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JP2001222234A - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

電気光学装置および電子機器

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Publication number
JP2001222234A
JP2001222234A JP2000032452A JP2000032452A JP2001222234A JP 2001222234 A JP2001222234 A JP 2001222234A JP 2000032452 A JP2000032452 A JP 2000032452A JP 2000032452 A JP2000032452 A JP 2000032452A JP 2001222234 A JP2001222234 A JP 2001222234A
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JP
Japan
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substrate
electro
optical device
substrates
convex portion
Prior art date
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Application number
JP2000032452A
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English (en)
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Norikazu Komatsu
紀和 小松
Hideto Ishiguro
英人 石黒
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Publication of JP2001222234A publication Critical patent/JP2001222234A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板間の貼り合わせずれを防止するととも
に、セルギャップの制御も簡便に行い得る構造を有する
液晶装置を提供する。 【解決手段】 本発明の液晶装置は、液晶16を挟んで
TFTアレイ基板7と対向基板15が対向配置されてお
り、TFTアレイ基板7側に凹部50が設けられ、対向
基板15上に凸部51が設けられている。そして、前記
凸部51と凹部50とが嵌合することによって、TFT
アレイ基板7と対向基板15の貼り合わせずれが防止さ
れるとともにセルギャップが所定の値に保持されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学装置およ
び電子機器に関し、例えば液晶表示装置において一対の
基板の貼り合わせずれ防止、もしくは基板間ギャップの
制御に用いて好適な基板構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は従来の液晶表示装置の一例を示
すものである。この図に示すように、液晶パネル100
は、複数のデータ線および走査線101が格子状に形成
されるとともに、画素電極、この画素電極を駆動する薄
膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFT
と略記する)からなるスイッチング素子等がマトリクス
状に配置された素子基板102(TFTアレイ基板)
と、対向電極103、カラーフィルター等が配置された
対向基板104(カラーフィルター基板)とが所定の間
隔をもって配置されている。素子基板102と対向基板
104とは、例えばグラスファイバー等からなる円筒状
もしくは球状のスぺーサ105を混入したシール材10
6により、一定の間隔を保って互いに電極形成面が対向
するように貼付され、2枚の基板102,104間の間
隙に液晶107が封入されている。また、素子基板10
2、対向基板104の外面側には偏光板108,109
がそれぞれ貼付されている。
【0003】なお、図示を省略したが、素子基板102
上の対向基板104から張り出した端子部分には、各デ
ータ線にデータ信号を供給するデータ線駆動用ICが実
装されるとともに、各走査線101に走査信号を供給す
る走査線駆動用ICが実装されている。
【0004】さらにこの例の場合、素子基板102の下
面側には、バックライトユニット110がシリコンゴム
等の緩衝材111を介して設けられている。このバック
ライトユニット110は、光を照射する線状の蛍光管1
12と、この蛍光管112による光を反射して導光板1
13に導く反射板114と、導光板113に導かれた光
を液晶パネル100に一様に拡散させる拡散板115
と、導光板113から液晶パネル100とは反対方向に
出射される光を液晶パネル100側へ反射させる反射板
116とから構成されている。
【0005】この種の液晶表示装置を製造する際には、
いわゆる多面取りなどと呼ばれるように、各基板上に複
数個の液晶パネルを構成するパターンを一括して形成
し、2枚の基板を貼り合わせた後、これを切断し、各液
晶パネル毎に分割するという方法を採るのが一般的であ
る。
【0006】液晶パネルの組立工程の概略を示す図16
を用いてより具体的に説明すると、図16(1)に示す
ように、素子基板120と対向基板121をそれぞれ作
製した後、例えば素子基板120の電極形成面に2枚の
基板間の間隔を一定に保持するためのスペーサ122を
散布する一方、対向基板121の電極形成面には液晶を
封止するためのシール材123をスクリーン印刷等によ
り形成する。次に、図16(2)に示すように、これら
2枚の基板120,121を貼り合わせ、図16(3)
に示すように、ダイヤモンドガラススクライバー、ブレ
イクマシン等を用いてパネルを分割し、個々の液晶パネ
ル124とする。その後、図16(4)に示すように、
液晶注入装置125を用いて各液晶パネル124のシー
ル材123の開口部である液晶注入口123aから2枚
の基板間の間隙に液晶126を注入する。
【0007】後は、図16(5)に示すように、液晶注
入口123aを封止材127により封止し、両面に偏光
板を貼り付けることによって液晶パネル124が完成す
る。最後に、この液晶パネル124に対してバックライ
トユニット、各種の駆動用基板等を実装し、ケースに収
納すれば、液晶表示装置として完成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した液晶表示装置
の製造工程において、シール材塗布、スペーサ散布、貼
り合わせ、パネル分割等の工程は、いわゆる液晶注入前
の空パネルを作る工程であるが、これらの工程は一般的
に安定化が比較的難しい工程である。例えば、スペーサ
散布工程は、所定径(これがセルギャップ値となる)の
スペーサを一方の基板上に分散させる工程であるが、基
