JP2001108581A - 尿検体の採取・保存方法及びその器具 - Google Patents
尿検体の採取・保存方法及びその器具Info
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Abstract
は外因性の細菌により、外気中にそのまま放置しておく
ことで細菌が繁殖し、尿検体中の成分が変化してしまう
ことがある。さらに、尿検体中には酸素や光に対して不
安定な成分が存在するため、外気中に放置することで正
確な測定ができなくなることがある。 【解決手段】 この発明の尿検体の採取・保存方法は、
採取した尿検体をろ過フィルターに通し、減圧密閉され
た回収容器の引圧により、その回収容器に回収するもの
としている。この発明の尿検体の採取・保存器具は、採
尿カップ1と、尿検体のろ過フィルター2を保持したフ
ィルターホルダー3と、栓体4によって減圧密閉された
回収容器5とからなり、前記フィルターホルダー3は、
内部にろ過フィルター2を保持する空間Sを有し、上部
の検体取り込み側と下部の送り出し側にそれぞれ空間S
に連通する注射針6を取り付けたものとしている。
Description
尿検査において、採取した尿検体を変性させずに長時間
保存することを可能にするための方法、及びその器具に
関するものである。
負担を与えずに測定することができるため、外来初診時
及び集団検診時でのスクリーニング検査や経過観察の日
常検査等において広く用いられている。
いは外因性の細菌や、酸素及び光等により比較的短時間
で変性するため、採取後3〜4時間以内に測定するのが
好ましいとされている。尿検体を採取後3〜4時間以上
放置する場合は、密閉状態で冷蔵あるいは冷凍状態で保
存する必要があり、集団検診などにおける大量の尿検体
を検査する際には、一般的に冷蔵あるいは冷凍保存し、
検査時に尿検体を常温状態に戻した後に測定を行う。
検体は、内因性あるいは外因性の細菌により、外気中に
そのまま放置しておくことで細菌が繁殖し、尿検体中の
成分が変化してしまうことがある。
安定な成分が存在するため、外気中に放置することで正
確な測定ができなくなることがある。
定する場合、短時間内で測定を行うために測定者及び測
定装置を常駐させるか、尿検体を冷蔵あるいは冷凍状態
で密栓保管し、測定時に解凍するといった非効率的な選
択をする必要が生じる。
施設で採取された尿検体は、必然的に冷蔵あるいは冷凍
状態で密栓保管するだけでなく、測定できる施設へ輸送
する際にも、その状態を維持するといった非経済的な輸
送方法が必要となってくる。
決するものであり、採取した尿検体を常温状態で数日間
保存しても、尿検体中の成分が変化することなく、正確
な測定が行えると共に、集団検診の際にも採取した尿検
体を冷蔵あるいは冷凍などの処理を施すことなく、簡便
に輸送して検査することが可能な尿検体の採取・保存方
法及びその器具を提供することを目的としてしてなされ
たものである。
検体の採取・保存方法は、採取した尿検体をろ過フィル
ターに通し、減圧密閉された回収容器の引圧により、そ
の回収容器に回収するようにしている。
尿カップ1と、尿検体のろ過フィルター2を保持したフ
ィルターホルダー3と、栓体4によって減圧密閉された
回収容器5とからなり、前記フィルターホルダー3は、
内部にろ過フィルター2を保持する空間Sを有し、上部
の検体取り込み側と下部の送り出し側にそれぞれ空間S
に連通する注射針6を取り付けたものとしている。
は、採尿カップ1と、尿検体のろ過フィルター2を保持
したフィルターホルダー3と、栓体4によって減圧密閉
された回収容器5とからなり、前記フィルターホルダー
3は、内部にろ過フィルター2を保持する空間Sを有
し、上部の検体取り込み側には採尿カップ1の底孔1a
と連通する連通孔8が設けられ、下部の送り出し側には
フィルターホルダー3の空間Sに連通する注射針6を取
り付けたものとしてもよい。
法及びその器具において、ろ過フィルター2の孔径は
0.05μm〜0.2μmにするのが好ましい。
及びその器具において、回収容器5は遮光容器にするの
が好ましい。
法及びその器具において、回収容器5内の圧力は0.1
気圧〜0.5気圧にするのが好ましく、また回収容器5
内を不活性ガスで充満させてから、減圧密閉状態にする
のが好ましい。
保存方法及びその器具によって、採取・保存された尿検
体は、ろ過滅菌が行われると共に、外気からの細菌の汚
染や酸素及び光の影響による尿中成分の変性を防ぐこと
ができ、冷蔵や冷凍などの処理をしなくても長時間保存
