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JP2001267181A - チップ形固体電解コンデンサ - Google Patents

チップ形固体電解コンデンサ

Info

Publication number
JP2001267181A
JP2001267181A JP2000078360A JP2000078360A JP2001267181A JP 2001267181 A JP2001267181 A JP 2001267181A JP 2000078360 A JP2000078360 A JP 2000078360A JP 2000078360 A JP2000078360 A JP 2000078360A JP 2001267181 A JP2001267181 A JP 2001267181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
anode
terminal
lead wire
capacitor element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000078360A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Narita
敬弘 成田
Kazuya Iizuka
和也 飯塚
Yutaka Suzuki
裕 鈴木
Yutaka Kubota
裕 窪田
Takeshi Yoshihiro
武士 吉弘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lincstech Circuit Co Ltd
Original Assignee
Hitachi AIC Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi AIC Inc filed Critical Hitachi AIC Inc
Priority to JP2000078360A priority Critical patent/JP2001267181A/ja
Publication of JP2001267181A publication Critical patent/JP2001267181A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 体積効率が高く小型化を可能にするととも
に、陽極用リード線と陽極端子の接続が確実で、作業性
を向上させる。 【解決手段】 導電膜によって陽極端子9と陰極端子1
0を絶縁基板8の表裏面および側面にわたって形成し、
ワイヤ27を導電性接着剤28によって陽極端子9に接
続する。絶縁基板8をコンデンサ素子3の下面に配設
し、前記ワイヤ27とコンデンサ素子3の陽極用リード
線2を抵抗溶接によって接続し、前記陰極端子10とコ
ンデンサ素子3の銀層26を導電性接着剤7によって接
続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップ形固体電解
コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラ、携帯電話機などに組み込
まれるチップ形の固体電解コンデンサとしては、多孔質
からなるタンタルの焼結体を陽極金属として用いたタン
タル固体電解コンデンサが一般的に広く使用されてい
る。
【0003】図5にこの種のチップ形タンタル固体電解
コンデンサの従来例を示す。このタンタル固体電解コン
デンサ1は、陽極用リード線2を備えたタンタル焼結体
からなるコンデンサ素子3と、陽極端子4および陰極端
子5の一部を絶縁樹脂からなる外装(樹脂外装ともい
う)6によって被覆したものである。タンタル焼結体
は、予めタンタル等からなる陽極用リード線2の一端部
が埋め込まれたタンタルからなる微粉末を加圧成形型に
よって加圧して加圧成形体(生ペレット)を成形した
後、この生ペレットを真空中で加熱焼結することにより
製作される。この後、タンタル焼結体の表面全体に誘電
体被膜層を形成し、さらにその上に固体電解質層および
陰極層を順次形成することによりコンデンサ素子3を製
作する。次いで、陽極端子4を陽極用リード線2に抵抗
溶接等によって接続し、陰極端子5を導電性接着剤7に
よってコンデンサ素子3の最外層の陰極層に接続する。
しかる後、コンデンサ素子3と、陽極用リード線2との
接続箇所Aを含む陽極端子4の一部と、陰極端子5の陰
極層との接続箇所Bを含む一部を外装6によって被覆す
ることによりタンタル固体電解コンデンサ1が製作され
る。なお、陽極端子4と陰極端子5は、外装6の互いに
