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JP2001297626A - 可逆的ゾル−ゲル状電解質とこれを用いてなる電気化学素子 - Google Patents

可逆的ゾル−ゲル状電解質とこれを用いてなる電気化学素子

Info

Publication number
JP2001297626A
JP2001297626A JP2000117220A JP2000117220A JP2001297626A JP 2001297626 A JP2001297626 A JP 2001297626A JP 2000117220 A JP2000117220 A JP 2000117220A JP 2000117220 A JP2000117220 A JP 2000117220A JP 2001297626 A JP2001297626 A JP 2001297626A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
reversible
gel electrolyte
sol
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000117220A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Uetani
慶裕 植谷
Takashi Yamamura
隆 山村
Keisuke Yoshii
敬介 喜井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2000117220A priority Critical patent/JP2001297626A/ja
Publication of JP2001297626A publication Critical patent/JP2001297626A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G11/00Hybrid capacitors, i.e. capacitors having different positive and negative electrodes; Electric double-layer [EDL] capacitors; Processes for the manufacture thereof or of parts thereof
    • H01G11/54Electrolytes
    • H01G11/56Solid electrolytes, e.g. gels; Additives therein

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
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  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ゲル化能力のすぐれた可逆的ゾル−ゲル状電解
質組成物とこれを電解質として用いてなる電池とコンデ
ンサを提供する。 【解決手段】可逆的ゲル化剤と電解質塩とこの電解質塩
のための溶媒とからなる可逆的ゾル−ゲル状電解質組成
物において、可逆的ゲル化剤として、分子中にイミノ基
とカルボニル基とを有し、ヒドロキシル基を有しない有
機化合物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン伝導性とゲル化
能力にすぐれた可逆的ゾル−ゲル状電解質組成物と、こ
れを固体電解質として用いてなる電気化学素子、好まし
くは、電池とコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気化学素子に広く用いられてい
る固体電解質は、固体状態でイオン伝導性の高い物質で
あって、なかでも、高分子物質を固体として用いる高分
子固体電解質は、最近、次世代リチウムイオン二次電池
用電解質として、特に、注目されており、世界的に研究
が推進されている。このような高分子固体電解質は、従
来の電解質溶液に比べて、液漏れのおそれがなく、ま
た、薄膜にすることができる等、その形状も、自由度が
大きい。
【0003】しかしながら、従来、知られている非水系
の高分子固体電解質は、電解質溶液に比べて、イオン伝
導性が低いという問題がある。例えば、従来、ポリエチ
レングリコールやポリプロピレングリコール等の鎖状ポ
リマーやポリフォスファゼン等の櫛型ポリマー等のポリ
マー材料を電解質塩と複合化してなる非水系高分子固体
電解質が知られているが、従来、電導度が室温で10-3
S/cmを上回るものは見出されていない。
【0004】そこで、近年、種々の非水系ゲル状電解質
