JP2001241899A - 空包用弾薬 - Google Patents
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Abstract
小片化され、小片化の飛翔範囲が狭く、連射が可能であ
り、かつ生分解しやすい空包用弾薬を提供することにあ
る。 【解決手段】 雷管、着火薬および発射薬を内部に備え
た薬きょう部と弾頭部とから成る空包用弾薬において、
前記弾頭部が、生分解性樹脂と、比重1〜10であり、
かつ最大粒径3mm以下の充填物とから構成されて成
る。
Description
り、砲から発射されるとほぼ同時に分割破砕され、そし
て、小破片は飛翔範囲が狭く、かつ自然環境下において
自然分解して消滅する空包用弾薬に関する。
光、そして発射反動が望まれる。しかし、実弾では発射
する弾丸の飛距離が大きいため、射撃訓練は場所の確保
が難しく、機会が限られていた。したがって、射撃訓練
では砲口からの飛散物がないか、またあるとしてもその
飛散物は砲口から近い距離に落下する弾薬が望まれる。
として公知である。その一例として、弾丸の弾殻にプラ
スチックを用い、その弾殻の外周に軸長状の溝を形成
し、この弾丸内部の空洞部に鉄粉などをプレス成形した
ペレット状(タブレット状)の質量調整材を充填して成
る射撃訓練用弾丸が、Handbook Weaponry (ラインメタ
ル社発行)、Break-up Ammunition カタログ(NWM社)
に開示されている。
する機関砲から発射されると、砲腔の腔線の山により弾
丸の弾帯を切り、弾帯は腔線に沿って移動し弾丸に旋動
(スピン)を与える。そして、スピンしながら砲口外へ
出た弾丸は、弾丸の弾殻が外へ向かう遠心力で形状を維
持できなくなり破壊されるが、この弾殻は細分割され
ず、開花状の大塊となって残る。
ックを用いている。通常は、強度面からナイロンやポリ
エチレンが使用される。また、他の例として、弾丸素材
自体が着火し、爆燃してガス化してしまう爆発性物質を
素材とする弾丸が、米国特許第5,907,121号明
細書に開示されている。
スチックを用い、その弾殻の中に着弾時に爆破する火薬
が充填されている弾丸(軍事用演習用破壊消耗品)が、
特開平9−89500号公報に開示されている。また、
この弾殻の材料は、グルテン生分解性プラスチックによ
り形成され、弾殻の中に火薬とともに重量調整用の粉体
あるいは着弾表示用の粉体が充填されている。
用(5.56mm〜12.7mm)の空包用弾丸があ
る。また、他の例として、生分解性プラスチックから成
るピストル用弾丸が、特開平6−213597号公報に
開示されている。また、他の例として、薬室と砲腔との
境で装填するよう構成した分割破砕型の無薬きょう空包
用ふた栓が、特開平8−320200号公報に開示され
ている。
発射時におけるガス圧力をシールするとともに、このガ
ス圧力により分割破砕する際、大塊片の発生がない。
心力で弾殻を破壊する方式は、破壊を確実にするため、
通常は弾殻(外面または内面)に溝加工を行うが、飛散
物による飛散範囲を小さくするためには、弾殻の破片を
小さくする必要がある。そして、破片の大きさは、この
溝の間隔で決まる。
その強度面(取扱い上、機関砲における送給弾システム
上)で溝数に限界があるため、破片を小さくするには自
ずと限界があり、開花状の大塊となって残ってしまう。
通常は強度面からナイロンやポリエチレンが使用される
ので、これらは自然環境下において腐食消滅することな
く、いつまでも残り環境上の問題を生じる虞がある。次
に、爆発性物質を素材とする弾丸の方式では、砲身内で
弾丸素材が着火、爆燃してガス化するため、飛散物はほ
とんど生じないが、砲身内の焼食により砲の寿命が短く
なる虞がある。また、万一爆燃しなかった場合、実弾と
同等の飛距離が出る虞がある。
弾殻と、その中に火薬を充填している弾丸では、砲から
発射された後、目標の標的まで飛行し、標的に当たり弾
殻内の火薬により破砕するので、飛距離の問題や訓練条
