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JP2001206010A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

Info

Publication number
JP2001206010A
JP2001206010A JP2000018976A JP2000018976A JP2001206010A JP 2001206010 A JP2001206010 A JP 2001206010A JP 2000018976 A JP2000018976 A JP 2000018976A JP 2000018976 A JP2000018976 A JP 2000018976A JP 2001206010 A JP2001206010 A JP 2001206010A
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JP
Japan
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pneumatic radial
cord
belt layer
radial tire
tire according
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Application number
JP2000018976A
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English (en)
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Hisanobu Kobayashi
寿延 小林
Yoshihide Kono
好秀 河野
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化及び高速耐久性を維持しつつ、ビード
アンシーティング抵抗を増大することのできる空気入り
ラジアルタイヤを提供すること。 【解決手段】 タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延び
るスチールコード19を配列した傾斜ベルト層20Aに
よりトレッド部16の面内曲げ剛性が得られ、コーナリ
ング時の横力に耐えることができる。タイヤ赤道面CL
に対して実質状平行な有機繊維コード21を配列した周
方向ベルト層20Bによりトレッド部16の周方向剛性
が得られ、内圧を保持でき、また、高い高速耐久性が得
られる。カーカス14の巻上部14Bに沿って有機繊維
コードを含む補強層22を設けているので、タイヤサイ
ド部の横剛性が高まり、ビードアンシーティング抵抗を
増大させることができ、大きな横力作用時においてもビ
ード部11をリムに確実に保持させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気入りタイヤに係
り、コーナリング性に優れ、さらに高速耐久性について
も優れる空気入りラジアルタイヤ、特に、軽量化を主目
的とした乗用車用に適した空気入りラジアルタイヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】省エネルギー化が叫ばれるようになった
現在、自動車においては、重量の低減による燃費の向上
を図る検討が行われるようになり、これに伴って、タイ
ヤについても、その軽量化への要求が年々高まる傾向に
あり、特に汎用の乗用車用空気入りラジアルタイヤにお
いは、この傾向が顕著である。
【0003】そこで、タイヤ赤道面に対して傾斜する複
数のスチールコードを含む傾斜ベルトと、タイヤ赤道面
に対して平行な複数の有機繊維コードまたはスチールコ
ードを含む周方向ベルトとからなる空気入りラジアルタ
イヤが提案されている(例えば、特開平8−31870
6号公報等)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平8−31870
6号公報に記載の空気入りラジアルタイヤでは、ベルト
が2層であり、周方向ベルトに高強度の有機繊維コード
(または最適に配置されたスチールコード)を用いるこ
とにより軽量化及び高速耐久性の向上が図られている。
【0005】しかしながら、上記のように、タイヤ赤道
面に対して平行な複数本のコードと、タイヤ赤道面に対
して傾斜する複数本のコードとを重ねた構造のベルトで
は、軽量というメリットはあるが、従来の少なくとも2
枚の傾斜ベルト(いわゆるクロスベルト構造)の構造対
比、ベルト部のタイヤ幅方向の剛性が減少しており、特
に大きな横力が生じた場合には、踏面がタイヤ幅方向に
縮まる方向の変形量が増大してしまう問題がある。
【0006】詳細には、トレッドの断面形状が変形前の
矩形から変形時の上辺(踏面側)が短い台形へと変化し
ており、そのために従来構造対比でビード部がリムから
外れやすい(即ち、ビードアンシーティング抵抗が減少
する。)傾向にあった。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、軽量化及び高
速耐久性を維持しつつ、ビードアンシーティング抵抗を
増大することのできる空気入りラジアルタイヤを提供す
ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド
状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に
対して傾斜して延びる複数本のコードまたはフィラメン
トを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層
上に位置し、タイヤ赤道面に対して実質状平行に複数本
のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベルト層
と、前記周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に設けられ
るトレッドと、を備えた空気入りラジアルタイヤにおい
て、折返端部がタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側
に位置し、前記ビード部には補強層が設けられているこ
とを特徴としている。
【0009】次に、請求項1に記載の空気入りラジアル
タイヤの作用を説明する。
【0010】請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ
では、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコ
ードまたはフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層
によりトレッドの面内曲げ剛性が得られ、コーナリング
時の横力に耐えることができる。
【0011】また、タイヤ赤道面に対して実質状平行に
複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベル
ト層により、トレッドの周方向剛性が得られ、内圧を保
持でき、また、高い高速耐久性が得られる。
【0012】さらに、タイヤ赤道面に対して平行な複数
本のコードと、タイヤ赤道面に対して傾斜する複数本の
コードとを重ねた構造のベルトでは、従来のクロスベル
