JP2001293825A - 防曇性基材およびその形成方法 - Google Patents
防曇性基材およびその形成方法Info
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Abstract
にわたり防曇性能を維持することが可能な防曇性被膜を
得ること。 【解決手段】 アセタール化度が10モル%以下のポリ
ビニルアセタアール樹脂とシリルイソシアネートの加水
分解物もしくは部分加水分解物が混在されてなる吸水性
複合膜と、その上層に透水性を有する膜厚3〜10nm
の保護膜とを積層すること。
Description
等の防曇鏡、自動車用等の防曇窓ガラスあるいは防曇
鏡、建築用の防曇窓ガラス等各種の用途に用いることが
可能な防曇性基材およびその形成方法に関する。
防曇性基材としては、特開平5−51471号公報には
表層部分が−P=N−骨格を有する高分子化合物からな
る基材上に、防曇性被膜としてケン化度70mol%以
上、平均重合度300以上のポリビニルアルコールに架
橋剤加えたものを硬化性被膜として設けてなる防曇性を
付与した被覆積層体が開示されており、また、特開平6
−157794号公報にはポリビニールアセタール樹脂
のみを塗布した後、常温で乾燥させて防曇膜とする塗布
型防曇剤が開示されており、特開平6−158031号
公報には、ガラス、鏡、プラスチックフィルム等の物品
表面に、アセタール化度2〜40mol%のポリビニル
アセタール樹脂からなる防曇層を設けるか、あるいは、
物品表面に、水溶性樹脂層が設けられ、その上にアセタ
ール化度2〜40mol%のポリビニルアセタール樹脂
からなる防曇層が設けられてている防曇性物品が開示さ
れている。
は水酸基を有する有機物であるポリビニルアルコール
と、金属有機化合物であるテトラメトキシシランと、こ
れらを縮合重合させる触媒である塩酸と、からなる防曇
剤が開示されている。
平9−136374号公報には、成形された樹脂基体上
に、親水性無機微粒子及びカップリング剤を含有する第
1層と、親水性樹脂及び/または界面活性剤よりなる第
2層を設けてなることを特徴とする防曇維持性を有する
樹脂成型品が開示されており、特開平11−84102
号公報には光学基材の表面に内層としてポリアクリル酸
類およびポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも
1つの吸水性高分子を使用し、外層が多孔質膜からなる
ことを特徴とする防曇性被膜及びこれを用いた光学部品
が開示されている。
5−51471号公報あるいは、特開平6−15779
4号公報、特開平6−158031号公報、特開平10
−212471号公報および特開平9−136374号
公報記載のものは、吸水性高分子樹脂が表面に曝された
構成となっているために、防曇性能は優れているが、乾
燥時の耐擦傷性が十分ではなく、吸湿時の耐擦傷性はさ
らに悪化する傾向にあり、日常的に拭き取りを行う物品
への使用は難しく、耐擦傷性を高めるために硬化性添加
物を添加すると防曇性能が劣るために、良好な耐擦傷性
と防曇性を得ることができない。また、特開平11−8
4102号公報のものは、外層の膜厚を明記していない
が使用用途から多孔質膜を得るためには、特定の成膜法
に限定される。
問題点に鑑みてなしたものであって、基材表面に吸水性
を有するポリビニルアセタアール樹脂とシリルイソシア
ネートもしくはその部分加水分解物からなる吸水性複合
膜を形成し、さらにその上層に撥水性を有するシリカ化
合物を膜厚が10nm以下の単分子レベルになるように
制御することにより透水性をもたせた保護膜を積層する
ことにより、防曇性、耐水拭き性、耐摩耗性に優れ、長
期間にわたり防曇性能を維持することが可能な防曇性基
材およびその形成方法を開発した。
表面に、下記に示すポリビニルアセタール樹脂よりなる
A成分とシリルイソシアネートであるB成分が混在され
てなる吸水性複合膜と、透水性を有する膜厚3〜10n
mの保護膜とが積層されてなることを特徴とする。 A成分;アセタール化度が10mol%以下のポリビニ
