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JP2001284285A - Cu又はCu含有膜の形成方法、及び装置 - Google Patents

Cu又はCu含有膜の形成方法、及び装置

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Publication number
JP2001284285A
JP2001284285A JP2000089695A JP2000089695A JP2001284285A JP 2001284285 A JP2001284285 A JP 2001284285A JP 2000089695 A JP2000089695 A JP 2000089695A JP 2000089695 A JP2000089695 A JP 2000089695A JP 2001284285 A JP2001284285 A JP 2001284285A
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plate
substrate
gas
film
vacuum container
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JP2000089695A
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Hitoshi Sakamoto
仁志 坂本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制御性良く均質、高品質なCu膜あるいはCu
1−xSi膜を形成することを課題とする。 【解決手段】真空容器1と、この真空容器1内に配置さ
れ、片面にCu板4を支持する加熱冷却装置2と、前記
真空容器1内に配置され、片面に基板6を該基板6が前
記Cu板6と向き合うように支持する基板加熱装置3
と、前記真空容器1内のCu板6に塩素ガスを照射する
塩素ガスノズル7と、この塩素ガスノズル7からのガス
の流量を制御する流量制御装置9と、前記真空容器1内
を排気する真空排気装置10とを具備することを特徴と
するCu膜の形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超伝導材料、透光
性セラミックス材料、半導体配線材料などを対象とし
た、特定組成を有するCu膜を塩素系ガスエッチング反
応を用いて作成する、Cu膜又はCu含有膜の形成方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、Cu膜は、真空蒸着法、イオンプ
レーティング、及びスパッタリング等の物理的成膜法
と、化学的気相成膜(CVD)法とで作られていた。特
に、CVD法は表面の被覆性に優れ、また高速成膜が可
能であることから、一般的に広く用いられている。この
際の原料化合物は、Cu(hfac)(ヘキサフルオロ
アセチルアセトネート)に代表されるような有機金属錯
体が有効とされている。また、フッ素を含まない有機金
属錯体についても、各種考案されている(特開平4−7
2066、特開平4−74866、特開平9−5317
7)。これを昇華・輸送し、熱、光、プラズマ等により
励起して膜を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記C
VD法によって膜を形成する場合、(1)原料化合物が
非常に高価である他、(2)昇華に際しての制御が非常
に難しいことによる膜の再現性、均質性に問題があっ
た。また、(3)Siとの電気的接触性を高めるために
別途緩衝層を必要としていた。さらに、(4)ハロゲン
を含んだ原料化合物の場合、膜中にハロゲン化合物が生
成され、電気特性に悪影響を及ぼしていた。
【0004】本発明はこうした問題点を解消するために
なされたもので、 安価で入手しやすいCu板を原材料
とし、かつ安価で入手しやすい塩素ガス又はジクロロシ
ランガスを用いてエッチングすることにより、Cu
フラックス又はCuSiClフラックスを生
成し、これを基板へ輸送することにより、低コスト化、
再現性かつ均質性が良好な膜の形成、緩衝層を不要化、
及び良好な電気特性の実現をなしえるCu又はCu含有
膜の形成方法を提供することを目的とする。
【0005】また、本発明は、真空容器内のCu板に塩
