JP2001131084A - 生体コラーゲン合成促進剤 - Google Patents
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Abstract
に高めることができる生体コラーゲン合成促進剤を提供
すること 【解決手段】 分子量が400以下のコラーゲンまたは
ゼラチンの分解物を含有する生体コラーゲン合成促進
剤。アミノ酸配列がGly−X−Y(X、Yはアミノ
酸)でありそのうち特にGly−Pro−Hypのトリ
ペプチドを含む生体コラーゲン合成促進剤。
Description
ン合成の促進活性を高める剤に関する。
/3を占めるタンパク質で、血管や皮膚、骨に多く存在
する。コラーゲンは消化酵素でほとんど分解されないた
め栄養価の低いタンパク質と考えられたことがあった
が、コラーゲンを摂取することによる新陳代謝促進(特
開平7−278012)、頭髪の直径が太くなる(Nutr
ition Reports International,13,579,1976)ことや、
関節症治療用薬剤としての利用(特開昭63−3982
1)が報告され、有用性が見直されている。更にこのコ
ラーゲンタンパクは加齢とともに減少することから血管
の脆弱化や皮膚の弾力性・柔軟性の減少などの一因と考
えられている。近年、コラーゲンタンパクもしくはその
加水分解物の経口摂取による皮膚の新陳代謝促進に関す
る特許(特開平7−278012)も開示され、主に美
容向けの健康食品が多数販売されている。
その高い粘性、凝固性、保水性および保湿性を利用し
て、食品の食感改良剤や化粧品(特開昭52−1116
00)として使用されている。しかし、未処理のコラー
ゲンおよびゼラチンは粘性が高く凝固し易い性質を持つ
ため、部分加水分解処理されたものを使用することが多
い。また、タンパク質であるため抗原性を有し、アレル
ギー体質のヒトの摂取には問題がある。そのため、コラ
ーゲンをコラゲナーゼによって、低分子化することによ
り抗原性をなくしアレルギー患者向けのタンパク質源あ
るいは輸液製剤成分としての利用が開示されている(特
開平7−82299)。
生理活性については、フィブリン凝集阻害活性(特開平
6−46875)、麻酔作用(Br.J.Pharmacol.,69,55
1,1980)が知られている。また、Clostridium histolyt
icum由来のコラゲナーゼによるコラーゲンの分解産物に
関しては、Nagai,Y.が、生成するトリペプタイドの36
%がGly−Pro−Hypでもっとも多いと報告して
いる(J.Biochem.,50,486,196
1)。
物の経口摂取により生体のコラーゲンタンパク生合成を
促進させ、生体コラーゲンの新陳代謝を高める場合、
0.5〜40gの摂取が必要とされており(特開平7−
278012)、イタリアにおいては1日あたり2〜6
gの摂取を推奨している。しかしながら、数gのコラー
ゲンタンパク摂取は、臭いや凝固性の点から通常の食品
に添加することは現実的でない。
内コラーゲンタンパク合成活性を飛躍的に高めることが
できる生体コラーゲン合成促進剤を提供することであ
る。
うな問題点を解決するためにコラーゲンタンパクの経口
摂取の薬理作用について鋭意研究を重ねた結果、コラー
ゲンタンパクを特定の分子量以下まで加水分解すること
により、上記目的を達成できることを見出し、本発明に
到達した。即ち、本発明は、コラーゲンまたはゼラチン
の分解物であって分子量が400以下のものを含有する
ことを特徴とする生体コラーゲン合成促進剤である。コ
ラーゲンまたはゼラチンの分解物としては、アミノ酸配
列がGly−X−Y(X,Yはアミノ酸)であるペプタ
イドが好ましく、特に好ましくはアミノ酸配列がGly
−Pro−Hypのものである。また、本発明はアミノ
酸配列がGly−X−Y(X,Yはアミノ酸)であるペ
プタイドを含有することを特徴とする生体コラーゲン合
成促進剤であり、好ましくはアミノ酸配列がGly−P
ro−Hypのものである。
ンパクは、例えば牛や豚などの動物の皮膚、骨および腱
などの結合組織から抽出したもの、もしくはコラーゲン