ルアセタール樹脂 B成分:一般式Si(NCO)4で表わされるシリルイ
ソシアネート、該シリルイソシアネートの加水分解物、
その部分縮合物の何れか1種以上 また、本発明の防曇性基材は、吸水性複合膜は、重量比
率としてポリビニルアセタアール樹脂が95.0wt%
〜99.5%wt%、シリルイソシアネート、該シリル
イソシアネートの加水分解物、その部分縮合物がシリル
イソシアネート換算で0.5wt%〜5.0wt%含ま
れることを特徴とする。
撥水性を有するシリカ化合物よりなるなることを特徴と
する。
上記の防曇性基材を形成するに際し、(a)基材を用意
する工程と、(b)アセタール化度が10mol%以下
のポリビニルアセタール樹脂と、一般式Si(NCO)
4で表わされるシリルイソシアネート、該シリルイソシ
アネートの加水分解物、その部分縮合物の何れか1種以
上を、溶媒とを含む液に添加し、混合して吸水性複合膜
用の塗布液を調製する工程と、(c)前記塗布液を、前
記基材表面上に塗布し、少なくとも90℃〜150℃の
低温で熱処理して吸水性複合膜を成膜する工程と、
(d)前記吸水性複合膜の上層に、撥水性を有するシリ
カ化合物を塗布して、少なくとも90℃〜150℃の低
温で熱処理して保護膜を成膜する工程と、によって基材
表面に防曇性硬化膜を形成することを特徴とする。
一方の成分であるポリビニルアセタール樹脂としては、
アセタール化度が10mol%以下のポリビニルアセタ
ール樹脂を使用することにより良好な防曇性透明膜を形
成することができる。なお、ポリビニルアセタール樹脂
のアセタール化度が10mol%以上では防曇性に乏し
く、曇りが生じ易すくなり好ましくない。
としては、一般式Si(NCO)4で表わされるシリル
イソシアネート、該シリルイソシアネートの加水分解
物、その部分縮合物を用いることができる。なお、これ
らの成分は、ポリビニルアセタール樹脂とのバインディ
ング性に優れ、防曇性、耐水拭き性等各種物性にバラン
スよく優れさせるために、ポリビニルアセタール樹脂と
シリルイソシアネートは、該吸水性複合膜中の重量比率
として95.0:5.0〜99.5:0.5とすること
が好ましく、そのの比率が0.5wt%未満であると、
膜強度が弱くなり耐水拭き性が悪化し、5.0wt%を
超えると防曇性が劣ってくると共に調合後の液安定性が
劣ってくる。
溶媒に添加し、更に必要であればレベリング剤を添加し
て塗布液とする。希釈溶媒としては、水およびアルコ−
ル系溶媒が好ましく、具体例としては、メタノ−ル、エ
タノ−ル、プロパノ−ル、エチレングリコ−ル、プロピ
レングリコール、ヘキシレングリコ−ル、さらには酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル類、さ
らにはメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブなどのセロソルブ類及びこれらを混合した溶媒
で、レベリング剤としてジメチルシリコーンなどのメチ
ルシリコーン類を適量加えても良い。本来溶液中に含ま
れるアルコ−ル系やセロソルブ系のものの単独または混
合物を、該溶液の蒸発速度や被膜粘度を勘案して選択す
ればよい。
布する。塗布手段としてはディップコート、フローコー
ト、スピンコート、ロールコート、スプレーコート、ス
クリーン印刷、フレキソ印刷等の公知手段が採用でき
る。塗布後、90℃〜150℃の比較的低温で、30分
〜60分程度加熱することにより、溶媒の殆どが飛散す
るのと同時にシリルイソシアネート、該シリルイソシア
ネートの加水分解物、その部分縮合物がマトリックスと
して作用する。なお、前記吸水性複合膜は、ポリビニル
アセタール樹脂のOH基とシリルイソシアネートのイソ
シアネート基とが架橋反応して強固に結合するので膜強
度が強くなる。
3μm以上にするのが望ましく、3μm未満であると、
防曇耐久性が劣る傾向にある。なお、膜厚は、好ましく
は3〜60μm、より好ましい範囲としては10〜30
μmである。
に保護膜を被覆する。保護膜としては、耐擦傷性、耐水
拭き性を改善することができるので撥水性を有するシラ