素ガス又はジクロロシランガスを照射するガスノズル
と、このガスノズルからのガスの流量を制御する流量制
御装置等を具備した構成とすることにより、上記と同様
な効果を有するCu又はCu含有膜の形成装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明は、真空
容器内の基板上にCu膜又はCu含有膜を形成する方法
であり、Cu板を原材料とし、かつ塩素ガス又はジクロ
ロシランガスを用いてエッチングすることにより、Cu
Clフラックス又はCuSiClフラックス
を生成し、これを基板へ輸送することを特徴とするCu
又はCu含有膜の形成方法である。
【0007】本願第2の発明は、真空容器と、この真空
容器内に配置され、片面にCu板を支持する加熱冷却装
置と、前記真空容器内に配置され、片面に基板を該基板
が前記Cu板と向き合うように支持する基板加熱装置
と、前記真空容器内のCu板に塩素ガスを照射する塩素
ガスノズルと、この塩素ガスノズルからのガスの流量を
制御する流量制御装置と、前記真空容器内を排気する真
空排気装置とを具備することを特徴とするCu膜の形成
装置である。
【0008】本願第3の発明は、真空容器と、この真空
容器内に配置され、片面にCu板を支持する加熱冷却装
置と、前記真空容器内に配置され、片面に基板を該基板
が前記Cu板と向き合うように支持する基板加熱装置
と、前記真空容器内のCu板にジクロロシランガスを照
射するジクロロシランガスノズルと、このジクロロシラ
ンガスノズルからのガスの流量を制御する流量制御装置
と、前記真空容器内を排気する真空排気装置とを具備す
ることを特徴とするCu膜の形成装置である。
【0009】本願第4の発明は、真空容器と、この真空
容器内に配置され、片面にCu板を支持する加熱冷却装
置と、前記真空容器内に配置され、片面に基板を該基板
が前記Cu板と向き合うように支持する基板加熱装置
と、前記真空容器内のCu板に塩素ガスを照射する塩素
ガスノズルと、この塩素ガスノズルからのガスの流量を
制御する流量制御装置と、前記塩素ガスのエッチング反
応により発生したCuClフラックスに原子状水素
を照射する水素プラズマ源と、前記真空容器内を排気す
る真空排気装置とを具備することを特徴とするCu膜の
形成装置である。
【0010】本願第5の発明は、真空容器と、この真空
容器内に配置され、片面にCu板を支持する加熱冷却装
置と、前記真空容器内に配置され、片面に基板を該基板
が前記Cu板と向き合うように支持する基板加熱装置
と、前記真空容器内のCu板にジクロロシランガスガス
を照射するジクロロシランガスノズルと、このジクロロ
シランガスノズルからのガスの流量を制御する流量制御
装置と、前記ジクロロシランガスのエッチング反応によ
り発生したCuSiClフラックスに原子状水素
を照射する水素プラズマ源と、前記真空容器内を排気す
る真空排気装置とを具備することを特徴とするCu膜の
形成装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に具体的
に説明する。第1の発明において、前記塩素ガスの他水
素ガスを用いてCu板をエッチングすることにより C
Clフラックスを生成し、これを基板へ輸送して
もよい。ここで、塩素ガスのみをCu板に照射してCu
板をエッチングするときは、この反応により形成される
CuClフラックスを基板表面へ輸送する。一方、
塩素ガスの他水素ガスも用いる場合とは、例えば後述す
る図3に示すように、塩素ガスをCu板に照射してCu
板をエッチングし、この反応により形成されるCu
フラックスに原子状水素プラズマを照射し、これに
より基板上に塩素を含まないCu膜を形成する場合を示
す。
【0012】第1の発明において、前記ジクロロシラン
ガスの他水素ガスを用いてエッチングすることにより
CuSiClフラックスを生成し、これを基板へ
輸送してもよい。ここで、塩素ガスのみをCu板に照射
してCu板をエッチングするときは、この反応により形
成されるCuClフラックスを基板表面へ輸送す
る。一方、ジクロロシランガスの他水素ガスも用いる場
合とは、例えば後述する図4に示すように、ジクロロシ
ランガスをCu板に照射してCu板をエッチングし、こ
の反応により形成されるCuSiClフラックス
に原子状水素プラズマを照射し、これにより基板上に高
純度なCu1−xSi膜を形成する場合を示す。
【0013】第1の発明において、前記Cu板の温度は