対向する側面より外部に引き出されて下方に折り曲げら
れ、さらにその先端部が外装6の下面側に折り曲げら
れ、プリント配線板のランド部に半田付けによって接続
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のタンタ
ル固体電解コンデンサ1は、陽極用リード線2と陽極端
子4の接続箇所Aを保護するために外装6によって被覆
し、陽極端子4を外装6の側面側に引き出している。こ
のため、接続箇所Aの長さLが長くなり、コンデンサ1
の外形寸法に制約がある場合には、接続箇所Aを外装6
内に確保するためにコンデンサ素子3の寸法をその分だ
け小さくしなければならない。したがって、外装6に占
めるコンデンサ素子3の体積の割合(以下、体積効率と
いう)が低く、外形寸法に比べて静電容量を大きくし難
いという問題があった。
【0005】そこで、このような問題を解決するため
に、本出願人は特願平11−210190号による固体
電解コンデンサを先に提案した。この固体電解コンデン
サ12は、図6に示すように絶縁基板8の長さ方向両端
部にその表面から側面を通って裏面にまで及ぶ陽極端子
9、陰極端子10を導電膜によってそれぞれ形成し、こ
の絶縁基板8をコンデンサ素子3の下面に配設し、前記
陽極端子9を陽極用リード線2に、陰極端子10をコン
デンサ素子3の陰極層にそれぞれ接続したものである。
【0006】このような構造においては、陽極端子9を
外装の側面側に引き出す構造にする必要がないため、陽
極用リード線2と陽極端子9の接続箇所の長さを短くす
ることができる。その結果として、コンデンサ12の外
形寸法が同一であればコンデンサ素子3の形状を大きく
することにより容量を増大させることができ、コンデン
サ素子3の形状を一定にすればコンデンサ12の外形寸
法を小さくすることができ、小型化できるという利点が
ある。また、絶縁基板8は絶縁材によって形成され樹脂
外装6と同様に外装としての機能をも有するため、樹脂
外装6の厚さを絶縁基板8の厚さだけ薄くできる。した
がって、コンデンサ全体の厚さが絶縁基板8によって厚
くなることもなく、コンデンサ12の体積効率を向上さ
せることができる。
【0007】しかしながら、図6に示した固体電解コン
デンサ12においては、陽極用リード線2と陽極端子9
を導電性接着剤13またはヒューズによって接続してい
るため、以下に述べるような問題があった。導電性接着
剤13を使用する場合は、陽極用リード線2の酸化被膜
を除去する工程が必要であるため、工程数が増加するば
かりか、除去した部分のみに導電性接着剤13を塗布す
ることはきわめて難しく、熟練を要し作業性に劣る。ま
た、陽極用リード線2と陽極端子9との隙間を導電性接
着剤13で埋めるためには、導電性接着剤13の使用量
が多くなりコスト高になるばかりではなく、コンデンサ
素子3を絶縁樹脂からなる外装6によって被覆する際に
生じる樹脂等の膨張、収縮により陽極用リード線2、陽
極端子9と導電性接着剤13との接続部が接続不良を起
こしたり剥離するおそれがあり信頼性に劣る。
【0008】一方、導電性接着剤13の代わりにヒュー
ズを使用する場合は、ワイヤーボンディングまたは抵抗
溶接によって接続する必要があるが、いずれも上記した
導電性接着剤と同様に作業性に劣り、信頼性に欠けると
いう問題があった。すなわち、ワイヤーボンディングに
よる場合は、タンタルからなる陽極用リード線2にヒュ
ーズを直接接続することができず、金メッキ等を予めリ
ード線に施しておく必要があるため、工数が増加し製造
コストが高くなる。抵抗溶接によって接続する場合は、
ヒューズ自体が細くて小さいためコンデンサ素子3の寸
法のばらつき、傾き等によって高い精度が要求され作業
性に劣る。
【0009】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、体積効
率が高く小型化を可能にするとともに、陽極用リード線
と陽極端子を確実に接続することができるようにしたチ
ップ形固体電解コンデンサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、陽極用リード線を備えた弁作用金属か
らなる多孔質の焼結体の表面に誘電体被膜層、固体電解
質層および陰極層を順次形成してコンデンサ素子とし、
前記陽極用リード線および陰極層に陽極端子と陰極端子
をそれぞれ接続し、これらの端子の一部と前記コンデン
サ素子を絶縁樹脂からなる外装によって被覆したチップ
形固体電解コンデンサにおいて、前記陽極端子と陰極端
子が表面から側面を通って裏面にわたって形成された絶
縁基板を前記コンデンサ素子の下面に配設し、前記陽極