ン化合物を用いることが好ましく、該シリカ化合物とし
ては、特に限定されるものでなく、一般式(CH3)nS
iCl4-n(ここでnは1〜2)で表されるアルキルク
ロルシラン、一般式(CH3)nSiR4-n(ここでnは
1〜2、Rは炭素数1〜5のアルコキシ基)で表される
アルキルアルコキシシラン、一般式CF3(CF2)nC
H2CH2SiX3(ここでnは0〜9、Xはクロル基も
しくは炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるフルオ
ロアルキルシラン、一般式CH3HSiX2(Xはクロル
基もしくは炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるメ
チルハイドロジェンシラン、一般式(CH3)3SiNH
Si(CH3)3で表されるヘキサメチルジシラザン、一
般式(CH3)nSi(CNO)4-n(ここでnは1〜
2)で表されるアルキルシリルイソシアネート等があげ
られ、これらの加水分解物および部分縮合物を含めて、
1種もしくは2種以上を併用して使用できる。さらに、
これらの撥水性シリカ化合物を吸水性能を低下させない
温度で硬化反応を促進させるために、硬化触媒を加える
ことが好ましい。
塩があげられる。このうち、キレート剤としては、アル
ミニウムエチルアセトアセテートイソプロピレート、ア
ルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミ
ニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウム
ビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート
などのアルミニウムキレート化合物、ジ−イソ−プロポ
キシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、イソ−プロ
ポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタンなどのチ
タンキレート化合物などがあげられる。
酸、酢酸、マレイン酸、クエン酸、などの有機酸があげ
られる。さらに、金属塩としては、酢酸ナトリウム、ア
ルミン酸ナトリウム、ジルコン酸ナトリウム、ナフテン
酸コバルトなどがあげられる。これらの硬化触媒は、1
種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して
用いることもできる。前記保護膜形成の原料は、水、ア
ルコール、エステル、炭化水素等の溶媒に添加し、更に
必要であればレベリング剤を添加、混合して塗布液とす
る。
上へ塗布する。塗布手段としてはディップコート、フロ
ーコート、スピンコート、ールコート、スプレーコー
ト、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の公知手段が採用
できる。塗布後、90℃〜150℃の比較的低温で、1
0分〜60分程度加熱することにより、溶媒の殆どが飛
散するのと同時に硬化膜となる。また、保護膜の膜厚
は、熱処理後において膜の立体構造から得られる透水性
を利用するために3〜10nmと単分子レベルに薄くす
ることが望ましく、10nmを超えると透水性が悪くな
り防曇性能が劣ってくる。
ものとしてはガラスが用いられるが、そのガラスは自動
車用ならびに建築用、産業用ガラス等に通常用いられて
いる板ガラス、所謂フロート板ガラスなどであり、クリ
アをはじめグリ−ン、ブロンズ等各種着色ガラスや各種
機能性ガラス、強化ガラスやそれに類するガラス、合せ
ガラスのほか複層ガラス等、さらに平板あるいは曲げ板
等各種板ガラス製品として使用できることは言うまでも
ない。また板厚としては、例えば約1.0mm程度以上
約12mm程度以下であり、建築用としては約3.0m
m程度以上約10mm程度以下が好ましく、自動車用とし
ては約2.0mm程度以上約5.0mm程度以下のガラス
である。なお、比較的低温でガラス、プラスチック等の