0〜500℃に制御することが好ましい。これにより、
Cu板表面のエッチング速度及びエッチング形態を制御
することが可能である。なお、上記温度範囲において、
下限値は塩素ガス又はジクロロシランガスが凝集しない
温度、上限値はCuが溶解しない温度として規定してい
る。即ち、上記温度範囲において温度を上昇させること
によりエッチング速度(CuCl生成量又はCu
SiCl生成量:x、y、zは温度に依存)を増加
させ、Cuの成膜速度を向上させることができる。但
し、Cuの膜質を考慮した場合、エッチング反応の急増
を防ぐため300〜400℃の範囲で制御することが好
ましい。
【0014】第1の発明において、前記塩素ガスの圧力
又はジクロロシランガスの圧力は、0.1mmTorr
〜1Torrに制御することが好ましい。ここで、前記
ガス流量及び圧力もCuの成膜速度に関係するが、エッ
チング反応が実用的な速度で真空雰囲気中で行われる必
要性から、塩素ガス又はジクロロシランガスの圧力を上
記の範囲で制御するものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1に係るCu薄膜
の製造装置の説明図を示す。図中の符番1は真空容器で
あり、内部にCu板加熱冷却装置2、基板加熱冷却装置
3が対向して配置されている。前記Cu板加熱装置2の
下面側にはCu板4が支持されている。前記基板加熱冷
却装置3には、表面にCu膜5を形成した基板6が支持
されている。前記真空容器1には、真空容器1の外側よ
り前記Cu板4に向けて塩素ガスノズル7が配置されて
いる。この塩素ガスノズル7には、ストップバルブ8を
介して流量制御装置9が接続されている。前記真空容器
1には、真空排気装置10が接続されている。なお、図
中の符番11は、CuClフラックスを示す。
【0016】こうした装置において、Cu板4の温度、
塩素ガス圧力及び流量、基板温度を独立に変化させるこ
とが可能である。具体的には、例えばCu板4の温度に
おいては、0〜800℃までの温度設定によりCu表面
のエッチング速度及びエッチング形態を制御することが
可能である。ここで、下限値は塩素ガスが凝集しない温
度、上限値はCuが溶解しない温度として規定してい
る。即ち、上記温度範囲において温度を上昇させること
によりエッチング速度(CuCl生成量:x、yは
温度に依存)を増加させ、Cuの成膜速度を向上させる
ことができる。但し、Cuの膜質を考慮した場合、エッ
チング反応の急増を防ぐため300〜400℃の範囲で
制御することが好ましい。
【0017】塩素ガス流量及び圧力もCuの成膜速度に
関係するが、エッチング反応が実用的な速度で真空雰囲
気中で行われる必要性から、塩素ガス圧力は0.1mm
Torr〜1Torrの範囲で制御するのが望ましい。
このときの流量は真空容器1の真空排気系に依存するた
め、ここでは規定しない。
【0018】基板温度は、実用的なCuの成膜速度を得
るためにCu板の設定温度より低くして、CuxCly
の基板表面への吸着を促す必要がある。但し、あまり低
く設定しすぎると膜中に塩化物が生成される可能性があ
る。従って、Cu板の設定温度を300〜400℃にし
た場合、基板の温度は200〜300℃に設定すること
が好ましい。
【0019】(具体例)Cu板加熱冷却装置2によりC
u板4としての高純度Cu板表面の温度を300℃に、
基板加熱冷却装置3により基板表面の温度を200℃に
設定し、流量制御装置9により流量を1sccmに設定
された塩素ガスを、ストップバルブ8を開けて塩素ガス
ノズル7からCu板4に向けて照射した。この結果、塩
素ガスのエッチング反応によりCuClフラックス
11が生成され、基板6上にCu膜5が析出した。反応
に関与しないガス及びエッチングガス生成物は、真空排
気装置10により排気される。
【0020】上記手法により作製した膜は、50mmφ
の基板上に10nm/minの成長速度で3%以下のば
らつきで均質に形成され、バルクCuの抵抗率と同等の
特性を得ることを確認した。
【0021】上記実施例1によれば、現在容易に入手可
能でかつ安価な高純度Cu板をその原材料とし、これを
やはり安易に入手可能でかつ安価な高純度塩素ガスを塩
素ガスノズル7よりCu板4に照射させてCu板4をエ
ッチングさせ、この反応により形成されるCuCl
を基板6表面へ輸送することにより、制御性良く均質な
Cu膜を形成できる。
【0022】つまり、有機金属錯体は合成が煩雑であ