端子の上面側にワイヤを設け、このワイヤと前記陽極用
リード線を抵抗溶接によって接続し、前記陰極端子と前
記陰極層を導電性接着剤によって接続したものである。
【0011】第2の発明は、陽極用リード線を備えた弁
作用金属からなる多孔質の焼結体の表面に誘電体被膜
層、固体電解質層および陰極層を順次形成してコンデン
サ素子とし、前記陽極用リード線および陰極層に陽極端
子と陰極端子をそれぞれ接続し、これらの端子の一部と
前記コンデンサ素子を絶縁樹脂からなる外装によって被
覆したチップ形固体電解コンデンサにおいて、前記陽極
端子と陰極端子が表面から側面を通って裏面にわたって
形成された絶縁基板を前記コンデンサ素子の下面に配設
し、前記陽極用リード線にワイヤを抵抗溶接によって接
続し、このワイヤと前記陽極端子をワイヤボンディング
によって接続し、前記陰極端子と前記陰極層を導電性接
着剤によって接続したものである。
【0012】本発明においては、ワイヤと陽極用リード
線を抵抗溶接によって接続しているので、前工程として
酸化被膜を除去したり、金メッキを施したり、または導
電性接着剤を塗布する必要がなく、作業性に優れ大きな
接合強度が得られる。また、コンデンサ素子のばらつ
き、傾き、モールド時に生じる絶縁樹脂の膨張、収縮等
の影響も少なく、確実な接続が得られる。陽極端子は絶
縁基板の表裏面および側面にわたって形成されているの
で、外装の側面に引き出されない。また、ワイヤは外装
内に埋設されているので、外装の側面に引き出されな
い。したがって、陽極用リード線とワイヤの接続箇所が
長くなるようなことはない。ワイヤボンディングは接続
の高い信頼性が得られる。絶縁基板は樹脂外装と同様に
外装としての機能を有するため、樹脂外装の厚さを絶縁
基板の厚さだけ薄くする。ワイヤとしては、例えば42
アロイ(鉄・ニッケルの合金)、銅等が用いられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るチ
ップ形固体電解コンデンサの第1の実施の形態を示す断
面図である。なお、従来技術の欄で示した構成部材と同
一のものについては同一符号をもって示し、その説明を
適宜省略する。
【0014】これらの図において、本実施の形態におい
ては、弁作用金属からなる多孔質の焼結体をタンタルに
よって形成したチップ形タンタル固体電解コンデンサ
(以下、コンデンサともいう)20に適用した例を示
す。このコンデンサ20は、タンタル線からなる陽極用
リード線2の一端部が埋め込まれた弁作用金属からなる
多孔質のタンタル焼結体21を備え、その表面全体に誘
電体被膜層22を形成し、さらにその上に二酸化マンガ
ン、またはポリピロール、ポリアニリン等の有機導電性
高分子からなる固体電解質層23および陰極層24を順
次形成することによりコンデンサ素子3としている。
【0015】前記タンタル焼結体21は、タンタルから
なる微粉末を陽極用リード線2とともに加圧成形型によ
って加圧して加圧成形体(生ペレット)を成形した後、
この生ペレットを真空中で加熱焼結することにより作製
される。陰極層24は、カーボン層25と銀層26によ
って形成されている。
【0016】また、前記外装6の下面には、厚さが0.
1〜0.3mm程度の絶縁基板8が配設されている。こ
の絶縁基板8は、耐熱性を有し、特にフェノール樹脂や
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹
脂、セラミック等の絶縁性を有する材質によって形成さ
れ、両端部に陽極端子9と陰極端子10が形成されてい
る。
【0017】前記陽極端子9は、銅等のメッキまたは導
電ペーストの塗布、乾燥によって形成されるもので、絶
縁基板8の表面から側面を介して裏面にわたって連続し
て形成され、表面側が前記陽極用リード線2にワイヤ2
7を介して電気的、機械的に接続されている。ワイヤ2
7は、タンタルに対して直接接合可能な金属、例えば4
2アロイ(鉄・ニッケルの合金)、銅等によって形成さ
れ、上面が前記陽極用リード線2のタンタル焼結体21
から突出する部分の下面に抵抗溶接によって接続され、
下面が前記陽極端子9の絶縁基板8の表面側を覆ってい
る部分に導電性接着剤28によって接続されている。こ
こで、ワイヤ27を断面形状が四角形のチップ状に形成
した例を示したが、これに限らず断面形状が円形のワイ
ヤであってもよい。
【0018】前記陰極端子10は、陽極端子9と同様に
銅等のメッキまたは導電ペーストの塗布、乾燥によって
形成されるもので、絶縁基板8の表面から側面を介して
裏面にわたって連続して形成され、表面側が前記銀層2
6に導電性接着剤7によって接続されている。
【0019】前記陽極用リード線2のタンタル焼結体2