ト構造の構造対比でベルト部のタイヤ幅方向の剛性が減
少しているため、大きな横力が生じた場合のトレッドの
変形が大きくなり、これがタイヤのビードアンシーティ
ング抵抗の減少の原因となっていたが、本発明の空気入
りラジアルタイヤでは、ビード部には補強層が設けられ
ているので、タイヤサイド部の横剛性が高まり、ビード
アンシーティング抵抗が増大し、大きな横力作用時にお
いてもビード部を確実にリムに保持させることができ
る。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強層の半径
方向外側端は、前記カーカスの折返端部よりも半径方向
外側に位置していることを特徴としている。
【0014】次に、請求項2に記載の空気入りラジアル
タイヤの作用を説明する。
【0015】請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤ
では、補強層の半径方向外側端がカーカスの折返端部よ
りも半径方向外側に位置しているので、タイヤサイド部
の横剛性をより高めることができ、ビードアンシーティ
ング抵抗をより増大させることができる。
【0016】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強層は、前
記カーカスの折返部分に隣接していることを特徴として
いる。
【0017】次に、請求項3に記載の空気入りラジアル
タイヤの作用を説明する。
【0018】ビード部をリムからずらそうとする力(外
そうとする力)は、タイヤ軸方向外側から内側へ向かう
力であり、この力がビード部に作用すると、ビード部は
曲げ(タイヤ内側へ凹む曲げ)で抵抗する。
【0019】このとき、カーカスの折返部分には圧縮力
が作用するが、折返部分に隣接する補強層はこの圧縮力
による変形を抑えるように作用し、ビードアンシーティ
ング抵抗をより増大させる。
【0020】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強層は、前
記カーカスの折返部分のタイヤ外面側に位置しているこ
とを特徴としている。
【0021】次に、請求項4に記載の空気入りラジアル
タイヤの作用を説明する。
【0022】請求項4に記載の空気入りラジアルタイヤ
では、補強層がカーカスの折返部分のタイヤ外面側に位
置しているため、ビード部が曲げられた時に曲げ最内側
に補強層が介在し、より効果的に曲げによる圧縮に対し
て抵抗することになる。
【0023】請求項5に記載の発明は、請求項2乃至請
求項4の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤに
おいて、前記補強層は金属繊維層であることを特徴とす
る。
【0024】次に、請求項5に記載の空気入りラジアル
タイヤの作用を説明する。
【0025】圧縮力が作用する補強層は、圧縮変形に抵
抗する必要があるため、金属繊維であることが好まし
い。
【0026】請求項6に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の空気入りラジアルタイヤにおいて、前
記補強層は、前記カーカスの本体部分に隣接しているこ
とを特徴としている。
【0027】次に、請求項6に記載の空気入りラジアル
タイヤの作用を説明する。
【0028】ビード部をリムからずらそうとする力(外
そうとする力)は、タイヤ軸方向外側から内側へ向かう
力であり、この力がビード部に作用すると、ビード部は
曲げ(タイヤ内側へ凹む曲げ)で抵抗する。
【0029】このとき、カーカスの本体部分には引張力
が作用するが、本体部分に隣接する補強層はこの引張力
による変形を抑えるように作用し、ビードアンシーティ
ング抵抗をより増大させる。
【0030】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強層は金属
繊維層または有機繊維層であることを特徴としている。
【0031】次に、請求項7に記載の空気入りラジアル
タイヤの作用を説明する。
【0032】引張力が作用する補強層は、引張変形に抵
抗する必要があるため、高弾性の金属繊維または有機繊
維を含むことが好ましい。
【0033】繊維の弾性率としては、200kgf/mm2
上が好ましい。
【0034】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請
求項7の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤに
おいて、周方向ベルト層のコードは、ポリエチレンテレ
フタレート繊維またはナイロン繊維からなり、双撚り構
造を有し、総デニール数DTが1000d〜6000d
の範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10
cm)、比重をρとすると、撚り係数Ntが、Nt=T
×(0.139×DT/2×1/ρ)1/2 ×10-3
0.3の範囲であることを特徴としている。
【0035】次に、請求項8に記載の空気入りラジアル
タイヤの作用を説明する。
【0036】周方向ベルト層のコードをポリエチレンテ
レフタレート繊維またはナイロン繊維とし、このコード
の撚り係数Ntを0.3以下とすることにより、十分な
コーナリング性能が得られる。
【0037】なお、周方向ベルト層のコードを双撚り構
造にするのは、コード自体の圧縮疲労性の向上と作業性
の点からであり、総デニール数DT が1000d〜60
00dの範囲にするのは、1000d未満だと物理的に
コードを打ち込むのが難しいからである。一方、600
0dを越えた場合にはコードが太くなりすぎ、それと共
にゴム量も増加せざるを得なくなり、タイヤ重量の増加
を招く結果となるからである。
【0038】また、撚り係数Ntは、小さすぎるとコー
ドがばらけて作業性が悪化する恐れがあるあるため、
0.1以上とすることが好ましい。
【0039】また、周方向ベルト層のコードにポリエチ
レンテレフタレート繊維またはナイロン繊維を用いるこ
とで、圧縮疲労によるコード切れが、従来使用されてい
た撚り係数Ntが0.3以下のアラミド繊維コードに比
し生じにくくなる。
【0040】ここで、双撚り構造とは、糸1本または2
本以上引きそろえて撚りを加え(下撚り)、これを2本
以上引きそろえて下撚りと反対方向に撚り(上撚り)を
かけたものをいう。
【0041】また、総デニール数DT とは、原糸デニー
ルと撚りの本数の積をいう。
【0042】請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請
求項7の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤに
おいて、周方向ベルト層のコードは、ポリエチレンナフ
タレート繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール
数DT が1000d〜6000dの範囲であり、このコ
ードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとす
ると、撚り係数Ntが、Nt=T×(0.139×DT
/2×1/ρ)1/2 ×10-3≦0.6の範囲であること
を特徴としている。
【0043】次に、請求項9に記載の空気入りラジアル
タイヤの作用を説明する。
【0044】周方向ベルト層のコードをポリエチレンナ
フタレート繊維とし、このコードの撚り係数Ntを0.
