平形状
を呈した粒子を含んでおり、粒子径(全長)が極めて大
きいものを含んでいる。
とは、粘度がインキの流動によって変化する性質を有す
るインキである。則ち、インキ収納部内のような静的状
態では100〜20000mPa・sといった高粘度で
あり、これがボールペンチップ内において流動性を持つ
と、10mPa・s以下のような遙かに低い粘度となる
性質を持つ。尚、チキソトロピー性を有するゲル化剤を
添加した水溶性インキを一般に水溶性ゲル状インキと称
している。
るインキに含有される光輝性顔料について詳細を説明す
る。
顔料」とは、フレーク状ガラスが金属などで被覆されて
成る顔料を指し、光輝感と立体感を有する。図4は、本
実施形態のインキに含有する光輝性顔料の粒子形状を概
念的に示した説明図である。ガラスフレーク顔料の粒子
は偏平形状であり、その厚さtは1μm程度である。し
かしながら、インキ組成物として配合するガラスフレー
ク顔料の粒子を個々に見ると、その最大長(最大径)L
は、図4の様にある程度のばらつきがある。このガラス
フレーク顔料の粒子は図5で示すように、筆記用ボール
10の表面に厚さ方向に付着するような形で流出する。
これにより、粒子の厚さtが収納室内壁41と筆記用ボ
ール10との隙間Pよりも小さければ、粒子の最大長L
が隙間Pに比べて非常に大きい場合でも隙間Pを通過す
る。後述するように、ガラスフレーク顔料は平均粒子径
が20〜50μmのものが好適に用いられる。この中に
は、ばらつきによって最大長が200μmに達する粒子
も含まれるが、粒子が偏平形状であるため粒子の厚さt
は隙間Pよりも充分小さくなり、スムーズに隙間Pを通
過することができる。
に個々にばらつきを有するため、粒子の大きさを表すに
は、平均の粒子径やメジアンの粒子径で表示するのが適
切である。光輝感と立体感を表出させるために、ボール
ペンのインキ中にガラスフレーク顔料を配合する場合に
は、平均粒子径が20〜50μmのものを選択すること
が適切である。則ちガラスフレーク顔料の平均粒子径が
20μm未満の場合は、フレーク粒子が小さすぎるため
に光輝性に劣りインキ中に配合する価値がない。一方、
平均粒子径が50μmを超える場合は、粒子が余りにも
大きすぎ、どうしても詰まってしまう。但し、前記した
ようにボールペンチップの隙間Pや連通孔45の溝の幅
などを適切に設計すると共に、インキの濃度を適切に設
定することにより、このような大粒子径を有する光輝性
顔料の場合でも安定したインキ供給を行うことは可能で
ある。
顔料の粒子径にばらつきがあるため、その平均粒子径を
中心として、それよりも大きな粒子の顔料や小さな粒子
の顔料がインキ中に含まれることとなる。具体的には、
上記した平均粒子径の下限である20μmのガラスフレ
ーク顔料であれば、最大のものとして一般的に40μm
程度の径を有する粒子が含まれる。また上記した平均粒
子径の上限である平均粒子径が50μmのガラスフレー
ク顔料であれば、一般的に200μmの径の粒子が含ま
れる。
であるが、現在市販されているガラスフレーク顔料とし
ては、フレーク状ガラスが無電解メッキ法により金属で
被覆されたものがある。具体例として、銀で被覆された
東洋アルミニウム社製の商品名「メタシャインREFS
X−2015PS」、「メタシャインREFSX−20
25PS」及び「メタシャインREFSX−2040P
S」が挙げられる。また、フレーク状ガラスがスパッタ
リング法により金属で被覆された顔料もガラスフレーク
顔料の一例である。これには銀で被覆された東洋アルミ
ニウム社製の商品名「クリスタルカラーGF212
5」、「クリスタルカラーGF2125−M」、「クリ
スタルカラーGF2140」、「クリスタルカラーGF
2140−M」がある。また、ニッケル・クロム・モリ
ブデンで被覆された同社製の商品名「クリスタルカラー
GF2525」、「クリスタルカラーGF2525−
M」、「クリスタルカラーGF2540」、「クリスタ
ルカラーGF2540−M」がある。また、真鍮で被覆
された同社製の商品名「GF250」、銀合金で被覆さ
れた同社製の商品名「GF1345」、チタンで被覆さ
れた同社製の商品名「GF1445」がある。
成物全量中0.1〜20.0重量%含まれる。即ち上記
ガラスフレーク顔料がインキ組成物全量中0.1重量%
未満の場合は光輝性及び立体感が充分でない。ガラスフ
レーク顔料がインキ組成物全量中20.0%を超える
と、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下す
る。また、顔料の含有量が増えることに伴って粒子径の
大きい顔料が増加するため、目詰まりを生じやすくな
る。ガラスフレーク顔料の最適配合量は1.0〜10.
0重量%である。
料」とは、金属及び金属酸化物のうち少なくともいずれ
か一つの物質が被覆された無機顔料を総称するものであ
る。金属被覆無機顔料は、例えば金属蒸着等で金属及び
/又は金属酸化物が被覆された無機顔料として構成され
たものであり、光輝性顔料として用いることができるも
のである。市販されているものに酸化鉄(III )が被覆
されたアルミニウムがあり、例えば、BASF株式会社
製の商品名「Paliocrom Gold L2000/L2002」、「Palioc
rom Gold L2020/L2022」、「Paliocrom Gold 2025 」、
「PaliocromOrange L2800」が例として挙げられる。
金属被覆無機顔料の一つとして知られている。例えば、
BASF株式会社製の商品名「Paliocrom Red Gold L25
00」、「Paliocrom Red L4000 」がある。また他に、ア
ルミ−マンガン被覆の雲母状酸化鉄(III )もあり、こ
の例としてBASF株式会社製の商品名「PaliocromCop
per L3000」及び「Paliocrom Copper L3001」がある。
また、還元二酸化チタンが被覆された雲母も金属被覆無
機顔料の一つとして知られている。さらに二酸化チタン
が被覆された雲母も金属被覆無機顔料の一つである。
ように、ガラスフレーク顔料と同様の粒子形状を有し、
隙間Pを同様にして通過する。ボールペンのインキ組成
物としての金属被覆無機顔料の平均粒径も、ガラスフレ
ーク顔料と同様の理由から、20μm〜50μmのもの
が好適である。また最適配合量も、前記したガラスフレ
ーク顔料と同様に、インキ組成物全量に対して1.0〜
10.0重量%である。
ク顔料及び金属被覆無機顔料の性状を示したものであ
る。これらのガラスフレーク顔料或いは金属被覆無機顔
料を含む水性インキを使用する場合には、水溶性樹脂、
水溶性有機溶剤、着色剤、及び水を組成物として含有す
るものとすることができる。以下に、これらの添加剤の
詳細を説明する。
キの粘度調整をすると共に、ガラスフレーク顔料或いは
金属被覆無機顔料の分散及び沈降防止を図ることができ
る樹脂を用いることが重要である。一例を挙げれば、微
生物産系多糖類及びその誘導体が用いられる。例えば、
プルラン、キサンサンガム(ザンタンガム)、ウェラン
ガム、ラムザンガム、サクシノグルカン、デキストラン
などを例示することができる。また、水溶性植物系多糖
類及びその誘導体が用いられる。例えば、トラガンシガ
ム、グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、ガ
ティガム、アラビノガラクタンガム、アラビアガム、ク
イスシードガム、ペクチン、デンプン、サイリュームシ
ードガム、カラギーナン、アルギン酸、寒天などを例示
することができる。また、水溶性動物系多糖類及びその
誘導体を用いることができる。例えば、ゼラチン、カゼ
イン、アルブミンを例示することができる。本実施形態
では、前記した水溶性樹脂の中でも特に微生物産系多糖
類及びその誘導体を好適に用いることができる。また、
前記した水溶性樹脂は1種または2種以上を混合して用
いることができる。
ン先での乾燥防止とインキの凍結防止を図ることが出来