1から突出する部分の基端部分には、ワッシャ29が装
着されている。このワッシャ29は、固体電解質層23
の形成工程において、タンタル焼結体21を硝酸マンガ
ン液に浸漬したとき、陽極用リード線2のタンタル焼結
体21から突出している部分に硝酸マンガン液が付着す
るのを防止するために用いられるもので、四フッ化エチ
レン、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等の撥水性、絶
縁性の高い材料によって円板状に形成したものが用いら
れる。
【0020】前記コンデンサ素子3を樹脂封止する外装
6は、前記絶縁基板8の表面のみを覆っており、内部に
前記ワイヤ27が埋設されている。したがって、ワイヤ
27は、外装6の側面には露呈されていない。
【0021】このようなコンデンサ20は、実装時に陽
極端子9と陰極端子10の絶縁基板8の下面側に形成さ
れている部分がプリント配線板のランド部に半田付けに
よって接続される。
【0022】上記した構造からなるタンタル固体電解コ
ンデンサ20を製造するには、先ず陽極用リード線2の
一端部を加圧成形型内に差し込んでタンタルの微粉末を
充填した後、このタンタル微粉末を圧縮成形して陽極用
リード線2と一体化することにより生ペレットを作製す
る。次に、この生ペレットを真空中で所定の温度(14
00〜1500°C前後)で一定時間(20〜30分程
度)焼成することにより陽極用リード線2を一体に備え
た多孔質のタンタル焼結体21を作製する。次に、陽極
用リード線2にワッシャ29を装着してタンタル焼結体
21の表面に陽極酸化によって誘電体被膜層22を形成
する。この陽極酸化は、タンタル焼結体21を硝酸、燐
酸、酢酸、蓚酸などの酸溶液からなる電解液中に浸漬
し、陽極用リード線2を陽極、電解液を陰極として数V
〜百数十Vの電圧を印加することによって行う。
【0023】次に、誘電体被膜層22が形成されたタン
タル焼結体21に硝酸マンガン液を含浸、付着させた
後、200〜350°Cで加熱して誘電体被膜層22の
上に二酸化マンガン(固体電解質層)を析出させる。こ
のような硝酸マンガン液の含浸、付着、熱分解操作は十
数回繰り返し行われることにより固体電解質層である二
酸化マンガン層を形成する。二酸化マンガン層を形成し
た後、酢酸等の液を用いて再化成し、所定の厚さの固体
電解質層23を形成する。
【0024】次に、カーボンペーストを塗布して乾燥し
カーボン層25を形成する。さらにその上に導電性銀ペ
ーストを塗布して乾燥し銀層26を形成することにより
コンデンサ素子3を作製する。
【0025】次に、陽極用リード線2とワイヤ27を抵
抗溶接によって接続する。抵抗溶接は、陽極用リード線
2やワイヤ27の酸化皮膜を除去したりする前処理工程
が不要である。
【0026】次に、陽極端子4と陰極端子10が形成さ
れた絶縁基板8をコンデンサ素子3の下面に取付ける。
絶縁基板8の作製は、前記コンデンサ素子3の作製と並
行して行なわれる。陽極端子9と陰極端子10は、メッ
キ(または導電ペーストの塗布、乾燥)によって同時に
形成される。このような絶縁基板8のコンデンサ素子3
への取付けは、陽極端子9と陰極端子10の表面側に導
電性接着剤7,28を塗布した後、コンデンサ素子3を
絶縁基板8の上に載せて陽極端子9とワイヤ27を導電
性接着剤28によって接続し、陰極端子10と銀層26
を導電性接着剤7によって接続することにより行われ
る。
【0027】次に、絶縁基板8が下面に取付けられ、陽
極端子9がワイヤ27を介して陽極用リード線2に接続
され、陰極端子10が銀層26に導電性接着剤7によっ
て接続されたコンデンサ素子3をトランスファモールド
法により熱硬化性の合成樹脂によってモールドすること
により、外装6によって被覆されたチップ形のタンタル
固体電解コンデンサ20が製作される。
【0028】このように本発明においては、陽極用リー
ド線2と陽極端子9との間にワイヤ27を介在させ、こ
のワイヤ27と陽極用リード線2を抵抗溶接によって接
続したので、溶接時に酸化被膜を除去したり、金メッキ
を施したりする必要がなく、導電性接着剤やヒューズを
用いて接続する場合に比べて接続作業が容易で、作業性
に優れている。また、抵抗溶接の場合は、導電性接着剤
やヒューズを用いて接続する場合に比べてコンデンサ素
子3の精度、ばらつき、傾き、絶縁樹脂によるモールド
時に生じる膨張、収縮等による影響が少なく、高い接合
強度が得られるため、確実に接続することができ、接続
の信頼性を向上させることができる。
【0029】また、ワイヤ27は外装6内に埋設され、
外装6の側面側には引き出されないので、陽極用リード
線2とワイヤ27との接続箇所を陽極用リード線2のタ