件などの問題が生じ、訓練場所などが特定されてしま
う。次に、小銃用の空包の紙束では、紙や段ボール紙が
使用されており、重量が軽いため、これをそのまま小中
口径用空包に使用しても実弾と同様の反動力が得られ
ず、連射が不可能であった。また、実弾と形状を異にす
るもので、実弾使用時のような取扱い、装填訓練が採用
できなかった。
トル用弾丸では、衝撃に強いため、分割破砕されにくい
上に、破片の飛距離が長く、また弾丸の重量が軽いため
連射が不可能であった。次に、無薬きょう空包用ふた栓
では、155mmのような大口径で分離装填弾に用いる
もので、このふた栓を装填した後に発射薬を装填するこ
ととなる。
おり、また、ガス反動を利用して連続射撃する機関砲の
タイプ(25mm弾使用、35mm弾使用など)のよう
に実弾相当の質量を得て速射的に連続射撃する構成とし
ていないので、所定の腔圧を得て速射的に連続射撃を安
定的に行うことはできない。
めに為されたもので、その目的は、射撃時に弾丸が分割
破砕され、その破片が小片化され、小破片の飛翔範囲が
狭く、連射が可能であり、かつ生分解しやすい空包用弾
薬を提供することにある。
火薬および発射薬を内部に備えた薬きょう部と弾頭部と
から成る空包用弾薬において、前記弾頭部が、生分解性
樹脂と、比重1〜10であり、かつ最大粒径3mm以下
の充填物とから構成されて成ることを特徴とする空包用
弾薬である。
おいて、前記弾頭部が、生分解性樹脂と分散させた充填
物とで一体成形されて成ることを特徴とする空包用弾薬
である。第2の発明においては、比重1〜10であり、
かつ最大粒径が3mm以下の充填物が、弾頭部中にほぼ
均一に分散しているため、弾頭部として要求される強度
を有し、かつ連射機関砲の送給弾する装填衝撃(ガス圧
力)、発射時のセットバック(後退力)で弾殻部が軸方
向につぶされ割れに耐えるとともに砲口から近距離の範
囲内で完全に分割破砕することができる。すなわち、弾
頭部に所定の強度と脆さを付与することができる。
るので、使用後に、自然環境下(例えば地上など)で自
然分解し形状などが消滅する。第3の発明は、第1の発
明の空包用弾薬において、弾頭部の外殻部が生分解性樹
脂で成形されるとともに、その内部に充填物を配置して
成ることを特徴とする空包用弾薬である。
洞部を形成しておりその中に充填物が設けられ、実弾相
当の質量を得ると同時に、外殻部の分割破砕に寄与して
いる。弾頭部は、弾底部と弾殻部とで構成されており、
この弾底部の内部断面形状を、例えば、半円状、半
楕円状、台形、などにして、充填物を配置することが
できる。
がら砲口外へ出て小片化するときに、充填物は、ともに
粉塵状になって飛散落下する。第4の発明は、第1の発
明または第3の発明の空包用弾薬において、充填物の一
部が緩衝材であることを特徴とする空包用弾薬である。
第4の発明においては、弾殻部の空洞部に充填物と緩衝
材を設けるものであるが、緩衝材は、充填物の隙間を埋
めることができ、また、送給弾の際に、充填物が弾殻内
を移動し弾殻に衝突する衝撃を緩和する。
おり、この弾底部の内部断面形状を、例えば、半円
状、半楕円状、台形、などにして、充填物を配置す
ることができる。第5の発明は、第1の発明ないし第4
の発明のいずれかの空包用弾薬において、前記弾頭部
の、弾底部外側底面、弾殻部外側外周または弾殻部内側
内周のいずれか1ヶ所以上にスリットを設けて成ること
を特徴とする空包用弾薬である。
が、割れの起点となり、弾頭部を分割破砕する。また、
機関砲の砲腔内からガス圧で外へ出る際、弾帯により砲
腔内の腔線にそってスピン(回転)しながら空包用弾薬
の弾殻部外側外周または弾殻部内側内周に設けたスリッ
トが、割れの起点となり、弾殻部を分割破砕する。
たは第4の発明のいずれかの空包用弾薬において、前記
弾殻部は、前記充填物の発射後退力により弾底部が破壊
・分離する前に、弾殻部尾部側面に破壊を生じさせる破
壊領域が弾底部内面に形成されていることを特徴とする
空包用弾薬である。第6の発明においては、充填物の発