の実用化が研究されており、これによれば、室温におい
て、10-3S/cm以上の電導度を有し、電解質溶液に
近いものが提案されている。このようなゲル状電解質
は、ポリマー材料と非水系有機溶媒とによって形成され
るゲル中に電解質塩を溶解させたものであり、ポリマー
材料又はその前駆体を電解質塩と共に有機溶媒に溶解さ
せた後、固体化(ゲル化)することによって得ることが
できる。
【0005】例えば、J. Electrochem. Soc., Vol. 13
7, 1657-1658 (1990)には、過塩素酸リチウムを溶解さ
せたプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの
混合溶媒よりなる有機電解液をポリアクリロニトリルで
ゲル化し、シート状としたゲル電解質が提案されてい
る。特開平11−16579号公報には、ポリアクリロ
ニトリルと電解質塩と非水溶媒とからなるゲル電解質が
提案されている。また、特開平8−298126号公報
には、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド
をポリマー成分とし、溶媒としてγ−ブチロラクトンを
用いてなるゲル電解質が提案されている。
【0006】このように、従来の固体電解質に有機溶媒
を配合した電解質は、一般に、ゲル電解質と呼ばれてい
る。このようなゲル電解質は、上述したような従来の固
体電解質に比べれば、幾分、イオン伝導性の向上がみら
れるが、それでも、液体電解質に比べれば、尚、低い。
従って、このようなゲル電解質を電池に用いた場合、内
部抵抗は、十分には低減されておらず、また、電極の形
状が変化したような場合には、依然として、そのような
電極の形状の変化に追随できない。
【0007】更に、一般に、ゲル電解質において、十分
なゲル状態を得るには、上記ポリマー成分の配合割合を
20重量%程度以上とする必要があるが、このようにポ
リマー成分の配合割合を高くすれば、液体電解質に比べ
て、電導度が低くなるので、電池の内部抵抗が高くな
り、充放電特性が悪くなる。特に、0℃以下の低温にお
いて、この傾向が著しい。
【0008】また、例えば、電池における電極が粒状や
鱗片状の活物質の集合体からなり、その間に空隙を有す
るときや、また、空隙を有する多孔質材料からなるとき
は、そのような空隙に電解質が存在することによって、
はじめて、電極−電解質界面での反応物質の授受が円滑
に行なわれて、十分な充放電を行なうことができる。従
って、一般に、電極と共に固体電解質やゲル電解質を含
む電気化学素子を製造するときは、それらの電解質を予
め電極の有する空隙中に充填しておくことが必要であ
る。かくして、従来、電極と共に固体電解質を含む電気
化学素子の製造には多くの工程を必要とし、生産性に劣
るほか、製造費用も嵩むこととなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の固体
電解質における上述したような問題を解決するためにな
されたものであって、可逆的ゲル化剤と電解質塩とこの
電解質塩のための溶媒とからなる可逆的ゾル−ゲル状電
解質組成物において、ある種の極性基を有し、ある種の
極性基を有しないという分子構造を有する点にて特徴付
けられる有機化合物を可逆的ゲル化剤として用いること
によって、イオン伝導性とゲル化能力にすぐれた可逆的
ゾル−ゲル状電解質組成物を得ることができ、更に、こ
れを固体電解質として用いることによって、特性にすぐ
れた電池やコンデンサを得ることができることを見出し
て、本発明に至ったものである。
【0010】従って、本発明は、イオン伝導性とゲル化
能力にすぐれた可逆的ゾル−ゲル状電解質組成物と、こ
れを固体電解質として用いてなる電気化学素子、特に、
電池とコンデンサを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、可逆的
ゲル化剤と電解質塩とこの電解質塩のための溶媒とから
なる可逆的ゾル−ゲル状電解質組成物において、可逆的
ゲル化剤が分子中にイミノ基とカルボニル基とを有する
有機化合物であることを特徴とする可逆的ゾル−ゲル状
電解質が提供される。
【0012】更に、本発明によれば、このような可逆的
ゾル−ゲル状電解質を固体電解質として用いてなる電気
化学素子、好ましくは、電池とコンデンサが提供され
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明による可逆的ゾル−ゲル状
電解質組成物は、可逆的ゲル化剤、電解質塩及びこの電
解質塩のための溶媒、即ち、電解質塩を溶解する溶媒、
好ましくは、非水(有機)溶媒からなる。このように、
可逆的ゲル化剤は、電解質を溶媒に溶解した電解液に配
合するとき、得られる組成物に可逆的なゾル−ゲル性を
付与する物質である。