することが可能となる。
面に基づいて詳細に説明する。
は、図1、3に示すように、尿検体を採取する採尿カッ
プ1と、尿検体のろ過フィルター2を保持したフィルタ
ーホルダー3と、栓体4によって減圧密閉された回収容
器5とからなる。
ルダー3は、内部にろ過フィルター2を保持する空間S
1 を有し、上部の検体取り込み側と下部の送り出し側に
それぞれ空間S1 に連通する注射針6を取り付けたもの
としている。なお、注射針6の周囲は、薄手のゴムキャ
ップ7で覆われており、注射針6から採尿後の尿が漏れ
出たり、注射針6を手指等に突き刺して怪我をしないよ
うにしている。
採取・保存器具を用いて、この発明の尿検体の採取・保
存方法を実施するには、図2に示したように、フィルタ
ーホルダー3の上部に取り付けた注射針6を、尿検体を
採取した採尿カップ1の底面1aに突き刺し、フィルタ
ーホルダー3の下部に取り付けたもう一方の注射針6を
減圧密閉された回収容器5の栓体4に突き刺すことによ
って、引圧により採尿カップ1に採取した尿検体はろ過
フィルター2を通り、回収容器5へ流入して回収される
ことになる。
ルダー3は、内部にろ過フィルター2を保持する空間S
1 を有し、上部の検体取り込み側には採尿カップ1の底
孔1bと連通する連通孔8が設けられ、下部の送り出し
側にはフィルターホルダー3の空間S1 に連通する注射
針6を取り付けたものとしている。なお、注射針6の周
囲は、前記図1に示したものと同様に薄手のゴムキャッ
プ7で覆われており、注射針6から採尿後の尿が漏れ出
たり、注射針6を手指等に突き刺して怪我をしないよう
にしている。また、採尿カップ1の底部には、フィルタ
ーホルダー3を設置できる空間S2 を設け、このフィル
ターホルダー3が採尿カップ1の底部から突き出ないよ
うにしている。
採取・保存器具を用いて、この発明の尿検体の採取・保
存方法を実施するには、図4に示したように、フィルタ
ーホルダー3の下部に取り付けた注射針6を、減圧密閉
された回収容器5の栓体4に突き刺すことによって、引
圧により採尿カップ1に採取した尿検体はろ過フィルタ
ー2を通り、回収容器5へ流入して回収されることにな
る。
検体を回収することが可能であり、極端に液体漏れを起
こさないものであれば、形状や材質は特に限定されな
い。
過フィルター2は、蛋白質等の尿中被検成分の吸着性が
低いセルロースアセテートやポリスルホン或いはポリエ
ーテルスルホン等を材質とし、孔径は細菌を通さず検体
をスムーズにろ過できるように0.05μm〜0.2μ
mであるのが好ましい。
材質及び構造となっており、一度容器内を窒素ガス等の
不活性ガスで充満させ、減圧状態にして、合成ゴムなど
の栓体4によって密栓されている。回収容器5は、尿検
体がこの回収容器5内に充分量回収できる程度に減圧す
る必要があり、極端な減圧は圧力の維持の効率や、容器
の耐久性に影響を与えるので、材質にもよるが、回収容
器5内の圧力は0.1気圧〜0.5気圧にするのが好ま
しい。
的な尿検査装置に装着できるような、試験管形状やビン
形状が好ましいが、特に限定されることはない。さら
に、回収容器5は、遮光機能を持たせたものとすれば、
回収した尿検体への光の影響を軽減することができるの
で好ましい。
説明する。
器具を用いて、この発明の尿検体の採取・保存方法を実
施し、0〜7日後の尿検体中の成分を測定した。
ぞれ採取する。そして、それぞれのフィルターホルダー
3の下部に取り付けた注射針6を、減圧密閉された回収
容器5の栓体4に突き刺す。すると、回収容器5の引圧
により、採尿カップ1に採取した尿検体は、ろ過フィル
ター2を通り、回収容器5へ流入する。その後、栓体4
に突き刺した注射針6を引き抜き、栓体4をそのままに
した状態で0〜7日間、室温で保存した。なお、ろ過フ
ィルター2は、セルロースアセテートを材質にした孔径
0.2μm、直径50mmのアドバンテック社製フィル
ターを用いた。また、回収容器5は、ゴム栓により栓を
し、0.2気圧に減圧密閉した褐色プラスチックの試験
管とした。
採取した尿検体A〜Eの残りを、何の処理もしないまま
褐色プラスチックの試験管に回収し、ゴム栓をした状態
で0〜7日間、室温で保存した。
社製尿検査装置(US−3100)を用いて、保存直
後、2日後、4日後、7日後に尿中成分を測定した。測
定結果は表1〜5に示す。
は、色調、比重、pH、糖、蛋白、亜硝酸のいくつかの
項目の測定値で、1〜7日の間に大きな変動があった
が、この発明の実施例では、上記項目の測定値で、1〜
