JP2001282167A - 映像表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の映像表示ユニットを組み合わせた状態
で安全基準で定められている電磁妨害波の値を満足する
ことができるようにする。 【解決手段】 各映像表示ユニットに交流電源を整流し
て直流駆動電源を駆動部に供給する駆動電源供給部を設
け、ＡＣチェインで各映像表示ユニットに交流電源を供
給する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の映像表示ユ
ニットをマトリクス状に配列して１つの画面を構成する
映像表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、複数の映像表示ユニットをマ
トリクス状に配列して１つの画面を構成することにより
大画面の映像表示を行うようにした映像表示装置が提供
されている。この種の映像表示装置における各映像表示
ユニットは、直流電源で駆動されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、直流電源で
駆動される複数の映像表示ユニットをマトリクス状に配
列して１つの画面を構成することにより大画面の映像表
示を行うようにした映像表示装置では、各映像表示ユニ
ットを駆動するためにトータルで大きな電力を必要とす
るので、容量の大きなトランス等を用いて電源回路を構
成する必要があり、直流電源供給部に大きな設置スペー
スを必要としていた。

【０００４】また、各映像表示ユニットに供給される直
流電源に電圧降下を生じないようにするためには、各映
像表示ユニットに対して個別に、若しくは限定されたグ
ループ単位で電源供給を行う必要があり、電源供給のた
めに長さの異なる多くの電源ケーブルを必要とする。多
量の電源ケーブルは、それ自身がスペースを占有する。

【０００５】このように、従来の映像表示装置では、各
映像表示ユニットに直流電源を供給するために、大容量
の直流電源供給部を設置し、多量の電源ケーブルを配線
する必要があり、そのための設置スペースが小型化や薄
型化を妨げる要因になっていた。

【０００６】そこで、本発明の目的は、上述の如き従来
の問題点に鑑み、複数の映像表示ユニットをマトリクス
状に配列して１つの画面を構成する映像表示装置の小型
化や薄型化を可能にすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、複数の表示素
子がマトリクス状に配設された表示パネルと、上記表示
パネルの各表示素子を選択的に点灯させる駆動部と、交
流電源を整流して直流駆動電源を上記駆動部に供給する
駆動電源供給部とからなる映像表示ユニットをマトリク
ス状に配列して１つの表示画面を構成した映像表示部
と、上記映像表示部の各映像表示ユニットに表示制御信
号を供給する信号処理部と、上記映像表示部を構成する
各映像表示ユニットの各駆動電源供給部に交流電源をＡ
Ｃチェインにより供給する交流電源供給部とからなるこ
とを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。

【０００９】本発明は、例えば図１にブロック図に示す
ような構成の映像表示装置１００に適用される。この映
像表示装置１００は、複数の映像表示ユニット１０をマ
トリクス状に配列して１つの画面を構成することにより
大画面の映像表示を行うものであって、複数の映像表示
ユニット１０をマトリクス状に配列してなる映像表示部
２０と、画像信号を処理して上記映像表示部２０の各映
像表示ユニット１０に表示制御信号を供給する信号処理
部３０と、各映像表示ユニット１０に交流電源を供給す
る交流電源供給部４０からなる。

【００１０】この映像表示装置１００は、複数の表示ユ
ニットから１０から構成されているものの、１つの大画
面の映像表示を行う装置として、図示しないＶＴＲなど
のから映像信号を入力する端子や、外部から電源を交流
電源供給部４０に与える電源入力を備えている。

【００１１】上記映像表示部２０を構成する映像表示ユ
ニット１０は、図２に示すように、例えばＬＥＤからな
る複数の表示素子１１がマトリクス状に配設された表示
パネル１２と、上記表示パネル１２の各表示素子１１を
選択的に点灯させる駆動部１３と、交流電源を整流して
直流駆動電源を上記駆動部１３に供給する駆動電源供給
部１４とを備え、図３に示すように、弾性を有する導電
性接片１５Ａ，１５Ｂが外周面の直交する２面に設けら
れた導電性筐体１５の前面開口部に上記表示パネル１２
が取り付けられる。そして、上記導電性筐体１５内に上
記駆動部１３及び駆動電源供給部１４が設置されてい
る。上記表示パネル１２としては、ＬＣＤ、ＰＤＰ、有
機・無機ＥＬ等の各種表示素子を用いることができる。