板のいずれの箇所でも均一なセルギャップを得るために
は、スペーサ間の凝集を極力なくし、スペーサが基板上
に均一に分布するように散布する必要があり、各製造メ
ーカーごとに様々な工夫がなされている。
【0009】また、素子基板と対向基板の貼り合わせ工
程では、例えば画像処理を使用した自動アライメント装
置によって両基板のアライメントマーク同士をミクロン
精度で合わせ込み、次いで、シール材を散布スペーサ径
まで加熱プレスし、所定のセルギャップを保ちながらシ
ール材を硬化させる、という方法を採る。この工程は、
それぞれの基板が持つ製造時のパターニング誤差とアラ
イメント精度とを含む、いわゆる貼り合わせ技術の精度
の限界によってずれが生じる要因を持っている。そのた
め、通常、素子基板と対向基板の重ね合わせは、5〜1
0μmのマージンを持って設計される。このマージンを
少なくすることは液晶パネルの高開口率化につながり、
明るさを向上させるための重要な課題である。
【0010】ところが、アライメント、プレス、シール
材硬化、等の貼り合わせの各工程において、セルギャッ
プの均一化を図りながら貼り合わせずれを抑止すること
はなかなか難しく、ある程度のずれの発生は避けられな
かった。また、ずれを最小限とするために、加圧治具を
用いて2枚の基板を締め付けた状態でシール材を硬化す
るなどの方法が採られることもあるが、この方法は作業
性や生産性の点で問題があった。
【0011】さらに、ギャップ制御に対しては、上述し
たスペーサ散布やプレスの均一化等の個々の工程技術に
加えて、シール材中のスペーサ径と散布スペーサ径との
マッチング、散布スペーサ径の分布密度とプレス圧の関
係なども考慮した総合的なプロセス設計が必要である
が、そのほとんどが経験的なノウハウに依存しており、
作業的に負担が大きくなっていた。
【0012】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、液晶表示装置をはじめとする電気
光学装置における基板間の貼り合わせずれを極力低減で
きるとともに、基板間のギャップ制御も簡便に行い得る
構造を有する電気光学装置、およびこれを用いた電子機
器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電気光学装置は、互いに対向する一対の
基板間に電気光学材料が挟持されてなる電気光学装置で
あって、前記一対の基板のうちの一方の基板に凸部が設
けられるとともに、他方の基板に前記凸部に嵌合し得る
凹部が設けられ、前記凸部と前記凹部が嵌合されること
により前記一対の基板の貼り合わせずれの防止がなされ
ていることを特徴とするものである。
【0014】または、本発明の電気光学装置は、前記一
対の基板のうちの一方の基板に凸部が設けられるととも
に、他方の基板に前記凸部に嵌合し得る凹部が設けら
れ、前記凸部と前記凹部が嵌合されることにより前記一
対の基板間が所定の間隔(セルギャップ)に保持されて
いることを特徴とするものである。
【0015】あるいは、本発明の電気光学装置は、前記
一対の基板のうちの一方の基板に凸部が設けられるとと
もに、他方の基板に前記凸部に嵌合し得る凹部が設けら
れ、前記凸部と前記凹部が嵌合されることにより前記一
対の基板の貼り合わせずれの防止がなされるとともに前
記一対の基板間が所定の間隔(セルギャップ)に保持さ
れていることを特徴とするものである。
【0016】本発明によれば、電気光学装置を構成する
2枚の基板のうちの一方の基板に凸部が設けられる一
方、他方の基板に前記凸部に嵌合し得る凹部が設けられ
ているので、例えば従来のアライメントマークのよう
に、各基板の対応する位置に予め凸部と凹部を形成して
おき、これらを嵌合させれば2枚の基板の位置合わせを
行うことができる。そして、2枚の基板を重ね合わせた
状態ではこれら基板が動きにくくなるので、組立工程で
生じる貼り合わせずれを防止することができる。また、
凸部の高さや凹部の深さを予め所定の値に調整しておけ
ば、凸部の高さから凹部の深さを引いた値が必然的に2
枚の基板間のギャップとなるので、ギャップの制御を容
易に行うことができる。すなわち、本発明における凸部
や凹部が従来のアライメントマークやスペーサの役目を
兼ねることによって、2枚の基板の位置合わせやギャッ
プ制御を合理的に行うことができ、しかも貼り合わせず
れの防止を図ることができる。
【0017】前記凸部または前記凹部は、前記一方の基
板を構成する1層または複数層の膜材料から形成するこ
とが好ましい。この構成によれば、各基板上に凸部や凹
部を形成するに際して基板とは別の部材を準備する必要
がなく、部品コストが増大することがない。また、素子
基板や対向基板を構成する膜材料からなる段差のみで凹
凸を形成するので、通常の製造プロセス条件を若干変更
するのみで充分に形成可能である。
【0018】前記凸部や凹部は、例えばアクリル膜、ポ
リイミド膜のような樹脂材料膜から形成することができ
る。もしくは、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜のよう
な無機材料膜から形成してもよい。
【0019】前記凸部および前記凹部には、その嵌合部
における凸部と凹部との接触面積を増大させたことによ
りその嵌合をより強固にする嵌合強化部を付加すること
が望ましい。
【0020】つまり、前記凸部や凹部は、その平面形状
を単純な円形、矩形等に形成するのではなく、例えば十
字型、星型などのように入り組んだ形状とすると、凸部
と凹部を嵌合させた際の接触面積が増え、これら凸部、
凹部の接触面での摩擦力が大きくなる。その結果、平面
形状が円形、矩形等の場合と比べて凸部と凹部の嵌合が
強固になり、2枚の基板がより動きにくくなるため、貼
り合わせずれをさらに低減することができる。例えば上
記の例においては、「嵌合強化部」とは、平面形状を十
字型、星型とした場合の中心から外側に張り出した部分
のことを意味する。さらに、嵌合強化部は、平面形状の
みならず、断面形状的に設けてもよい。すなわち、凸部
の上面と凹部の底面を平坦面同士で接触させるのではな
く、凸部の上面上、凹部の底面上にさらに嵌合し合う凹
凸を形成すると、やはり凸部と凹部の接触面積が増え、
上記と同様の作用により、貼り合わせずれをより低減す
ることができる。
【0021】前記凸部や凹部は、例えば基板周縁部に長
く延在させるなどして基板上に一つだけ設けてもよい
が、小さいものであれば基板上に複数個設けることが望
ましい。そして、2枚の基板の各々の基板本体の材質が
異なり、各基板上に複数の凸部および複数の凹部を設け
た場合には、各基板の中央部に設けた凸部および凹部の
嵌合部の接触面積よりも各基板の周辺部に設けた凸部お
よび凹部の嵌合部の接触面積の方を小さくすることが望
ましい。もしくは、各基板の中央部に設けた凸部および
凹部の嵌合部の密度よりも各基板の周辺部に設けた凸部
および凹部の嵌合部の密度の方を小さくすることが望ま
しい。
【0022】例えば液晶パネルの組立工程では、素子基
板と対向基板を重ね合わせた後、両基板を加圧しながら
シール材を加熱硬化するが、この時に加わる熱によって
基板本体が伸縮する。そして、例えば石英基板とガラス
基板というように、もしくは同じガラス基板でも材質が