7日の間に変動は確認されなかった。
れているので、採取した尿検体を常温状態で数日間保存
しても、尿検体中の成分が変化することなく、正確な測
定が行えると共に、集団検診の際にも採取した尿検体を
冷蔵あるいは冷凍などの処理を施すことなく、簡便に輸
送して検査することが可能なものとなった。
態を示す断面図である。
の使用状態を示す断面図である。
形態を示す断面図である。
の使用状態を示す断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 採取した尿検体をろ過フィルターに通
し、減圧密閉された回収容器の引圧により、その回収容
器に回収するようにしたことを特徴とする尿検体の採取
・保存方法。 - 【請求項2】 採尿カップ(1)と、尿検体のろ過フィ
ルター(2)を保持したフィルターホルダー(3)と、
栓体(4)によって減圧密閉された回収容器(5)とか
らなり、前記フィルターホルダー(3)は、内部にろ過
フィルター(2)を保持する空間(S1 )を有し、上部
の検体取り込み側と下部の送り出し側にそれぞれ空間
(S1 )に連通する注射針(6)を取り付けたものとし
ていることを特徴とする尿検体の採取・保存器具。 - 【請求項3】 採尿カップ(1)と、尿検体のろ過フィ
ルター(2)を保持したフィルターホルダー(3)と、
栓体(4)によって減圧密閉された回収容器(5)とか
らなり、前記フィルターホルダー(3)は、内部にろ過
フィルター(2)を保持する空間(S1 )を有し、上部
の検体取り込み側には採尿カップ(1)の底孔(1b)
と連通する連通孔(8)が設けられ、下部の送り出し側
にはフィルターホルダー(3)の空間(S1 )に連通す
る注射針(6)を取り付けたものとしていることを特徴
とする尿検体の採取・保存器具。 - 【請求項4】 ろ過フィルター(2)の孔径を、0.0
5μm〜0.2μmにしたことを特徴とする請求項1、
2又は3に記載の尿検体の採取・保存方法及びその器
具。 - 【請求項5】 回収容器(5)を遮光容器にしたことを
特徴とする請求項1、2又は3に記載の尿検体の採取・
保存方法及びその器具。 - 【請求項6】 回収容器(5)内の圧力を0.1気圧〜
0.5気圧にしたことを特徴とする請求項1、2又は3
に記載の尿検体の採取・保存方法及びその器具。 - 【請求項7】 回収容器(5)内を不活性ガスで充満さ
せてから、減圧密閉状態にしたことを特徴とする請求項
1、2又は3に記載の尿検体の採取・保存器具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28310799A JP3475350B2 (ja) | 1999-10-04 | 1999-10-04 | 尿検体の採取・保存器具 |
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Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003195628A Division JP2004029028A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 尿検体の採取・保存方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001108581A true JP2001108581A (ja) | 2001-04-20 |
JP3475350B2 JP3475350B2 (ja) | 2003-12-08 |
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ID=17661322
Family Applications (1)
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JP28310799A Expired - Lifetime JP3475350B2 (ja) | 1999-10-04 | 1999-10-04 | 尿検体の採取・保存器具 |
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1999
- 1999-10-04 JP JP28310799A patent/JP3475350B2/ja not_active Expired - Lifetime
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