【００１２】そして、このようような構造の各映像表示
ユニット１０は、図４に示すように、マトリクス状に配
列され、上記導電性接片１５Ａ，１５Ｂを介して各導電
性筐体１５を導通させた状態で、枠体２１に取付け固定
されている。上記枠体２１には、図３に示すように、内
周面に導電性ガスケット２２が設けられている。

【００１３】このように導電性接片１５Ａ，１５Ｂを介
して各導電性筐体１５を導通させた状態で各映像表示ユ
ニット１０を枠体２１に取付け固定してなる映像表示部
２０は、全面が電磁妨害波を遮断する壁として機能する
ことになる。

【００１４】したがって、この映像表示装置１００で
は、導電性接片１５Ａ，１５Ｂを介して各導電性筐体１
５を導通させた状態で各映像表示ユニット１０を枠体２
１に取付け固定してなる映像表示部２０が全面が電磁妨
害波を遮断する壁として機能するので、電磁妨害波を確
実に遮断することができ、複数の映像表示ユニット１０
を組み合わせた状態でさらに電磁妨害波対策を講じる必
要がない。

【００１５】また、表示パネル１２の面に、例えば表示
素子がＬＥＤの場合に、その周りを覆う板金等の導電部
材を配置することで、上記導電性筐体１５内の部品に対
して必要とされる電磁妨害波対策をさらに軽減すること
ができる。

【００１６】上記信号処理部３０は、図５に示すよう
に、枠体２１に複数の映像表示ユニット１０をマトリク
ス状に配列して取付け固定してなる映像表示部２０の背
面部分に設けられている。

【００１７】この信号処理部３０は、例えば図６のブロ
ック図に示すように、アナログ／デジタル（Ａ／Ｄ）変
換部３１、インタレス／プログレッシブ（Ｉ／Ｐ）変換
・縮小処理部３２、γ変換・色変換処理部３３、送信デ
ータ生成部３４、パラレル／シリアル（Ｐ／Ｓ）変換部
３５、伝送クロック発振器３７、１０分周回路３８、ラ
インドライバ３６，３９等からなる。

【００１８】この信号処理部３０において、ＶＴＲなど
信号源から供給される映像信号は、Ａ／Ｄ変換部３１に
よりデジタル化され例えばＲ／Ｇ／Ｂ各１０ビットの画
像データに変換され、Ｉ／Ｐ変換・縮小処理部３２によ
りインタレス信号からプログレッシブ信号に変換され、
さらに、縮小処理が施されてから、γ変換・色変換処理
部３３により映像信号のγを取り除くγ変換（逆γ補
正）処理及び色再現範囲を調整する色変換処理が施され
て送信データ生成部３４に入力される。そして、この送
信データ生成部３４により生成される表示単位のライン
アドレスと輝度信号レベルの情報が画像データに挿入さ
れてから、Ｐ／Ｓ変換部３５によりパラレル信号からシ
リアル信号に変換され表示制御信号としてラインドライ
バ３６を介して送出される。また、この信号処理部３０
からは、伝送クロック発振器３７による発振出力を１０
分周回路３８により１０分周して得られる伝送クロック
がラインドライバ３９を介して送出される。

【００１９】ここで、この映像表示装置１００における
信号処理部３０は、入力画像信号から同期分離回路３０
Ａにより得られる同期信号に同期した各種タイミング信
号を発生するタイミングジェネレータ３０Ｂを備え、こ
のタイミングジェネレータ３０Ｂにより与えられるタイ
ミング信号に基づいて上記γ変換・色変換処理部３３に
おける信号処理がフレーム（フィールド）及びライン、
ドット毎に切り換えられる。そして、この映像表示装置
１００では、上記信号処理部３０のγ変換・色変換処理
部３３において、上記１０ビットの画像データにγ変換
処理を施す際に、上記１０ビットの画像データにγ変換
処理を施す際に発生する小数点以下のデータに対応し
て、フレーム周期で点灯ドット密度の異なる２種類の点
灯ドットパターンを切り換えて出力するように処理を切
り換えることにより、上記１０ビットの画像データのま
まで擬似的に１２ビット相当の階調を表現する。