射後退力により、弾殻部尾部側面に破壊を生じさせるた
めに、弾底部の内部に凹部を形成する。
力を加え、弾底部の底面から側面にわたって割れを与え
ることができる。第7の発明は、第6の発明の空包用弾
薬において、前記弾底部内面は、凹部断面形状が半円状
に形成されていることを特徴とする空包用弾薬である。
第7の発明においては、弾頭部は通常実弾と同様な円錐
形状であるが、その弾底部は円柱状であり、この弾底部
の内面(内部)の凹部形状は半球状となる。
基づいて説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係
る空包用弾薬1を示す(請求項1、請求項2、請求項5
に対応する)。空包用弾薬1は、薬きょう部2と、先端
が円錐形状を為す弾頭部3とから成る。そして、弾頭部
3が、生分解性樹脂と、比重1〜10であり、かつ最大
粒径が3mm以下の充填物とでほぼ均一に一体形成され
ている。
形成している。弾頭部3は、実弾相当の形状に形成して
ある。生分解性樹脂は、酸素や水分、微生物などが存在
する通常の環境条件下では自然分解する生分解性樹脂の
全てが使用可能であるが、生分解性樹脂の生分解性が良
いものほど好ましい。さらに、それらの中では融点が9
0℃以上のものがより好ましい。ここで、融点が90℃
以上とは、機関砲のように連続射撃するものは砲内が過
熱するので、当然大気環境下よりも高温になることが予
想されることから、弾頭部3が変形や破損しないための
条件である。
D533892の規格によるコンポスト化条件で、40
日で90%以上の分解率を示すことを意味している。具
体的に例示すると、例えば、ポリ乳酸菌系のラクティ
(島津製作所(株)製)、脂肪族ポリエステル系のビオ
ノーレ(昭和高分子(株)製)、ポリ乳酸菌系のレイシ
ア(三井化学(株)製)、セルグリーン(ダイセル化学
工業(株)製)、ビオグリーン(三菱ガス化学(株)
製)、エコプラ(カーギルジャパン(株)製)、ルナー
レ(日本触媒(株)製)、ポバール(クラレ(株))、
エバーコーン(日本コーンスターチ(株)製)、澱粉系
のコーンポール(日本コーンスターチ(株)製)、ドロ
ンCC(アイセロ化学(株)製)、ノボン(チッソ
(株)製)、マタービー(日本合成化学工業(株)
製)、澱粉系のプラコーン(日本食品加工(株)製)な
どが挙げられる。
が3mm以下の充填物(以下、分散粒子と略記する)と
は、弾頭部3の構成物質となるものであり、かつ、弾頭
部3中においてほぼ均一に分散しているものである。分
散粒子の具体例としては、例えばパルプ、石炭、鉄、亜
鉛、タングステンなどの粉砕粒子が挙げられる。
パルプ、石炭が好ましい。分散粒子の平均粒子径は、通
常、1μm〜3mmであり、分散粒子の種類により最適
な粒子径を選択する。一般には、粒子径は小さいものを
選択する方が飛翔範囲が狭くなる傾向にあるが、1μm
未満では成形時の取扱いが困難となる。3mmを超える
場合には、均一な成形が困難となる。
わせで使用される。例えば、鉄粉とパルプ、鉄粉と石炭
灰などが挙げられる。空包用弾薬1において、生分解性
樹脂の弾頭部中に占める含有量は通常5重量%〜90重
量%であり、最大腔圧を出すために必要な強度と砲口離
脱後の良好な分割破砕状況を得るため、好ましくは10
重量%〜70重量%、さらに好ましくは15重量%〜3
0重量%である。
それ以外の分散粒子を選択した場合には、通常以下の条
件を満たすように、その種類、重量比を調整する必要が
ある。ただし、右辺の2は、砲システム、使用発射薬に
より大きくなる場合がある。 Cada+Cbdb+Ccdc>2 Ca:生分解性樹脂の弾頭部中に占める重量割合 Cb:金属粉以外の分散粒子の弾頭部中に占める重量割
合 Cc:金属粉の弾頭部中に占める重量割合 da:生分解性樹脂の真比重 db:金属粉以外の分散粒子の真比重 dc:金属粉の仮比重 空包用弾薬1における弾頭部3の製造は、例えば対象と
する比重2(真比重)の物質をおよそ0.1mm〜2.