違うというように、双方の基板本体の材質が異なる時に
は基板本体の熱伸縮量が異なる。この場合、本発明の特
徴点である凸部と凹部の嵌合部では基板本体の熱伸縮量
の違いに応じて応力が発生し、この応力によって基板の
ずれが生じたり、セルギャップに狂いが生じたりする恐
れがある。この時、両基板の熱伸縮量の違いによって発
生する応力は基板中央部よりも基板周辺部の方が大き
い。その一方、基板中央部の凸部と凹部の嵌合部の接触
面積よりも基板周辺部の凸部と凹部の嵌合部の接触面積
の方を小さくしておけば、両基板の拘束力は基板中央部
より基板周辺部の方が小さくなる。したがって、本構成
においては、大きな応力が発生する基板周辺部側で基板
の拘束力が弱いために応力が緩和され、セルギャップを
均一に保った状態で基板のずれを確実に抑制することが
可能になる。また、基板中央部の凸部と凹部の嵌合部の
密度よりも基板周辺部の凸部と凹部の嵌合部の密度の方
を小さくした場合も、両基板の拘束力は基板中央部より
基板周辺部の方が小さくなるため、上記と同様の作用に
よりセルギャップを均一に保ったまま基板のずれを確実
に抑制することができる。
【0023】逆に、2枚の基板の各々の基板本体の材質
が同一であり、各基板上に複数の凸部および複数の凹部
を設けた場合には、各基板の中央部に設けた凸部と凹部
の嵌合部の接触面積よりも各基板の周辺部に設けた凸部
と凹部の嵌合部の接触面積の方を大きくすることが望ま
しい。もしくは、各基板の中央部に設けた凸部と凹部の
嵌合部の密度よりも各基板の周辺部に設けた凸部と凹部
の嵌合部の密度の方を大きくすることが望ましい。
【0024】上述した基板本体の材質が異なる場合の作
用とは逆に、基板中央部の凸部と凹部の嵌合部の接触面
積よりも基板周辺部の凸部と凹部の嵌合部の接触面積の
方が大きいと、両基板の拘束力は基板中央部より基板周
辺部の方が大きくなる。一方、基板の熱伸縮による応力
は基板中央部よりも基板周辺部の方が大きい。したがっ
て、本構成においては、大きな応力が発生する基板周辺
部側で基板の拘束力が強いため、基板のずれを確実に抑
制することが可能になる。もしくは、基板中央部の凸部
と凹部の嵌合部の密度よりも基板周辺部の凸部と凹部の
嵌合部の密度の方を大きくしても、同様の作用、効果が
得られる。
【0025】前記凸部および前記凹部は、各基板におけ
る画像表示領域外の周辺部のみに設けるようにしてもよ
い。この構成によれば、画像表示領域内、すなわち画素
領域の構成は従来と全く変わらないため、画素パターン
設計の自由度を従来通り確保した上で、貼り合わせずれ
の低減を図ることができる。
【0026】前記電気光学材料としては液晶を用いるこ
とができる。この構成により、貼り合わせずれが少な
く、セルギャップが確実に制御された液晶表示装置を実
現することができる。
【0027】その場合、前記凸部および前記凹部を、液
晶を封止するシール部の内部に設けることもできる。こ
の構成によれば、前記凸部および前記凹部がシール材内
部のスペーサの役目を果たすので、従来、シール材の内
部に混入させていたスペーサを不要とすることができ
る。
【0028】前記凸部の高さもしくは前記凹部の深さ
は、1μmないし10μmの範囲とすることが望まし
い。現状の液晶パネルのセルギャップが2〜9μm程度
であることを考えると、凸部の高さもしくは凹部の深さ
はこの程度とすることが望ましい。例えば凸部や凹部を
樹脂材料膜から形成しようとした場合、現在、感光性を
持った熱硬化型のアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の材
料が豊富で入手しやすいことから、この種の材料を用い
ることが好ましく、これらの材料を用いればスピン塗布
法によって1〜10μm程度の均一な膜厚を容易に実現
できる。
【0029】本発明の電子機器は、上記本発明の電気光
学装置を備えたことを特徴とするものである。本発明に
よれば、上記本発明の電気光学装置を備えたことにより
表示品位の高い表示部を備えた電子機器を実現すること
ができる。
【0030】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態の液晶装置の
構成]以下、本発明の第1の実施の形態を図1ないし図
6を参照して説明する。図1は、本実施の形態の液晶装
置の画像表示領域を構成する複数の画素における各種素
子、配線等の等価回路である。図2はデータ線、走査
線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板における
隣接する複数の画素群の平面図である。図3は、カラー
フィルターが形成された対向基板の平面図である。図4
は、図2および図3のA−A’線に沿う断面図である。
図5は、TFTアレイ基板の製造プロセスを説明するた
めの工程断面図である。図6は、液晶装置の全体構成を
示す平面図である。なお、以上の図面においては、各層
や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするた
め、各層や各部材ごとに平面寸法や膜厚等の縮尺を適宜
異ならせてある。
【0031】[液晶装置要部の構成]図1に示すよう
に、本実施の形態の液晶装置において、画像表示領域を
構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素
電極1と当該画素電極1を制御するためのTFT2がマ
トリクス状に複数形成されており、画像信号を供給する
データ線3が当該TFT2のソース領域に電気的に接続
されている。データ線3に書き込む画像信号S1、S
2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わない
し、相隣接する複数のデータ線3同士に対して、グルー
プ毎に供給するようにしても良い。また、TFT2のゲ
ート電極に走査線4が電気的に接続されており、所定の
タイミングで走査線4に対してパルス的に走査信号G
1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するよう
に構成されている。画素電極1は、TFT2のドレイン
領域に電気的に接続されており、スイッチング素子であ
るTFT2を一定期間だけそのスイッチを閉じることに
より、データ線3から供給される画像信号S1、S2、
…、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0032】画素電極1を介して液晶に書き込まれた所
定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板
(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間
で一定期間保持される。ここで、保持された画像信号が
リークするのを防ぐために、画素電極1と対向電極との
間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量部5を付加す
る。符号6は、蓄積容量部5の上部電極をなす容量線で
ある。この蓄積容量部5により、画素電極1の電圧はソ
ース電圧が印加された時間よりも3桁も長い時間だけ保