6以下とすることにより、十分なコーナリング性能が得
られる。
【0045】なお、周方向ベルト層のコードを双撚り構
造にするのは、コード自体の圧縮疲労性の向上と作業性
の点からであり、総デニール数DT が1000d〜60
00dの範囲にするのは、1000d未満だと物理的に
コードを打ち込むのが難しいからである。一方、600
0dを越えた場合にはコードが太くなりすぎ、それと共
にゴム量も増加せざるを得なくなり、タイヤ重量の増加
を招く結果となるからである。
【0046】また、撚り係数Ntは、小さすぎるとコー
ドがばらけて作業性が悪化する恐れがあるあるため、
0.1以上とすることが好ましい。
【0047】また、周方向ベルト層のコードにポリエチ
レンナフタレート繊維を用いることで、圧縮疲労による
コード切れが、従来使用されていた芳香族ポリアミド繊
維コードに比し生じにくくなる。
【0048】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至
請求項7の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ
において、周方向ベルト層のコードは、ビニロン繊維か
らなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が100
0d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数
をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数
Ntが、Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)
1/2 ×10-3≦0.6の範囲であることを特徴としてい
る。
【0049】次に、請求項10に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0050】周方向ベルト層のコードをビニロン繊維と
し、このコードの撚り係数Ntを0.6以下とすること
により、十分なコーナリング性能が得られる。
【0051】なお、周方向ベルト層のコードを双撚り構
造にするのは、コード自体の圧縮疲労性の向上と作業性
の点からであり、総デニール数DT が1000d〜60
00dの範囲にするのは、1000d未満だと物理的に
コードを打ち込むのが難しいからである。一方、600
0dを越えた場合にはコードが太くなりすぎ、それと共
にゴム量も増加せざるを得なくなり、タイヤ重量の増加
を招く結果となるからである。
【0052】また、撚り係数Ntは、小さすぎるとコー
ドがばらけて作業性が悪化する恐れがあるあるため、
0.1以上とすることが好ましい。
【0053】また、周方向ベルト層のコードにビニロン
繊維を用いることで、圧縮疲労によるコード切れが、従
来使用されていた撚り係数Ntが0.3以下のアラミド
繊維コードに比し生じにくくなる。
【0054】請求項11に記載の発明は、請求項1乃至
請求項7の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ
において、周方向ベルト層のコードは、アラミド繊維か
らなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が100
0d〜6000dの範囲であり、このコードの、撚り数
をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数
Ntが、Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)
1/2 ×10-3≧0.3の範囲であることを特徴としてい
る。
【0055】周方向ベルト層のコードをアラミド繊維と
し、このコードの撚り係数Ntを0.3以上とすること
により、良好な耐コード切れ性が得られる。
【0056】なお、周方向ベルト層のコードを双撚り構
造にするのは、コード自体の圧縮疲労性の向上と作業性
の点からであり、総デニール数DT が1000d〜60
00dの範囲にするのは、1000d未満だと物理的に
コードを打ち込むのが難しいからである。一方、600
0dを越えた場合にはコードが太くなりすぎ、それと共
にゴム量も増加せざるを得なくなり、タイヤ重量の増加
を招く結果となるからである。
【0057】請求項12に記載の発明は、請求項1乃至
請求項11の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、周方向ベルト層のコードの正接損失tan
δが、初期張力1kgf/本、歪振幅0.1%、周波数20
Hz 、雰囲気温度25°Cの条件下で、0.3以下であ
ることを特徴としている。
【0058】次に、請求項12に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0059】PET、ナイロン、PEN、ビニロン及び
アラミド繊維は、仕事損失が大きく発熱しやすいため、
高速耐久性試験においては、これらの繊維コードが融解
する虞れがある。このため、周方向ベルト層のコードの
正接損失tanδを、初期張力1kgf/本、歪振幅0.1
%、周波数20Hz 、雰囲気温度25°Cの条件下で、
0.3以下とすることによって、これらの繊維コードの
融解を防止することができる。
【0060】請求項13に記載の発明は、請求項1乃至
請求項7の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ
において、周方向ベルト層のコードは、弾性率が300
0kgf/mm2 以上のスチールコードであることを特徴とし
ている。