5mmまで粉砕する。その後、混和機に入れ、必要に応
じてさらに均一性を増すために高分子樹脂系分散剤を混
入する。それを生分解性樹脂と混合し、射出成形するこ
とで行われる。
用弾薬の弾頭部10を示す(請求項1、請求項3、請求
項5ないし請求項7に対応する)。弾頭部10は、生分
解性樹脂から成る弾殻部11と、その中に充填された充
填物12とから成る。充填物12とは、比重1〜10で
あり、かつ最大粒径が3mm以下のもの、好ましくは仮
比重が3.5以上であり粒径が200μm以下である全
てのものが含まれるが、有害性のないものが好ましい。
テンであり、製造の際の利便性および良好な分割破砕状
況を得るためには、好ましくは粒径10μm〜100μ
mの鉄、亜鉛、タングステンなどが挙げられる。弾殻部
11の厚さは、通常砲の口径の2%〜20%であり、取
扱時、輸送時ならびに装填衝撃に対する強度確保のため
に砲の口径の5%以上が好ましい。また、連射に有効な
反動量を得るための重量を確保するためと、良好な分割
破砕状況を得るため、砲の口径の20%以下が好まし
い。
圧力に耐えうる強度を持つ必要性から、特に限定はない
が、通常砲の口径の15%〜25%とするが、良好な分
割破砕状況を得るために、図3のような構造の弾底部1
3が好ましい。さらに好ましくは、図4のように弾底部
13にスリット14を入れる。弾頭部10における弾殻
部11の製造は、成形を可能とするために、弾殻部11
をユニットに分け、各ユニットに対応する金型に加熱溶
融した生分解性樹脂を射出成形し、それらを嵌合させ弾
殻部11を作製する。その後、金属粉を内部に充填ある
いは圧填することで行われる。
の弾殻部11を作製するためには、例えば、図5に示す
3つのユニット(先端部15、胴体部17、弾底部1
3)を組み合わせる方法がある。各ユニット(先端部1
5、胴体部17、弾底部13)を作製するために各ユニ
ット用の金型を作製し、そこに加熱溶融した生分解性樹
脂を射出成形する。先端部15、胴体部17を組み合わ
せた後に、内部の中空部分に充填物12を充填し、弾底
部13を接着剤を介して結合する。
製するためには、例えば、図6に示す3つのユニット
(先端部15a、胴体部17a、弾底部13a)を組み
合わせる方法もある。この場合には、充填物12aとし
て、例えば、タングステンと砂とを任意の割合で混ぜた
ものなどが使用される。
力)Gの力が大きくかかるので、弾殻部11を所定の強
度にする必要がある。ただし、強度が大きいと砲口から
近距離の範囲に完全に分割破砕し小片化することが容易
でないので、脆さ(伸び率の低いもの)の性質を併せ持
つ生分解性樹脂が必要である(伸び率を低くするために
は、フィラーの混合量を調整する)。
場合には、一般にその引張力に応じた伸びが物体に生じ
る。そして、物体の元の長さ(引張力を加える前)に対
して引張力によって伸びた寸法の比率を%で示したもの
をいう。図7は、本発明の第三実施形態に係る空包用弾
薬20を示す(請求項1、請求項4ないし請求項7に対
応する)。
ょう部21と弾頭部22とから成る。そして、弾頭部2
2が、先端が円錐状を為す弾殻部本体23と、閉鎖部2
5を有する弾底部24とから成る。弾殻部本体23と弾
底部24は、生分解性樹脂によって形成されている。弾
殻部本体23は、弾底部24に近い方に弾帯26を形成
している。また、弾殻部本体23は、先端部27aが閉
塞した空洞27が全長にわたって形成されている。空洞
27内には、充填物28を配置されている。充填物28
は、先端から緩衝紙(例えば、ティッシュペーパ)28
a、鉄粉(例えば、平均粒子径80μm)28b、鉄粉
ペレット(例えば、2枚の円柱状鉄粉ペレット)28
c、鉄粉(例えば、平均粒子径80μm)28dを順に
充填している。
(空洞27の内壁と接触する側面)にエポキシ系の接着
剤を塗布する。これは、主に、弾薬を機関砲に装填する
際の衝撃で、円柱状鉄粉ペレット28cが弾丸内部で移