持される。これにより保持特性はさらに改善され、コン
トラスト比の高い液晶装置が実現できる。
【0033】図2に示すように、液晶装置の一方の基板
をなすTFTアレイ基板7上には、インジウム錫酸化物
(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透
明導電膜からなる複数の画素電極1(輪郭を破線で示
す)がマトリクス状に配置されており、画素電極1の紙
面縦方向に延びる辺に沿ってデータ線3(輪郭を2点鎖
線で示す)が設けられ、紙面横方向に延びる辺に沿って
走査線4および容量線6(ともに輪郭を実線で示す)が
設けられている。本実施の形態において、ポリシリコン
膜からなる半導体層8(輪郭を1点鎖線で示す)は、デ
ータ線3と走査線4の交差点の近傍でU字状に形成さ
れ、そのU字状部8aの一端が隣接するデータ線3の方
向(紙面右方向)および当該データ線3に沿う方向(紙
面上方向)に長く延びている。半導体層8のU字状部8
aの両端にはコンタクトホール9,10が形成されてお
り、一方のコンタクトホール9はデータ線3と半導体層
8のソース領域とを電気的に接続するソースコンタクト
ホールとなり、他方のコンタクトホール10はドレイン
電極11(輪郭を2点鎖線で示す)と半導体層8のドレ
イン領域とを電気的に接続するドレインコンタクトホー
ルとなっている。ドレイン電極11上のドレインコンタ
クトホール10が設けられた側と反対側の端部には、ド
レイン電極11と画素電極1とを電気的に接続するため
の画素コンタクトホール12が形成されている。
【0034】本実施の形態におけるTFT2は、半導体
層8のU字状部8aが走査線4と交差しており、半導体
層8と走査線4が2回交差していることになるため、1
つの半導体層上に2つのゲートを有するTFT、いわゆ
るデュアルゲート型TFTを構成している。また、容量
線6は走査線4に沿って紙面横方向に並ぶ画素を貫くよ
うに延びるとともに、分岐した一部6aがデータ線3に
沿って紙面縦方向に延びている。そこで、ともにデータ
線3に沿って長く延びる半導体層8と容量線6とによっ
て蓄積容量部5が形成されている。そして、本実施の形
態においては、TFTアレイ基板7側の画素領域の角に
矩形状の凹部50が設けられている。この部分の断面構
造は後で説明する。
【0035】他方、図3に示すように、対向基板15上
には、カラーフィルターをなすR(赤)、G(緑)、B
(青)の3原色にそれぞれ対応する色材層22がTFT
アレイ基板7の各画素領域に対応して設けられ、これら
色材層22の境界部分を格子状に遮光する第1遮光膜2
1(ブラックマトリクス)が設けられている。そして、
TFTアレイ基板7側の画素領域に設けた凹部50に対
応する第1遮光膜21上の所定の位置に、前記凹部50
に嵌合し得る大きさ、形状を持った矩形状の凸部51が
設けられている。なお、本実施の形態では凹部50およ
び凸部51の平面形状を矩形状としたが、例えば円形な
どとしてもよい。
【0036】本実施の形態の液晶装置は、図4に示すよ
うに、一対の透明基板13,14を有しており、その一
方の基板をなすTFTアレイ基板7と、これに対向配置
される他方の基板をなす対向基板15とを備え、これら
基板7,15間に液晶16が挟持されている。透明基板
13,14は、例えばガラス基板や石英基板からなるも
のである。
【0037】図4に示すように、TFTアレイ基板7上
に下地絶縁膜17が設けられ、下地絶縁膜17上には例
えば膜厚50nm程度のポリシリコン膜からなる半導体
層8が設けられ、この半導体層8を覆うように膜厚10
0〜150nm程度のゲート絶縁膜をなす絶縁薄膜18
が全面に形成されている。下地絶縁膜17上には各画素
電極1をスイッチング制御するTFT2が設けられ、T
FT2は、タンタル等の金属からなる走査線4、当該走
査線4からの電界によりチャネルが形成される半導体層
8のチャネル領域8c、走査線4と半導体層8とを絶縁
するゲート絶縁膜をなす絶縁薄膜18、アルミニウム等
の金属からなるデータ線3(図4には図示されない)、
半導体層8のソース領域8bおよびドレイン領域8cを
備えている。
【0038】また、走査線4上、絶縁薄膜18上を含む
TFTアレイ基板7上には、ソース領域8bへ通じるソ
ースコンタクトホール9、ドレイン領域8dへ通じるド
レインコンタクトホール10(図4にはともに図示され
ない)が各々形成された第1層間絶縁膜19が形成され
ている。つまり、データ線3は、第1層間絶縁膜19を
貫通するソースコンタクトホール9を介して半導体層8
のソース領域8bに電気的に接続されている。
【0039】さらに、第1層間絶縁膜19上にはデータ
線3と同一レイヤーの金属からなるドレイン電極11が
形成され、ドレイン電極11へ通じる画素コンタクトホ
ール12(図4には図示されない)が形成された第2層
間絶縁膜20が形成されている。つまり、画素電極1は
ドレイン電極11を介して半導体層8のドレイン領域8
dと電気的に接続されている。
【0040】図4におけるTFT2の側方には蓄積容量
部5が形成されている。この部分では、透明基板13上
に下地絶縁膜17が設けられ、下地絶縁膜17上にはT
FT2の半導体層8と一体の不純物がドープされた半導
体層8が設けられ、この半導体層8を覆うように絶縁薄
膜18が全面に形成されている。絶縁薄膜18上に、走
査線4と同一レイヤーの金属からなる容量線6が形成さ
れ、容量線6を覆うように第1層間絶縁膜19が全面に
形成されている。
【0041】また、第2層間絶縁膜20は平坦化膜とし
て用いられるものであり、例えば平坦性の高い樹脂膜の
一種であるアクリル膜が膜厚2μm程度に厚く形成され
ている。本実施の形態では、上記凹部50にあたる位置
のアクリル膜が1μm程度掘り下げられることにより凹
部50が形成されており、この凹部50を有する第2層
間絶縁膜20表面に沿って画素電極1が形成されてい
る。TFTアレイ基板7の最上層の液晶16に接する面
にはポリイミド等からなる配向膜25が設けられてい
る。
【0042】他方、対向基板15側は、透明基板14上
に例えばクロム等の金属膜、樹脂ブラックレジスト等か
らなる第1遮光膜21が形成され、第1遮光膜21上に
は色材層22が形成されている。そして、基板全面に、
画素電極1と同様のITO等の透明導電膜からなる対向
電極24、配向膜26が順次形成されている。そして、
TFTアレイ基板7側の凹部50に対応する位置にアク
リル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機材料膜からなる高さ
3μm程度の凸部51が形成されており、この凸部51
とTFTアレイ基板7側の凹部50が嵌合している。こ
れら凸部51と凹部50の嵌合部52は、液晶パネルの
組立工程における貼り合わせずれを防止するとともに、
セルギャップを一定に保持する機能を果たしており、本
実施の形態の場合、凸部51の高さが3μm、凹部50
の深さが1μmに設定されたことでセルギャップが2μ
mとなっている。
【0043】[液晶装置の製造プロセス]次に、上記構
成の液晶装置の製造プロセスについて図5を用いて説明
する。図5は、特にTFTアレイ基板7の製造プロセス
を示す工程断面図である。まず、図5の工程(1)に示