り、今後大幅にコストが低減されるどうかは不明であ
る。本実施例1では、上記のように現在容易に入手可能
でかつ安価な高純度Cu板をその原材料とし、これをや
はり安易に入手可能でかつ安価な高純度塩素ガスにより
CuClが形成され、これを所望の基板表面へ輸送
することによりCuの成膜が可能となる。
【0023】また、上記実施例1では、Cu板温度、塩
素ガス圧力及び流量、基板温度を独立に変化させること
が可能で、従来のように昇華法による成膜と比べて制御
パラメータの自由度が大きい。
【0024】(実施例2)図2を参照する。但し、図1
と同部材は同符号を付す。図2は、本発明の実施例2に
係るCu薄膜の製造装置の説明図を示す。図中の符番1
は真空容器であり、内部にCu板加熱冷却装置2、基板
加熱冷却装置3が対向して配置されている。前記Cu板
加熱冷却装置2の下面側にはCu板4が支持されてい
る。前記基板加熱冷却装置3には、表面にCu1−x
膜21を形成した基板6が支持されている。前記真
空容器1には、真空容器1の外側より前記Cu板4に向
けてジクロロシランノズル22が配置されている。この
ジクロロシランノズル22には、ストップバルブ8を介
して流量制御装置9が接続されている。前記真空容器1
には、真空排気装置10が接続されている。なお、図中
の符番23は、CuClClフラックスを示す。
【0025】こうした装置において、Cu板4の温度、
ジクロロシランガス圧力及び流量、基板温度を独立に変
化させることが可能である。具体的には、例えばCu板
4の温度においては、0〜800℃までの温度設定によ
りCu表面のエッチング速度及びエッチング形態を制御
することが可能である。ここで、下限値はジクロロシラ
ンガスが凝集しない温度、上限値はCuが溶解しない温
度として規定している。即ち、上記温度範囲において温
度を上昇させることによりエッチング速度(CuSi
Cl生成量:x、y,zは温度に依存)を増加さ
せ、Cu1−xSiの成膜速度を向上させることがで
きる。但し、Cu1−xSiの膜質を考慮した場合、
エッチング反応の急増を防ぐため300〜400℃の範
囲で制御することが好ましい。
【0026】ジクロロシランガス流量及び圧力もCu
1−xSiの成膜速度に関係するが、エッチング反応
が実用的な速度で真空雰囲気中で行われる必要性から、
ジクロロシランガス圧力は0.1mmTorr〜1To
rrの範囲で制御するのが望ましい。このときの流量は
真空容器1の真空排気系に依存するため、ここでは規定
しない。
【0027】基板温度は、実用的なCu1−xSi
成膜速度を得るためにCu板の設定温度より低くして、
CuSiClの基板表面への吸着を促す必要があ
る。但し、あまり低く設定しすぎると膜中に塩化物が生
成される可能性がある。従って、Cu板の設定温度を3
00〜400℃にした場合、基板の温度は200〜30
0℃に設定することが好ましい。
【0028】本実施例2では、次のようにして操作を行
う。つまり、現在容易に入手可能で比較的安価なCu板
をその原材料とし、これをやはり安易にかつ安価に入手
できる高純度塩素ガスを塩素ガスノズル7よりCu板4
に噴射させてCu板4をエッチングする。この反応によ
りCuClが形成され、これを所望の基板表面へ輸
送することによりCuの成膜が可能となる。
【0029】(具体例)Cu板加熱冷却装置2によりC
u板4としての高純度Cu板表面の温度を300℃に、
基板加熱冷却装置3により基板表面の温度を200℃に
設定し、流量制御装置9により流量を1sccmに設定
されたジクロロシランガスを、ストップバルブ8を開け
てジクロロシランガスノズル22からCu板4に向けて
照射した。この結果、ジクロロシランガスのエッチング
反応によりCuSiClフラックス11が生成さ
れ、基板6上にCu1−xSi膜21が析出した。反
応に関与しないガス及びエッチングガス生成物は、真空
排気装置10により排気される。
【0030】上記手法により作製した膜は、50mmφ
の基板上に10nm/minの成長速度で3%以下のば
らつきで均質に形成されることを確認した。
【0031】上記実施例2によれば、容易に入手可能で
比較的安価なCu板とジクロロシランガスを用いること
により、制御性良く均質なCu1−xSi膜を形成で
きる。このCu1−xSi膜は、Si及びSiO
の密着性が良いため、これまで別プロセスで形成してい
た緩衝層が不要となる。
【0032】(実施例3)図3を参照する。但し、図1