ンタル焼結体21から突出している突出部の長さとする
ことができる。したがって、コンデンサ20の長さを短
くすることができ、小型化を可能にする。また、コンデ
ンサ20の外形寸法を変えず従来と同じ大きさにすれ
ば、コンデンサ素子3の形状を大きくすることができる
ので容量を増大させることができる。さらに、絶縁基板
8は絶縁材によって形成され樹脂外装6と同様に外装と
しての機能をも有するため、樹脂外装6の厚さを絶縁基
板8の厚さだけ薄くすることができる。したがって、コ
ンデンサ20全体の厚さが絶縁基板8によって厚くなる
こともなく、コンデンサ20の体積効率を向上させるこ
とができる。
【0030】図2は本発明の第2の実施の形態を示す断
面図である。この実施の形態においては、絶縁基板8に
スルーホール33を形成し、このスルーホール33の内
周面と絶縁基板8の裏面でスルーホール33の周縁部に
陽極端子9をメッキまたは導電膜によって形成し、さら
にスルーホール33に42アロイ、銅等によってピン状
に形成した鍔付きのワイヤ34を絶縁基板8の下面側か
ら圧入して陽極端子9に電気的に接続し、ワイヤ34の
上面を陽極用リード線2の下面に抵抗溶接によって接続
している。この場合、陽極端子9とワイヤ34の電気的
接続は、圧入のみによって行ったが、必要に応じて半田
付けを併用してもよい。その他の構造は上記した第1の
実施の形態と全く同一であるため、その説明を省略す
る。
【0031】このような構造においても、陽極用リード
線2とワイヤ34を抵抗溶接によって接続しているの
で、上記した第1の実施の形態と同一の効果が得られ
る。また、ワイヤ34はスルーホール33への圧入によ
って陽極端子9に接続されるので、陽極端子9とワイヤ
34の接続作業も容易である。
【0032】図3は本発明の第3の実施の形態を示す断
面図である。この実施の形態においては、陽極用リード
線2のタンタル焼結体2から突出して部分の下面に、4
2アロイ、Ni等からなるワイヤ36を抵抗溶接によっ
て接続し、このワイヤ36と絶縁基板8に形成した陽極
端子9を金、アルミニウム等からなる細線37によって
接続している。細線37はワイヤボンディングによって
接続する。その他の構造は、上記した第1の実施の形態
と全く同一であるため、その説明を省略する。
【0033】このような構造においても、陽極用リード
線2とワイヤ36を抵抗溶接によって接続しているの
で、上記した第1の実施の形態と同一の効果が得られ
る。また、ワイヤボンディングは、ICの製造技術にお
いて確立された技術であるため、高い接続の信頼性が得
られる。
【0034】
【実施例】次に、本発明による実施例と従来例について
説明する。上記した第1の実施の形態によるコンデンサ
(実施例)と、図5に示した従来のコンデンサ(従来
例)の製品寸法を下記の表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】図4(a)、(b)に上記した第1の実施
の形態によるコンデンサと、図5に示した従来のコンデ
ンサの実装面積を示す。また、表2に実施例と従来例の
コンデンサの寸法と実装面積を示す。
【0037】
【表2】
【0038】上記表1および表2から明らかなように本
発明によるコンデンサによれば、図5に示した従来のコ
ンデンサに比べてコンデンサの外形寸法および実装面積
を縮小でき、高密度化に適している。
【0039】また、上記した第2、第3の実施の形態に
おけるコンデンサを製作して図5に示した従来のコンデ
ンサと外形寸法、実装面積についても比較したが、いず
れのコンデンサも上記した表1、表2と全く同一の結果
が得られた。
【0040】なお、上記した実施の形態においては、い
ずれも多孔質の焼結体をタンタルによって形成した例を
示したが、本発明はこれに何等限定されるものではな
く、アルミニウム、ニオブ等の弁作用金属によって形成
した焼結体であってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るチップ
形固体電解コンデンサは、陽極端子と陰極端子が表面か
ら側面を通って裏面にわたって形成された絶縁基板をコ
ンデンサ素子の下面に配設し、前記陽極端子の上面側に
ワイヤを設け、このワイヤと陽極用リード線を抵抗溶接
によって接続したので、酸化被膜を除去したり、金メッ
キを施したりする前処理工程を必要とせず、導電性接着
剤やヒューズを用いて接続する場合に比べて接続作業が
容易で、作業性に優れている。また、抵抗溶接の場合
は、コンデンサ素子のばらつき、傾き、モールド時に生
じる外装の膨張、収縮等の影響が少なく、確実に接続す
ることができ、導電性接着剤やヒューズを用いて接続し
た従来のコンデンサに比べて高い信頼性が得られる。ま