すように、ガラス基板等の透明基板13上に下地絶縁膜
17を形成し、その上にアモルファスのシリコン層を積
層する。その後、アモルファスシリコン層に対して、例
えばレーザアニール処理等の加熱処理を施すことによ
り、アモルファスシリコン層を再結晶させ、例えば膜厚
50nm程度の結晶性のポリシリコン層23を形成す
る。
【0044】次に、図5の工程(2)に示すように、形
成されたポリシリコン層23を上述した半導体層8のパ
ターンとなるようにパターニングし、その上に例えば膜
厚100〜150nm程度のゲート絶縁膜となる絶縁薄
膜18を形成する。その後、表示領域のうち、TFT2
と蓄積容量部5との接続部および蓄積容量部5の下部電
極となるべき領域以外の領域をポリイミド等のレジスト
でマスクした後、例えばドナーとしてのPH3/H2イオ
ンを絶縁薄膜を介してポリシリコン層にドーピングす
る。この時のイオン注入条件は、例えば31Pのイオンド
ーズ量が3×1014〜5×1014ions/cm2程度であり、
加速エネルギーは80keV程度が必要である。
【0045】次に上記のレジストを剥離した後、図5の
工程(3)に示すように、絶縁薄膜18上に走査線4お
よび容量線6を形成する。この走査線4等の形成は、タ
ンタル等の金属をスパッタまたは真空蒸着した後、当該
走査線4等のレジストパターンを形成し、レジストパタ
ーンをマスクとしたエッチングを行い、レジストパター
ンを剥離することにより行う。そして、当該走査線4お
よび容量線6の形成後、蓄積容量部5を覆うレジストパ
ターンを形成した後、PH3/H2イオンを注入する。こ
の時のイオン注入条件は、例えば31Pのイオンドーズ量
が5×1014〜7×1014ions/cm2程度であり、加速エ
ネルギーは80keV程度である。以上の工程(3)によ
り、TFT2のソース領域8bおよびドレイン領域8d
が形成される。
【0046】次にレジストパターンを剥離した後、図5
の工程(4)に示すように、第1層間絶縁膜19を積層
し、その後、ソースコンタクトホール9およびドレイン
コンタクトホール10(図5にはともに図示せず)とな
る位置を開口し、その後、アルミニウム等の金属をスパ
ッタまたは蒸着し、データ線3およびドレイン電極11
の形状をなすレジストパターンを形成し、これをマスク
としてエッチングすることにより、データ線3(図示せ
ず)およびドレイン電極11を形成する。その後、第2
層間絶縁膜20を積層し、画素コンタクトホール12と
なる位置を開口するとともに、第2層間絶縁膜20表面
の所定の位置に凹部50を形成する。
【0047】その後、図5の工程(5)に示すように、
その上に膜厚約50〜200nm程度のITO等の透明
導電性薄膜を成膜した後、これをパターニングして画素
電極1を形成し、最後に全面に配向膜25を形成する。
以上の工程により、本実施の形態のTFTアレイ基板7
が完成する。
【0048】他方、図4に示した対向基板15について
は工程図の例示を省略するが、ガラス基板等の透明基板
14が先ず用意され、第1遮光膜21および後述する額
縁としての第2遮光膜29(図6参照)を、例えば金属
クロムをスパッタリングした後、フォトリソグラフィー
工程、エッチング工程を経て形成する。なお、これら遮
光膜21,29は、Cr(クロム)、Ni(ニッケ
ル)、Al(アルミニウム)などの金属材料の他、カー
ボンやTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラックな
どの材料から形成してもよい。
【0049】次に、カラーフィルターとなる色材層22
を染色法、顔料分散法、印刷法などの周知の方法を用い
て形成した後、対向基板15の全面にスパッタリング等
により、ITO等の透明導電性薄膜を約50〜200n
mの厚さに堆積することにより対向電極24を形成す
る。さらに、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機樹
脂材料をスピンコータ等を用いて膜厚3μm程度に厚く
塗布した後、これをパターニングすることにより凸部5
1を形成する。そして、対向電極24の全面に配向膜2
6を形成する。
【0050】最後に、上述のように各層が形成されたT
FTアレイ基板7と対向基板15とを対向させて配置
し、シール材により貼り合わせ、空パネルを作製する。
次いで、液晶16を空パネル内に封入すれば、本実施の
形態の液晶装置が作製される。
【0051】[液晶装置の全体構成]次に、液晶装置4
0の全体構成について図6を用いて説明する。図6にお
いて、TFTアレイ基板7の上には、シール材28がそ
の縁に沿って設けられており、その内側に並行して額縁
としての第2遮光膜29が設けられている。シール材2
8の外側の領域には、データ線駆動回路30および外部
回路接続端子31がTFTアレイ基板7の一辺に沿って
設けられており、走査線駆動回路32がこの一辺に隣接
する2辺に沿って設けられている。走査線4に供給され
る走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動
回路32は片側だけでも良いことは言うまでもない。ま
た、データ線駆動回路30を画像表示領域の辺に沿って
両側に配列してもよい。例えば、奇数列のデータ線3は
画像表示領域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆
動回路から画像信号を供給し、偶数列のデータ線3は前
記画像表示領域の反対側の辺に沿って配設されたデータ
線駆動回路から画像信号を供給するようにしてもよい。
このようにデータ線3を櫛歯状に駆動するようにすれ
ば、データ線駆動回路の占有面積を拡張することができ
るため、複雑な回路を構成することが可能となる。さら
に、TFTアレイ基板7の残る一辺には、画像表示領域
の両側に設けられた走査線駆動回路32間をつなぐため
の複数の配線33が設けられている。また、対向基板1
5のコーナー部の少なくとも1箇所には、TFTアレイ
基板7と対向基板15との間で電気的導通をとるための
導通材34が設けられている。そして、シール材28と
ほぼ同じ輪郭を持つ対向基板15が当該シール材28に
よりTFTアレイ基板7に固着されている。
【0052】本実施の形態の液晶装置によれば、TFT
アレイ基板7上に凹部50が設けられる一方、対向基板
15上の前記凹部50に対応する位置に凸部51が設け
られているので、これらを嵌合させることにより2枚の
基板7,15の位置合わせを行うことができる。そし
て、2枚の基板7,15を重ね合わせた状態ではこれら
基板が動きにくくなるので、従来組立工程で生じていた
貼り合わせずれを防止することができる。また、凸部5
1の高さが3μm、凹部50の深さが1μmに制御され
ているので、2枚の基板7,15間のセルギャップが必
然的に2μmとなり、ギャップの制御を容易に行うこと
ができる。すなわち、本実施の形態の液晶装置では、凸
部51や凹部50が従来のアライメントマークやスペー
サの役目を兼ねることによって、2枚の基板の位置合わ
せやギャップ制御を合理的に行うことができ、しかも貼
り合わせずれの防止を図ることができる。
【0053】また本実施の形態の場合、各画素領域毎に
凸部51と凹部50の嵌合部52を有しており、通常は