【0014】即ち、本発明において、可逆的ゲル化剤と
は、電解質塩を溶解させた溶媒、好ましくは、非水溶媒
の溶液(即ち、非水電解液)に配合するとき、得られる
組成物が、これを室温(25℃)よりも高い温度、例え
ば、限定されるものではないが、50℃以上、好ましく
は、50〜100℃に加熱するとき、均一な溶液を形成
し、この溶液を室温(25℃)に冷却するとき、可逆的
にゲル状組成物を形成する物質をいい、原理的には、温
度や圧力等の変動に応じて結合と解離、又は可動性と不
動化を可逆的に行なうことのできる物質であり、例え
ば、水素結合、配位結合、ファンデルワールス力等のよ
うな分子間又は分子内の相互作用によって、上記結合と
解離、又は可動性と不動化を可逆的に行なうことができ
る物質が有用である。
【0015】本発明によれば、このような可逆的ゲル化
剤として、分子中にイミノ基とカルボニル基とを有する
化合物、特に、これらのイミノ基とカルボニル基が分子
中でアミド結合を形成しており、更に、分子中にヒドロ
キシル基を有しない有機化合物が好ましく用いられる。
【0016】従来、例えば、オイルゲル化剤として、種
々の可逆的ゲル化剤が知られているが、このような可逆
的ゲル化剤が分子中にヒドロキシル基を有する場合に
は、このヒドロキシル基が電気化学的に不安定であるの
で、電池やコンデンサにおいて、電解質として用いると
きは、十分な特性を得ることができない。例えば、負極
にリチウム金属やリチウムイオンを送入脱離する活物質
を用いた電池において、上述したような分子中にヒドロ
キシル基を有するゲル化剤を含む電解質を用いた場合に
は、このヒドロキシル基が上記リチウム金属やリチウム
イオンと反応するので、十分な電池特性を得ることがで
きない。
【0017】本発明において用いる上述したような特徴
的な分子構造を有する可逆的ゲル化剤の好ましい具体例
として、例えば、次式(1)
【0018】
【化3】
【0019】で表わされる化合物や、次式(2)
【0020】
【化4】
【0021】で表わされる化合物を挙げることができ
る。これらは、単独で用いてもよく、また、組合わせて
用いてもよい。本発明において、電解質塩としては、水
素イオン、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属のイオン、カルシウム、ストロンチウム等のアル
カリ土類金属のイオン、第3級又は第4級アンモニウム
イオンをカチオン成分とし、塩酸、硝酸、リン酸、硫
酸、テトラフルオロホウ酸、フッ化水素酸、ヘキサフル
オロリン酸、過塩素酸等の無機酸や、有機カルボン酸、
フッ素置換有機カルボン酸、有機スルホン酸、フッ素置
換有機スルホン酸等の有機酸をアニオン成分とする塩を
用いることができる。これらのなかでは、特に、アルカ
リ金属イオンをカチオン成分とする電解質塩が好ましく
用いられる。
【0022】このようなアルカリ金属イオンをカチオン
成分とする電解質塩の具体例としては、例えば、過塩素
酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等
の過塩素酸アルカリ金属、テトラフルオロホウ酸リチウ
ム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロ
ホウ酸カリウム等のテトラフルオロホウ酸アルカリ金
属、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリ
ン酸カリウム等のヘキサフルオロリン酸アルカリ金属、
トリフルオロ酢酸リチウム等のトリフルオロ酢酸アルカ
リ金属、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等のト
リフルオロメタンスルホン酸アルカリ金属を挙げること
ができる。
【0023】本発明において、上記電解質塩のための非
水系有機溶媒としては、用いる電解質塩を溶解するもの
であれば、特に、制約を受けることなく、適宜に選ばれ
るが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン
等の環状エステル類、テトラヒドロフラン、ジメトキシ
エタン等のエーテル類、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状エ
ステル類等を挙げることができる。これらは、単独で、
又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0024】本発明において、可逆的ゾル−ゲル状電解
質組成物における可逆的ゲル化剤の配合量は、それ自体
のみならず、用いる電解質塩や溶媒に応じて、これらの
混合物が所期の可逆的ゾル−ゲル状電解質組成物を形成
するように、適宜に決定されるが、通常、得られる可逆
的ゾル−ゲル状電解質組成物の0.1〜20重量%の範囲