た、ワイヤを陽極用リード線と陽極端子との間に介在さ
せているので、ワイヤや陽極端子を外装の側面側に引き
出す必要がなく、陽極用リード線とワイヤとの接続箇所
の長さを短縮することができる。したがって、コンデン
サの長さを短くすることができ、小型化を可能にする。
また、コンデンサの外形寸法を変えない場合は、コンデ
ンサ素子を大きくすることができる。したがって、この
場合は容量が増大しコンデンサの体積効率を向上させる
ことができる。さらに、絶縁基板は絶縁材料によって形
成され樹脂外装と同様に外装としての機能をも有するた
め、樹脂外装の厚さを絶縁基板の厚さだけ薄くすること
により、コンデンサ全体の厚さが絶縁基板によって厚く
なることもない。
【0042】また、陽極用リード線にワイヤを抵抗溶接
によって接続し、このワイヤと陽極端子をワイヤボンデ
ィングによって接続した発明においても、上記した発明
と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るチップ形固体電解コンデンサの
第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図3】 本発明の第3の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図4】 (a)、(b)は実施例製品と従来例製品の
実装面積を示す図である。
【図5】 従来のチップ形タンタル固体電解コンデンサ
の断面図である。
【図6】 従来の他のチップ形タンタル固体電解コンデ
ンサの断面図である。
【符号の説明】
2…陽極用リード線、3…コンデンサ素子、4…陽極端
子、5…陰極端子、6…外装、7…導電性接着剤、8…
絶縁基板、9…陽極端子、10…陰極端子、21…タン
タル焼結体、22…誘電体被膜層、23…固体電解質
層、24…陰極層、25…カーボン層、26…銀層、2
7…ワイヤ、28…導電性接着剤、33…スルーホー
ル、34…ワイア、36…ワイヤ、37…細線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 裕 福島県田村郡三春町大字熊耳字大平16番地 日立エーアイシー株式会社三春工場内 (72)発明者 窪田 裕 福島県田村郡三春町大字熊耳字大平16番地 日立エーアイシー株式会社三春工場内 (72)発明者 吉弘 武士 福島県田村郡三春町大字熊耳字大平16番地 日立エーアイシー株式会社三春工場内 Fターム(参考) 5E082 AA01 AB09 BC32 BC39 EE02 EE13 EE23 EE32 EE45 FF05 FG03 FG16 FG27 FG44 GG10 HH27 HH47 JJ06 JJ15 JJ25 LL29

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極用リード線を備えた弁作用金属から
    なる多孔質の焼結体の表面に誘電体被膜層、固体電解質
    層および陰極層を順次形成してコンデンサ素子とし、前
    記陽極用リード線および陰極層に陽極端子と陰極端子を
    それぞれ接続し、これらの端子の一部と前記コンデンサ
    素子を絶縁樹脂からなる外装によって被覆したチップ形
    固体電解コンデンサにおいて、 前記陽極端子と陰極端子が表面から側面を通って裏面に
    わたって形成された絶縁基板を前記コンデンサ素子の下
    面に配設し、前記陽極端子の上面側にワイヤを設け、こ
    のワイヤと前記陽極用リード線を抵抗溶接によって接続
    し、前記陰極端子と前記陰極層を導電性接着剤によって
    接続したことを特徴とするチップ形固体電解コンデン
    サ。
  2. 【請求項2】 陽極用リード線を備えた弁作用金属から
    なる多孔質の焼結体の表面に誘電体被膜層、固体電解質
    層および陰極層を順次形成してコンデンサ素子とし、前
    記陽極用リード線および陰極層に陽極端子と陰極端子を
    それぞれ接続し、これらの端子の一部と前記コンデンサ
    素子を絶縁樹脂からなる外装によって被覆したチップ形
    固体電解コンデンサにおいて、 前記陽極端子と陰極端子が表面から側面を通って裏面に
    わたって形成された絶縁基板を前記コンデンサ素子の下
    面に配設し、前記陽極用リード線にワイヤを抵抗溶接に
    よって接続し、このワイヤと前記陽極端子をワイヤボン
    ディングによって接続し、前記陰極端子と前記陰極層を
    導電性接着剤によって接続したことを特徴とするチップ
    形固体電解コンデンサ。
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