るものを用いることが好ましい。例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールな
どのグリコール類、グリセリンなどの多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
プロピルエーテル等のグリコールエーテル類を例示する
ことができる。これらの有機溶剤は1種または2種以上
を混合して用いることができる。水溶性有機溶剤は、イ
ンキ組成物全量中1〜40重量%含まれていることが好
ましい。上記水溶性有機溶剤がインキ組成物全量中1重
量%未満の場合はペン先が乾燥しやすく、またインキが
凍結しやすくなる。水溶性有機溶剤がインキ組成物全量
中40重量%を超えると、前記水溶性樹脂の溶解性に影
響を与えると共に、筆跡が乾燥し難い。水溶性有機溶剤
の最適配合量は、水溶性有機溶剤の種類によってやや異
なるが、5〜20重量%である。
散性を有するものが好ましい。具体的には、酸性染料、
直接染料、塩基性染料などの水溶性染料、フタロシアニ
ン、キナクリドン、カーボンブラックなどの有機顔料ま
たは無機顔料、或いは蛍光顔料、染料や顔料により着色
された樹脂エマルジョンなどを使用することができる。
また、顔料分散体として配合することもできる。また、
アルミニウム顔料、パール顔料等の光輝性顔料と混合し
て用いることもできる。また、本実施形態の金属被覆無
機顔料をガラスフレーク顔料と共に用いることもでき
る。着色剤は、インキ組成物全量中0.05〜15重量
%含まれていることが好ましい。上記着色剤がインキ組
成物全量中0.05重量%未満の場合は当該着色剤の着
色を視認し難い。着色剤がインキ組成物全量中15重量
%を超えると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動
性が低下する。着色剤の最適配合量は、着色剤の種類に
よってやや異なるが、1〜10重量%である。
一般に染料が使用される。被塗布表面に浸透しやすい着
色剤は、溶媒に対する溶解性または分散性に支障のない
ものであれば公知の染料をそのまま用いることができ
る。また同様の性質を持つ顔料が使用される場合もあ
る。そのような染料としては、例えば金属錯塩系染料、
ベンゼンアゾ系、ピラゾロンアゾ系、アセト酢酸アニリ
ドアゾ系、ナフタレン誘導体アゾ系、深色化ジスアゾ
系、高性能化ジスアゾ系、キニザリン系、ブロアミン
系、アントラキノン系、ニトロ系などの酸性染料;銅フ
タロシアニン系、ベンジン系、トリジン系、ジアニシジ
ン系、スチルベンゾアゾ系、尿素結合を有するジアゾま
たはカップリング成分を用いたアゾ系、ジアミンジフェ
ニルアミンアゾ系、連続アゾ型ポリアゾ系、ポリアゾ
系、チアゾールアゾ系、顔料スルホン化物系などの直接
染料;ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、ア
クリジン系、ジ(トリ)アリルメタン系、キノンイミン
系、キサンテン系、アゾ系、ポリメチン系、アゾメチン
系、ジアゾメチン系、ジアゾトリメチン系、トリアゾト
リメチン系、トリアゾールアゾ系、チアゾールアゾ系、
ベンゾチアゾールアゾ系などの塩基性染料が挙げられ
る。顔料としては、例えばフタロシアニン、ジオキサジ
ン、カーボンなどが使用できる。さらに、蛍光顔料など
の顔料も使用できる。これらの着色剤は1種または2種
以上混合して用いることができる。
は、必要に応じてポリオキシエチレンアルカリ金属塩、
ジカルボン酸アミド、リン酸エステル、N−オレイルサ
ルコシン塩などの潤滑剤、ペンゾトリアゾール、トリル
トリアゾールジシクロヘキシルアンモニウムナイトレー
トなどの防錆剤、ペンゾイソチアゾリン系、ペンタクロ
ロフェノール系、クレゾール系の防腐防黴剤、各種界面
活性剤などを添加することができる。また、インキには
必要に応じ、増粘剤安定化剤を添加する。増粘剤安定化
剤としては、例えば、安息香酸のナトリウム塩などのカ
ルボン酸のナトリウム塩が挙げられる。
粉」とは、多重層フィルムを細かく粉末にしたものをい
い、多重層が光の屈折により発色し、見る角度によって
色彩が変化する合成樹脂フィルム粉をいう。この「多重
層フィルム粉」には、透明性の高い着色をした多重層フ
ィルム粉も含まれる。
の形態を有することにより光輝性を発色させることがで
きる色材であれば特に制限されない。このような多重層
フィルム粉としては、例えば、ダイヤ工業株式会社製の
「クリスタルカラー」シリーズや、同社製の「レインボ
ーフレーク」シリーズなどが挙げられる。前記「クリス
タルカラー」シリーズとしては、品番「X−5」、品番
「X−20」、品番「X−40」、品番「X−701−
30」、品番「X−701−10」などがあり、各々の
品番には、オパール、トパーズ、ブルートパーズ、エメ
ラルド、コーラル、サファイヤ、ダイヤモンド、アクア
マリーン、ペリドット、ブルームーンなどの色調があ
る。則ち、例えば、「クリスタルカラーX−20」のシ
リーズとしては、商品名「クリスタルカラーX−20
OPAL」、商品名「クリスタルカラーX−20 TO
PAZ」、商品名「クリスタルカラーX−20BLUE
TOPAZ」、商品名「クリスタルカラーX−20 E
MERALD」、商品名「クリスタルカラーX−20
CORAL」、商品名「クリスタルカラーX−20 S
APHIRE」、商品名「クリスタルカラーX−20
DIAMOND」、商品名「クリスタルカラーX−20
AQUAMARINE」、商品名「クリスタルカラー
X−20 PERIDOT」、商品名「クリスタルカラ
ーX−20 BLUEMOON」などがある。従って、
これらに相当する商品名「クリスタルカラー X−5」
シリーズ、商品名「クリスタルカラー X−40」シリ
ーズ、商品名「クリスタルカラー X−701−30」
シリーズ、商品名「クリスタルカラー X−701−1
0」シリーズなどがある。
しては、品番「No55」、品番「No501」、品番
「No510」、品番「No530」、品番「No55
0」、品番「No580」、品番「NoR−05」、品
番「NoR−15」、品番「No501−30」などが
あり、各々の品番には、クリスタル、レモンイエロー、
ディプエロー、アプリコット、ナイルグリーン、グリー
ン、ピンク、スカイブルー、ローヤルブルー、ラベンダ
ー、レッド、モナークグリーンなどの色調がある。則
ち、例えば、「レインボーフレーク No55」のシリ
ーズとしては、商品名「レインボーフレーク No55
クリスタル」、商品名「レインボーフレーク No5
5 レモンイエロー」、商品名「レインボーフレーク
No55ディプエロー」、商品名「レインボーフレーク
No55 アプリコット」、商品名「レインボーフレ
ーク No55 ナイルグリーン」、商品名「レインボ
ーフレーク No55 グリーン」、商品名「レインボ
ーフレーク No55 ピンク」、商品名「レインボー
フレーク No55 スカイブルー」、商品名「レイン
ボーフレーク No55 ローヤルブルー」、商品名
「レインボーフレークNo55 ラベンダー」、商品名
「レインボーフレーク No55 レッド」、商品名
「レインボーフレーク No55 モナークグリーン」
などがある。従って、これらに相当する「レインボーフ
レーク No501」のシリーズ、「レインボーフレー
ク No510」のシリーズ、「レインボーフレーク
No530」のシリーズ、「レインボーフレーク No
550」のシリーズ、「レインボーフレーク No58
0」のシリーズ、「レインボーフレーク NoR−0
5」のシリーズ、「レインボーフレーク NoR−1
5」のシリーズ、「レインボーフレーク No501−
30」のシリーズがある。
シュ〜200メッシュのものが好適である。多重層フィ
ルム粉が200メッシュを超えるとフレーク粒子が小さ
すぎるため光輝性に劣り、また40メッシュ未満の場合
はボールペンインキとして使用する場合ペン先から出難
くなるため好ましくない。
る他の光輝性顔料と同様に、図4で示した偏平形状の粒
子を含んでいる。また、前記したガラスフレーク顔料等
と同様、図5で示すように筆記用ボール10の表面に粒