である。また、電解質塩の配合量も、それ自体のみなら
ず、用いる可逆的ゲル化剤や溶媒に応じて、適宜に決定
されるが、通常、得られる可逆的ゾル−ゲル状電解質組
成物の1〜20重量%の範囲である。
【0025】本発明による可逆的ゾル−ゲル状電解質組
成物は、上述した溶媒に電解質塩と可逆的ゲル化剤を加
え、例えば、50℃以上の温度に加熱することによっ
て、均一な溶液(ゾル)として得ることができ、これを
室温(25℃)に冷却すれば、ゲルとすることができ
る。
【0026】即ち、本発明による可逆的ゾル−ゲル状電
解質組成物は、室温(25℃)においてゲルであり、こ
れを50℃から100℃程度の高い温度に加熱すること
によって、ゾルとすることができ、このようなゾルとゲ
ルの間の変化は可逆的である。しかも、この可逆的ゾル
−ゲル状電解質組成物は、ゾルの状態で成形し、これを
ゲル化することによって、任意の形状に形成することが
できる。
【0027】従って、本発明による電解質は、例えば、
これをゾル状態として、多孔質膜中に含浸させ、これを
室温(25℃)に冷却すれば、ゲルとして、多孔質膜中
に固定することができる。
【0028】本発明による可逆的ゾル−ゲル状電解質組
成物は、一対の電極が電解質を介して、対向して配設さ
れてなる電気化学素子、例えば、電池、コンデンサ又は
キャパシタ等の製造において、非水電解質として有利に
用いることができる。即ち、一対の電極が隙間を置い
て、又は多孔質シートを介して、対向して配設されてな
る電気化学素子の仕掛品を用意し、本発明による上述し
た可逆的ゾル−ゲル状電解質組成物のゾルを上記仕掛品
に含浸した後、上記ゾルをゲル化させることによって、
上記電極間の隙間に固体電解質を充填し、又は多孔質シ
ートに固体電解質を充填し、かくして、本発明による可
逆的ゾル−ゲル状電解質組成物を固体電解質として用い
てなる電気化学素子を得ることができる。
【0029】例えば、電池の場合であれば、電池用セパ
レータを形成するための多孔質膜を電極と積層し、又は
共に捲回する等して組合わせて、上記多孔質膜を介して
一対の電極を対向して配設し、これを、例えば、電池外
装体内に配置して、いわば仕掛品を組み立てた後、この
外装体内に可逆的ゾル−ゲル状電解質組成物のゾルを注
入し、多孔質膜中に含浸させた後、冷却して、多孔質膜
にゲル化した電解質を担持し、かくして、セパレータを
形成すれば、このようなセパレータを介して電極が配設
されてなる電池を生産性よく簡単に得ることができる。
【0030】特に、電解質塩としてのリチウム塩と非水
有機溶剤とからなる非水電解質溶液に前記可逆的ゲル化
剤を配合して、可逆的ゾル−ゲル状電解質組成物とし、
これを用いて、上述したようにして、リチウムイオン電
池を得ることができる。上記リチウム塩としては、例え
ば、前述したように、過塩素酸リチウム、テトラフルオ
ロホウ酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ト
リフルオロ酢酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン
酸リチウム等を用いることができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、可逆的
ゲル化剤と電解質塩とこの電解質塩のための溶媒とから
なり、上記可逆的ゲル化剤として、分子中に、好ましく
は、アミド結合を形成しているイミノ基とカルボニル基
とを有し、更に、好ましくは、分子中に、ヒドロキシル
を有しない有機化合物を用いることによって、ゲル化能
力とイオン伝導性とにすぐれた可逆的ゾル−ゲル状電解
質組成物を得ることができる。
【0032】更に、本発明によれば、このような可逆的
ゾル−ゲル状電解質組成物を固体電解質として用いるこ
とによって、例えば、電池やコンデンサ等、すぐれた特
性を有する電気化学素子を得ることができる。特に、本
発明による非水電解質電池は、液漏れが起こらず、内部
抵抗が低く、すぐれた充放電特性を有する。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0034】実施例1 (正極シートの作製)コバルト酸リチウム(LiCoO
2 、平均粒径15μm)、黒鉛粉末及びポリフッ化ビニ
リデン樹脂を重量比85:10:5にて混合し、これを
N−メチル−2−ピロリドンに投入し、攪拌して、固形
分濃度15重量%のスラリーを調製した。塗工機を用い
て、このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔(集
電体)の表面に厚み200μmに塗布し、80℃で1時
間乾燥し、更に、このアルミニウム箔の裏面にも、上記
スラリーを厚さ200μmに塗布し、乾燥した。次い
で、このように処理したアルミニウム箔を120℃2時