【0061】次に、請求項13に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0062】周方向ベルト層のコードにスチールコード
を用いる場合、弾性率を3000kgf/mm2 以上とするこ
とによって、周方向ベルトに上述したPETやナイロン
等の有機繊維コードを使用した場合に比し、タイヤ重量
は幾分増加するものの、より一層周方向剛性を高めるこ
とができ、十分なコーナリングパワーが得られる。
【0063】なお、前記弾性率が3000kgf/mm2 未満
だとより効果的に剛性を向上させることができない。
【0064】また、スチールコードの打ち込み数は、周
方向剛性の確保と軽量化の観点から、50mm当たり15
〜50本の範囲内にすることが好ましい。
【0065】請求項14に記載の発明は、請求項1乃至
請求項13の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率は、2
00kgf/mm2 以上であることを特徴としている。
【0066】なお、被覆ゴムの弾性率は、図8(A)に
示すように、直径dが14mm、高さhが28mmの円筒状
の空洞をもつ鋼鉄製の治具100の空洞内に、ゴム試験
片102を隙間なく充填した後、この治具100を、図
8(B)に示すように、圧縮試験機104にセットし、
ゴム試験片102の上下面に0.6mm/min の速度で荷
重Wを負荷し、このときの変位量をレーザー変位計10
6で測定し、荷重と変位との関係から算出することとす
る。
【0067】次に、請求項14に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0068】周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率が低す
ぎるとコードが動きやすくくなり、コードの局所的なバ
ックリングを起こしやすくなり、コード切れが発生する
虞れがある。そのため、周方向ベルト層の被覆ゴムの弾
性率を200kgf/mm2 以上とすることにより、コード切
れを生じにくくすることができる。
【0069】請求項15に記載の発明は、請求項1乃至
請求項14の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、螺旋状に巻回
されていることを特徴としている。
【0070】次に、請求項15に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0071】請求項15に記載の空気入りラジアルタイ
ヤでは、周方向ベルト層のコードが螺旋状に巻回されて
いるので、タイヤのユニフォミティ−を向上させること
ができる。
【0072】請求項16に記載の発明は、請求項1乃至
請求項15の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、傾斜ベルト層のコードまたはフィラメント
は、スチール材料からなることを特徴としている。
【0073】次に、請求項16に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0074】傾斜ベルトのコードまたはフィラメントに
スチール材料を用いることによって、十分なタイヤ強度
が得られる。
【0075】請求項17に記載の発明は、請求項1乃至
請求項16の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、傾斜ベルト層のコードまたはフィラメント
は、タイヤ赤道面に対する傾斜角度が15°〜45°の
範囲であることを特徴としている。
【0076】次に、請求項17に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0077】傾斜ベルト層のコードまたはフィラメント
のタイヤ赤道面に対する傾斜角度を15°〜45°の範
囲にすることによって、トレッドにおいて十分な面内剪
断剛性が得られる。
【0078】請求項18に記載の発明は、請求項1乃至
請求項17の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、傾斜ベルト層のコードまたはフィラメント
と、最もタイヤ径方向内側の周方向ベルト層のコードと
の間に位置するゴムの厚みを、タイヤ幅方向断面内にお
いて、タイヤ幅方向端部でタイヤ幅方向中央部に比して
大きくしたこと特徴としている。
【0079】次に、請求項18に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0080】傾斜ベルト層のコードまたはフィラメント
と、最もタイヤ径方向内側の周方向ベルト層のコードと
の間に位置するゴムの厚みを、タイヤ幅方向断面内に
て、タイヤ幅方向端部でタイヤ幅方向中央部に比して大
きくすること、具体的には、タイヤ幅方向端部での前記
ゴムの厚みを、タイヤ幅方向中央部での前記ゴムの厚み
に比し2倍以上とし、また、タイヤ幅方向中央部での前
記ゴムの厚みを維持する範囲は、タイヤ赤道面を中心と
して、傾斜ベルト層の幅の50〜90%の範囲にするこ
とによって、いわゆるサンドイッチ梁の効果(T.W.Chou
and F.K.KO,""Textile Structureal Composite""Elsev
eir(1989) に記載)が生じ、その結果、タイヤ周方向の
曲げ剛性は、タイヤ幅方向中央部がタイヤ幅方向両端部
よりも相対的に低下し、このため、タイヤ接地長が、ト
レッド中央域で長く、両ショルダー域で短くなって、タ
イヤの接地形状を角の落ちたラウンド形状に近づけるこ
とができ、これによって、ウエット路面走行時に、タイ
ヤ進行方向前方の水を、タイヤの側方に速やかに排除
し、ハイドロプレーニングの発生を抑制することができ
る。