子の厚さ方向に付着するような形で流出する。従って、
ボールペンに適した粒度を有する多重層フィルム粉を用
いる場合には、粒子の厚さtに応じた隙間Pを設けるこ
とによって良好なインキの流出を得ることができる。
0.01〜20重量%含まれていることが好ましい。上
記多重層フィルム粉がインキ組成物全量中0.01重量
%未満の場合は光輝性及び立体感が充分得られない。多
重層フィルム粉がインキ組成物全量中20重量%を超え
ると、インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下
し、筆記性が低下する。多重層フィルム粉の最適配合料
は、0.05〜10重量%である。
ウム箔などの金属箔を粉末にした金属粉を総称するもの
として定義される。従って、係る定義の金属箔粉であれ
ば用いることができる。しかし、アルミニウム箔粉、中
でも箔表面が鏡面加工されたアルミニウム箔粉、特にそ
の角状フレークの場合、これを含有するボールペン用水
性インキで筆記すると、筆跡に強い光輝性と立体性を与
えることができる点で好適である。また、箔表面が鏡面
加工されると共に、顔料または染料により着色されたア
ルミニウム箔粉の場合、その色相に応じて従来にはない
色調の強い光輝感と立体感のある筆跡が得られる。尚、
本発明では、後述するように大粒径(メジアン径19μ
m以上)を有するアルミニウム金属粉顔料を含むインキ
を用いた実施例を提示している。このアルミニウム金属
粉顔料は、前記した金属箔粉とは異なって箔形状を呈さ
ないものも包含するものである。しかし、このアルミニ
ウム金属粉をインキ組成物として含む場合、添加物など
は金属箔粉と同一のものを用いることができるので、便
宜上アルミニウム金属粉を金属箔粉顔料に含まれるもの
として重複した説明は省略する。
加工されると共に着色されたダイヤ工業製の商品名「ダ
イヤモンドピースHタイプ」の品番H25のSilver、同
品番DG.Gold、同品番LG.Gold、同品番Green、同品番Blu
e、同品番Red、同品番Maroon、同品番Blackのほか、同
品番H55 Silver、同品番DG.Gold、同品番LG.Gold、
同品番Green、同品番Blue、同品番Red、同品番Maroon、
同品番Blackなどを例示することができる。また、例え
ば、尾池工業製の商品名「エルジー」シリーズの品番#
500のSilver、同品番Goldのほか、同品番#325 S
ilver、同品番R.Gold、同品番B.Gold、同品番Red、同品
番Blue、同品番Green、同品番Violetなどを例示するこ
とができる。更に、大粒径のアルミニウム金属粉とし
て、東洋アルミニウム株式会社製の商品名「WXM54
22」、商品名「WXM1440」、商品名「WXM1
415」を例示することができる。
が、500メッシュ〜50メッシュが好適である。金属
箔粉が500メッシュを超えるとフレーク粒子が小さす
ぎるため光輝性に劣り、また50メッシュ未満の場合は
ボールペンインキとして使用する場合ペン先から出難く
なるため好ましくない。この金属箔粉も本実施形態で用
いる他の光輝性顔料と同様に、図4で示した偏平形状の
粒子を有し、図5で示すように、筆記用ボール10の表
面に粒子の厚さ方向に付着するような形で流出する。
量中0.01〜20.0重量%含まれていることが好ま
しい。上記金属箔粉がインキ組成物全量中0.01重量
%未満の場合は光輝性及び立体感が充分でない。金属箔
粉がインキ組成物全量中20.0重量%を超えると、イ
ンキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下し、ボー
ルペンとしての筆記性が低下する。金属箔粉の最適配合
量は、0.05〜10.0重量%である。
脂フィルム粉」とは、蒸着などによってアルミニウムな
どの金属が被覆された樹脂フィルムの粉末からなる金属
粉を総称するものとして定義される。例えば、アルミニ
ウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレート(PE
T)の樹脂フィルム粉や、着色された同樹脂フィルム粉
が挙げられる。また、ホログラムのプレス型を用いるこ
とにより、目には見えない細かい溝がエンボスされたポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルム粉に、ア
ルミニウムが蒸着された樹脂フィルム粉(アルミ蒸着P
ETエンボスホログラム)を用いることができる。この
PETエンボスホログラムは、プリズム効果によって虹
色に輝き、光輝性を発色する。
ヤモンドピース(レギュラータイプ)」シリーズの品番
55 Silver、同品番DG.Gold、同品番LG.Gold、同シリ
ーズの品番501 Green、同品番Blue、同品番Red、同
品番Maroon、同品番Blackなどを挙げることができる。
また、ダイヤ工業製の商品名「ダイヤホログラム」シリ
ーズの品番HG−5EP、HG−S20などを挙げるこ
とができる。
限定されないが、140メッシュ〜50メッシュが好適
である。金属箔粉が140メッシュを超えるとフレーク
粒子が小さすぎるため光輝性に劣り、また50メッシュ
未満の場合はボールペンインキとして使用する場合ペン
先から出難くなるため好ましくない。
で用いる他の光輝性顔料と同様に、図4で示した偏平形
状の粒子を有し、図5で示すように、筆記用ボール10
の表面に厚さ方向に付着するような形で流出する。
キ組成物全量中0.01〜20.0重量%含まれている
ことが好ましい。上記金属被覆樹脂フィルム粉がインキ
組成物全量中0.01重量%未満の場合は光輝性及び立
体感が充分でない。金属被覆樹脂フィルム粉がインキ組
成物全量中20.0重量%を超えると、インキとしては
粘度が上がりすぎ、流動性が低下し、ボールペンとして
の筆記性が低下する。金属被覆樹脂フィルム粉の最適配
合量は、0.05〜10.0重量%である。
性状を示したものである。これらの光輝性顔料の内、前
記した多重層フィルム粉、金属箔粉、或いは金属被覆樹
脂フィルム粉を光輝性顔料として含む水性インキを使用
する場合には、バインダー成分、水溶性増粘樹脂、水溶
性有機溶剤、着色剤、及び水を組成物として含むべきで
あることは、前記した先願によって本発明者らが既に提
示している。
ルペン用光輝性インキ組成物では、この水溶性増粘樹脂
により多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂
フィルム粉の定着性をある程度高めることは可能である
が、多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フ
ィルム粉はその形状が大きいため、水溶性増粘樹脂では
多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィル
ム粉を筆跡に強く定着させることが困難である。従っ
て、多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フ
ィルム粉を含む水性インキ組成物では、筆記後、摩擦な
どにより多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹
脂フィルム粉が剥がれやすく、強い光輝感と立体感を筆
跡に持続的に与えることが困難であり、光輝感と立体感
を有する筆跡の耐久性が低い。そこで、更に多重層フィ
ルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉を筆跡
に定着させるバインダー成分をインキ組成物として含有
させている。このように、多重層フィルム粉、金属箔粉
或いは金属被覆樹脂フィルム粉を筆跡に定着させるバイ
ンダー成分を用いると、多重層フィルム粉、金属箔粉或
いは金属被覆樹脂フィルム粉の定着性を向上させ、光輝
感と立体感を有する筆跡の耐久性を高めることができ
る。
粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉を含有する本実施形態
に用いる水性インキに含まれるバインダー成分、水溶性
増粘樹脂、水溶性有機溶剤、着色剤及びその他の添加剤
について説明する。
は、多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フ
ィルム粉を筆跡に定着させることができるものであれ
ば、特に制限されない。尚、このような多重層フィルム
粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉を筆跡に強
く定着させるために、バインダー成分として水溶性合成
樹脂を用いることが考えられる。しかし、多重層フィル
ム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉を強く定
着させるために、水溶性合成樹脂の種類によってはその
含有量を高くすると、増粘樹脂の溶解性、着色剤の分散
性に悪影響をもたらす場合がある。また、インキの粘弾
性に著しい変化をもたらし、筆記適正が低下する場合が
ある。また、たとえ筆跡に対する定着性が発揮されて
も、多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フ
ィルム粉の強い光輝感と立体感が当該筆跡において低下
する水性インキ組成物であってはならない。
粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉を筆跡に定着させるた
めのバインダー成分として合成樹脂エマルジョンを用い
ている。これによって、水溶性増粘樹脂の溶解性、着色
剤の分散性、インキの粘弾性、及びインキの発色に悪影
響を与えず、しかも多重層フィルム粉、金属箔粉或いは
金属被覆樹脂フィルム粉配合による強い光輝感と立体感
の効果を阻害することなく、筆跡への多重層フィルム
粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉の定着性を
高めている。
は金属被覆樹脂フィルム粉を含有する水性インキ組成物
は、これを用いて紙、金属、プラスチック、繊維製品な
どの基材上に筆記した場合、筆跡に対して多重層フィル
ム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉の定着性
を高めることができ、耐久性のある筆跡とすることが可
能であり、当該筆跡に強い光輝感及び立体感を与え続け
ることができる。これは、合成樹脂エマルジョンの造膜
性が、大きなフレーク形状を持つ多重層フィルム粉、金
属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉に対して適してお
り、多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フ
ィルム粉配合による強い光輝感と立体感の効果を阻害す
ることなく、筆跡に強く定着させることができるからで
ある。
分は水溶性合成樹脂ではなく、合成樹脂エマルジョンで
あることから、同時に配合される水溶性増粘樹脂の溶解
性、着色剤の分散性及びインキの粘弾性などの特性に悪
影響を与えることがない。従って、本実施形態のインキ
組成物は、インキの粘性、筆記適正、及び筆跡の色に影
響を与えることなく、多重層フィルム粉、金属箔粉或い
は金属被覆樹脂フィルム粉の定着性を向上することがで
きる。
重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム
粉を含有したボールペン用光輝性水性インキ組成物は、
インキ特性や筆記適正などを低下させずに、強い光輝感
と立体感を筆跡に与え続けることができる。
されるものではなく、水分散性の合成樹脂エマルジョン
であれば用いることができる。しかし、インキ特性及び
筆記適正を考慮すると、水溶性増粘樹脂の溶解性やイン
キの粘度、着色剤の分散性、及びインキの発色に影響を
与えないものを用いることが重要である。また、多重層
フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉配
合による強い光輝感と立体感の効果を阻害しないことが
重要である。
度は20℃以下であることが好ましい。合成樹脂エマル
ジョンの最低造膜温度が20℃以下、特に0℃以下であ
ると、常温(25℃程度)では勿論、寒冷地でも皮膜化
でき、基材に対する筆跡の定着性を高めることができ
る。
性またはノニオン性を有しているものを好適に用いるこ
とができる。アニオン性またはノニオン性を有する合成
樹脂エマルジョンは、例えばアニオン性またはノニオン
性のモノマーから合成樹脂を作るか、又はアニオン性ま
たはノニオン性の乳化剤を用いることによって得ること
ができる。合成樹脂エマルジョンがアニオン性またはノ
ニオン性を有していると、インキ組成物の安定性を高め
ることができる。
pHが6以上において、着色剤の分散性や水溶性増粘樹
脂の溶解性に影響を与えないものが好ましい。この様な
見地から、合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、ア
クリル系合成樹脂エマルジョン、スチレン−アクリル系
合成樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系合成樹脂エマルジ
ョンを用いることができる。また、アクリル系合成樹脂
エマルジョンとしては、例えば、アクリル酸エステル共
重合体合成樹脂エマルジョンが好適である。スチレン−
アクリル系合成樹脂エマルジョンとしては、例えば、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体合成樹脂エマルジ
ョンが好適である。また、酢酸ビニル系合成樹脂エマル
ジョンには、例えば、酢酸ビニル合成樹脂エマルジョ
ン、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体合成樹脂
エマルジョンが好適に用いられる。合成樹脂エマルジョ
ンはこれらの合成樹脂の1種または2種以上を混合して
用いることができる。
ョンとしては、商品名「ニカゾールFX336」(日本
カーバイド工業株式会社製、アニオン性、pH7.5、
最低造膜温度0℃)、商品名「モビニールDM772」
(クラリアントポリマー株式会社製、アニオン性、pH
8.5、最低造膜温度12〜14℃)、商品名「モビニ
ール700」(クラリアントポリマー株式会社製、アニ
オン性、pH8.0、最低造膜温度5℃)などが挙げら
れる。また、酢酸ビニル系合成樹脂エマルジョンとして
は、商品名「ニカゾールTG134A」(日本カーバイ
ド株式会社製、pH7.5、最低造膜温度0℃)、商品
名「モビニール507」(クラリアントポリマー株式会
社製、ノニオン性、pH6.5、最低造膜温度0℃)な
どが挙げられる。
されないが、例えば、インキ組成物全量に対して固形分
で0.1〜40重量%が好適範囲である。合成樹脂エマ
ルジョンの含有量がインキ組成物全量に対して固形分で
0.1重量%未満であると、筆跡に対する多重層フィル
ム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉の定着性
が低下する。一方、合成樹脂エマルジョンの含有量がイ
ンキ組成物全量に対して固形分で40重量%を超える
と、固形分が多くなり、ペン先における造膜などで筆記
適正が低下する。また筆跡が白色化し易くなる。筆跡に
対する多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂
フィルム粉の定着性を一層優れたものとするには、合成
樹脂エマルジョンの含有量を、インキ組成物全量に対し
て固形分で少なくとも0.3重量%とすることが最適で
ある。また、筆記適正を一層優れたものにするには、合
成樹脂エマルジョンの含有量を、インキ組成物全量に対
して固形分で多くとも20重量%とすることが最適であ
る。則ち、合成樹脂エマルジョンの最適含有量は、0.