動したり崩れたりして、弾丸に損傷を生じさせないため
である。緩衝紙28aは弾力性があるので、緩衝紙28
aを入れることで輸送中や保管中の鉄粉密度の変化によ
る隙間が発生した場合でも、この隙間を埋めることがで
きる。
填する際の動作で、鉄粉28bが、弾殻内部を動く際の
衝撃を緩和する。緩衝紙28aは、軽く弾力性があるの
で、鉄粉などの充填する質量の関係から隙間が生じる場
合にも使用できることは言うまでもない。緩衝材28a
は、紙以外にも、コルク、発泡性樹脂(例えば、発砲ス
チロール、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレンなど)
が使用可能である。
4を挿入し接着固定して基本的な弾殻部が完成する。鉄
粉ペレット28cとしては、ペレット以外に、鉄粉をタ
ブレット形状にプレス成形したものでも良い。ここで、
タブレット形状とは、錠剤状のものをいい、丸薬として
飲み込める小さな円盤状のものをいう。
粉28b、鉄粉ペレット28c、鉄粉28dを順に充填
した場合について説明したが、先端から緩衝紙28a、
鉄粉ペレット28c、鉄粉28b、鉄粉ペレット28
c、鉄粉28dを順に充填しても、あるいは先端から緩
衝紙28a、鉄粉ペレット28c、鉄粉28dを順に充
填しても良い。
胴体部より若干小さい径とし、挿入部29bが弾殻部本
体23の胴体部にしっくり挿入できる程度の径としてあ
る。弾底部24は、弾殻部本体23の開口部23aにエ
ポキシ系の接着剤を介して固着される。弾底部24の内
面断面は略半円状の凹部24aを形成している。
2において、弾殻部(充填物を装填している)の質量と
発射薬量(ガス圧力に係わる)を基準(100%)にし
て、それぞれを減量させたときの腔圧データを表1に示
した。
ともその一方が減少する場合には腔圧の減少を伴うこと
が分かる。
すための必要最小腔圧は機関砲のタイプにより異なり、
弾頭部質量と発射薬量の組み合わせ設定を表1などのデ
ータに基づいて行うことが可能となる。なお、本実施形
態では弾底部24の内部断面を半円状の凹部24aに形
成(この場合、弾底部は円柱状なのでその内部の凹部は
半球状となる)したものを用いているが、必ずしもこの
半円状に限定されるものではなく、半楕円形状、円錐形
状、台形状などが可能である。
作用を説明する。空包用弾薬20を、機関砲(火砲)の
薬室に装填し、薬きょう部21の弾底部に設けられる雷
管21aを撃針で発火させ着火薬および発射薬に伝火さ
せてこの燃焼ガス圧力で弾頭部22を発射させる。薬き
ょう部21は、弾頭部発射後、送給弾システムにより砲
内から自動的に排出される。
ス圧力で次弾の送給弾を行うが、弾頭部22は、ガス圧
力で砲腔内から外へでる。その際、弾帯26により砲腔
内の腔線に沿ってスピン(回転)しながら放出される。
この時、発射時のセットバックG(後退力)で弾頭部2
2が軸方向につぶされ、弾殻部本体23が割れる。
弾を送給弾するためのガス圧力を確保する必要から、一
定の質量を有する一塊の物体として砲腔内を移動し、砲
口から出て完全に分割破砕および小片化する。そして、
この小片化した弾頭部22は、最大でも略幅10mm×
40mmの片状なので空気抵抗により急激に減速し、砲
口の近い距離で落下する。
8は、ガス圧力により弾頭部22が砲腔内を加速しなが
ら砲口から近距離の範囲で完全に小片化する弾頭部22
とともに粉塵状になって飛散落下する。このとき、内部
の密度を高めるために鉄粉ペレット28cを挟んで両サ
イドに鉄粉28b、28dを入れてあるので、発射時に
弾殻部本体23の耐圧が弱まり始めると鉄粉ペレット2
8cが粉体を圧しながら後退するので、鉄粉ペレット2
8c自体に不均一なひずみがかかり、鉄粉ペレット28
cが崩壊し、砲口外へ出たときには粉体となる。
(後退力)Gで弾頭部22の弾底部24を破砕し始め
る。このとき、弾底部24の内面底部の断面形状を略半