と同部材は同符号を付す。図3は、本発明の実施例3に
係るCu薄膜の製造装置の説明図を示す。図中の符番1
は真空容器であり、内部にCu板加熱冷却装置2、基板
加熱冷却装置3が対向して配置されている。前記Cu板
加熱冷却装置2の下面側にはCu板4が支持されてい
る。前記基板加熱冷却装置3には、表面にCu膜5を形
成した基板6が支持されている。前記真空容器1には、
真空容器1の外側より前記Cu板4に向けて塩素ガスノ
ズル7が配置されている。この塩素ガスノズル7には、
ストップバルブ8を介して流量制御装置9が接続されて
いる。前記真空容器1には、真空排気装置10が接続さ
れている。なお、図中の符番11は、CuClフラ
ックスを示す。また、付番31は原子状水素フラックス
32をCuClフラックス11に照射する水素プラ
ズマ源を示す。
【0033】こうした装置において、Cu板4の温度、
塩素ガス圧力及び流量、基板温度を独立に変化させるこ
とが可能である。具体的には、例えばCu板4の温度に
おいては、0〜500℃までの温度設定によりCu表面
のエッチング速度及びエッチング形態を制御することが
可能である。ここで、下限値は塩素ガスが凝集しない温
度、上限値はCuが溶解しない温度として規定してい
る。即ち、上記温度範囲において温度を上昇させること
によりエッチング速度(CuCl生成量:x、yは
温度に依存)を増加させ、Cuの成膜速度を向上させる
ことができる。このとき、原子状水素照射による還元反
応によりCuClからClを引き抜き、高純度なC
uの成膜を基板上に成膜できる。Cu板4の温度は20
0℃以下の低温に抑えるのが好ましい。
【0034】塩素ガス流量及び圧力もCuの成膜速度に
関係するが、エッチング反応が実用的な速度で真空雰囲
気中で行われる必要性から、塩素ガス圧力は0.1mm
Torr〜1Torrの範囲で制御するのが望ましい。
原子状水素の圧力もこれと同程度に制御するのが望まし
い。このときの流量は真空容器1の真空排気系に依存す
るため、ここでは規定しない。
【0035】基板温度は、実用的なCuの成膜速度を得
るためにCu板の設定温度より低くして、Cuの基板表
面への吸着を促す必要がある。従って、Cu板の設定温
度を200℃にした場合、基板の温度は100℃以下に
設定することが好ましい。
【0036】(具体例)Cu板加熱冷却装置2によりC
u板4としての高純度Cu板表面の温度を200℃に、
基板加熱冷却装置3により基板表面の温度を200℃に
設定し、流量制御装置9により流量を1sccmに設定
された塩素ガスを、ストップバルブ8を開けて塩素ガス
ノズル7からCu板4に向けて照射した。また、水素プ
ラズマ源31に水素を1sccm導入して、13.56
MHz、300Wの誘導結合プラズマにより原子状水素
を生成させ、ジクロロシランガスのエッチング反応によ
り発生したCuClフラックス11に照射した。こ
の結果、基板6上に塩素を含まないCu膜5が析出し
た。反応に関与しないガス及びエッチングガス生成物
は、真空排気装置10により排気される。
【0037】上記手法により作製した膜は、50mmφ
の基板上に10nm/minの成長速度で3%以下のば
らつきで均質に形成され、バルクCuの抵抗率と同等の
特性を得られることを確認した。
【0038】上記実施例3によれば、容易に入手可能で
比較的安価なCu板と塩素ガス、水素ガスを用いること
により、制御性良く均質、高品質なCu膜を形成でき
る。このとき、水素ガスにする還元を気相中で行うこと
により、膜中への塩素混入が抑えられる。このため、C
u膜の抵抗率を著しく低減できる。
【0039】(実施例4)図4を参照する。但し、図
1、図2と同部材は同符号を付す。図2は、本発明の実
施例2に係るCu薄膜の製造装置の説明図を示す。図中
の符番1は真空容器であり、内部にCu板加熱冷却装置
2、基板加熱冷却装置3が対向して配置されている。前
記Cu板加熱冷却装置2の下面側にはCu板4が支持さ
れている。前記基板加熱冷却装置3には、表面にCu
1−xSi膜21を形成した基板6が支持されてい
る。前記真空容器1には、真空容器1の外側より前記C
u板4に向けてジクロロシランノズル22が配置されて
いる。このジクロロシランノズル22には、ストップバ
ルブ8を介して流量制御装置9が接続されている。前記
真空容器1には、真空排気装置10が接続されている。
なお、図中の符番23はCuxClyClzフラック
ス、付番31は水素プラズマ源、付番32は原子状水素