【0081】請求項19に記載の発明は、請求項1乃至
請求項18の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、最もタイヤ径方向外側の周方向ベルト層の
コードと、トレッドゴムの内周面との間に位置する被覆
ゴムの厚みを、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向
中央部でタイヤ幅方向端部に比して大きくしたとを特徴
としている。
【0082】次に、請求項19に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0083】傾斜ベルト層の厚さと周方向ベルト層の厚
さの和が、タイヤ幅方向中央部位置で小さくなることに
よって、加硫後のタイヤ内面のタイヤ幅方向中央部付近
にコードに対応した凹凸が表れる現象(コード出現象)
が生じる場合には、最もタイヤ径方向外側の周方向ベル
トのコードと、トレッドゴムの内周面との間に位置する
被覆ゴムの厚みを、タイヤ幅方向中央部でタイヤ幅方向
端部に比してより大きくすることによって、傾斜ベルト
層の厚さと周方向ベルト層の厚さの和をタイヤ幅方向に
わたって均一にすることができ、コード出現象を抑制す
ることができる。
【0084】請求項20に記載の発明は、請求項1乃至
請求項19の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、周方向ベルト層は、タイヤ幅方向中央部で
少なくとも2層であることを特徴としている。
【0085】次に、請求項20に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0086】高速走行時のタイヤ幅方向中央部の迫り出
しを一層抑制する必要がある場合には、周方向ベルト層
をタイヤ幅方向中央部で少なくとも2層にすることが好
ましく、この場合、2層以上の比較的幅広の周方向ベル
ト層を配置しても良いが、傾斜ベルト層のほぼ全面を覆
う幅広周方向ベルト層と、この幅広周方向ベルト層の中
央部のみの覆う幅狭周方向ベルト層とで周方向ベルト層
を構成しても良い。
【0087】請求項21に記載の発明は、請求項1乃至
請求項20の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
ヤにおいて、周方向ベルト層は、タイヤ幅方向端部で少
なくとも2層であることを特徴としている。
【0088】次に、請求項21に記載の空気入りラジア
ルタイヤの作用を説明する。
【0089】ベルト端セパレーションを一層抑制する必
要がある場合には、周方向ベルト層を、タイヤ幅方向端
部で少なくとも2層にすることが好ましく、この場合も
同様に、2層以上の幅広周方向ベルト層で傾斜ベルト層
の全面を覆っても良いが、傾斜ベルト層のほぼ全面を覆
う幅広周方向ベルト層と、この幅広周方向ベルト層の両
端部のみを、又は両端部分と中央部分の双方を覆う幅狭
周方向ベルト層とで構成しても良い。このように、周方
向ベルト層の幅や層数等は、必要に応じて適宜変更でき
る。
【0090】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]次に、本発明
の空気入りラジアルタイヤの第1の実施形態を図面にし
たがって説明する。
【0091】図1に示すように、空気入りラジアルタイ
ヤ10はビード部11に埋設されたビードコア12の周
りにタイヤ内側から外側に折返して係止されるカーカス
14と、カーカス14の本体部14Aと巻上部14Bと
の間に配置されるビードフィラー15と、カーカス14
のクラウン部に位置するトレッド部16と、カーカス1
4のサイド部に位置するサイドウォール部18と、トレ
ッド部16の内側に配置された二層のベルト層20を備
えている。
【0092】カーカス14は、繊維コードを実質的に周
方向と直交する方向に配列されており、本実施形態では
一枚のカーカスプライから構成されている。
【0093】また、カーカス14の巻上部14Bの端部
は、カーカス14の最大幅位置Pよりタイヤ径方向内側
へ位置している。
【0094】図2に示すように、ベルト層20は、タイ
ヤ赤道面CLに対して傾斜して延びる複数本のスチール
コード19を配列した1層の傾斜ベルト層20Aと、こ
の傾斜ベルト層20A上に位置し、タイヤ赤道面CLに
対して実質状平行に複数本の有機繊維コード21を配列
した周方向ベルト層20Bとを備えている。
【0095】なお、傾斜ベルト層20Aのスチールコー
ド19及び傾斜ベルト層20Aの有機繊維コード21の
何れも通常通り被覆ゴムにより被覆されている。
【0096】ここで、傾斜ベルト層20Aのスチールコ
ードのタイヤ赤道面CLに対する傾斜角度は15°〜4
5°の範囲であることが好ましい。
【0097】次に、周方向ベルト層20Bは、有機繊維
コード21を復数本含む(場合によっては1本でも良
い)ゴム引きされた狭幅のストリップを、有機繊維コー
ド21がタイヤ周方向に実質的に平行(0°〜5°)と
なるようにラセン状(スパイラル状)に、エンドレスに
巻きつけられている。
【0098】周方向ベルト層20Bの有機繊維コード
は、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET)、ナイ
ロン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN。ポ
リエチレン−2,6−ナフタレート繊維が好まし
い。)、ビニロン繊維、アラミド繊維等が好ましく、双
撚り構造が好ましく、総デニール数DT が1000d〜
6000dの範囲であることが好ましい。
【0099】また、ポリエチレンテレフタレート繊維
(PET)、ナイロン繊維の場合は撚り係数Ntが0.