間加熱し、乾燥した後、ロールプレスに通して、厚さ2
00μmの正極シートを製作した。
【0035】(負極シートの作製)黒鉛粉末とポリフッ
化ビニリデン樹脂とを重量比95:5にて混合し、これ
をN−メチル−2−ピロリドンに投入し、攪拌して、固
形分濃度15重量%のスラリーを調製した。塗工機を用
いて、このスラリーを厚さ20μmの銅箔(集電体)の
表面に厚み200μmに塗布し、80℃で1時間加熱
し、乾燥し、更に、この銅箔の裏面にも、上記スラリー
を厚み200μmに塗布し、80℃で1時間加熱し、乾
燥した。この後、このように処理した銅箔を120℃で
2時間加熱し、乾燥した後、ロールプレスに通して、厚
さ200μmの負極シートを製作した。
【0036】(可逆的ゾル−ゲル電解質組成物の調製)
エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート容量
比1/1の混合物からなる溶媒に、電解質として、過塩
素酸リチウム(LiClO4 )を1mol/L濃度とな
るように溶解させて、電解液とし、これにゲル化剤とし
て前記式(1)で表わされる化合物を5重量%加え、9
0℃に加熱し、溶解させて、可逆的ゾル−ゲル状電解質
組成物を調製した。
【0037】(電池の製作)上記正極シートを幅58m
m、長さ550mmの寸法に裁断し、負極シートを幅5
9mm、長さ600mmの寸法に裁断し、それぞれの集
電体にリードを取り付けた。これら電極シートと幅60
mmのポリエチレン樹脂多孔質膜(厚さ25μm、空孔
率50%、平均孔径0.1μm)とを交互に積層し、これ
を最も外側に上記多孔質膜が位置するようにコイル状に
捲回して円筒とした。最も外側の多孔質膜を粘着テープ
にてその内側の多孔質膜上に固定して、電気化学素子の
仕掛品を作製し、この仕掛品をアルミニウム製の電池缶
内に挿入した。また、別に、上記仕掛品をアルミニウム
蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム製の電池
袋内に挿入した。
【0038】上記可逆的ゾル−ゲル電解質組成物を70
℃に加熱してゾルとし、これを上記電池缶と電池袋内に
それぞれ注入して、仕掛品中に十分に含浸させた後、冷
却し、上記ゾルをゲル化させた。この後、電池缶の口部
に蓋をし、また、電池袋の開口部をヒートシールして封
じ、このようにして、それぞれリチウムイオン二次電池
を缶電池及び袋電池として得た。
【0039】実施例2 ゲル化剤として、前記式(2)で表わされる化合物を用
いた以外は、実施例1と同様にして、リチウムイオン二
次電池を缶電池及び袋電池として得た。
【0040】比較例1 エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートの容
量比1:1の混合物からなる溶媒に、電解質として過塩
素酸リチウム(LiClO4 )を1mol/L濃度とな
るように溶解させ、これを電解液として用いた以外は、
実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を缶電
池及び袋電池として得た。
【0041】比較例2 エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート容量
比1/1の混合物からなる溶媒に、電解質として過塩素
酸リチウム(LiClO4 )を1mol/L濃度となる
ように溶解させて電解液とし、これにゲル化剤として、
1,2,3,4−ジベンジリデン−D−ソルビトール5重量%
加え、90℃に加熱し、溶解させて、可逆的ゾル−ゲル
状電解質組成物を調製した。この電解質組成物を用い
て、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を
缶電池及び袋電池として得た。
【0042】比較例3 エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート容量
比1/1の混合物からなる溶媒に、電解質として過塩素
酸リチウム(LiClO4 )を1mol/L濃度となる
ように溶解させて電解液とし、これにゲル化剤として、
ビス(p−メチルベンジリデン−D−ソルビトール5重
量%加え、90℃に加熱し、溶解させて、可逆的ゾル−
ゲル状電解質組成物を調製した。この電解質組成物を用
いて、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池
を缶電池及び袋電池として得た。
【0043】比較例4 過塩素酸リチウム(LiClO4 )をプロピレンカーボ
ネートに1mol/L濃度に溶解し、これを100℃に
加熱し、ポリメチルメタクリレート(Aldrich社
製、平均分子量120000)を30重量%加えて溶解
させ、キャステイング法にて厚さ50μmのゲル状電解