フラックスを示す。
【0040】こうした装置において、Cu板4の温度、
ジクロロシランガス圧力及び流量、基板温度を独立に変
化させることが可能である。具体的には、例えばCu板
4の温度においては、0〜500℃までの温度設定によ
りCu表面のエッチング速度及びエッチング形態を制御
することが可能である。ここで、下限値はジクロロシラ
ンガスが凝集しない温度、上限値はCuが溶解しない温
度として規定している。即ち、上記温度範囲において温
度を上昇させることによりエッチング速度(CuSi
Cl生成量:x、y,zは温度に依存)を増加さ
せ、Cu1−xSiの成膜速度を向上させることがで
きる。このとき、原子状水素照射による還元反応により
CuSiClからClを引き抜き、高純度なCu
1−xSi を成膜する。従って、Cu板の温度も20
0℃以下の低温に抑えるのが好ましい。
【0041】ジクロロシランガス流量及び圧力もCuの
成膜速度に関係するが、エッチング反応が実用的な速度
で真空雰囲気中で行われる必要性から、ジクロロシラン
ガス圧力は0.1mmTorr〜1Torrの範囲で制
御するのが望ましい。原子状水素の圧力もこれと同程度
に制御するのが望ましい。このときの流量は真空容器1
の真空排気系に依存するため、ここでは規定しない。
【0042】基板温度は、実用的なCu1−xSi
成膜速度を得るためにCu板の設定温度より低くして、
Cuの基板表面への吸着を促す必要がある。従って、C
u板の設定温度を200℃にした場合、基板の温度は1
00℃以下に設定することが好ましい。
【0043】(具体例)Cu板加熱冷却装置2によりC
u板4としての高純度Cu板表面の温度を200℃に、
基板加熱冷却装置3により基板表面の温度を100℃に
設定し、流量制御装置9により流量を1sccmに設定
されたジクロロシランガスを、ストップバルブ8を開け
てジクロロシランガスノズル22からCu板4に向けて
照射した。また、水素プラズマ源31に水素を1scc
m導入して、13.56MHz、300Wの誘導結合プ
ラズマにより原子状水素を生成させ、ジクロロシランガ
スのエッチング反応により発生したCuSiCl
フラックス23に照射した。
【0044】この結果、基板6上に塩素を含まないCu
1−xSi膜21が析出した。反応に関与しないガス
及びエッチングガス生成物は、真空排気装置10により
排気される。
【0045】上記手法により作製した膜は、50mmφ
の基板上に10nm/minの成長速度で3%以下のば
らつきで均質に形成されことを確認した。
【0046】上記実施例4によれば、容易に入手可能で
比較的安価なCu板と塩素ガス、水素ガスを用いること
により、制御性良く均質、高品質なCu膜を形成でき
る。つまり、実施例4によれば、上記実施例2、3で述
べた理由と同じ理由により、緩衝層を不要にできるとと
もに、Cu膜の抵抗率を著しく低減できる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、
安価で入手しやすいCu板を原材料とし、かつ安価で入
手しやすい塩素ガス又はジクロロシランガスを用いてエ
ッチングすることにより、CuClフラックス又は
CuSiClフラックスを生成し、これを基板へ
輸送することにより、低コスト化、再現性かつ均質性が
良好な膜の形成、緩衝層を不要化、及び良好な電気特性
の実現をなしえるCu又はCu含有膜の形成方法を提供
できる。
【0048】また、本発明によれば、真空容器内のCu
板に塩素ガス又はジクロロシランガスを照射するガスノ
ズルと、このガスノズルからのガスの流量を制御する流
量制御装置等を具備した構成とすることにより、上記と
同様な効果を有するCu又はCu含有膜の形成装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るCu又はCu含有膜の
形成装置の説明図。
【図2】本発明の実施例2に係るCu又はCu含有膜の
形成装置の説明図。
【図3】本発明の実施例3に係るCu又はCu含有膜の
形成装置の説明図。
【図4】本発明の実施例4に係るCu又はCu含有膜の
形成装置の説明図。
【符号の説明】
1…真空容器、 2…Cu板加熱冷却装置、 3…基板加熱装置、 4…Cu板、 5…Cu膜、 6…基板、 7…塩素ガスノズル、 8…ストップバルブ、 9…流量制御装置、 10…真空排気装置、 11…CuClフラックス、 21…Cu1−xSi膜、 22…ジクロロシランガスノズル、 23…CuSiClフラックス、 31…水素プラズマ源、 32…原子状水素フラックス。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内の基板上にCu膜又はCu含