開口領域として使えるこの部分を非開口領域としなけれ
ばならないために開口率が若干低下するという欠点はあ
るものの、貼り合わせずれ防止とギャップ制御の2つの
機能を備える嵌合部52が基板上に一定間隔で満遍なく
配置されるので、どの場所においても貼り合わせずれを
均一に防止できると同時に、基板全体にわたってセルギ
ャップを均一に保持することができる。
【0054】さらに、凹部50はTFTアレイ基板7の
第2層間絶縁膜20が掘り込まれて形成され、凸部51
は対向基板15上へのアクリル樹脂等の有機材料の塗布
により形成されているので、通常の製造プロセスを若干
変更するのみで充分に形成可能である。
【0055】[第2の実施の形態の液晶装置の構成]以
下、本発明の第2の実施の形態を図7を参照して説明す
る。本実施の形態の液晶装置の基本構成は第1の実施の
形態と全く同様であり、凹部と凸部の嵌合部の平面形状
が異なるのみである。したがって、図7では嵌合部の平
面形状のみを示し、共通部分の説明は省略する。
【0056】第1の実施の形態の液晶装置では凹部と凸
部の嵌合部の平面形状を矩形としたが、本実施の形態に
おいては、図7(a)に示したような十字型の嵌合部5
3、図7(b)に示したような手裏剣型の嵌合部54、
図7(c)に示したような曲線からなる不定形の輪郭を
持つ嵌合部55をそれぞれ有している。すなわち、本実
施の形態の嵌合部53,54,55は、その平面形状が
単なる矩形や円形などではなく、図7(a)〜(c)の
いずれの場合も中心から外側に張り出した部分(嵌合強
化部)を有している。この構成においては、嵌合部の平
面形状を単純な矩形、円形等に形成した場合に比べて凸
部と凹部を嵌合させた際の接触面積が増え、これら凸
部、凹部の接触面での摩擦力が大きくなる。その結果、
平面形状が円形、矩形等の場合と比べて凸部と凹部の嵌
合が強固になり、2枚の基板がより動きにくくなるた
め、貼り合わせずれをさらに低減することができる。
【0057】[第3の実施の形態の液晶装置の構成]以
下、本発明の第3の実施の形態を図8を参照して説明す
る。上記第1、第2の実施の形態では1個の液晶装置の
内部に多数の嵌合部を設けた例を画素領域の平面パター
ンを参照して説明したが、以下の実施の形態では、液晶
装置の製造時に多面取りを行う場合の大型の基板に対し
て本発明の嵌合部を多数設けた例を挙げて説明する。
【0058】図8は、液晶装置の製造時に4面取りを行
う場合の基板の構成を示している。1対の基板56が縦
横に4分割されたそれぞれの領域にシール材57が設け
られている。そして、例えばTFTアレイ基板に凹部、
対向基板に凸部が形成され、これら凹部と凸部が嵌合し
た楕円形の嵌合部58が基板の周縁部に多数配置されて
いる。したがって、本実施の形態の場合、第1、第2の
実施の形態とは異なり、有効表示領域内(シール材の内
側)に嵌合部は設けられていない。
【0059】第1、第2の実施の形態の液晶装置は、各
画素領域毎に嵌合部を設けたために貼り合わせずれ防止
とギャップ制御をより確実に行える一方、開口率が低下
するという欠点を有していた。これに対して、本実施の
形態の液晶装置によれば、基板56の周縁部のみに嵌合
部58を配置したことによって、有効表示領域内、すな
わち画素領域の構成は従来と全く変える必要がないた
め、開口率が低下することもなく、画素パターン設計の
自由度を従来通り確保した上で貼り合わせずれの低減お
よびセルギャップの制御を図ることができる。
【0060】[第4の実施の形態の液晶装置の構成]以
下、本発明の第4の実施の形態を図9を参照して説明す
る。本実施の形態も第3の実施の形態と同様、基板の周
縁部に嵌合部を設けた例であるが、本実施の形態では特
にシール材の内部に嵌合部を設けたことが第3の実施の
形態と異なっている。
【0061】図9(a)は、液晶装置の製造時に4面取
りを行う場合の基板の構成を示している。この図に示す
ように、1対の基板56が縦横に4分割されたそれぞれ
の領域にシール材57が設けられている。
【0062】図9(b)は、このシール材57の1つの
角部(図9(a)の2点鎖線で囲んだ部分)を拡大視し
たものである。この図に示すように、例えばTFTアレ
イ基板に凹部、対向基板に凸部が形成され、これら凹部
と凸部が嵌合した楕円形の嵌合部59がシール材57の
幅方向の中央に略一定間隔を持って設けられている。図
9(c)は嵌合部59の断面構造を示す図であって、図
9(b)のB−B’線に沿う断面図である。TFTアレ
イ基板7上にアクリル樹脂、ポリイミド等の材料により
高さ3μmの凸部60が形成される一方、対向基板15
上に前記凸部60に嵌合し得る深さ1μmの凹部61を
有するアクリル樹脂、ポリイミド等の材料からなる層が
形成されている。そして、凹部61と凸部60が嵌合さ
れることにより嵌合部59が形成され、この嵌合部59
を内部に収容するように周囲にシール材57が形成され
ている。
【0063】本実施の形態の液晶装置によれば、シール
材57の内部に設けられた高さ3μmの凸部60と深さ
1μmの凹部61が嵌合していることによって、セルギ
ャップが2μm(厳密には2μmからTFTアレイ基板
7上、対向基板15上にそれぞれ形成された積層膜の膜
厚分を引いた値)に制御されている。このように、凸部
60および凹部61が2枚の基板の貼り合わせずれを防
止するとともにシール材内部のスペーサの役目を果たす
ので、従来、シール材の内部に混入させていたスペーサ
を不要とすることができる。
【0064】[第5の実施の形態の液晶装置の構成]以
下、本発明の第5の実施の形態を図10(a)、(b)
を参照して説明する。第3の実施の形態では4面取りを
行う基板の周縁部のみに嵌合部を設けていたのに対し、
本実施の形態の液晶装置は、基板の周縁部のみならず、
基板の中央部にも嵌合部を設けている。
【0065】本実施の形態の液晶装置はTFTアレイ基
板と対向基板の基板本体の材質が例えば石英基板とガラ
ス基板というように異なっており、図10(a)に示す
ように、基板56の周縁部に嵌合部62aを設けたこと
に加えて、4個の液晶装置を区画する境界線に沿うよう
に多数の嵌合部62b,62cが配置されている。そし
て、各嵌合部の大きさは、基板周縁部の嵌合部62aは
全て一様の大きさであるが、前記境界線に沿って並ぶ嵌
合部62b,62cは基板周縁部から中央部にいく程大
きくなっている。
【0066】例えば液晶パネルの組立工程では、TFT
アレイ基板と対向基板を重ね合わせた後、両基板を加圧
しながらシール材を加熱硬化するが、この時に加わる熱
によって基板本体が伸縮する。この際、本実施の形態の
ように、石英基板とガラス基板というように双方の基板
本体の材質が異なる時には基板本体の熱伸縮量が異な
る。この場合、凸部と凹部の嵌合部では基板本体の熱伸
縮量の違いに応じて応力が発生し、この応力によって基
板のずれが生じたり、セルギャップに狂いが生じたりす
る恐れがある。また、両基板の熱伸縮量の違いによって
発生する応力は基板中央部よりも基板周縁部の方が大き
い。その一方、基板中央部の凸部と凹部の嵌合部の大き
さよりも基板周縁部の嵌合部の大きさの方を小さくして
おけば、両基板の拘束力は基板中央部より基板周縁部の