タンパクの熱変性物であるゼラチンがある。
の分解物とは分子量が400以下のものである。コラー
ゲン又はゼラチンの加水分解は加水分解酵素による方法
でもよく、酸あるいはアルカリによる加水分解であって
も問題ない。酵素分解に用いる加水分解酵素としては、
例えばコラゲナーゼ酵素においては、Clostridium hist
oticum,Streptomyces parvulusなどの細菌、放線菌ある
いは真菌など由来のものを使用できる。また遺伝子組み
替え技術により他の菌体に産生させたもので、類似の基
質特異性を有する酵素であっても問題はなく、これらの
微生物により発酵させることも有効である。さらに、そ
の他のタンパク質加水分解酵素の混合物であってもよ
い。好ましくはGly−X−Y(X,Yはアミノ酸)で
あらわされるペプタイドを生成するものである。
ラチンの分解物は精製したものでもよいが、精製しなく
ても差し支えない。例えば他のコラーゲンまたはゼラチ
ンの分解生成物等の混合物でもよい。
ている。これらの酵素的に加水分解されたコラーゲンの
多くは、分子量の分布範囲が二千から八万である。これ
らの加水分解物は水に対する分散性の向上を目的とする
ものであって、生体内でのコラーゲン合成促進活性の向
上を目的としたものではない。これに対して本発明のコ
ラーゲン加水分解物は、特定の有効成分として分子量で
約400以下のペプタイドを含むことを特徴とし、その
加水分解処理により、生体内でのコラーゲン合成促進活
性を飛躍的に向上させることができる。
の分解物は、好ましくは、アミノ酸配列がGly−X−
Yのペプタイドであり、特に好ましくはアミノ酸配列が
Gly−Pro−Hypのものである。また、アミノ酸
配列がGly−X−Yのペプタイドの場合は、コラーゲ
ンまたはゼラチンの分解物でなくとも差し支えなく、液
相法、固相法に代表されるペプタイドの化学合成法によ
り合成されたペプタイドであっても問題ない。好ましく
は、アミノ酸配列がGly−Pro−Hypのものであ
る。
ラチンの分解物またはアミノ酸配列がGly−X−Yの
ペプタイドの量は全剤中1質量%以上が好ましく、特に
好ましくは15質量%以上である。分解物はゲルろ過な
どにより、分子量400以下のペプタイド部分を高度に
精製することもできる。本発明の生体コラーゲン合成促
進剤は、経口摂取可能な形態、例えば粉末、散剤、顆
粒、錠剤、カプセルなどの剤型にすることができ、また
飲料などの食品に配合することもできる。摂取量は特に
制限はないが、通常分子量が400以下のコラーゲンま
たはゼラチンの分解物またはアミノ酸配列がGly−X
−Yのペプタイドの量が0.03〜3g/日となるよう
な量である。さらに外用剤として軟膏や化粧品に配合し
ても問題ない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
チン30gを蒸留水300mlに加温溶解し、0.45
μmのフィルターで滅菌ろ過した。
チン30gを蒸留水300mlに加温溶解した。コラゲ
ナーゼタイプI(Worthington BiochemicalCorp.)30
0mgを加え、アンモニア水にてpHを7.5に調整し
た後37℃で1時間放置した。反応終了後、反応液を1
00℃で3分間加熱しコラゲナーゼを失活させ、次いで
0.45μmのフィルターで滅菌ろ過した。このろ液を
CDP−0とする。このろ液CDP−0を蒸留水で平衡
化したSephadex LH-20(Pharmacia)によるゲルろ過を行
い2つの画分(CDP−1,CDP−2)に分け、それ
ぞれを凍結乾燥した。ゲルろ過のクロマトを図1に示
す。それぞれのピークをSuperdex Peptide HR10/30(Pha
rmacia)を用いて、0.3M NaClを含む0.1M
リン酸ナトリウム緩衝溶液(pH7.2)を溶出液に用
いて分子量を求めたところ、CDP−1が約12000
〜500に分布し、CDP−2が約350だった。CD
P−2の約50%がGly−Pro−Hypであった。
チン30gを蒸留水300mlに加温溶解した。ペプシ
ン(Biozyme Lab.,LTD.)300mg
を加え、希塩酸にてpHを2.0に調整した後37℃で