【００２０】すなわち、表示素子１１の消灯状態（明る
さ［０］）と点灯状態（明るさ［１］）が１ビットで表
現されるのであるが、フレーム（フィールド）及びライ
ン、ドット毎に信号処理を切り換えることにより、例え
ば図７に明るさ０から１の範囲をとし、４×４画素の画
像表示例を示すように、各明るさ［０．２５］，［０．
５］，［０．７５］の擬似階調を表現する。

【００２１】明るさ［０．２５］は、奇数フレームでは
明るさ［１］のパワーで市松模様状に各表示素子１１を
点灯させ、偶数フレームでは無点灯状態とすることによ
り、空間積分の時間積分の効果により擬似的に表現する
ことができる。

【００２２】また、明るさ［０．５］は、奇数フレーム
では明るさ［１］のパワーで市松模様状に各表示素子１
１を点灯させ、偶数フレームでは明るさ［１］のパワー
で市松模様状に他の各表示素子１１を点灯させることに
より、空間積分の時間積分の効果により擬似的に表現す
ることができる。

【００２３】さらに、明るさ［０．７５］は、奇数フレ
ームでは明るさ［１］のパワーで全ての表示素子１１を
点灯させ、偶数フレームでは明るさ［１］のパワーで市
松模様状に各表示素子１１を点灯させることにより、空
間積分の時間積分の効果により擬似的に表現することが
できる。

【００２４】なお、奇数フレームと偶数フレームの点灯
ドットパターンは逆であっても良い。

【００２５】このように、ビット数を増加させることな
く、奇数フレームと偶数フレームの点灯ドットパターン
を切り換えることにより、空間積分の時間積分の効果を
利用して擬似的に階調数を増加することができる。

【００２６】ここでは、γ変換処理を施す際に発生する
小数点以下のデータにに基づいて擬似的な階調表現を行
ったが、３原色データのマトリクス演算を行う色変換処
理を施す際に発生する小数点以下のデータに基づいて擬
似的な階調表現を行うようにしてもよい。

【００２７】この映像表示装置１００では、１階調当た
りの輝度差が目立つ低輝度レベルの画像表示領域に対し
てのみ、上記擬似的な階調表現を行うようにしている。

【００２８】また、上記信号処理部３０から表示制御信
号が供給される映像表示部２０の各映像表示ユニット１
０に備えられる駆動部１３は、例えば図８のブロック図
に示すように、ラインレシーバ４１，４３、クロック生
成回路４２、アドレス抽出部４４、ＣＰＵ４５、ＲＯＭ
４６、シリアル／パラレル（Ｓ／Ｐ）変換部４７、メモ
リ４８、ドライバ４９等からなる。

【００２９】上記映像表示ユニット１０の駆動部１３で
は、上記信号処理部３０から送られてくる伝送クロック
がラインレシーバ４１を介してクロック生成回路４２に
入力され、このクロック生成回路４２により上記伝送ク
ロックを１０逓倍したクロックを生成する。

【００３０】各映像表示ユニット１０は所定の列単位で
ディジチェイン接続されており、上記映像表示ユニット
１０の駆動部１３は、ラインレシーバ４３を介して受信
した画像データに挿入されているラインアドレスをアド
レス抽出部４４を抽出し、抽出したラインアドレスを個
々に割り振られたラインアドレス抽出データとＣＰＵ４
５により比較し、自身が割り振られた表示位置のライン
アドレスに対応するデータを抽出し、抽出したデータを
Ｓ／Ｐ変換部４７によりシリアル信号からパラレル信号
に変換してメモリ４８に記憶し、そのデータに基づいて
ドライバ４９によりＰＷＭ変調を行い、そのＰＷＭ変調
信号により表示パネル１２の各表示素子１１を駆動す
る。