3〜20重量%である。
は、インキの粘度調整をすると共に、多重層フィルム
粉、金属箔粉或いは金属被覆樹脂フィルム粉の分散及び
沈降防止を図ることが出来る増粘樹脂を用いることが重
要である。一例を挙げれば、微生物産系多糖類及びその
誘導体が用いられる。例えば、プルラン、ザンサンガ
ム、ウェランガム、ラムザンガム、サクシノグルカン、
デキストランなどを例示することができる。また、水溶
性植物系多糖類およびその誘導体が用いられる。例え
ば、トラガンシガム、グァーガム、タラガム、ローカス
トビーンガム、ガティガム、アラビノガラクタンガム、
アラビアガム、クイスシードガム、ペクチン、デンプ
ン、サイリュームシードガム、カラギーナン、アルギン
酸、寒天などを例示することができる。また、水溶性動
物系多糖類およびその誘導体が用いられる。例えば、ゼ
ラチン、カゼイン、アルブミンを例示することができ
る。また、増粘樹脂として、N−ビニルアセトアミド樹
脂、架橋されたN−ビニルアセトアミド樹脂などのN−
ビニルアセトアミド系樹脂を用いることができる。
の中でも特に微生物産系多糖類及びその誘導体を好適に
用いることができる。また、上述した水溶性増粘樹脂は
1種または2種以上を混合して用いることができる。
0.01〜40重量%含まれていることが好ましい。上
記水溶性増粘樹脂がインキ組成物全量中0.01重量%
未満の場合は多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被
覆樹脂フィルム粉の沈降防止効果が充分でない。水溶性
増粘樹脂がインキ組成物全量中40重量%を超えると、
インキとしては粘度が上がりすぎ、流動性が低下し、筆
記性が低下する。水溶性増粘樹脂の最適配合量は、水溶
性増粘樹脂の種類によってやや異なるが、0.05〜2
0重量%である。尚、多重層フィルム粉、金属箔粉或い
は金属被覆樹脂フィルム粉と共に合成樹脂エマルジョン
を含有するインキ組成物では、水溶性増粘樹脂は多くと
も10重量%含まれていることが好適である。水溶性増
粘樹脂が10重量%を超えて配合されると、インキとし
ては粘度が上がりすぎ、流動性が低下する。
ン先での乾燥防止とインキの凍結防止を図ることが出来
るものを用いることが好ましい。例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールな
どのグリコール類、グリセリンなどの多価アルコール
類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
プロピルエーテル等のグリコールエーテル類を例示する
ことができる。これらの有機溶剤は1種または2種以上
を混合して用いることができる。
〜40重量%含まれていることが好ましい。上記水溶性
有機溶剤がインキ組成物全量中1重量%未満の場合はペ
ン先が乾燥しやすく、またインキが凍結しやすくなる。
水溶性有機溶剤がインキ組成物全量中40重量%を超え
ると、前記水溶性増粘樹脂の溶解性に影響を与えると共
に、筆跡が乾燥し難い。水溶性有機溶剤の最適配合量
は、水溶性有機溶剤の種類によってやや異なるが、5〜
20重量%である。
散性を有するものが好ましい。具体的には、酸性染料、
直接染料、塩基性染料などの水溶性染料のほか、カーボ
ンブラック、酸化チタンなどの無機顔料、銅フタロシア
ニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン
系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、イ
ンジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、
ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔
料などの有樹顔料のほか、蛍光顔料、着色樹脂エマルジ
ョンなどが挙げられる。また、これらを顔料分散体とし
て用いることもできる。また、本実施形態では、着色剤
は1種または2種以上を混合して使用することができ
る。また、多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被覆
樹脂フィルム粉と、アルミニウム粉顔料、パール顔料な
どとを混合して用いることができる。また、隠蔽性のあ
る酸化チタン、アルキレンビスメラミン誘導体、球状・
偏平状などの各種形状のプラスチックピグメント(合成
樹脂粒子顔料)など、各種の無機または有機白色顔料な
どの隠蔽性顔料と混合して用いることもできる。
剤は必ずしも含まれていなくても差し支えない。着色剤
は含まれていないが多重層フィルム粉、金属箔粉或いは
金属被覆樹脂フィルム粉が含まれている水性インキ組成
物でも、強い光輝感と強い立体感を筆跡に与えることが
できる。しかし、着色剤が含まれている上記各水性イン
キ組成物では、着色剤の色相などによってその色調に応
じた強い輝きを筆跡に与えることができる点で極めて好
ましい。
5〜15重量%含まれていることが好ましい。上記着色
剤がインキ組成物全量中0.05重量%未満の場合は当
該着色剤の着色を視認し難い。着色剤がインキ組成物全
量中15重量%を超えると、インキとしては粘度が上が
りすぎ、流動性が低下する。着色剤の最適配合量は、着
色剤の種類によってやや異なるが、1〜10重量%であ
る。
その他必要に応じて、ポリオキシエチレンアルカリ金属
塩、ジカルボン酸アミド、リン酸エステル、N−オレイ
ルサルコシン塩などの潤滑剤、ベンゾトリアゾール、ト
リルトリアゾールジシクロヘキシルアンモニウムナイト
レートなどの防錆剤、ベンゾイソチアゾリン系、ペンタ
クロロフェノール系、クレゾールなどの防腐防黴剤、各
種界面活性剤などを添加することができる。尚、光輝性
顔料としての多重層フィルム粉、金属箔粉或いは金属被
覆樹脂フィルム粉を分散させるために、界面活性剤を用
いることができる。
粘度範囲は500mPa・s〜10000mPa・sで
ある。本発明のインキ組成物は係る粘度範囲に調整され
る。なお、この粘度はELD型粘度計(3°R14コー
ン、回転数:0.5rpm、20℃)における測定値で
ある。
いて説明する。 (実施例1)図6は、本発明の実施例のボールペン1を
示し、ボールペンチップ5は前記図1(a)〜(c)で
示したものである。ボールペン1は、筒状の本体軸2
と、インキ芯3とを備えている。インキ芯3は、筆記用
ボール10が回転可能に保持されたボールペンチップ5
を有し、該チップ5が、継手部材6を介してインキ収納
管(インキ収納部)7の先端に取付けられたものであ
る。継手部材6内部には球状の弁体8が設けられてい
る。
可塑性樹脂を素材とする射出成形によって作られたもの
であり、外形形状は公知のものと大差無い。則ち、継手
部材6は先端部20が円錐形をしている。また後端側は
二段の円筒形状になっており、大径部21と小径部22
が順次設けられている。継手部材6の中心には、軸方向
に貫通する連通孔23が設けられている。この連通孔2
3の中間部分には弁座25が設けられている。連通孔2
3の先端側には位置決め用の段差26が設けられてい
る。
孔23の先端側に内挿され、インキ収納管7は継手部材
6の後端部の小径部22に外装されている。そして、継
手部材6内であって、ボールペンチップ5の弁受け15
と、弁座25の間に、弁体8が軸方向に移動可能に挿入
されている。本実施形態のボールペン1は、上記したイ
ンキ芯3の継手部材6の大径部21に本体軸2が外装さ
れたものである。
快削鋼等の金属材料を切削加工して作られている。チッ
プ本体11の材料は、他に例えば快削ステンレス鋼(Fr
ee Cutting Stainless Steel)や真鍮を用いることが可
能である。チップ本体11の外形形状は、先端部分17
が円錐形をしており、後側18は円柱状をしている。ま
た後端側の部位には段差19が設けられており、段差1
9よりも更に後端側はやや小径に作られている。
或いはセラミックス等の錆びにくく、且つ、ある程度の
重量を有する素材で作られた球であり、ボールペンチッ
プ5への適度なインキの流入を得ている。
エチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等を素材として押出
成形によって作られたものであり、その内部にガラスフ
レーク顔料を含有する光輝性の水性インキ30が充填さ
れている。配合されたガラスフレーク顔料の平均粒子径
は、20〜50μmである。またこの中には、粒子径が
20〜50μmのものを中心としてそれよりも大きい粒
子径のものや小さい粒子径のものが含まれる。そして配
合されたガラスフレーク顔料のばらつきの中で、径が最
大のものとして、40〜180μmのものが含まれる。
粘度は1000〜10000mPa・sである(株式会
社トキメック製ELD型粘度計 3°R14コーン、回
転数:0.5rpm、20℃)。水性インキ30の後端
部分は、ポリブテン等のゲル状封止剤(図示せず)によ
り封止されている。
筆記用ボール10を収納するボール収納室40を持ち、
ボール収納室40から後端側に連通するインキ導通孔1
2が設けられ、インキ導通孔12の後端開口の近傍部分
に弁受け15が形成されている。
ルペンチップ5に設ける連通孔45の幅Wが通常のもの
よりも広く、0.15〜0.5mmであり、より望まし
くは0.20〜0.35mmである。また連通孔45の
幅Wは、筆記用ボール10の直径dの15%〜50%、
より好ましくは25%〜35%程度が適当である。
2mmの球であるが、本実施形態のボールペンは、粒子
径が比較的大きい顔料を含む水性インキが使用されるの
で、ボール10の直径は0.8〜1.1mmであること
が望ましい。またより推奨される範囲は、0.9〜1.