質シートを得た。
【0044】このようにして得たゲル電解質シートをセ
パレータに代えて、実施例1と同様にして、電極シート
と交互に積層し、これを最も外側にゲル電解質シートが
位置するように捲回して円筒とした。最も外側のゲル状
電解質シートを粘着テープにてその内側のゲル状電解質
シート上に固定して、電気化学素子を作製した。この電
気化学素子をアルミニウム製の電池缶内に挿入し、ま
た、別に、上記仕掛品をアルミニウム蒸着したポリエチ
レンテレフタレート製の電池袋内に挿入して、それぞれ
リチウムイオン二次電池を缶電池及び袋電池として得
た。
【0045】このようにして得たそれぞれの電池につい
て、内部抵抗を測定すると共に、充放電試験を行ない、
また、外装体に直径1mmの孔を空け、この孔を下向き
にして、30分間放置したときの重量を当初の重量と比
較して、電解液(質)の漏れの有無を調べた。
【0046】電池の内部抵抗は、LCRメーター(国洋
電機(株)製KC−546)を用いて、周波数10kH
zにて測定した。また、充放電試験は、電池を25℃の
恒温器に入れて、これに充放電端子を接続し、3時間放
置した後、0.2CmAで充放電を行なって、比較例1に
よる電池の放電容量(100%)に対するそれぞれの電
池の放電容量の比(百分率)にて示す。
【0047】結果を表1に示すように、本発明による可
逆的ゾル−ゲル電解質組成物を用いた電池は、缶電池も
袋電池もいずれも、内部抵抗が低く、放電容量も、従来
の電解液を用いたものと実質的に同じであって、すぐれ
た充放電特性を有する。また、液漏れもない。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明による可逆的ゾル−ゲル状電解質
組成物は、可逆的ゲル化剤として、特徴的な分子構造を
有する有機化合物を用いるので、イオン伝導性とゲル化
能力にすぐれており、従って、このような可逆的ゾル−
ゲル状電解質組成物を用いることによって、すぐれた特
性を有する電池、コンデンサ、キャパシタ等の電気化学
素子を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 10/40 H01G 9/02 311 (72)発明者 喜井 敬介 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 5G301 CA30 CD01 5H029 AJ06 AK03 AL07 AM03 AM07 AM16 BJ02 BJ04 BJ14 CJ07 DJ09 DJ16 HJ02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可逆的ゲル化剤と電解質塩とこの電解質塩
    のための溶媒とからなる可逆的ゾル−ゲル状電解質組成
    物において、可逆的ゲル化剤が分子中にイミノ基とカル
    ボニル基とを有する有機化合物であることを特徴とする
    可逆的ゾル−ゲル状電解質。
  2. 【請求項2】イミノ基とカルボニル基とが分子中にてア
    ミド結合を形成している請求項1に記載の可逆的ゾル−
    ゲル状電解質。
  3. 【請求項3】イミノ基とカルボニル基とが分子中にてア
    ミド結合を形成していると共に、分子中にヒドロキシル
    基を有しない請求項1に記載の可逆的ゾル−ゲル状電解
    質。
  4. 【請求項4】可逆的ゲル化剤が次式(1) 【化1】 で表わされる化合物及び次式(2) 【化2】 で表わされる化合物から選ばれる少なくとも1種である
    請求項1に記載の可逆的ゾル−ゲル状電解質。
  5. 【請求項5】一対の電極が電解質を介して、対向して配
    設されてなる電気化学素子において、上記電解質が請求
    項1から4のいずれかに記載の可逆的ゾル−ゲル状電解
    質からなることを特徴とする電気化学素子。
  6. 【請求項6】一対の電極が電解質を介して、対向して配
    設されてなる電気化学素子において、上記電解質が請求
    項1から4のいずれかに記載の可逆的ゾル−ゲル状電解
    質からなることを特徴とする電池。
  7. 【請求項7】一対の電極が電解質を介して、対向して配
    設されてなる電気化学素子において、上記電解質が請求
    項1から4のいずれかに記載の可逆的ゾル−ゲル状電解
    質からなることを特徴とするコンデンサ。
  8. 【請求項8】請求項1から4のいずれかに記載の可逆的
    ゾル−ゲル状電解質からな電解質を介して、一対の電極
    が対向して配設されてなるリチウムイオン電池におい
    て、電解質塩がリチウム塩からなることを特徴とするリ
    チウムイオン電池。
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