円状にしているので、充填物28は底面25と側面24
bに圧力を加え、弾底部24の底面25から側面24b
にわたり完全に割れる。
落下すると、充填物28は例えば鉄粉であり、自然界の
環境下で腐食消滅し、また、弾殻部22は生分解性樹脂
なので自然界の微生物により分解され消滅する。
用弾薬30を示す(請求項1、請求項3ないし請求項7
に対応する)。本実施形態に係る空包用弾薬30は、弾
頭部31の表面に幅1mm、深さ2mmのスリット3
2、33を複数長手方向に設けたものである。弾頭部3
1は、胴体部外径35mm、長さ175mm、肉厚3m
mの円錐形状(実弾相当の形状)に形成してある。
に、弾殻部本体31aの先端部31a1の表面に等間隔
で8本設けてある。スリット32は、弾殻部本体31a
の円錐形状を為す弾殻部胴31a2の始まる付近から先
端部31a1までの約50mmとしている。スリット3
3は、図9に示すように、弾殻部本体31aの弾殻部胴
31a2に等間隔で8本設けてある。スリット33は、
弾帯36から円錐形状に成る境付近までの約70mmと
してある。
31は、図1に示す空包用弾薬1、図2に示す弾頭部1
0、図7に示す空包用弾薬20のいずれの構造であって
も良く、任意である。本実施形態では、幅1mm、深さ
2mmのスリット32、33を8本設けた場合について
説明したが、スリット32、33の溝幅、溝深さ、長
さ、本数、箇所などは、質量調整の充填物の種類(密度
が重要)や胴体外径などから適宜選択することが好まし
い。
ットを形成する場合について説明したが、弾殻部内面に
スリットを形成しても良い。本実施形態に係る空包用弾
薬30の作用を説明する。
に装填し、薬きょう部35の弾底部に設けられる雷管3
7を撃針で発火させ着火薬および発射薬に伝火させてこ
の燃焼ガス圧力で弾殻部を発射させる。薬きょう部は、
弾丸発射後、送給弾システムにより砲内から自動的に排
出される。
ス圧力で次弾の送給弾を行うが、弾頭部31は、ガス圧
力で砲腔内から外へでる。その際、弾帯36により砲腔
内の腔線に沿ってスピン(回転)しながら弾頭部31の
外周側面部および底部面に設ける各スリット32、33
から割れ始める。この時、発射時のセットバックG(後
退力)で弾頭部31が軸方向につぶされ、弾殻部本体3
1aが割れることとなるが、スリット32、33は割れ
の起点となる。
弾を送給弾するためのガス圧力を確保する必要から、一
定の質量を有する一塊の物体として砲腔内を移動し、砲
口から出て完全に分割破砕および小片化する。そして、
この小片化した弾頭部31は、最大でも略幅10mm×
40mmの片状なので空気抵抗により急激に減速し、砲
口の近い距離で落下する。
四実施形態に係る弾頭部10、空包弾薬20、30のい
ずれかに使用される弾底部40を示す(請求項5に対応
する)。弾底部40は、鍔部41と挿入部44とが一体
成形されており、鍔部41の外側底面部42には、等間
隔に8本のスリット43が形成されている。
四実施形態に係る弾頭部10、空包用弾薬20、30の
いずれかに使用される弾底部50を示す(請求項6、請
求項7に対応する)。弾底部50は、鍔部51と挿入部
52とを有し、挿入部52の内部断面が底面方向に略半
円状を為す凹部53に成形してある。
(後退力)Gで充填物(鉄粉など)が底面54および側
面55方向に力がかかる様子を表している。なお、本発
明は、従来の小銃用空包弾薬から大口径砲用空包弾薬ま
で適用可能である。
説明する。
包用弾薬に応用した例を示す。平均繊維長2.0mmで
ある針状結晶を持つ古紙パルプを90重量%とラクティ
ー((株)島津製作所製生分解製樹脂)を10重量%混
合し、外割で8重量%の高分子樹脂系分散剤を添加す
る。それを射出成形し、図1に示す外形を持つ35gの
弾頭部3を作製した。
弾頭部3を設置して、空包用弾薬1を作製し、25mm
機関砲により射撃試験を行った。弾頭部3の破砕状況