基材表面に防曇性被膜を形成することができるので、例
えば鏡加工をしたガラス、曲げ加工、成型まで完了した
自動車用ガラス等に、全面もしくは部分的に容易に成膜
することがもできる。また、本発明の基材はガラスに限
定されるものではなく、ガラス以外でも樹脂、金属、セ
ラミックスなど、上記温度範囲で乾燥処理をしても変質
しないものであれば使用することができる。
る。ただし本発明はかかる実施例に限定されるものでは
ない。
曇性被膜を有する防曇性光学部品は、以下に示す測定法
により諸物性を測定した。 〔繰返防曇性〕:”JIS S 4030眼鏡用くもり
止め剤試験法”により43℃に設定した温水の水蒸気中
に3分保持した時の曇り具合と、保持後に常温(23
℃、63%RH)中に取り出したときの呼気による曇り
具合を観察し、この操作を10サイクルまで行い、外観
に異常がなく曇りが発生しないものを合格とした。 〔冷温防曇性〕:4℃に設定した冷蔵庫内に防曇性光学
部品を30分保持した後、常温(23℃、63%RH)
中に取り出したときの外観、曇り具合、呼気による曇り
を観察し、この操作を10サイクルまで行い、外観が異
常なく曇りを合格とした。 〔耐水性〕:室温(23±2℃)の蒸留水中に6時間浸
漬し、浸漬後に外観に異常がなく、呼気により曇りの発
生しないものを合格とした。 〔耐水拭き性〕:布に水を含ませてしぼったもので防曇
膜表面を拭いていき、10回おきに呼気による曇り具合
を観察し、50回拭き取りで曇りが発生しないものを合
格とした。 〔トラバース摩耗性〕:キャンバス布を用いての荷重1
00g/cm2でトラバース試験を実施し、300回お
きに外観観察及び呼気による曇り具合を観察し、300
0回トラバースで外観に異常がなく曇りが発生しないも
のを合格とした。
タール化度8mol%のポリビニルアセタール樹脂(商
品名「KX−1」、固形分8%、積水化学製)と、シリ
ルイソシアネート(商品名「オルガチックスSI−40
0」、固形分100%、松本製薬製)とを、エタノール
と水の混合溶媒を用いて固形分濃度3wt%になるよう
に調製した。
ルアセタール樹脂とシリルイソシアネートの加水分解物
もしくは部分加水分解物の重量比率が98.5wt%:
1.5wt%になるようし、混合溶媒を添加して混合処
理することにより吸水性複合膜用薬液を調製した。
とした浸漬槽内に、片面をマスキングしたガラス板を浸
漬し引き上げるデッピング法により塗布し、該被塗布ガ
ラス板を約120℃で約30分程度加熱乾燥することに
より、膜厚9.5μmの膜を形成した。
キサメチルジシラザン+ジメチルシリコーン複合系薬液
(商品名「KPN−3504」、固形分100%、信越
化学製)にAl系硬化触媒を加えて保護膜用薬液とし
た。
浸漬槽内に反吸湿性被膜成膜面をマスキングした吸湿性
被膜成膜板をディッピング法により塗布し、該被塗布ガ
ラス板を約120℃で約30分程度加熱乾燥することに
より、膜厚10nmの透水性の膜を形成した。上記方法
で得られた防曇性被膜を有するガラスは、表1に示すよ
うに、各種防曇性能、耐摩耗性,外観が優れたガラスで
あることが確認された。
ソシアネートの重量比率が99.5wt%:0.5wt
%になるように調製した以外は、実施例1と同様の操作
で吸水性複合膜膜厚8μm、保護膜膜厚10nmの膜を
形成した。評価結果は、実施例1同様優れた物性を有す
るものであった。
ソシアネート重量比率が95wt%:5wt%になるよ
うに調製した以外は、実施例1と同様の操作で吸水性複
合膜膜厚13μm、保護膜膜厚10nmの膜を形成し
た。評価結果は、実施例1同様優れた物性を有するもの
であった。
ィング剤(商品名「SIC−003」松本製薬製)を使
用した以外は、実施例1と同様の操作で吸水性複合膜膜
厚11μm、保護膜膜厚10nmの膜を形成した。評価
結果は、実施例1同様優れた物性を有するものであっ
た。
−9901」信越化学製)を使用した以外は、実施例1
と同様の操作で吸水性複合膜膜厚12μm、保護膜膜厚
10nmの膜を形成した。評価結果は、実施例1同様優
れた物性を有するものであった。