3以下、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN)の場
合は撚り係数Ntが0.6以下、ビニロン繊維の場合は
撚り係数Ntが0.6以下、アラミド繊維の場合は撚り
係数Ntが0.3以上であることが好ましい。
【0100】さらに、周方向ベルト層20Bの有機繊維
コードの正接損失tanδは、初期張力1kgf/本、歪振
幅0.1%、周波数20Hz 、雰囲気温度25°Cの条
件下で、0.3以下であることが好ましい。
【0101】周方向ベルト層20Bの被覆ゴムの弾性率
は、200kgf/mm2 以上であることが好ましい。
【0102】周方向ベルト層20Bの層数は2層以上で
も良いが、軽量化の点からは1〜2層程度が好ましい。
【0103】なお、周方向ベルト層20Bには、有機繊
維コードに代えてスチールコードを用いることもでき
る。この場合、スチールコードの弾性率は3000kgf/
mm2 以上、撚り構造が1×N又は1+Nであることが好
ましい。
【0104】また、スチールコードの打ち込み数は、5
0mm当たり15〜50本の範囲内にすることが好まし
い。
【0105】ここで、本実施形態の空気入りラジアルタ
イヤ10のビード部11には、ビード部11の曲げ変形
を抑制するために補強層22が設けられている。
【0106】補強層22は、巻上部14Bの外面に沿っ
て配置されており、その径方向外側端は、巻上部14B
の端部よりもタイヤ径方向外側に位置している。
【0107】補強層22は、タイヤ半径方向に沿って延
びる複数本の繊維コードを含んでいる。なお、繊維コー
ドの方向は、タイヤ半径方向であっても良く、タイヤ半
径方向に対して傾斜していても良い(なお、タイヤ半径
方向に対する傾斜角度は75度以下が好ましい。) また、補強層22を巻上部14Bに沿って配置する場合
の繊維コードは、圧縮に強い金属繊維コードが好まし
い。本実施形態では、金属繊維コードとして、スチール
コードを用いている。
【0108】なお、本実施形態では、スチールコードの
打ち込み本数は40本/50mmであり、スチールコード
の傾斜角度は68度である。
【0109】また、図1に示すように、トレッド部16
には、タイヤ周方向に沿って延びる周方向主溝24が複
数本、本実施形態ではタイヤ赤道面CLを挟んで左右に
2本づつ合計4本形成されている。 (作用)次に、本実施形態の空気入りラジアルタイヤ1
0の作用を説明する。
【0110】本実施形態の空気入りラジアルタイヤ10
では、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びる複数本
のスチールコード19を配列した傾斜ベルト層20Aに
よりトレッド部16の面内曲げ剛性が得られ、コーナリ
ング時の横力に耐えることができる。
【0111】また、タイヤ赤道面CLに対して実質状平
行に複数本の有機繊維コード21を配列した周方向ベル
ト層20Bにより、トレッド部16の周方向剛性が得ら
れ、内圧を保持でき、また、高い高速耐久性が得られ
る。
【0112】さらに、ビード部11には、スチールコー
ドを含み半径方向外側端が巻上部14Bの端部よりも半
径方向外側に位置している補強層22が巻上部14Bの
外側に沿って配置されているので、タイヤサイド部の横
剛性をより高めることができ、ビードアンシーティング
抵抗をより増大させることができる。 [第2の実施形態]次に、本発明の空気入りラジアルタ
イヤの第2の実施形態を図面にしたがって説明する。な
お、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、そ
の説明は省略する。
【0113】図3に示すように、本実施形態の空気入り
ラジアルタイヤ10では、補強層22が巻上部14Bの
内側に沿って配置されている。
【0114】なお、作用効果は第1の実施形態と同様で
ある。 [第3の実施形態]次に、本発明の空気入りラジアルタ
イヤの第3の実施形態を図面にしたがって説明する。な
お、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0115】図4に示すように、本実施形態では、補強
層22が本体部14Aの外側に沿って配置されている。
【0116】ビード部11をリムからずらそうとする力
(外そうとする力)が作用した場合、カーカス14の本
体部14Aに沿って配置される補強層22には引張力が
作用する。
【0117】本実施形態では、補強層22はこの引張力
による変形を抑えるように作用し、ビードアンシーティ
ング抵抗をより増大させる。
【0118】したがって、補強層22を本体部14Aに
沿って配置する場合、補強層22のコードは、高い弾性
の金属繊維または有機繊維であることが好ましい。
【0119】繊維の弾性率としては、200kgf/mm2
上が好ましい。補強層22のコードとしてはアラミドコ
ード等が好ましい。 [第4の実施形態]次に、本発明の空気入りラジアルタ
イヤの第4の実施形態を図面にしたがって説明する。な
お、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0120】図5に示すように、本実施形態では、補強
層22がカーカス14に沿ってビードコア12の周りに
巻き返されている。
【0121】なお、本実施形態では、補強層22が 本
体部14A側と巻上部14B側との2層になるので、ビ
ード部11の剛性をより高めることができる。 [第5の実施形態]次に、本発明の空気入りラジアルタ
イヤの第5の実施形態を図面にしたがって説明する。な
お、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0122】図6に示すように、本実施形態では、傾斜
ベルト層20Aのスチールコード19と、これに隣接す
る周方向ベルト層20Bの有機繊維コード21との間に
位置する被覆ゴムの厚みt1を、タイヤ幅方向断面内に
おいてタイヤ幅方向端部40でタイヤ幅方向中央部42
に比して大きく設定している。
【0123】スチールコード19と有機繊維コード21
との間に位置する被覆ゴムのタイヤ幅方向端部40での
厚みt1は、タイヤ幅方向中央部42での厚みt1に比
し2倍以上に設定することが好ましい。
【0124】また、上記タイヤ幅方向中央部42での被
覆ゴムの厚みt1を維持する範囲は、タイヤ赤道面CL
を中心として、傾斜ベルト層20Aの幅の50〜90%
の範囲に設定することが好ましい。
【0125】上記のようにタイヤ幅方向中央部42での
スチールコード19と有機繊維コード21との間に位置
する被覆ゴムの厚みを一定に維持することによって、い
わゆるサンドイッチ梁の効果が生じ、その結果、タイヤ
周方向の曲げ剛性はタイヤ幅方向中央部42がタイヤ幅
方向端部40よりも相対的に低下する。
【0126】このため、タイヤ接地長が、トレッド中央
域で長く、両ショルダー域で短くなって、タイヤの接地