【００３１】さらに、この映像表示装置１００におい
て、上記交流電源供給部４０は、各映像表示ユニット１
０が直列接続されており、各映像表示ユニット１０に２
００Ｖの交流電源をＡＣチェインで供給する。各映像表
示ユニット１０に交流電源を供給するためのＡＣチェイ
ンは、図９に示すように、先端にジョイントコネクタ４
１Ａ，４１Ｂ，４１Ｃを有する３本の電源ケーブル４２
Ａ，４２Ｂ，４２Ｃを分配コネクタ４１Ｄを介して接続
した構造のブランチケーブル４２を接続することにより
形成される。標準化したブランチケーブル４２を用いて
ＡＣチェインを形成することで、配線を単純化すること
ができるばかりでなく、部品点数や管理工数を削減する
ことができる。

【００３２】ここで、上記映像表示部２０を構成する各
映像表示ユニット１０は、１ユニット当たり５０Ｗの駆
動電力を必要とし、映像表示ユニット１０を例えば１０
×１０の１００個用いて１画面を構成する場合、少なく
とも５ＫＷの電力を必要とすることになるが、各映像表
示ユニット１０に交流電源を整流して直流駆動電源を駆
動部１３に供給する駆動電源供給部１４を備えることに
より、駆動電源供給部１４は５０Ｗの電源容量を有する
小型の電源回路で構成することができる。また、ＡＣチ
ェインで各映像表示ユニット１０に交流電源を供給する
ので、電源ラインでの電圧降下を考慮する必要もなくな
る。

【００３３】

【発明の効果】以上のように、本発明に係る映像表示装
置では、各映像表示ユニットに交流電源を整流して直流
駆動電源を駆動部に供給する駆動電源供給部を備えるこ
とにより、ＡＣチェインで各映像表示ユニットに交流電
源を供給することができ、大容量の直流電源供給部が不
要となるばかりでなく、多量の電源ケーブルの配線も必
要なくなり、小型化や薄型化が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した映像表示装置の構成を示すブ
ロック図である。

【図２】上記映像表示装置における映像表示部を構成す
る映像表示ユニットの構成を示すブロック図である。

【図３】映像表示ユニットの設置構造を示す図である。

【図４】上記映像表示部の正面図である。

【図５】上記映像表示装置の模式的な縦断側面図であ
る。

【図６】上記映像表示装置における信号処理部の構成を
示すブロック図である。

【図７】４×４画素の画像表示による擬似階調の表現例
を模式的に示す図である。

【図８】上記映像表示ユニットに備えられた駆動部の構
成を示すブロック図である。

【図９】電源供給用のＡＣチェインを形成するブランチ
ケーブルの構造を模式的に示す図である。

【符号の説明】

１０ 映像表示ユニット、１１ 表示素子、１２ 表示
パネル、１３ 駆動部、１４ 駆動電源供給部、１５
導電性筐体、１５Ａ，１５Ｂ 導電性接片、２０ 映像
表示部、２１ 枠体、３０ 信号処理部、４０ 交流電
源供給部 ４２ ブランチケーブル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 鋭造 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 小野 宗紀 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 久永 浩二 愛知県一宮市高田池尻６番地 ソニー一宮 株式会社内 Ｆターム(参考） 5C058 BA02 BA23 BA35 5C080 AA05 AA06 AA10 BB05 BB07 DD12 FF02 JJ01 JJ02 JJ06

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の表示素子がマトリクス状に配設さ
   れた表示パネルと、上記表示パネルの各表示素子を選択
   的に点灯させる駆動部と、交流電源を整流して直流駆動
   電源を上記駆動部に供給する駆動電源供給部とからなる
   映像表示ユニットをマトリクス状に配列して１つの表示
   画面を構成した映像表示部と、 上記映像表示部の各映像表示ユニットに表示制御信号を
   供給する信号処理部と、 上記映像表示部を構成する各映像表示ユニットの各駆動
   電源供給部に交流電源をＡＣチェインにより供給する交
   流電源供給部とからなる映像表示装置。
2. 【請求項２】先端にジョイントコネクタを有する標準化
   されたブランチケーブルを接続することにより上記ＡＣ
   チェインを形成したことを特徴とする請求項１記載の映
   像表示装置。