1mmである。また筆記用ボール10の素材には特に限
定がなく、ステンレススチールやアルミナ焼結体、ジル
コニア、SiC、WCその他公知のものが使用できる。
ップのボール収納室40内に回転可能に保持され、その
一部がボール収納室40の開口から露出している。筆記
用ボール10の露出量Hは、図1(a)の様に筆記用ボ
ール10がボール収納室40の座部43と当接すると共
に、ボール収納室40の中心軸上に筆記用ボール10の
中心が位置するとき、ボールの直径dの20%〜35%
であり、より望ましくは25%〜30%である。
40の収納室内壁41の内径Dとの関係は、収納室内壁
41の内径Dがボール10の直径dに比べて40μm〜
80μm大きい。すなわち筆記用ボール10を図1
(a)の位置に置いたとき、筆記用ボール10の赤道
(ボール収納室の中心軸に対して垂直であってボール1
0の中心を通る平面で切った位置:dの寸法線の位置の
外周部)部分において、筆記用ボール10とボール収納
室40の間に20〜40μmの隙間Pができる。また前
記した様にボール収納室40の開口部分は窄められてお
り、筆記用ボール10の赤道から露出側の部位であって
ボール収納室40内にある部分は、どの部分においても
20〜40μmの隙間Pが確保されている。
の隙間Pは、インキ流通路46として機能するが、本実
施形態のボールペン1は、粒子径が比較的大きい顔料を
含む水性インキが使用されるので、通常のボールペンよ
りも広い間隔が設けられている。筆記用ボール10とボ
ール収納室40の間の隙間Pの下限20μmは、平均粒
子径20〜50μmの顔料を使用する場合に適切な例で
あり、隙間Pがこれよりも小さい場合は、顔料がボール
収納室40内で詰まる。一方、筆記用ボール10とボー
ル収納室40の間の隙間Pが上限たる40μmを越える
と、ボール10の動作は安定性を欠き、甚だしい場合
は、筆記用ボール10がボール収納室40から飛び出し
てしまう。
筆記するとき、水性インキ30は、インキ収納管7から
ボールペンチップ5のボール収納室40に入り、筆記用
ボール10を介して紙等に塗布される。ここで本実施形
態のボールペン1では、ボール収納室40の座部(座
面)43の周囲に放射状に設けられた連通孔45の溝幅
Wが広いので、ガラスフレーク顔料の巨大径の粒子でも
偏平粒子であるので円滑に通過する。
ボール10とボール収納室40との隙間Pが広く、十分
なインキ流通路46が確保されているので、ガラスフレ
ーク顔料等が円滑に通過する。本実施例のボールペン1
で実際に筆記を行ったが、光輝感と立体感を呈する筆跡
を得つつ、従来のボールペンに比して滑らかな書き味と
安定したインキ供給が得られた。
フレーク顔料を含有するインキを使用したが、金属被覆
無機顔料を使用する場合においても同様の効果が得られ
る。また本発明は、アルミ粉顔料等の他の顔料を含むイ
ンキであって、粒子径が40〜200μmの顔料が含ま
れる場合や、平均の粒子径が20〜50μmの顔料を含
有する水性インキを使用する場合にも効果がある。
るボールペン1において、多重層フィルム粉、金属箔粉
或いは金属被覆樹脂フィルム粉を光輝性顔料として含む
水性インキを使用した実施例を説明する。尚、本実施例
に用いたボールペン1は、前記したガラスフレーク顔料
或いは金属被覆無機顔料を含む水性インキを用いた場合
と同一構造のボールペン1を用いた。
インキ)表1に示す組成及び配合量(重量部)で、水、
水溶性有機溶剤、多重層フィルム粉及び顔料ベースなど
の各成分を混合撹拌し分散させた後、水溶性増粘樹脂を
投入し、これを濾過した後脱泡し、試作例のボールペン
用光輝性インキ組成物を得た。また、バインダー成分と
して合成樹脂エマルジョンを含むインキ組成物の場合
は、同じく表1に示す組成及び配合量(重量部)で、水
および水溶性有機溶剤、及び必要に応じてその他の添加
剤を混合して撹拌し、これに多重層フィルム粉を投入し
て撹拌した後、水溶性増粘樹脂を加えて撹拌する。次
に、この混合液に苛性ソーダによってpH8.5にpH
調整を行ってから顔料分散体を必要に応じて加えて撹拌
する。続いて、合成樹脂エマルジョンを加えて混合し
た。なお、係る調整に際しては、従来公知の分散方法、
脱泡方法、濾過方法などを採用した。また、比較のた
め、水、水溶性有機溶剤、アルミニウム顔料やパール顔
料などの光輝性顔料などの各成分を混合撹拌し分散させ
た後、水溶性増粘樹脂を投入し、これを濾過した後脱泡
し、比較例のボールペン用光輝性インキ組成物を得た。
いずれも、分散方法、脱泡方法、濾過などは従来公知の
方法を用いた。
顔料は下記の通りである。 1)多重層フィルム粉:商品名「レインボーフレーク
No55 クリスタル」、ダイヤ工業株式会社製、平均
粒度120メッシュ 2)多重層フィルム粉:商品名「レインボーフレーク
No55 レモンイエロー」、ダイヤ工業株式会社製、
平均粒度120メッシュ 3)多重層フィルム粉:商品名「クリスタルカラー X
−5 OPAL」、ダイヤ工業株式会社製、平均粒度−
119〜+120メッシュ 4)アルミニウム顔料:商品名「WXM0630」、東
洋アルミニウム株式会社製、平均粒子径約8μm 5)ール顔料:商品名「Iriodin302」、メル
クジャパン株式会社製、平均粒子径約5〜20μm
実施例)表2に示す組成及び配合量(重量部)で、水、
水溶性有機溶剤、金属箔粉および顔料ベース等の各成分
を混合撹拌し分散させた後、水溶性増粘樹脂を投入し、
これを濾過した後脱泡し、試作例のボールペン用光輝性
インキ組成物を得た。また、バインダー成分として合成
樹脂エマルジョンを含むインキ組成物の場合は、同じく
表2に示す組成及び配合量(重量部)で、水および水溶
性有機溶剤、及び必要に応じてその他の添加剤を混合し
て撹拌し、これに金属箔粉を投入して撹拌した後、水溶
性増粘樹脂を加えて撹拌する。次に、この混合液に苛性
ソーダによってpH8.5にpH調整を行ってから顔料
分散体を必要に応じて加えて撹拌する。続いて、合成樹
脂エマルジョンを加えて混合した。なお、係る調整に際
しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法など
を採用した。また、比較のため、水、水溶性有機溶剤、
アルミニウム顔料やパール顔料などの光輝性顔料などの
各成分を混合撹拌し分散させた後、水溶性増粘樹脂を投
入し、これを濾過した後脱泡し、比較例のボールペン用
光輝性水性インキ組成物を得た。いずれも、分散方法、
脱泡方法、濾過などは従来公知の方法を用いた。
顔料は下記の通りである。 6)金属箔粉:銀色金属箔粉、商品名「Silver#
500」、尾池工業社製、平均粒度500メッシュ 7)金属箔粉:金色金属箔粉、商品名「Gold#50
0」、尾池工業社製、平均粒度500メッシュ 8)金属箔粉:銀色金属箔粉、商品名「H25 Sil
ver」、ダイヤ工業社製、平均粒度140〜200メ
ッシュ 4)アルミニウム粉顔料:商品名「WXM0630」、
東洋アルミニウム株式会社製、平均粒子径約8μm 5)パール顔料:商品名「Iriodin302」、メルクジャパ
ン株式会社製、平均粒子径5〜20μm
性水性インキの実施例)また、同様に、表3に示す組成
及び配合量(重量部)で、水、水溶性有機溶剤、金属被
覆樹脂フィルム粉および顔料ベース等の各成分を混合撹