独組成としたとした以外は、実施例1と同様の操作で吸
水性複合膜膜厚7μm、保護膜膜厚10nmの膜を形成
した。評価結果は、トラバース摩耗性において、300
回の試験後に表面に無数のキズが確認された。また、耐
水拭き性においても、10回の拭き取りで膜が剥離し
た。
例1と同様の操作で吸水性複合膜膜厚7μm、保護膜膜
厚2nmの膜を形成した。評価結果は、トラバース摩耗
性において、600回の試験後に表面に無数のキズが確
認された。また、耐水拭き性においても、30回の拭き
取りで膜が剥離した。
施例1と同様の操作で吸水性複合膜膜厚7μm、保護膜
膜厚20nmの膜を形成した。評価結果は、初期防曇性
において呼気により曇りが発生した。
アセタール化度70mol%以上の樹脂(積水化学製
商品名「エスレックKS−5」)を使用した以外は、実
施例1と同様の操作を行い、吸水性複合膜膜厚6μm、
保護膜10nmの膜を形成した。評価結果は、初期防曇
性において呼気により曇りが発生した。
りとしてポリビニルアルコール樹脂を使用した以外は、
実施例1と同様の操作を行い、吸水性複合膜膜厚約6μ
m、保護膜10nmの膜を形成した。評価結果は、耐水
拭き性において、20回の拭き取りで膜が剥離した。ま
た、耐水性試験においても、試験後1日以上放置しても
呼気による曇りが発生した。
とした以外は、実施例1と同様の操作で吸湿性膜膜厚7
μmの膜を得た。
て、300回の試験後に表面に無数のキズが確認され
た。また、耐水拭き性においても、20回の拭き取りで
膜が剥離した。
吸水性複合膜は、ポリビニルアセタール樹脂のOH基と
シリルイソシアネートのイソシアネート基とが架橋反応
して強固に結合するので膜強度が強くなっているととも
に、該吸水性複合膜の上層に撥水性を有し、膜厚が10
nm以下の単分子レベルの透水性の保護膜を積層してい
るので、防曇性、耐水拭き性、耐摩耗性が優れ長期間に
わたり防曇性能を維持することが可能であり、自動車
用、鏡用等に広く使用することができる。さらに、比較
的低温でガラス、プラスチック等の基材表面に防曇性被
膜を形成することができるので、例えば鏡加工をしたガ
ラス、曲げ加工、成型まで完了した自動車用ガラス等
に、全面もしくは部分的に容易に成膜することもできる
利点を有する。
Claims (4)
- 【請求項1】基材の表面に、下記に示すポリビニルアセ
タール樹脂よりなるA成分とシリルイソシアネートであ
るB成分が混在されてなる吸水性複合膜と、透水性を有
する膜厚3〜10nmの保護膜とが積層されてなること
を特徴とする防曇性基材。 A成分;アセタール化度が10mol%以下のポリビニ
ルアセタール樹脂 B成分:一般式Si(NCO)4で表わされるシリルイ
ソシアネート、該シリルイソシアネートの加水分解物、
その部分縮合物の何れか1種以上 - 【請求項2】吸水性複合膜は、重量比率としてポリビニ
ルアセタール樹脂が95.0wt%〜99.5wt%、
シリルイソシアネートが0.5wt%〜5.0wt%よ
り構成されてなることを特徴とする請求項1記載の防曇
性基材。 - 【請求項3】保護膜は、撥水性を有するシリカ化合物で
あることを特徴とする請求項1記載の防曇性基材。 - 【請求項4】請求項1記載の防曇性基材を形成するに際
し、(a)基材を用意する工程と、(b)アセタール化
度が10mol%以下のポリビニルアセタール樹脂と、
一般式Si(NCO)4で表わされるシリルイソシアネ
ート、該シリルイソシアネートの加水分解物、その部分
縮合物の何れか1種以上を、溶媒とを含む液に添加し、
混合して塗布液を調製する工程と、(c)前記塗布液を
前記基材表面上に塗布し、90℃〜150℃の低温で熱
処理して吸水性複合膜を成膜する工程と、(d)前記吸
水性複合膜の上層に、撥水性を有するシリカ化合物を塗
布して、90℃〜150℃の低温で熱処理して保護膜を
成膜する工程と、によって基材表面に防曇性硬化膜を形
成することを特徴とする防曇性基材の形成方法。
Priority Applications (2)
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