を、砲口前5mの所に縦×横が1.8m×1.8mで厚
さ1mmのチップボードを設置し、チップボードにあい
た孔径ならびに孔数状況により確認した。
の状況から判断すると、最大破片の大きさは1.5cm
×1.0cmの大きさであり、約300個の小片に分割
されていることが分かった。
射撃試験を実施した結果、チップボードには破片が刺さ
っていなかったことから、30m以上の飛距離は無いこ
とを確認した。なお、弾頭部3のバインダー成分が6ヶ
月で大部分生分解することを確認した。
い、平均粒径0.5mmである石炭灰を72重量%とラ
クティー((株)島津製作所製生分解製樹脂)を28重
量%混合し、外割で8重量%の高分子樹脂系分散剤を添
加する。それを射出成形し、図1に示す外形を持つ4
9.5gの弾頭部3を作製した。
頭部3を設置して、空包用弾薬1を作製し、25mm機
関砲により射撃試験を行った。弾頭部3の破砕状況を、
砲口前5mの所に縦×横が1.8m×1.8mで厚さ1
mmのチップボードを設置し、チップボードにあいた孔
径ならびに孔数状況により確認した。
の状況から判断すると、最大破片の大きさは2.5cm
×1.0cmの大きさであり、約300個の小片に分割
されていることが分かった。次に、30m地点にチップ
ボードを置いて射撃試験を実施した結果、チップボード
には、わずか1個の小片のみが届いたに過なかった。
で大部分生分解することを確認した。
炭灰を34重量%、平均粒径0.05mmである鉄粉を
44重量%、およびラクティー((株)島津製作所製生
分解製樹脂)を22重量%混合し、外割で8重量%の高
分子樹脂系分散剤を添加する。それを射出成形し、図1
に示す外形を持つ75gの弾頭部3を作製した。
頭部3を設置して、空包用弾薬1を作製し、25mm機
関砲により射撃試験を行った。弾頭部3の破砕状況を、
砲口前5mの所に縦×横が1.8m×1.8mで厚さ1
mmのチップボードを設置し、チップボードにあいた孔
径ならびに孔数状況により確認した。
の状況から判断すると、最大破片の大きさは2.8cm
×1.8cmの大きさであり、約300個の小片に分割
されていることが分かった。次に、50m地点にチップ
ボードを置いた射撃試験を実施した結果、チップボード
の状況から判断すると、最大破片の大きさは2.5cm
×1.0cmであり、平均4個の破片が貫通していた
が、80m以上飛翔したものはなかった。
つ、弾頭部3のバインダー成分が6ヶ月で大部分生分解
することを確認した。(実施例4)図5に示すような各
パーツを作製し、それらと充填剤を組み合わせて弾頭部
10Aを作製した。生分解性樹脂として、ビオノーレ
(昭和高分子(株)製生分解製樹脂)を使用し、充填物
12としてタングステン(仮比重5.9)と砂(仮比
重)を任意の割合に混ぜたものを使用し、重量が75g
および105gの2種類とした。
部10Aを設置して、空包用弾薬を作製し、25mm機
関砲により射撃試験を行った。弾頭部10Aの破砕状況
を、砲口前5mの所に縦×横が1.8m×1.8mで厚
さ1mmのチップボードを設置し、チップボードにあい
た孔径ならびに孔数状況により確認した。
の状況から判断すると、最大破片の大きさは3.0cm
×1.5cmの大きさであり、約300個の小片に分割
されていることが分かった。次に、50m地点にチップ
ボードを置いた射撃試験を実施した結果、チップボード
の状況から判断すると、いずれの場合も、チップボード
は無傷であることから、50m先のチップボードを貫通
する威力は残っていないことを確認した。
つ、弾頭部10Aの胴体部分17が12ケ月で大部分生
分解することを確認した。(実施例5)本発明を35m
m機関砲の空包用弾薬に応用した例を示す。図6に示す
ような各バーツを作製し、それらと充填物12aを組み
合わせることで、弾頭部10Bを作製した。生分解性樹
脂としてはビオノーレ(昭和高分子(株)製生分解製樹
脂)を使用し、充填物12aとしてタングステン(仮比