方が小さくなる。したがって、本構成においては、大き
な応力が発生する基板周縁部側で基板の拘束力が弱いた
めに応力が緩和され、セルギャップを均一に保った状態
で基板のずれを確実に抑制することが可能になる。
【0067】また、TFTアレイ基板と対向基板の基板
本体の材質が同じ場合には図10(a)とは逆に、図1
0(b)に示すように、前記境界線に沿って並ぶ嵌合部
62d,62eの大きさを基板周縁部から中央部に向け
て小さくすればよい。上述した基板本体の材質が異なる
場合の作用とは逆に、基板中央部の凸部と凹部の嵌合部
の大きさよりも基板周縁部の嵌合部の大きさの方が大き
いと、両基板の拘束力は基板中央部より基板周縁部の方
が大きくなる。一方、基板の熱伸縮による応力は基板中
央部よりも基板周縁部の方が大きい。したがって、本構
成においては、大きな応力が発生する基板周縁部側で基
板の拘束力が強いため、基板のずれを確実に抑制するこ
とが可能になる。
【0068】[第6の実施の形態の液晶装置の構成]以
下、本発明の第6の実施の形態を図11(a)、(b)
を参照して説明する。本実施の形態の液晶装置も第5の
実施の形態と同様、基板周縁部に加えて基板中央部にも
嵌合部を設けた例である。
【0069】本実施の形態の液晶装置はTFTアレイ基
板と対向基板の基板本体の材質が異なっており、図11
(a)に示すように、基板56の周縁部に嵌合部63a
を設けたことに加えて、4個の液晶装置を区画する境界
線に沿うように多数の嵌合部63b,63cが配置され
ている。そして、各嵌合部の密度は、基板周縁部の嵌合
部63aは全て一定間隔で配置されているが、前記境界
線に沿って並ぶ嵌合部63b,63cは基板周縁部から
中央部にいく程密度が高くなっている。
【0070】本実施の形態のように、基板中央部の嵌合
部の密度よりも基板周縁部の嵌合部の密度の方を小さく
した場合、第5の実施の形態における基板周縁部の嵌合
部を小さくした場合の作用と同様、両基板の拘束力は基
板中央部より基板周縁部の方が小さくなる。したがっ
て、本構成においては、2枚の基板本体の材質が異なっ
ていても、大きな応力が発生する基板周縁部側で基板の
拘束力が弱いために応力が緩和され、セルギャップを均
一に保った状態で基板のずれを確実に抑制することが可
能になる。
【0071】また、TFTアレイ基板と対向基板の基板
本体の材質が同じ場合には図11(a)とは逆に、図1
1(b)に示すように、嵌合部63d,63eの密度を
基板周縁部から中央部に向けて小さくすればよい。上述
した基板本体の材質が異なる場合の作用とは逆に、基板
周縁部の嵌合部の密度の方が大きいと、両基板の拘束力
は基板中央部より基板周縁部の方が大きくなるが、基板
の熱伸縮による応力は基板中央部よりも基板周縁部の方
が大きい。したがって、本構成においては、大きな応力
が発生する基板周縁部側で基板の拘束力が強いため、基
板のずれを確実に抑制することが可能になる。
【0072】[電子機器]以下、本発明の液晶装置を備
えた電子機器の具体例について説明する。図12は、携
帯電話の一例を示した斜視図である。図12において、
符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上
記の液晶装置を用いた液晶表示部を示している。図13
は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図
13において、符号1100は時計本体を示し、符号1
101は上記の液晶装置を用いた液晶表示部を示してい
る。図14は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処
理装置の一例を示した斜視図である。図14において、
符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボー
ドなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符
号1206は上記の液晶装置を用いた液晶表示部を示し
ている。図12から図14に示す電子機器は、上記の液
晶装置を用いた液晶表示部を備えたものであるので、表
示品位の高い電子機器を実現することができる。
【0073】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記第1の実施の形態ではTFTアレイ基板側に凹
部、対向基板側に凸部を設けた例を示したが、これとは
逆にTFTアレイ基板側に凸部、対向基板側に凹部を設
けてもよい。凹部や凸部を膜厚の厚い1層の膜のみで構
成するのではなく、2層以上の積層膜で構成してもよ
い。また、上記実施の形態では凹部や凸部をアクリル
膜、ポリイミド膜等の有機材料膜で形成する例を示した
が、これらの材料に代えてシリコン酸化膜、シリコン窒
化膜等の無機材料膜を用いてもよい。さらに、嵌合部の
形状や形成位置等に関しても、上記実施の形態で例示し
たものの他に、適宜設計変更が可能である。上記実施の
形態では液晶装置の例を示したが、エレクトロルミネッ
センス、プラズマディスプレイ等、他の電気光学装置に
本発明を適用することも可能である。
【0074】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、一方の基板に凸部が設けられる一方、他方の基
板に前記凸部に嵌合し得る凹部が設けられているので、
例えば従来のアライメントマークのように、各基板の対
応する位置に予め凸部と凹部を形成しておき、これらを
嵌合させれば2枚の基板の位置合わせを行うことができ
る。そして、2枚の基板を重ね合わせた状態ではこれら
基板が動きにくくなるので、組立工程で生じる貼り合わ
せずれを防止することができる。また、凸部の高さや凹
部の深さを予め所定の値に調整しておけば、ギャップの
制御を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の液晶装置の画像
表示領域を構成する複数の画素における各種素子、配線
等の等価回路である。
【図2】 同、液晶装置のTFTアレイ基板における隣
接する複数の画素群の平面図である。
【図3】 同、液晶装置の対向基板の平面図である。
【図4】 図2および図3のA−A’線に沿う断面図で
ある。
【図5】 同、液晶装置のTFTアレイ基板の製造プロ
セスを説明するための工程断面図である。
【図6】 同、液晶装置の全体構成を示す平面図であ
る。
【図7】 本発明の第2の実施の形態の液晶装置におけ
る嵌合部の形状を示す平面図である。
【図8】 本発明の第3の実施の形態の液晶装置におけ
る嵌合部の配置を示す平面図である。
【図9】 本発明の第4の実施の形態の液晶装置を示す
図であって、(a)全体構成図、(b)シール材の部分
の拡大図、(c)(b)のB−B’線に沿う断面図、で
ある。
【図10】 本発明の第5の実施の形態の液晶装置を示
す図であって、(a)2枚の基板の材質が異なる場合、
(b)2枚の基板の材質が同じ場合、に好適な構成例で
ある。
【図11】 本発明の第6の実施の形態の液晶装置を示
す図であって、(a)2枚の基板の材質が異なる場合、
(b)2枚の基板の材質が同じ場合、に好適な構成例で
ある。
【図12】 本発明の液晶装置を用いた電子機器の一例
を示す斜視図である。