拌し分散させた後、水溶性増粘樹脂を投入し、これを濾
過した後脱泡し、試作例のボールペン用光輝性水性イン
キ組成物を得た。また、バインダー成分として合成樹脂
エマルジョンを含むインキ組成物の場合は、同じく表3
に示す組成及び配合量(重量部)で、水および水溶性有
機溶剤、及び必要に応じてその他の添加剤を混合して撹
拌し、これに金属被覆樹脂フィルム粉を投入して撹拌し
た後、水溶性増粘樹脂を加えて撹拌する。次に、この混
合液に苛性ソーダによってpH8.5にpH調整を行っ
てから顔料分散体を必要に応じて加えて撹拌する。続い
て、合成樹脂エマルジョンを加えて混合した。なお、係
る調整に際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾
過方法などを採用した。また、比較のため、水、水溶性
有機溶剤、アルミニウム顔料やパール顔料などの光輝性
顔料などの各成分を混合撹拌し分散させた後、水溶性増
粘樹脂を投入し、これを濾過した後脱泡し、比較例のボ
ールペン用光輝性水性インキ組成物を得た。いずれも、
分散方法、脱泡方法、濾過などは従来公知の方法を用い
た。表3中、試作例及び比較例に用いた光輝性顔料は下
記の通りである。 9)金属被覆樹脂フィルム粉:アルミ蒸着PET樹脂フ
ィルム粉(銀色):商品名「No.55 Silver」、ダイヤ工
業社製、平均粒度120メッシュ 10)金属被覆樹脂フィルム粉:アルミ蒸着PET樹脂
フィルム粉(金色):商品名「No.55 DG.Gold」、ダイ
ヤ工業社製、平均粒度120メッシュ 11)金属被覆樹脂フィルム粉:アルミ蒸着PETエン
ボスホログラム(金色):商品名「HG-5EP」、ダイヤ工
業社製、平均粒度−140〜+200メッシュ 4)アルミニウム粉顔料:商品名「WXM0630」、
東洋アルミニウム株式会社製、平均粒子径約8μm 5)パール顔料:商品名「Iriodin302」、メルクジャパ
ン株式会社製、平均粒子径5〜20μm
性インキの実施例)表4及び表5に示す組成及び配合量
(重量部)で、水および水溶性有機溶剤、及び必要に応
じてその他の添加剤を混合して撹拌し、これにアルミニ
ウム金属粉を投入して撹拌した後、水溶性増粘樹脂を加
えて撹拌する。次に、この混合液に苛性ソーダによって
pH8.5にpH調整を行ってから顔料分散体を必要に
応じて加えて撹拌する。続いて、合成樹脂エマルジョン
を加えて混合した。なお、係る調整に際しては、従来公
知の分散方法、脱泡方法、濾過方法などを採用した。ま
た、比較のため、水、水溶性有機溶剤、アルミニウム顔
料やパール顔料などの光輝性顔料などの各成分を混合撹
拌し分散させた後、水溶性増粘樹脂を投入し、これを濾
過した後脱泡し、比較例のボールペン用光輝性水性イン
キ組成物を得た。いずれも、分散方法、脱泡方法、濾過
などは従来公知の方法を用いた。表4及び表5中、試作
例及び比較例に用いた光輝性顔料は下記の通りである。 アルミ金属粉顔料:オレイン酸処理アルミ粉顔料:商
品名「WXM5422」、東洋アルミニウム株式会社
製、メジアン径19μm アルミ金属粉顔料:オレイン酸処理アルミ粉顔料:商
品名「WXM1440」、東洋アルミニウム株式会社
製、メジアン径30μm アルミ金属粉顔料:オレイン酸処理アルミ粉顔料:商
品名「WXM1415」、東洋アルミニウム株式会社
製、メジアン径51μm アルミニウム粉顔料:ステアリン酸処理アルミ粉顔
料:商品名「WXM0630」、東洋アルミニウム株式
会社製、平均粒子径約8μm アルミニウム粉顔料:ステアリン酸処理アルミ粉顔
料:商品名「1110W」、昭和アルミニウム製、メジ
アン径15μm パール顔料:商品名「Iriodin302」、メルクジャパン
株式会社製、平均粒子径5〜20μm
料組成は下記の通りである。 (バインダー成分) 1)アクリル系合成樹脂エマルジョン:商品名「ニカゾ
ールFX336」、日本カーバイド工業株式会社製、ア
ニオン性、pH7.5、最低造膜温度0℃ 2)酢酸ビニル系合成樹脂エマルジョン:商品名「モビ
ニール507」、クラリアントポリマー株式会社製、ノ
ニオン性、pH6.5、最低造膜温度0℃ 3)アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン:商
品名「モビニールDM772」、クラリアントポリマー
株式会社製、アニオン性、pH8.5、最低造膜温度1
2〜14℃ 4)メチルセルロース:商品名「セスカ MC25
S」、第一工業製薬株式会社製
会社製 2)ウェランガム:商品名「K1C376」、三昌株式
会社製 3)ポリアクリル酸:商品名「カーボポール940」、
BF Goodrich社製 4)サクシノグルカン:商品名「RHEOZAN」、三
昌株式会社製 5)ラムザンガム:商品名「K7C233」、三昌株式
会社製
のフタロシアニンブルーと下記の顔料分散用樹脂を次の
割合にて混合したものにトリエチルアミンを加えて溶解
した後、ボールミルにて分散を行い、平均粒子径0.0
8μm、固形分濃度10重量%の青色顔料水分散体とし
て得た。なお、フタロシアニンブルーは大日本インキ化
学工業株式会社製、商品名「ファーストゲンブルーTG
R」を用いた。また、顔料分散用樹脂はスチレン−アク
リル共重合体(商品名「ジョンクリルJ683」、ジョ
ンソンポリマー社製、重量平均分子量:8000)を用
いた。 フタロシアニンブルー(青色顔料) 5重量部 顔料分散用樹脂 1重量部 2)赤色染料:商品名「Chugai Aminol PinkR Acid Red
289」、中外化成株式会社製
リン−3−オン(商品名「プロクセルGXL」、ヘキス
ト合成株式会社製)
ーテルリン酸エステル(リン酸エステル系活性剤、商品
名「フォスファノールPE−510」、東邦化学工業株
式会社製)
ノニルフェニルエーテル:商品名「エマルゲンPI−2
0T」(花王株式会社製、ノニオン系活性剤、HLB1
3.2)
示した実施例及び比較例の各インキ組成物を、ステンレ
ス製のボールペンチップ5(ボール材質:炭化珪素)を
一端に連設したポリプロピレン製の中空軸筒よりなるイ
ンキ収容部に充填し、このインキ収容部を装填した各試
験サンプルのボールペンを作成した。
市販のルーズリーフ用紙に筆記し、表1〜表5に示した
各インキ組成物の光輝感、立体感及び定着性を評価し
た。光輝感は筆記状態を目視観察により行い、光輝感が
強いものを○、光輝感が小さいものを△、光輝感がない
ものを×として評価した。
り行い、立体感が強いものを○、立体感が小さいものを
△、立体感がないものを×として評価した。実施例に係
る試験サンプルのボールペンを用いて市販のルーズリー
フ用紙に筆記し乾燥後、その筆跡の上に市販のセロテー
プ(登録商標)(粘着テープ)を貼り、剥がした後の状
態を目視で観察し、以下の評価基準により定着性を評価
した。 ○:筆跡上に光輝性顔料が残り、セロテープを剥がす前
の光輝感が失われていない ×:筆跡上に光輝性顔料が剥がれ、セロテープを剥がす
前の光輝感が失われている
た。表1より、多重層フィルム粉を含有する水性インキ
を使用した実施例では、宝石のアクアマリンをイメージ
する強い光輝感及び強い立体感のある筆跡が得られ、そ
の筆記性も良好であった。これに対して比較例はいずれ
も光輝感が得られず、また立体感が得られなかった。一