重5.9)と砂(仮比重)を任意の割合に混ぜたものを
使用し、重量を380gとした。
部10Bを設置して、空包用弾薬を作製し、射撃試験を
行った。その結果、100m地点に置いたチップボード
の状況から判断すると、最大破片の大きさは3.0cm
×1.0cmであり、平均1個の破片の打痕が確認され
たが、110m以上飛翔したものはなかった。
つ、弾頭部10Bの胴体部分17aが12ヶ月で大部分
生分解することを確認した。
を有する。
片の飛翔範囲が狭いので、安全性が高い。 (2)実弾相当の形状と質量を有し、機関砲での連続射
撃が可能となる。 (3)連射が可能であるので、実弾時と同じ取扱、装
填、射撃訓練が可能である。 (4)弾頭部が、砲口の近い距離で分割破砕および小片
化し落下するので、射撃訓練上(演習上)の安全が確保
されるとともに、訓練場所の選定範囲が広がる。 (5)弾頭部が、添加物を混合する生分解性樹脂により
形成されるので、使用後に、自然環境下(例えば地上な
ど)で自然分解し形状などが消滅する。
断面図である。
図である。
る。
る。
側面図である。
図である。
用いられる弾底部を示す斜視図である。
用いられる弾底部を示す断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 雷管、着火薬および発射薬を内部に備え
た薬きょう部と弾頭部とから成る空包用弾薬において、
前記弾頭部が、生分解性樹脂と、比重1〜10であり、
かつ最大粒径3mm以下の充填物とから構成されて成る
ことを特徴とする空包用弾薬。 - 【請求項2】 請求項1記載の空包用弾薬において、前
記弾頭部が、生分解性樹脂と分散させた充填物とで一体
成形されて成ることを特徴とする空包用弾薬。 - 【請求項3】 請求項1記載の空包用弾薬において、弾
頭部の外殻部が生分解性樹脂で成形されるとともに、そ
の内部に充填物を配置して成ることを特徴とする空包用
弾薬。 - 【請求項4】 請求項1または請求項3の空包用弾薬に
おいて、充填物の一部が緩衝材であることを特徴とする
空包用弾薬。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか記載
の空包用弾薬において、前記弾頭部の、弾底部外側底
面、弾殻部外側外周または弾殻部内側内周のいずれか1
ヶ所以上にスリットを設けて成ることを特徴とする空包
用弾薬。 - 【請求項6】 請求項1、請求項3または請求項4記載
の空包用弾薬において、前記弾殻部は、前記充填物の発
射後退力により弾底部が破壊・分離する前に、弾殻部尾
部側面に破壊を生じさせる破壊領域が弾底部内面に形成
されていることを特徴とする空包用弾薬。 - 【請求項7】 請求項6記載の空包用弾薬において、前
記弾底部内面は、凹部断面形状が半円状に形成されてい
ることを特徴とする空包用弾薬。
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JP2006349284A (ja) * | 2005-06-17 | 2006-12-28 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 空包 |
EP3321627A4 (en) * | 2015-07-10 | 2018-11-21 | López-Pozas Lanuza, Enrique | Biodegradable ammunition for firearms |
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- 2000-02-28 JP JP2000051036A patent/JP3681317B2/ja not_active Expired - Fee Related
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