1時間放置した。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液
でpHを7に調整した後100℃で3分間加熱しペプシ
ンを失活させ、次いで0.45μmのフィルターで滅菌
ろ過した。このものの分子量を測定したところ、120
00付近をピークに20000〜60に広く分布してい
た。図2にLH-20によるゲルろ過のクロマトを示す。
し、0.45μmのフィルターで滅菌ろ過した。この組
成はコラーゲンを構成するアミノ酸の組成に等しい。
ly−Pro−Hypを合成した。合成品は6N塩酸
中、110℃で22時間加水分解し、アミノ酸分析を行
った。アミノ酸分析値と元素分析値を以下に示す。アミ
ノ酸分析:Gly 1.00(1),Pro 1.05(1),Hyp 1.05(1)、元
素分析:C 43.22(43.11),H 6.43(6.45),N 12.37(12.57)
C12H19N3O5・HCl・0.7H2Oとして、括弧内は理論値。
を1週間予備飼育した後、1〜5の5群、一群5匹に分
けた。ラットの飼育は温度23℃、湿度55%環境下で
行い、飼料はCE−2(日本クレア(株))を用い、飲料
水とともに自由摂取させた。各群にはクエン酸でpHを
3.8〜4.0に調整した試料液を1日1回、13日間
連続で胃ゾンデを用いて投与した。ペントバルビタール
麻酔下、右腹側部を採取し可溶性コラーゲン量をハドロ
キシプロリン(Hyp)を指標に測定した。結果を表−
2に示す。CDP−2が含まれているCDP−0を与え
た群3は、蒸留水を与えた群1に比較して可溶性コラー
ゲン量の量が著しく多かった。これに対してゼラチン自
体である調製例1とペプシンで分解し分子量が大きい調
製例3の物質を与えた群2,4は可溶性コラーゲン量の
増加量が少なく、アミノ酸の混合物である調製例4を与
えた群5は群1とほとんど変わらなかった。
イエンス振興財団)を10%の非動化したウシ胎児血清
を含むEMEM中37℃、5%炭酸ガス雰囲気下で培養
した。コンフルエントになった後、血清濃度を0.5%
に下げ24時間培養し、100μg/mlのアスコルビ
ン酸とCDP−1あるいはCDP−2を添加しさらに1
2時間培養した。細胞を生理食塩水で洗浄した後RNA
をIsogenTM(ニッポンジーン)を用いて抽出し、
32Pで標識したヒトタイプIコラーゲンおよびβアクチ
ンのcDNAプローブにてノーザンブロットを行った。
結果を表−3に示す。アスコルビン酸とCDP−2およ
び合成ペプチド(Gly−Pro−Hyp)の併用群に
のみコラーゲン遺伝子の増加が見られる。活性ペプチド
は分子量で約400以下ペプチドであり、その活性本体
のひとつとしてGly−Pro−Hypであることがわ
かる。
以下のコラーゲン又はゼラチン分解物又はアミノ酸配列
がGly−X−Y(X,Yはアミノ酸)トリペプチド、
特にGly−Pro−Hypは、生体コラーゲンの合成
促進剤として極めて有効である。
−20のクロマトグラフである。先に溶出される大きな
分子量画分をCDP−1とし、後の小さな分子量画分を
CDP−2とした。
0のクロマトグラフである。全体をひとつの画分とし
た。
Claims (5)
- 【請求項1】 コラーゲンまたはゼラチンの分解物であ
って分子量が400以下のものを含有することを特徴と
する生体コラーゲン合成促進剤。 - 【請求項2】 アミノ酸配列がGly−X−Y(X,Y
はアミノ酸)であるペプタイドを含有することを特徴と
する生体コラーゲン合成促進剤。 - 【請求項3】アミノ酸配列Gly−Pro−Hypのト
リペプチドを含むことを特徴とする生体コラーゲン合成
促進剤。 - 【請求項4】 コラーゲンまたはゼラチン分解物のアミ
ノ酸配列がGly−X−Y(X,Yはアミノ酸)である
ことを特徴とする請求項1の生体コラーゲン合成促進
剤。 - 【請求項5】 コラーゲンまたはゼラチン分解物のアミ
ノ酸配列がGly−Pro−Hypであることを特徴と
する請求項1の生体コラーゲン合成促進剤。
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