方、バインダー成分が含まれていない試作例1〜3で
は、宝石のアクアマリンをイメージする強い光輝感及び
立体感のある筆跡が得られ、筆記性も良好であったが、
定着性が乏しかった。これに対して、バインダー成分の
含まれている試作例4〜6は、宝石のアクアマリンをイ
メージする強い光輝感及び立体感のある筆跡が得られる
と共に、定着性の良好な筆跡が得られた。また、インキ
の流出も良く滑らかな筆記性が得られた。
を使用した実施例でも、多重層フィルム粉を含有するイ
ンキの場合と同様に、強い光輝感、立体感のある筆跡が
得られたが、比較例のインキを用いた実施例では、光輝
感、立体感が得られなかった。また、バインダー成分が
含まれていない試作例7〜9では、光輝感、立体感のあ
る筆跡が得られ筆記性も良好であったが、定着性が乏し
かった。一方、バインダー成分を含んだ試作例10〜1
2は、光輝感、立体感及び定着性のいずれも良好な筆跡
が得られた。また、インキの流出も良く滑らかな筆記性
が得られた。
する水性インキを使用した実施例でも、多重層フィルム
粉を含有するインキの場合と同様に、強い光輝感、立体
感のある筆跡が得られたが、比較例のインキを用いた実
施例では、光輝感、立体感が得られなかった。また、バ
インダー成分が含まれていない試作例13〜15では、
光輝感、立体感のある筆跡が得られ筆記性も良好であっ
たが、定着性に乏しく、バインダー成分を含んだ試作例
16〜18は、光輝感、立体感及び定着性のいずれも良
好な筆跡が得られた。また、インキの流出も良く滑らか
な筆記性が得られた。
粉を含有する水性インキを使用した実施例でも、試作例
19,24,26のボールペンでは宝石のダイヤモンド
をイメージする強い光輝性を発現する筆跡が得られた。
また試作例20,22,27のボールペンでは、宝石の
アクアマリンをイメージする強い光輝性を呈する筆跡が
得られ、試作例21,23,25のボールペンでは、宝
石のパールピンクをイメージする強い光輝性を呈する筆
跡が得られた。また、インキの流出も良く滑らかな筆記
性が得られた。これに対して、比較例のインキを用いた
実施例13〜21では、白っぽい筆跡となり光輝感が得
られなかった。
記用ボールの回転を極めて円滑にし、安定したインキ流
出が得られると共に、耐久性が向上する。しかも、筆記
用ボールとボール収納室との隙間を広げてもこれらの特
性は維持される。また、本発明のボールペンによれば、
書き味と耐久性が向上し、安定したインキ供給が得られ
る。特に、巨大粒子の光輝性顔料を含有するインキを用
いた場合には、強い光輝感と立体感を持つ独特の筆跡を
呈し、しかも書き味、耐久性、インキ供給に優れたボー
ルペンを提供できる。
の断面図、(b)は(a)のA−A’断面図、(c)は
(a)のA−A’断面斜視図である。
ップの断面図、(b)は(a)のB−B’断面図であ
る。
ップの断面図、(b)は(a)のC−C’断面図であ
る。
る。
脂フィルム粉などの偏平形状の粒子の流出状態の説明
図。
明する断面図である。
(b)は(a)のA−A’断面図、(c)は(a)の断
面斜視図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 筆記用ボールとチップ本体とを有し、該
チップ本体は、インキ収納部からインキが導入されるイ
ンキ導通孔と、該インキ導通孔と連通され、一端が開放
されたボール収納室とを備えており、該ボール収納室
は、前記インキ導通孔に連通する連通孔と、前記筆記用
ボールを支持する座部とを有し、前記筆記用ボールを開
放端側から一部露出させながら回転可能に収納するボー
ルペンチップにおいて、 前記ボール収納室の前記座部が、前記筆記用ボールの反
露出側の極点近傍を支持するように形成されると共に、
前記連通孔が、前記座部が前記筆記用ボールを接触支持
する支持領域を除く領域に設けられたことを特徴とする
ボールペンチップ。 - 【請求項2】 前記ボール収納室の前記座部が、該ボー
ル収納室の中心軸に垂直に交差する平面で形成され、該
座部は前記筆記用ボールの反露出側の極点と点接触して
支持することを特徴とする請求項1に記載のボールペン
チップ。 - 【請求項3】 前記連通孔が、前記座部の周囲に形成さ
れたことを特徴とする請求項1または2に記載のボール
ペンチップ。 - 【請求項4】 前記ボールペンチップが金属材料を切削
加工して作られることを特徴とする請求項1乃至3のい
ずれか1項に記載のボールペンチップ。 - 【請求項5】 インキ収納部と、該インキ収納部に接続
され筆記用ボールを一部露出させながら回転可能に収納
する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のボールペン
チップとを有したことを特徴とするボールペン。 - 【請求項6】 前記インキ収納部には、ガラスフレーク
顔料、金属被覆無機顔料、多重層フィルム粉、金属箔
粉、金属被覆樹脂フィルム粉の光輝性顔料の内、少なく
ともいずれかの光輝性顔料を含むインキが収納されたこ
とを特徴とする請求項5に記載のボールペン。 - 【請求項7】 前記インキ収納部には、光輝性顔料とし
てメジアン径が19μm以上のアルミニウム金属粉顔料
を含むインキが収納されたことを特徴とする請求項5に
記載のボールペン。 - 【請求項8】 前記インキ収納部には、粒子径が20μ
m以上の顔料を含むインキが収納されたことを特徴とす
る請求項5乃至7のいずれか1項に記載のボールペン。 - 【請求項9】 前記インキ収納部には、幅寸法が20μ
m以上の部分を持つ粒子を有する顔料を含むインキが収
納されており、当該粒子が前記筆記用ボールと前記ボー
ル収納室内壁との隙間を通過可能な粒子形状を有してい
ることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記
載のボールペン。 - 【請求項10】 前記インキ収納部には、幅寸法が20
μm以上の部分を持つ粒子を有する顔料を含むインキが
収納されており、当該粒子が前記筆記用ボールと前記ボ
ール収納室内壁との隙間を通過可能なように当該隙間の
大きさを設定したことを特徴とする請求項5乃至9のい
ずれか1項に記載のボールペン。 - 【請求項11】 前記インキ収納部には、偏平形状の粒
子を有する顔料を含んだインキが収納されており、当該
偏平形状の粒子の最大長が前記筆記用ボールと前記ボー
ル収納室内壁との隙間よりも大きく、且つ、当該偏平形
状の粒子の厚さが前記隙間よりも小さいことを特徴とす
る請求項5乃至10のいずれか1項に記載のボールペ
ン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000167938A JP4408531B2 (ja) | 2000-06-05 | 2000-06-05 | ボールペン及びボールペンチップ |
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---|---|---|---|
JP2000167938A JP4408531B2 (ja) | 2000-06-05 | 2000-06-05 | ボールペン及びボールペンチップ |
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