    有膜を形成する方法であり、Cu板を原材料とし、かつ
    塩素ガス又はジクロロシランガスを用いてエッチングす
    ることにより、CuClフラックス又はCuSi
    Clフラックスを生成し、これを基板へ輸送するこ
    とを特徴とするCu又はCu含有膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記塩素ガスの他水素ガスを用いてエッ
    チングすることにより CuClフラックスを生成
    し、これを基板へ輸送することを特徴とする請求項1記
    載のCu又はCu含有膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記ジクロロシランガスの他水素ガスを
    用いてエッチングすることにより CuSiCl
    フラックスを生成し、これを基板へ輸送することを特徴
    とする請求項1記載のCu又はCu含有膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記Cu板の温度を0〜500℃に制御
    することを特徴とする請求項1記載のCu又はCu含有
    膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記塩素ガスの圧力又はジクロロシラン
    ガスの圧力を0.1mmTorr〜1Torrに制御す
    ることを特徴とする請求項1記載のCu又はCu含有膜
    の形成方法。
  6. 【請求項6】 真空容器と、この真空容器内に配置さ
    れ、片面にCu板を支持する加熱冷却装置と、前記真空
    容器内に配置され、片面に基板を該基板が前記Cu板と
    向き合うように支持する基板加熱装置と、前記真空容器
    内のCu板に塩素ガスを照射する塩素ガスノズルと、こ
    の塩素ガスノズルからのガスの流量を制御する流量制御
    装置と、前記真空容器内を排気する真空排気装置とを具
    備することを特徴とするCu膜の形成装置。
  7. 【請求項7】 真空容器と、この真空容器内に配置さ
    れ、片面にCu板を支持する加熱冷却装置と、前記真空
    容器内に配置され、片面に基板を該基板が前記Cu板と
    向き合うように支持する基板加熱装置と、前記真空容器
    内のCu板にジクロロシランガスを照射するジクロロシ
    ランガスノズルと、このジクロロシランガスノズルから
    のガスの流量を制御する流量制御装置と、前記真空容器
    内を排気する真空排気装置とを具備することを特徴とす
    るCu膜の形成装置。
  8. 【請求項8】 真空容器と、この真空容器内に配置さ
    れ、片面にCu板を支持する加熱冷却装置と、前記真空
    容器内に配置され、片面に基板を該基板が前記Cu板と
    向き合うように支持する基板加熱装置と、前記真空容器
    内のCu板に塩素ガスを照射する塩素ガスノズルと、こ
    の塩素ガスノズルからのガスの流量を制御する流量制御
    装置と、前記塩素ガスのエッチング反応により発生した
    CuClフラックスに原子状水素を照射する水素プ
    ラズマ源と、前記真空容器内を排気する真空排気装置と
    を具備することを特徴とするCu膜の形成装置。
  9. 【請求項9】 真空容器と、この真空容器内に配置さ
    れ、片面にCu板を支持する加熱冷却装置と、前記真空
    容器内に配置され、片面に基板を該基板が前記Cu板と
    向き合うように支持する基板加熱装置と、前記真空容器
    内のCu板にジクロロシランガスガスを照射するジクロ
    ロシランガスノズルと、このジクロロシランガスノズル
    からのガスの流量を制御する流量制御装置と、前記ジク
    ロロシランガスのエッチング反応により発生したCu
    SiClフラックスに原子状水素を照射する水素プ
    ラズマ源と、前記真空容器内を排気する真空排気装置と
    を具備することを特徴とするCu膜の形成装置。
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