形状を角の落ちたラウンド形状に近づけることができ、
ウエット路面走行時にタイヤ進行方向前方の水をタイヤ
の側方に速やかに排除し、ハイドロプレーニングの発生
を抑制することができる。 [第6の実施形態]次に、本発明の空気入りラジアルタ
イヤの第6の実施形態を図面にしたがって説明する。な
お、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0127】図7に示すように、本実施形態では、周方
向ベルト層20Bの有機繊維コード21と、トレッド部
16のゴムの内周面との間に位置する被覆ゴムの厚み
(t2)を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向中
央部42でタイヤ幅方向端部40に比して大きく設定す
ると共に、傾斜ベルト層20Aの厚さと周方向ベルト層
20Bの厚さの和Tをタイヤ幅方向にわたって均一に設
定しているので、加硫後のタイヤ内面のタイヤ幅方向中
央部42付近に生ずるコード出現象を抑えることができ
る。 (試験例)本発明の効果を確かめるために、補強層の無
い比較例のタイヤ及び補強層の位置を種々変えた複数の
実施例のタイヤ(何れもタイヤサイズ175/65R1
4)を作製し、ビードアンシーティング抵抗値を測定し
た。
【0128】ここで、ビードアンシーティング抵抗値
は、JIS規格のビードアンシーティング試験にて得ら
れた値である。JIS規格によれば、乗用車用のタイヤ
の場合、ビードアンシーティング最小抵抗値は8895
N以上でなければならない。
【0129】
【表1】 試験の結果、ビード部に補強層の設けられていない比較
例1のタイヤはビードアンシーティング抵抗値が基準以
下であるため使用できず、ビード部に補強層の設けられ
た実施例のタイヤはビードアンシーティング抵抗値が基
準を満足しており、ビード部を確実にリムに保持可能で
あることが分かる。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空気入り
ラジアルタイヤは上記の構成としたので、軽量化及び高
速耐久性を維持しつつビードアンシーティング抵抗を増
大させることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空気入りラジア
ルタイヤの断面図である。
【図2】図1に示す空気入りラジアルタイヤのベルト層
の平面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る空気入りラジア
ルタイヤの断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る空気入りラジア
ルタイヤの断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る空気入りラジア
ルタイヤの断面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る空気入りラジア
ルタイヤのベルトの断面図である。
【図7】本発明の第6の実施形態に係る空気入りラジア
ルタイヤのベルトの断面図である。
【図8】(A)及び(B)は、ゴムの弾性率を測定する
方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 空気入りラジアルタイヤ 11 ビード部 12 ビードコア 14 カーカス 16 トレッド部 19 スチールコード(コード) 20A 傾斜ベルト層 20B 周方向ベルト層 21 有機繊維コード(コード) 22 補強層 40 タイヤ幅方向端部 42 タイヤ幅方向中央部 P タイヤ最大幅位置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60C 9/00 B60C 9/00 J 9/20 9/20 D E G F 9/22 9/22 B 15/06 15/06 N

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対のビードコア間に跨がっ
    てトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイ
    ヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコードまたは
    フィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾
    斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対して実質状平
    行に複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向
    ベルト層と、前記周方向ベルト層のタイヤ径方向外側に
    設けられるトレッドと、を備えた空気入りラジアルタイ
    ヤにおいて、 前記ビード部には補強層が設けられていることを特徴と
    する空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記補強層の半径方向外側端は、前記カ
    ーカスの折返端部よりも半径方向外側に位置しているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入
    りラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記補強層は、前記カーカスの折返部分
    に隣接していることを特徴とする請求項2に記載の空気
    入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記補強層は、前記カーカスの折返部分
    のタイヤ外面側に位置していることを特徴とする請求項
    3に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記補強層は金属繊維層であることを特
    徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載の空
    気入りラジアルタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記補強層は、前記カーカスの本体部分
    に隣接していることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  7. 【請求項7】 前記補強層は金属繊維層または有機繊維
    層であることを特徴とする請求項6に記載の空気入りラ
    ジアルタイヤ。
  8. 【請求項8】 周方向ベルト層のコードは、ポリエチレ
    ンテレフタレート繊維またはナイロン繊維からなり、双
    撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d〜60
    00dの範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数
    /10cm)、比重をρとすると、撚り係数Ntが、 Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×1
    -3≦0.3 の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の
    何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  9. 【請求項9】 周方向ベルト層のコードは、ポリエチレ
    ンナフタレート繊維からなり、双撚り構造を有し、総デ
    ニール数DT が1000d〜6000dの範囲であり、
    このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重を
    ρとすると、撚り係数Ntが、 Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×1
    -3≦0.6 の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の
    何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  10. 【請求項10】 周方向ベルト層のコードは、ビニロン
    繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が
    1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、
    撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚
    り係数Ntが、 Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×1
    -3≦0.6 の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の
    何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  11. 【請求項11】 周方向ベルト層のコードは、アラミド
    繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が
    1000d〜6000dの範囲であり、このコードの、
    撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚
    り係数Ntが、 Nt=T×(0.139×DT /2×1/ρ)1/2 ×1
    -3≧0.3 の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の
    何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  12. 【請求項12】 周方向ベルト層のコードの正接損失t
    anδが、初期張力1kgf/本、歪振幅0.1%、周波数
    20Hz 、雰囲気温度25°Cの条件下で、0.3以下
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れ
    か1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  13. 【請求項13】 周方向ベルト層のコードは、弾性率が
    3000kgf/mm2 以上のスチールコードであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の空
    気入りラジアルタイヤ。
  14. 【請求項14】 周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率
    は、200kgf/mm2 以上であることを特徴とする請求項
    1乃至請求項13の何れか1項に記載の空気入りラジア
    ルタイヤ。
  15. 【請求項15】 周方向ベルト層のコードは、螺旋状に
    巻回されていることを特徴とする請求項1乃至請求項1
    4の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  16. 【請求項16】 傾斜ベルト層のコードまたはフィラメ
    ントは、スチール材料からなることを特徴とする請求項
    1乃至請求項15の何れか1項に記載の空気入りラジア
    ルタイヤ。
  17. 【請求項17】 傾斜ベルト層のコードまたはフィラメ
    ントは、タイヤ赤道面に対する傾斜角度が15°〜45
    °の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項1
    6の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  18. 【請求項18】 傾斜ベルト層のコードまたはフィラメ
    ントと、最もタイヤ径方向内側の周方向ベルト層のコー
    ドとの間に位置するゴムの厚みを、タイヤ幅方向断面内
    において、タイヤ幅方向端部でタイヤ幅方向中央部に比
    して大きくしたこと特徴とする請求項1乃至請求項17
    の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  19. 【請求項19】 最もタイヤ径方向外側の周方向ベルト
    層のコードと、トレッドゴムの内周面との間に位置する
    被覆ゴムの厚みを、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅
    方向中央部でタイヤ幅方向端部に比して大きくしたとを
    特徴とする請求項1乃至請求項18の何れか1項に記載
    の空気入りラジアルタイヤ。
  20. 【請求項20】 周方向ベルト層は、タイヤ幅方向中央
    部で少なくとも2層であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項19の何れか1項に記載の空気入りラジアルタ
    イヤ。
  21. 【請求項21】 周方向ベルト層は、タイヤ幅方向端部
    で少なくとも2層であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項20の何れか1項に記載の空気入りラジアルタイ
    ヤ。
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