【図13】 本発明の液晶装置を用いた電子機器の他の
例を示す斜視図である。
【図14】 本発明の液晶装置を用いた電子機器のさら
に他の例を示す斜視図である。
【図15】 従来の液晶表示装置の一例を示す断面図で
ある。
【図16】 従来の液晶表示装置の組立工程の一例を示
す図である。
【符号の説明】
1 画素電極 2 薄膜トランジスタ(TFT) 3 データ線 4 走査線 5 蓄積容量部 6 容量線 7 TFTアレイ基板 8 半導体層 15 対向基板 16 液晶(電気光学材料) 28,57 シール材 40 液晶装置 50,61 凹部 51,60 凸部 52,53,54,55,58,59,62a,62
b,62c,62d,62e,63a,63b,63
c,63d,63e 嵌合部 56 基板
フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 JA03 JC02 JC03 LA02 LA03 5C094 BA03 BA43 DA07 DA13 GB01 JA08 5G435 AA17 BB12 KK03 KK05

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対の基板間に電気光学
    材料が挟持されてなる電気光学装置であって、 前記一対の基板のうちの一方の基板に前記一対の基板の
    貼り合わせずれを防止するための凸部が設けられ、他方
    の基板には前記凸部に嵌合し得る凹部が設けられ、前記
    凸部と前記凹部とが嵌合していることを特徴とする電気
    光学装置。
  2. 【請求項2】 互いに対向する一対の基板間に電気光学
    材料が挟持されてなる電気光学装置であって、 前記一対の基板のうちの一方の基板に前記一対の基板間
    を所定の間隔に保持するための凸部が設けられ、他方の
    基板には前記凸部に嵌合し得る凹部が設けられ、前記凸
    部と前記凹部とが嵌合していることを特徴とする電気光
    学装置。
  3. 【請求項3】 互いに対向する一対の基板間に電気光学
    材料が挟持されてなる電気光学装置であって、 前記一対の基板のうちの一方の基板に前記一対の基板の
    貼り合わせずれを防止するとともに前記一対の基板間を
    所定の間隔に保持するための凸部が設けられ、他方の基
    板には前記凸部に嵌合し得る凹部が設けられ、前記凸部
    と前記凹部とが嵌合していることを特徴とする電気光学
    装置。
  4. 【請求項4】 前記凸部が前記一方の基板を構成する1
    層または複数層の膜材料から形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電気光学装
    置。
  5. 【請求項5】 前記凸部が樹脂材料膜からなることを特
    徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
  6. 【請求項6】 前記凸部が無機材料膜からなることを特
    徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
  7. 【請求項7】 前記凹部が前記他方の基板を構成する1
    層または複数層の膜材料から形成されていることを特徴
    とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電気光学装
    置。
  8. 【請求項8】 前記凹部が樹脂材料膜からなることを特
    徴とする請求項7に記載の電気光学装置。
  9. 【請求項9】 前記凹部が無機材料膜からなることを特
    徴とする請求項7に記載の電気光学装置。
  10. 【請求項10】 前記凸部および前記凹部には、その嵌
    合部における前記凸部と前記凹部との接触面積を増大さ
    せたことによりその嵌合をより強固にする嵌合強化部が
    付加されていることを特徴とする請求項1ないし9のい
    ずれかに記載の電気光学装置。
  11. 【請求項11】 基板本体の材質が互いに異なる一対の
    基板上に複数の凸部および複数の凹部がそれぞれ設けら
    れ、基板中央部に位置する前記凸部と前記凹部との嵌合
    部の接触面積よりも基板周辺部に位置する前記凸部と前
    記凹部との嵌合部の接触面積の方を小さくしたことを特
    徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の電気光
    学装置。
  12. 【請求項12】 基板本体の材質が互いに異なる一対の
    基板上に複数の凸部および複数の凹部がそれぞれ設けら
    れ、基板中央部に位置する前記凸部と前記凹部との嵌合
    部の密度よりも基板周辺部に位置する前記凸部と前記凹
    部との嵌合部の密度の方を小さくしたことを特徴とする
    請求項1ないし10のいずれかに記載の電気光学装置。
  13. 【請求項13】 基板本体の材質が同一である一対の基
    板上に複数の凸部および複数の凹部がそれぞれ設けら
    れ、基板中央部に位置する前記凸部と前記凹部との嵌合
    部の接触面積よりも基板周辺部に位置する前記凸部と前
    記凹部との嵌合部の接触面積の方を大きくしたことを特
    徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の電気光
    学装置。
  14. 【請求項14】 基板本体の材質が同一である一対の基
    板上に複数の凸部および複数の凹部がそれぞれ設けら
    れ、基板中央部に位置する前記凸部と前記凹部との嵌合
    部の密度よりも基板周辺部に位置する前記凸部と前記凹
    部との嵌合部の密度の方を大きくしたことを特徴とする
    請求項1ないし10のいずれかに記載の電気光学装置。
  15. 【請求項15】 前記凸部および前記凹部が各基板にお
    ける画像表示領域外の周辺部のみに設けられたことを特
    徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の電気光
    学装置。
  16. 【請求項16】 前記電気光学材料が液晶であることを
    特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の電気
    光学装置。
  17. 【請求項17】 前記凸部および前記凹部が前記液晶を
    封止するシール部の内部に設けられたことを特徴とする
    請求項16に記載の電気光学装置。
  18. 【請求項18】 前記凸部の高さもしくは前記凹部の深
    さが1μmないし10μmの範囲であることを特徴とす
    る請求項1ないし17のいずれかに記載の電気光学装
    置。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし18のいずれかに記載
    の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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